お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2023年8月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2018年1月以降の記事を残し、2017年12月以前の記事は削除しました(2018年1月1日から2023年8月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

季節

2023年9月29日 (金)

20230929中秋の名月

230929182037333c  今日は、中秋の名月。旧暦8月15日の夜に見える月が、中秋の名月です。また、今年の中秋の名月は満月と同じ日ですが、実は、中秋の名月と満月の日付がずれることは、しばしば起こるのだそうです。例えば、来年・2024年は、中秋の名月が9月17日、満月が9月18日と日付がずれます。17時半過ぎに空を見上げたら薄い雲がかかっていたのですが、18時15分頃、再度見たら、東の空に月が昇ってきていました。

Dsc06891c_20230929183501 Dsc06890c_20230929183501  今回も、ソニーDSCーRX10M4を使い、f/8、SS1/125秒、ISO感度250、オートホワイトバランス、600mmズームです。左の写真は、この条件で撮って、トリミングをしています。右の写真は、ノートリミング。冒頭の写真は、スマホ写真(SHARP aquos sense7)。AIを指定して、倍率1倍で撮影。

2023年7月25日 (火)

アサガオが咲きました

Dsc09482c_20230725151401  待望のアサガオの花が2輪、咲きました。今年は5月8日に種を蒔き(2023年5月8日:市民大学郷土史学科の講座が始まる……ツバメは3ヶ所で巣に就いています)、5月13日に発芽しています(2023年5月13日:河口堰、長島町内へ……コアジサシは6羽、サギの狩猟シーン、ケリに威嚇された話)。発芽以来、2ヶ月と10日あまりでようやく咲きました。去年、花は確か2色しかありませんでしたが、今年はどうでしょう?

Dsc09709c  さて、昨日、久しぶりにかなりアタマを使ったせいか、夜は何度か目覚めました。脳が興奮した状態が続いていたのかなという気がしますが、熱帯夜も影響しているのでしょう。今朝は、暑さを避けようと、また7時スタートで散歩へ。またまた逆回りに、寺町、京町、内堀公園、外堀、内堀南公園、貝塚公園、九華公園、住吉神社と歩いてきました。その後、今日は午前中に定例の内科受診へ。ついでに買い物に付き合ってきて、歩いたのはトータルで6.6㎞。

Dsc09494c_20230725151401  Dsc09530c_20230725151401 こう暑いと、7時過ぎでも野鳥はほとんどいません。もっと早い時間帯に一度くらい、歩いてみないといけないかも知れません。左の写真は寺町掘で見たスズメ。スズメももちろん、あまり見かけません。京町のお宅のツバメの巣では、残ったヒナ1羽は、元気そうでした。

Dsc09600c Dsc09575c  どこの公園へ行っても、蝉時雨のシャワー。クマゼミの大合唱がほとんどなのですが、今日はアブラゼミも割とよく見かけました。しかし、アブラゼミの「ジリジリ」という鳴き声をほとんど聞かない気がします。アブラゼミは、最近、都市部では減っているといわれています(たとえば、こちら)。ニイニイゼミは、今日も九華公園で鳴いているのには気付いたのですが、姿は見つけられませんでした。

Dsc09664c Dsc09682c  九華公園で越夏中のハシビロガモのオス、今日はどこにいるかなかなか見つけられなかったのですが、最終的には吉之丸堀にある東屋の下の日陰にいました。日陰や、風が通るところを探して、その日居心地が良いところにいるような気がします。九華公園ではほかに見たのは、ごく少数のスズメ、ドバト、ムクドリ、ハシボソガラス、カワウくらい。アオサギさんは、残念ながら来ていませんでした。

Dsc09744c_20230725151501  柿安コミュニティパークを過ぎると、堤防の上を歩きますので、日陰がありません。いささか疲れて歩いていたのですが、船津屋さんの裏へ来たら、鳥の幼鳥らしき鳴き声が聞こえてきました。探してみたら、ホオジロが幼鳥2羽を連れて出て来ていました。ヒナを撮ることはできませんでしたし、親鳥も草がちょっと被ってしまいました。

Dsc09608c_20230725151401  九華公園近くにあるお宅の庭で、これはヤブツバキの実かなと思います。先日、柿の実も大きくなってきていると書きましたが、よく見ると、季節の変化がわかるような気がします。明日も良い天気で暑そうですが、いよいよ江戸橋での講義も、最終回を迎えます。総まとめと試験の説明について。

2023年3月 3日 (金)

ウメジロウに河津桜にメジロ

Dsc06510c_20230303160901 ひな祭りです。気候が日替わりで、今日は暖かくなりました。風も午前中は北風でしたが、午後は南風。最高気温は、13.4℃。7時半から、いつものコースへ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、紺屋町、新築公園、常盤町、常信寺、寺町と6.3㎞。

Dsc04478c_20230303161601Dsc04458c_20230303161001  住吉入江には、ヒドリガモが2ペア。片方は休んでいましたが、もう1組は盛んに餌を食べていました。揖斐川には、今日もシラウオ漁の漁船が3組。漁船が出ていると、水鳥はまずいません。最近、揖斐川ではカンムリカイツブリを見ていません。船津屋裏手の高水敷には、今日もツグミ。旅館山月の解体現場は、右の写真のようになっています。建物は解体済み。がれきの処理中です。このあと、ここをどうするのでしょう。国交省が買って、国営木曽三川公園の一部として整備するのが良いのではないかと、個人的には思うのですが……。

Dsc04522c_20230303161601  七里の渡し跡は、カモたちで賑わっていました。久しぶりに見たのは、オカヨシガモのペア。あまり派手な色模様ではありませんので、うっかりしていると見逃しそうです。ほかにはヒドリガモが27羽と、コガモが7羽にオオバンが2羽。

Dsc04619c 三の丸公園でツグミを見たものの、ちょっと遠い。柿安コミュニティパーク西の堀には、オオバン2羽と、コガモが合計5羽、ヒドリガモが3羽。コガモは上陸して休んでいましたが、ヒドリガモは石垣についた苔を食べていました。

Dsc04676c_20230303161001Dsc04737c_20230303161001  九華公園につくと、まずは鎮国守国神社の社務所裏の木をチェックします。ただし、堀越しに相撲場の方からしか見えません(南側の九華橋からも見えますが、60mほどの距離があります)。ホシゴイ2羽とゴイサギ2羽が見えたのですが、九華橋で見たら、どちらも3羽ずついました。こちらの主観的表現ですが、上手に隠れています。相撲場近くでは、ジョウビタキのオスも見ました。

Dsc05201c_20230303161001Dsc05218c  奥平屋敷跡では、今日はあれこれ出て来て楽しめました。まずは、シメ。何度も、場所を変えて登場しました。散歩&鳥見友達のYさんと話した結果、どう考えても2羽が来ているということになりました。ジョウビタキのオスも、何度も登場。ここ奥平屋敷跡の縁を回っているように思えます。ここで見るジョウビタキは割と慣れていて、愛想を振りまいてくれます。

Dsc04847c_20230303162801Dsc05377c  ツグミも、このところよく見ます。ツグミはここの南や、西のエリアを移動して餌を食べています。シロハラは、毎日のように見るのですが、ちょっと人の姿が見えると、すぐに逃げてしまっていました。今日は、気配を消して(?)、木に隠れてそっと近寄ったところ、10m以内まで行けました。それが右の写真。若い個体のように思えます。ほかには、ハクセキレイ1羽、カワラヒワなどが来ています。ヒヨドリ、スズメ、ムクドリは不在。

Dsc05114c 奥平屋敷跡の松の木にハシボソガラスが巣を作っている話は、何度か書きました。昨日は、作業は休みのようでしたが、今日は、左の写真のような様子が見られました。今朝も最初は、枝を運んできていたのですが、そのうちに、この写真のように、草か何かの根っこを地中から引き出してたくさん集めていました。巣がほぼ完成して、中敷きに使うのかという気がします。

Dsc05430c_20230303161001 もう1つ、巣の話。神戸櫓跡の松の木のてっぺんにずっとカワウが2羽いて、営巣しているのか? という話も書いています。今日も、婚姻色を呈したカワウが巣のところにいるのですが、ずっと巣に就いて卵を抱いているようでもありません。この写真は、南側にある、奥平屋敷跡から二の丸跡へかかる橋の上から撮ったもの。松が生えているところまでは、60mほど。西側の管理事務所近くからも見えるのですが、私が行く時間帯は逆光でよく見えません。

Dsc05446c_20230303161001 Dsc05461c_20230303161001

 アオサギはいませんでしたが、コサギが辰巳櫓跡の松の木に今日もいました。カンムリカイツブリも、毎日観察されています。今日は、私が公園に着いたときには西側の堀にいたのですが、そのあと、この写真は、九華橋近くの堀にいるところを撮りました。

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Dsc05684c  鎮国守国神社の境内で、コゲラ2羽とシジュウカラ数羽の群れに遭遇。ヤマガラは見ませんでした。ちょっと証拠写真ではありますが……。「梅にシジュウカラ」というシーンもあったのですが、なかなかタイミング良く撮れないものです。

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Dsc05499c_20230303161001  鎮国守国神社の豊後梅には、今日もメジロがやって来ていました。「ウメジロウ」を堪能できます。世間では、「梅に鶯」といいますが、私はお目にかかったことはありません。

Dsc05845c Dsc05981c  貝塚公園でも、シロハラ2羽と、ツグミ1羽。シロハラは、以前から2羽いるのを確認していましたが、しばらく姿を見ていませんでした。今日は、割と近くまで行って撮影できました。

Dsc05780c_20230303160901  ツグミ。ずっと以前は、何羽もいるところを見たことがありますが、今年は1~2羽のみ。先月前半などは、ビンズイ、シメもいましたが、後半からは見なくなりました。

Dsc06042c  内堀公園でも、ジョウビタキのオスが出て来ました。このジョウビタキも割と人慣れしていますので、すぐに逃げるということはありません。

Dsc06206c Dsc06480c_20230303160901  寺町商店街では、今日は三八市が開かれています。市が開かれている時は立ち寄らないことが多いのですが、河津桜も咲いてきましたので、特別。

Dsc06257c_20230303160901 Dsc06423c_20230303160901  特別の理由は、河津桜そのものはもちろんですが、こちらも。「河津桜にメジロ」です。今日は、見た限りではメジロは1羽のみ。まだ十分に開いていない花にも嘴を突っ込んで蜜を吸っていました。

Dsc06028c  そのほか、三の丸にあるお宅では、ハクモクレンのつぼみがかなり膨らんできていました。いよいよ春という感じが強くなってきました。明日は、天気もよさそうで、暖かそうです。JRさわやかウォーキングで、“早春の開運&良縁祈願で運気up! 海辺の海獣・ひな祭とふれあい神宮参り前の「禊」へ”に行くつもり。二見興玉神社夫婦岩賓日館が目的。

2023年2月 8日 (水)

今シーズン初のウメジロウ……九華公園には今日もミサゴが登場

Dsc08590c_20230208163701  午後から北西の風が強くなりましたが、気温は上がって暖かい日です。いつも通り、7時半から住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、入江葭町、吉津屋町、新築公園、常盤町、常信寺、寺町と6.6㎞。九華公園で時間を費やしてしまい、3時間15分もウロウロしていました(微笑)。

Dsc08601c_20230208163701 Dsc08644c_20230208163701  諸戸氏庭園前でハクセキレイが2羽。揖斐川には今日もシラウオ漁の船が3組、出ていました。カンムリカイツブリが2羽見えたのですが、遠くて写真にならず。七里の渡し跡では、ヒドリガモが18羽、休んでいました。ほかにはオオバンが1羽。柿安コミュニティパーク西の堀には、今日もキンクロハジロのオスが3羽。

Dsc08672c_20230208163701 Dsc08733c_20230208163701  九華公園では、鎮国守国神社の社務所裏の木にアオサギと、ゴイサギが2羽。ゴイサギ、最初は1羽しか気づかず、右の写真を撮ったときも、奥にもう1羽いたのは、肉眼では見えていませんでした。アオサギもゴイサギもこのあと飛び立って初めてゴイサギが2羽いるのに気づいた次第。

Dsc08705c  近くの堀には、今日もコガモのペアが1組。最近、ここによくいます。

Dsc09072c Dsc08872c  奥平屋敷跡は、今日も静かで、ヒヨドリやムクドリはまったく来ませんでした。ドバトも2羽のみ。スズメは数羽。ここについた8時頃、ツグミとシメが、それぞれ1羽。

Dsc09140c  しばらく待っていると、モズのオスが登場。奥平屋敷跡では、これがすべて。ここで鳥たちが食べるものがないためでしょう。

Dsc09228c_20230208163701 Dsc09309c_20230208163701  朝日丸跡で、ジョウビタキのメス。アオサギさんは、今日も辰巳櫓跡の松の木にいます。このあと、コサギも近くに2羽来たのですが、写真は撮れず。近づこうとしたら逃げられました。

Dsc09380c Dsc09424c  本丸跡でジョウビタキのオス。花菖蒲園の柵にやって来ました。すぐ近くにシメもいたのですが、樹上に逃げました。木陰に入ってしまい、暗い写真に。本丸跡の中央にエノキの大木があり、その下で餌をよく拾っています。

Dsc09705c Dsc09599c_20230208163601  このとき、堀の上空にミサゴがやって来ました。数100枚の写真を撮ってしまいました(苦笑)。最初は1羽のみでしたが、あとからもう1羽が登場。残念ながらダイビングシーンは見られませんでしたが、しっかりと楽しめました。

Dsc08848c_20230208163701 Dsc08994c_20230208163701  カモ、今日は、合計47羽。キンクロハジロが33羽、ハシビロガモが10羽、ヒドリガモが1ペア、ホシハジロのオスが2羽、メスが1羽。右の写真は、奥平屋敷跡の南の堀での様子。堀に落ちた枝が休憩場所にちょうどよいようで、ハシビロガモやヒドリガモが集まってきます。

Dsc09273c_20230208163701  Dsc00021c ユリカモメは、17羽。堀に浮かんでいたり、野球場のフェンスに止まっていたりです。

Dsc00092c  貝塚公園では、まず、ツグミ。先日も書きましたが、昨シーズンは何話書いたのですが、今シーズンは、今のところ1羽しかいないようです。

Dsc00184c_20230208163501 Dsc00263c_20230208163501  シロハラは、今日も2羽を確認。左のシロハラは、四阿近くによくいます。右のシロハラは、南西側のエリアにたいていいます。

Dsc09942c Dsc09978c_20230208163601  昨日、梅や河津桜の写真を撮ってきましたが、曇天でしたので、今日、リベンジ。まずは、鎮国守国神社のもの。九華招魂社の参道脇にあるものです。昨日と同じ梅です。

Dsc00506c Dsc00476c  こちらは、寺町商店街の河津桜。左の写真は、昨日と同じ木の花。右の写真は、今日新たに咲いた、別の河津桜。写真を撮っていたら、そばを通った方が、「あ、咲いていますね」といっていかれました。

Dsc00383c Dsc00361c_20230208163501  常信寺では、今シーズン初の「ウメジロウ」。常信寺の紅梅はよく咲いてきて、けっこう見応えがあります。

Dsc09912c  オマケ。ミサゴの写真をパソコンで見ていたら、こちらに視線を向けているものがありました。よくいえば、カメラ目線なのですが、猛禽類からにらまれたとなると、ちょっとビビります(微笑)。

2023年2月 7日 (火)

寺町商店街の河津桜が咲き始めました……午後から散歩

Dsc07966c  曇りの1日でしたが、最低気温が6.0℃もあった上に、最高気温は14.9℃となり、暖かい日でした。午前中は、予定通り、市役所の会議に出席してきました。詳細は書けませんが、子どもたちの発達(心理的にも、運動面でも)に、コロナやスマホ・タブレットの使用(というより、これらへの依存)が大きく影響してることを痛感してきました。また、経済的に苦しいご家族では、子どもたちのことを気にする余裕がない様子も見受けられ、社会全体で支援していく必要があると考えられます。14時から、住吉神社、九華公園、歴史を語る公園、京町、寺町と4.4㎞ほどを散歩してきました。

Dsc08505c Dsc08531c  まずは、こちらから。寺町商店街に河津桜の並木がありますが、1本の木で5~6輪咲いているのを見つけました。去年は、2月11日に一輪、ほころんでいるのを見つけましたから(2022年2月11日:河津桜、一輪綻ぶ暖かさかな)、それに比べるとやや早い開花。5~6輪咲いていますから、例によって、勝手に開花を宣言します(微笑)。明日は晴れる予報ですから、もう一度行ってもっとキレイに撮ってくることにします。

Dsc07970c  Dsc08086c 午後からの時間、野鳥たちはさほど多くはありません。拙宅前の住吉入江には、ハシビロガモが1羽。ここでハシビロガモを見たのは、ひょっとしたら初めてかも知れません。揖斐川では、カンムリカイツブリが2羽。ほかにキンクロハジロのオスばかり、6羽ほどが、2ヶ所に点在していました。

 Dsc08038c_20230207162301 Dsc08061c_20230207162301 七里の渡し跡では、ヒドリガモのオスが1羽と、メスが3羽。この時期、つがいになっていることが多いのですが、どうなっているのでしょう。

Dsc08019c_20230207162301  さらに、ホシハジロのオスも1羽がいました。あとでも書きますが、九華公園の堀に、教は、ホシハジロのオスの姿がありませんでしたから、いつもはそちらにいる個体かも知れません。柿安コミュニティパーク西の堀では、オオバンが2羽。

Dsc08248c Dsc08271c_20230207162201  九華公園では、奥平屋敷跡でツグミの鳴き声を聞き、また、シロハラが飛ぶのを確認しましたが、いずれもこの時点では姿は見えず。朝日丸跡で、シメが1羽。さらに、野球場のグラウンドにもシメ。距離が近いので、同じ個体かも知れません。

Dsc08393c Dsc08458c  鎮国守国神社の境内でシロハラ。ここによくいますが、今シーズン、ここで撮ったのはたぶん初めて。公園の外周遊歩道を回って、歴史を語る公園に向かうため奥平屋敷跡の南側に来たら、奥平屋敷跡にシロハラがいました。見るからに違う個体であることが分かります。九華公園には、シロハラは2羽いると考えられます。

Dsc08141c Dsc08156c  カモたち、今日は暖かいためか、皆、活動的でした。合計55羽。キンクロハジロ(左の写真)が37羽、ハシビロガモ(右の写真)が12羽、ヒドリガモが2ペア、ホシハジロは、オスはおらず、メスだけが2羽でした。

Dsc08445c_20230207162201  ユリカモメは、45羽。何組か餌を与える人があり、賑やかでした。今日は、午後からということもあってか、サギたちはまったくいませんでした。アオサギ、コサギなどは午前中しかいないのかも知れません。

Dsc08365c Dsc08351c_20230207162201  ところで、鎮国守国神社の境内では、梅がさらに開花してきました。紅梅は、拝殿のところや、旧桑名城天守台跡のところで咲いてきているのですが、九華招魂社の参道の脇で白梅や、ピンクの梅がかなり咲いていました。立春を過ぎ、暖かくなってきて、いよいよ季節が移ろいつつあるのを実感できます。恩師のお一人が、私の趣味を形容して、「レンズを通した自然観察」とおっしゃったことがありますが、これにも改めて納得しています。もっと多様な視点で、さまざまなものに目を向けていきたいと思っています。

2023年2月 3日 (金)

城東地区でケリ……余談は節分の鬼と、ヴィアティン三重デザインの飛び出し坊や

Dsc01304c  2月3日、節分です。朝は0.4℃でしたが、風がなく、暖かく感じました。しかし、昼くらいからは雲が多くなり、9℃を超えましたが、陽が当たりませんので、室内にいても冷えてきます。毎日のように藤原岳の写真を載せていますが、今日も雪が見えます。今朝は家事を済ませ、8時15分から散歩へ。昨日より暖かそうでしたから、ちょっとコースを変えました。住吉神社、九華公園、貝塚公園から城東地区へ。その後、貝塚公園、外堀、内堀公園、京町、南魚町、寺町と、なんと7.0㎞も歩いてきました。

Dsc01360c Dsc01436c_20230203151801  住吉水門や揖斐川には鳥影がありません。十万山の南端にアオサギとカワウが並んでいるのが見えたくらい。七里の渡し跡、今日は、ヒドリガモが1ペア、オオバン2羽、ホシハジロのオス1羽、コガモが2ペア、キンクロハジロのオス1羽、メス1羽といろいろ。三の丸公園ではメスのモズがいたものの、枝かぶり写真しか撮れず。柿安コミュニティパークではハクセキレイ1羽のほか、スズメ、ヒヨドリ。

Dsc01453c Dsc01459c_20230203151701  九華公園には8時35分に到着。いつもより40分遅れ。鎮国守国神社の社務所裏の木には、今日はゴイサギが1羽のみ。ただし、お休み中。管理事務所近くでハクセキレイ1羽。失礼ながら、汚れた感じですが、このハクセキレイさん、この色模様のお陰で、いつも見るハクセキレイだと認識できるのです。

Dsc01515c Dsc01553c_20230203151701  奥平屋敷跡では、いろいろと来たのですが、チラッとということが多くて、ちょっと残念。それでも、まずはヤマガラ。2羽くらい。続いて、ジョウビタキのオス。奥平屋敷跡の周囲を回っていた感じ。

Dsc01505c Dsc01590c_20230203151701  ハクセキレイは2羽。証拠写真ではありますが、シメも来ました。このほか、シジュウカラやコゲラも来たものの、ちょっと止まっただけでまたよそへ行ってしまいました。

Dsc01686cDsc01759c_20230203151701  アオサギさんは今日もまた、辰巳櫓跡の松の木にいました。よほどここがお気に入りのようです。アオサギがいた木の1本西の松には、コサギ。コサギといえば、先日、翼が傷ついたのではないかと心配したコサギは、猫か何かに襲われたようで、公園の北門を入った堀に骨や翼が散乱していました。

Dsc01729c Dsc01679c  本丸跡でツグミと、ジョウビタキのオス。どちらも寒くて、まん丸。ジョウビタキは、ここで2羽同時に見たことがありますが、今日のジョウビタキたちも、別個体のように見えます。目の大きさが違う気がするのです。

Dsc01567c Dsc01575c  カモ、今日は70羽。キンクロハジロが54羽、ハシビロガモが13羽、ホシハジロのオスが1羽(左の写真)、メスが2羽(右の写真)。今日はヒドリガモはおらず。

Dsc01780c Dsc01787c  ユリカモメは、35羽。これまたいつもと同じく、野球場のフェンスに止まっていました。中に、コサギが1羽混じっています。

Dsc01849c  このあと吉之丸を通って、赤須賀方面へ。市営住宅のところで、ジョウビタキのメスが出て来ました。けっこう愛想を振りまいてくれます。

Dsc01905c Dsc01912c  途中で東野神社。赤須賀神明社の境外社。ご祭神は、火産霊室神天津彦根命大物主神の三社で明治40(1907)年12月に赤須賀神明社へ合祀されたのですが、昭和29(1954)年5月、分祀独立しました。

Dsc01956c_20230203151601 Dsc02087c  その先で城東小学校、城東保育所のあたりの水田へ。このあたりに昨シーズン、ケリがいましたので、確かめに来たという次第。かなり遠かったのですが、7羽いるのを確認しました。ここで営巣すると、徒歩で見に来られますから、ありがたいのですが……。

Dsc02360c Dsc02266c_20230203151601  城東から貝塚公園へ。気になったのです。立ち寄って、ラッキーでした。シロハラを撮影できたのです。ほかにコゲラ2羽と、シジュウカラも来ていました。

Dsc02424c Dsc02499c  内堀南公園まで歩きづめでしたから、一休みしていたら、ジョウビタキのメスが登場。さらにサザンカにメジロが蜜を吸いに来ました。

Dsc02547c_20230203151501  住吉入江まで戻ってきたら、今日も、オオバンが2羽。今シーズンは、カンムリカイツブリとか来ないかと思ってしまいます。

Dsc01917c_20230203151601  余談その1。節分ですが、城東小学校の近くで、山伏と鬼たちに出会いました(笑)。赤鬼、青鬼、緑鬼がそろっています。大福田寺から回ってきているのです。あらかじめ申し込むと、家まで来てくれるようです(こちら)。

Dsc01834c  余談その2。これは、吉之丸の市営住宅の近くで見つけたもの。いわゆる「飛び出し坊や」ですが、ヴィアティン三重のデザインです。調べてみたら、社会連携活動の一環で、無償で提供していただけるようです(こちら)。ただし、自治会やPTAから申し込むことが必要ということです。

Nekoakubi  もう1つ、余談。このブログを載せているココログで、以前も紹介していただいたのですが(2022年1月30日:@niftyの「ピックアップブログ」で紹介していただきました)、今日もこのブログの紹介をしていただいていました。先週で江戸橋での非常勤の授業は終了したのですが、どうも今週後半、曜日感覚がズレています。行かなくなって「ロス」ということではありませんが、生活リズムを立て直した方がよさそうです。

2023年1月31日 (火)

「ウメジロウ」ならぬ「松メジロ」……ジョウビタキのオスにも接近

Dsc07230c_20230131143301  天気は良いのですが、朝は、-1.6℃と冷えました。日向は暖かく感じますが、最高気温は7.2℃。少し家事をして、7時50分から散歩。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、紺屋町、新築公園、常盤町、寿町、八間通と6.3㎞。

Dsc07296c Dsc07279c  天気がよいのでもう少し鳥がいるかと思ったのですが、揖斐川までは、何も見ず。揖斐川にも、カンムリカイツブリが3羽くらいと、キンクロハジロが1羽で、少ない。七里の渡し跡には、ヒドリガモが8羽。

Dsc07317c Dsc07328c  柿安コミュニティパーク西の堀には、キンクロハジロが3羽、コガモのメスが2羽に、ヒドリガモが1ペア。

Dsc07376c  しかし、小型の野鳥はほとんどおらず、メジロ1羽に出会ったくらい。

Dsc07393c  九華公園では、鎮国守国神社の社務所裏の木にゴイサギが2羽にホシゴイが1羽。ほとんどが上手に隠れていて、ホシゴイが1羽、飛び出して気づいた次第。

Dsc07547c  奥平屋敷跡は、極めて静か。ヒヨドリも2羽しか見ず、ドバトやムクドリもほとんど来ません。コゲラが2羽。先日も、すぐそばで一緒に2羽が行動しているところを見ましたが(2023年1月23日 :久しぶりにヤマガラたちの混群に遭遇)、同じような感じ。

Dsc07665c Dsc07655c  メジロは、「オン・ステージ」かと思うほど、ずっといました。いわば「松メジロ」(微少)。現場でもよく見て、たくさん撮ってきた写真も見てみると、松ぼっくりの下の樹皮をつついているようです。食べ物になるのでしょうか。

Dsc07579c Dsc07621c  シメもやって来たのですが、あまりよいところには来てくれず、証拠写真。ハクセキレイは、今日は1羽のみでした。

Dsc07928c_20230131145801  朝日丸跡では、ジョウビタキのオスが大接近してくれました。少し離れて写真を撮っていたのですが、私が動かずにいたら、だんだんと近づいてきて、最終的には1mちょっと先に来ました(微笑)。

Dsc08189c Dsc08252c  鎮国守国神社の境内でも、ジョウビタキのオス。本丸跡では、ツグミ。見つけたときには、カワラヒワも数羽、近くにいました。

Dsc08136c_20230131143201 Dsc08102c  神戸櫓跡には、コサギが2羽。奥平屋敷跡にいるときに見つけたのですが、ちょっと遠かったので、本丸跡の花菖蒲園のところから撮影。

Dsc07794c_20230131143301 Dsc07781c  カモは、合計82羽。キンクロハジロが増えて65羽、ハシビロガモが13羽、ヒドリガモが1ペア、ホシハジロも1ペア。

Dsc07973c  ユリカモメは、一時的に11羽が飛来したものの、すぐにいなくなってしまいました。この写真で右手奥にある野球場のフェンスにいつもいるのですが、いません。中央左に写っている照明灯にはカワウが集まっているのですが、今日はカワウもここにはいません。

Dsc08291c Dsc08319c  貝塚公園でも、ジョウビタキのオスと、ハクセキレイ。ほかにヒヨドリやカワラヒワ、メジロもいましたが、やはり少ない。

Dsc08355c  新築公園。先日も書きましたが、昨シーズンは、ジョウビタキのオスがよくいたのですが、やはり今年はここには来ていないようです。ときどき、ハクセキレイを見ます。

Dsc08183c Dsc08169c  ところで、鎮国守国神社の境内の紅梅、いったん咲き始めたものの、その後寒くなり、雪も積もりましたから、開花は進んでいません。拝殿前にあるドウダンツツジが、芽吹いてきました。

Dsc08394c Dsc08397c  帰宅して玄関前から撮った写真。名古屋駅方面に向かって左の奥に見えるのは、たぶん中央アルプスの山並み。冬、天気がよいと見えます。木曽御嶽山も、今日はよく見えます。御嶽山に向かって、左手には乗鞍もうっすらと見えました。

2023年1月30日 (月)

鎮国守国神社でしだれ梅が開花……「花なしウメジロウ」の写真も(笑)

Dsc06411c Dsc06414c  晴れときどき曇りという予報でしたが、朝から雪でも降りそうな雲。多度山の方は雪が降っていたかも知れません。藤原岳は、このところずっと麓の方まで白くなっています。今朝は、7時45分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町とほぼいつも通り。5.1㎞というデータですが、ちょっと少ないような気がします。

Dsc07082c  こんな冷たい感じの日ですが、鎮国守国神社の境内では、しだれ梅が一輪、開花していました。温まる感じがして、ホッとします(微笑)。

Dsc06417c_20230130130101 Dsc06436c  さて、バードウォッチングについて。まずは、住吉ポンプ場のところでカワラヒワのペア。カワラヒワの大半はペアで行動していますが、まだ巣材を運んでいるのは見ません。住吉水門の内側には、ヒドリガモが2ペアと、キンクロハジロのオスが1羽。

Dsc06457c_20230130130801 Dsc06524c_20230130130101  揖斐川には今日もシラウオ漁の漁船が何組か出ていました。数が多いということは、今年は豊漁なのでしょうか。漁船が多いので、カンムリカイツブリは2羽のみ。住吉水門のところには、ヒドリガモが11羽ほど。川にいたのは、これですべて。

Dsc06494c_20230130130901 Dsc06537c  七里の渡し跡には、コガモのオスが4羽にメスが2羽。柿安コミュニティパーク西の堀には、キンクロハジロが3羽。三の丸公園からコミュニティパークあたりには、ムクドリが10羽くらいいたのみ。今日はヤマガラなどの姿はありません。

Dsc06633c Dsc06642c 九華公園には8時10分頃に到着。寒いので歩いている人は極めて少なくなっています。奥平屋敷跡、今日は静かで、ヤマガラ、コゲラ、メジロはいたものの、松の木の高いところにばかりで、写真が撮れません。ほかに見たのは、ハクセキレイとシメ。シメも、くぼんだところにいたので、上半身のみの証拠写真です(苦笑)。

Dsc06810c Dsc06933c_20230130130201  二の丸跡では、ツグミ。ほかに、奥平屋敷跡からジョウビタキのオスと、シメがいるのが確認できたのですが、遠くて、証拠写真以下。朝日丸跡では、ウグイスを一瞬だけ目撃。しかし、写真はとても撮れませんでした。アオサギは、今日もまた辰巳櫓跡の松の木にいました。先日も書きましたが、日によっている位置が微妙に違います。

Dsc06951c Dsc07014c  本丸跡でもツグミ。何か丸いものをくわえていますが、ダンゴムシのようなものかと思われます。ビンズイ2羽もいました。

Dsc06875c  朝日丸跡で、モズのオス。昨日と同じあたりで、同じモズのような気がします。

Dsc07107c_20230130130201  鎮国守国神社の境内で、「花なしウメジロウ」。しだれ梅の花を撮っていたら、近くの梅の木にやって来たのです。ウメジロウの季節も間もなくと思うと、期待が高まります。

Dsc06549c Dsc06564c  カモたち、今日は合計51羽。キンクロハジロが27羽、ハシビロガモが18羽、ホシハジロはオス、メスとも1羽ずつ、ヒドリガモは2ペアというラインナップ。キンクロハジロが減っています。

Dsc06573c2  こちらは、ハシビロガモ。近くで、ちょうどよいアングルで撮れました。何がちょうどよいかというと、嘴にあるブラシのようなものが撮れたのです。ハシビロガモは、水面に嘴をつけて水ごと食物を吸い込み、嘴にあるこのブラシのようなもので食物だけを濾し取り水だけを吐き出して採餌するのです。

Dsc07159c  ユリカモメは、30羽ほど。こんな寒いウイークデイでは、誰も餌をやりに来ませんから、ずっと野球場のフェンスの上などで待機しています。

Dsc07190c  貝塚公園ではヒヨドリやカワラヒワがいたものの写真を撮るほどではありません。こちらは、内堀公園にいたジョウビタキのオス。これまでのところ(13時半現在)、今日の最高気温は7.6℃ですが、13時には5.6℃。日も当たっていませんから、このあとは、暖かくして過ごすことにしましょう(微笑)。

2023年1月28日 (土)

鎮国守国神社で紅梅が咲く……九華公園でミサゴとトビ

Dsc03283c_20230128153701 Dsc04813c_20230128153701  今朝も冷え、氷点下でした。日中も天気はよいものの、北風は冷たくなっています。藤原岳は麓の方まで白くなっていますし、多度山もうっすらと雪化粧。住吉入江の南の端は、凍っていました。寒かったのですが、いつものように、7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町と5.7㎞。

Dsc03935c  寒かったのですが、鎮国守国神社の境内では、紅梅が数輪、咲いていました。毎年同じことを思うのですが、厳しい寒さが続く中でも、季節は少しずつ移ろいつつあります。寺町にある河津桜も、つぼみが少しだけ大きくなってきたように見えました。

Dsc03351c Dsc03338c  住吉水門のところには、オカヨシガモのペアが1組。ときどきここで見ます。普段はどこにいるのか、ちょっと気になります。ほかに、ヒドリガモが13羽、キンクロハジロが2羽、オオバンが1羽、同じあたりにいました。

Dsc03378c Dsc03391c_20230128153801  揖斐川には、カンムリカイツブリが3羽ほど。波が荒いときにもよく来ています。七里の渡し跡の西側にある旅館山月では、建物の周囲に足場が組み上がってきています。写真の奥にある和風の建物にもシートがかかっています。解体工事なのかと思っていますが、まだ分かりません。

Dsc03438c Dsc03517c_20230128153801  柿安コミュニティパークでは、ヤマガラとコゲラ。 ヤマガラは数羽いたのですが、コゲラは右の写真の1羽だけでした。ほかにはヒヨドリが少しとスズメたち。西の堀には、キンクロハジロが4羽。

Dsc03559c  九華公園では、昨日まで北門を入ったところの堀に翼を傷めたコサギが1羽いたのですが、今日はどこにも見当たりませんでした。鎮国守国神社の社務所裏の木には、ゴイサギが1羽。公園は、全体に静かな印象。これは、ヒヨドリやムクドリ、ドバトが少ないから。

Dsc03611c_20230128153801 Dsc03668c  奥平屋敷跡も静かだったのですが、いつものように1時間ほど鳥待ち。まずは、メジロが3羽ほど。植え込みの中にいて、あまりよく見えませんでしたが、一応写真に収められました。ツグミも登場。

Dsc03703c  シメもちらっとやって来ましたが、地上には降りてきませんでした。ほかに来たのは、ヒヨドリが少しと、ドバト。今日は、ハクセキレイは来ません。

Dsc03767c_20230128153801  朝日丸跡では、久しぶりにモズのオス。秋にこのあたりにやって来た頃は、よく見るのですが、冬本番になるとあまり見なくなるのは、なぜなのでしょう。

Dsc03846c  本丸跡で、ジョウビタキのオス。ビンズイ2羽も見たのですが、逃げられてしまいました。

Dsc04020c_20230128153801  鎮国守国神社の境内では、シジュウカラ2羽。何かを懸命に食べているところ。

Dsc03571c Dsc03599c  カモは今日は、少なく、合計38羽。キンクロハジロが激減して、18羽。ハシビロガモも18羽。ヒドリガモは1ペア。ホシハジロは見当たりませんでした。ユリカモメは、80羽以上。野球場のフェンスに止まっていったのですが、写真を撮ろうとしたら、飛び立ってしまい、失敗。

Dsc04190c Dsc04436c  本丸跡を歩いていたら、堀の上空にミサゴ。奥平屋敷跡にいるときも、ちらっと見たのですがすぐにいなくなってしまっていたのです。ミサゴは2羽が飛んでいました。ミサゴが飛び去ったら、続いてトビが登場。今日は、三ツ又池や河口堰に行こうかとも思ったのですが、いつものコースにして大正解(微笑)。

Dsc04527c_20230128153701  コサギは、吉之丸堀に水平に突き出た松の木に3羽。これがもっともよく撮れた写真。今日は、アオサギはどこにもいませんでした。

Dsc04640c Dsc04599c  貝塚公園では、ジョウビタキのメスと、メジロ。ほかにヒヨドリとカワラヒワ。シロハラをいつも探すのですが、今日はまったく見られませんでした。

Dsc04767c_20230128153701 Dsc04883c  内堀公園では、ジョウビタキのオスが待っていました。ここのジョウビタキは、特に愛想がよい感じです。住吉入江まで戻ってきたら、オオバンが3羽。2羽はペアで行動しています。

Dsc03281c_20230128153801  明日も天気は良く、気温はもう少し上がりそうな予報です。昨日、水曜に実施した試験の成績を報告しましたが、夕方、事務から受け取った旨の連絡があり、本試験についてはこれでdutyは完了。追試験は、本試験から1週間以内に申請が必要です。学生たち、きちんと手続きをとっていることと思います。追試験の日程は、2月中旬に3日間予定されていますが、具体的にはまだ決まっていません。

2023年1月26日 (木)

かなり冷えた今日は、ジョウビタキ・デー……「目白押し」もどきも(微笑)

230126temperature Dsc01410c_20230126151101  今朝、少し早くに目が覚めたら、昨日よりも冷えるなという気がしました。散歩から帰ってから調べたら、最低気温は、なんとマイナス5.7℃! 四日市では、マイナス8.9℃でこれまでに最も低かったといいます。寒いわけです。ベランダから見える鈴鹿の山並みも真っ白でした。とはいえ、いつものように、7時半から散歩。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町、寺町と5.7㎞。散歩友達にはほとんど会わず。寿司屋の女将さんだけ。

Dsc01431c_20230126151101 Dsc01498c_20230126151201  雪はまだ残っています。左は諸戸氏庭園の本邸と大門。いい感じの景色になっています。諸戸氏庭園の近くで、ハクセキレイ。何かをくわえています。

Dsc01477c  諸戸氏庭園の東の端で、ジョウビタキのメス。寒いので、ふっくら、モフモフ。朝日に当たってキレイ。

Dsc01555c Dsc01584c  揖斐川には、シラウオ漁の漁船が出ていました。漁のときには、2艘の漁船がゆっくりと大きく、長い網を引いていきますが、この写真では2艘が接近して、打ち合わせでもしているようでした。このあと、再び分かれて網を引き始めました。右は、船津屋さんの裏手あたりから揖斐川の上流方向を見たもの。今日は、さすがに揖斐川には鳥影はありません。

Dsc01640c Dsc01669c_20230126151101  柿安コミュニティパーク西の堀にはキンクロハジロが3羽。コミュニティパークには、ツグミ、ムクドリ、スズメなど。九華公園に着いて、北門を入ったところの堀にコサギが4羽。右の写真のコサギは、先日、翼を痛めていたもの。他の子サギは飛び去ったのに、飛ぶ様子はありません。やはり飛べないように思えます。

Dsc01696c_20230126151101 Dsc01719c  近くの堀にある石の上にコガモのペアが上がっています。管理事務所の近くでジョウビタキのオス。

Dsc01788c  奥平屋敷跡で鳥待ちをしたのですが、きちんと見られたのは、ハクセキレイ2羽だけ。ツグミとシメにも出会ったのですが、遠かったり、植え込みの下だったりして、これという写真は撮れず。足元から冷えてくる感じで、散歩友達も現れないので、今日は30分で撤退(苦笑)。

Dsc01909c Dsc01928c  その代わり、二の丸跡でビンズイと、シロハラを見られました。ビンズイは2羽が一緒にいました。シロハラはちょっと遠かったものの、なんとか写真に収められました。

Dsc02133c_20230126151001 Dsc01743c_20230126151101  公園の堀には、氷が張っていました。それと寒さもあってか、カモたちはおとなしくしています。カモ、今日は合計71羽。キンクロハジロが53羽、ハシビロガモが13羽、ヒドリガモ(右の写真)が2ペア、ホシハジロのオスが1羽。

Dsc01846c_20230126151001 Dsc02044c_20230126151001  ユリカモメは、合計19羽。堀に浮いているのと、野球場のフェンスに止まっているのとが、ほぼ半々。本丸跡でも、ジョウビタキのオス。先にジョウビタキのオスを見た管理事務所からは直線で100mほどのところですから、同じ個体かも知れません。

Dsc02138c  九華公園の外周遊歩道の南にあるレストランの裏手では、太いパイプからつららのようになった氷。話は飛びますが、寺町商店街の裏手では、水道管が破裂したのか、かなりの勢いで水がもれているところもありました。それだけ冷えたということです。

Dsc02150c Dsc02176c_20230126151001  貝塚公園に行ったら、ベンチに小さな雪だるまが4つ並んでいました。微笑ましい。その貝塚公園では、今日はそれなりに鳥に出会えました。まずは、オスのジョウビタキ。

Dsc02230c_20230126151001 Dsc02308c  さらにシメ。貝塚公園ではあまり見ません。そして、植え込みの陰でちょっと暗かったのですが、ジョウビタキのメス。ほかにシロハラもいましたが、ピンボケ写真でした。

Dsc02454c  内堀南公園でおもしろいシーン。2羽のメジロがくっついています。向かって右は身繕いをしていました。2羽だけでは、「目白押し」とはいえませんよねぇ(笑)。

Dsc02491c Dsc02602c_20230126151001  内堀公園でも、ジョウビタキのオスが登場。ジョウビタキは年が変わってからさほど見なかったのですが、今日は、大サービス。拙宅近くまで戻ってきたら、住吉入江のところにツグミ。このあたり、ときどきツグミを見ます。

Dsc02055c_20230126151001  今朝は早くに目が覚めましたので、昨日の試験の採点の続きを行い、一通り終えました。時間をおいて、もう1度目を通して、誤りがないか、採点基準が一貫しているかなどを確認します。夜から曇りの予報で、明朝は今日ほどは冷えないようですが、明日日中は曇り、一時みぞれとなっています。

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    今さら、なぜこういう統計ソフトの本を読むのか? と訝られると思うのですが、その昔、現役の頃には統計パッケージソフトIBM SPSSを使ってデータを分析して論文を書いていました。ただ、SPSSを始め、統計パッケージソフトは、値段がバカ高いのです。退職する前からこのRというフリーの統計処理ソフトが出て来て、ずっと興味を持っていました。先日、文庫本を買おうと思って本屋に行ったらこの本を見つけてしまいました(微笑)。今さらこれを使ってバリバリやる訳ではありません。むしろボケ防止かも知れませんが、昔のデータはそのままパソコンにありますから、これを使って、昔はやらなかった分析をしてみようと思っています。何か成果が出るかどうかは極めてアヤシいのですが、まぁゆるりといろいろやってみることにします。 (★★★★)

  • 林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)

    林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)
    たまにはこういう本も読まないと、認知機能が退化するかもしれないと思って(微苦笑)。というよりも、もともと神経心理学に興味がありましたので、本屋の店頭で見つけ、これは面白そうだと思って購入しました。うつ、自閉スペクトラム障害、ADHD、統合失調症、双極性障害など、現代人を悩ませる心の病について、脳にどのような変化が起きているか、最新の知見がまとめられています。最前線の研究者たちがわかりやすく説明しているのですが、知識ゼロで読むのはかなりキツいかも知れません。私は現役をリタイアして10年以上になりますが、その間にこれほど研究が進んだのかというのが正直な感想。心の病の原因は、1つとは限りません。心の病は「症候群」と見た方がよいと考えます。私自身が関わる自閉スペクトラム障害、ADHDなどの発達障害でもそうです。脳機能と心の病との関連について最新の知見を知りたい方にはおすすめ。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)

    磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)
    本の帯に「大河より面白い!」とありますが、本当にそうでした。午前中の散歩のついでに買ってきて、夕食までに一気に読み終えてしまいました。もったいない気がするくらい。松平元康がいかにして徳川家康になったか、さらに徳川将軍家がいかに続くよう礎を築いたかが、よく分かりますし、戦国時代から徳川幕府創世記までの歴史を見る目が養われる本です。それというのも、著者の磯田さんが古文書の権威で、一次史料を読みこなすだけでなく、場合によっては価値が怪しい資料まで傍証に用いて(怪しい資料でも使い道があるというのも良く分かりました)、ご自身の頭で考えた結果を実に分かりやすく解いてくれてあります。徳川家康の弱者の戦略のキーワードは、「武威」と「信頼」ということです。また、情報の取得、解読にも意を尽くしたことがよく分かります。混迷を深める世界情勢を読み解いて、我が国が進む方向を考える上でも役に立つ一冊。 (★★★★★)

  • 井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)

    井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)
    発達障害、とくに自閉スペクトラム症(ASD)の方では、感覚過敏や感覚鈍磨をよく伴います。「照明で目がチカチカする」「皆が話している教室では。音が鳴り響き絶えられない」「ケガをしてるのに、痛みを感じない」などさまざまな状況を呈します。著者は実験心理学や、認知神経科学を専門とし、ASDの方に見られる感覚過敏、感覚鈍磨は、脳機能の特性から来ていることを明らかにしてきています。ASDなど発達障害のあるご本人はもちろん、親御さん、教師など関わりを持つ方々は、このことをよく理解して支援にあたることがとても重要です。ASDを始めとして発達障害について、「わがまま」「自分勝手」「やる気がない」などと捉えてしまうと、支援どころか、理解もできなくなります。脳の働きによってさまざまなことが生じてきているという視点が必要不可欠です。この本は、感覚過敏・感覚鈍磨を手がかりにそういう視点について理解を深められます。 (★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)
    2022年12月のNHKのEテレ「100分de名著 中井久夫スペシャル」のテキストです。今頃(2023年2月)これをリストアップしているのはどうかという気もしますが、録っておいたビデオをみたのが最近なのです。中井久夫さんは、2022年8月にお亡くりになりましたが、日本を代表する精神科医のお一人であり、翻訳家、文筆家としても一流でした。現役の頃、中井さんの本はたくさん読みました。臨床心理学の分野でも「風景構成法」を導入した方として知られています。Eテレの講師である齋藤環さんは、中井さんを評して「義と歓待と箴言知の人」と書いておられますが、まさにそういう気がします。『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』が紹介されています。現在もウクライナで戦争が続いていますが、中井は「戦争は過程、平和は状態」とし、戦争は物語として語りやすく、とにかくかっこよくて美しい、それが問題だといいます。一方、平和は分かりにくく、見えにくいため、心に訴える力が弱いとします。「状態を維持する努力はみえにくい」のですが、戦争と平和に限りません。普段通りの日常生活を維持していくのも同じような気がします。戦争を経験していない人間が指導者層の多くを占めるようになると戦争に対する心理的抵抗が低くなるともいいます。「戦争には自己収束性がない」とも中井さんはいっています。われわれはやっかいな時代に生きていると痛感します。中井さんの本を多くの方が読むと、時代も変わるかも知れません。 (★★★★★)

  • 桑名三郎: 七里の渡しを渡った人達(久波奈工房)
    桑名と名古屋の宮を結んだ東海道唯一の海路「七里の渡し」をテーマにした歴史本です。船頭が旅人を案内しながら、七里の渡しを渡った歴史上の24人を紹介する内容。やさしい話し言葉で紹介されており、読みやすい本です。徳川家光、松尾芭蕉、明治天皇などが取り上げられています。著者は、桑名で歴史案内人をしながら、街の歴史を研究している、街道好きの方です。本は、桑名市内の書店とメルカリで¥1,200で販売。 (★★★★)
  • 磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)

    磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)
    磯田さんの本は面白い。というのも、話のもとには古文書があるからだと思う。その古文書も磯田さん自身が、古書店などで発掘してきたものがほとんどで、それ故、内容もオリジナリティが高くなる。この本は、戦国時代から幕末あたりを中心にさまざまな古文書の内容をもとに、例えば忍者の悲惨な死に方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、赤穂浪士が吉良の首で行った奇妙な儀式などなど、興味深いエピソードを浮かび上がらせている。面白いので一気読みしてしまった。 (★★★★★)

  •  佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)

    佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)
    史跡や、寺社、町並み、城、美術工芸品等の見方がやさしく解説されている本です。「事典」となっていますが、いわゆる辞書とは違って、普通の本のスタイルです。索引が充実していますので、事典としても十分に使えます。最初の版をもっていますが、40年ぶりに改訂され、写真、図版も多く、歴史散歩の最強の味方です。 (★★★★★)

  • 日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)

    日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)
    今年1年、何の因果か(などと書くとお叱りを受けること必至ですが)、住んでいるマンションの管理組合の理事長を仰せつかっています。今年は、エレベーターリニューアル工事が最大のイベントで、それは無事に済んだのですが、前理事長から8年後に迫った第3回大規模修繕に向けて、修繕積立金が不足する見込みと申し送られました。確かにかなりの金額が不足しそうで、頭を悩ませていました。マンションに住みながら、そもそも基本的な知識が不足しており、管理会社のフロントマンの方の協力を得ながらシミュレーションなどをしていました。ネットであれこれ調べてはいたものの、それで得られる知識は体系的なものではありませんでした。この本は、事例を元にマンション管理について必要な知識が得られるように書かれており、まだすべて読み終えてはいないものの、とても役に立っています。任期残り2ヶ月半となって付け焼き刃ではあるものの、次の理事会に具体的に課題を申し送ることができるよう勉強中(笑)。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)

    宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」や「どうしても頑張れない人たち」の著者である宮口幸治さんの新刊です。前2著の内容をよりよく理解できるよう、「ドキュメント小説」として書かれたものです。主人公は、精神科医の六麦克彦。医局から派遣されて要鹿乃原少年院に勤務して5年。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちでした。この内容は、前の2冊のように普通の新書では書き尽くせるものではなく、物語の形を借りざるを得なかったのでしょう。ただし、普通の小説として読むのには少し苦労するかも知れません。特別支援教育が普及して、知的障害や、発達障害のある子どもへの教育や支援は、以前に比べれば改善されてはいますが、最近は、家族の養護能力が十分でなかったり、親など家族自身に支援が必要なケースもたくさんあります。こうした中には、この本で取り上げられたような結末に至ることがあっても不思議ではないという気がします。極端な事例が集められていると思われるかも知れませんが、社会全体として真剣に取り組むべき課題が突きつけられています。 (★★★★)

  • 本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)

    本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)
    本田秀夫先生によるこのSB新書の4冊目のシリーズ。今回は、発達障害のあるお子さんの学校選び、学級選び、友達関係、学習や学力の悩み、不登校など、発達障害のあるお子さんの学校生活全般にわたって、どのような考え方に基づいてサポートしたら良いかについてまとめられています。それぞれ、親と先生とが、どのように取り組むことが基本となるか、解説されています。対策よりも予防的な工夫をコミュニケーション(要求ではなく)に基づいて行う、「学校の標準」を緩める、登校や成績を気にしすぎず、社会に出るための土台作りを考える、発達の特性には寛容になる、学びを大切にするが学力にこだわりすぎない、親と先生とが気づきを伝え合い相談、調整する、子どものモチベーションを重視するなど、具体的に書かれていて、分かりやすくなっています。発達障害のあるお子さんが小中学校で充実した学習が進められるための基本的な考え方やヒントが詰まっていますので、親御さんにも、先生方にもお勧めできます。 (★★★★★)

  • 佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?

    佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?
    サンドウィッチマン&芦田愛菜ちゃんMCの「博士ちゃん」に「三国志博士ちゃん」、「日本の神様博士ちゃん」として2回出演した佐々木秀斗君の自由研究を本にしたもの。何故これをここに取り上げたかというと、私のブログに載せた立坂神社の緑色の鳥居について、写真を提供して欲しという依頼が出版社からあったのです。私が提供した写真は、本書の162ページに「提供:猫の欠伸研究室」として載っています。ざっと読みましたが、大人でも、古事記や神社についてよく知らない方が、最初に手に取って基本的なことがらを知るには、わかりやすくて良い本だと思います。 (★★★★★)

  • 森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)

    森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)
    ネットで見つけ、新刊かと思って購入したのですが、4年前の本でした(微苦笑)。 若い頃に森博嗣さんの小説をすべて読んでいました。いつの頃からか、小説は読まず、森さんのエッセイだけを読むようになっています。「読書の極意を教える」と帯にはあります。もちろんそれについて書かれているのですが、私にはある種の知的生産の技術について著者の方法を開示していると読めます。「何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある」というのは、よく首肯できます。また、「教養とは保留できる能力をいう」というのも確かにそうだと思います。自分の問題として抱続けられ、また、考え続けられるのは、容易ではありませんから。 (★★★★★)

  • 井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)

    井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)
    愛媛県新居浜市にあった別子銅山は、元禄3(1690)年、伝説の切上り長兵衛によって発見されてから、昭和48(1973)年の閉山まで、283年間にわたり、累計65万トンの銅を産出しました。これは、世界の銅の産出量の1/6にも達するといいます。巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献したのがこの別子銅山です。江戸時代には貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、そこに関わった人達を鮮やかに描いた、本当の意味での大河小説です。徳間時代小説文庫で読みました。  (★★★★)

  • 養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

    養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    養老孟司先生と池田清彦先生の対談であれば、外れはありません。サブタイトルのように、「はみ出し日本論」ではありません。ど真ん中の日本論といってもよい本で、楽しみながら読めます。しかし、それは、自分のアタマできちんと考えているからこそ論じられる内容だと思います。常識や、マスコミで報道されることがらだけをフォローしていては、こういう風に考えることはできません。きちんとした理論、知識、データに基づかなければなりません。さらには、物事を捉える大きな枠組み、私の世代にとっては「パラダイム」といえるものが必要。それも、確固たるパラダイムが必要です。私にとってそれはある種の理想なのですが、なかなか難しい。しかし、まぁ、年寄りになったからこそ見えるものや、年寄りなりの知恵も働くようになるということもありますから、養老・池田の「怖いものなし」コンビを1つの目安として、言うべきこともいえるようになりたいものです。 (★★★★★)

  • 土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)

    土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)
    先に同じく土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を挙げましたが、入手したのはこちらが先。「一汁一菜でよい」というスタイルに至るまでの土井さんの修行、出会い、発見、迷いなどなどが書かれています。「家庭料理に失敗なんて、ない」、「すべては人を幸せにする料理に繋がる」というのが基本。具だくさんの味噌汁はおかずの1つになる。余裕があれば、食べたいものや、食べさせたいものをその都度調べてつくればよい。一汁一菜を入り口にして、一つ一つおかずをつくってみて、10種類ほどでもできるようになれば、それで幸せに一生やっていける。といった話があり、へぇーと感心させられました。これだけで健康に健やかに自足できるとも述べられています。一汁一菜なら、私にもできる、でしょうか?? (★★★★★)

  • 土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)

    土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)
    著者の土井善晴先生は、私と同世代。そして、私の世代にとってはあの土井勝さんの息子というイメージが強くあります。テレビなどにもよく出ておられ、なかなか面白い視点でものを見る人だなと思っていました。この本は,出版された当時(2016年秋)から知っていたのですが、手に取ったのはごく最近。文庫本を探していたのですがなかなか遭遇しなかったのです。「一汁一菜でよい」というのは、ご飯と具だくさんの味噌汁があればよいということです。家庭料理についての提案なのですが、実は、この本はもっと奥深いことを述べています。一言で言えば、日本文化や日本人の哲学について述べる中で、食や生活、生き方などについても論じられています。解説を書いておられる養老孟司先生は、それを「自足の思想」と表現していらっしゃいます。優しい、わかりやすい本ですが、実は奥が深い。著者の端正さもよく表れています (★★★★★)

  • 奥山 景布子: 流転の中将

    奥山 景布子: 流転の中将
    幕末の桑名藩主・松平定敬を描いた歴史小説。定敬は、実の兄で会津藩主である容保とともに徳川家のために尽くそうとしたものの、最後の将軍・徳川慶喜に振り回され、裏切られてしまいます。定敬は、それでも抗おうとしたのですが、国元の家臣たちはいち早く恭順を決め、藩主の座も追われてしまいます。朝敵といわれ、越後、箱館から上海まで流浪した定敬の波乱に満ちた人生と、秘めたる思いが生き生きと書かれています。定敬については、歴史講座で学んだり、本で読んだりしてきましたが、小説家の手にかかるとこのように立体的に、活き活きと動き出すものなのだと実感します。 (★★★★★)

  • サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)

    サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)
    たまには専門のアカデミックな本も取り上げます(微笑)。本屋でみつけ、購入。この本は、同じ著者が東大出版会から昨年刊行した「臨床心理学史」で果たせなかったことを果たそうと構想されたもの。果たせなかったのは、日本の臨床心理学史に触れることと、コンパクトな歴史記述だそうです。東大出版会の本は、読んでみたい気もしますが、¥7,000もしますし、内容もハードそうです。こうして臨床心理学の歴史を俯瞰してみますと、やはり実験心理学を抜きにしては臨床心理学も語れないといえます。私個人の考えでも、臨床心理学を学び、実践するには、実験心理学を学び、実験・調査などの方法で研究をした経験が必須です。臨床心理士、公認心理師の資格に関わり、心理学を志す人は多く、また、大学でも臨床心理学部や臨床心理学科もあります。しかし、私は、自分自身の経験からもやはり、実験心理学などの基礎心理学を抜きにして、臨床心理学は成り立たないと考えますし、学生も実験心理学を含めた基礎心理学を、少なくとも学部段階ではきちんと修得した方がよいと思います。本書を読んで、その考えはいっそう強くなりました。 (★★★★★)

  • 昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ

    昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ
    本屋に別の本を買いに行って見つけ、即買い(微苦笑)。私の好むタイプの本です。三重県の地形や地質、歴史、文化、産業などを、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント本。地図も歴史も文化も好きなのです。地図で読み解く三重の大地、三重を駆ける充実の交通網、三重の歴史を深読み!の3部構成。2017年11月にたまたまみつけたJRさわやかウォーキング「~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き」に行って以来、JRさわやか、近鉄ハイキング、勝手にハイキングで県内や近郊のあちこちに電車で行って電車で帰るハイキング/ウォーキングをしています。それによって訪ねたあちこちのことが改めてまとめられていて、とても楽しめます。各県のバージョンが出ているようです (★★★★★)

  • 磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)

    磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)
    歴史家・磯田道史さんが、鎌倉女学院高校で行った特別授業の記録と、ビリギャルの小林さやかさんなどとの対談を収めてあります。基本的には、「歴史の見方」についての本なのですが、それに留まりません。ものの見方、考え方を説いた内容です。むしろ、ものの見方、考え方を学びたい方にお勧めしたいと思うくらいです。ちなみに、タイトルは、「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世の中を歩くためのむしろ実用品である」という意味です。これは、歴史の見方について、あまりよく理解されていないポイントと思います。講義録ですから、読みやすく、しかも大変おもしろい本です。 (★★★★★)

  • 久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)

    久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)
    この著者の前著「三河吉田藩・お国入り道中記」で読んだ、三河吉田藩(豊橋)の参勤交代の話も大変おもしろく読めましたし、江戸時代の藩邸の様子、殿様や家臣の仕事、暮らしなどに興味があったので、読んでみました。三河吉田藩に残る「江戸日記」などの古文書から、江戸の大名屋敷がどのようなところであったか、江戸で働く武士の状況、江戸の藩邸で起きた事件のいろいろ、藩邸の奥向きの様子、さらには、明治維新後の藩邸から子爵邸への変化について、リアルな武士の暮らしのもろもろがまとまっていて、とても興味深く読めました。三河吉田藩は、現在の愛知県豊橋市にあり、松平伊豆守家が長く藩主を務めています。松平伊豆守家は、「知恵伊豆」の異名を持つ松平伊豆守信綱を初代とし、忍藩、川越藩、古河藩、吉田藩、浜松藩と国替えを繰り返した後、寛延2(1749)年から明治維新まで三河吉田を治めています。 (★★★★)

  • 安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)

    安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)
    サブタイトルに「大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ」とあり、さらに、オビには「300年前は えっ!? 今よりもっと愉快な旅行天国」ともあります。ただし、旅行を心から楽しめたのは、庶民に限られていたようです。参詣者を増やしたい各地の寺社、温泉、宿泊業者が積極的に営業したからです。一方、武士や大名は、トラブルメーカーだったといいます。公用で旅行したり、参勤交代したりなのですが、宿泊料のダンピング、備品の破壊などなどトラブルをまき散らしながらの旅であったり、権威を笠に着たりで、あまり歓迎されなかったようです。江戸時代の旅のエピソード満載で、楽しめる本です。 (★★★★)

  • 藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック

    藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック
    この本は、WISC-ⅣやKABC-Ⅱなどの知能検査の結果(アセスメント情報)を「子どもの自立と社会参加」により役立つものにしていくには、どのように伝えたらよいか(フィードバック)についてまとめられています。過去には、保護者、学校の担任、子どもたち自身に知能検査の結果を伝えることはされていませんでした。しかし、現在では、苦戦している子どもたちが、自分のことを理解し、自分なりにも工夫して、学習や生活スキルを向上させ、将来の自立と社会参加につなげるために、知能検査の結果(アセスメント情報)を子どもたち自身にも伝えるようになってきています。私も、相談では、お子さんに直接、フィードバックを行い、子どもたち自身が自己理解を深め、意欲的、積極的に取り組めるようにしています。この本は、子どもと支援をつなぐ、支援者をつなぐという視点から、心理検査のフィードバックについて基礎から応用、事例を含んでその全体像を把握できる、優れたものとなっています。 (★★★★★)

  • 新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)

    新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)
    藤沢周平の作品案内、小説に見られる名言集、映像化された作品の出演者や、関係者による評伝などによって藤沢周平の作品についてすべてとはいいませんが、かなりが分かります。私は、藤沢周平の小説が好きで、たぶんほとんど読んだと思います。ただそれは、15~6年以上前のことで、リストアップもしていませんから、すべて読んだかどうかについては、不確か。こういう本を読むと、もう一度読もうかという気になります。この本では、娘の遠藤展子さんの「父にとっての家族」がもっとも興味深く読めました。また、藤沢周平の言葉で私が気に入っているのは、「普通が一番」です。ほかにも、「挨拶は基本」「いつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れない」「謝るときは素直に非を認めて潔く謝る」「派手なことは嫌い、目立つことはしない」「自慢はしない」という言葉が、遠藤さんが父から言われて心に深く残っていることばだそうです。 (★★★★)

  • 千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)

    千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)
    新型コロナのまん延にともなって、政治的な判断や、もろもろの政策は、迷走したといってもよいと思います。突然の全国一斉休校要請、いわゆるアベノマスクの配布や、閣議決定をやり直した一律給付金など、なぜああいうドタバタになるのか、国民の信頼が得られなかったというか、失ったというのか、ずっと疑問を抱いていました。著者は、元厚生官僚で、社会保障・労働分野で仕事をし、現在はコンサルティング会社を経営。この本では、最近のコロナ禍での出来事の背景を記述する中から、官僚主導から官邸主導への変化に、政治の仕組みの変化がついて行けていないからだとしています。これに関して、政治家、官僚ともに仕事のやり方を変えることが必要であるとともに、国民の側にも良い政策をつくるためには望まれることがあるといいます。 (★★★★)

  • 嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい

    嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい
    「観察するのが面白くなる! ガンカモ類のひみつ」というキャッチコピーです。私がほぼ毎日散歩に行く九華公園の堀には、秋が深まるとカモたちがやってきます。キンクロハジロが最も多く、次いでハシビロガモ。他にはヒドリガモやホシハジロも数少ないものの来ています。カルガモ、カイツブリ、オオバンなども来ることがあります。これらカモやその仲間、近縁種についてもっとよく知り、観察のポイントを増やしたいと思って、この本を読んだ次第。著者は、宮城県の伊豆沼・内沼をフィールドとする専門の研究者。形態的な特徴と行動との関連性、渡り、繁殖地での暮らし、越冬地での生活など、ガン・カモ類について、ちょっと専門的な部分も多いものの、一通りの知識を得られ、また、行動観察などの方法についても知ることができました。 (★★★★)

  • 田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)

    田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)
    「江戸学の第一人者による「遊郭入門」の決定版!」と帯に書かれていて、ついつい手に取ってしまいました。遊郭にはとても興味があります。などと書くと「好色な人物か」と思われるかも知れません(苦笑)。遊郭や遊女は、今日の人権やジェンダーの観点からすると、許されない存在です。これは間違いのないことですが、一方で、たとえば、江戸時代の吉原遊郭の花魁と呼ばれたようなハイクラスの遊女は、高い教養を持ち、芸事や生け花、茶道にも通じていました。ある意味で日本文化の守り手でもあったという面も持っているのです。こうした観点から著者は、「遊郭は二度とこの世に出現すべきではなく、造ることができない場所であり制度である」と述べています。ちなみに、「好色」ということばの意味は、平安時代以来、和歌や琴、舞などの風流、風雅を好む人を「色好み」と呼んでいたことによります。「色」には恋愛や性愛という意味もありますが、もともとは恋愛と文化的美意識が組み合わさったものだそうです。 (★★★★)

  • 養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ

    養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ
    養老先生が、コロナ禍の2年間でお考えになったことの集大成です。新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた頃、NHKのBSの番組「まいにち 養老先生、ときどき まる」だったかで、「老人は、もともと不要不急の存在だ」とおっしゃった気がしますが、この本は「人生は不要不急か」という章から始まっています。これがたぶんコロナ禍や、養老先生ご自身のご病気(心筋梗塞)を経験し、お考えになった結論の1つ。さらに、不要不急の人生ではあるものの、それでも生きる価値はどこにあるか様々な視点から考察されています。「人生とはそんなもの」と思いつつ、自分に居心地の良い場所をつくりながら、万事テキトーに終わるのが良さそうです。 (★★★★★)