九華公園の野鳥たち
このウェブページは、かつて九華公園に展示した「九華公園の野鳥たち」というパネル&アルバムをもとにしています。今から9年ほど前、九華公園の指定管理者であった株式会社KMI桑名の管理人Uさんから、「毎日、野鳥を見に来て、写真を撮っているなら、ここで見られる野鳥の資料でもつくってはどうか」という提案をいただき、平成27(2015)年10月から平成28(2016)年9月に観察した野鳥をまとめて、「九華公園の野鳥たち」としてまとめました。その後、新たに観察した野鳥を追加し、平成29(2017)年10月に改訂第2版を、さらに、令和3(2021)年9月に改訂第3版をつくっています。第3版には、合計67種類の野鳥を載せました。散策、ウォーキングなどで九華公園を訪ねる方はたくさんいらっしゃいますが、これほどの野鳥が見られることをご存じの方は少ないのではないかと思います。
観察は、主に午前中に行っています。掲載した写真は、原則として九華公園で上記の期間に撮影したものですが、一部は、他の場所で、あるいは、上記以外の期間に撮影したものもあります。なお、より鮮明な写真があるものについては、これから入れ替えたいと考えています。
1.「渡り区分」の種類
| 区分 | 説明 |
| 夏鳥 | 春から夏にかけて日本に渡来し、秋に日本を離れ越冬地に移動する渡り鳥。主に日本より南方から渡来し、日本で繁殖(子育て)をする。 |
| 冬鳥 | 秋から冬にかけて日本に渡来し、春に日本を離れ、繁殖地に移動する渡り鳥。日本より北方で繁殖(子育て)し、日本で越冬をする。 |
| 留鳥 | 日本の中の同じ地域に一年中生息し、繁殖(子育て)をする。基本的には、夏鳥や冬鳥、漂鳥のように季節的な移動をしない鳥。 |
| 漂鳥 | 日本の中で季節的な移動をする鳥。標高の高いところや、緯度の高いところで繁殖(子育て)し、冬はより暖かい地域に移動し越冬する。 |
| 旅鳥 | 春秋の移動の途中に日本に立ち寄る鳥。主に日本より北方で繁殖(子育て)し、日本より南方で越冬する。 |
2.九華公園で見られた野鳥たち
1)アイガモ(合鴨)
野生のマガモを飼いならしてできあがった家禽(ナキアヒルの別名)や、アヒルとマガモの交雑個体ないし雑種を総称していう。一般的には、マガモとアヒルの一代雑種を指すことが多いが、確立された定義はない。普通は、野鳥としては扱わない。2025年9月16日に北門を入ってすぐの堀にいるのを見つけた。アイガモは飛べないので、ここに連れて来て放したものと考えられる。
2)アオサギ(青鷺)
日本で繁殖する最大のサギ。全長93cm。青みがかった灰色の羽毛で被われているため、アオサギという。背が高く、脚も首も長い。大きな翼をゆっくり羽ばたいて飛ぶ。九華公園では、鎮国守国神社の社務所の裏などによくいる。留鳥。
3)アオジ(青鵐)
全長16cm。スズメよりやや大きい。頭は暗緑色、目の周りは黒色。背は暗褐色で、胸・腹は緑がかった黄色。自然に溶け込み目立ちにくい。本州中部以北の山地や、北海道では山地の明るい林や低木林などの環境で繁殖する。冬には関東以西の積雪のない地方の、低木の生えた草地、薮などに棲む。九華公園では珍しい。漂鳥だが、冬になると海外から渡来してくることもある。
4)アオバト(青鳩)
山地林に棲む、全身がほぼ緑色のハト。全長33㎝。植物の実を好む。海水を飲む習性がある。これは、塩分やミネラルの補給のためと考えられている。2025年6月20日に初見。その前に三の丸水門あたりで目撃情報があった。このときも海水を飲みに来た際に九華公園に立ち寄ったのではないかと思われる。写真はオス。留鳥/漂鳥。
5)アカハラ(赤腹)
全長24㎝。胸から腹が赤みがかった橙色をしているので、「アカハラ(赤腹)」と名付けられたツグミの仲間。本州以北の高原や東北、北海道の林で繁殖し、冬は暖かい地方の平地に移動する。同じ仲間のシロハラは、冬鳥として渡来する渡り鳥である。九華公園では珍しい。夏鳥/冬鳥。
6)アトリ(花鶏)
全長16cm。黄褐色を基調に黒、白の模様をした小鳥。尾羽の先は魚の尾のような形をしている。日本では秋にシベリア方面から渡って来る。森林や農耕地で見られることが多く、数百数千羽、時には数万羽の群になることもある。飛びながら「キョッ、キョッ」と鳴く。九華公園で見ることは多くない。冬鳥。
7)イカル(鵤、桑鳲)
全長23cm。体は灰色で翼、尾、それに頭上は青味のある黒色をしている。大きな太い黄色のくちばしで、堅い木の実や草の実をくだいて餌にしている。北海道、本州、四国、九州で繁殖し、山麓や平地の林の中にいる。「キー コー キー」と、よく通る声で鳴く。九華公園や柿安コミュニティパークで、春先に最近よく見られる。留鳥または漂鳥。
8)イソシギ(磯鷸)
全長20cm。頭から背、翼の上面は緑褐色で、胸の脇は灰褐色。喉、腹は白色。翼をたたんだ時の翼角に白色が食い込んで見え、よく目立つ。歩くときに腰を上下に振るのが特徴。河川、池沼畔にいることが多いが、九華公園や、まれに柿安コミュニティパークの堀にもやってくることがある。留鳥。
9)イソヒヨドリ(磯鵯)
全長23cm。オスは頭から胸、背、腰までが青藍色。腹は赤褐色。翼と尾は黒っぽい。メスは全体が灰褐色で、背は腹より黒っぽく、鱗様の模様が沢山ある。河川、池沼畔にいることが多いが、九華公園にもやってくることがある。最近は町中のビル、マンションなどでも見かける。ヒヨドリに似た外見であるためこの名がついているが、ヒヨドリ科ではなく、アトリ科の鳥。留鳥。
10)ウグイス(鶯)
全長15.5cm(オス)。細身でオス・メスとも、暗緑茶色。「ホーホケキョ」の鳴き声が有名である。ただし、植え込みなどの中にいることが多く、姿を見せることは少ない。春に、鎮国守国神社の森や、神戸櫓跡あたりで鳴き声は聞かれるが姿はなかなか見られない。メジロをウグイスと勘違いしている人も多い。これは「うぐいす色」を抹茶色に近い柔らかな黄緑色と思っているから。ちなみに、「梅にメジロ」はよく見るが、「梅に鶯」は滅多に見られない。留鳥/漂鳥。
11)エゾビタキ(蝦夷鶲)
全長14.5cm。胸の縦斑がはっきりしている。日本では繁殖しておらず、主に秋に通過する旅鳥である。九華公園では、9~10月に見られることがある。樹上から空中を飛んでいる虫を追って舞いあがり、捕らえた後再び元の枝に戻ってくることが多い。このため、英語ではフライキャッチャー(flycatcher)と呼ばれる。旅鳥。
12)エナガ(柄長)
全長14cm。綿を丸めたような体に長い尾羽がついた、かわいらしい鳥。群れでやって来て、あちこちよく移動する。日本では、二番目に小さい鳥で(最小は、キクイタダキ)、体重は8グラムほど。名前は、極端に長い尾(全長14 cmに対して尾の長さが7~8 cm)を柄の長いヒシャクに例えたことに由来する。シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラなどの違う種の小鳥と混群になっていることも多い。留鳥。
13)オオヨシキリ(大葦切)
全長18.5cm。頭から背、翼の上面、尾の上面は淡褐色をしている。「ギョギョシ ギョギョシ ギョギョシ」あるいは「ケケス ケケス カイカイシ」などと聞こえる大きな声でさえずる。オオヨシキリの観察は1回のみで、揖斐・長良川の中洲にわたってきたものがたまたま来たと思われる。夏の季語にある「行々子(ギョギョシ)」は、この鳴き声に由来する。夏鳥。写真は、長良川河口堰にて撮影したもの。
14) オオバン(大鷭)
全長39cm。全体は灰黒色で額とくちばしは白色。この白い額がトレードマーク。足は緑青色で、弁足となっている。「キュイッ」と聞こえる声を出す。「水鶏(クイナ)」の仲間。九華公園の堀には秋から冬にかけてたまにやってくる。留鳥/漂鳥。
15)オカヨシガモ(丘葦鴨)
全長50cm。カルガモよりやや小さい。オスも、比較的地味な色で灰色味がある。尾羽のもとのところは黒い。巣をヨシ原や湿地草原の地上に作るので、丘葦(葭)鴨(オカヨシガモ)という。昔は野生のカモを食べていたが、オカヨシガモが一番おいしく、ついでマガモ、コガモの順ということが伝わっている。九華公園では珍しい。冬鳥。
16)カイツブリ(鳰)
全長26cm。足には各指にみずかきがあり、潜水が大得意である。神経質で人の姿を見るとアッという間に潜って逃げ、遠いところにポッカリ浮かんでくる。カモなどと一緒にいると、カモの子どもに見られてしまうが、無関係である。九華公園では、冬にたまに単独でいるのを見る。若鳥が飛来したこともある。留鳥/漂鳥。
17)カシラダカ(頭高)
全長15cm。ホオジロの仲間の小鳥。背、翼、尾は褐色で、黒褐色の斑がある。腰は赤褐色、腹は白色。緊張すると冠羽を立てるので、その形から「頭高(カシラダカ)」と名付けられた。河川近くの茂みなどにいることが多く、九華公園では珍しい。冬鳥。
18)カルガモ(軽鴨)
全長60cm。カモの仲間。全体に黒褐色で、顔は白っぽく、二本の黒褐色線がある。嘴は黒く、先端部は黄色で、よく目立つ。脚は橙赤色。メス・オス同色だが、体はオスの方が大きく、黒味も強い。「グエーグエッグェ」と聞こえる大きな声で鳴く。九華公園には、以前は常にいたが、最近は、ときどき飛来するのみである。留鳥。
19)カワウ(川鵜)
全長81cm。全身ほぼ黒色のガチョウほどの大型の水鳥。くちばしの先は挟んだ魚を逃さないように鉤型になっており、魚獲りが上手である。九華公園では、野球場の照明灯やフェンスの上、奥平屋敷跡のステージの裏によくいる。水にぬれた翼を大きく広げ乾かしているところも見られる。泳ぐのも潜水するのも達者で、魚類を水中で捕らえ、水面まで運んで飲み込む。飛び立つときには助走が必要で、両足をそろえて跳ねている。留鳥。
20)カワセミ(翡翠)
全長17cm。羽色が鮮やかで、翡翠(ひすい)のような体色から、飛ぶ宝石ともいわれ、人気がある。くちばしは体の割りに長く、魚取りが得意。渓流や池沼などを見下ろす木の枝に静かにとまっていて、水中の獲物をとったり、水面をかすめて一直線に速く飛んだりする。九華公園でも、2羽がいることがある。よく目撃されるのは、鎮国守国神社の社務所の裏や、二の丸堀の周囲、吉之丸堀の東側エリアである。留鳥。
21) カワラヒワ(河原鶸)
全長13.5cm。全身黄色味のある褐色で、尾は魚尾型をしている。止まっている時は地味に見えるが、飛ぶ時の翼の黄色帯は鮮やかでよく目立つ。さえずりも、「キリコロロ キリキリコロコロ ビィーン」などと聞こえる、きれいな声である。九華公園でもっともポピュラーな鳥の1種で、いたるところでよく見られ、繁殖もしている。木の高いところにいることが多いが、地面に降りて餌を拾っているところも見かける。もともと河原にいることが多かったので、この名が付いた。留鳥。
22)キジバト(雉鳩)
全長33cm。ブドウ色の体に、ウロコ模様の背中、首に青白黒のマフラーを巻いたような、おしゃれな鳥である。樹の上から、「デデッポポー デデッポポー」という声がしてくるのがこのキジバト。九華公園でもよく見かける。樹上に巣を作っていることも多い。巣は下から卵がすけて見えるほど雑なつくり。寺や神社、公園などにたくさん群れているハト(カワラバト、ドバト)とは別である。留鳥/漂鳥。
23) キセキレイ(黄鶺鴒)
全長20cm。細身で尾の長い鳥。セキレイの仲間の鳥で、胸から腹にかけて黄色いところからキセキレイの名がある。渓流・河原・水田のあたりで生活するものが多く、九華公園で見ることは珍しい.冬にまれに見るくらいである。いつも尾を上下に動かす習性がある。「チチッ チチッ」と鳴きながら大きな波形をえがいて飛ぶ。留鳥/漂鳥。
24)キビタキ(黄鶲)
全長13.5cm。オスは水仙のような橙色や黄色とカラフルだが、メスは地味な暗緑色をしている。英語では「ナルシッサス・フライキャッチャー」と「水仙」を意味する言葉が含まれる。昆虫などを食べる。「ピッコロロ、ピッコロロ」と美しい声で鳴く。さえずりには多くの種類がある。九華公園では9月頃に見ることがある。近くにある貝塚公園でもみることがある。夏鳥。
25)キンクロハジロ(金黒羽白)
全長44cm。九華公園の冬鳥の代表の一つ。目が金色、頭や背、胸、尾、翼の上面が黒、翼に現れる帯が白ということでキンクロハジロという名前になった。水に潜って、シジミなど貝類などを採食する。オスは黒白のツートンカラーに、長い冠羽がある。メスは背中は黒褐色、わき腹などは褐色。冠羽は短い。日中は休息して夜間に活発に活動するが、公園などで餌付けされているものは、日中でも餌を求めて動き回る。越冬中は群れで生活する。冬鳥。
26) ケリ(鳬)
全長36cm。チドリの仲間の脚の長い鳥。頭から首は灰色。背や翼の上面雨覆は灰褐色、腹は白色。尾も白色で、先の方に黒帯が出る.雌雄同色。「キキッ キキッ」 あるいは「キリッ キリッ」など歯切れの良い大きな声を出す。カラス、犬、人など巣に近づく外敵には上空から急降下して襲うなど、気の強い性格である。九華公園で見ることはまれ。留鳥。
27)ゴイサギ(五位鷺)
全長58cm。夜間「クワッ」とカラスのように鳴くことから「夜烏」の異名もある。成鳥では頭から背は緑黒色で、翼の上面は灰色。若鳥は灰色味のある茶色で斑点模様がある。鎮国守国神社の社務所裏でときどき見られる夜行性。昼間は林の中でじっとしていて、夕方から川や池へ出かけ、魚を捕る。巣は樹上につくり、集団繁殖する。名前は、醍醐天皇が、池にいたこの鳥を捕えるように命令したが、家来が近づいても逃げることなく、おとなしくつかまったことから、ご褒美に五位の位(くらい)を賜わったことによる。ゴイサギの幼鳥は、灰色味のある茶色で白い斑点模様がある。白い斑点を星に見立てて、「ホシゴイ」という異称がある。成鳥の色彩になるまでに3年ほどかかり、目の色も黄色から次第に赤くなる。留鳥。
28)コガモ(小鴨)
全長38cm。オスの色彩はカラフルだが、メスは茶色系で地味で細かい模様をしている。日本の水辺にやってくるカモ類ではいちばん小さいカモ。小さいためにコガモ(小鴨)と呼ばれる。湖沼、河川、池、海岸などに群れでいることが多く、都市部の小さな川や公園の池でも見られる。地上や、水面で餌を摂ることが多い。冬鳥。
29)コゲラ(小啄木鳥)
全長15cm。日本で一番小さなキツツキである。「ギイー ギイー」と聞こえる鳴き声や、嘴で木を強く連続して叩く音で、コゲラがいることはよく分かる。背はこげ茶色に白い点模様(白点が続いて線に見えることも多い)がたくさんある。両足と尾との三点確保で、垂直な木の幹を上り下りする。オスは耳羽の上あたりに赤色羽があるが、風になびくなどしないと見えない。九華公園で営巣したことがある。留鳥。
30)コサギ(小鷺)
全長61cm、翼を広げると98cmほど。頚が長く、脚、くちばしも長いサギの仲間である。全身白色で、くちばしは一年中黒色をしている。脚は黒色で、指は黄色。九華公園では珍しい。河川、池沼、水田など浅い水辺で餌をさがす。餌は小さめの魚、エビ、カニ、ザリガニ、貝類、水棲昆虫類など。浅瀬を走り回ったり、脚をふるわせて、泥の中の生きものを追い出したりして捕っている。留鳥。
31)コサメビタキ(小鮫鶲)
全長13cm。スズメよりもずっと小さい鳥である。頭から尾までの体の上面は灰褐色、胸・腹は白色。眼の周囲に不明瞭な白い斑紋(アイリング)が入る。体の大きさの割に目が大きめで、可愛らしく見える。日本では夏鳥として飛来。九華公園は、渡りの時期に通過していくと思われる。夏鳥。
32)コシアカツバメ(腰赤燕)
全長18.5cm。体形、生態はツバメによく似ているが、体は少し大きめである。腰は四角形にレンガ色をしていて、尾はツバメより太めで長め。体の下面は薄い褐色で、細い縦斑が多数ある。「ジュリリ ジュリリ チュー」などと聞こえる、ツバメより濁った声を出す。九華公園に飛来するのは、稀である。夏鳥。
33)コチョウゲンボウ(小長元坊)
全長オス27cm、メス31cm。写真はオスである。ハヤブサの仲間。オスは頭頂部と背面、翼の上面が鮮やかな青灰色。胸から腹にかけて褐色の縦斑がある。日本へは冬に、海岸から農耕地に飛来するが、数は少ない。小型鳥類、小型哺乳類、昆虫類などを食べる。電柱や木の上部など、見晴らしのよいところで獲物を探す。九華公園で見たのは、1回のみであり、かなり珍しい。冬鳥。
34)ササゴイ(笹五位)
全長53㎝。全身がやや青みのある灰色で、嘴は鋭く長い。頭頂から後頭、頬の線は紺色で、後頭には長い冠羽がある。サギの仲間。河川、湖沼などに棲み、主に魚類を捕食する。翼にある白い羽縁が笹の葉のような模様に見えるのが、和名の由来。雌雄同色。夏鳥。
35)サメビタキ(鮫鶲)
全長14cm。夏に本州中部以北の山に飛来する。渡りの時期には、海岸や島の林にもいる。雌雄同色で、背面は暗灰褐色、腹面は白い体羽で覆われる。写真は、サメビタキと思われるが、同じ仲間のコサメビタキかも知れない。夏鳥。
36)サンコウチョウ(三光鳥)
全長45cm(オス)、17.5cm(メス)。繁殖期のオスは、体長の3倍ぐらいの長い尾羽をもつ。小さな冠羽があり、目の周りとくちばしはコバルト色。日本では夏鳥として渡来し、平地から低い山のうす暗い林で繁殖する。さえずりが、「ツキ(月)ヒ(日)ホシ(星)ホイホイホイ」と聞くことができるところから、三つの光、「三光鳥」の名がついた。夏鳥。九華公園で見たのはメスで、2014年9月28日の1回のみ。ただし、ほかに未確認のオスの目撃情報がある。
37)シジュウカラ(四十雀)
全長14.5cm。体重は14gくらい。全国に分布し、九華公園でもよく見られる。「ツィピーツィピーツィピー」と鳴いて、鳥の中でもいち早く春を告げる。市街地にもよくいる。白いほっぺたに黒いネクタイが特徴。「四十の雀」と書いてシジュウカラ。たくさん群れるからという説や、スズメ40羽分の価値があったことから名付けられたという説もある。シジュウカラだけで群れをなしていることもあるが、ヤマガラやコゲラなどと混群をつくっていることもある。留鳥。
38)シメ(鴲)
全長18.5cm。全身茶色系で、嘴は短かめで太く、尾は短い。嘴の力は強く、堅い木の実、草の実を割って食べる。北海道で繁殖し、秋になると本州に渡って来る。九華公園にも冬にやってくる。たいていは単独行動をしている。肥満型で一度見たら忘れられない。漂鳥。
39) ジョウビタキ(尉鶲)
全長15cm。オスは頭が銀白色、顔は黒色、腹は赤茶色。メスは体が灰色味のある茶色。どちらも翼に白斑がある。名前のジョウは「尉」で銀髪のこと。ヒタキは「火焚」で、火打石をたたく音に似た音を出すことからジョウビタキと呼ばれる。翼にある白い斑点をキモノの紋に見たてて、モンツキドリ(紋付き鳥)という地方があるという。ときどきぴょこんとおじぎをして尾をふるわせる、かわいい鳥。割と人懐っこい。積雪のない地方で越冬する冬鳥。
40)シロハラ(白腹)
体長25cm。ヒヨドリよりわずかに小さい。ほぼ全身が灰褐色で、名前の通り腹部が白っぽいのが特徴である。森林の茂みの中にひそむことが多い。九華公園では、鎮国守国神社の森でよく見る。地上をピョンピョンと跳ねて獲物を探す。冬はほとんど鳴かず、たまに小声で「キョッ キョッ」などと地鳴きをする程度である。冬鳥。
41)スズメ(雀)
全長14.5cm。人の住んでいるところに棲む身近な鳥である。短くて太めで、草の種子を食べる嘴をしている。留鳥で渡りはしないと考えられているが、新潟県から岡山県、愛知県、関東地方などへ移動するものもいる。近年その数が減っているといわれる。その理由は、住宅に巣を作りにくくなったためと考えられる。春先には巣立ったヒナ(若鳥)もよく見る。留鳥。
42)セグロカモメ(背黒鴎)
全長61cm、翼を広げると151cmである。背中と翼上面は明るい灰色、頭部・首・腹・尾は白い。冬羽では後頭部から頸にかけて褐色の小斑がでる。くちばしは黄色く、下くちばしの先端近くに1つだけ赤い斑点があるのが特徴。脚は薄いピンク。海岸、河口に飛来するが、比較的西日本に多い。魚類や昆虫等を食べる。もっとも普通に見られる大型カモメ類。九華公園へは、年に2~3回飛来する。冬鳥。
43)セグロセキレイ(背黒鶺鴒)
全長21cm。全体が白黒模様。頭から背と胸は黒色で、頭の黒色の中に額の白色が良く目立つ。翼は白色部分が多く、腹は白色なので、飛ぶと白い鳥に見える。地上にいるときは、腰を上下に振ることが多く、セキレイ類の特徴の一つ。日本特産種である。河川の中流域より上流にいることが多い。九華公園では珍しい。飛ぶ時は上下に揺れる波型を描き、「ジジッ ジジッ」といった濁った声を出す。留鳥。
44)センダイムシクイ(千代虫喰)
全長12.5cm。スズメよりずっと小さいムシクイの仲間。体の背側は暗緑色、腹側は灰白色。白色の細い眉斑の他、頭頂に細長い淡色斑がある。樹中の枝にとまることが多い。「チヨ チヨ ヴイー」あるいは「チヨ チヨ ビィー」と聞こえる声でさえずる。これを「鶴千代君(ツルチヨギミ―)」「焼酎1杯グイ」と聞きなすことがある。夏鳥。
45)ダイサギ(大鷺)
全長89cm。全身は白色、くちばしは繁殖羽では黒色、非繁殖期は黄色をしている。脚も黒っぽい。白いサギの中では最大である。河川、池沼、水田、干潟など水辺に生息し、魚類をはじめザリガニ、カエルなど水辺の小動物を食べている。留鳥。
46)ツグミ(鶫)
全長24cm。冬鳥として渡来し、積雪のない地方の水田の刈跡、畑地、草地、河原など広々とした背の低い草地にいる。胸を張って木の枝にとまり、地面におりて枯葉の下の虫を探す。跳ねては止まって、「だるまさんが転んだ」をしているように見える。冬鳥なので日本ではさえずりをしないため、「冬には口をつぐんでいる」、それでツグミと呼ばれるようになったといわれる。九華公園でも冬によく見られる。冬鳥。
47)ツツドリ(筒鳥)?
全長33cm、翼を広げると56cm。ホトトギスと姿、形は大変よく似ていますが、ホトトギスより一回り大きい。頭から背・翼の上面は灰色で、腹は白く、黒い横縞がはっきりしている。「ポポ ポポ」あるいは「ポポッ ポポッ」と鼓を打つような声で鳴き、紙筒の口を叩く音に似ているとして、筒鳥と呼んでいる。九華公園ではめったに見られない。夏鳥。
48)ツバメ(燕)
全長17cm。オス・メス同色だが、尾が長い方がオスである。空中を飛んでいる虫を捕まえて餌にする。南の国からやって来る渡り鳥の代表。家の軒下につくられる巣は、子育て用。九華公園には、水を飲みに来たり、雛の飛行練習に来たりしている。夏鳥。
49)ドバト(土鳩、カワラバト(河原鳩))
全長33cm。灰色のものが普通だが、さまざまな色や模様がある。飼われていたハトが野生化したもので、普通は野鳥には含まない。群れになる性質が強い。通説では、「カワラバトはドバトの正式な学術和名」である。「ドバト」という名前は、安土桃山時代に「堂鳩<どうばと>」と呼ばれたものが転化したという説がある。留鳥。
50)トビ(鳶)
全長69cm(オス)、59cm(メス)。タカの仲間。河口、海岸、河川などでよく見られ、魚や死んだ動物などを食べ、ゴミ捨て場にも集まる。「ピーヒョロロ」と鳴きながら、円を描いて飛ぶ。九華公園にもまれに飛来する。野球場のフェンスの支柱に降り立ったこともある。留鳥。
51)ニュウナイスズメ(入内雀)
全長14㎝。スズメよりほんの少し小型。オスは頭から背、腰などに赤味のある褐色。背には黒い縦斑がある。喉に小さな黒色はあるが、スズメのように頬に黒斑はない。「チュビッ」と聞こえるスズメより濁り気味の声を出す。『枕草子』に「頭赤き すずめ」として出ている。宮中(内廷)に入れるので入内(にゅうない)雀という説がある。夏鳥/冬鳥。アジア大陸の温帯に分布・繁殖していて、北のものは冬に南へ移動する。
52)ハクセキレイ(白鶺鴒)
全長21cm。もっとも身近にいるセキレイの仲間である。頭から背は黒色か灰色で、腹と翼は広く白色。白い顔に目を通る細い黒線がある。メスは、オスよりも黒みが少ない。「チチン チチン」と鳴きながら、波形に飛ぶのはセキレイ類の特徴である。小さな虫類を捕える。九華公園で見られるセキレイのほとんどは、このハクセキレイ。留鳥。
53)ハシビロガモ(嘴広鴨)
全長は、オス51cm、メス43cm。長めで、横幅が広い嘴が特徴であり、これが名前の由来となっている。カルガモよりやや小さく、雄は白い胸と四角く赤茶色の腹が目立ち、雨覆羽は青味をおびて美しい。水面に嘴をつけ、ぐるぐる回りながら採食する。水ごと食物を吸い込み、嘴で食物だけをこし取り水だけを吐き出している。九華公園では、数は少ないが、毎年飛来する。冬鳥。
54)ハシブトガラス(嘴太鴉)
全長57㎝。全身黒色の大型の鳥である。嘴が太い。額が出っぱっており、くちばしとは段になって見える。名前は、嘴が太いことに由来する。ハシボソガラスよりやや大きい。街中や森林、山に棲み、どこでも見られる。魚を始め、動物の死体、小動物、果実、人の出す生ゴミなど雑食性
頭脳が優れており、記憶力も良い。留鳥。
55)ハシボソガラス(嘴細鴉)
全長50cm。全身黒色だが、近くで見ると羽は、青・紫などの光沢を持つ。よく似ているハシブトガラスは、ハシボソガラスより一回り大きい。歩くのが好きで、お辞儀しながら「ガーガーガー」と鳴く。木の実、草の実、野菜類、昆虫類、海岸や川辺で見つかる魚や獣などの死体など、何でも食べる。農耕地や田園地帯に棲むことが多い。「権兵衛が種蒔けば、鴉がほじくる」のカラスはこれである。留鳥。
56)ハジロカイツブリ(羽白鳰)
全長31㎝。湖沼や河川など主に淡水域に生息するが、漁港や湾内など、波が高く立たない場所であれば海水域にも見られる。次列風切が白いことが和名の由来。雌雄同色で、虹彩は赤く、嘴がやや上に反っている。冬羽は、頭部から脇、体上面にかけて黒い。頬は白く、頭部のクロトの境界線がぼやける。体下面は、白い。冬鳥。2025年11月7日
57)ヒガラ(日柄)
全長11㎝。シジュウカラの仲間では、日本で最小。頬が白く、のどには三角形の黒い模様が特徴(シジュウカラは、黒いネクタイの模様があるので区別できる)。秋や冬には平野にやってくる。針葉樹の林を好み、虫や虫の卵を探して食べる。人の架けた巣箱にもよく入る。オスは速いテンポで「ツピン ツピン ツピン」とさえずる。留鳥。
58)ヒドリガモ(緋鳥鴨)
全長はオスが53cm、メスが約43cm。オスは額から頭頂がクリーム色で、顔から頸が茶褐色、胸は薄い茶色。メスは全体に褐色、他のカモ類と比較して赤褐色みが強く、腹は白い。オスは口笛のような「ピュー、ピュー」という特徴ある甲高い声でよく鳴く。日本でもっとも普通に見られるカモ類であるが、九華公園には、1~数組が来る。冬鳥。
59)ヒヨドリ(鵯)
全長27.5cm。全体が灰色に見える。ボサボサ頭で頬は茶色。「ヒーヨヒーヨ」と名を名乗るように鳴く。花の蜜や果実が大好物。日本の固有種
市街地などでもよく見られる。九華公園でも、夏場を除いて普通に見られる。その昔、一ノ谷の合戦での源義経の「ひよどり越え」が有名であるが、そこが春と秋ヒヨドリの渡りの場所になっていたからという。留鳥/漂鳥。
60)ヒレンジャク(緋連雀)
全長17.5cm。体は丸みがあり、尾は短く、尾の先端が赤。頭には短い冠羽がある。日本中で観察記録はあるものの、個体数は少ない鳥。4~5年に1度、群が渡来することが多い、不定期な冬鳥。尾の先が黄色いキレンジャクもいる。シベリアや中国北東部で繁殖するが、絶滅が危惧される
筆者がこれまでに九華公園で見たのは、2回 。冬鳥。
61)ビンズイ(便追)
全長15.5cm。メス・オス同色。セキレイの仲間だが、尾はそれほど長くはない。足を交互に出して歩き、尾を上下に振る。体の上面は緑褐色で、緑色味が強い。平地の林、それも松林に好んで棲み、地上で餌を探す。九華公園では、神戸櫓跡から辰巳櫓跡あたりで、冬によく見られる。漂鳥。
62)ホオジロガモ(頬白鴨)
全長45㎝。オスの頬が白いカモ。オスは頭部が光沢のある緑色をしており、おむすびを載せたような形で頭でっかちに見える。嘴基部に白斑があり、目立つのが和名の由来。メスは、頭部が焦げ茶色で、首には黄色い帯状紋がある。冬鳥。2019年11月19日にメスが飛来。
63)ホシハジロ(星羽白)
全長48cm。オスは、赤味のある茶色の頭、黒い胸をしており、目は赤い。メスは、全身褐色で目のまわりに白っぽい線がある。メスの目は褐色
植物食傾向が強い雑食。潜って食べ物を採る。冬鳥。10数年以上前には、九華公園にたくさん飛来したが、最近は少ない。
64)マガモ(真鴨)
全長59cm。「カモ」の仲間の代表。オスは「青首」ともいわれる。オスは体が上下面とも淡褐色。頭は緑色、胸は栗褐色、くちばしは黄色。脚は赤味のある橙色。メスは全身褐色で、黒褐色の模様が沢山あり、目立たない。オスは「グェー グェッ グェッ」 と大きな声で鳴く。水辺の植物の葉や実を食べる。日本では主に冬鳥である。マガモを飼育改良したものがアヒルである。九華公園では、2010年4月25日以降見ていない(木曽川、町屋川などには飛来している)。
65)マヒワ(真鶸)
全長12.5㎝。スズメより小さい鳥で、全体がほぼ黄色に見える(メスは薄い)。オスの頭は黒く、体の黄色も鮮やか。尾は魚尾型(M字型)。冬鳥として群れで林などに飛来する(北海道・本州北部では繁殖するものもいる)。植物の種子などを食べる。昔は愛玩用に飼育された(現在は認められていない)。飼育するとすぐに死ぬので、弱い鳥として「鶸」とされた。冬鳥/漂鳥。
66)ミサゴ(鶚)
全長63cm、翼開長174cm(いずれもメス)。トビとほぼ同じ大きさのタカの仲間である。尾は短めで、翼は長め。背面は暗褐色で、下面は白色。翼の下面には暗褐色の模様が出る。空中の一点でホバリングをしながら、水面を探し、獲物を見つけると急降下し、水中へ飛びんで魚を捕らえる。揖斐川、長良川上空でよく見るが、九華公園にも、冬になるとまれに飛来する。留鳥。
67)ムクドリ(椋鳥)
全長24cm。全身は黒味のある褐色で、頭は灰色がかった黒褐色。目の周囲から頬にかけて不規則な白斑がある。嘴、足は黄色。地上を歩いて餌を探し、地面や草にいる虫を食べる。「キュルキュル」「ジェー」「ツィッ」などとさまざまな声を出す。人家や人家近くで繁殖し、農耕地、公園の芝生、草地などでよく見られる。多い場合は数万羽の群になることもある。駅前のロータリーや街路樹に集まり、嫌われることも多い。留鳥。
68)メジロ(目白)
全長11.5cm。体は、鮮やかな黄緑色。目のまわりの白い縁取りが特徴である。体の色からウグイスと間違える人もいる。椿などの花の蜜が好きで、「チィー」と甘い感じの声で鳴く。九華公園でもよく見られる。とくに梅や桜の花にやって来て、蜜を吸うことが多い。留鳥。
69)モズ(百舌鳥)
全長20cm。オスは黒い過眼線がある。一方、メスのそれは褐色。長めの尾を回すように振る。秋に「高鳴き」をして縄張りを確保する。越冬したものは、2月頃からその場所で繁殖する。4月中頃までにヒナを育て終った親鳥は、高原や北へ移動する。小さいものの、嘴はタカのように鈎型をしており、小鳥を捕らえたりもするので、「小さな猛禽」といわれる。生け垣などのとがった小枝や、有刺鉄線のトゲなどに、バッタやカエルなどの獲物を串ざしにする習性がある(モズのはやにえ)。九華公園あたりでも、9月末から10月に高鳴きが聞かれる。留鳥。
70)ヤマガラ(山雀)
全長14cm。背・翼の上面は灰色、腹は褐色。頭には、黒色と白っぽい淡い褐色の模様がある。頭でっかちで、尾は短め。昆虫や、堅い木の実を食べる。地鳴きは、「ビィービィービィー」と鼻にかかった声。さえずりは「ツツピーン ツツピーン」とゆっくりした鳴き方をする。人慣れする性格で、かつては「おみくじ引き」などの見世物をさせていたことがある。シジュウカラやコゲラと一緒にいることも多い(混群と呼ばれる)。留鳥。
71)ユリカモメ(百合鴎)
全長40cm。九華公園には、冬鳥として、11月下旬から4月初めくらいまで飛来する。赤い嘴と足がきれいな小型のカモメの仲間である。在原業平、や和泉式部の古歌に登場する「都鳥」はこの鳥である。「ギィー」とか「ギュゥーィ」と聞こえる声で鳴く。日本には主にカムチャッカ半島から渡って来る。名前は、入江のカモメを意味する「イリエカモメ」が「ユリカモメ」に転じたもの、「百合」を当て字にしたもの、という説がある。冬鳥。
3.参考資料
野鳥の説明は、主に以下を参照しました。
- サントリー日本の鳥百科
- 日本野鳥の会“BIRD FAN”
- 久保田修(2012):ひと目で見分ける287種 野鳥ポケット図鑑.新潮文庫.
- 小学館の図鑑NEO 5 野鳥.小学館(2002).
- 樋口広芳(監)・石田光史(著)(2015):ぱっと見分け 観察を楽しむ野鳥図鑑.ナツメ社.





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