お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2023年11月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2018年1月以降の記事を残し、2017年12月以前の記事は削除しました(2018年1月1日から2023年11月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

大学

2023年12月 6日 (水)

満潮でしたが、カモはそれなりにいました……何をしに行っているの?

231206093116347c  好天で、日中は17℃になりました。風も強くはありませんでした。絶好の散歩日和ですが、江戸橋での後期の講義、11回目です。前回は、出席率が今期最高となったのですが(97%)、今日は85%とやや低下。助手の先生とも話していたのですが、昨今の学生たちの出欠行動についてはよく分かりません。

 231206102203022c 今日のテーマは、「健康増進のコミュニケーション」。健康増進がメインではなく、ヘルスプロモーションや、ヘルスコミュニケーションに必要な概念、スキルについて。具体的には、動機づけ、自己効力感、ソーシャルサポート、説得的コミュニケーション。最後に、一般セルフ・エフィカシー(自己効力感)を測定する質問紙を実施。2~3回に1回くらい、質問紙や尺度を実施して、学生たちの自己理解に資するようなことをしています。

Dscn6048c_20231206171001  ところで、江戸橋駅から非常勤先までの通勤途上に、しばらく前から「一身田あんこ」というたい焼き屋さんがオープンしています(写真は11月1日に撮影)。リング焼きや焼き芋なども扱っています。家族から、たい焼きを買ってくるようにという指令があったのですが、残念ながらお休みでした。週末は必ず開店しているものの、そのほかは不定休のようです。また、今度、リベンジ。

Dscn6153c Dscn6155c  志登茂川にも、いつも通り、寄り道したのですが、今日は、四日市港潮汐表では12時39分が満潮。ご覧のような状況で、川面に浮かんでいる水鳥はほとんどいませんでした。

Dscn6161c Dscn6161c  しかし、右岸堤防の下を覗くと、ヒドリガモ、コガモ、オカヨシガモなどがあがって休んでいました。

Dscn6163c  オナガガモもいます。まあまあのメンバーが揃っていて、何となく嬉しくなります。

231206132632850c  桑名駅を降りて自由通路を歩いていたら、こんなポスターが貼ってありました。桑名駅のイルミネーションに合わせて「花金横丁」なるイベントが行われるそうです。12月から来年2月まで、毎週金曜日の16時~21時に週替わりでキッチンカーなどがやってきて温かいものが食べられるとありました。最近、この時間帯に外出することは、ほとんどありませんが、気になります。

2023年11月29日 (水)

非常勤先にクリスマスツリーが登場

231129093221250c 231129102900815c  水曜日ですので、江戸橋での後期の講義日でした。昨日も書きましたが、今日で10回目。講義は全15回ですので、講義については今日で2/3を無事に終えられました。講義の残りは5回で、来月に3回、1月に2回。1月末に定期試験を予定しています。今日の出席率は90%台後半を記録し、これまでで最高。いつも通りに、最初に前回の質問や感想についての私の回答、コメントを説明。全てを取り上げる時間はありませんので、質問には必ず回答する他は、誤解を解くための補足説明や、ほかの学生たちにもぜひ知っておいてほしい感想・コメントを紹介しています。その後、当日の授業の内容に入るスタイルです。今日は、ネット社会の人間関係というテーマでした。

Dscn6121c Dscn6125c  授業終了後は、例によって志登茂川へ寄り道。今日は、四日市港潮汐表では、12時46分が干潮という絶好の条件。これを逃す手はありません。まずは、上流側。もっとたくさん水鳥がいるかと期待したのですが、はずれました(苦笑)。光学20倍ズームのコンデジしか持って行きませんので、野鳥撮影には全く不向き。右の写真はタイミングが合わず、不出来ですが、セグロカモメらしき鳥と、ヒドリガモのオスが見えています。

Dscn6127c  正面あたりには、ホシハジロがいました。ホシハジロはほかにも何羽か見えています。

Dscn6129c Dscn6133c  ここからは下流側。こちら側にも鳥影はあまり見えませんでした。ちょっとピンボケですが、コガモ。コガモはそれなりの数がいました。

Dscn6139c Dscn6142c  ほかには、キンクロハジロや、カルガモも少し。今日は、サギの姿は確認できませんでした。

Dscn6136c  右岸の堤防のところには、ヒドリガモと、最も手前はオナガガモのメスがあがってきていました。数は少なかったものの、種類はまあまあでしたから、良しとしましょう。鳥を見て、写真を撮っていたら、散歩中の高齢男性に声をかけられました。少し話をしたら、なんと私が非常勤に行っているところの卒業生ということでした。思わぬところで、思わぬことがあるものです。

231129120336658c  ところで、非常勤先の校舎玄関には、クリスマスツリーが登場。ずっと以前の事務局長さんが退職なさる時に寄附されたという話を聞いています。帰宅後、昼食を食べてから出欠確認を行い、今日は、早くもQ&Aに着手しています。すでに1/3くらいまで進んでいて、今のところ順調(微笑)。

 忘れていましたので、追加(11/30)。今日、来年度の非常勤講師の正式な依頼文書をいただきました。ただ、来年度で非常勤講師の定年を迎えますので、講義ができるのも来年度限りとなります。

2023年11月23日 (木)

カワセミ、モズ、ジョウビタキとまあまあ

Dsc09478c_20231123174701  暖かいのも今日までだそうです。今日の最高気温は19.1℃。汗ばむくらいです。家事を済ませ、8時15分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、京町、寺町と6.5㎞。立ち寄り先が少ないのは、九華公園でかなり時間を食ってしまったからです。冒頭の写真は、諸戸氏庭園の紅葉を拙宅玄関前から眺めたもの。¥500なりを払って見に行くかどうか思案中。ブロ友のミリオンさんのブログによれば、場所や木によってさまざまだったそうです(諸戸氏庭園 紅葉)。

Dsc08325c_20231123174801  揖斐川沿い、船津屋さんの裏手の高水敷でハクセキレイが1羽。この頃、諸戸氏庭園前や揖斐川沿いでは、野鳥が少なく、あまり見かけません。今日は、揖斐川に水鳥はいませんでしたし、揖斐長良川の中州にアオサギやダイサギもいません。

Dsc08640c  時間が遅くなったこともあって、九華公園の奥平屋敷跡ではヒヨドリくらいしかいませんでしたが、二の丸跡へ移動していたとき、カワセミが飛ぶのを発見。本丸跡の花菖蒲園の柵に止まりました。残念ながら二の丸跡からは40mほど先。

Dsc08547c_20231123174801 Dsc08562c_20231123174801  ほかにはまずは、ユリカモメ。数は少なく、14羽のみ。今日も飛翔シーンに挑戦したのですが、遠かったり、近すぎたりしてなかなか上手くいきません。それなりに撮れたのは、こちら。飛んできて、堀に降りる直前のシーン(左の写真)。

Dsc09179c_20231123174701 Dsc09155c  二の丸橋の欄干にも並んでくれました。この間と同じような写真ですが、このシーンは私にとっては「冬の風物詩」ですので、ご容赦ください。右の写真は、野球場にある国旗掲揚塔の上に止まったところ。

Dsc08360c Dsc08594c_20231123174801  カモたちは、今日はあちこちに散らばっていました。合計は、52羽。ヒドリガモは見当たりませんでした。キンクロハジロは39羽、ハシビロガモはやや少なく、13羽。

Dsc09001c  このあと、前管理人Oさんと本丸跡を歩いていたら、ウグイスが2羽登場。何とか撮れないかと粘ったものの、やはり手強い。ツツジの植え込みからは出て来たのですが、木の中をあちこち移動。そのため、証拠写真。

Dsc09265c Dsc09216c_20231123174701  貝塚公園では、もう一つの写真ではありますが、モズのオスとジョウビタキのオスを確認できました。ただ、ほぼ同時に割と近くに出てきましたので、ちょっとウロウロ(苦笑)。

Dsc09441c_20231123174701  拙宅近くまで帰ってきて、住吉入江でもジョウビタキのオス。遅く出たものの、結果的にはまあオーライ。

Dsc08686c_20231123174801  紅葉が気になりますが、散歩コースでは「これはいい!」というところはなかなかありません。それ故「なんちゃって紅葉」を発明したのですが……。今日は、鎮国守国神社の境内は回ってきませんでした。新嘗祭の祭事をしておられたのです。鎮国さんには、先だって載せたところ以外にもそれなりに見えるところがあるのです。また明日。この写真は、朝日丸跡にて。

Dsc09164c  こちらは先日も載せた、九華公園に隣接するお宅のモミジ。きれいに真っ赤になっています。昨日の授業のQ&Aは、比較的早く、15時過ぎには完成。いつものように寝かせてあります。夕食の後にでもチェックすることにします。

2023年11月22日 (水)

志登茂川での道草……カモたちが増えてきました

Dscn6086c  今朝は8.5℃でしたが、日中は19.5℃まで気温が上がりました。まさに小春日和。帰宅途中、駅から歩いているとわずかに汗ばんだくらいです。寒暖が定まりませんので、体調管理に気を遣わなければなりません。江戸橋での後期の講義も9回目。出席者は、前回よりも少し減ってしまっています。学生諸君も体調を崩していたりするのかと、気になります。かくいう私は、1時間半、講義をしてくると、けっこう疲れています(苦笑)。年を取ってきたせいかも知れません。

Dscn6088c Dscn6099c  授業後は、例によって志登茂川へ道草。今日は、四日市港潮汐表では、干潮が7時19分、満潮が14時15分ですから、鳥見にはなかなかの条件でした。おぼろタオルの工場脇から、まずは上流方向。単眼鏡ではよく見えなかったのですが、ヒドリガモ、マガモ、ホシハジロ、コガモが見えました。 左の写真で判別不能、右の写真では範囲外でしたが、ダイサギらしき姿も確認できています。

Dscn6097c Dscn6110c  こちらは、下流側。水面にはあまり鳥はいませんでしたが、右岸堤防の下には、オナガガモ、コガモがあがっていました。驚かさないよう、そっと覗いてテキトーにシャッターを押しましたので、ちょっとヘンな写真になりました。

Dscn6113c Dscn6116c  下流側の対岸には、カモメ。下嘴の先に赤い部分が見えますから、セグロカモメでしょう。また、オオバンが1羽だけ、泳いでいました。志登茂川も、だんだんと賑やかになってきて、講義が終わってからの楽しみが増して来ました。

Dscn6085c  ところで帰宅して、昼食を摂ってから出欠のチェックを済ませましたが、Q&Aは、まだこれから。初めに書きましたが、けっこう疲れてしまい、一息も二息もついています(爆)。写真は往きに撮った長太の大楠。樹勢は相変わらずのように見えます。

2023年11月16日 (木)

久しぶりに九華公園でゴイサギ

Dsc04073c_20231116163201  朝のうちは晴れて、日中は16.8℃になりましたが、夜からは雨だそうです。かなり降るということです。今朝は家事を済ませて、8時15分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、寺町と6.2㎞。冒頭の写真は、散歩に出かけるときのもの。まだ日がさほど高くのぼっていません。今朝の日の出は、名古屋で6時27分。

Dsc04122c_20231116163201  揖斐川には、遠くにカンムリカイツブリが浮かんでいましたが、とても写真には撮れません。柿安コミュニティパークでカワウを見るまで、これという鳥には会わず。九華公園に着いて、鎮国守国神社の社務所裏にゴイサギ。ほかにもゴイサギ1羽と、ホシゴイが1羽いたのですが、これらは飛び去ってしまいました。

Dsc04256c_20231116163201  九華橋の近くの樹上には、アオサギ。ほかには公園のあちこちでヒヨドリとハシボソガラス。どちらも賑やかです。特にカラスが賑やかなのが、ほかの鳥が寄ってこない要因になっているような気もします。

Dsc04330c Dsc04389c_20231116163201  奥平屋敷跡、二の丸跡などでもほとんど小型の野鳥はいません。奥平屋敷跡では、ハクセキレイが2羽いたのですが、うっかり近づいて逃げられました。撮れたのは、メジロとカワラヒワ。メジロは奥平屋敷跡に1羽のみ。いつもここに来る個体と思います。カワラヒワは、朝日丸跡に10羽ほどが集まっていました。

Dsc04339c_20231116163201 Dsc04452c  カモ、今日は合計62羽。キンクロハジロが42羽、ハシビロガモが17羽、ヒドリガモがオス2羽にメス1羽。ハシビロガモとヒドリガモは、毎日ほぼ同じくらいいますが、キンクロハジロが多少増減しています。

Dsc04462c_20231116163201  こちらは、ハシビロガモの頭部のクローズアップ。ハシビロガモは、水面に嘴をつけて水ごと食物を吸い込み、嘴にある、このブラシのようなところで食物だけを濾し取り水を吐き出して採食します。今日のバードウォッチングは、以上。出かけたのがいつもより遅かったこともあるのでしょうが、ちょっと張り合いなし(苦笑)。

Dsc04484c_20231116163201  昨日の授業のQ&Aは、今日午後、一通り完成。幸い、いつもよりモチベーションが下がることはありませんでした。夜か明日の朝、もう一度チェックして、加筆修正をするつもり。例によって印刷して、寝かせてあります。

Dsc04495c  ところで、諸戸氏庭園が、12月3日まで秋の特別公開をしていることはすでに書きました(11月25日(土)は休園だそうです)。ドウダンツツジやモミジの紅葉がどうか、気になるところです。去年は11月27日に見てきました(2022年11月27日:20221127諸戸氏庭園の紅葉)。

Dsc04501c_20231116163201 Dsc04517c_20231116163201  旧知の歴史案内人のKさんにもうかがったのですが、大門を入ったあたりが、今のところもっとも綺麗だろうとおっしゃっていました。右の写真は、9階の拙宅玄関前から撮ったものです。

2023年11月15日 (水)

非常勤の講義は、半分を終えました

231115095150566c  11月も早くも半ばとなりました。晴れという予報でしたが、午前中はほぼ曇り。朝は6.8℃と冷えましたが、午後は晴れて、最高気温は16.1℃。それにしても、10℃近くも寒暖差があると参ります。水曜日ですから、江戸橋での講義日。今日で8回目。何度も書いていますが、これで半分が終わりました。しかし、今日の出席率は前回を10%弱下回っていました。出席率は、アップ・ダウンを繰り返しています。

231115102331065c  今日は、授業のテーマに合わせて、最後に「社会的スキル尺度」を実施。社会的スキルとは、人間関係をうまく運ぶ技術(スキル)で、人間関係を形成・維持・発展するために重要です。18項目の質問で測定できます。ときどき、こういう質問紙・尺度を実施して、学生諸君の自らの人間関係を知るための手がかりにしているのです。平均点に近いと安心するようですが、平均と2~3点くらい違うだけでは、測定誤差の範囲です。毎回、こういう質問紙・尺度を実施したときには、平均値±1標準偏差(ばらつき具合を示す指標)を求め、それを「平均的な範囲」として、判断の基準を示しています。データが正規分布をしていれば、この範囲に約68.4%が含まれるからです。

Dscn6079c Dscn6081c  授業終了後は、志登茂川をちょっと覗いてきました。左の写真は、上流方向。四日市港潮汐表では、12時49分が干潮。あまり時間がありませんでしたので、本当に覗いただけで、よくは見ていませんが、カルガモのほかにコガモが来ているのが確認できました。コガモは、今シーズン初めて見ました。

Dscn6083c  こちらは、下流側。カルガモのほか、コガモらしき姿も見えます。こちらも同様。サギたちはいないようでした。

231115121653246c  急いだのは、昨日書いたように、津駅まで行って、別所書店に立ち寄ろうと思ったから。12時22分の五十鈴川行き急行に乗って、駅ビルのチャムにある別所書店で文庫本の新刊4冊をゲット。新書や、ほかに欲しい本も探したのですが、それらは見つからず。12時40分の名古屋行き急行で帰宅。昼食後、出欠を確認した後、今日実施した社会的スキル尺度の結果を集計し終えました。Q&Aは、少し手をつけたくらいで、これから本格的に進めます。

231115092152919c 231115092229759c  ところで、朝、江戸橋駅に着いたら、観光列車の「つどい」が1番線に止まっていました。近鉄では、観光列車「つどい」の車内で、足湯が体験できる「足湯列車」を4年ぶりに運行するそうです。今回は12月16日(土)から来年1月21日(日)まで、年末年始を除く土日祝に、近鉄名古屋駅~湯の山温泉駅間で運行されます(こちら)。コロナ禍であったため、4年ぶり。つどいは、5年前の近鉄ハイキングで湯の山温泉駅に止まっているのをマジマジと見たことがあります(2018年10月20日:20181020近鉄ハイキング「芸術の秋!鈴鹿山脈を望み湯ったりウォーキング」へ……菰野駅をスタート、五郎兵衛地蔵、三滝川ジョギングコース、大羽根園運動公園から湯の山温泉駅、観光列車「つどい」もしっかり見てきました(完))。足湯列車で、利き酒もできますから、機会があれば乗ってみたいですねぇ(微笑)。

2023年11月 9日 (木)

イソヒヨドリのメスとカワセミのオス……Q&Aは、一応完成

Dsc00707c  晴れ間もあるものの、曇りがちで下り坂という予報です。ほぼ予報の通りで、最高気温は21.7℃でした。今日は、幸いにも家事をする必要がありませんでしたので、7時20分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町と7.3㎞。

Dsc09916c_20231109190401  鳥は多くはありません。スズメ、ドバト、ムクドリが全体に少ないのです。揖斐長良川の中州には、アオサギが1羽。七里の渡し跡でドバト、スズメが少し。三の丸水門に来て、周りを見回したら、目の前にイソヒヨドリのメスがいました。まさか何かいるとは思わず、びっくり(微苦笑)。

Dsc00061c_20231109190401  柿安コミュニティパーク西の三之丸堀でカワセミの鳴き声が聞こえ、探したのですが、姿は見当たらず。九華公園についてからも慎重に西の堀、鎮国守国神社の社務所裏の堀を見たら、いました! カワセミ君です。大きく回り込んで、数メートルほどのところへ。ダイビングシーンは見られませんでしたが、これだけ撮れれば、まぁ満足。

Dsc00253c_20231109190401  相撲場のところで、シジュウカラ数羽とコゲラ、ジョウビタキのメス。シジュウカラとジョウビタキは撮れなかったのですが、コゲラは何とかこの写真。神戸櫓跡のツツジの植え込みからは、ウグイスの地鳴きが聞こえていましたが、姿は見えません。奥平屋敷跡、二の丸後ではヒヨドリとカワラヒワがいずれも少数いたくらい。朝日丸跡では、シルバー人材センターの方が落ち葉の清掃をしておられ、ブロワーの音が響いて、鳥は来ません。

Dsc00670c_20231109190301 Dsc00630c  カモ、今日はたくさんいました。合計98羽と、久しぶりに100羽に迫る勢い。なかでもキンクロハジロが多く75羽もいました。キンクロハジロの数でカモの数が左右されます。ハシビロガモは20羽。これも結構増えました。ヒドリガは1ペア。今日はホシハジロのオスが1羽。

Dsc00593c  公園内を半周して、鎮国守国神社にお参りして、再び社務所裏を見たら、アオサギがいました。いつも来ているアオサギと思いますが、最近は九華橋の近くの樹上ではなく、社務所裏のセンダンの木によくいます。この後の公園では、ヒヨドリやメジロなどを少し見たくらい。シメはその後見ていません。ユリカモメは、昨日も来なかったようですし(Yさんによる)、今日もいませんでした。ユリカモメは、昨シーズンまでの状況では、カモにエサをやる人がいると、どういう訳かそれを察知してやって来て、エサを横取りするのです。今年はまだエサをやる人がほとんどいません(コロナ禍以降の傾向かも)。

Dsc00688c_20231109190301  ところで、昨日の授業のQ&Aは、夕方になってやっと一通り完成。勢いで乗り切ったというところがかなりあります(苦笑)。書かれている内容によっては、ガッカリして、モチベーションが急降下することがあるのです。具体的に書くと差し障りがありますが、「小学生の感想かよ」と思うことも。「~って聞いてびっくりしました(驚きました)」とか、「~について知れてよかったです」のような内容がそれです。率直な感想なのだとは思うのですが、大学生ですからもう少しアタマを使って、少しは考えたことがうかがわれることを書いて欲しいと期待しているのです。モチベーションが下がったときには、家事など別の作業をして、(何度も)気を取り直してパソコンに向かっています(爆)。教員としての力量が不足しているのでしょうか?? いつものように印刷して寝かせておいて、明日の朝にでも確認して仕上げます。

 余分な一言。最近、時事ネタは書かないようにしているのですが、あまりにもどうかしていると思うので。総理大臣ほか政務三役の給与を上げる法案が国会に提出され、批判にさらされています。政府は、給与増額分を国庫に返納するという対応を採るそうです(こちら)。しかし、これ、返せばよいという問題ではありません。そもそも国民が物価高であるのに、それに給与増加が追いつかない状況下で給与を上げることが批判されているのです。ことの本質を避けて、小手先の対応を採って目くらましをすると、私には思えます。こういう小手先の対応、その場しのぎの対処ばかり増えているのは、どうかと思います。今の総理大臣、まったくズレているか、基本的な理念がないか、何も考えていないか、この全部かと疑っています。

2023年11月 8日 (水)

立冬……志登茂川にはカルガモ以外もいるようでした

231108093232950c 231108102941409c  暦の上では立冬を迎えましたが、今日も最高気温は22.3℃と暖かくなっています。水曜日ですから、江戸橋での後期の講義。今日で7回目。全15回+試験1回ですから、来週が折り返し点となります。今日は、7回目にして出席率が90%を越え、これまでの最高となりました。先週、授業の最後にある尺度を実施したのですが、ミスをしでかしていて、今日の最初に再実施。いくつかのバージョンがある尺度でしたので、取り違えて、気づかなかったのです。老化故のミスと思いますが、これからはこれまで以上に十分確認が必要です。老化すると、たぶんワーキングメモリーも低下していきます。ワーキングメモリーが弱くなりますと、不注意というよりも、視点を変えてのチェックができにくくなるのです。

Dscn6071c Dscn6073c  帰り道に津駅まで行って本屋に行こうかと迷ったのですが、来週に回し、いつものように志登茂川を覗いてきました。今日は事前に四日市港の潮汐表を見たら、干潮が8時26分、満潮が15時12分で潮が満ちてきているところ。あまり期待できないと思ったら、その通り。左の写真は、上流方向。対岸にアオサギとカルガモがいるのは分かったのですが、遠くてほかがよく判別できず。右は、光学20倍ズームで撮ったのですが、カルガモと、それ以外のカモがいるのは分かります。来週からは単眼鏡をまた持っていかないといけません。

Dscn6077c  こちらは、下流方向。こちらは江戸橋近くにカモメらしき姿が見えたのですが、コンデジの20倍ズームでは非力ですし、液晶画面では周りが明るすぎて、どこを撮っているかよく分かりませんので、ズームはせず。

231108121846855c  江戸橋駅を12時42分に出る名古屋行き急行で帰宅。昼食後、出欠チェックと、今日実施した尺度の集計まで済ませました。Q&Aは、まだこれから。

2023年11月 1日 (水)

志登茂川には、冬鳥は未だ来ていません

231101093140813c  11月になりました。早いものです(いつも同じことを思っていますが、本当にそう思います)。水曜日ですので、江戸橋での講義日。後期も早6回目。出席率は、9割弱で前回と同じ。欠席回数については、個別には注意しません。また、「出欠はきちんと自己管理するように」といってはあるものの、欠席が多い学生がいると、やはり気になります。今日までの6回の授業で、3回、4回と欠席している強者がいます。「とくに事情があれば申し出るように」といっているものの、申し出た学生はありませんから「サボり」と判断せざるを得ません。

 Dscn6049c Dscn6057c 先週は、講義の帰り道に三重県総合博物館で「鳥のひみつ調べ隊」という展覧会を見てきました。助手の先生からは「今日はまっすぐお帰りですか?」と聞かれ、「ハイ」とは答えたものの、志登茂川に寄り道してきました。潮汐表を見ていかなかったのですが、ご覧のような状況(四日市港で8時4分に満潮、干潮は13時31分。潮が引いているところ)。上流方面(左の写真)では、端っこにアオサギが1羽写っているほか、合流地点あたりにダイサギらしい姿が見えます。下流には何も見えませんでした。真向かいの対岸にはカルガモが数羽いたのですが、他のカモなどはまだ来ていないようでした。

Dscn6061c  ちょっと歩いたら、イソシギがいるのに気づきました。九華公園にはカモが50羽以上来ていますが、このあたりは未だこれからという感じです。また、来週も見てくることにします。

Dscn6048c  余談その1。前期の最後の授業の日に、非常勤先近くに「一身田あんこ」という店ができていたという話を書きましたが(2023年7月26日:授業最終日は猛暑日……出席少なく、気になってしまいます)、後期はこれまで店が開いているところを見ていませんでした。閉店してしまったのかと失礼なことを考えていたのですが、今日、帰りには久しぶりに営業中でした。食べログにもページができています(こちら)。写真と☆3.05という評価はあるものの、クチコミは未だ載っていません。営業日も金・土となっていますので、詳細はよく分かりません。

231101132544192c  余談その2。桑名駅前イルミネーション(東口)は、今日から始まるようです。といっても、私が通るのは昼のみですから、写真はこんなものしかありません。来年2月いっぱいまでの予定。点灯するのは、日没から22時頃まで。

2023年10月25日 (水)

今日の寄り道は三重県総合博物館で「鳥のひみつ調べ隊 みて、きいて、ふれて」展へ

231025120614590c  水曜日ですから、江戸橋での講義日です。今日で5回目、全体の1/3となりました。出席率は、90%弱と、3回目と同じく最高を記録。これまで休んでいて今日から出席したという「超強者」もあります。15回中、10回以上の出席がないと成績評価を受ける資格がなくなります(つまり、失格して期末試験を受けられません)。今日から来たということは、まさに「後がない」状況です。今後の奮起を期待します。

231025102314788c  今日までは「発達からみた人間関係」というジャンルの話。具体的には今日は「⻘年期の⼈間関係の悩みとその克服」というテーマで、学生諸君にも切実というか、身近な話題でしたので、出席票の反応もかなりよいものがあります。というのも、学籍番号・氏名しか書いていないというものが、ゼロだったのです。いつもこうであって欲しいと思いますが……。

231025121550265c 231025121743060c  さて、いつもなら授業終了後は、志登茂川に立ち寄って、鳥がいないかを見てくるのですが、今日の寄り道はこちら。非常勤先まで、実家に行く家内に迎えに来てもらって、三重県総合博物館(ミエム)へ。「鳥のひみつ調べ隊 みて、きいて、ふれて」を見てきました。ようやく念願が叶いました(微笑)。前売り券を買っておきましたので、¥800のところを¥640で入館。12月10日まで開催されています。

231025121903225c  企画展示室に入ってすぐのところ。今回の展覧会では、「このブースは撮影可」というところが多かったので、写真をたくさん撮ってきました。様々な側面から鳥のひみつをひも解いていく内容です。鳥の祖先、鳥ならではの飛ぶための工夫などの形態的からの考察、芸術作品で見る鳥の歴史や食文化の紹介なども。鳥に関する貴重な剥製や骨などの展示資料は、293点も出展されています。実際に触れられる標本や、鳥の声が聞けるブースまであります。

231025122039801c  この写真では大きさがわかりにくいのですが、これは世界最大と言われている「ジャイアントモア」。なんと足先から頭まで3mもあり、体重も250㎏あったものもいるといいます。最大のものは、3.6mにもなったそうです。ただし、おとなしい性質で、人間にたやすく乱獲されてしまい、すでに絶滅しているそうです。空を飛ばない鳥です。

231025122943630c 231025122648663c  こちらは、私の好きなアオサギ。骨格標本も展示されていて、マジマジと見てきました。これで、明日以降、アオサギを見る目も変わるかも知れません。

231025122508789c  キジの体に生える羽を抜いて並べた展示もあります。一羽のキジが、ものすごい総量の羽をまとっていることが一目瞭然。ただし、これで全部ではありません。これは、首・背中から尾・胸・翼の部分だけといいます。実際に見ると、圧倒されます。

231025125438397c  さて、三重県総合博物館に行くと、必ず会ってくるのが、さんちゃんオオサンショウウオです。三重県総合博物館唯一の生きた標本なのです。じっとしていましたが、たぶん元気です。

 231025125422514c そして、ミュージアムショップでお土産をゲット。図録(¥1,000)、「しろっちとなかまたちフレークシール(¥550)」に銘菓「関の戸(¥648)」です。フレークシールは、写真やイラストに沿ってひとつずつカットされた小さなシール。しろっちは、三重県の鳥であるシロチドリから来たキャラクター。関の戸は、東海道関宿にある深川屋さんのお菓子。実は、これも大好きなのです。

231025130048704c  博物館からバスで津駅まで。バスは、某大学の学生さんで大賑わい。それはよいのですが、入り口付近まで人がいて、乗ろうと思っても奥に詰めてくれないのです。運転士さんがアナウンスしてくれてようやく少しだけ奥に行ってくれましたが、前回来たときも同じでした(2023年5月24日:江戸橋で授業のあと、三重県総合博物館で「親鸞と高田本山 専修寺国宝からひろがる世界」を見る)。もうちょっと進んで他の客に対しても気を遣ってくれないかなと思います。どこの学生さんかは敢えて書きませんが、お分かりになる方にはお分かりいただけるでしょう。ちなみに、私が教えているところの学生ではありません。

231025133621235c  津駅に着いてから昼食。津チャムにある「信州そば処そじ坊」へ。ここ、お気に入りの店。13時半過ぎです。今日は、「ぶっかけ蕎麦3種盛り」をチョイス。税込みで¥960。トッピングは、大エビ天ぷら、おろし、なめこ。これ、失礼ながら、チェーン店の蕎麦とは思えないほど、おいしい蕎麦でした。

より以前の記事一覧

2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

マイブックス

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)

  • 関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)

    関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)
    タイトルに惹かれて手に入れたものの、序章の記述が私にとっては退屈でしばらく放っておいたり、読み直そうと思ってくじけたりしていました。しかし、そこを乗り越えるとこの本はとても面白くなり、ほとんど一気読みしました。スサノヲ(素戔嗚尊)の正体を探るプロセスでアマテラス(天照大神)の謎も明らかにされて行き、それもとても興味深いものがあるのです。アマテラスは皇祖神とされますが、実在の初代王と言われる崇神天皇はアマテラスを伊勢に追いやっています。また、伊勢神宮を整備した持統天皇だけは伊勢に参ったものの、それ以降明治になるまで、1,000年以上も歴代天皇は伊勢神宮を訪れていません。明治天皇が東京に遷御したあと武蔵国の鎮守勅祭の社に定めたのは、スサノヲの祀られる氷川神社(現さいたま市)です。明治天皇は氷川神社を訪れた翌年に、伊勢神宮を訪れています。そもそも伊勢にいる神はアマテラスなのかという疑問にも立ち向かっている、古代史や神に関心がある方にはお勧め。 (★★★★★)

  • 安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)

    安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)
    時代小説をよく読みます。捕物帖、市井の人たちの生活、侍の物語、大名の話などいろいろとあります。庶民の生活については、これまでもいろいろな本でかなり知っていますが、大名の生活については分からないところの方が多いと思っていました。タイトルに惹かれて買ったのですが、大名やその家族の生活が詳しく書かれているのではなく、勤番侍の生活、大名屋敷の庭園、御用達商人や豪農、幕末の動乱と大名屋敷などの話が中心でした。それはそれで知らなかったことが多々あり、興味深く読みました。 (★★★)

  • 服部環ほか: 指導と評価2023年10月号(図書文化社)
    「指導と評価」は、日本教育評価研究会の機関誌であるとともに、日本で数少ない教育評価に関する月刊誌です。この号では、教育・心理検査の意義と活用という特集が組まれています。「教育・心理検査の意義」に始まり、WISC-Ⅴ、KABC-Ⅱなどの個別検査の使い方、解釈の仕方、指導への活かし方がそれぞれの専門の先生によってわかりやすく解説されています。特別支援教育の現場でも、きちんとした心理アセスメント所見に基づいた支援を展開することが望ましいのですが、現場の先生方には敷居が高いようです。ご関心がおありの方には、どのように使えるか、どのように考えたらよいかについて基本的なことがらを理解するのに適しています。出版社のWebサイトからバックナンバーとして購入できます。 (★★★★)
  • 石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑

    石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑
    野鳥図鑑はすでに何冊も持っていますが、この野鳥図鑑は、2015年の刊行で、なぜ今までこの存在に気づかなかったと反省するほど便利そうなもの。掲載されているのは324種ですが、それぞれの特徴や、見わけのポイントがパッとわかるようになっています。その鳥の生活型や生息地、食性や羽色、形態などのほか、雌雄、夏羽冬羽、幼鳥などで特徴が異なる場合は、それらについても説明されています。観察したい行動から、おもしろい生態、探し方までもが載っていますし、鳥の鳴き声が聴けるQRコードも付いています。私自身、野鳥の特定がけっこうアヤシいので、しっかり活用しましょう。 (★★★★★)

  • 千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)

    千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)
    「東海の街道」シリーズの第4巻です。「街道歩きのお供に最適の1冊」といううたい文句。内容は、三重の主な街道、近世三重の城郭図・城下図を読み解く、お伊勢参り小咄、伊勢をめぐる〈参詣〉をデジタル化するの4章構成で、まさに三重の街道歩きの参考書としてよいと思います。私自身も県内の東海道、伊勢街道、美濃街道、濃州街道はほとんど歩き、ほかの街道も部分的に歩いていますし、城もここに載っているところはかなり訪ねています。デジタル化も、ブログに写真・記事を載せていますから、出来不出来はともかく、私も取り組んでいます。県内の街道はさらに歩こうと思っていますし、デジタル化にももっと取り組みたいと考えていますので、十分活用できるでしょう。 (★★★★★)

  • 唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)

    唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)
    都市にもたくさんの野鳥がいることを知る人は少ないかも知れません。私がいつも散歩している地方都市の公園では、これまで10年あまりで70種類近くの野鳥を観察しています。都会は自然の少ない人工的な環境にあふれていますが、野鳥たちはもともとの生態を活かしつつこれらにしたたかに適応してい生きています。この本では、カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽を取り上げ、その都会における生態や、活動の変化、人間と鳥との関係とその変化などについて多くの実例や、調査結果をもとに、豊富な写真を使って楽しく読めるようにまとめられています。 (★★★★★)

  • 堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)

    堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)
    「ショックドクトリン」とは、テロや大災害など、恐怖でこくみんが思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことです。アメリカでの3.11以来、日本でも大地震やコロナ禍の裏で知らない間に個人情報や資産が奪われようとしているというのがこの本のテーマ。パンデミックで製薬企業は空前の利益を得、マイナンバーカード普及の先には政府のよからぬ思惑があるなどよくよく注意し、自分の生命・財産を守らないといけないというのが著者の主張。「今だけ、自分だけ、お金だけ」という強欲資本主義に負けないようにするには、ちょっとした違和感を大事にし、お金の流れがその裏にないか、また、それで大もうけして回転ドアをくぐって逃げる輩がいないかをチェックすることです。また、政府が何か、大急ぎで導入しようとしたり、既存の制度を急拡大しようとするときは、要注意だそうです。 (★★★★)

  •  奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)

    奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)
    いわゆる「高須四兄弟」である徳川慶勝、松平容保、松平定敬、徳川茂栄は、幕末維新の激動期に、結局のところ官軍と幕府とに分かれて戦う運命になったのですが、この四兄弟を取り上げて埋もれた歴史を活写した小説。私自身は、桑名藩主であった松平定敬が取り上げられているので興味を持って手に取った次第。幕末維新は、次々に色々な出来事が起きて、さまざまな人たちの思惑も複雑に入り組んでいるので、小説にするのは難しいと思っていたのですが、隠れた主人公ともいえる高須四兄弟の視点からとても躍動感のある読み物になっています。また、この時期の歴史をより一層深く理解できたという感想も持っています。 (★★★★)

  • 國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

    國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    ほぼ隠居状態ですから、暇と退屈には困りません(微笑)。それ故にこの本を手に取ったといっても、誤りではありません。著者がいうには、「暇」とは何か、人間はいつから「退屈」しているのだろうかといったなかなか答えにたどりつけない問いに立ち向かうとき、哲学が役に立つというのが著者のスタンス。哲学書なのに、読みやすいのです。スピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど、その昔学生時代に取り組んで挫折した哲学者たちの論考を参照しつつ、現代の消費社会における気晴らしと退屈について鋭い指摘がされ、まさに蒙を啓かれます。 (★★★★)

  • 逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)

    逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)
    今さら、なぜこういう統計ソフトの本を読むのか? と訝られると思うのですが、その昔、現役の頃には統計パッケージソフトIBM SPSSを使ってデータを分析して論文を書いていました。ただ、SPSSを始め、統計パッケージソフトは、値段がバカ高いのです。退職する前からこのRというフリーの統計処理ソフトが出て来て、ずっと興味を持っていました。先日、文庫本を買おうと思って本屋に行ったらこの本を見つけてしまいました(微笑)。今さらこれを使ってバリバリやる訳ではありません。むしろボケ防止かも知れませんが、昔のデータはそのままパソコンにありますから、これを使って、昔はやらなかった分析をしてみようと思っています。何か成果が出るかどうかは極めてアヤシいのですが、まぁゆるりといろいろやってみることにします。 (★★★★)

  • 林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)

    林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)
    たまにはこういう本も読まないと、認知機能が退化するかもしれないと思って(微苦笑)。というよりも、もともと神経心理学に興味がありましたので、本屋の店頭で見つけ、これは面白そうだと思って購入しました。うつ、自閉スペクトラム障害、ADHD、統合失調症、双極性障害など、現代人を悩ませる心の病について、脳にどのような変化が起きているか、最新の知見がまとめられています。最前線の研究者たちがわかりやすく説明しているのですが、知識ゼロで読むのはかなりキツいかも知れません。私は現役をリタイアして10年以上になりますが、その間にこれほど研究が進んだのかというのが正直な感想。心の病の原因は、1つとは限りません。心の病は「症候群」と見た方がよいと考えます。私自身が関わる自閉スペクトラム障害、ADHDなどの発達障害でもそうです。脳機能と心の病との関連について最新の知見を知りたい方にはおすすめ。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)

    磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)
    本の帯に「大河より面白い!」とありますが、本当にそうでした。午前中の散歩のついでに買ってきて、夕食までに一気に読み終えてしまいました。もったいない気がするくらい。松平元康がいかにして徳川家康になったか、さらに徳川将軍家がいかに続くよう礎を築いたかが、よく分かりますし、戦国時代から徳川幕府創世記までの歴史を見る目が養われる本です。それというのも、著者の磯田さんが古文書の権威で、一次史料を読みこなすだけでなく、場合によっては価値が怪しい資料まで傍証に用いて(怪しい資料でも使い道があるというのも良く分かりました)、ご自身の頭で考えた結果を実に分かりやすく解いてくれてあります。徳川家康の弱者の戦略のキーワードは、「武威」と「信頼」ということです。また、情報の取得、解読にも意を尽くしたことがよく分かります。混迷を深める世界情勢を読み解いて、我が国が進む方向を考える上でも役に立つ一冊。 (★★★★★)

  • 井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)

    井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)
    発達障害、とくに自閉スペクトラム症(ASD)の方では、感覚過敏や感覚鈍磨をよく伴います。「照明で目がチカチカする」「皆が話している教室では。音が鳴り響き絶えられない」「ケガをしてるのに、痛みを感じない」などさまざまな状況を呈します。著者は実験心理学や、認知神経科学を専門とし、ASDの方に見られる感覚過敏、感覚鈍磨は、脳機能の特性から来ていることを明らかにしてきています。ASDなど発達障害のあるご本人はもちろん、親御さん、教師など関わりを持つ方々は、このことをよく理解して支援にあたることがとても重要です。ASDを始めとして発達障害について、「わがまま」「自分勝手」「やる気がない」などと捉えてしまうと、支援どころか、理解もできなくなります。脳の働きによってさまざまなことが生じてきているという視点が必要不可欠です。この本は、感覚過敏・感覚鈍磨を手がかりにそういう視点について理解を深められます。 (★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)
    2022年12月のNHKのEテレ「100分de名著 中井久夫スペシャル」のテキストです。今頃(2023年2月)これをリストアップしているのはどうかという気もしますが、録っておいたビデオをみたのが最近なのです。中井久夫さんは、2022年8月にお亡くりになりましたが、日本を代表する精神科医のお一人であり、翻訳家、文筆家としても一流でした。現役の頃、中井さんの本はたくさん読みました。臨床心理学の分野でも「風景構成法」を導入した方として知られています。Eテレの講師である齋藤環さんは、中井さんを評して「義と歓待と箴言知の人」と書いておられますが、まさにそういう気がします。『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』が紹介されています。現在もウクライナで戦争が続いていますが、中井は「戦争は過程、平和は状態」とし、戦争は物語として語りやすく、とにかくかっこよくて美しい、それが問題だといいます。一方、平和は分かりにくく、見えにくいため、心に訴える力が弱いとします。「状態を維持する努力はみえにくい」のですが、戦争と平和に限りません。普段通りの日常生活を維持していくのも同じような気がします。戦争を経験していない人間が指導者層の多くを占めるようになると戦争に対する心理的抵抗が低くなるともいいます。「戦争には自己収束性がない」とも中井さんはいっています。われわれはやっかいな時代に生きていると痛感します。中井さんの本を多くの方が読むと、時代も変わるかも知れません。 (★★★★★)

  • 桑名三郎: 七里の渡しを渡った人達(久波奈工房)
    桑名と名古屋の宮を結んだ東海道唯一の海路「七里の渡し」をテーマにした歴史本です。船頭が旅人を案内しながら、七里の渡しを渡った歴史上の24人を紹介する内容。やさしい話し言葉で紹介されており、読みやすい本です。徳川家光、松尾芭蕉、明治天皇などが取り上げられています。著者は、桑名で歴史案内人をしながら、街の歴史を研究している、街道好きの方です。本は、桑名市内の書店とメルカリで¥1,200で販売。 (★★★★)
  • 磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)

    磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)
    磯田さんの本は面白い。というのも、話のもとには古文書があるからだと思う。その古文書も磯田さん自身が、古書店などで発掘してきたものがほとんどで、それ故、内容もオリジナリティが高くなる。この本は、戦国時代から幕末あたりを中心にさまざまな古文書の内容をもとに、例えば忍者の悲惨な死に方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、赤穂浪士が吉良の首で行った奇妙な儀式などなど、興味深いエピソードを浮かび上がらせている。面白いので一気読みしてしまった。 (★★★★★)

  •  佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)

    佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)
    史跡や、寺社、町並み、城、美術工芸品等の見方がやさしく解説されている本です。「事典」となっていますが、いわゆる辞書とは違って、普通の本のスタイルです。索引が充実していますので、事典としても十分に使えます。最初の版をもっていますが、40年ぶりに改訂され、写真、図版も多く、歴史散歩の最強の味方です。 (★★★★★)

  • 日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)

    日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)
    今年1年、何の因果か(などと書くとお叱りを受けること必至ですが)、住んでいるマンションの管理組合の理事長を仰せつかっています。今年は、エレベーターリニューアル工事が最大のイベントで、それは無事に済んだのですが、前理事長から8年後に迫った第3回大規模修繕に向けて、修繕積立金が不足する見込みと申し送られました。確かにかなりの金額が不足しそうで、頭を悩ませていました。マンションに住みながら、そもそも基本的な知識が不足しており、管理会社のフロントマンの方の協力を得ながらシミュレーションなどをしていました。ネットであれこれ調べてはいたものの、それで得られる知識は体系的なものではありませんでした。この本は、事例を元にマンション管理について必要な知識が得られるように書かれており、まだすべて読み終えてはいないものの、とても役に立っています。任期残り2ヶ月半となって付け焼き刃ではあるものの、次の理事会に具体的に課題を申し送ることができるよう勉強中(笑)。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)

    宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」や「どうしても頑張れない人たち」の著者である宮口幸治さんの新刊です。前2著の内容をよりよく理解できるよう、「ドキュメント小説」として書かれたものです。主人公は、精神科医の六麦克彦。医局から派遣されて要鹿乃原少年院に勤務して5年。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちでした。この内容は、前の2冊のように普通の新書では書き尽くせるものではなく、物語の形を借りざるを得なかったのでしょう。ただし、普通の小説として読むのには少し苦労するかも知れません。特別支援教育が普及して、知的障害や、発達障害のある子どもへの教育や支援は、以前に比べれば改善されてはいますが、最近は、家族の養護能力が十分でなかったり、親など家族自身に支援が必要なケースもたくさんあります。こうした中には、この本で取り上げられたような結末に至ることがあっても不思議ではないという気がします。極端な事例が集められていると思われるかも知れませんが、社会全体として真剣に取り組むべき課題が突きつけられています。 (★★★★)

  • 本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)

    本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)
    本田秀夫先生によるこのSB新書の4冊目のシリーズ。今回は、発達障害のあるお子さんの学校選び、学級選び、友達関係、学習や学力の悩み、不登校など、発達障害のあるお子さんの学校生活全般にわたって、どのような考え方に基づいてサポートしたら良いかについてまとめられています。それぞれ、親と先生とが、どのように取り組むことが基本となるか、解説されています。対策よりも予防的な工夫をコミュニケーション(要求ではなく)に基づいて行う、「学校の標準」を緩める、登校や成績を気にしすぎず、社会に出るための土台作りを考える、発達の特性には寛容になる、学びを大切にするが学力にこだわりすぎない、親と先生とが気づきを伝え合い相談、調整する、子どものモチベーションを重視するなど、具体的に書かれていて、分かりやすくなっています。発達障害のあるお子さんが小中学校で充実した学習が進められるための基本的な考え方やヒントが詰まっていますので、親御さんにも、先生方にもお勧めできます。 (★★★★★)

  • 佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?

    佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?
    サンドウィッチマン&芦田愛菜ちゃんMCの「博士ちゃん」に「三国志博士ちゃん」、「日本の神様博士ちゃん」として2回出演した佐々木秀斗君の自由研究を本にしたもの。何故これをここに取り上げたかというと、私のブログに載せた立坂神社の緑色の鳥居について、写真を提供して欲しという依頼が出版社からあったのです。私が提供した写真は、本書の162ページに「提供:猫の欠伸研究室」として載っています。ざっと読みましたが、大人でも、古事記や神社についてよく知らない方が、最初に手に取って基本的なことがらを知るには、わかりやすくて良い本だと思います。 (★★★★★)

  • 森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)

    森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)
    ネットで見つけ、新刊かと思って購入したのですが、4年前の本でした(微苦笑)。 若い頃に森博嗣さんの小説をすべて読んでいました。いつの頃からか、小説は読まず、森さんのエッセイだけを読むようになっています。「読書の極意を教える」と帯にはあります。もちろんそれについて書かれているのですが、私にはある種の知的生産の技術について著者の方法を開示していると読めます。「何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある」というのは、よく首肯できます。また、「教養とは保留できる能力をいう」というのも確かにそうだと思います。自分の問題として抱続けられ、また、考え続けられるのは、容易ではありませんから。 (★★★★★)

  • 井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)

    井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)
    愛媛県新居浜市にあった別子銅山は、元禄3(1690)年、伝説の切上り長兵衛によって発見されてから、昭和48(1973)年の閉山まで、283年間にわたり、累計65万トンの銅を産出しました。これは、世界の銅の産出量の1/6にも達するといいます。巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献したのがこの別子銅山です。江戸時代には貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、そこに関わった人達を鮮やかに描いた、本当の意味での大河小説です。徳間時代小説文庫で読みました。  (★★★★)

  • 養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

    養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    養老孟司先生と池田清彦先生の対談であれば、外れはありません。サブタイトルのように、「はみ出し日本論」ではありません。ど真ん中の日本論といってもよい本で、楽しみながら読めます。しかし、それは、自分のアタマできちんと考えているからこそ論じられる内容だと思います。常識や、マスコミで報道されることがらだけをフォローしていては、こういう風に考えることはできません。きちんとした理論、知識、データに基づかなければなりません。さらには、物事を捉える大きな枠組み、私の世代にとっては「パラダイム」といえるものが必要。それも、確固たるパラダイムが必要です。私にとってそれはある種の理想なのですが、なかなか難しい。しかし、まぁ、年寄りになったからこそ見えるものや、年寄りなりの知恵も働くようになるということもありますから、養老・池田の「怖いものなし」コンビを1つの目安として、言うべきこともいえるようになりたいものです。 (★★★★★)

  • 土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)

    土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)
    先に同じく土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を挙げましたが、入手したのはこちらが先。「一汁一菜でよい」というスタイルに至るまでの土井さんの修行、出会い、発見、迷いなどなどが書かれています。「家庭料理に失敗なんて、ない」、「すべては人を幸せにする料理に繋がる」というのが基本。具だくさんの味噌汁はおかずの1つになる。余裕があれば、食べたいものや、食べさせたいものをその都度調べてつくればよい。一汁一菜を入り口にして、一つ一つおかずをつくってみて、10種類ほどでもできるようになれば、それで幸せに一生やっていける。といった話があり、へぇーと感心させられました。これだけで健康に健やかに自足できるとも述べられています。一汁一菜なら、私にもできる、でしょうか?? (★★★★★)

  • 土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)

    土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)
    著者の土井善晴先生は、私と同世代。そして、私の世代にとってはあの土井勝さんの息子というイメージが強くあります。テレビなどにもよく出ておられ、なかなか面白い視点でものを見る人だなと思っていました。この本は,出版された当時(2016年秋)から知っていたのですが、手に取ったのはごく最近。文庫本を探していたのですがなかなか遭遇しなかったのです。「一汁一菜でよい」というのは、ご飯と具だくさんの味噌汁があればよいということです。家庭料理についての提案なのですが、実は、この本はもっと奥深いことを述べています。一言で言えば、日本文化や日本人の哲学について述べる中で、食や生活、生き方などについても論じられています。解説を書いておられる養老孟司先生は、それを「自足の思想」と表現していらっしゃいます。優しい、わかりやすい本ですが、実は奥が深い。著者の端正さもよく表れています (★★★★★)

  • 奥山 景布子: 流転の中将

    奥山 景布子: 流転の中将
    幕末の桑名藩主・松平定敬を描いた歴史小説。定敬は、実の兄で会津藩主である容保とともに徳川家のために尽くそうとしたものの、最後の将軍・徳川慶喜に振り回され、裏切られてしまいます。定敬は、それでも抗おうとしたのですが、国元の家臣たちはいち早く恭順を決め、藩主の座も追われてしまいます。朝敵といわれ、越後、箱館から上海まで流浪した定敬の波乱に満ちた人生と、秘めたる思いが生き生きと書かれています。定敬については、歴史講座で学んだり、本で読んだりしてきましたが、小説家の手にかかるとこのように立体的に、活き活きと動き出すものなのだと実感します。 (★★★★★)

  • サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)

    サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)
    たまには専門のアカデミックな本も取り上げます(微笑)。本屋でみつけ、購入。この本は、同じ著者が東大出版会から昨年刊行した「臨床心理学史」で果たせなかったことを果たそうと構想されたもの。果たせなかったのは、日本の臨床心理学史に触れることと、コンパクトな歴史記述だそうです。東大出版会の本は、読んでみたい気もしますが、¥7,000もしますし、内容もハードそうです。こうして臨床心理学の歴史を俯瞰してみますと、やはり実験心理学を抜きにしては臨床心理学も語れないといえます。私個人の考えでも、臨床心理学を学び、実践するには、実験心理学を学び、実験・調査などの方法で研究をした経験が必須です。臨床心理士、公認心理師の資格に関わり、心理学を志す人は多く、また、大学でも臨床心理学部や臨床心理学科もあります。しかし、私は、自分自身の経験からもやはり、実験心理学などの基礎心理学を抜きにして、臨床心理学は成り立たないと考えますし、学生も実験心理学を含めた基礎心理学を、少なくとも学部段階ではきちんと修得した方がよいと思います。本書を読んで、その考えはいっそう強くなりました。 (★★★★★)

  • 昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ

    昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ
    本屋に別の本を買いに行って見つけ、即買い(微苦笑)。私の好むタイプの本です。三重県の地形や地質、歴史、文化、産業などを、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント本。地図も歴史も文化も好きなのです。地図で読み解く三重の大地、三重を駆ける充実の交通網、三重の歴史を深読み!の3部構成。2017年11月にたまたまみつけたJRさわやかウォーキング「~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き」に行って以来、JRさわやか、近鉄ハイキング、勝手にハイキングで県内や近郊のあちこちに電車で行って電車で帰るハイキング/ウォーキングをしています。それによって訪ねたあちこちのことが改めてまとめられていて、とても楽しめます。各県のバージョンが出ているようです (★★★★★)

  • 磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)

    磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)
    歴史家・磯田道史さんが、鎌倉女学院高校で行った特別授業の記録と、ビリギャルの小林さやかさんなどとの対談を収めてあります。基本的には、「歴史の見方」についての本なのですが、それに留まりません。ものの見方、考え方を説いた内容です。むしろ、ものの見方、考え方を学びたい方にお勧めしたいと思うくらいです。ちなみに、タイトルは、「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世の中を歩くためのむしろ実用品である」という意味です。これは、歴史の見方について、あまりよく理解されていないポイントと思います。講義録ですから、読みやすく、しかも大変おもしろい本です。 (★★★★★)

  • 久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)

    久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)
    この著者の前著「三河吉田藩・お国入り道中記」で読んだ、三河吉田藩(豊橋)の参勤交代の話も大変おもしろく読めましたし、江戸時代の藩邸の様子、殿様や家臣の仕事、暮らしなどに興味があったので、読んでみました。三河吉田藩に残る「江戸日記」などの古文書から、江戸の大名屋敷がどのようなところであったか、江戸で働く武士の状況、江戸の藩邸で起きた事件のいろいろ、藩邸の奥向きの様子、さらには、明治維新後の藩邸から子爵邸への変化について、リアルな武士の暮らしのもろもろがまとまっていて、とても興味深く読めました。三河吉田藩は、現在の愛知県豊橋市にあり、松平伊豆守家が長く藩主を務めています。松平伊豆守家は、「知恵伊豆」の異名を持つ松平伊豆守信綱を初代とし、忍藩、川越藩、古河藩、吉田藩、浜松藩と国替えを繰り返した後、寛延2(1749)年から明治維新まで三河吉田を治めています。 (★★★★)

  • 安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)

    安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)
    サブタイトルに「大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ」とあり、さらに、オビには「300年前は えっ!? 今よりもっと愉快な旅行天国」ともあります。ただし、旅行を心から楽しめたのは、庶民に限られていたようです。参詣者を増やしたい各地の寺社、温泉、宿泊業者が積極的に営業したからです。一方、武士や大名は、トラブルメーカーだったといいます。公用で旅行したり、参勤交代したりなのですが、宿泊料のダンピング、備品の破壊などなどトラブルをまき散らしながらの旅であったり、権威を笠に着たりで、あまり歓迎されなかったようです。江戸時代の旅のエピソード満載で、楽しめる本です。 (★★★★)

  • 藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック

    藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック
    この本は、WISC-ⅣやKABC-Ⅱなどの知能検査の結果(アセスメント情報)を「子どもの自立と社会参加」により役立つものにしていくには、どのように伝えたらよいか(フィードバック)についてまとめられています。過去には、保護者、学校の担任、子どもたち自身に知能検査の結果を伝えることはされていませんでした。しかし、現在では、苦戦している子どもたちが、自分のことを理解し、自分なりにも工夫して、学習や生活スキルを向上させ、将来の自立と社会参加につなげるために、知能検査の結果(アセスメント情報)を子どもたち自身にも伝えるようになってきています。私も、相談では、お子さんに直接、フィードバックを行い、子どもたち自身が自己理解を深め、意欲的、積極的に取り組めるようにしています。この本は、子どもと支援をつなぐ、支援者をつなぐという視点から、心理検査のフィードバックについて基礎から応用、事例を含んでその全体像を把握できる、優れたものとなっています。 (★★★★★)

  • 新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)

    新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)
    藤沢周平の作品案内、小説に見られる名言集、映像化された作品の出演者や、関係者による評伝などによって藤沢周平の作品についてすべてとはいいませんが、かなりが分かります。私は、藤沢周平の小説が好きで、たぶんほとんど読んだと思います。ただそれは、15~6年以上前のことで、リストアップもしていませんから、すべて読んだかどうかについては、不確か。こういう本を読むと、もう一度読もうかという気になります。この本では、娘の遠藤展子さんの「父にとっての家族」がもっとも興味深く読めました。また、藤沢周平の言葉で私が気に入っているのは、「普通が一番」です。ほかにも、「挨拶は基本」「いつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れない」「謝るときは素直に非を認めて潔く謝る」「派手なことは嫌い、目立つことはしない」「自慢はしない」という言葉が、遠藤さんが父から言われて心に深く残っていることばだそうです。 (★★★★)