お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2025年4月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2020年1月以降の記事を残し、2019年12月以前の記事は削除しました(2020年1月1日から2025年4月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

大学

2025年2月17日 (月)

九華公園にアオサギが2羽

Dsc06317c_20250217145901  今日からまたもや寒波襲来だそうです。ただ、最低気温は5.9℃、最高気温は12.5℃と昨日の暖かい空気が残っているようです。しかし、北風がかなり強く、最大風速は10.1m/s。拙宅マンションが飛んでいくかと思うくらいの風です。今朝も7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、常信寺、寺町と5.8㎞。散歩中、北風に乗って冷たいものが飛んできていました。

Dsc04540c_20250217150101 Dsc04538c_20250217150101  住吉入江には、キンクロハジロのオスが2羽と、メスが1羽。このところ、住吉入江にはキンクロハジロたちがいつもいます。あの「住吉キンクロウズ」の復活です。

Dsc04663c_20250217150101 Dsc04676c_20250217150101  住吉水門のうち側には、ホシハジロのオスが1羽と、オオバンが3羽。

Dsc04569c_20250217150101  揖斐川には、白魚漁の漁船が2組出ていました。この量の写真を何とか、それなりに撮りたいと思うのですが、漁船がペアになって、大きな網を曳いていくだけですので、なかなかむずかしい(苦笑)。

Dsc04713c_20250217150101 Dsc04795c_20250217150101  七里の渡跡には珍しく何もいませんでした。三之丸公園で、今シーズン初めてツグミを見ました。蟠龍櫓の近くで、久しぶりにイソヒヨドリのメス。

Dsc04862c_20250217150101  九華公園では鎮国守国神社の社務所裏の木にアオサギ。最近また、ときどきここにアオサギがやってくるようになりました。

Dsc04910c Dsc04938c_20250217150001  奥平屋敷跡では、まずは、ジョウビタキのオス。ついでハクセキレイが1羽。あの足の悪い個体。ほかにはカワラヒワや、ツグミも姿を見せたのですが、写真は上手く撮れず。朝日丸跡を歩いているときにカワセミが飛んだのですが、すぐに見失ってしまい、その後は出会えませんでした。

Dsc05386c_20250217150001  辰巳櫓跡の松の木にもアオサギが来ていました。社務所裏の木にいた個体と、頭部の模様を比べると異なっていますので、別々のアオサギと考えられます。

Dsc05498c_20250217150001 Dsc05524c_20250217150001  本丸跡では、コゲラが2羽と、カワラヒワが数羽。カワラヒワは、あちこちで見るようになりました。

 鎮国守国神社を回って、再び社務所の裏に来たら、Dsc05802c_20250217145901 Dsc05724c_20250217145901アオサギはいなくなっていて、代わりにゴイサギが3羽と、ホシゴイが1羽。ただし、ホシゴイは後ろ姿。今日は、イカルはどこにもいませんでした。

Dsc05294c_20250217150001 Dsc05307c_20250217150001  カモ、今日は、キンクロハジロが54羽(左の写真はオス)、ハシビロガモが8羽、ヒドリガモが1ペア(右の写真はオス)。ホシハジロのオスは見当たりません。オオバン、今日は2羽。カイツブリは不在。

Dsc05173c_20250217152401 Dsc05217c_20250217150001  ユリカモメは、54羽。あの足環のついたユリカモメは、まだ滞在しています。

Dsc05906c  たまにはカワウの写真。婚姻色が出始めています。最近、九華公園に来るカワウの数は数羽~10羽くらいですが、その多くで婚姻色が見られます。

Dsc05985c_20250217145901  貝塚公園、内堀南公園にはこれという野鳥はいません。貝塚公園でモズが繁殖しないかと期待しているのですが、ごくたまにモズを見るだけ。内堀公園でジョウビタキのオス。

Dsc06159c_20250217145901 Dsc06175c_20250217145901  住吉入江に戻ってきたら、オオバンが1羽にキンクロハジロのオスが3羽、メスが1羽。

Dsc05700c Dsc06024c_20250217145901  昨日は、3月中旬並みの暖かさでしたので、梅の開花が進みました。左の写真は、鎮国守国神社の参集殿のところの白梅。右の写真は、常信寺の紅梅。

Dsc05199c_20250217150001  ところで、非常勤先から、後期の授業について、学生の授業評価の結果が届きました。非常勤講師としての最後のdutyが、これにコメントを書いて返信することです。が、受講登録者が約30名、失格者が数名というところに、授業評価のアンケートに回答したのはその1/5くらい。これでは、評価としてはほぼ成り立たないといわざるを得ません。まぁ最後まできちんと責任を果たすべく、結果をきちんと読んで、今日、明日中にはコメントを書くことにします。

【追記(2/17)】 授業評価の結果についてよく見てみました。上記のように回答者数が限られていたのはともかくとして、具体的な項目についての平均評価点よりも、総合評価の平均点がかなり低くなっていました。学生たちがどのような基準で、あるいは、どのような態度で授業評価に臨んだのか理解に苦しみます。また、自主的な学習をどの程度行ったかについての回答も、広く分散しており、学生の自主的な学習への取り組みも十分とはいえない様子が窺えました。この点は、教員の熱意や、知的刺激、学生の質問や意見といった項目への平均評価点がそれなりに高かったところからは、理解しにくいところです。

 大学における授業評価については、私も現役の頃、その実施について主体的に関わっていました。授業の質を向上させ、教育戦略の改善に役立てることを目的として行われています。ただ、課題も指摘されていて、例えば、学生の評価が主観的であるため、全体の授業の質を適切に反映しないことがある、また、評価結果をどのように活用するかについても意見が分かれることがあるなどです。また、学生たちが授業評価の意義をよく理解して、回答しなければ、授業改善にはつながりません。

 コメントは書き終えましたが、ちょっと過激かも知れません。ただ、今年度で定年ですから、いいたいことを書いても差し支えないかという気もしています。一晩寝かせてから、見直すことにします。

2025年2月 7日 (金)

今日の九華公園の野鳥は豪華ラインナップ

Dsc04639c_20250207164001  相変わらず強烈な寒波が居座っています。最高気温は-0.1℃、最高気温は8.3℃。今晩から明日の昼くらいまで、桑名にも雪の予報が出ています。昨日、かなりの距離を歩きましたが、今日は今日で、いつも通りに7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、吉津屋町、常信寺、寺町と6.4㎞。この時間帯は、風が弱かったので、とんでもなく寒いという感じはしませんでした。

Dsc03048c_20250207164201 Dsc03070c_20250207164201  住吉神社あたりには、水鳥はいませんでした。揖斐川にも赤須賀漁協の舟がでていて、水鳥は見られません。七里の渡跡で、カルガモが2羽。キンクロハジロのオスも1羽。ほかにはコガモのメスが2羽と、ヒドリガモが多数。不用意に覗き込んだら、ヒドリガモたちを驚かせてしまい、20羽くらいが一斉に逃げていったのです。

 Dsc03090c_20250207164201 柿安コミュニティパークの堀には、キンクロハジロたち。オス、メスあわせて6羽。

 Dsc03131c_20250207164201 Dsc03170c 九華公園に着いて、北門を入ったところでジョウビタキのメス。その近くのツツジの植え込みの下にシロハラ。シロハラをまともに見たのは、今シーズン初めて。

Dsc03231c Dsc03251c  鎮国守国神社の社務所裏の木には、ゴイサギ2羽と、ホシゴイが1羽。右の写真がホシゴイですが、成鳥の色、模様に変わりつつあります。ゴイサギは、生後3年くらいは、ホシゴイの色、模様をしているといわれます。

Dsc03218c_20250207164201  さらにゴイサギの写真を撮っていたら、こんなシーンが写っていました。「写っていた」というのは、肉眼ではまったく気がつかなかったのです。ときどき、偶然に撮れることがあります。排泄シーンです。白く長く伸びた物体が、それ。

Dsc03532c Dsc03547c_20250207164101  奥平屋敷跡に入ろうとしたら、イカルがかなりたくさんいました。そっと近寄ったつもりが、そこに入ったらイカルは、皆、樹上に移動。じきに飛び立ってしまったのですが、その数は40~50羽もいたと思われます。その後、奥平屋敷跡で鳥待ちをしていたら、8羽のイカルが戻ってきました。地上に降りて、エサを拾っています。

Dsc03386c_20250207164101 Dsc03425c  ほかに奥平屋敷跡で見たのは、まずは、カワラヒワ。続いて、ハクセキレイ2羽。いつもやってくる足の悪い個体とその相棒。

Dsc03910c_20250207164101 Dsc03761c  さらに、ジョウビタキのオスも登場しましたし、コゲラも2羽が姿を見せました。今日は、いつになく豪華メンバーです。

Dsc03854c_20250207164101 Dsc03971c_20250207164101  シジュウカラも数羽がいましたし、メジロも。奥平屋敷跡で同じ日にこれだけの種類の野鳥を見られたのは、ずいぶん久しぶりです。

Dsc03960c  メジロは、正面顔の写真も撮れていました。

Dsc04131c_20250207164101 Dsc04138c_20250207165901  カモ、今日は、キンクロハジロが34羽、ハシビロガモは13羽、ホシハジロのオスが1羽(左の写真)、ヒドリガモが1ペア(右の写真はメス)。ほかに、カモではありませんが、オオバンが1羽。

 Dsc04076c_20250207164101 ユリカモメは7羽。昨日も少なかったそうです。あの「足環のついたユリカモメ」、今日もいました。たまに見られない日もあります。

Dsc04114c_20250207164101  散歩&鳥見友達のOさんが、今日もパンの耳を与えたのですが、欄干に並べたパンに来たのは、ヒヨドリ。ヒヨドリも器用にパンをくわえたり、飛びながらパンを採っていったりします。

Dsc04298c_20250207164001  吉之丸堀の東側エリアで、カイツブリを見つけました。冬になると九華公園のホリにやってくることがあります。見たところでは、若者のようです。

Dsc04393c_20250207164001  貝塚公園でもイカル1羽を発見しました。九華公園から貝塚公園の距離は300mほどですから、ここにいても不思議はありません。ほかにはモズを見ましたが、写真は撮れず。昨シーズン、ここでモズが繁殖していますから、今年もと期待しているのです。

Dsc04470c_20250207164001  内堀南公園では、ジョウビタキのメス。このところ、このあたりでよく見かけます。

Dsc04567c_20250207164001  ところで昨日、大福田寺で白梅が咲いているのを見つけましたので、常信寺の紅梅が気になりました。が、まだ咲いてはいませんでした。ピンク色の花びらが見えてきたというところで、もう少し先。

Dsc04436c_20250207164001  水曜日に江戸橋での非常勤の授業の期末試験を実施しました。当日中に採点は一通り済ませたものの、その後のチェックと成績評価がまだでした。今日の午前中、散歩から帰って、採点結果を見直し、点数を確定した上で、成績を付け、勤務先にメールで連絡。午後から、受け取ったというメールが届きましたので、非常勤講師の仕事は95%ほど完了。残っている仕事は、学生による授業評価の結果が届いたら、それに対するコメントを書くことだけになりました。

250207144431356c  余談その1。午後、内科の定例受診に行って来た帰り、エレベーターに乗ろうとしたら、「調整中」となっていて、ガックリ。先日も同じようなことがありました(2025年1月21日:ミサゴ、イカル、カワセミと今日は、バードウォッチングの吉日)。ときどき、よく揺れるかなと思うことがあります。しかし、このエレベーターは、私が管理組合の理事長を務めた、3年前に更新作業をしたばかりです。どうなっているのでしょう。

 余談その2。250206150221287c水曜日、江戸橋に最後の出勤日に(2025年2月5日:江戸橋の非常勤先へ最後の出勤……後期の期末試験を済ませてきました)、お菓子やチョコレートをいただいたと書きました。そのときに、この「平治煎餅ショコラ」250206150300433cもいただきました。平治煎餅は、津の銘菓。普通の平治煎餅は、私も好きでときどき買ってくるのですが、この「平治煎餅ショコラ」は噂は聞いたことがあったものの、初めて。平治煎餅にチョコレートを染み込ませてあるのだそうです。平治煎餅とチョコレートのバランスが絶妙で、とても美味しくいただきました。平治煎餅の商品は、こちら。「平治煎餅ホワイトショコラ」もあるんだそうです(ただし、秋冬限定商品)。

2025年2月 5日 (水)

江戸橋の非常勤先へ最後の出勤……後期の期末試験を済ませてきました

250205093325700c 250205103401844c  強烈な寒波も今日、明日くらいがピークかも知れません。今朝は、最低気温が0.0℃。最高気温は7.8℃にとどまり、最大風速は8.3m/sとかなり強くなっています。江戸橋の非常勤先への最後の出勤。 いつも通りに桑名駅を8時42分に出る五十鈴川行き急行に乗って、江戸橋駅には9時21分着。電車は空いていました。非常勤先には、9時半過ぎに到着。

250205103354088c  何度も書きましたが、今日は、後期の期末試験。学生たち、皆がきちんと来るかちょっと心配していたのですが、有資格者は全員出席で、ホッとしました。試験時間は1時間で、30分経過すると、退出できます。学生たちは、40分経過した時点で、全員が退出。授業のときより40分以上早く帰途につけました。帰宅して、昼食を摂って一休みしてから、怒濤の勢いで採点を一通り済ませました。成績評価にとても困る、悩むという状況には至らず、これについても一安心。時間をおいて採点を見直して、成績評価に進みます。といっても、Excelのワークシートに数式を入れてありますので、テストの点数を入れれば、成績評価(秀、優、良、可、不可)が自動的に入力されます。

250205151859662c  これまでお世話になった心理学の専任の先生と、助手の先生から、「お疲れ様」ということでチョコレート、お菓子をいただいてしまいました。こちらこそたいへんお世話になりましたので、とても感謝申し上げています。同じ時間帯に授業がある、ほかの非常勤の先生方にもご挨拶してきました。これで20歳くらいの若い人達を接する機会がなくなってしまいます。非常勤講師を退職することもさることながら、若い人達と接するチャンスが激減することの方が寂しい感じがしています。ちなみに、この非常勤講師は、平成28(2016)年度、60歳のときから丸9年勤めました。当初の2年間は前期の1科目のみ。3年目からもう1科目を担当することとなり、その年は前期に2科目でしたが、これが大変でしたので、4年目からは前期、後期に1科目ずつに変更してもらっています。この間、教えた学生の総数は延べ700名以上(記録がある限りで702名)。ただし、この数値には出席回数不足で試験受験資格を失った学生も含まれます。

Dscn6518c Dscn6520c  さて、四日市港潮汐表では、10時06分が満潮、干潮は17時04分と条件はよくありませんでしたが、「最後」ということで、いつものように、志登茂川へ寄り道。左の写真が上流方向、右が下流方向。

Dscn6522c Dscn6525c  たくさんはいませんでしたが、右岸堤防の下には、コガモ、オナガガモたちが上がって休んでいました。ホシハジロは、私が覗いたのに驚いて、川に降りたところ。

Dscn6543c  志登茂川の右岸堤防を江戸橋のところまで行って、江戸橋駅に向かいます。江戸橋からすぐのところが、伊勢街道と伊勢別街道との追分。ここに常夜灯と、高田本山への道標があります。これからは何度も来られないでしょうから、写真に収めてきました。

Dscn6545c  江戸橋駅を11時42分に出る名古屋行き急行に乗れました。桑名駅には、12時22分着。非常勤の仕事、残りは、採点結果を確認して、成績を付け、それを報告することと、学生による授業評価の結果が届きますので、それに対するコメントを書くことです。書類上の任期は3月末日までですが、今日でほぼ90%の仕事は終えられた感じです。

Dscn6514c  オマケその1。長太の大楠。非常勤先に往復する近鉄電車からよく見えます。以前は、元気だったのですが、2020年9月に雷が落ち、それから樹勢がすっかり衰えてしまい(こちら)、気になっています。往きの電車で進行方向の右側(西側)に座れましたので、久しぶりに写真を撮ってみました。

250205122916444c 250205123029987c  オマケその2。桑栄メイトのところにあったペデストリアン・デッキは、ほぼ解体を終えていました。旧近鉄桑名駅から北側に降りる階段の最下部だけがまだ残っています。桑名駅も西口はほぼ整備が終わったのですが、東口は桑栄メイトビル問題が片付いていませんので、整備が進まないでいます。 

2025年1月23日 (木)

九華公園あたりにイカルが滞在中

Dsc07906c_20250123154001  気温は12.9℃ですが、風が弱く、今日も暖かくなっています。昨日の授業のQ&Aは、今朝早くに完成し、昼前にチェックを済ませて、助手の先生にお送りしました。これが最後のQ&Aです。それなりに面倒ですので、これでもう作らなくてよくなったなという気もちと、ちょっと寂しい感じもします。助手の先生からは、「先生のコメントはいつもよりまして、学生への温かいメッセージと受け止めました」というお返事をいただきました。さて、散歩はいつも通りに、7時半から、住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、内堀公園、京町、寺町と6.2㎞。寺町商店街の三八市も覗いてきました。

Dsc06160c_20250123154101  我が家近くの住吉入江には、私が「住吉キンクロウズ」と呼んでいますが、キンクロハジロのオスが3羽。ほかに住吉水門の内側には、オオバンが2羽、ヒドリガモが2ペアいました。

Dsc06213c_20250123154102  揖斐川では、今朝も白魚漁の漁船が出ています。2隻が一組になって、大きな網をゆっくりとした速度で曳いていきます。七里の渡跡でも、オオバン羽と、ヒドリガモが2ペア。

Dsc06520c_20250123154101 Dsc06700c_20250123154101  九華公園では、奥平屋敷跡にイカルが30羽かそれ以上集まっていました。しばらくこのあたりに滞在しています。今日はあいにく日が陰っており、また、木の高いところにいましたので、あまりきれいには撮れませんでした。

Dsc07035c_20250123154001 Dsc06822c_20250123154001  ほかに奥平屋敷跡では、モズのオスとコゲラが2羽。コゲラは同じあたりに20分以上いたのですが、よく動きます。

Dsc06967c_20250123154001 Dsc07413c_20250123154001  ハクセキレイもやってきました。いつも来る2羽です。写真はそのうちの1羽。右の写真は、これとは別に本丸跡にいたハクセキレイ。このハクセキレイは、右の翼を傷めています。

Dsc07445c_20250123154001 Dsc07489c_20250123154001  鎮国守国神社を見て回ってから、九華公園の北門に来たら、ツグミ。最近、この時間帯にこのあたりにいつもツグミがいます。たぶん同じ個体だろうと思いますが、個体判別はできていません。相撲場の東にカワセミもやってきたのですが、今日は、証拠写真でオシマイ。何度も飛ばれたので、追いかけました。

Dsc06334c_20250123154101 Dsc06429c_20250123154101  カモ、今日はキンクロハジロが50羽、ハシビロガモが10羽、ヒドリガモが1ペア。あまり多くありません。ホシハジロの姿はありませんし、オオバンも来ていません。左の写真はヒドリガモのメス、右はハシビロガモのメス。かなりのポッチャリ体型をしています。

Dsc07174c_20250123154001 Dsc07271c_20250123154001  ユリカモメは、14羽。今日はたったのこれだけ。橋の欄干にパンの耳を置くと、本当に上手にとって食べていくようになりました。

Dsc07604c_20250123154001  内堀南公園では、「サザンカにメジロ」。これまで今ひとつのものしか撮れませんでしたが、この写真であれば、まぁまぁでしょう(自己満足ですから、お気遣いなく)。

Dsc07665c_20250123154001 Dsc07819c  内堀公園では、ジョウビタキのオスが2羽。同時に少し離れたところに登場しました。昨年末から、この内堀公園あたりには、ジョウビタキのオスが2羽、滞在しています。

Dsc07857c_20250123154001 Dsc07863c_20250123154001  寺町交差点からほど近い住吉入江沿いでは、カワラヒワ。数羽が集まっていました。なかなか凜々しい顔をしています。

Dsc07588c_20250123154001 Dsc07426c_20250123160001  内堀のお宅のロウバイは、かなり咲いてきています。右の写真は、鎮国守国神社に咲いているツワブキ。まだまだたくさん咲いています。

Dsc07897c_20250123154001  オマケ。一昨日、諸戸氏庭園の海鼠壁のところに足場のようなものが組まれていると書きました(2025年1月21日 :ミサゴ、イカル、カワセミと今日は、バードウォッチングの吉日)。今日の様子は、こんな感じでした。足場ではなく、工事現場を覆うシートがかけられていました。いずれにしても、海鼠壁の修理を行うのでしょう。

2025年1月22日 (水)

「最終講義」は無事に終えられたか?

250122093138030c  今日も最高気温は13.7℃と暖かくなりました。水曜日ですので、江戸橋での非常勤の授業。今日が第15回ということで、いよいよ後期の授業も最後にして、個人的にも定年を迎えますから、「最終講義」(勝手に決めたのです)。さすがに最後ですから、学生諸君の出席率も良く、失格者を除いて、欠席は1名。当初登録者に対しての出席率は、78%を越えました。

250122102927805c  今日のテーマは、「人間関係と援助的コミュニケーション」。後期は、「人間関係論」という授業でしたので、その総まとめ。最後には、期末試験の要領を説明してきました。今日のタイトルは、「『最終講義』は無事に終えられたか?」としましたが、さてどうだったでしょう? 学生たちには、定年でこれが最後の授業とは告げませんでした。いつぞや書きましたように、私の理想としては密かにフェードアウトすることです。ただし、以前、常勤で教員をしていたときには、体調不良で定年のはるか以前にリタイアせざるを得ませんでしたので、たとえ非常勤とはいえ、定年まで勤め上げるということは、一つの夢でした。まぁ、今日も、私のモットー通りに「淡々と飽きもせず……」でやったつもり。今日の出席票をざっと読んでも、学生たちの反応はまあまあでしたから、無事に「最終講義」を終えられたとしておきましょう。2月5日にもう1度、期末試験を行うために出勤します。

Dscn6484c  Dscn6489c さて、帰りはいつも通りに道草バードウォッチングへ。おぼろタオルの工場脇から志登茂川の右岸堤防に上がって、江戸橋に向かって歩きながら鳥を見てきました。こちらは上流側の様子。遠くにカモがいます。写真に写っているほとんどは、オナガガモのようです。1羽だけハジロカイツブリが見えています。

Dscn6496c Dscn6498c  続いて下流側。川面に浮いているカモは少ないのですが、コガモやヒドリガモがいました。堤防下に上がって休んでいるカモはほとんどがオナガガモ。コサギもいます。

 Dscn6503c 水に浮いていたのは、ハジロカイツブリ。対岸にはセグロカモメらしき姿も見えましたが、はっきりとは確認できず。

Dscn6506c  こちらが江戸橋。志登茂川を渡る津の市道にかかっています。非常勤の授業に行くようになってから、掛け替えられました(令和元(2019)年5月)。もともと、江戸時代には橋があり、津藩主・藤堂氏の参勤交代時に橋の傍まで見送りに来たことが橋の名の由来とされます。

 江戸橋にほど近いところには、常夜灯があります。Dscn6508c 安永6(1777)年の銘があり、津市内最古の常夜灯です。高さ約5.4m、最下壇の幅2.8m。ここは、伊勢参宮街道と伊勢別街道との追分。道標は、高田本山専修寺への道を示すもの。道標には「左 高田本山道」とあります。高田本山専修寺へはここから北へ、伊勢別街道をたどっておよそ3㎞。明治22(1889)年に「愛知縣名古屋市別院下請講中」によって再建されたもの。

Dscn6512c  江戸橋駅を12時42分に出る名古屋行き急行で帰宅。疲れ具合もいつもくらい。以前に比べますと、疲れが増したように感じます。70歳定年というのは、その意味でも適切なのだろうという気がします。昼食を摂り、出欠確認を終えたところです。今回も、Q&Aをつくりますが、それはこれから。

2025年1月16日 (木)

今日もカワセミに出合えました

Dsc05334c_20250116155101 Dsc05338c  曇りときどき晴れで、気温は0.9~9.2℃。陽が当たると暖かいのですが、陰ると冷える感じです。今朝もいつも通りに7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、寺町と6.2㎞。住吉神社から七里の渡跡へ行く堤防道路は、今月末まで工事中で、最近は、船津屋さんの方へ回り道をしています。冒頭の2枚の写真は、散歩に出たときのもの。藤原岳は白くなっています。

Dsc05369c_20250116155101  住吉ポンプ場のところにキンクロハジロのオスが3羽。揖斐川にはカンムリカイツブリがあちこちに浮いているのが見えました。オオバンも2羽。

Dsc05444c_20250116155101  七里の渡跡にもカンムリカイツブリ。ほかには、キンクロハジロのメス1羽に、ヒドリガモが1ペア。ヒドリガモは上陸してお休み中。

Dsc05539c  蟠龍櫓近くまで来たら、長良川の上空あたりをカワウの大群がいくつか、上流に向かって飛んでいくのが見えました。冬になると、こういう大群をなして飛んでいるのをときどき見ます。

Dsc05592c Dsc05559c_20250116155101  三の丸水門のところで、今日もジョウビタキのメス。柿安コミュニティパークで見つけて、ここまで追いかけました。柿安コミュニティパークの堀には、メスのキンクロハジロが2羽。

Dsc05805c_20250116155101  九華公園には8時前に到着。管理事務所の南にある花菖蒲園で、ジョウビタキのオス。Dsc05860c_20250116155101 奥平屋敷跡では、カワラヒワ。

Dsc06881c_20250116155001  辰巳櫓跡の松の木に、アオサギ。久しぶりです。最近、九華公園にはアオサギはたまにしか姿を見せません。

Dsc06865c_20250116155001  公園内を半周して、散歩&鳥見友達のOさんと分かれたら、本丸跡の花菖蒲園のところでカワセミ。「今日は、野鳥があまりいませんね」「でもmamekichiさんは、巡り合わせが良いから、まだ何かを見つけるかも」と話した直後でした。今日もラッキーでした。

Dsc06641c_20250116155101  九華公園の北門近くのサザンカの花には、メジロが良くやってくるようになりました。ただ、「サザンカにメジロ」はなかなか手強い(苦笑)。

Dsc05672c Dsc06553c  カモは、今日は、キンクロハジロが37羽、ハシビロガモが12羽(左の写真はオス)、ヒドリガモが1ペア、ホシハジロのオスが2羽(右の写真)。

Dsc06904c_20250116155001 Dsc06479c  ユリカモメは、最近になく多く、75羽もいました。堀にかかる橋の上に立つと、急いでやってきます。

Dsc06082c Dsc06104c  Oさんがいつものようにパンの耳を持ってきて与えると大騒ぎ。Oさんは、橋の欄干にパンの耳を置くのですが、以前は、それがなかなか上手に取れなかったのに、最近はけっこううまく取っていく個体が出てきました。

Dsc06997c_20250116155001  拙宅マンション前まで戻ってきたら、住吉入江にカンムリカイツブリが来ていました。

Dsc06918c  ところで、昨日の授業のQ&Aは、今朝早くに起きて取り組み、ほぼ完成。散歩から帰って仕上げ、しばらく時間をおいてチェックと修正を済ませ、すでに助手の先生にメールで送って、印刷をお願いしました。このQ&Aを作るのも、来週の1回で終了。

Dsc06934c_20250116155001  もう一つ。覚え書き。仕事柄、大学院生の時からいくつもの専門学会の会員になって、それなりの活動をしてきました。多いときには、10数もの学会の会員でした。退職したときにかなり整理したのですが、残っていた2つの学会も、70歳になりますし、臨床活動からも引退し、非常勤講師も定年を迎えるのを機に退会することにしました。今回退会した学会の1つは、学会創立当時から参加し、研究大会を主催したり、論文の査読委員を務めたりした経験もあり、いささかの感慨もありますが、「老兵は消え去るのみ」であります。スイセンの花は、九華公園外周遊歩道の東にあるお宅で咲き始めました。

2025年1月15日 (水)

三重県総合博物館で「三重の実物図鑑 2025年新春企画展示 三重のヘビたち」と、さんちゃんの動くところを見てきました

250115093136662c  水曜日、江戸橋での非常勤の授業です。今日で後期14回目。朝、家を出る前には少し雨。江戸橋駅を降りたら、道路が濡れていましたから、雨が降ったようでしたが、通勤には支障なし。今日の出席率は、70%弱とやや増えましたが、やはり欠席は多め。インフルやコロナが流行している影響かという気がします。午後からは風が強くなり、寒くなってきています。

 250115102812741c教壇に上がるのも、今日と来週ということになりました。来週が、私にとっては個人的な最終講義ですが、まぁ、非常勤講師ですから、そこは例の「淡々と飽きもせず……」のモットーでと思っています。学生諸君にもそのことは告げるつもりはありません。フェードアウトするというのが、理想的な終わり方ですから(微笑)。

250115125701897c 250115123754079c  さて、授業終了後は、それなりに元気がありましたので、予定通り、非常勤先から三重県総合博物館まで20分あまり歩いて行って来ました。

250115122745439c  見たかったのは、こちら。「三重の実物図鑑 2025年新春展示 三重のヘビたち」。巳年にちなみ、ここの収蔵資料から、「巳(蛇)」に関連した資料を展示するということで、ヘビの標本のほか、蛇をかたどった郷土玩具など、自然から歴史・文化まで幅広い分野の資料が展示されていました。展示は撮影できませんでしたが、私は、こちら中日新聞の記事にありますように、伊勢別街道沿いの名所「銭掛松(ぜにかけまつ)」(現・津市)に残るヘビにまつわる伝承を記した江戸期の書籍を見たかったのです。展示は小規模で、2回見て回りましたが、さほど時間はかかりませんでした。

250115124758632c 250115124016293c  三重県総合博物館といえば、上にも写真を載せましたが、ミエゾウの骨格標本と、さんちゃんを見てこなければなりません。さんちゃんは、オオサンショウウオ。三重県総合博物館唯一の生きた標本です。2階のミュージアムショップの奥にお住まいです。

250115124703017c 250115124303660c  ほとんど動かないのですが、今日は、さんちゃんの前にある休憩所で休んでいたら、やおら動きはじめました。途中、鼻を水の上に突き出していました。オオサンショウウオは、肺呼吸のはずですから、呼吸をしたのでしょう。ここと、こちらに動いているシーンをYouTubeにアップロードしておきました。1本はもう少し長くとったつもりでしたが、10秒ほどで終わっていました。「三重のヘビたち」ももちろん興味深かったのですが、動くさんちゃんにはかないません。

250115132420036c 250115133846354c  三重県総合博物館からバスで津駅へ。津駅ビルチャムの2階にあるそじ坊という、私の好きなそば屋さんで昼食。今日は、「けんちん蕎麦」(¥950)。暖かくて、おいしい蕎麦でした。別所書店にも立ち寄って、文庫本を1冊ゲット。津駅発13時56分の名古屋行き急行で帰宅。帰りが遅くなりましたから、今日はまだ出欠をチェックし、また、今日実施した質問紙の結果の集計が途中まで。Q&Aはまた明日です。

2025年1月 8日 (水)

学生たちに新年の挨拶をしてもらったお話し(微笑)

 250108093114131c 朝のうちは8m/sを越える強風が吹き荒れて、とても寒く感じました。3週間ぶりの江戸橋での非常勤の授業。しつこく書きますが、今日を含めて講義は残り3回。いつも通りの時間に出勤。9時20分過ぎ、江戸橋駅で電車を降りたら、風は多少収まってきていて、助かりました。天気は、ご覧のようにとてもよく、空だけ見ていれば、気持ちよく感じます。最低気温は3.1℃、最低気温は10.0℃、最大風速は8.8/s。

250108102547863c  相変わらず欠席者は多く、出席率は60%台半ばを推移しています。15回の授業のうち、2/3以上出席しないと、「成績評価の対象外」になります。今日の欠席でそれに該当した学生もおり、これで数名が失格。欠席ゼロという学生もいますが、まぁいろいろ。授業を終えてパソコン、スクリーンなどを片づけていたら、私のところへ寄ってくる学生が数名。何かと思ったら、皆が「先生、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」といってくれました。今まではほとんど経験したことのない出来事で、驚きつつも、いささか嬉しくなりました(微笑)。もう1つ。授業前に廊下ですれ違った女子学生(前期に私の授業に出ていましたが、後期は別の授業を取っています)が、「先生、私がいないと寂しい??」と聞いてきました(笑)。「あぁ、あなたがいないととっても寂しいよ」と返事しておきました。

Dscn6450c  さて、四日市港潮汐表では、11時55分が満潮で、バードウォッチングにはよくないかと思ったものの、例によって、おぼろタオルの工場の脇から志登茂川へ。超有名ではありませんが、たぶん知る人ぞ知るタオル会社。私もここのガーゼタオルを使ったことがありますが、肌心地は素晴らしいものでした。

Dscn6452c Dscn6454c  志登茂川。左の写真が上流方向、右が下流側。川に浮いている水鳥はほとんどいませんでした。

Dscn6456c Dscn6472c  しかし、右岸の堤防下にはたくさんのカモたちと、サギが上がって休んでいます。オナガガモ、ヒドリガモ、コガモ、ホシハジロなどが見えますし、サギはコサギのようです。

Dscn6466c  鳥たちの邪魔をしてはいけませんので、そっと覗いただけですが、一部は川に逃げました。こちらは、オナガガモのオス。いつ見ても、カッコイイと思います。

Dscn6459c  遠くの川面に浮かんで休んでいるのは、セグロカモメのようです。こうして、帰りに道草バードウォッチングができるのも、残すところ3回と思うと、ちょっと寂しい。

250108121713152c  江戸橋駅を12時19分の名古屋行き急行で帰宅。途中、今日は、鈴鹿の山並みがよく見えました。たぶん龍ヶ岳と思いますが、そこから北の藤原岳などはかなり白くなっています。いつものように、昼食を摂って、出欠確認を行い、今日実施した尺度の結果を集計しているところです。Q&Aは、これから。

2024年12月18日 (水)

年内最後の授業も終了

241218093130605c  最低気温は4.0℃でしたが、日中は10.0℃までしか上がりませんでした。朝、家を出るときには風はさほどではなかったのですが、近鉄江戸橋駅を降りて非常勤先に向かうときには、かなり強い北風で参りました。今日は、年内最後の江戸橋での非常勤の授業。12回目を無事に終えられました。来年は1月8日スタート。何年か前には、1月4日から授業をしたことがありましたが、正月早々は、さすがに気合いが入りません。

241218102917433c  今日の出席者は、さらに最少記録を更新。出席率は、とうとう60%台半ばとなってしまいました。インフルエンザがかなり流行していて、県内の小中高校では、学校閉鎖に至ったところもあります。体調を崩した学生もいると思われる一方、ここ数回連続して欠席している学生も少なからずあり、心配しています。年明けの授業ではもっとたくさんの学生たちに揃ってもらいたいと思っています。

Dscn6410c  さて、授業後には、恒例のように志登茂川で道草。今日は、四日市港潮汐表で満潮が8時12分、干潮が13時38分というまあまあの条件。と思って、少し期待したのですが、上流側は、左の写真のような様子。

Dscn6412c Dscn6414c  近くにいたのは、ヒドリガモや、コガモが少しだけという残念な結果。

Dscn6416c Dscn6422c  下流側もあまりいません。下流側の堤防にいたのは、オナガガモのオス。ほかのところには、オナガガモのメスや、ホシハジロのオス、メスもいましたが、これらはうまく写真に撮れない位置にいました。

Dscn6425c  対岸には、セグロカモメらしき姿。たいてい、このあたりに1羽います。ほかには、コサギの姿や、イソシギが飛ぶのが見えたりしましたが、持って行ったのは光学20倍ズームのコンデジですので、上手く撮れず。

Dscn6444c  江戸橋駅12時42分の急行名古屋行きで帰宅。帰りは、風も弱く、暖かでした。帰宅して、昼食を摂り、出欠チェックを終え、今日実施した尺度の結果を集計し終えたところ。Q&Aは、これからなのですが、出席票をざっと見たところでは、今日の説明を勘違いしている学生がかなりいて、ガックリ。授業であれほどくどく(懇切丁寧に)話したのに、ということなのです。

241218132531977c 241218132553319c  ところで、先日からときどき話題にしていますが、桑名駅東口にあるペデストリアン・デッキの解体工事が、本格的に始まりました。これらの写真は、桑栄メイトに近いところでの様子。屋根は取り外しておろされ、通路部分の解体が少しずつ進んでいます。これがすべてなくなると、景色がずいぶん変わるでしょう。

2024年12月12日 (木)

中橋にゴイサギが戻りました

Dsc03609c_20241212150701  相変わらず寒い日が続きます。今朝は2.8℃、最高気温は11.1℃。朝のうちは風も弱く、揖斐川が珍しく鏡のように静かでした。いつも通り、7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、中橋、貝塚公園、内堀南公園、外堀、入江葭町、吉津屋町、京町、寺町と6.5㎞。

Dsc04204c Dsc04181c  九華公園から中橋に行ったのは、ゴイサギが戻ってきたと、散歩&鳥見友達のOさんからの情報があったから。10年以上前からここに割とよくゴイサギや、その幼鳥である、通称ホシゴイが集まってくるのです。左の写真が、ゴイサギ。右の写真が、ホシゴイ。褐色の体に白斑が散らばっている様子が星に見立てられて名付けられました。

Dsc04262c_20241212150601 Dsc04294c_20241212150601  こちらのゴイサギ、あくびをしたのか? と思えます。ゴイサギが4羽、ホシゴイが3羽、いるのが見えました。ひょっとしたら、奥に隠れているのがいたかもしれません。九華公園の、鎮国守国神社の社務所裏の木にもゴイサギが戻ってきて欲しいところです。

Dsc03661c_20241212150701 Dsc03684c_20241212151601  さて、話を戻して、七里の渡跡でオオバンが3羽。コガモのメスが1羽。今日は、カモはあまりいませんでした。揖斐川には、カンムリカイツブリが3羽ほど、点在。

Dsc03789c_20241212150701 Dsc03820c_20241212150701  柿安コミュニティパークには、イソヒヨドリのメス。堀には、キンクロハジロが1羽と、ここにもオオバンが1羽。

Dsc03918c  Dsc04002c_20241212150701 九華公園では、今日は小型の野鳥はあまり見られず。公園内のあちこちでシジュウカラ2羽。同じシジュウカラが移動していたのでしょう。奥平屋敷跡では、いつものハクセキレイが2羽。ほかには、メジロ、コゲラがいましたが、写真は上手く撮れず。

Dsc03854c Dsc04088c_20241212150601  カモは、キンクロハジロが45羽、ハシビロガモが17羽、ヒドリガモが1ペア。今日は、カルガモとホシハジロは不在。写真はハシビロガモのオス(左の写真)、メス(右の写真)。

Dsc04137c  Dsc03888c_20241212150701 ユリカモメは、14羽。今日は、エサをやる人はなく、野球場のフェンスで待機していました。あまり鳥がいませんので、カワウさんの写真も撮ってきました。

Dsc04359c_20241212150601  貝塚公園では、ヒヨドリくらい。その近くのお宅でジョウビタキのメスが出てきたのですが、一瞬、目をそらしたらいなくなっていました(苦笑)。代わりに出て来たのが、メジロ。

Dsc03828c_20241212150701  以前にも取り上げたことがありますが、九華公園内に松の木にモミジの種が落ちて、幹からモミジが出て来ているものがあります。これが紅葉しないかと待っていました。ようやく見られるようになってきた感じ。ですが、この写真を撮るのは、なかなか難しい。もう少し光が当たった方がよい気がしますので、明日にでももう一度と思っています。

Dsc04439c Dsc04141c  昨日の授業のQ&Aは、散歩から帰って作業を行い、午前中に一通り完成。いつものように、今は寝かせてあります。夕方、チェックして完了の予定。左の写真は、寺町の常信寺にあるヤマボウシ。右の写真は、鎮国守国神社にあるドウダンツツジ。今年は、あまりきれいに紅葉しないかもしれません。

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  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)