お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2025年4月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2020年1月以降の記事を残し、2019年12月以前の記事は削除しました(2020年1月1日から2025年4月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

散歩

2025年5月21日 (水)

ツバメのヒナが孵りました

Dsc06483c_20250521140301  今日も暑くなっています。全国の最高気温ランキングを見ますと、35℃というところもあります。それには負けますが、桑名でも30.1℃を記録しました。真夏日かと思うと、余計に暑く感じます。いつものように7時20分から、住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町と6.1㎞。

Dsc06453c_20250521140301  今日のハイライトは、こちら。京町の商店にあるツバメの巣で、ヒナが4羽、孵っていました。一昨日、一昨昨日と私がいったときには、親ツバメがいませんでしたので、何かアクシデントでもあったのかと心配していましたが、ヒナが無事に孵り、一安心。あとは、カラスなどに襲われず、巣立って欲しいものです。巣内での育雛日数は20~24日といわれます。目がまだ開いていませんので、孵って日数は経っていないと思われます。

Dsc06429c_20250521140301 Dsc06432c_20250521140301  すでに親は、せっせとエサを運んできます。5分あまり見ていた間にも2回やって来ました。ご覧のように、ヒナの口の中に親の頭を突っ込むようにして、エサを与えています。

 Dsc05498c_20250521140401 さて、散歩の初めから。住吉神社あたりでは、揚げ雲雀。撮影しましたが、ヒバリは点にしか写っていません。揖斐長良川の中州からは、今日もオオヨシキリの声。野鳥は少なく、七里の渡し跡近くの駐車場に来て、ドバト。このかなり白いドバト、以前、住吉神社でも見ました(2025年5月14日:今日もシジュウカラ・ファミリーに遭遇)。

Dsc05604c_20250521140401 Dsc05695c_20250521140401  九華公園に着いて、管理事務所近くの樹上から、カワラヒワのヒナの鳴き声。親2羽につれられてきていました。逆光気味のポジションで、こんな写真。花菖蒲園のところでは、スズメのヒナ。いつも書いていますが、このところ、あちこちからスズメのヒナの鳴き声が聞こえます。

Dsc05873c_20250521140401 Dsc05817c  いつものように奥平屋敷跡で、散歩&鳥見友達のYさんと鳥待ちをしたものの、無駄な抵抗でした(笑)。スズメの成鳥は、何かをくわえています。虫かと思ったのですが、よく分からず。鳥はほとんど来なかったのですが、アオスジアゲハが、なぜかスプリンクラーの水が出るところに来ていました。花とまちがえた?? 羽がかなり傷んでしまっています。

Dsc05992c_20250521140401  本丸跡でも、スズメのヒナ。何羽も見ました。

Dsc06045c  九華公園の外周遊歩道の東あたりで、シジュウカラ・ファミリーに遭遇。桜の木を見上げていたら、私の足元にバサッという音ともに、ヒナが降りてきました。残念ながら、超証拠写真しか撮れず。

Dsc06068c_20250521140401 Dsc06193c_20250521140401  その後、シジュウカラ・ファミリーの移動に付いていきながら、かなりの枚数を撮ったものの、なかなか。左の写真に写っているのは、嘴に黄色いところがありますから、ヒナでしょう。右は、シジュウカラの成鳥。

Dsc06240c_20250521140401  外周遊歩道の南にあるレストランのところには、イソヒヨドリのオスがやって来ました。以上が、今日の成果。野鳥が少ない中、ツバメのヒナも見られ、十分でしょう。

Dsc06031c  九華公園の外周遊歩道沿いで、オオキンケイギク。昨日でしたか、テレビで駆除が必要な外来種だといっていました。 繁殖力が強く在来の野草の生育場所を奪ってしまう特定外来生物です。

Dsc06273c_20250521140301  これも九華公園の近くのお宅で。バラづくりは大変手がかかると聞いています。

Dsc06304c_20250521140301  内堀公園の近く、まちづくり拠点施設の駐車場にカリンがあります。こんな実がついていました。意外に大きく、もうそういう季節だったかと思いました。収穫は10月か、11月頃だったはず。夜になると雨だそうですが、明日朝には上がる予報。明日も、散歩。

2025年5月20日 (火)

20250520勝手にハイキング「離宮院跡を訪ねて」(一回完結)

Img_1601c_20250520154001  暑い日になりました。真夏日という予報もありましたが、桑名では28.5℃にとどまっています。先般放送された「新ブラタモリ」で、タモリさんが斎宮跡を訪ねたのを見て(第五夜▼ついにゴールの神宮へ!斎宮・二見浦)、そういえば「歩いて伊勢参りツアー」をしたときに、見逃したところがあったのを思い出しました。それが、離宮院跡。この近くを伊勢街道が通っていて、街道沿いに看板があったにもかかわらず、「まぁいいか」と通り過ぎたのです(2021年12月15日:20211211「東海道・伊勢街道歩いて伊勢参りツアー」第16回「明野からいよいよ伊勢神宮・外宮へ」(その1)……明野駅をスタートし、宮川を渡り、神領域へ)。この離宮院跡は、あとで触れますが、斎宮の関連施設があったところなのです。やり残した宿題を解消しようという感じで、離宮院跡と官舎神社を訪ね、ついでにへんば屋でへんば餅その他を買おうと思って、出かけてきました。

Img_1492c Img_1510c  離宮院跡と官舎神社の最寄り駅は、JR参宮線宮川駅。桑名から、まずは近鉄で松阪へ。桑名駅発8時40分の五十鈴川行き急行に乗車し、松阪駅には9時47分着。¥1,140。JR松阪駅発10時7分の鳥羽行き普通に乗り換え、宮川駅には10時47分に到着のはずでしたが、快速みえの遅れの影響を受け、8分ほど遅延。¥330。

 Img_1754c 宮川駅から1本道を隔ててすぐ南に森があります。この写真の左端に小さく写っているのが、宮川駅。大きな森が、離宮院跡と官舎神社。

250520hikingmiyagawa  今日歩いてきたルートマップ。現地では、マップ上は3.4㎞となっていますが、離宮院跡と官舎神社で歩き回りましたから、実際にはもっと歩いています。帰りは、近鉄山田線明野駅から電車に乗りますが、この道筋は、「歩いて伊勢参りツアー」でも歩いたルートとほぼ同じ(2021年12月15日:20211211「東海道・伊勢街道歩いて伊勢参りツアー」第16回「明野からいよいよ伊勢神宮・外宮へ」(その1)……明野駅をスタートし、宮川を渡り、神領域へ)。

Img_1623c Img_1618c 離宮院は、斎王(伊勢神宮に奉仕する未婚の皇女・王女)が、伊勢神宮に奉仕する際に宿泊所としていた施設で、大神宮司の政庁や度会郡の駅家でもありました。元は、山田原沼木郷高河原(現在の伊勢市宮後、月夜見宮のあたり)にありましたが、水害によって、延暦16(797)年8月にこの地(湯田郷宇羽西村、現在の伊勢市小俣町)に移転しています。天長元(824)年に多気の斎宮(現在の斎宮跡)が不便なために、ここ離宮院を斎宮にあてたことがありましたが、承和6(839)年に火災で全焼し、斎宮は多気に戻っています。鎌倉時代以降、斎宮の廃絶によって、離宮院も次第に荒廃しましたた。大正13(1924)年に国の史跡に指定されています。

 Img_1570c 現地には、土塁が残っています。その表示もありますが、土塁ということばからは、もっと高い土の盛り上がりがあるかと思ったのですが、私にとっては必ずしもはっきりしませんでした。

Img_1638c_20250520154001 Img_1630c  敷地はかなり広大で、現在は離宮院公園として整備されています。左の写真は、宮川駅のすぐ南あたりの様子。右は、離宮院跡の説明看板。正門と思われる八脚門や、それに続く垣(塀)や建物の跡が、昭和54(1979)年の発掘調査で見つかっているそうです。ただ、斎宮跡ほどきちんとした調査は行われていないような印象でした。

Img_1538c_20250520153901 Img_1550c  「力藤」と書かれた藤棚がありました。「力藤の伝説」があり、力藤の生存した時代に必ず一人、腕の強力な力士が生まれ、決して負けなかったそうですが、何をいいたいのか、今ひとつよく分かりませんでした。その近くには、梅園があります。

Img_1556c Img_1574c  官舎神社が離宮院跡の西側にあります。このようなところを通って、官舎神社の方へ歩いて行きます。東側からは、裏参道となっているようでした。途中には、皇大神宮遥拝所があります。

Img_1722c Img_1714c_20250520154001  官舎神社は、なかなかよい感じの神社でした。神社の説明板によれば、主祭神は建御雷之男神経津主神天児屋根尊、姫神です。延暦16(797)年8月3日、離宮院が創設されたとき、神宮祭主大中臣朝臣諸魚らが、中臣氏祖神・春日明神を大仏山東麓津島崎から離宮院西方に遷座。平安・鎌倉時代は、延喜式内「官舎神社」と同じ神として、歴代大宮司により氏神祭が行われたといいます。15世紀後半の離宮院廃絶にともない、この社も廃れ、中世末から、近世にかけては社殿もないまま離宮の神として祀られていたそうです。寛文3(1663)年、大宮司中臣精長が、離宮の一角に中臣氏社を再興し、離宮の神と一体のものとして明治に及びました。珍しい社名ですが、大宮司の庁院や斎内親王の離宮の「官舎」に由来すると伝えられています。

 Img_1658c「離宮さん」「旅の宮」「大漁宮」とも呼ばれ、航空・交通安全や、漁業者の方からの信仰も集めているといいます。

Img_1673c Img_1664c_20250520154001  目を引いたのは、狛犬。狛犬には詳しくありませんが、かなりグラマラスです。「足留め」といって、不幸や、悪事、厄災を止めるために「足留祈願紐」を狛犬の足にくくりつけると効果があるそうです。

Img_1705c  社務所の近くには、獅子岩が祀られていました。離宮院が盛んな頃、鬼門を守る災難除けとして、獅子頭に似た奇石を祀ったと思われるそうです。現在は鬼門の位置から社務所の近くに写され、石を撫でると災難除けになるといわれ、信仰を集めています。

Img_1776c Img_1784c_20250520154001  以上で、本日の目的地はほぼコンプリート。もっと見て回るところがあると思ったのですが、ちょっと当てが外れたというのが本当のところ。離宮院跡は、国の史跡ですからもう少し整備し、説明板なども充実して欲しい気がします。宮川駅の方を回って、伊勢街道に出ます。このあたりの伊勢街道は、2回歩きましたが、いずれも桑名方面から来ました。今日は、逆に桑名を向いて行きます。小俣小学校のところに小俣町道路元標(右の写真)。

Img_1806c_20250520154001  2.5㎞の手前に新出の庚申堂と、常夜灯。庚申堂は、安永年間(1772~1781年)の建立で、ここは新出村の南口。悪いものが入ってこないようにということであろうと思います。

Img_1848c  ほぼ3㎞地点にへんばや本店。今日の2つ目のミッションは、ここでへんば餅と、昆布の佃煮を買い、さわ餅を食べてくることでした。餅屋で佃煮?と思われるでしょうが、これがおいしいのです。さわ餅は、松阪から伊勢あたりの名物餅の1つ。残念ながら、工事中で店内に埃が立つことがあるので、店内飲食は取りやめているということで、さわ餅も2個パック1つを買ってきました。

Img_1844c  へんばやの向かいにシイの木が2本。昔は、椎の辻と呼ばれていて、このシイの木に触ると、祟りがあるといわれたそうです。

Img_1861c Img_1872c  3㎞あまりですから、割と早く、12時過ぎにゴールの近鉄山田線明野駅に到着。近鉄松阪駅の駅ナカファミマで「おむすび&焼きそばセット(¥430)」をゲットしておきましたので、待合室で昼食。明野駅発12時25分の普通電車伊勢中川行きで、松阪に12時42分に到着。12時54分発の急行名古屋行きに乗り換えて、桑名駅には14時3分に到着。¥1,370。それにしても、今日の目的地は、伊勢の手前(実際には、伊勢市内)でしたが、これはやはり遠い(笑)。

Screenshot_20250520143450c  今日は、やはり暑かったですね。トータルで7.78㎞を歩き、歩数は11,326。普段の散歩に毛が生えたくらいですが、暑くて、汗をかきましたし、500mlのペットボトルのお茶を飲み干しました。

Img_1875c_20250520154001 Img_1879c  こちらは、土産に買ってきたもの。左の写真で、向かって左にあるのが、さわ餅。四角に切ったのし餅に餡を挟んだシンプルなお餅です。白とよもぎの2種類があり、甘さもひかえめでした。へんば餅や、昆布の佃煮は、上のリンク先にきちんとした画像と説明があります。

250520082827156c_20250522031401  オマケその1。往きに桑名駅で電車を待っていたら、ミジュマルライナーがやって来ました。上之輪新田でミジュマルライナーの写真を撮っていたのですが(2025年4月12日:長良川河口堰、長島町そして上之輪新田へ……念願のミジュマルライナーの写真も撮れました)、間近で見るのは初めて。ちなみに、途中、白塚駅にある白塚車庫にポムポムプリンがペイントされた「三十三銀行ラッピングトレイン」(2025年4月27日:今年もコアジサシはやって来たか?)が留置してありましたが、これは写真は撮れず。

Img_1495c_20250522031401 Img_1498c_20250522031401  オマケその2。松阪駅から乗車した参宮線の電車は、ワンマン運転でした(2枚目の写真)。ワンマン列車への乗降はすでに慣れましたが(2021年10月15日:20211009「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第11回「津・高茶屋~松阪・小津」(その1)……JR高茶屋駅をスタートし、玉造院、明治天皇島貫御小休所跡、円福寺を見て、雲出川を渡って松阪へ、2021年10月20日:20211016「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第12回「松阪・小津~松阪駅」(その1)……JR紀勢線・六軒駅を降りて、市場庄の古い町並みへ)、最初は戸惑いました(笑)。これらの写真は、車内のものですが、車外にもドアの開閉ボタンがあります。ランプが点灯している間(つまり、停車中)にこれを押すと、ドアが開閉して、乗降できるのです。宮川駅で下車する際も、先頭車両の運転室のすぐ後のドアを利用するのですが、運転士さんに切符を渡したあと、自分で「開くボタン」を押して電車を降りました。

Img_1506c_20250522031401  こちらは、車内に掲示されている「ワンマン列車の乗降方法」です。ご参考までに(笑)。

2025年5月19日 (月)

久しぶりのイソヒヨドリ……オオヨシキリに接近したものの

Dsc05426c  晴れる時間帯もありますが、スッキリとは晴れず、薄曇り。しかし、気温は、26.8℃まで上がっています。今朝も、いつものように、7時20分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町と5.7㎞。歩き始めは4~5m/sの風がありました。

Dsc04848c_20250519134101 Dsc04862c_20250519134101  七里の渡跡まで来たら、近くからオオヨシキリの鳴き声が聞こえてきます。耳を疑ったものの、間違いはありません。渡し場跡から奥に入った、旧桑名城の堀沿いの木の中に、オオヨシキリが1羽いるようです。右の写真は、渡し跡から南にある北大手橋を渡り、柿安コミュニティパークの西の端まで行って撮ったもの。写真の右端奥が七里の渡跡。オオヨシキリは、始めは向かって左の木に、その後、向かって右の木に移って鳴いていました。目をこらしても、双眼鏡でよく見ても、その姿は見えず、残念。2~3年に1回くらい、散歩コースあたりに迷ってやってくる気がします。いつもは、揖斐長良川の中州にいるのです。

Dsc04950c_20250519134101  今日も野鳥はいません。スズメ、ムクドリ、ドバトくらい。たまにカラス。久しぶりにヒヨドリを見たくらい。スズメのヒナは、九華公園の相撲場近くで撮りました。このあと、奥平屋敷跡でシジュウカラ、カワラヒワを見て、コゲラの鳴き声を聞いたのですが、写真は撮れず。

Dsc05166c Dsc05311c_20250519134101  貝塚公園でもスズメのヒナ。2ヶ所で撮影しましたが、実際にはもっとあちこちでスズメのヒナが鳴いています。

Dsc05191c Dsc05233c_20250519134101  ここ2~3日、シジュウカラ・ファミリーとは出会わなかったのですが、貝塚公園を歩いていると、賑やかな声が聞こえてきました。ちょっと撮影しにくいところにいたのですが、何とか、シジュウカラのヒナを撮れました。葉っぱの隙間から撮りましたので、それらが被っています。

Dsc05341c_20250519134101 Dsc05350c  京町あたりでツバメの巣を見てきたのですが、あるお宅の巣には、まだツバメは来ていませんでした。巣の修復は終わっていると思います(左の写真)。右の写真は、商店にある巣。ずっとツバメが巣に就いていたのですが、昨日の午後からいなくなっています。今日は、巣の近くをツバメが飛んでおり、巣の有る所にも入って行く様子が見られたものの、巣は空っぽ。このあと、知人と出会って、京町公園で40分ほど話し込んでから、もう一度見に行ったのですが、やはり親ツバメは不在。何かあった可能性が高いでしょう。

Dsc05355c_20250519134101 Dsc05386c_20250519134101  その知人と話をしていた途中、京町公園にイソヒヨドリが、やって来ました。最初は、メスが地上に降りてきて、虫か何かを食べていました。続いて、公園の桜の木にオスがやって来たのです。イソヒヨドリ、久しぶりに見ました。もう子育ては終わったのでしょうか?

Dsc05102c_20250519134101 Dsc05121c_20250519134101  九華公園でボタンが1輪、咲きました。今頃かよぉ!? と思います。「太秋」という名札がついたもの。右の写真は、九華公園の南にあるお宅で栽培されているバラ。品種名は、分かりません。このお宅には、多種多様のバラをつくっておられ、見せていただくのが楽しみなのです。

Dsc05148c_20250519134101  明日の朝は、資源ゴミの当番。資源ゴミ回収用のフレキシブルコンテナを必要なだけ組み立ててから、立ち番をし、最後にコンテナの口をしばるなどの後始末をするのが役目。拙宅マンションは軒数が多いので、20ヶ月に1回、当番が回ってきます。朝7時前から7時半過ぎまで。カモミールは、はあぶ工房Togetherにて。

2025年5月18日 (日)

ツバメの巣から親の姿が消えた!?

Dsc04368c_20250518155301  午前中は晴れ間もありましたが、午後からは曇り。最高気温は、28.0℃にもなりました。蒸し暑い感じがします。午前中は、内輪の勉強会で講師を務めていましたので、午後から散歩へ。13時半から住吉神社、九華公園、中橋、春日さん(桑名宗社)、京町、寺町と4.8㎞、1時間半ほどを歩いてきました。

Ikimnolabo Dsc04372c_20250518155301  行きがけに桑名七里の渡し公園に立ち寄ってきました。今日は、10~15時に「いきものラボ」というイベントが行われているのを勉強会に参加なさったからから教えていただいたのです。物販、体験、展示などなどさまざまなブース、イベントがあり、お子さんにはいろいろと学べそうでした。オオサンショウウオグッズ販売、藤前干潟の野鳥紹介など興味のあるももあり、ちょっと覗いてきたという次第。

Dsc04505c Dsc04523c_20250518155301  さて、午後のこういう時間ですから、野鳥はいません。休憩タイムです。見たのは、スズメ、ドバト、ムクドリ、カワウくらい。

Dsc04606c_20250518155301  こちらは、スズメのヒナ。スズメのヒナは、今日もあちこちで鳴いている声が聞こえていました。

Dsc04669c_20250518155301 Dsc04444c_20250518155301  カワウさん。左の写真は、九華公園の堀で撮ったもの。右は、九華公園の神戸櫓跡に3つあるカワウの巣のうちの1つ。どれもまだヒナはいません。

Dsc04790c_20250518155201 Dsc04807c_20250518155201  京町でのツバメの巣観察。左は、あるお宅の巣。昨日は、巣のところと近くの電線にツバメがいましたが、今日はおらず。右は、商店の巣。昨日までは、親ツバメが、ずっと巣に就いていたのですが、今日は空っぽ。10分ほど公園で時間を潰してから、再び見に行ったものの、やはりツバメはいません。近くにも姿はなし。何か異常が起こったのか、気になります。

Dsc04483c_20250518155301 Dsc04474c_20250518155301  九華公園の花菖蒲園の様子。これも気になっています。というのも、去年の今頃は、すでに花しょうぶが咲き始めていたのです(2024年5月14日:九華公園で花菖蒲が咲き始めました)。写真は、管理事務所の南の花菖蒲園で撮ったものですが、ほかの2ヶ所も似たような状況。つぼみは出てきているものの、その数はかなり少なく、咲きそうなものは見当たりません。管理体制が変わってから、手入れがほとんど行われていません。株の数が減ったり、咲きそうになかったりすると、補植しているだけ。花しょうぶを市の花に指定しているのですから、もう少しきちんと管理してもらいたいと思います。

Dsc04718c_20250518155201  Dsc04724c_20250518155201 ところで、こちらは春日さん(桑名宗社)。6月8日に、伊勢神宮の第63回式年遷宮に関わって、御樋代木奉迎送行事が行われますが、それに向けて、令和の大改修が進行中なのです。

Dsc04732c_20250518155201 Dsc04744c  まだ完成には至ってはいませんでしたが、工事は終盤にさしかかっていると思われます。

Dsc04771c_20250518155201 Dsc04756c  春日さんは、桑名神社と中臣神社とからなっていますが、それぞれの拝殿の前には、社号標が新設されています。玉垣もたくさん奉納されています。

Dsc04780c_20250518155201  5月も早くも半ばとなりました。今週は、火曜の朝、資源ゴミの当番が回って来ます。これも大切なお役目。そろそろ勝手にハイキングに出たいと思っていますが、今週後半は、空模様が怪しそうです。天気予報とにらめっこして、出かけられるとありがたいところ。

2025年5月17日 (土)

ツバメのヒナの誕生はまだでした……余談はベランダ園芸と伊勢うどん

Dsc04088c_20250517154001 1747457388288c  夜半過ぎから雨が降り始め、10時台までは割とよく降りました。その後は、アメダスの記録に出ないくらいの弱い雨が13時半過ぎまで。雨が止むのを待って、散歩に出ました。まだ雨雲がありましたので、いつもとは逆コースで、寺町、京町、外堀、内堀南公園、貝塚公園、九華公園、住吉神社と4.0㎞。寺町商店街にはアーケードがあり、雨が降っても大丈夫なのです。実際、 今日もしばらく雨宿り。

Dsc04113c  京町では、恒例になった、ツバメの巣チェック。まずは、商店にある巣。ここは、4月28日から親ツバメが巣に就き始めました(2025年4月28日:京町のお店でツバメが巣に就き始めました)。ツバメの抱卵期間は、13~17日だそうです。もう3週間近く経ちますから、もうヒナが孵ってもおかしくはありません。

Dsc04145c_20250517154101  こちらは、とあるお宅の巣。私が行ったとき、ちょうど巣に1羽、近くにもう1羽のツバメがいました。この様子ですと、巣の修復は終わり、そろそろ卵を産むかと期待されます。

Dsc04208c_20250517154101 Dsc04164c  このあとの公園では、予想したとおり、スズメ、ムクドリ、ドバトくらいしかいません。スズメのヒナと、ムクドリは貝塚公園にて撮影。

Dsc04297c_20250517154101  こちらは、ドバト。九華公園でもパラパラとしましたので、吉之丸堀にかかる橋にある東屋で、しばし雨宿り。このドバトも、一緒にです(笑)。このあと、20分位でまた雨が降ると、Yahoo!の天気情報にありましたので、寄り道もせず、帰宅。

 250517070554854c ということで、余談を2つ、3つ。まずは、ベランダ園芸。左の写真は、4月28日に購入したサギソウ(2025年4月28日:京町のお店でツバメが巣に就き始めました)。Ea3090f5購入したときの写真が、右のもの。名札があるものは同じ鉢ですが、ほかは並べ方を変えてしまいましたが、順調に成長しています。

250505113307435c_20250517160401  アサガオは、ご覧の通り。250517070558697c4月22日に種を蒔き、5月5日の様子は、右の写真の通りでした(2025年5月5日:スズメのヒナが登場)。生育の悪いものは、5月5日以降、すでに数本を抜いています。こちらも順調と思います。

250516172206678c  もう1つ。伊勢うどんのお話し。ネットの何かの記事で、伊勢在住の方が、自宅で食べる伊勢うどんは、これだという情報が載っていました(どこにあったか、失念。見つけたら、追記します)。麺はみなみ製麺のもの、タレはマルキ商会の伊勢うどんたれだそうです。ぎゅーとらで売っているとあったのですが、ぎゅーとらの店は、あいにく鈴鹿より南にしかありません。そこで、家内に頼んで、実家に行ったときに買ってきてもらいました。ちなみにみなみ製麺の伊勢うどん生食タイプは1袋¥98、マルキ商会の伊勢うどんのたれは、1本80cc入り(約3食分)で¥178 (税込)。

250516174139430c  これでつくったのが、こちら。伊勢うどんは、太くて柔らかい麺に、少量のたまり醤油と鰹出汁を使用して作られるタレをかけて食べるものが主流で、薬味も刻みネギ程度でほとんど載せません。私は、刻みネギと削り節をたくさん載せてしまいましたから、ちょっと邪道かも。しかし、これぞまさに伊勢うどんというものができあがりました(ただし、私自身は愛知県出身で、三重県北中勢地方在住40数年ですから、あくまでも私が知る限りで、ということ)。ちなみに、「伊勢うどん」と名づけたのは、永六輔さんだという話が伝わっています。

2025年5月16日 (金)

野鳥はほとんどいません

Dsc03122c_20250516144401  晴れ間もありましたが、曇りの1日。気温も23.6℃にとどまっています。雨は、夜遅くからという予報です。いつものように、7時20分から住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、常盤町、老松公園、寺町と5.7㎞ほどを歩いてきました。結論から書きますと、今日も野鳥はやはりあまりおりませんでした。

Dsc03162c_20250516144501 Dsc03215c_20250516144501  住吉神社のところで(冒頭の写真)、ヒナをつれたスズメ。親からエサをもらっています。スズメのヒナの鳴き声は、あちこちで聞こえます。九華公園についてすぐにも、スズメのヒナが鳴いていました。

Dsc03541c_20250516144501 Dsc03455c_20250516144501  いつも奥平屋敷跡で鳥待ちをします。このところあまり鳥は出て来ません。今日も、シジュウカラのオスが1羽と、カワラヒワが2羽。今日は、シジュウカラの家族には出会えませんでした。

Dsc03290c_20250516144501 Dsc03653c_20250516144501  九華公園の堀には、カルガモ。最初に見つけたときは、2羽でした。その後見たら、3羽が一緒にいて、そのまま飛び立って行き、少し経ったときにもう1羽を見かけました。4羽がいたのでしょうが、どうして1羽のみ残ったのか?

Dsc03299c  貝塚公園、内堀公園、老松公園とも、見たのはスズメとムクドリのみ。

Dsc03769c Dsc03755c_20250516144601  京町では、これも例によって、ツバメの巣チェック。商店にある巣では、今日も親ツバメが巣に就いていました(左の写真)。右の写真は、近くのお宅にある巣。今日もツバメはいませんでしたが、写真の中央あたり、巣に向かって左上のところに新しく泥が付いているように見えます。ということは、まだ巣の修復中と思われます。

Dsc04045c_20250516144701  拙宅マンション近くの住吉入江まで戻ってきたら、カワウが小魚を盛んに捕っていました。大きな魚であれば、飲み込むのに時間を要しますから写真も撮りやすいのですが、ご覧のように、本当に小さく、なかなか写真には撮れませんでした。上下の嘴の間をよくご覧ください。

Dsc03728c_20250516144601 Dsc03735c_20250516144601  あまりにも野鳥がいませんので、ほかに何かないか、鵜の目鷹の目とまでは行きませんが、よく見てきます。左の写真は、九華公園の外周遊歩道の東にあるお宅に咲いていたゼニアオイ。右は、内堀公園近くのお宅に咲いていたバラ。バラの種類は、まったく分かりません。

Dsc03673c_20250516144501  明日は昼過ぎまで雨の予報。午後早くに雨が上がれば、それから散歩に行こうと思いますが、その時間帯では、少ない鳥は、なおさら少ないこと間違いなし。

 

2025年5月15日 (木)

今日もまたまたシジュウカラ・ファミリー

Dsc01917c_20250515140101  薄曇りという感じですが、今日も夏日になっています。最高気温は、26.2℃。明日から天気は下り坂という予報です。今朝も、7時20分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町と6.3㎞。鳥はやはりあまりいませんので、2時間あまりで帰宅。冒頭の写真は、蟠龍櫓

Dsc01838c_20250515140101  散歩に出て、七里の渡跡、三之丸公園あたりまでには、スズメが少しいたのみ。写真は、七里の渡跡で撮ったもの。三の丸水門のところでホオジロのオスの鳴き声が聞こえたのですが、葉っぱが邪魔で写真は撮れず、ウロウロしていたら逃げられました。同じあたりで、揚げ雲雀も見られたのですが、これも撮影できず。

Dsc02179c_20250515140101 Dsc02320c_20250515140201  ちょっとガッカリしながら、柿安コミュニティパークを歩いていたら、シジュウカラ・ファミリーに遭遇。左の写真はヒナ、右は大人のメス。胸元の黒いネクタイが細いのです。相変わらず賑やかにあちこち移動しながら、ヒナはエサをもらっていました。

Dsc02063c_20250515140101  シジュウカラを一所懸命に撮影していたら、違う鳥も混じっていました。ムシクイの仲間です。このあたりで見るのは、ほとんどセンダイムシクイですから、これもそうだろうと思います。しかし、鳴いてくれませんし、頭も上からは見えませんので、「ムシクイの仲間」としておきます。

Dsc02380c_20250515140201  九華公園は、今日もかなり静かです。スズメ、カラスなどを少し見ただけで、ムクドリ、ヒヨドリはほとんどいません。カワラヒワも少し鳴き声を聞いただけ。このスズメのヒナは、二の丸跡にて。鳥がいませんから、鳥待ちはせず、歩きながら探したのみ。

Dsc02544c_20250515140201Dsc02580c_20250515140301  鎮国守国神社の境内から、またシジュウカラ・ファミリーの鳴き声が聞こえてきました。柿安コミュニティパークからここに移動したと思われます。ヒナが青虫のようなものを足で押さえつけていました。まだ自分で捉えるのは難しいでしょうから、親からもらったと思います。写真にはありませんが、一人前に食べる前には、青虫を振り回して、枝に打ち付けていました。

Dsc02584c_20250515140301 Dsc02606c_20250515140301  飲み込むまでのシーンを目撃できました。これだけの大きさがありますと、ヒナもお腹がふくれたのではないでしょうか。

Dsc02644c  今日は、シジュウカラ・ファミリー・デーです(微笑)。野鳥が少ない中、堪能できました。これで、いい写真がもっと撮れていれば、大満足でしたが、贅沢をいうとキリがありません。

Dsc02868c_20250515140101  ほかの公園には、スズメ、ムクドリがいたくらいで、京町へ。ツバメの巣チェックです。お宅にある巣には、今日はツバメはいませんでした。昨日は、巣の縁にまだ穴があったのですが、それが塞がれたように見えます。

Dsc02897c  こちらは、商店にある巣。オスの親ツバメが、巣の中から白い、小さなものをくわえだし、このあと飲み込んでいました。ヒナの糞か?とも思ったのですが、ヒナの姿も見えませんし、鳴き声もしていませんので、まだ孵っていないのでしょう。

Dsc03055c_20250515140001  寺町通商店街を抜けて、住吉入江まで来たら、上空をダイサギが通過。イマイチですから、証拠写真。入江には、ツバメがやって来て、水面をかすめるように飛んでいきます。水を飲んでいるのでしょうが、今日は写真は撮れず、残念。

Dsc01903c_20250515140101  鳥がいませんから、昆虫でもと思うのですが、チョウなどは案外少なくて、撮影のチャンスはあまりありません。アオスジアゲハは、七里の渡跡にあるセンダンの花に来ていました。

Dsc02731c_20250515140301 Dsc02353c_20250515140201  青モミジ。紅葉もいいのですが、青モミジもなかなかよいと思います。翼果を撮ったら、テントウムシも写っていました。「黒地に赤2紋」タイプのナミテントウかと思いますが、テントウムシの分類も難しそうですから、自信はありません。

Dsc03095c_20250515140001  あちこちでサツキが満開になっています。これは、拙宅マンションのエントランスにて撮影。先週の土曜、天候がはっきりせず、近鉄ハイキングに行けませんでしたので、ムラムラしてきています(苦笑)。代わりにどこかに行きたいと思っています。候補はいくつかあるのですが、いずれも松阪あたりより先。時間も、運賃も、労力もかかりますので、思案中。

2025年5月14日 (水)

今日もシジュウカラ・ファミリーに遭遇

Dsc01783c_20250514135901  朝のうちは、薄曇りでしたが、9時頃からよく晴れて来ました。最高気温は、25.0℃と、今日も夏日。7時20分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町と6.2㎞。2時間半弱。

 Dsc01508c_20250514140101 Dsc01475c_20250514140101 今日も鳥は少なく、どこへ行っても、スズメかムクドリくらいしかいません(苦笑)。これらの写真は、内堀公園で撮影。

Dsc00890c_20250514135901  住吉神社で、全身のかなりの部分が白いドバト。これはかなり目立ちますから、敵がいるとヤバそうです。今日も、揖斐長良川の中州からは、オオヨシキリの鳴き声が聞こえてきます。

 Dsc00942c_20250514135901三之丸公園でスズメのヒナの鳴き声がしましたので、探しました。さすがに見つかりにくいところにいます。親がエサを運んでくるのを待っているようでした。

Dsc01024c_20250514135901  九華公園に着いても静かでした。散歩友達で鳥見の大先輩のSさんに久しぶりに遭遇。御年90歳手前にして、毎日のように歩いておられます。散歩&鳥見友達のYさんは、「今日は、ハトとムクドリしか見ていない」とおっしゃいます。

Dsc01075c_20250514140001 Dsc01285c  ほとんど坊主か、と思ったら、吉之丸堀を本丸に渡ったところで、あのシジュウカラ・ファミリーに出会えました。柳の木からシダレザクラの並木へと、賑やかでよく動きますので、なかなか撮影させてもらえません。ヒナは、3羽くらいいると思うのですが、確認するのは難しい。

Dsc01367c  貝塚公園では、スズメの親子。

Dsc01551c_20250514140101 Dsc01619c_20250514140101  京町にある2ヶ所のツバメの巣も見てきました。お宅にある巣では、ツバメが何かしているようでしたので、じっと見ていたら、ツバメが飛び出してきました(左の写真)。まだ巣を直しているような気がします。右の写真は、商店にある巣。今日もツバメが巣に就いていました。今日のバードウォッチングは、残念ながら、以上。

Dsc01315c_20250514140101 Dsc01355c  九華公園と貝塚公園にアツバキミガヨランがあります。最近気にしていたのですが、今日、やっと花が咲いてきていました。漢字では「厚葉君が代蘭」。キミガヨランは学名の種小名「グロリオサ(栄光のある)」という意味を「君が代は栄える」という風に解釈して名付けられたそうです。アツバは葉っぱ厚いという意味。北アメリカ原産の常緑低木で、高さは1~2m。

Dsc01435c_20250514140101 Dsc01307c_20250514142501  貝塚公園の近くで、柿の木をよく見たら、実ができてきていました。何だかおもしろい形をしています。そういえば、ビワの木にも実がなっていました。これは、鎮国守国神社の社務所の裏手で撮りました。

Dsc01736c_20250514140101 Dsc01754c_20250514135901  寺町では、御坊さん(桑名別院本統寺)に立ち寄ってきました。目的はまずは、菩提樹の様子見(左の写真)。つぼみが付いてきていますので、今月後半になると、花が咲くでしょう。境内にある池では、スイレンの花。

Dsc01147c_20250514140001  という次第で、今日も、野鳥は少なく、2時間半弱で帰宅。シジュウカラ以外に、スズメのヒナはよく見ますが、カワラヒワのヒナはあまり見ません。夏の鳥は、この間のムシクイの仲間(たぶんセンダイムシクイ)のみですが、その後、見られていません。キビタキもまだ見ていません。暇がありますから、月曜日に受講してきた市民大学郷土史学科について、今年もまた、講義内容や資料をもとに、勝手に調べて、自己流のまとめをつくっています。

2025年5月13日 (火)

今日は、シジュウカラのヒナが親からエサをもらうシーン

Dsc09573c  今日も好天で、予報通りに夏日になっています。最高気温は、26.2℃。散歩している途中からすでに、「ちょっと暑いかも」と思ったくらい。7時20分から住吉神社、九華公園、貝塚公園、九華公園、内堀公園、京町、寺町、南魚町、田町、三崎通と5.0㎞。

Dsc09617c_20250513142801  住吉神社のあたりでは、揚げ雲雀が見られましたが、ほかにいたのはスズメくらい。七里の渡跡には、今日もカルガモが1羽。渡し場の奥の堀の方で休んでいます。散歩に好適な気候なのですが、歩いている方はむしろ少なくなっています。年配の方は、もっと早い時間に歩いているのかも知れません。そういう話を聞いたことがあります。

Dsc09665c_20250513142801 Dsc09769c_20250513142801  九華公園でも、歩いているのは、毎日出会う方ばかり。奥平屋敷跡近くの花菖蒲園ではハクセキレイ。奥平屋敷跡には、珍しく、真ん中当たりまでイソシギが入ってきていました。

Dsc09964c_20250513142701 Dsc00193c_20250513142701  昨日、九華公園の外周遊歩道の東あたりでシジュウカラのファミリーに出会いましたが、今日は、ここ奥平屋敷跡に来ていました。ヒナも2~3羽はいる感じでした。右の写真は、ヒナが親からエサをもらうところ。グッドタイミングでした。

 それにしても、Dsc00371c_20250513142701ヒナのかわいいこと。何枚写真を撮ったことか(笑)。しかし、ほかにもいないか、特に昨日であったムシクイを探したのですが、今日は見当たりません。スズメ、ドバト、キジバト、ムクドリ、カラス、カワラヒワがいたのみ。スズメのヒナの鳴き声があちこちで聞こえるのですが、木々の葉っぱが生い茂っていることもあって、なかなか見つけられません。

Dsc00624c_20250513142701  貝塚公園で、ようやくスズメのヒナを見つけました。親からエサをもらうところも2~3回見たのですが、残念ながら、枝や葉っぱの陰で、写真は撮れず。

 Dsc00707c_20250513142601 京町でツバメの巣を巡回。左の写真は、あるお宅の巣。修復をしていたところです。直したところの泥はかなり乾いてきました。よく見ると、まだ欠けているようですが、今日は、近くにもツバメの姿はありませんでした。

Dsc00744c_20250513142601  こちらは、京町の商店にある巣。今日はオスがいました。巣の中を見た後、巣に就いていました。ここは、上手く行けばもうじきヒナが孵るはず。博物館にも、巣が3つくらいありますが、最近はツバメは来ません。田町、では、去年までツバメの巣があった商店が解体され、現在更地になっています。三崎通にも2つ、古い巣があるのですが、見ている限り、今年はツバメは来ていません。今年、散歩コースで営巣しているのは、京町の2ヶ所のみ。バードウォッチングは、以上。

Dsc00489c_20250513142601  九華公園に隣接している鎮国守国神社では、今日は、当日祭と献茶式(松尾流)があります。以前伺ったところでは、この当日祭が、鎮国さんのメインのお祭りだそうです。当日祭は、正しくは、例大祭当日祭。ちなみに、5月・3日の金魚まつりは、例大祭前期祭(こちら)。以前は、桑名藩最後の藩主であった久松松平家のご子孫の方もいらしていたようです。大奥様は、このご子孫を「お殿様」と呼んでおられ、ちょっと驚いた記憶があります。

Dsc09062c_20250513145001  ツツジはほぼ終わり、花しょうぶが待たれる季節になっていますが、花菖蒲園は、まだこんな感じ。小声でいいますが、最近、花菖蒲園の手入れが十分には行われていませんので、どのくらい咲くか、かなりアヤシいのではないかと疑っています。

Dsc00390c_20250513142701 Dsc00530c_20250513142601  奥平屋敷跡で、これはセンダンの花と思います。淡紫色の5弁の花がたくさん円錐状についています。九華公園の外周遊歩道の南では、カラーが咲いています。

 Dsc00808c_20250513142601毎年見ているのに、名前は知りませんでしたし、調べもしていませんでした。シャリンバイというようです。大気汚染や暑さに強いうえ、潮風にも強い常緑性の花木だそうです。緑地帯や公園などによく植えられている訳です。

2025年5月12日 (月)

シジュウカラのヒナと、ムシクイの仲間……相当久しぶりの祝 ご当選も!!

Dsc09559c  雨は未明に上がりました。7時20分から、いつものように散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園と回ったところで、家内に迎えに来てもらい、買い物へ。ワークマン、Triailと回って帰宅。午後からは、くわな市民大学郷土史学科の講座へ。往きは家内にクルマで送ってもらい、帰りは徒歩で帰宅。歩いたのは、あわせて6.0㎞。最高気温は24.3℃で、風は弱かったので、暖かいから暑いの中間くらいの陽気でした。

Dsc08981c_20250512183401 Dsc09020c_20250512183401  住吉神社前で、スズメのヒナ。住吉神社のあたりで毎日のようにスズメのヒナを見ます。今日は、親は近くには見当たりませんでした。揖斐川にはカワウがいたくらい。揖斐長良川の中州からは、今日もオオヨシキリの鳴き声がよく聞こえてきます。七里の渡跡に来たら、今日もカルガモ。ただし1羽だけ。

Dsc09180c_20250512183401 雨上がりということもあってか、散歩する人もあまりいません。九華公園でも、出会った散歩友達はお一人だけ。鳥もいません。スズメ、ドバトくらい。ヒヨドリはゼロ。ムクドリ、カラスはわずかというふう。公園内を半周し、鎮国守国神社の境内から本丸跡に戻ったら、筏橋あたりから鳥の鳴き声。イソヒヨドリのメスのオスでした。近くには、ハクセキレイもいたのですが、きれいには撮れず。野球場には、ドバトの大集団。

Dsc09387c_20250512183501 Dsc09436c_20250512183501  九華公園の外周遊歩道の東で、シジュウカラたち。複数のファミリーのように思われました。というのも、10数羽がいたのです。幼鳥もかなり混じっていました。たくさん撮った中から、それなりに写ったものをここに載せています。ヒナといえば、二の丸跡、朝日丸跡でもスズメのヒナの鳴き声が、何ヶ所からか聞こえていましたが、今日は、写真は撮れず。

Dsc09472c_20250512183401  シジュウカラたちがいたのと同じあたりに、ムシクイの仲間。少なくとも2羽はいました。九華公園でもっともよく見られるムシクイの仲間は、センダイムシクイですから、それであろうと思いますが、鳴き声は聞きませんでしたし、詳細は不明。複数いたということは、ここにやって来たばかりかという気がします。貝塚公園では、スズメ、シジュウカラ、カワラヒワなど。

250512124358399c 250512124547523c  買い物に連れて行かれたあと、午後からは、予定通りにくわな市民大学郷土史学科の講座へ。今日が第1回。昨日も書きましたように、「桑名藩から見た戊辰戦争」がテーマ。定員50名のところに90名以上の応募があったそうですが、講師の先生が「座席がある限り受け入れましょう」とおっしゃったそうで、全員受講可となったそうです。パブリックセンターの大研修室がいっぱいになるくらいの受講者でした。

250512162728911c  講座のあとは、同級生K氏と喫茶店へ。気づいたら、1時間半近くしゃべっていました(オッサンなのによくそれだけ話すことがあるな、という突っ込みは十分以上にあります)。ここで旧知の心理士さんに遭遇。ちょっとだけお話ししてきました。彼女は、仕事をしていた様子。

 散歩中は、天気は今ひとつで、花はあまり撮って来ませDsc09042c Dsc09530c_20250512183401 んでした。左の写真は、サツキ。九華公園の管理事務所近くにて。右は、アジサイ。九華公園の外周遊歩道の南にて。気づかないうちに、花が咲く準備が進んでいます。

 ところで、余談ではありますが、久しぶりに「祝 ご当選!!」が出ました。250512170131188cブックオフの2025年3月買取ブッくじ祭!で、「C賞 ブックオフお買い物券500円分」が当たりました。懸賞に当たるのは、いつ以来かと思うくらい久しぶり。中日新聞のクロスワードには、毎週律儀に応募しているものの、ここ10年近く当たったことがありません。まぁ、バチも当たってないようですから、良しとしましょう。

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  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)