お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2024年11月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2019年1月以降の記事を残し、2018年12月以前の記事は削除しました(2019年1月1日から2024年11月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

趣味

2024年11月 6日 (水)

2週間ぶりの授業で調子が狂う(苦笑)

241106093141567c  2週間ぶりの非常勤の授業でした。同じ時間帯に出講しておられる、ほかの先生方も「1週休みがあると、調子が狂ってしまう」とおっしゃっていましたが、私も同様の感じ。この先は、12月18日まで休みなしで続き、12月25日は、金曜の授業となっています。気が早いのですが、来年は、1月8日がスタート。

241106102628828c  学生諸君の出席率は80%台に回復しました。しかし、昨日も書きましたように、欠席回数が多い学生がいますが、今日も来ていなかったりして、「成績評価の対象外」を宣告せざるを得なくなっています。事情はあるのだろうと思いますが、何も連絡がありませんから、これもやむなしという判断をしています。

241106092255523c 241106092228085c  今日は、余談の方が多くなります。まず、朝、出勤のとき、江戸橋駅に観光列車「つどい」が止まっていました。デザインが新しくなってからは、初めて見ました(2023年11月15日:非常勤の講義は、半分を終えました、2018年10月20日:20181020近鉄ハイキング「芸術の秋!鈴鹿山脈を望み湯ったりウォーキング」へ……菰野駅をスタート、五郎兵衛地蔵、三滝川ジョギングコース、大羽根園運動公園から湯の山温泉駅、観光列車「つどい」もしっかり見てきました(完))。サイクルトレインとしても使えるようで、とても楽しそうな電車でした。

Dscn6287c Dscn6297c  授業終了後、そろそろかと思って、志登茂川に立ち寄ってきました。今日は、四日市港潮汐表では、満潮が8時50分、干潮が14時10分と、昼過ぎは、潮が引いている途中。上流方面(左の写真)、下流方面とも、近いところには野鳥はいません。

Dscn6296c Dscn6307c  対岸の遠くを見ますと、カルガモとマガモらしき姿が見えていました。ここから下流には、コサギらしき姿が、数羽。写真は上手く撮れなかったのですが、セグロカモメらしき姿もありました。上流方向のかなり遠くには、オナガガモや、ヒドリガモかと思われる姿もあったのですが、確信はありません。カメラは、光学20倍ズームのコンデジですので、これまたいかにも非力。まぁ、仕事のついでですから、やむを得ません。

241106132956602c 241106133003175c  余談3つ目。桑名駅東口には、桑栄メイトがあります。4年前の7月末で閉館しています(2020年7月30日:桑栄メイト、新旧桑名駅、桑名駅あたりの繁華街を訪ねる(その1)……新旧桑名駅、桑栄メイト)が、今日、見たのはその桑栄メイトではなく、桑栄メイトや、旧桑名駅などを結んでいたペデストリアン・デッキがいよいよ、最終的に取り壊されることになりました。まもなく工事が始まり、来年3月には完全に取り壊されると表示されていました。

241106092245083c  ところで、今日の授業については、出欠をチェックし、今日実施した「自尊心尺度」の結果を集計し終えたところで、「疲れたなぁ」と作業がストップ中(苦笑)。冒頭に書きましたように、2週間ぶりに講義をしたことや、リズムが狂ったことが影響している気がします。あとで気を取り直して、作業を少しでも進めなくてはなりません。

 

2024年4月10日 (水)

前期初めての授業……久しぶりに桜の花の下で門をくぐりました

240410093152505c  風があるものの、よく晴れて、桑名では最高気温も18.8℃と快適な1日になりました。「散歩日和」と行きたいところですが、今日は、今年度最初の江戸橋での非常勤の授業日。これまで通り、桑名駅を8時40分に出る五十鈴川行き急行に乗って出勤。江戸橋駅からは歩いて、非常勤先には9時半過ぎに着きます。久しぶりに前期最初の授業のときに桜が咲いていました。

240410102348188c  授業は10時半から1時間半。今日はオリエンテーションです。授業の概要、進め方、受講上の注意点、学習の仕方などについて説明した後、自己理解のために社会的スキル尺度を実施という内容。受講者の大半は1年生。昨日から授業が始まったばかりで、緊張していたようです。今回は、聴講生の方も1名いらっしゃいます。30数名。まあまあのクラスサイズ。「まあまあ」というのは、学生全体に目が届くということで、学生たちの表情や反応がよく分かるからです。出席票に書かれた反応も良好でした。7月末まで、今日を含めて15回の授業がスタートしました。

240410121214116c  帰り道、後期は志登茂川に立ち寄って鳥を見てきますが、今日は、津駅まで行って、駅ビル(チャム)にある別所書店で文庫本を買ってきました。新刊4冊が欲しかったのですが、3冊しか入手できませんでした。そじ坊でそばを食べるか、OSOZAi+CAFE 美濃味匠で弁当もいいなという気もしたのですが、もったいないと思い直し、そのまま帰宅。帰宅後は、受講者名簿をつくり(プリントしたものをいただけますので、それをスキャナで読み込み、OCRソフトでエクセルのファイルにします。今の時代、デジタルで配っていただけるとありがたいのですが、それはありません)、出席者を確認。さらに、今日実施した社会的スキル尺度の結果を集計。今日は、ここまで、質問や感想への回答、コメント(いわゆるQ&A)を書くのはこれから。

240410092834444c  ところで、江戸橋の非常勤先へ行く途中に「一身田あんこ」という鯛焼き屋さんがあることは以前書きました(2023年7月26日:授業最終日は猛暑日……出席少なく、気になってしまいます)。チャンスがあったら、たい焼きなどを買ってこようと思ったことがありますが、未だ果たせていません。今日、店の前を通ったら、営業日・営業時間の掲示がありました。土日営業が基本ということで、水曜日は基本的に休業で、残念。津駅に私たち家族の好物である蜂蜜まんじゅう蜂蜜まん本舗)の出店がありますが、ここも水曜定休。なかなかうまい具合には行きません。

Screenshot_20240410094744c Screenshot_20240410122733c  さらなる余談。これも以前、「エキタグ」というアプリを紹介しました(2024年3月17日:20240317近鉄ハイキング酒蔵みてある記「銘酒『伊勢旭』旭酒造をたずねて」へ(一回完結))。デジタル駅スタンプとでもいえます。この近鉄ハイキングに行ったとき、桑名駅と明星駅とでゲットしたのみでした。今日は、江戸橋駅と津駅とでゲットしてきて、合計4個。江戸橋駅のもののデザインは、江戸橋という橋とその側、伊勢参宮街道沿いにある、津最古の常夜灯。津駅の方は、「日本一短い駅名」とあり、特急ひのとりと、うなぎが「つ」という文字の形になっています。津にはうなぎ屋さんが多く、うなぎがよく食べられているのです。

240410121223623c  ちなみに江戸橋駅にあるポイントは、こんな風になっています。スマホでエキタグアプリを起動し、このマークのところにタッチするとデジタルスタンプがもらえるのです。まぁ地道にゲットしていきましょう。などと書いていると、授業に行っているはずなのに、何をしにいっているのか? とお叱りをいただきそうですが、それはそれ、これはこれ。楽しみも必要なのです(笑)。

2024年3月 8日 (金)

町屋川プチ遠征は、モズ・デー

Dsc05753c Dsc05755c  朝のうちは晴れて、風もなく暖かでした。行きたいと思いつつ、なかなか行けなかった町屋川に出かけてきました。桑名駅前を8時5分に出る日の出橋行きの三交バスで、城南口まで。8時14分着、¥220。国道1号線の町屋橋から町屋川左岸を下りながら、鳥を探そうという次第。カモなどの水鳥は少なくなっているかも知れませんが、キジがそろそろ姿を現さないかと期待して、です。

Dsc05798c Dsc05893c  ホオジロのオス。2ヶ所で見たうちの1羽。アオサギは、かなり離れたところから写真を撮ろうとしたら、逃げられました。右の写真は、逃げた先にて。

Dsc05961c_20240308153301 Dsc06035c_20240308153301  モズ。ここに載せた2羽は、かなり離れたところで見ましたので、ペアではないと思います。別のところでかなり近いところにペアかと思われるモズ2羽がいました。カワアイサがまだいないかと期待したのですが、今日は姿は見えませんでした。

Dsc06139c Dsc06149c_20240308153301  町屋橋から35分ほど歩いて、国道23号線のガード下をくぐります。ここまでキジの鳴き声はまったく聞こえません。ガードをくぐったところでメジロ。3羽が一緒にいました。その近くにモズのオス。今日は、モズをよく見ました。国道23号線のあたりでは、ホオジロのペアがいたのですが、まさに逆光の位置で、残念。

Dsc06185c_20240308153301 Dsc06208c  日の出橋には、9時過ぎに到着。中州からキジの鳴き声が聞こえてきました。確認に行ったものの、姿はまったく見えません。さらに町屋川沿いに下っていきます。

Dsc06300c_20240308153301 Dsc06566c_20240308153401  セグロカモメ。中州で何かを食べているようでしたが、遠く…何を食べていたのかは、よく分かりません。セグロカモメは、ほかにも数羽を見ました。ユリカモメもあちこちにいて、合計20羽ほど。

Dsc06367c Dsc06402c_20240308153401  このアオサギさんを堤防の上の、割と近いところから見ていたのですが、逃げずにいてくれました。その近くにダイサギ。

Dsc06671c Dsc06684c  町屋川の左岸に近いところにいたカモは、ヒドリガモのみ。ヒドリガモは中州や、右岸にもいて、もっともたくさんいるカモでした。その中州あたりには、コガモ、オカヨシガモ、オナガガモの姿も見えましたが、遠すぎました。

Dsc06482c Dsc06842c_20240308153401  ダイサギ2羽が、追いかけっこ。何かの争いなのか、理由はよく分からず。

Dsc06998c_20240308153501  日の出橋まで戻ってきて、もう一度、キジが見られないか確認したのですが、鳴き声は聞こえたのに、やはり姿は見えません。バスを待っている間にも、モズのメス。

Dsc06971c_20240308153501  日の出橋を10時14分に出る桑名駅前往きのバスにて帰宅。往きの運転士さんと同じ運転士さんでしたし、たぶん習熟のためと思いますが、若い女性の運転士さんが同乗しておられました。応援したくなります。桑名駅前には10時31分着、¥380。

Dsc06946c_20240308153501  余談その1。日の出橋に戻ってきたとき、桑名の方からこのクルマがやって来て、思わず撮影してしまいました。TE27トレノと思います。いつか書いたかと思いますが、若い頃AE86トレノに乗っていたことがありました。TE27トレノは、あこがれのクルマといっても過言ではありません。素晴らしい音を残して走り去っていきました。AE86もよく回るエンジンでした。

Dsc07040c  余談その2。私は、鉄ちゃんではないのですが、この三岐鉄道北勢線のヴィアティン・トレイン、一度はきちんと撮りたい列車なのですが、なかなか機会に恵まれません。最近は、北勢線沿いにあまり出かけないからです。バスターミナルのすぐ西に北勢線の西桑名駅がありますが、今日、帰りに通りかかったら停車していました。

2023年10月29日 (日)

20231029月と木星が接近

231029182927271c Dsc02984c_20231029184601  夕方、Facebookを見ていましたら、ウェザーニューズに「今夜は月と木星が接近 ひと晩中みえるため注目」というエントリが載っていました。気づいたのは18時半頃でしたが、早速、外へ出て見てきました。満月は今朝早朝5時過ぎでした。月に向かって右に木星が見えています。明日・30日(月)明け方まで、ほぼ満月と木星が接近して見えます。夕方、東の空に姿を現して、夜中になると南の空高くに昇るそうです。木星は、11月3日(金)に「衝(しょう:太陽系の天体が地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことで)」を控えており、また、マイナス2.9等級と大変明るいため、夜空の中でも目を引くといいます。撮影したのは、18時30分の少し前。左の写真はスマホ写真(シャープaquos sense7)。右のものは、SONY RX10-M4を使用。スマホ写真の方がよく分かります。

2023年5月 8日 (月)

市民大学郷土史学科の講座が始まる……ツバメは3ヶ所で巣に就いています

Dsc01206c  雨が上がり、よく晴れたものの、強風の1日です。最大風速は9.1m/s、最高気温は23.2だそうです。朝は、いつも通り、7時半から、住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町、南魚町、田町、三崎通と6.2㎞を歩いてきました。このところ、撮りが少ない日々が続いてますが、オマケにこの強風で、九華公園までに見たのは、スズメ、ムクドリ、ドバトのみ。

Dsc00433c  九華公園でもスズメ、ドバトがほとんど。といっても数は少ないのです。奥平屋敷跡では、ほかにカワラヒワ、ハシボソガラスを見て、コゲラとシジュウカラの鳴き声を聞いたくらい。木々が生い茂ってきましたので、鳥を見つけにくくなっています。スズメのヒナの鳴き声も複数のところから聞こえ、たまに姿が見えるのですが、写真は撮れません。

Dsc00570c_20230508160501  その奥平屋敷跡にあるハシボソガラスの巣、営巣失敗かと心配したのですが、今日、ようやくヒナが3羽いることが確認できました。ただ、写真はピンボケでイマイチ(苦笑)。これは、前にも書きましたが、ほぼ真下から見上げないと巣が見えないからです。松の木の枝などにピントが合ってしまい、巣にはほとんど合わないのです。三脚は普段は持ち歩きません。手持ちで撮っています。親が餌を運んできてヒナに与えているのも、肉眼で確認できました。

Dsc00371c Dsc00851c_20230508160501  カワウの巣にも、まだヒナがいます。ただ、今日はタイミングがうまく合わず、ヒナの姿を捉えられてはいません。ほかにこれという鳥はいません。ハシビロガモのオスは元気そうにしています。

Dsc00355c_20230508160601  ツツジはほぼ終わりましたが、サツキが咲き始めました。管理事務所から道を挟んで北側のところにあります。

Dsc00401c_20230508160501 Dsc00407c  次は、花菖蒲の番ですが、これがどうでしょう? 花菖蒲園は公園内に3ヶ所あるのですが、ほとんどで「補植」しています。いつもの年なら、今自分には茎が伸びてきて、早い場合にはつぼみが見えてくるころなのですが、写真のように、花菖蒲自体がまだ成長していない印象です。

Dsc00867c  貝塚公園に行くのがいつもよりやや遅かったせいもあるのか、こちらでも鳥はほとんどいません。スズメとムクドリくらい。

Dsc00891c_20230508160501 Dsc01044c  これに対して、ツバメの巣の巡回では大いに成果がありました(微笑)。左の写真は桑名市博物館にある巣。2羽の親ツバメがやって来て、巣の手直しをしています。右は、京町の呉服屋さん。最近ずっと、親ツバメが巣に就いています。今日は、交代シーンも見られました。ここが最も早くから巣に就いていますので、ヒナの誕生も早いはず。

Dsc01093c_20230508160501 Dsc01171c  こちらは田町の商店にある巣。あまりよく見えないのですが、ここでも親ツバメが巣に就いていました。右の写真は、三崎通にあるお宅の巣ですが、ここも親ツバメがいました。昨日は、雨で散歩していませんので、土曜以降、今朝までの間に巣に就くようになったと思います。

Dsc_0863c  ところで午後からは、パブリック・センターで行われた市民大学郷土史学科の講座に行ってきました。本年度は今日から開始。12月までで全7回の講義があります。講義の前に開講式が行われ、パブリック・センター長さんの挨拶、必要な連絡事項の伝達など。

Dsc_0871c Dsc_0867c  今年のテーマは「史跡・名勝・伝説から見た桑名」です。第1回の今日は、多度大社や、多度の荘園、御厨など、多度についてのお話しでした。いつものようにワーキングメモリーをフルに使って(爆)、メモをとってきました。今年も、これまたいつものように、資料をまとめようと思っています。

Img_4596c_20230508170801  これだけでは何の写真なのか分かりませんが、自分の記録のためです。今日、アサガオの種を蒔きました。去年と同じく2鉢。蒔いた数はテキトー(微苦笑)。たくさん発芽すると思います。そこからよさそうなものを残して、間引くつもりです。

2023年3月14日 (火)

ツバメ見参!……ようやくサギソウの株分けを完了

Dsc06084c  今日はよく晴れて、風も弱く、最高気温は16.7℃ですが暖かくなりました。九華公園の奥平屋敷跡で鳥見をしているとき、上空を旋回する鳥がいました。よく見ると、ツバメです。毎年、3月中旬には見ますが、今年もいよいよツバメがやって来ました。今日見たのは、2羽。そのうち少しずつ増えてくるでしょう。

Dsc06751c  さて、散歩は、いつも通り7時半から、住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、紺屋町、新築公園、常盤町、常信寺、寺町と5.8㎞を回ってきました。3時間コース。散歩日和で、気持ちよく歩けます。

Dsc05491c_20230314152901 Dsc05638c_20230314153601  揖斐川には、カンムリカイツブリが2羽ほど。一時期は、ヒドリガモやオオバン、キンクロハジロも見ましたが、今日はカンムリカイツブリのほかには、三の丸水門あたりでヒドリガモ数羽を見たのみ。柿安コミュニティパーク西の堀、今日はオオバンが1羽いただけ。

Dsc05675c  九華公園に行く前に中橋をチェックしてきました。ここの北、南にしばらく前、ゴイサギやホシゴイがたくさん集まっていました。最近見ていませんでしたので、どうなっているか見てきたのですが、北側の木などにはまったくいません。南側の念仏宗の施設の方の木にホシゴイが1羽いたのみでした。

Dsc05709c  九華公園の北門を入ったところで1羽の鳥がやって来ました。ヒヨドリにしてはややふくよか。イソヒヨドリのメスです。オスは先週半ば、七里の渡し跡でチラッと見ました。久しぶりです。

Dsc05741c  北門近くの堀には、今日もコガモが2組。ほかには、ハシビロガモのオスや、ホシハジロのメス、キンクロハジロのメスも1羽ずついました。鎮国守国神社の社務所裏の木には、今日はゴイサギ、ホシゴイはいません。昨日、10羽ほど飛び立ってどこかに行ったのでしょうか。

Dsc06021c_20230314152901 Dsc05969c  奥平屋敷跡では、ほぼいつものメンバーが出て来ました。ハクセキレイは、虫のようなものをくわえています。シメは、当初鳴き声だけで姿は見せなかったのですが、30分以上待って登場。

Dsc06052c  ツグミは、2羽いました。ハシボソガラスは、2羽がやって来て1羽が巣にしばらく座って、もう1羽は近くの松の木のてっぺんであたりを窺っていました。卵でも産むのかと思ったのですが、10数分で2羽ともどこかへ行ってしまいました。何をしていたのか?? ほかに来たのは、ドバト、ヒヨドリ、カワラヒワ、メジロ。今日は、シロハラ、ジョウビタキのオスは来ていません。

Dsc06312c Dsc06364c  本丸跡の花菖蒲園のところで、ジョウビタキのオスと、カワラヒワのペア。ちょっと明るすぎるところ。カワラヒワは、巣材でも集めるのかと思ったものの、二の丸跡方面へ飛び去っていきました。

Dsc06388c_20230314152801 Dsc06419c  コサギは、初めは辰巳櫓跡の松の木にいたのですが、揖斐川からの導水路のところへ移動。今日は、川から水を入れていましたので、餌を採ろうとしていたようです。その近くでもハクセキレイ。

Dsc06171c_20230314152801 Dsc05929c_20230314152901  カンムリカイツブリは、今日も来ていました。カモは66羽。ヒドリガモが2ペア、戻ってきました。キンクロハジロは50羽、ハシビロガモは10羽、ホシハジロはオス1羽、メス1羽(一緒に行動してはいませんから、ペアではないかも)。

Dsc05856c_20230314152901 Dsc05854c_20230314152901  九華公園内某所のコゲラの巣作り現場。今日は、私が見に行ったときに仕事をしていました。毎日、ズーッと根を詰めて巣穴を掘っているわけではありません。今日は2羽で来て、途中で交代。ほかの写真で見ると、これらの2枚はオスでした。

Dsc06516c_20230314152801  貝塚公園ではツグミ1羽と、シロハラ1羽(左の写真)。ほかにメジロ、カワラヒワ、ヒヨドリ。割と静かでした。九華公園で会った散歩友達のWさんは、今朝8時前、ここでウグイスがさえずっていたといっておられました。ただし、「まだまだ下手くそで、コケそうだった」とか。

Dsc06575c_20230314152801 Dsc06704c  性懲りもなく、寺町商店街の河津桜にメジロが来ていないか、今日もまた見に行ってしまいました(苦笑)。しかし、やはりというか、案の定というか、ヒヨドリばかり。スズメもいません。メジロは1羽をチラッと見ただけ。近くのお宅の庭木には、メジロがいましたが、ヒヨドリがいると出て来ません。

Dsc05538c Dsc05607c  陽気につられて、あちこちで花も見てきました。ユキヤナギは、船津屋さんの裏の土手に咲いています。右の写真は、ホトケノザ。これは、住吉神社の近くにて。以前は、諸戸氏庭園前のどてにもたくさんあったのですが、昨秋、草刈りが行われてから見なくなりました。

Dsc06476c  九華公園には桜の木が450本ほどあるといわれます(ただし、老木も多く、植え替えをしていく必要があると思います)。場所や木によって異なりますが、日当たりの良いところでは、つぼみがこの写真のように膨らんできています。

Dsc06641c_20230314152801 Dsc06665c_20230314152801  常信寺では、サンシュユ(左の写真)とミツマタ。ミツマタの花はようやくかなり咲いてきました。例年より遅い気がします。黄色はビタミンカラーで、元気が出るそうですが、確かにそんな気がします。

Dscn5827c  ところで、午後からはようやくサギソウの株分けを行いました。すでに芽が出て来てしまって、気になっていたのですが、水苔を入手するのに手間取っていました。昨シーズン、冬越しに失敗しましたので、去年5月、ネット通販で5鉢を買いました(2022年5月11日:2週間ぶりの江戸橋での仕事……サギソウが届きました)。購入したものは、1鉢に2株ずつ植わっていましたが、そこから大小取り混ぜて16株となっていました。

Dscn5835c Dscn5839c  手持ちの植木鉢が6鉢でしたので、それらに分けて植えました。これでたぶん大丈夫だと思います。水やりと、日当たりに気をつけ、今年もサギソウをぜひとも咲かせたいと思っています。肥料はやり過ぎない方が良いようです。

2023年1月15日 (日)

桑名市博物館の特別展「こうなる徳川将軍家-家康と千姫-」へ

Dsc01609c  午前中はよく晴れて、最高気温はなんと15.5℃(13時31分)にまで上がりました。散歩には、ダウンジャケットを来て出たのですが、後半はそれがいらないくらいでした。いつものように、7時半から住吉神社、中橋、九華公園、貝塚公園、内堀公園、桑名市博物館、京町、寺町と6.5㎞。博物館では、特別展「こうなる徳川将軍家 家康と千姫」を見てきました。

Dsc01622c_20230115155301 Dsc01709c  住吉水門の内側に、ヒドリガモが4ペア、休んでいました。これまで、水門の外側でよく見たのですが、毎年、1月半ばくらいから水門の内側に入ってくるようになります。揖斐川にはカンムリカイツブリが4羽ほど。

Dsc01684c Dsc01699c_20230115155301  七里の渡し跡では、コガモのメスが2羽と、オオバンが2羽。

Dsc01941c  三の丸公園の東側エリアでコゲラの鳴き声が聞こえましたので、探しに行ったら、2羽がいました。あまりよく撮れなかったのですが、頭頂部に赤い色が見え、オス。

Dsc01776c Dsc01805c  ほかには、モズのオスと、ジョウビタキのオスも出て来ました。なかなか良いスタート(微笑)。追いかけて公園の南西エリアまで行ってしまいましたので、柿安コミュニティパークには行かず、そのまま中橋方面に行くことに。コゲラと一緒にシジュウカラも数羽見かけています。

Dsc01997c_20230115160001 Dsc01982c_20230115160001  中橋では、南側の木にゴイサギ&ホシゴイが12羽(もっと隠れているかも知れません)。以前は、たいてい中橋の北側の木に集まっていたのですが、ここしばらくは南側にいるようになりました。

Dsc02038c Dsc02049c_20230115160301  九華公園には8時に到着。相撲場の近くでツグミ。地上に降りていました。この1枚を撮ったら、逃げられました。カワラヒワがおもしろいスタイル。「下半身デブ」のように見えます。このあと、鎮国守国神社の社務所裏の木を見に行ったら、ゴイサギ&ホシゴイが7羽飛び出て、逃げました。コサギも1羽。最近、こちらにはいないかと思ったら、宗でもなさそうです。

Dsc02117c_20230115160501  奥平屋敷跡では、シメの証拠写真のみ。ヒヨドリ、ムクドリ、ドバトがいたほか、ツグミをちらっと見たのみ。今日は、ハクセキレイも来ません。

Dsc02205c_20230115155301  こちらは、神戸櫓跡と辰巳櫓跡の間にある松の木。下の方を見ていただくと、ほぼ水平に幹が伸び、先端が曲がって吉之丸堀に浸かっているのが見えます。この松の木が、最近、アオサギさんとハシビロガモさんの人気スポット。この写真にも上の方にアオサギ、松が堀の水に浸かっているところにハシビロガモたちがいるのが写っています。

Dsc02228c Dsc02213c  そのアオサギと、ハシビロガモたちの写真がこれら。ここのところ、毎日のようにこのブログに登場する写真ですが……。余談ですが、この堀に突き出た松の木、ずっと以前に比べ、徐々に傾いてきています。以前から垂直の位置からたぶん70度とかそれくらいの傾きだったのです。散歩友達の中には、「珍百景」に投稿しろという人がいるくらい。

Dsc02153c_20230115155301 Dsc02111c  カモ、今日は、合計66羽。キンクロハジロは47羽、ヒドリガモは2ペア、ハシビロガモが13羽、ホシハジロが1ペア(左の写真)。右の写真は、ハシビロガモのオス。渡ってきた頃に比べ、頭部の青色がきれいになってきて、男前になりつつあります。

Dsc02176c_20230115162201 Dsc02374c_20230115155301  ユリカモメは、30羽。野球場のフェンスで待機中というのがほとんど。今日は、エサをやる人が2組ほどあり、それを見つけると一斉にそちらに急行します。

Dsc02184c_20230115155301  野球場のフェンスの北の方にコサギ2羽の姿も見えました。

Dsc02238c_20230115155301  本丸跡の高い松の木にメジロが10羽近くてきていました。葉っぱに嘴を当てているように見えたのですが、高いところですから、単眼鏡で見ても何をしているのか、よく分かりませんでした。このあと、鎮国守国神社の境内でシロハラを見たものの、写真は撮れません。

Dsc02583c  貝塚公園で、カワラヒワ。最近、ほとんどがペアで行動しています。鳥たちの世界では、春が進んでいるようです。ほかにはヒヨドリくらいで、シロハラやツグミは見ず。内堀公園では、ヒヨドリとスズメ。

Dsc02602c_20230115155301 230115hakubutukantokugawac  このあと、桑名市博物館へ。初めに書きましたように昨日から始まった特別展「こうなる徳川将軍家-家康と千姫-」を見てきました。失礼ながら、桑名市博物館としてはけっこうな賑わい。村正の展覧会には及びませんが、最初の展示室には10名以上の方がいらっしゃいました。桑名宗社が所蔵する「東照神君画像(狩野探幽、17世紀)」や、千姫が桑名宗社に奉納したという「徳川家康座像(17世紀)」、村正作の太刀(銘が、勢州桑名郡益田庄藤原朝臣村正作、天文12(1543)年)のなどのほか、立坂神社所蔵の本多忠勝画像(江戸時代、17~19世紀)など、さまざまな興味のあるものが出品されていて、45分もじっくり見てきました。

Dsc02627c  今回、写真撮影が許されていたのは、2点。左の写真は、「脇指 銘 勢州桑名藤原勝吉 於播州姫路作之」。勝吉は、村正を祖とする千子(せんご)派の刀工・正重の門人で、桑名藩工。本多家が姫路に転封となる前後(元和3(1617)年)につくられたものと考えられています。「姫路」の銘を見るため、通常とは逆に展示されているということでした。

Dsc02609c  もう1つは、「焼夷弾・爆弾破片」。右側の細長く破裂しているものがM69焼夷弾で、左側の破片は爆弾のものと伝わっています。焼夷弾の方は、昭和20(1945)年7月17日深夜にB29から投下されたもの。爆弾は、同じく7月24日の昼間爆撃で投下された1トン爆弾のものといいます。昨年末、伊勢大橋の架け替え工事現場で見つかった不発弾も、この7月24日の爆撃で投下されたものであろうと書かれていました。

Dsc02642c Dsc02339c  オマケ。鎮国守国神社(左の写真)と、寺町の常信寺(右の写真)で梅がどうなっているか、見てきました。つぼみが少し膨らんだという印象。梅が咲くのは、もう少し先のようです。

Dsc02659c  ところで、今週は明日月曜午後に歯科受診。年末に入れてもらった上のブリッジの点検。水曜は、江戸橋での非常勤の授業の14回目。講義は、この日で終了予定。土曜日は、今年のウォーキング始めに出かける予定。

2022年11月23日 (水)

雨読の日は、博物館で工芸鑑賞と郷土史の勉強

1123amedas  Img_4514c_20221123130101 予報通り、朝から雨になっています。モットーの通り「晴歩雨読」で、今日は、雨読の日。なのですが、桑名市博物館で開催されている“特別企画展「華ひらく近代工芸の美−板谷波山と香取秀真−」”を見てきました。会期が次の日曜日までと迫っていて、見逃しかねなかったからです。

Dsc_6834c 1123museum  この特別企画展で取り上げられている陶芸家・板谷波山(いたやはざん/明治5(1872)~昭和38(1963)年)と鋳金家・香取秀真(かとりほつま/明治7(1874)~昭和29(1954)年)は、日本の近代工芸界を牽引した第一人者で、昭和28(1953)年には工芸家として初の文化勲章を2人同時に受章した方たちだそうです。「だそうです」というのは、私は工芸にはほとんど詳しくないのです。というより、正直に書けば、工芸には絵画などほどの関心がありませんでした。板谷波山は、日本の近代陶芸の開拓者であり、香取秀真は、鋳金工芸作家、歌人であると同時に、学問としての金工史を確立し、研究者としても優れといいます。

Dsc_6830c  この展覧会では、両者の珠玉の名品が見られるとともに、波山に師事した桑名の陶工・加賀月華(明治21(1888)~昭和12(1937)年)や、秀真と親交のあった多度の郷土史家・伊東富太郎(明治9(1876)~昭和33(1958)年)などの桑名地域との関わりも紹介されています。加賀月華は、大正11(1922)年より桑名の物産として知られていた万古窯の再興を図り、地元の赤須賀に築窯して古万古の作風を受け継ぎました。左の写真は、加賀月華の「葆光彩磁唐華文花瓶(ほこうさいじからはなもんかびん)」。「葆光彩磁」は、板谷波山が編み出した技法で、艶消しの効果によって霧が立ちこめたような幻想的な釉調が得られるといいます。伊藤富太郎は、七取郵便局長や村長を務めるなど公職を歴任するかたわら、郷土史・金工史の研究者として全国の研究者と交流するなど多度地域に留まらず、全国的にも知られる存在だったそうです。この特別企画展は、11月27日(日)まで。

Img_4532c_20221123130101 Img_4538c_20221123130101  博物館に出かけた以外は、先日の市民大学郷土史学科の講義内容のまとめを少しずつ行っています。先日は、長嶋一向一揆の話も含め、お寺の話でした。配付されたレジメとノート(左の写真)をもとに、「桑名市史 本編」(右の写真)などを参考にボチボチとやっているところ。

Img_4521c_20221123130101  という次第で、雨読の日は、博物館で工芸鑑賞と、郷土史の勉強。諸戸氏庭園の紅葉は、雨に濡れて一段ときれいに見えます。秋の特別公開が12月4日(日)まで。こちらにも出かけて紅葉を見てきたいと思っています。

 

 

2022年10月 7日 (金)

晴歩雨読で、神社調べ中

1007amedas Dsc06659c  天気予報通り、朝から雨です。最低気温は14.3℃ですが、これは8時25分に記録しています。最高気温は16.6℃。これは夜中の2時19分。11月下旬並みの気温とか。当然「晴歩雨読」の日になっています。

Dsc06663c_20221007152301  朝から、月曜日の市民大学郷土史学科の講義のまとめにいそしんでいます。この日のテーマは、当日のブログに書いたように、桑名市内の式内社(2022年10月3日:今日のバードウォッチングは今ひとつ……午後は市民大学で式内社の話)。現在、桑名市内にある式内社(と考えられている神社)は16社。プラス他に合祀された神社が1社で、計17社。もちろん延喜式神名帳が制定された当時からそのまま続いているものばかりではなく、「比定」といって、現在はこの神社がそうだろうと考えられているものも含まれています。「桑名市史本編(左の写真)」や、「くわな史跡めぐり」、ネットの神社検索(三重)などを用いて、講義のメモをもとに「講義録」を勝手に作成中(微笑)。現時点で10社分が、一応完了。

Dsc06657c_20221007152401 Dsc06650c  まぁ、いつも通りにゆったりと過ごしている訳ですが、他にしたのは、買い物に行った家内にメダカ用水草を買ってきてもらい、入れ替えたくらい。プラスティック製睡蓮鉢に10数匹(左の写真)、百均で買ったプラスティック製食品保存容器に赤ちゃんメダカが2匹。これは、先だって生まれているのを発見したもの。本当は、小さいエビ(ミナミヌマエビなど)を入れたいところですが、これから寒くなりますから、難しいでしょうね。

Dsc06641c  明日は、天気は良くなり、しかも最高気温は25℃を超える予報。10℃も変動があると、体がついていきませんね。明後日は、桑名駅西ウォーキングを予定していますが、晴れのち、夕方から雨の予報。予定通り、出かけられそうです(微笑)。写真は、九華公園方面。奥の中央の森が九華公園。

2022年8月30日 (火)

20220828長島温泉花火大競演……合成写真もつくってみました

Dsc05652c Dsc05667cc  8月28日の長島温泉花火大競演の写真です。当日、速報ということで2枚載せましたが、その後、合成写真などもつくってみました。この日も、花火は、20時から20時30分に打ち上げられました。静岡の三遠花火が担当しています。

Dsc05682c Dsc05729c_20220830165001  最初から4枚は、1枚撮りのものです。カメラは、ソニーのDSCーRX10M4を使用。撮影条件は、マニュアルモード、F13、バルブ(2~5秒程度)、ISO感度100、オートホワイトバランス、ノイズリダクションはオフ(長秒時NRをオフ:MENU→ (撮影設定1)→[長秒時NR]→オフ)、フォーカスレンジリミッターを3m-∞で設定とし、三脚(HK-835B)とリモートコマンダー(RM-VPR1)を使っています。

Gousei1_20220830164901 Gousei3  ここからが合成写真。Paint.netというアプリを使って、3~4枚の写真を合成しています。このアプリは、ブロ友のひらいさんにご教示いただいたもので、合成が容易にできます。最近のバージョンでは、複数の写真の間の微妙なずれも、重ねたい写真をマウスでクリックし、移動して調整できますので、楽ちん。

Gousei7 Gousei8  合成は容易なのですが、もちろん、その素材となるもとの写真がきちんと撮れていないことには、話になりません。今回の撮影では、その辺りがもうちょっとだったかなという気がしています。使えそうな素材が限られ、合成したものも、似たようなものばかりになりました。

Gousei5  まぁ、それはまた次の課題。今週末(9月3日(土)(磯谷煙火店)、4日(日)(三遠花火))も予定されていますが、天気予報は、雨。降水確率は、70~80%ですから、アヤシい。ちなみに、同じ日にあった四日市花火大会の方は、写真がイマイチばかりでしたので、合成写真もつくりませんでした。

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  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)

  • 関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)

    関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)
    タイトルに惹かれて手に入れたものの、序章の記述が私にとっては退屈でしばらく放っておいたり、読み直そうと思ってくじけたりしていました。しかし、そこを乗り越えるとこの本はとても面白くなり、ほとんど一気読みしました。スサノヲ(素戔嗚尊)の正体を探るプロセスでアマテラス(天照大神)の謎も明らかにされて行き、それもとても興味深いものがあるのです。アマテラスは皇祖神とされますが、実在の初代王と言われる崇神天皇はアマテラスを伊勢に追いやっています。また、伊勢神宮を整備した持統天皇だけは伊勢に参ったものの、それ以降明治になるまで、1,000年以上も歴代天皇は伊勢神宮を訪れていません。明治天皇が東京に遷御したあと武蔵国の鎮守勅祭の社に定めたのは、スサノヲの祀られる氷川神社(現さいたま市)です。明治天皇は氷川神社を訪れた翌年に、伊勢神宮を訪れています。そもそも伊勢にいる神はアマテラスなのかという疑問にも立ち向かっている、古代史や神に関心がある方にはお勧め。 (★★★★★)

  • 安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)

    安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)
    時代小説をよく読みます。捕物帖、市井の人たちの生活、侍の物語、大名の話などいろいろとあります。庶民の生活については、これまでもいろいろな本でかなり知っていますが、大名の生活については分からないところの方が多いと思っていました。タイトルに惹かれて買ったのですが、大名やその家族の生活が詳しく書かれているのではなく、勤番侍の生活、大名屋敷の庭園、御用達商人や豪農、幕末の動乱と大名屋敷などの話が中心でした。それはそれで知らなかったことが多々あり、興味深く読みました。 (★★★)

  • 服部環ほか: 指導と評価2023年10月号(図書文化社)
    「指導と評価」は、日本教育評価研究会の機関誌であるとともに、日本で数少ない教育評価に関する月刊誌です。この号では、教育・心理検査の意義と活用という特集が組まれています。「教育・心理検査の意義」に始まり、WISC-Ⅴ、KABC-Ⅱなどの個別検査の使い方、解釈の仕方、指導への活かし方がそれぞれの専門の先生によってわかりやすく解説されています。特別支援教育の現場でも、きちんとした心理アセスメント所見に基づいた支援を展開することが望ましいのですが、現場の先生方には敷居が高いようです。ご関心がおありの方には、どのように使えるか、どのように考えたらよいかについて基本的なことがらを理解するのに適しています。出版社のWebサイトからバックナンバーとして購入できます。 (★★★★)
  • 石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑

    石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑
    野鳥図鑑はすでに何冊も持っていますが、この野鳥図鑑は、2015年の刊行で、なぜ今までこの存在に気づかなかったと反省するほど便利そうなもの。掲載されているのは324種ですが、それぞれの特徴や、見わけのポイントがパッとわかるようになっています。その鳥の生活型や生息地、食性や羽色、形態などのほか、雌雄、夏羽冬羽、幼鳥などで特徴が異なる場合は、それらについても説明されています。観察したい行動から、おもしろい生態、探し方までもが載っていますし、鳥の鳴き声が聴けるQRコードも付いています。私自身、野鳥の特定がけっこうアヤシいので、しっかり活用しましょう。 (★★★★★)

  • 千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)

    千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)
    「東海の街道」シリーズの第4巻です。「街道歩きのお供に最適の1冊」といううたい文句。内容は、三重の主な街道、近世三重の城郭図・城下図を読み解く、お伊勢参り小咄、伊勢をめぐる〈参詣〉をデジタル化するの4章構成で、まさに三重の街道歩きの参考書としてよいと思います。私自身も県内の東海道、伊勢街道、美濃街道、濃州街道はほとんど歩き、ほかの街道も部分的に歩いていますし、城もここに載っているところはかなり訪ねています。デジタル化も、ブログに写真・記事を載せていますから、出来不出来はともかく、私も取り組んでいます。県内の街道はさらに歩こうと思っていますし、デジタル化にももっと取り組みたいと考えていますので、十分活用できるでしょう。 (★★★★★)

  • 唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)

    唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)
    都市にもたくさんの野鳥がいることを知る人は少ないかも知れません。私がいつも散歩している地方都市の公園では、これまで10年あまりで70種類近くの野鳥を観察しています。都会は自然の少ない人工的な環境にあふれていますが、野鳥たちはもともとの生態を活かしつつこれらにしたたかに適応してい生きています。この本では、カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽を取り上げ、その都会における生態や、活動の変化、人間と鳥との関係とその変化などについて多くの実例や、調査結果をもとに、豊富な写真を使って楽しく読めるようにまとめられています。 (★★★★★)

  • 堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)

    堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)
    「ショックドクトリン」とは、テロや大災害など、恐怖でこくみんが思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことです。アメリカでの3.11以来、日本でも大地震やコロナ禍の裏で知らない間に個人情報や資産が奪われようとしているというのがこの本のテーマ。パンデミックで製薬企業は空前の利益を得、マイナンバーカード普及の先には政府のよからぬ思惑があるなどよくよく注意し、自分の生命・財産を守らないといけないというのが著者の主張。「今だけ、自分だけ、お金だけ」という強欲資本主義に負けないようにするには、ちょっとした違和感を大事にし、お金の流れがその裏にないか、また、それで大もうけして回転ドアをくぐって逃げる輩がいないかをチェックすることです。また、政府が何か、大急ぎで導入しようとしたり、既存の制度を急拡大しようとするときは、要注意だそうです。 (★★★★)

  •  奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)

    奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)
    いわゆる「高須四兄弟」である徳川慶勝、松平容保、松平定敬、徳川茂栄は、幕末維新の激動期に、結局のところ官軍と幕府とに分かれて戦う運命になったのですが、この四兄弟を取り上げて埋もれた歴史を活写した小説。私自身は、桑名藩主であった松平定敬が取り上げられているので興味を持って手に取った次第。幕末維新は、次々に色々な出来事が起きて、さまざまな人たちの思惑も複雑に入り組んでいるので、小説にするのは難しいと思っていたのですが、隠れた主人公ともいえる高須四兄弟の視点からとても躍動感のある読み物になっています。また、この時期の歴史をより一層深く理解できたという感想も持っています。 (★★★★)