お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2026年5月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2021年1月以降の記事を残し、2020年12月以前の記事は削除しました。2021年1月1日以降の記事は、両方にあります。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

九華公園の野鳥たち

 このウェブページは、かつて九華公園に展示した「九華公園の野鳥たち」というパネル&アルバムをもとにしています。今から9年ほど前、九華公園の指定管理者であった株式会社KMI桑名の管理人Uさんから、「毎日、野鳥を見に来て、写真を撮っているなら、ここで見られる野鳥の資料でもつくってはどうか」という提案をいただき、平成27(2015)年10月から平成28(2016)年9月に観察した野鳥をまとめて、「九華公園の野鳥たち」としてまとめました。その後、新たに観察した野鳥を追加し、平成29(2017)年10月に改訂第2版を、さらに、令和3(2021)年9月に改訂第3版をつくっています。第3版には、合計67種類の野鳥を載せました。散策、ウォーキングなどで九華公園を訪ねる方はたくさんいらっしゃいますが、これほどの野鳥が見られることをご存じの方は少ないのではないかと思います。

 観察は、主に午前中に行っています。掲載した写真は、原則として九華公園で上記の期間に撮影したものですが、一部は、他の場所で、あるいは、上記以外の期間に撮影したものもあります。なお、より鮮明な写真があるものについては、これから入れ替えたいと考えています。

1.「渡り区分」の種類

区分 説明
夏鳥 春から夏にかけて日本に渡来し、秋に日本を離れ越冬地に移動する渡り鳥。主に日本より南方から渡来し、日本で繁殖(子育て)をする。
冬鳥 秋から冬にかけて日本に渡来し、春に日本を離れ、繁殖地に移動する渡り鳥。日本より北方で繁殖(子育て)し、日本で越冬をする。 
留鳥 日本の中の同じ地域に一年中生息し、繁殖(子育て)をする。基本的には、夏鳥や冬鳥、漂鳥のように季節的な移動をしない鳥。 
漂鳥 日本の中で季節的な移動をする鳥。標高の高いところや、緯度の高いところで繁殖(子育て)し、冬はより暖かい地域に移動し越冬する。 
旅鳥 春秋の移動の途中に日本に立ち寄る鳥。主に日本より北方で繁殖(子育て)し、日本より南方で越冬する。

2.九華公園で見られた野鳥たち

1)アイガモ(合鴨)

Dsc09001c_20260202160301  野生のマガモを飼いならしてできあがった家禽(ナキアヒルの別名)や、アヒルとマガモの交雑個体ないし雑種を総称していう。一般的には、マガモとアヒルの一代雑種を指すことが多いが、確立された定義はない。普通は、野鳥としては扱わない。2025年9月16日に北門を入ってすぐの堀にいるのを見つけた。アイガモは飛べないので、ここに連れて来て放したものと考えられる。

2)アオサギ(青鷺)

Dsc09145c_20260202160301  日本で繁殖する最大のサギ。全長93cm。青みがかった灰色の羽毛で被われているため、アオサギという。背が高く、脚も首も長い。大きな翼をゆっくり羽ばたいて飛ぶ。九華公園では、鎮国守国神社の社務所の裏などによくいる。留鳥。

3)アオジ(青鵐)
Photo_20260208141101  全長16cm。スズメよりやや大きい。頭は暗緑色、目の周りは黒色。背は暗褐色で、胸・腹は緑がかった黄色。自然に溶け込み目立ちにくい。本州中部以北の山地や、北海道では山地の明るい林や低木林などの環境で繁殖する。冬には関東以西の積雪のない地方の、低木の生えた草地、薮などに棲む。九華公園では珍しい。漂鳥だが、冬になると海外から渡来してくることもある。

4)アオバト(青鳩)

2025 山地林に棲む、全身がほぼ緑色のハト。全長33㎝。植物の実を好む。海水を飲む習性がある。これは、塩分やミネラルの補給のためと考えられている。2025年6月20日に初見。その前に三の丸水門あたりで目撃情報があった。このときも海水を飲みに来た際に九華公園に立ち寄ったのではないかと思われる。写真はオス。留鳥/漂鳥。

5)アカハラ(赤腹)

Photo_20260208141301  全長24㎝。胸から腹が赤みがかった橙色をしているので、「アカハラ(赤腹)」と名付けられたツグミの仲間。本州以北の高原や東北、北海道の林で繁殖し、冬は暖かい地方の平地に移動する。同じ仲間のシロハラは、冬鳥として渡来する渡り鳥である。九華公園では珍しい。夏鳥/冬鳥。

6)アトリ(花鶏)

2b6ffa6a2014  全長16cm。黄褐色を基調に黒、白の模様をした小鳥。尾羽の先は魚の尾のような形をしている。日本では秋にシベリア方面から渡って来る。森林や農耕地で見られることが多く、数百数千羽、時には数万羽の群になることもある。飛びながら「キョッ、キョッ」と鳴く。九華公園で見ることは多くない。冬鳥。

7)イカル(鵤、桑鳲)

Photo_20260208141401  全長23cm。体は灰色で翼、尾、それに頭上は青味のある黒色をしている。大きな太い黄色のくちばしで、堅い木の実や草の実をくだいて餌にしている。北海道、本州、四国、九州で繁殖し、山麓や平地の林の中にいる。「キー コー キー」と、よく通る声で鳴く。九華公園や柿安コミュニティパークで、春先に最近よく見られる。留鳥または漂鳥。

8)イソシギ(磯鷸)

Photo_20260208141402  全長20cm。頭から背、翼の上面は緑褐色で、胸の脇は灰褐色。喉、腹は白色。翼をたたんだ時の翼角に白色が食い込んで見え、よく目立つ。歩くときに腰を上下に振るのが特徴。河川、池沼畔にいることが多いが、九華公園や、まれに柿安コミュニティパークの堀にもやってくることがある。留鳥。

9)イソヒヨドリ(磯鵯)

Photo_20260208141403  全長23cm。オスは頭から胸、背、腰までが青藍色。腹は赤褐色。翼と尾は黒っぽい。メスは全体が灰褐色で、背は腹より黒っぽく、鱗様の模様が沢山ある。河川、池沼畔にいることが多いが、九華公園にもやってくることがある。最近は町中のビル、マンションなどでも見かける。ヒヨドリに似た外見であるためこの名がついているが、ヒヨドリ科ではなく、アトリ科の鳥。留鳥。

10)ウグイス(鶯)

Photo_20260208141404  全長15.5cm(オス)。細身でオス・メスとも、暗緑茶色。「ホーホケキョ」の鳴き声が有名である。ただし、植え込みなどの中にいることが多く、姿を見せることは少ない。春に、鎮国守国神社の森や、神戸櫓跡あたりで鳴き声は聞かれるが姿はなかなか見られない。メジロをウグイスと勘違いしている人も多い。これは「うぐいす色」を抹茶色に近い柔らかな黄緑色と思っているから。ちなみに、「梅にメジロ」はよく見るが、「梅に鶯」は滅多に見られない。留鳥/漂鳥。

11)エゾビタキ(蝦夷鶲)

Photo_20260208141501  全長14.5cm。胸の縦斑がはっきりしている。日本では繁殖しておらず、主に秋に通過する旅鳥である。九華公園では、9~10月に見られることがある。樹上から空中を飛んでいる虫を追って舞いあがり、捕らえた後再び元の枝に戻ってくることが多い。このため、英語ではフライキャッチャー(flycatcher)と呼ばれる。旅鳥。

12)エナガ(柄長)

Photo_20260208141502  全長14cm。綿を丸めたような体に長い尾羽がついた、かわいらしい鳥。群れでやって来て、あちこちよく移動する。日本では、二番目に小さい鳥で(最小は、キクイタダキ)、体重は8グラムほど。名前は、極端に長い尾(全長14 cmに対して尾の長さが7~8 cm)を柄の長いヒシャクに例えたことに由来する。シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラなどの違う種の小鳥と混群になっていることも多い。留鳥。

13)オオヨシキリ(大葦切)

Photo_20260208141601  全長18.5cm。頭から背、翼の上面、尾の上面は淡褐色をしている。「ギョギョシ ギョギョシ ギョギョシ」あるいは「ケケス ケケス カイカイシ」などと聞こえる大きな声でさえずる。オオヨシキリの観察は1回のみで、揖斐・長良川の中洲にわたってきたものがたまたま来たと思われる。夏の季語にある「行々子(ギョギョシ)」は、この鳴き声に由来する。夏鳥。写真は、長良川河口堰にて撮影したもの。

14) オオバン(大鷭)

Photo_20260208141701  全長39cm。全体は灰黒色で額とくちばしは白色。この白い額がトレードマーク。足は緑青色で、弁足となっている。「キュイッ」と聞こえる声を出す。「水鶏(クイナ)」の仲間。九華公園の堀には秋から冬にかけてたまにやってくる。留鳥/漂鳥。

15)オカヨシガモ(丘葦鴨)

20120109  全長50cm。カルガモよりやや小さい。オスも、比較的地味な色で灰色味がある。尾羽のもとのところは黒い。巣をヨシ原や湿地草原の地上に作るので、丘葦(葭)鴨(オカヨシガモ)という。昔は野生のカモを食べていたが、オカヨシガモが一番おいしく、ついでマガモ、コガモの順ということが伝わっている。九華公園では珍しい。冬鳥。

16)カイツブリ(鳰)

Photo_20260208141702  全長26cm。足には各指にみずかきがあり、潜水が大得意である。神経質で人の姿を見るとアッという間に潜って逃げ、遠いところにポッカリ浮かんでくる。カモなどと一緒にいると、カモの子どもに見られてしまうが、無関係である。九華公園では、冬にたまに単独でいるのを見る。若鳥が飛来したこともある。留鳥/漂鳥。

17)カシラダカ(頭高)

Photo_20260208141801  全長15cm。ホオジロの仲間の小鳥。背、翼、尾は褐色で、黒褐色の斑がある。腰は赤褐色、腹は白色。緊張すると冠羽を立てるので、その形から「頭高(カシラダカ)」と名付けられた。河川近くの茂みなどにいることが多く、九華公園では珍しい。冬鳥。

18)カルガモ(軽鴨)

Photo_20260208141802  全長60cm。カモの仲間。全体に黒褐色で、顔は白っぽく、二本の黒褐色線がある。嘴は黒く、先端部は黄色で、よく目立つ。脚は橙赤色。メス・オス同色だが、体はオスの方が大きく、黒味も強い。「グエーグエッグェ」と聞こえる大きな声で鳴く。九華公園には、以前は常にいたが、最近は、ときどき飛来するのみである。留鳥。

19)カワウ(川鵜)

Photo_20260208141803  全長81cm。全身ほぼ黒色のガチョウほどの大型の水鳥。くちばしの先は挟んだ魚を逃さないように鉤型になっており、魚獲りが上手である。九華公園では、野球場の照明灯やフェンスの上、奥平屋敷跡のステージの裏によくいる。水にぬれた翼を大きく広げ乾かしているところも見られる。泳ぐのも潜水するのも達者で、魚類を水中で捕らえ、水面まで運んで飲み込む。飛び立つときには助走が必要で、両足をそろえて跳ねている。留鳥。

20)カワセミ(翡翠)

Photo_20260208141804  全長17cm。羽色が鮮やかで、翡翠(ひすい)のような体色から、飛ぶ宝石ともいわれ、人気がある。くちばしは体の割りに長く、魚取りが得意。渓流や池沼などを見下ろす木の枝に静かにとまっていて、水中の獲物をとったり、水面をかすめて一直線に速く飛んだりする。九華公園でも、2羽がいることがある。よく目撃されるのは、鎮国守国神社の社務所の裏や、二の丸堀の周囲、吉之丸堀の東側エリアである。留鳥。

21) カワラヒワ(河原鶸)

Photo_20260208141805  全長13.5cm。全身黄色味のある褐色で、尾は魚尾型をしている。止まっている時は地味に見えるが、飛ぶ時の翼の黄色帯は鮮やかでよく目立つ。さえずりも、「キリコロロ キリキリコロコロ ビィーン」などと聞こえる、きれいな声である。九華公園でもっともポピュラーな鳥の1種で、いたるところでよく見られ、繁殖もしている。木の高いところにいることが多いが、地面に降りて餌を拾っているところも見かける。もともと河原にいることが多かったので、この名が付いた。留鳥。

22)キジバト(雉鳩)

Photo_20260208141901  全長33cm。ブドウ色の体に、ウロコ模様の背中、首に青白黒のマフラーを巻いたような、おしゃれな鳥である。樹の上から、「デデッポポー デデッポポー」という声がしてくるのがこのキジバト。九華公園でもよく見かける。樹上に巣を作っていることも多い。巣は下から卵がすけて見えるほど雑なつくり。寺や神社、公園などにたくさん群れているハト(カワラバト、ドバト)とは別である。留鳥/漂鳥。

23) キセキレイ(黄鶺鴒)

Photo_20260208141902  全長20cm。細身で尾の長い鳥。セキレイの仲間の鳥で、胸から腹にかけて黄色いところからキセキレイの名がある。渓流・河原・水田のあたりで生活するものが多く、九華公園で見ることは珍しい.冬にまれに見るくらいである。いつも尾を上下に動かす習性がある。「チチッ チチッ」と鳴きながら大きな波形をえがいて飛ぶ。留鳥/漂鳥。

24)キビタキ(黄鶲)

Photo_20260208141903  全長13.5cm。オスは水仙のような橙色や黄色とカラフルだが、メスは地味な暗緑色をしている。英語では「ナルシッサス・フライキャッチャー」と「水仙」を意味する言葉が含まれる。昆虫などを食べる。「ピッコロロ、ピッコロロ」と美しい声で鳴く。さえずりには多くの種類がある。九華公園では9月頃に見ることがある。近くにある貝塚公園でもみることがある。夏鳥。

25)キンクロハジロ(金黒羽白)

Photo_20260208141904 Photo_20260208141905  全長44cm。九華公園の冬鳥の代表の一つ。目が金色、頭や背、胸、尾、翼の上面が黒、翼に現れる帯が白ということでキンクロハジロという名前になった。水に潜って、シジミなど貝類などを採食する。オスは黒白のツートンカラーに、長い冠羽がある。メスは背中は黒褐色、わき腹などは褐色。冠羽は短い。日中は休息して夜間に活発に活動するが、公園などで餌付けされているものは、日中でも餌を求めて動き回る。越冬中は群れで生活する。冬鳥。

26) ケリ(鳬)

Photo_20260208142001  全長36cm。チドリの仲間の脚の長い鳥。頭から首は灰色。背や翼の上面雨覆は灰褐色、腹は白色。尾も白色で、先の方に黒帯が出る.雌雄同色。「キキッ キキッ」 あるいは「キリッ キリッ」など歯切れの良い大きな声を出す。カラス、犬、人など巣に近づく外敵には上空から急降下して襲うなど、気の強い性格である。九華公園で見ることはまれ。留鳥。

27)ゴイサギ(五位鷺)

Photo_20260208142002 Photo_20260208143801  全長58cm。夜間「クワッ」とカラスのように鳴くことから「夜烏」の異名もある。成鳥では頭から背は緑黒色で、翼の上面は灰色。若鳥は灰色味のある茶色で斑点模様がある。鎮国守国神社の社務所裏でときどき見られる夜行性。昼間は林の中でじっとしていて、夕方から川や池へ出かけ、魚を捕る。巣は樹上につくり、集団繁殖する。名前は、醍醐天皇が、池にいたこの鳥を捕えるように命令したが、家来が近づいても逃げることなく、おとなしくつかまったことから、ご褒美に五位の位(くらい)を賜わったことによる。ゴイサギの幼鳥は、灰色味のある茶色で白い斑点模様がある。白い斑点を星に見立てて、「ホシゴイ」という異称がある。成鳥の色彩になるまでに3年ほどかかり、目の色も黄色から次第に赤くなる。留鳥。

28)コガモ(小鴨)

 Photo_20260208142101 Photo_20260208142102 全長38cm。オスの色彩はカラフルだが、メスは茶色系で地味で細かい模様をしている。日本の水辺にやってくるカモ類ではいちばん小さいカモ。小さいためにコガモ(小鴨)と呼ばれる。湖沼、河川、池、海岸などに群れでいることが多く、都市部の小さな川や公園の池でも見られる。地上や、水面で餌を摂ることが多い。冬鳥。

29)コゲラ(小啄木鳥)

Photo_20260208142103  全長15cm。日本で一番小さなキツツキである。「ギイー ギイー」と聞こえる鳴き声や、嘴で木を強く連続して叩く音で、コゲラがいることはよく分かる。背はこげ茶色に白い点模様(白点が続いて線に見えることも多い)がたくさんある。両足と尾との三点確保で、垂直な木の幹を上り下りする。オスは耳羽の上あたりに赤色羽があるが、風になびくなどしないと見えない。九華公園で営巣したことがある。留鳥。

30)コサギ(小鷺)

Photo_20260208142104  全長61cm、翼を広げると98cmほど。頚が長く、脚、くちばしも長いサギの仲間である。全身白色で、くちばしは一年中黒色をしている。脚は黒色で、指は黄色。九華公園では珍しい。河川、池沼、水田など浅い水辺で餌をさがす。餌は小さめの魚、エビ、カニ、ザリガニ、貝類、水棲昆虫類など。浅瀬を走り回ったり、脚をふるわせて、泥の中の生きものを追い出したりして捕っている。留鳥。

31)コサメビタキ(小鮫鶲)

Photo_20260208142201  全長13cm。スズメよりもずっと小さい鳥である。頭から尾までの体の上面は灰褐色、胸・腹は白色。眼の周囲に不明瞭な白い斑紋(アイリング)が入る。体の大きさの割に目が大きめで、可愛らしく見える。日本では夏鳥として飛来。九華公園は、渡りの時期に通過していくと思われる。夏鳥。

32)コシアカツバメ(腰赤燕)

Photo_20260208142202  全長18.5cm。体形、生態はツバメによく似ているが、体は少し大きめである。腰は四角形にレンガ色をしていて、尾はツバメより太めで長め。体の下面は薄い褐色で、細い縦斑が多数ある。「ジュリリ ジュリリ チュー」などと聞こえる、ツバメより濁った声を出す。九華公園に飛来するのは、稀である。夏鳥。

33)コチョウゲンボウ(小長元坊)

Photo_20260208142203  全長オス27cm、メス31cm。写真はオスである。ハヤブサの仲間。オスは頭頂部と背面、翼の上面が鮮やかな青灰色。胸から腹にかけて褐色の縦斑がある。日本へは冬に、海岸から農耕地に飛来するが、数は少ない。小型鳥類、小型哺乳類、昆虫類などを食べる。電柱や木の上部など、見晴らしのよいところで獲物を探す。九華公園で見たのは、1回のみであり、かなり珍しい。冬鳥。

34)ササゴイ(笹五位)

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 全長53㎝。全身がやや青みのある灰色で、嘴は鋭く長い。頭頂から後頭、頬の線は紺色で、後頭には長い冠羽がある。サギの仲間。河川、湖沼などに棲み、主に魚類を捕食する。翼にある白い羽縁が笹の葉のような模様に見えるのが、和名の由来。雌雄同色。夏鳥。

35)サメビタキ(鮫鶲)

Photo_20260208142301  全長14cm。夏に本州中部以北の山に飛来する。渡りの時期には、海岸や島の林にもいる。雌雄同色で、背面は暗灰褐色、腹面は白い体羽で覆われる。写真は、サメビタキと思われるが、同じ仲間のコサメビタキかも知れない。夏鳥。

36)サンコウチョウ(三光鳥)

Photo_20260208142302  全長45cm(オス)、17.5cm(メス)。繁殖期のオスは、体長の3倍ぐらいの長い尾羽をもつ。小さな冠羽があり、目の周りとくちばしはコバルト色。日本では夏鳥として渡来し、平地から低い山のうす暗い林で繁殖する。さえずりが、「ツキ(月)ヒ(日)ホシ(星)ホイホイホイ」と聞くことができるところから、三つの光、「三光鳥」の名がついた。夏鳥。九華公園で見たのはメスで、2014年9月28日の1回のみ。ただし、ほかに未確認のオスの目撃情報がある。

37)シジュウカラ(四十雀)

1  全長14.5cm。体重は14gくらい。全国に分布し、九華公園でもよく見られる。「ツィピーツィピーツィピー」と鳴いて、鳥の中でもいち早く春を告げる。市街地にもよくいる。白いほっぺたに黒いネクタイが特徴。「四十の雀」と書いてシジュウカラ。たくさん群れるからという説や、スズメ40羽分の価値があったことから名付けられたという説もある。シジュウカラだけで群れをなしていることもあるが、ヤマガラやコゲラなどと混群をつくっていることもある。留鳥。

38)シメ(鴲)

Photo_20260208142401  全長18.5cm。全身茶色系で、嘴は短かめで太く、尾は短い。嘴の力は強く、堅い木の実、草の実を割って食べる。北海道で繁殖し、秋になると本州に渡って来る。九華公園にも冬にやってくる。たいていは単独行動をしている。肥満型で一度見たら忘れられない。漂鳥。

39) ジョウビタキ(尉鶲)

Photo_20260208142501 Photo_20260208142502  全長15cm。オスは頭が銀白色、顔は黒色、腹は赤茶色。メスは体が灰色味のある茶色。どちらも翼に白斑がある。名前のジョウは「尉」で銀髪のこと。ヒタキは「火焚」で、火打石をたたく音に似た音を出すことからジョウビタキと呼ばれる。翼にある白い斑点をキモノの紋に見たてて、モンツキドリ(紋付き鳥)という地方があるという。ときどきぴょこんとおじぎをして尾をふるわせる、かわいい鳥。割と人懐っこい。積雪のない地方で越冬する冬鳥。

40)シロハラ(白腹)

Photo_20260208142601  体長25cm。ヒヨドリよりわずかに小さい。ほぼ全身が灰褐色で、名前の通り腹部が白っぽいのが特徴である。森林の茂みの中にひそむことが多い。九華公園では、鎮国守国神社の森でよく見る。地上をピョンピョンと跳ねて獲物を探す。冬はほとんど鳴かず、たまに小声で「キョッ キョッ」などと地鳴きをする程度である。冬鳥。

41)スズメ(雀)

Photo_20260208142602  全長14.5cm。人の住んでいるところに棲む身近な鳥である。短くて太めで、草の種子を食べる嘴をしている。留鳥で渡りはしないと考えられているが、新潟県から岡山県、愛知県、関東地方などへ移動するものもいる。近年その数が減っているといわれる。その理由は、住宅に巣を作りにくくなったためと考えられる。春先には巣立ったヒナ(若鳥)もよく見る。留鳥。

42)セグロカモメ(背黒鴎)

Photo_20260208142603  全長61cm、翼を広げると151cmである。背中と翼上面は明るい灰色、頭部・首・腹・尾は白い。冬羽では後頭部から頸にかけて褐色の小斑がでる。くちばしは黄色く、下くちばしの先端近くに1つだけ赤い斑点があるのが特徴。脚は薄いピンク。海岸、河口に飛来するが、比較的西日本に多い。魚類や昆虫等を食べる。もっとも普通に見られる大型カモメ類。九華公園へは、年に2~3回飛来する。冬鳥。

43)セグロセキレイ(背黒鶺鴒)

Photo_20260208142701  全長21cm。全体が白黒模様。頭から背と胸は黒色で、頭の黒色の中に額の白色が良く目立つ。翼は白色部分が多く、腹は白色なので、飛ぶと白い鳥に見える。地上にいるときは、腰を上下に振ることが多く、セキレイ類の特徴の一つ。日本特産種である。河川の中流域より上流にいることが多い。九華公園では珍しい。飛ぶ時は上下に揺れる波型を描き、「ジジッ ジジッ」といった濁った声を出す。留鳥。

44)センダイムシクイ(千代虫喰)

Photo_20260208142702  全長12.5cm。スズメよりずっと小さいムシクイの仲間。体の背側は暗緑色、腹側は灰白色。白色の細い眉斑の他、頭頂に細長い淡色斑がある。樹中の枝にとまることが多い。「チヨ チヨ ヴイー」あるいは「チヨ チヨ ビィー」と聞こえる声でさえずる。これを「鶴千代君(ツルチヨギミ―)」「焼酎1杯グイ」と聞きなすことがある。夏鳥。

45)ダイサギ(大鷺)

 全長89cm。全身は白色、くちばしは繁殖羽では黒色、非繁殖期は黄色をしている。脚も黒っぽい。白いサギの中では最大である。河川、池沼、水田、干潟など水辺に生息し、魚類をはじめザリガニ、カエルなど水辺の小動物を食べている。留鳥。

46)ツグミ(鶫)

Photo_20260208144101  全長24cm。冬鳥として渡来し、積雪のない地方の水田の刈跡、畑地、草地、河原など広々とした背の低い草地にいる。胸を張って木の枝にとまり、地面におりて枯葉の下の虫を探す。跳ねては止まって、「だるまさんが転んだ」をしているように見える。冬鳥なので日本ではさえずりをしないため、「冬には口をつぐんでいる」、それでツグミと呼ばれるようになったといわれる。九華公園でも冬によく見られる。冬鳥。

47)ツツドリ(筒鳥)?

2016  全長33cm、翼を広げると56cm。ホトトギスと姿、形は大変よく似ていますが、ホトトギスより一回り大きい。頭から背・翼の上面は灰色で、腹は白く、黒い横縞がはっきりしている。「ポポ ポポ」あるいは「ポポッ ポポッ」と鼓を打つような声で鳴き、紙筒の口を叩く音に似ているとして、筒鳥と呼んでいる。九華公園ではめったに見られない。夏鳥。

48)ツバメ(燕)

2 1_20260208144201  全長17cm。オス・メス同色だが、尾が長い方がオスである。空中を飛んでいる虫を捕まえて餌にする。南の国からやって来る渡り鳥の代表。家の軒下につくられる巣は、子育て用。九華公園には、水を飲みに来たり、雛の飛行練習に来たりしている。夏鳥。

49)ドバト(土鳩、カワラバト(河原鳩))

Photo_20260208144301  全長33cm。灰色のものが普通だが、さまざまな色や模様がある。飼われていたハトが野生化したもので、普通は野鳥には含まない。群れになる性質が強い。通説では、「カワラバトはドバトの正式な学術和名」である。「ドバト」という名前は、安土桃山時代に「堂鳩<どうばと>」と呼ばれたものが転化したという説がある。留鳥。

50)トビ(鳶)

Photo_20260208144302  全長69cm(オス)、59cm(メス)。タカの仲間。河口、海岸、河川などでよく見られ、魚や死んだ動物などを食べ、ゴミ捨て場にも集まる。「ピーヒョロロ」と鳴きながら、円を描いて飛ぶ。九華公園にもまれに飛来する。野球場のフェンスの支柱に降り立ったこともある。留鳥。

51)ニュウナイスズメ(入内雀)

2021  全長14㎝。スズメよりほんの少し小型。オスは頭から背、腰などに赤味のある褐色。背には黒い縦斑がある。喉に小さな黒色はあるが、スズメのように頬に黒斑はない。「チュビッ」と聞こえるスズメより濁り気味の声を出す。『枕草子』に「頭赤き すずめ」として出ている。宮中(内廷)に入れるので入内(にゅうない)雀という説がある。夏鳥/冬鳥。アジア大陸の温帯に分布・繁殖していて、北のものは冬に南へ移動する。

52)ハクセキレイ(白鶺鴒)

Photo_20260208144601  全長21cm。もっとも身近にいるセキレイの仲間である。頭から背は黒色か灰色で、腹と翼は広く白色。白い顔に目を通る細い黒線がある。メスは、オスよりも黒みが少ない。「チチン チチン」と鳴きながら、波形に飛ぶのはセキレイ類の特徴である。小さな虫類を捕える。九華公園で見られるセキレイのほとんどは、このハクセキレイ。留鳥。

53)ハシビロガモ(嘴広鴨)

Photo_20260208144602 Photo_20260208144603  全長は、オス51cm、メス43cm。長めで、横幅が広い嘴が特徴であり、これが名前の由来となっている。カルガモよりやや小さく、雄は白い胸と四角く赤茶色の腹が目立ち、雨覆羽は青味をおびて美しい。水面に嘴をつけ、ぐるぐる回りながら採食する。水ごと食物を吸い込み、嘴で食物だけをこし取り水だけを吐き出している。九華公園では、数は少ないが、毎年飛来する。冬鳥。

54)ハシブトガラス(嘴太鴉)

Photo_20260208144604  全長57㎝。全身黒色の大型の鳥である。嘴が太い。額が出っぱっており、くちばしとは段になって見える。名前は、嘴が太いことに由来する。ハシボソガラスよりやや大きい。街中や森林、山に棲み、どこでも見られる。魚を始め、動物の死体、小動物、果実、人の出す生ゴミなど雑食性
頭脳が優れており、記憶力も良い。留鳥。

55)ハシボソガラス(嘴細鴉)

Photo_20260208144701  全長50cm。全身黒色だが、近くで見ると羽は、青・紫などの光沢を持つ。よく似ているハシブトガラスは、ハシボソガラスより一回り大きい。歩くのが好きで、お辞儀しながら「ガーガーガー」と鳴く。木の実、草の実、野菜類、昆虫類、海岸や川辺で見つかる魚や獣などの死体など、何でも食べる。農耕地や田園地帯に棲むことが多い。「権兵衛が種蒔けば、鴉がほじくる」のカラスはこれである。留鳥。

56)ハジロカイツブリ(羽白鳰)

Dsc02414c_20260127143101  全長31㎝。湖沼や河川など主に淡水域に生息するが、漁港や湾内など、波が高く立たない場所であれば海水域にも見られる。次列風切が白いことが和名の由来。雌雄同色で、虹彩は赤く、嘴がやや上に反っている。冬羽は、頭部から脇、体上面にかけて黒い。頬は白く、頭部のクロトの境界線がぼやける。体下面は、白い。冬鳥。2025年11月7日

57)ヒガラ(日柄)

Photo_20260208144702  全長11㎝。シジュウカラの仲間では、日本で最小。頬が白く、のどには三角形の黒い模様が特徴(シジュウカラは、黒いネクタイの模様があるので区別できる)。秋や冬には平野にやってくる。針葉樹の林を好み、虫や虫の卵を探して食べる。人の架けた巣箱にもよく入る。オスは速いテンポで「ツピン ツピン ツピン」とさえずる。留鳥。

58)ヒドリガモ(緋鳥鴨)

Photo_20260208144703 Photo_20260208144704  全長はオスが53cm、メスが約43cm。オスは額から頭頂がクリーム色で、顔から頸が茶褐色、胸は薄い茶色。メスは全体に褐色、他のカモ類と比較して赤褐色みが強く、腹は白い。オスは口笛のような「ピュー、ピュー」という特徴ある甲高い声でよく鳴く。日本でもっとも普通に見られるカモ類であるが、九華公園には、1~数組が来る。冬鳥。

59)ヒヨドリ(鵯)

Photo_20260208144705  全長27.5cm。全体が灰色に見える。ボサボサ頭で頬は茶色。「ヒーヨヒーヨ」と名を名乗るように鳴く。花の蜜や果実が大好物。日本の固有種
市街地などでもよく見られる。九華公園でも、夏場を除いて普通に見られる。その昔、一ノ谷の合戦での源義経の「ひよどり越え」が有名であるが、そこが春と秋ヒヨドリの渡りの場所になっていたからという。留鳥/漂鳥。

60)ヒレンジャク(緋連雀)

1_20260208144801 2_20260208144801  全長17.5cm。体は丸みがあり、尾は短く、尾の先端が赤。頭には短い冠羽がある。日本中で観察記録はあるものの、個体数は少ない鳥。4~5年に1度、群が渡来することが多い、不定期な冬鳥。尾の先が黄色いキレンジャクもいる。シベリアや中国北東部で繁殖するが、絶滅が危惧される
筆者がこれまでに九華公園で見たのは、2回 。冬鳥。

61)ビンズイ(便追)

Photo_20260208144801  全長15.5cm。メス・オス同色。セキレイの仲間だが、尾はそれほど長くはない。足を交互に出して歩き、尾を上下に振る。体の上面は緑褐色で、緑色味が強い。平地の林、それも松林に好んで棲み、地上で餌を探す。九華公園では、神戸櫓跡から辰巳櫓跡あたりで、冬によく見られる。漂鳥。

62)ホオジロガモ(頬白鴨)

2019_20260208081401  全長45㎝。オスの頬が白いカモ。オスは頭部が光沢のある緑色をしており、おむすびを載せたような形で頭でっかちに見える。嘴基部に白斑があり、目立つのが和名の由来。メスは、頭部が焦げ茶色で、首には黄色い帯状紋がある。冬鳥。2019年11月19日にメスが飛来。

63)ホシハジロ(星羽白)

Photo_20260208144802 Photo_20260208144803  全長48cm。オスは、赤味のある茶色の頭、黒い胸をしており、目は赤い。メスは、全身褐色で目のまわりに白っぽい線がある。メスの目は褐色
植物食傾向が強い雑食。潜って食べ物を採る。冬鳥。10数年以上前には、九華公園にたくさん飛来したが、最近は少ない。

64)マガモ(真鴨)

Photo_20260208144901  全長59cm。「カモ」の仲間の代表。オスは「青首」ともいわれる。オスは体が上下面とも淡褐色。頭は緑色、胸は栗褐色、くちばしは黄色。脚は赤味のある橙色。メスは全身褐色で、黒褐色の模様が沢山あり、目立たない。オスは「グェー グェッ グェッ」 と大きな声で鳴く。水辺の植物の葉や実を食べる。日本では主に冬鳥である。マガモを飼育改良したものがアヒルである。九華公園では、2010年4月25日以降見ていない(木曽川、町屋川などには飛来している)。

65)マヒワ(真鶸)

Photo_20260208144902 Photo_20260208144903  全長12.5㎝。スズメより小さい鳥で、全体がほぼ黄色に見える(メスは薄い)。オスの頭は黒く、体の黄色も鮮やか。尾は魚尾型(M字型)。冬鳥として群れで林などに飛来する(北海道・本州北部では繁殖するものもいる)。植物の種子などを食べる。昔は愛玩用に飼育された(現在は認められていない)。飼育するとすぐに死ぬので、弱い鳥として「鶸」とされた。冬鳥/漂鳥。

66)ミサゴ(鶚)

Photo_20260208144904  全長63cm、翼開長174cm(いずれもメス)。トビとほぼ同じ大きさのタカの仲間である。尾は短めで、翼は長め。背面は暗褐色で、下面は白色。翼の下面には暗褐色の模様が出る。空中の一点でホバリングをしながら、水面を探し、獲物を見つけると急降下し、水中へ飛びんで魚を捕らえる。揖斐川、長良川上空でよく見るが、九華公園にも、冬になるとまれに飛来する。留鳥。

67)ムクドリ(椋鳥)

Photo_20260208144905  全長24cm。全身は黒味のある褐色で、頭は灰色がかった黒褐色。目の周囲から頬にかけて不規則な白斑がある。嘴、足は黄色。地上を歩いて餌を探し、地面や草にいる虫を食べる。「キュルキュル」「ジェー」「ツィッ」などとさまざまな声を出す。人家や人家近くで繁殖し、農耕地、公園の芝生、草地などでよく見られる。多い場合は数万羽の群になることもある。駅前のロータリーや街路樹に集まり、嫌われることも多い。留鳥。

68)メジロ(目白)

2_20260208144901  全長11.5cm。体は、鮮やかな黄緑色。目のまわりの白い縁取りが特徴である。体の色からウグイスと間違える人もいる。椿などの花の蜜が好きで、「チィー」と甘い感じの声で鳴く。九華公園でもよく見られる。とくに梅や桜の花にやって来て、蜜を吸うことが多い。留鳥。

69)モズ(百舌鳥)

Photo_20260208145001 Photo_20260208145002  全長20cm。オスは黒い過眼線がある。一方、メスのそれは褐色。長めの尾を回すように振る。秋に「高鳴き」をして縄張りを確保する。越冬したものは、2月頃からその場所で繁殖する。4月中頃までにヒナを育て終った親鳥は、高原や北へ移動する。小さいものの、嘴はタカのように鈎型をしており、小鳥を捕らえたりもするので、「小さな猛禽」といわれる。生け垣などのとがった小枝や、有刺鉄線のトゲなどに、バッタやカエルなどの獲物を串ざしにする習性がある(モズのはやにえ)。九華公園あたりでも、9月末から10月に高鳴きが聞かれる。留鳥。

70)ヤマガラ(山雀)

Photo_20260208145003  全長14cm。背・翼の上面は灰色、腹は褐色。頭には、黒色と白っぽい淡い褐色の模様がある。頭でっかちで、尾は短め。昆虫や、堅い木の実を食べる。地鳴きは、「ビィービィービィー」と鼻にかかった声。さえずりは「ツツピーン ツツピーン」とゆっくりした鳴き方をする。人慣れする性格で、かつては「おみくじ引き」などの見世物をさせていたことがある。シジュウカラやコゲラと一緒にいることも多い(混群と呼ばれる)。留鳥。

71)ユリカモメ(百合鴎)

Photo_20260208145004  全長40cm。九華公園には、冬鳥として、11月下旬から4月初めくらいまで飛来する。赤い嘴と足がきれいな小型のカモメの仲間である。在原業平、や和泉式部の古歌に登場する「都鳥」はこの鳥である。「ギィー」とか「ギュゥーィ」と聞こえる声で鳴く。日本には主にカムチャッカ半島から渡って来る。名前は、入江のカモメを意味する「イリエカモメ」が「ユリカモメ」に転じたもの、「百合」を当て字にしたもの、という説がある。冬鳥。

3.参考資料

 野鳥の説明は、主に以下を参照しました。

  1. サントリー日本の鳥百科
  2. 日本野鳥の会“BIRD FAN”
  3. 久保田修(2012):ひと目で見分ける287種 野鳥ポケット図鑑.新潮文庫.
  4. 小学館の図鑑NEO 5 野鳥.小学館(2002).
  5. 樋口広芳(監)・石田光史(著)(2015):ぱっと見分け 観察を楽しむ野鳥図鑑.ナツメ社.
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    著者は昭和史研究家。約5,000人もの方に取材してきました。この本は、高市政権圧勝、参政党躍進を受けて書かれたもので、「日本人の選択をいま問う」と帯にあります。著者は、高市政権を「国家主義的右派」と位置づけており、「保守」ではないとします。著者のいう「真の保守」である10ヵ条とは、①常に歴史を読め、歴史の中の声を聞け、②師たる政治家を持て、③甘言、巧言は敵とせよ、④誤りから学べ、⑤良きブレーンを持て、⑥精錬の徳を持て、⑦討論、対話を厭うな、⑧典故、先例に通じよ、⑨読書に勝る良薬はない、⑩氷山のごとき人格たれです。これらは、著者の歴史の教訓を政治の現場に伝えなければならないという危機感から来ています。これに照らすと、今の高市政権の中枢をなす政治家は、極めてアヤシいと思われてなりません。私には、とくに、勉強していない(=本を読んで、考えていない)と思えるのです。ほかにこの本で気になったのは、鶴見俊輔さんがいったという「民主主義の後をファシズムが影絵のようについてくる」ということばです。石橋湛山、池田勇人や、後藤田正晴といった政治家たちの足跡をもう一度ふり返り、良識派の保守の姿を取り戻すことが大切と思います。また、石橋湛山が掲げた①小日本主義(帝国主義否定)、②非軍事志向(軍事で物事を解決しようとしない)、③論理的基盤(共同体的な情緒を克服し、個の意志を明確に示す)といったこともとても重要で、意味があると思います。今の時代に違和感を覚える方には是非ともお勧めします。 (★★★★★)

  • 日浦 勇: 自然観察入門: 草木虫魚とのつきあい (中公新書 389)

    日浦 勇: 自然観察入門: 草木虫魚とのつきあい (中公新書 389)
    1975年出版という古い本です。若い頃持っていたのですが、その後は所在不明。最近になって、もう一度読みたいと思って、古本で入手しました。この本に載っているレベルをきちんとおさえれば自然観察の基礎は身につくと思ったからです。著者は大阪市立自然史博物館の学芸員などを務めています。子どもたちを対象として、自然観察教室を開いたり、授業でエコロジー/生態学を教えたりするときの手引きとして書かれたものです。 春の草花を調べる、川の生物を観察する、トンボを捕まえて分類するなど、いくつかのテーマを立て、種の見分け方、水辺の危険への注意、採集法、学習のポイントなどが示されています。著者の経験に基づいて書かれていて、かなり実用的ですが、読んでおもしろいとはいいがたいところが難点。 (★★★★)

  • 伊藤氏貴: 読む技法 詩から法律まで、論理的に正しく理解する (中公新書)

    伊藤氏貴: 読む技法 詩から法律まで、論理的に正しく理解する (中公新書)
    評判の本のようでしたので、読んでみました。本の帯に「『読めたつもり』が危ない!」とありますが、それはまさにその通り。30歳代半ばから教職にありましたので、それは実感しています。とくに60歳を過ぎてから短大の非常勤講師になってから、学生たちの読解力がアヤシいと思うようになっていました。読解力そのものも低下しているとともに、集中力が続かないことも影響しているように思っていました。きちんと読めて、書き手の意図することを正しく理解できないと、議論も思索も成り立ちません。この本は、解釈学、構造主義、ナラトロジーなどさまざまな読む技法を具体例に則して紹介しています。世の中、コスパ、タイパが重視される時代ですが、敢えて深く、論理的にじっくりと読み、考えることも大切と思います。 (★★★★)

  • 滝口 正哉: 江戸町奉行所 与力・同心の世界 (岩波新書)

    滝口 正哉: 江戸町奉行所 与力・同心の世界 (岩波新書)
    時代小説が好きでよく読みますので、町奉行所の与力や同心がどのように仕事し、いかに暮らしていたかには、とても興味があります。この本の帯には、「時代劇でおなじみ 江戸の町を守る『八丁堀の旦那』、その本当の姿 くらし、仕事、文化活動」とありますので、割と気楽に読めるかと思ったら、学術的に書かれていました。与力・同心の仕事は、治安維持が主なものではなく、もっと幅広い仕事をしていました。さらに、深い教養を身につけ、豊かな人脈に裏打ちされた文化活動を行う人たちもいたということには驚きました。さらに、明治維新以降の新しい時代と格闘しつつ、江戸を語り継いだ彼らの実像が明らかにされています。寝転がって読むのは、ちょっと難しいかなと思います。 (★★★★)

  • 森 章司: 仏教的ものの見方: 仏教の原点を探る

    森 章司: 仏教的ものの見方: 仏教の原点を探る
    仏教のものの見方の基本は「あるがまま」を「あるがまま」に見ることにあるとして、仏教の人間観、仏・菩薩観、世界観、人生観、見方、生き方を体系的に説いています。著者は、仏教学者で、東洋大学名誉教授。専門はインド仏教。元浄土真宗本願寺派僧侶です。大学時代の同級生に真宗本願寺派のお寺の住職を務めていた友人がいます。私が体調を崩していたとき、「仏教の勉強をするとよい」といわれ、それがずっと記憶に残っていました。いろいろ本を読んだり、テレビ番組を見たりしましたが、どうも今ひとつピンときませんでした.そういう中でこの本を知り、ようやく入手して、やっと読み終えました。初めに書きましたように、「あるがまま」を「あるがまま」に見ることは、簡単そうで難しい。 「あるがまま」を「あるがまま」に見ることが知ることだといいます。哲学も見ることだそうです。「小欲知足」が、仏教のもっとも基本的な生活態度であり、これが「戒」を導くといいますし、自己中心的な思いも減り、慈悲につながるそうです。これらが、つまらないことにこだわることもなくなり、行動の根源となる意思も、考えも、言葉も、行為も生活も正しいものとなり、偏見や固定観念、先入観が消え去って、「あるがまま」を「あるがまま」に見ることができるようになると説かれていました。読みやすい本とはいえませんが、ここに書いたエッセンスを頭に置いて読むと、いくらか分かりやすい気がします。私自身、今は分かったような気がしていますが、たびたび思い出して、振り返る必要があります。 (★★★★)

  • 林望: リンボウ先生 老いてのたのしみ (祥伝社新書)

    林望: リンボウ先生 老いてのたのしみ (祥伝社新書)
    リンボウ先生こと林望さんが実践する「令和老人生活要領」を説いた本です。リンボウ先生は、ちょっと変人で、群れない、威張らない、信念は曲げないという人。初めての老い(誰でも、自分にとってはそうですが)に対して、先手先手でいろいろと考え、対策、対応を考え、実行しています。その第一は危機管理。たとえばどこに行くのにも「誤嚥防止ボード」を持って行き、外食の際でもそれを目の前に立てながら食事をするそうです。他人がどう思おうが構わないとか。見ならいたいことはたくさん書かれていますが、ごく普通の老人には「それはちょっとなぁ」と思うことも多いでしょう。「流行には迎合しない」というのが、リンボウ先生のモットーの1つでもあります。老後の趣味の心得などについても触れられていて、参考になることもあるかと思います。 (★★★★)

  • 平凡社: 街道アトラス

    平凡社: 街道アトラス
    旧街道に興味があります。ただし、あまりあちこちの街道を歩いたわけではありません。この本では、東海道と中山道は各宿場も紹介されるなど、詳しく載っていますが、その他の街道はダイジェスト。いわば、旧街道のカタログ本といったところ。現代の道と比べたり、旧街道がどのようにつながっていたかを知るにはよい本です。ただし、この本だけを頼りに旧街道を歩くことは、ほぼ不可能でしょう。 (★★★)

  • 保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

    保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)
    今年は、昭和100年であり、戦後80年でもあるということで、新聞などでも特集記事が掲載されています。太平洋戦争は、日本という国を滅亡の一歩手前まで追い込みました。昭和という時代もそれが終わってから35年以上経ちますから、これからは歴史として語られるようになっていくはずです。この本は、二・二六事件、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇など、時代を大きく変えた8つの事象を取り上げ、当事者たちの感情や思惑排して見つめ直すことを通して、これまでの通説、定説とは異なるそれらの真相を浮かび上がらせようとしています。読後感としては、私なども、何となくそうなのかと思っていたことがひっくり返されたような感じを抱いています。目的と手段を取り違えている、事実や科学的知見から目をそらしている、希望的観測を事実と思い込む、妙な精神論に陥るなど、今も続く認知、思考は、太平洋戦争のときの軍指導者から始まっているのかも知れません。いろいろな意味で「戦後」という概念については、根本的に再検討が必要ですし、日清戦争から太平洋戦争に至る数十年の戦争の時代は、何に由来し、そこから何を学ぶか、よくよく考えてみる必要があると思いました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)

    保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)
    保阪正康さんは、一貫して近現代史を検証し続け、5,000人もの歴史の証人を取材してきています。この本は、月刊『文藝春秋』に掲載されたものから15編を選んでまとめられています。読み応えがあるのに、分かりやすい内容で、昭和史の証人として瀬島龍三、後藤田正晴などインタビューが、また、昭和の戦争7つの謎として無謀な開戦を決意した理由などが載せられています。その後、あの戦争と昭和史を語ろうということで、半藤一利さんなどとの対談が載っています。最後に、歴史をどう引き継ぐかということで、講演録があります。この講演では、江戸時代まで遡らなければ日本人は理解できない、江戸時代の260年を通じて、戦争をしなかったという事実から教訓、知恵を学ぶ必要があるなど、江戸時代に築かれた財産をもう一度取り戻すことの重要性が語られています。明治維新という、薩長の下級武士の暴力革命を経て、帝国主義国家が作られていく過程で、江戸自在の財産は放棄されたと著者はいいます。知識、技術は学び、取り入れたのに、哲学までには思いが至らなかったため、そうなっています。また、もう一つ、著者が強調するのは、天皇制の捉え方、論じ方です。天皇制は、本質的に戦争を嫌う制度だと著者はとらえています。これは、私には目から鱗の見方でした。さらに、天皇は何らかの形で京都にお住まいになって、政治の中心は東京にあってという江戸時代の知恵をもう一度取り戻すのもよいという提案は、真摯に検討する価値があると思います。 (★★★★★)

  • 芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)

    芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)
    関数電卓は持っていますし、その昔は、プログラム電卓で平均値、標準偏差などの計算をする簡単なプログラムを組んで使っていたこともあります。タイトルに惹かれて買ったのですが、ウ~ン、期待はずれでした。計算例が平方根以外にはほとんどありませんでした。関数電卓を片手に、その使い方や、どのような応用ができるかを知りたいと思ったのですが、そういう内容はあまりなくて残念でした。ただこの本を読んでよかったのは、数学の力と計算力とは別物であることが分かったこと。また、計算については、関数電卓などを駆使すればよいということでした。私自身、数学には自信がないのですが、「エェ!?、そうだったっけ?」と思う内容もありました(つまり、間違っているんじゃないの、と思える内容)。 (★)

  • 今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)

    今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)
    地名の由来については興味がありますから、この本を手に取ったのですが、読み始めたものの、すぐに「放置」していました。テーマごとに、それに関連する地名が列挙され、その由来について多少の説明(蘊蓄?)が書かれているのですが、列挙されている(例示されている)地名が煩雑で、読むのが面倒になってしまったのです。「地名マニア」の方であれば、これくらい何のそので読み進めたのでしょうが、私にはちょっと難行でした。2年くらい経って、気を取り直して、少々無理矢理に読み進めました。が、「不思議な名称には物語がある」という、帯の謳い文句には、いささか無理があるかなという気がします。物語というのであれば、個々の地名についてもうすこし物語って欲しい気がするのです。ただし、以上は、極めて個人的な感想です。 (★★)

  • piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)

    piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)
    本の帯に「あなたが毎日スルーしている鳥たちの素顔」「カラスも本当は人が怖い」とあります。ほとんど知っている内容でしたが、このように改めて、まとめてあると、いっそうよく分かりました。野鳥観察を始めたばかりの方、野鳥に興味を持ち始めた方には、最適な参考書の1つと思います。身近にいる鳥ばかりが取り上げられていますが、それだけに身近な鳥の行動や、特徴がよく分かって、野鳥がもっと好きになること請け合いです。タイトル通り、まさに「意外と知らない」です。自分では知っているつもりでも、意外と知らないことは多々ありそうです。 (★★★★★)

  • 五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)

    五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)
    高容姫という女性を知る人は多くはないかも知れませんが、本のサブタイトルにあるように、金正恩の母となった在日コリアンの女性です。北朝鮮では、日本から帰国した人間の社会的地位は低いため、その存在は公的には明らかにされていませんし、「国母」として崇拝されることもありません。これは、金正恩の弱点でもあり、コンプレックスにもなっているかも知れません。大阪の鶴橋で生まれ育った少女の数奇な運命をたどった、力作です。よくぞここまで取材したものだと思います。高容姫の人生をたどることで、北朝鮮の体制、社会、歴史にまで理解が及びます。ほとんど一気読みをしてしまいました。ちなみに、現在も大阪には、金正恩の伯父を始め、親戚が50名以上も暮らしているといいます。このことは、日朝関係の改善や、拉致問題の解決の手がかりになるのではないかという気がします。 (★★★★★)

  • 本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)

    本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)
    別に「東大生に教える」でなくてもよいのですが、この本の元になったのが、東京大学教養学部の学生たちに「暗記不要、歴史を考えるおもしろさを伝えたい」ということで行った連続講義ですから、そういうタイトルになっています。歴史、とくに高校時代に学んだ歴史は、やはり暗記科目でした。あれから50年以上経った今でも、そこから抜けきっていない気がします。そういう意味では暗記ではなく、時代を動かす原動力は何か、誰が時代を変えていくのかという視点から歴史を見て、考えるのは、新鮮です。史実は変わりませんが、それを材料に、自分の視点から、自分の見方で論理を組み立て、自分なりの歴史像を造ってみることを愉しめばよいという著者の考え方をしっかりと身につけられたらよいなというのが、読後感です。 (★★★★★)

  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)