お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2025年10月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2020年1月以降の記事を残し、2019年12月以前の記事は削除しました(2020年1月1日から2025年10月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

日記・コラム・つぶやき

2025年11月 7日 (金)

九華公園にハジロカイツブリが初登場

Dsc07707c  暦の上では立冬ですが、最高気温がなんと22.7℃。冬になるとは思えない暖かさです。今朝も7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、吉津屋町、京町、寺町と5.9㎞。冒頭の写真は、住吉入江にかかる玉重橋から見た諸戸氏庭園。

 Dsc07301c_20251107143901 Dsc07207c_20251107143901 今日はこちらから。ハジロカイツブリです。住吉入江あたりでは何度か見ていますが(たとえば、2025年1月11日:住吉入江にハジロカイツブリ)、九華公園で見たのは、初めて。

Dsc05534c_20251107144101  さて、散歩の初めから。住吉神社にお参りし、揖斐・長良川の方を見たら、ミサゴがダイビングしていました。ダイビングのシーンは撮れませんでしたが、飛んでいるところを。遠かったので、まぁ証拠写真。もっと寒くなると、九華公園に来ることもあるでしょう。

 Dsc05621c_20251107144101九華公園到着は8時頃。実は、拙宅マンション前でご近所の方に出会い、しばらく喋っていて、出遅れたのです。散歩途中、知り合いと話し込んでしまうというのは、よくあります。アイガモは、元気でした。

Dsc05660c_20251107144101  Dsc05697c_20251107144101 アオサギは、今日も2羽いました。左の写真のものは鎮国守国神社の社務所裏の木に。ちょうど逆光の位置でこんな感じ。右の写真は、九華橋近くの樹上にいたアオサギ。今日は、ちょっとアップにしてみました。

Dsc05752c_20251107144101 Dsc05963c_20251107144001  アオサギを撮っていたら、本丸跡の方からジョウビタキの鳴き声。オスのジョウビタキでした。朝日に向かって鳴いていました。陽の光が当たりすぎで、よくありません。奥平屋敷跡では、ヒヨドリがいたほかに、ハクセキレイが1羽。

Dsc06365c_20251107144001  公園内を半周して、本丸跡に戻ってきたら、中央にある木のてっぺんでモズが鳴いていました。メスのモズ。この木は、本丸跡の真ん中にあるのですが、てっぺんにいると、写真が撮りにくいのです。

Dsc06473c_20251107144001  朝日丸跡を歩いていたら、揖斐川から水を入れている水路あたりにカワセミがダイビングしているのが見えました。急いで行ったものの、すでにカワセミは見えず。公園の中を回って、もう一度同じところに来たら、戻っていました。日陰、逆光気味という、ちょっと不利なポジションでした。小魚を、食べずにずっとくわえていました。

Dsc05810c_20251107144101 Dsc06040c_20251107144001  カモたち、相変わらずキンクロハジロがたくさんいます。今日は、47羽。ハシビロガモは、16羽。

Dsc06843c_20251107144001 Dsc07164c_20251107143901  ヒドリガモは、このところずっとオス2羽にメス1羽です。昨日も書きましたが、1ペアと、ひとりオスという感じ。オオバンは、今日は1羽。

Dsc06426c_20251107144001  カワウもおもしろいシーンがないか、以前よりよく見るようにしています。左の写真、よくご覧ください。写真を撮っているときには、何だかお尻を浮かしたような感じだなとしか思いませんでした。白い紐状の物体が写っています(苦笑)。

Dsc06876c_20251107144001  ユリカモメは、12羽。野球場のフェンスにたむろしていることがよくあります。

Dsc06918c_20251107144001 Dsc07103c_20251107144001  今日は、飛び回っているところも見られましたので、飛翔シーンにもチャレンジ。ウ~ン、3月以来ですから、再度練習というか、習熟が必要ですねぇ(笑)。精進します。

Dsc07562c_20251107143901  貝塚公園に行く途中、はあぶ工房のところでは、ジョウビタキのオス。時折、地面に降りて何かをついばんでいました。貝塚公園では、ヒヨドリとカワラヒワ、ハシボソガラスくらい。

Dsc07621c_20251107143901  外堀近くで、ジョウビタキのメス。今日もまぁまぁの鳥果です。

Dsc05612c_20251107144101  Dsc07698c_20251107143901 秋は、イベントシーズンのようで、明日、明後日と柿安コミュニティパークでは、「くわな商工まつり」が開催されます。すでに準備が進んでいます。11月9日(日)には、鉄砲演武が2回行われるようです。これは見てみたい気がしますが、日曜は雨予報。寺町商店街では、11月16日に餅つき。縁日や、大抽選会もあるとか。まぁ、よほどのことがないと、最近はこういうところには出かけませんが……。

251107065230169c  昨日見つけたアサガオの双葉。これは、今朝の様子。昨日と取り立てて変化はありません。しばらく水を与えることにしました。

2025年11月 6日 (木)

カワセミに大接近して撮影……5mほどのところ

Dsc05395c_20251106140101  よく晴れています。北西の風がややあるにも関わらず、22.7℃まで上がり、リビングにいるとポカポカして暖かい(微笑)。昨日とはエラい違いです。いつも通りに7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、寺町と6.0㎞。

Dsc03391c_20251106140101  散歩に出てすぐ、マンション敷地内の木にモズのオス。頭の上から鳴き声が聞こえてきたのです。この1枚を撮っただけで、諸戸氏庭園方面に飛び去りました。

Dsc03578c  Dsc03593c_20251106140101 その後は、スズメ、ムクドリなどはいたものの、揖斐長良川の中州にアオサギが1羽いるのが見えただけ。三の丸水門に来たら、イソヒヨドリのメス。今日は、蟠龍櫓は、ハシボソガラスとスズメに占拠されていたのです。しかし、そのお陰で近くで、きれいにイソヒヨドリを撮れました。柿安コミュニティパークでは、カラス。

Dsc03621c_20251106140201  九華公園に着いて、アイガモたち。アイガモ・チェックを恒例にしなくとも、北門を入ってすぐの堀に必ずいます。私の姿を見ると、一応寄ってくるのですが、最近、相手によって寄ってくるスピードが違うように思えてきました。つまり、いつもエサをやる人に対しては、すごい勢いで近寄るのですが、私の場合は違います。エサをくれるかどうか、様子を見ながら来るという感じなのです。けっこう賢いというか、食べ物はそれだけ切実なためなのか。

Dsc03728c_20251106140201 Dsc03754c_20251106140201  今日もアオサギは2羽いました。左の写真は、鎮国守国神社の社務所裏の木にいたもの。ここにいると、どうしても枝かぶりの位置からしか撮れません。右の写真は、九華橋近くの樹上にいるアオサギ。今日は、寝てばかり(苦笑)。

Dsc03830c_20251106140201 Dsc03926c_20251106140201  奥平屋敷跡に入ったら、西側の堀端に動くものを発見。イソシギでした。左の写真は、そっと追いかけた末に撮ったもの。右は、堀を挟んで西側の対岸に逃げたところ。冬の時期になると、ときどきイソシギがやってきます。このあと、朝日丸跡を歩いていたら、イソシギが2羽飛ぶのを見ました。2羽同時にいるのを見たのは、初めて。

Dsc04615c_20251106140401 Dsc05011c_20251106140101  今日も、ユリカモメが来ていました。散歩&鳥見友だちのYさんは8羽くらいいたとおっしゃるのですが、私が見たのは、5羽。昨日は曇天のもとでしか撮れませんでしたので、今日こそキレイに撮ろうと思ったのですが、ユリカモメのいた位置があまりよくありませんでした。野球場の外野のフェンスを支柱あたりです。高い位置ですので、どうしても見上げるアングルになってしまうのです。

Dsc04565c_20251106140401  ユリカモメを撮ろうと思って歩いていたら、今日も、カワセミが登場してくれました。最初は、桜の木の中。続いてしだれ桜の中。最後には、堀端。しかも、ダイビングをする度に私の方に近づいて来るのです。動かないようにカメラを構えて待っていたら、5mほどのところまで来たのです。それがこの写真。こんなに接近できたのは、初めて。600mmで撮り、ノートリミングです。

Dsc04747c_20251106140401  鎮国守国神社を回って、再び相撲場のところに出たら、ジョウビタキのオス。かなり高い木のてっぺんあたりにいました。

Dsc04200c_20251106140201 Dsc04222x  さて、ユリカモメ以外の水鳥。キンクロハジロは、61羽。少し増えました。ハシビロガモは、10羽。今日もクローズアップを撮ったのですが、嘴の脇にあるブラシ状のものを撮りたかったのです。が、イマイチ。ちょっと分かりにくい。水とプランクトンなどを一緒に吸い込み、ここでプランクトンなどだけを漉し採って食べるのです。

Dsc04796c_20251106140401 Dsc04810c_20251106142501  ヒドリガモは、いつも通り、オス2羽、メス1羽でした。1ペアと、ひとりオスという感じで行動しています。オスは、頭部の黄色い部分の色がきれいになってきました。

Dsc03794c_20251106140201  オオバンは、今日は1羽。ひとりで(1羽で)黙々と泳ぎ回り、淡々とエサを探しているという感じです。

 Dsc04969c_20251106140101 Dsc04944c_20251106140101 さらに今日は、カルガモ2羽も吉之丸堀に来ていました。先日も目撃情報がありましたが、たまにやって来ます。

Dsc05101c_20251106140101  貝塚公園に行く途中、吉之丸あたりで電線にジョウビタキのオス。貝塚公園ではヒヨドリと、カワラヒワ。写真は撮れず。

Dsc05191c_20251106140101 Dsc05218c_20251106140101  内堀公園では、カワラヒワが数羽。ほかにヒヨドリ、スズメなど。

Dsc05344c_20251106140101  拙宅マンション前まで戻ってきたら、ハクセキレイが1羽。ジョウビタキのメスもイマしたが、写真は撮れずじまい。天気も良く、暖かく、野鳥もたくさんいて、今日はバードウォッチングの吉日といえるでしょう。

Dsc05233c_20251106140101  寺町商店街を歩いていたら驚きました。いったん散ったと思っていたキンモクセイにまた花が咲いていたのです。御坊さん(桑名別院本統寺)の参道のところです。どういう具合によるのでしょう?

 Dsc05039c_20251106140101 花は少なくなりました。これは、アツバキミガヨラン。つぼみが出て来ました。もうじき咲くのではないかと思います。九華公園の外周遊歩道の南にあります。5~6月もしくは、10月が開花期だそうです。

251106164225832c 251106164230168c 余談。夕方、アサガオの種を取ろうと思って、アサガオの鉢を見て、ビックリ。小さい方の鉢の隅っこに右の写真のようなものが出現していました。今頃、芽が1つ出て来たのです。さて、いったいどうしたのでしょう? これから育つものなのでしょうか?

 

2025年11月 5日 (水)

九華公園でアオサギ2羽、カワセミ、ユリカモメにビンズイ

Dsc03381c  今日は、1日曇りです。ソーラーパワーが得られないと、元気がイマイチ出ません(苦笑)。最低気温は13.2℃とさほど低くはなかったのですが、気温は上がらず、15.6℃止まり。それでも、今朝も7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、吉津屋町、京町、寺町と6.3㎞。九華公園で余分にウロウロしました。

Dsc01571c_20251105140301 Dsc01590c_20251105140301  いきなりの余談から。七里の渡し跡から蟠龍櫓、三の丸水門のところ、道の両側に鋳物製の灯籠が並んでいました。まったく知らなかったのですが、昨晩から「東海道」ならぬ「灯街道」のイベントでした。11月12日まで。

Dsc01602c_20251105140301  ポスターも貼ってありました。このイベント、確か8年前の「灯街道・桑名宿」のイベントから始まっています(2017年3月31日:灯街道・桑名宿のイベントを覗いてきました(3/30)、2017年4月2日:改めて灯街道・桑名宿のイベントを見てきました(4/1)、2018年4月7日:風雨をついて、灯街道・桑名宿イベントへ……「青雲 樽酒」をゲット(笑))。リンク先には、夜の灯街道のイベントの様子の写真もあります。

Dsc01668c_20251105140301  さて、九華公園では先ずは、アイガモチェック。今日も女性の散歩友達の皆さんからパン屑をもらっていました。元気に過ごしています。

Dsc02418c_20251105140201 Dsc02447c  アオサギさん。実は、今日は2羽もいました。左の写真は、いつもの九華橋近くの樹上にいるアオサギさん。右の写真は、九華橋の西にある松の木にいました。歩いてきて、何か気になってふと見上げたら、そこにいたという次第。

 Dsc01914c_20251105140201 奥平屋敷跡への入り口付近で、ジョウビタキ。昨日も、ここでオスのジョウビタキを見ています(2025年11月4日:木曽御嶽山が冠雪しているのが見えました)。同じ個体のような気がします。このあと、奥平屋敷跡でカワセミが飛ぶのを見たのですが、すぐに見失いました。

Dsc02689c_20251105142201 Dsc02667c_20251105140101  そのカワセミ、公園を半周し、いつものように、鎮国守国神社を通って再び、相撲場あたりに来たら、飛んできました。20mくらい先でした。しばらく同じところにいてくれて、撮り放題(笑)。ダイビングしたのですが、この杭の向こう側に戻り、エサが採れたかどうかは不明。

Dsc02965c_20251105140101  野球場の南を歩いていたら、ビンズイが1羽、登場。ビンズイの登場も、時期がかなり早いように思います。ただし、ビンズイは渡り鳥ではなく、漂鳥。つまり、季節によって日本国内を移動します。九華公園には冬にやってくるのです。

Dsc02341c_20251105140201  さて、水鳥。Dsc02175c_20251105140201昨日、ユリカモメが2羽、飛んでいるのを見ましたが、今日は一気に増え、15羽。右の写真のように野球場の外野フェンスの支柱あたりにたむろしていました。ユリカモメは、カモたちと並んで、私にとっては「冬の使者」です。

Dsc02012c_20251105140201  Dsc01974c_20251105140201 カモたち。まずは、キンクロハジロ(左の写真はオス)。46羽いました。このところ40~50羽くらいはいます。ハシビロガモ(右の写真はオス)は、12羽。これもだいたいこれくらいの数がいます。

Dsc02777c Dsc02808c_20251105140101  ヒドリガモは、オス2羽、メス1羽とこれまで通り。ヒドリガモが最も活発に堀のあちこちを泳ぎ回っています。

Dsc03185c_20251105140001 Dsc03106c_20251105143001  さらに、今日は、オオバンが2羽に増えました。散歩&鳥見友だちのYさんは、カルガモも1羽いたとおっしゃるのですが、私は見られず。

Dsc03285c_20251105140001  その後、貝塚公園、内堀南公園では、ヒヨドリがいたくらい。住吉入江まで戻ってきたら、ジョウビタキのメス。わが家あたりに縄張りを定めた個体のように思えるのですが、確かめる術はありません。

 Dsc03066c 冒頭に書きましたように、ソーラーパワーが得られませんので、イマイチ勢いが出ません。ネットで本の広告を見ていたら、「定年後、その後」という本を見つけました。著者は定年後、再就職していたのですが、68歳でリタイア。そのとき「体力だけでなく、心身の面でも徐々に衰えを自覚するようになった」からだそうです。著者によれば「定年後は、60代後半までで、70代以降は、もう別の次元に入っていて、徐々にではあるが、目に見えて老いの影響を感じるのだ」そうです。なるほど、この考えにしたがえば、私ももう別の次元に入っていることになります。ウ~ン。

2025年11月 4日 (火)

木曽御嶽山が冠雪しているのが見えました

Dsc01514c_20251104132501  今朝の最低気温は、7.8℃。たぶん今シーズンもっとも低くなりました。日中は、16.9℃まで上がっています。陽が当たると室内では暖かいのですが、曇ると寒い感じがします。今朝も7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、内堀公園、京町、寺町と6.0㎞。

Dsc01510c_20251104132501 Dsc01508c_20251104132501  今朝は、木曽御嶽山がよく見えていました。上の方は、冠雪しているようで、白く見えています。少し引いて写真を撮ると、御嶽山の向かって左にも白くなった山が見えます。このあたりは、乗鞍岳のはず。

Dsc00702c_20251104132601  住吉入江あたりでは、ジョウビタキの鳴き声がよく聞こえていました。きっと、わが家周辺に縄張りを定めたメスでしょう。しかし、姿は見えず。その後、野鳥はあまりおらず、蟠龍櫓まで来て、ムクドリ。近くの三之丸公園にもムクドリや、ドバト、さらにはツグミも1羽いるのが見えました。ただし、カメラを向けた途端に逃げられ、ツグミの写真は撮れず。

Dsc00758c_20251104132601  九華公園に着いたら、散歩友達の女性が、アイガモにエサをやっていました。相変わらずすごい勢いでパクついています。アイガモは九華公園のアイドルになっていると何度か書きましたが、アイガモについて尋ねられることがよくあります。「どこから来たのか?」「冬は越せるのか?」「オスなの? メスなの?」などなどさまざま。

Dsc00783c_20251104132601  相撲場の近くでは、木の高いところにメジロ。あの小さい体で、よく響く鳴き声。すぐ近くにいるのかと思うくらいです。今日もアオサギさんは、来ていません。アオサギがいないと、張り合いがありません。

Dsc00997c_20251104133501  奥平屋敷跡に行く橋のところで、ジョウビタキのオス。

Dsc01083c_20251104132601 Dsc01091c_20251104132601  こちらも同じジョウビタキ。私の周りを移動して、ポーズを取ってくれたような印象。右の写真では、ジャンプした瞬間が写っています。

Dsc01370c  九華公園の外周遊歩道の南にあるお宅に柿の木があります。今年は、実がそのままになっていて、ヒヨドリやムクドリが来ているのを見ることがあります。今日は、ここにツグミがいました。柿の実がたくさん背景になってしまい、ゴチャゴチャしてわかりにくい写真になってしまいました。

Dsc00825c_20251104133801 Dsc01166c  カモはさらに増えてきています。キンクロハジロは堀のあちこちに分散していましたが、合計59羽もいました。休んでいるように見えても、鋭い視線をこちらに向けていることもあります(右の写真)。

Dsc01475x  もう1枚、キンクロハジロの写真。私の方に向かって泳いできているところ。かなりの勢いで泳いでいるのですが、それにしても水をかなりの力で押しのけていることがよく分かります。

Dsc01138c Dsc01434c_20251104132501  ハシビロガモは、12羽。左の写真は、オス。右の写真で、向かって右がオス、左がメス。

Dsc01262c_20251104132501 Dsc01291c_20251104132501  ヒドリガモは、これまでと同じく、オスが2羽にメスが1羽。九華公園に飛来してまださほど経っていませんが、オスの頭は少しきれいになってきたようです(左の写真)。

Dsc01207c_20251104132601 Dsc01346c_20251104132501  ほかにオオバンが1羽。何度も書いていますが、カワウも増えてきています。神戸櫓跡の松の木や、野球場の照明灯に集まっていたり、堀端で翼を乾かしていたりしています。今日は、二の丸跡を歩いているとき、ユリカモメが2羽飛んでいるのを見ました。すぐにいなくなってしまい、写真はありません。

Dsc01190c_20251104132601  鎮国守国神社の裏手でツワブキが咲き始めました。秋が深まってきて、ほかの花が減ってくる中、貴重です。10~12月に咲くそうです。先月、血圧が高くなって以来、仕事のことをほとんどしていませんでしたが、もうじき内輪の勉強会がありますし、来月は、少人数での研修会を依頼されていますので、ボチボチ、アタマを切り替えて、それらの準備をしないといけませんねぇ。

Dsc01061c_20251104132601  余談。毎日余談がありますが……(苦笑)。九華公園内某所で現金を拾いました。これまでにも九華公園で身体障害者手帳を、また、貝塚公園ではマイナンバーカードを拾ったことがあります。現金は、公園の管理人さんに預け、近くの交番へ届けていただきました。帰宅してから、警察から電話があり、落とし主が現れなかった場合の対応や、謝礼などについて確認されましたが、すべて辞退。写真は、九華公園にて。この橋の手前側に行くと、奥平屋敷跡があります。

2025年11月 3日 (月)

野鳥はあまりおらず、結果的にハクセキレイ・デー

Dsc09642c_20251103133601  午前中はほぼ曇っており、しかも風も強くて寒い感じでした。午後になって陽が出てきて、風は相変わらず強いものの、室内にいると暖かく感じます。最低気温は9.3℃、13時現在は17.4℃。小雨に降られるかもしれないと思いつつも、7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、吉津屋町、京町、寺町と5.7㎞。帰宅する直前から小雨で、セーフ。

Dsc09750c_20251103133701  七里の渡し跡の外にある川口水門のところにアオサギさん。揖斐川に向かって佇んでいました。40mほど先です。これくらいの距離ですと、警戒して逃げることがよくありますが、今日は大丈夫。写真はありませんが、蟠龍櫓には、スズメや、ハクセキレイ。今日は、イソヒヨドリのメスは不在。

Dsc00204c_20251103133701 Dsc00216c_20251103133701  九華公園について、まずは、恒例になったアイガモチェック。今日も元気にしていました。散歩友達の女性からパン屑をもらって、御機嫌。今日はクローズアップ写真にしてみました。

Dsc09877c_20251103133701 Dsc09925c  小型野鳥は、あまりいません。しかも、高いところにいることが多かったので、証拠写真ばかり。相撲場の近くで、シジュウカラとカワラヒワ。

 Dsc00002c_20251103133701 本丸跡からモズの鳴き声が聞こえてきましたので、行ってみましたが、やはり木のてっぺんにいて、こんな写真しか撮れず。

 Dsc00077c_20251103133701 カモは、少しずつ増えてきました。Dsc00148c_20251103133701キンクロハジロは、合計41羽にもなりました。ハシビロガモも、14羽。

 ヒドリガモは、変わらずにオス2羽、メス1羽。Dsc00124c_20251103134901散歩&鳥見友達のYさんによれば、このほか、オオバンが1羽、カイツブリも1羽いたそうですが、私は確認できず。さらにYさんからは、耳寄りな情報が得られました。数日前、九華公園にシメが集団でいたそうです。渡ってきたばかりだったのではないかと思います。

Dsc00253c_20251103133701 Dsc00285c_20251103133701  野鳥が少なかったので、今日もカワウを撮ってきました。先日も書きましたが、九華公園では、冬になるとカワウが増えてきます。集団で堀を泳いで、漁をしているところも良く見られるようになってきています。魚をくわえて自ら出てくるシーンもあるのですが、まだ撮影には成功していません。

 Dsc00313c_20251103133701 九華公園の外周遊歩道の南では、ハクセキレイ。

Dsc00435c Dsc00472c_20251103133601  貝塚公園にはヒヨドリばかり。内堀南公園から外堀に行く途中、民家の庭先でハクセキレイが、虫を捕まえていました。

Dsc00551c_20251103133601 Dsc00574x  拙宅マンションまで戻ってきたら、プレイロットにハクセキレイが2羽。成鳥のオスと、若者。つい先日も、この組み合わせがいました。

Dsc00182c_20251103133701 Dsc00192c_20251103133901  余談。九華公園内の野球場では、地元の信用金庫の理事長杯を争っての中学生の野球大会が行われていました。元気いっぱいでうらやましい(微苦笑)。

Dsc00525c_20251103133601 251103113552808c  もう1つの余談。家内が、友人とランチに出かけました。対抗してではありませんが、それなら俺もと思って、寺町商店街で開催されていた三八市で、天むすと惣菜をゲット。昼は、これでひとりランチ会(笑)。¥850なり。若かった頃、寺町商店街や、三八市は、「ジバ団のパラダイス」などと悪口をいっていましたが、この頃、自分がここでけっこう買い物をするようになってしまいました(爆)。自分も立派に「ジバ団」の仲間です(ちなみに、高齢者の方々を密かに「ジバ団」と名付けていたのです)。

2025年11月 2日 (日)

九華公園でジョウビタキのメス……どん兵衛東西セットを食べ比べてみました

Dsc09569c_20251102141501  晴れ時々曇りという予報ですが、ほぼ曇り。朝は11.2℃、昼は19.2℃となっています。いつも通り、7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、寺町と5.4㎞。

 Dsc08114c_20251102141401 Dsc08127c いきなりの余談ですが、昨日、今日と、三之丸公園、柿安コミュニティパークあたりで“tamariba”というイベントが開かれています。このあたりを通過したのは、7時45分頃でしたが、すでに出店している方々がたくさん準備しておられました。2日間合計で300店舗以上が参加するそうです。去年までは“Good Job Market”という名称でした。散歩する時間帯に開催されていれば、あちこち覗いてくるのですがねぇ。伊勢の角屋麦酒など気になる店もありました。当然、このあたり、野鳥はゼロ。

Dsc08139c Dsc08158c_20251102141401  九華公園では、まずはアイガモチェック。今日も、北門を入ってすぐの堀にいましたが、南の方。N管理人さんと一緒に覗き込んだら、急いで私たちの方にやって来ます。アオサギさんは、鎮国守国神社の社務所の裏にいました。ヒッソリと隠れるようにいるのですが、もう少し明るいところにいて欲しい。

Dsc08464c_20251102141501 Dsc08604c_20251102141501  相撲場あたりでジョウビタキのメス。ジョウビタキは人懐っこい鳥で、つかず離れずという感じでいてくれました。どちらの写真も、同じ個体のものです。

Dsc08809c_20251102141501 Dsc08720c_20251102141501  筏橋のところには、コゲラ、シジュウカラ、メジロの混群。コゲラは2羽、シジュウカラは数羽。メジロも2~3羽いましたが、それらの写真は撮れず。

Dsc09131c_20251102141501 Dsc09052c_20251102141501  この混群には、もう一度、野球場南の柳の木で出会いました。このときに写真が撮れたのは、コゲラのみ。さらに証拠写真もいいところですが、野球場の照明灯の避雷針にジョウビタキのオス。

 Dsc09302c_20251102141501 Dsc09359c_20251102141501 九華公園の外周遊歩道の南では、ハクセキレイと、ジョウビタキのオス。ほかには、ヒヨドリ、ムクドリなど。

Dsc08289c_20251102141501  カモたち。Dsc08207c_20251102141501キンクロハジロは、30羽もいました(左の写真はオス)。ハシビロガモは16羽(右の写真はオス)。

Dsc08357c_20251102141501  ヒドリガモは、これまでと同じく、オスが2羽、メスが1羽。このほかにオオバンも1羽。

Dsc09526c_20251102141501  貝塚公園では、ヒヨドリが多かったのですが、オスのモズも1羽。高い木のてっぺんで縄張りを主張していました。

251102121032981c 251102121102048c  2つめの余談。先月12日、JRさわやかウォーキングで関ヶ原を訪ね、「日清どん兵衛 東西セット」を買ってきたのですが(2025年10月12日:20251012JRさわやかウォーキング「子供から大人まで楽しめる関ヶ原の歴史と自然を満喫しよう」へ(予告編))、今日の昼、ようやく食べてみました。どん兵衛、関西は「かつおと昆布だしがベースの色のうすいつゆ」、関東は「かつおだしベースの色の濃いつゆ」ということです。つゆの味は、まさにその通り。両方食べてみて、よく分かりました。わが家あたりで売られているものは、関東のもの。私は、当然こちらの味に慣れ親しんでいるのですが、関西のものもやさしい感じがしておいしいものでした。

Dsc09570c_20251102152701  3つめの余談。1週間くらい前からでしょうか、わが家の南あたりでジョウビタキの鳴き声がよく聞かれるようになりました。ここらを縄張りに決めたジョウビタキがいるんだなと思っていましたが、写真が撮れずにいたのです。今日、この記事を書いてから、鳴き声が聞こえましたので、撮影にチャレンジ。わが家の南にある4階建てのアパート屋上のテレビアンテナにいました。メスのジョウビタキ。居ながらにしてジョウビタキの鳴き声が聞こえるのはよいのですが、ずっと鳴かれると、いささか耳につく気もします(笑)。

Dsc09401c_20251102141501  ところで、ワールドシリーズ最終戦、すごい試合でしたが、延長11回、ドジャースが逆転で優勝。ファンの皆様、おめでとうございます。山本由伸投手がMVPで、さらにめでたいですね。途中からテレビ中継を見たのですが、眠いのに昼寝ができず困りました(笑)。バラは、九華公園近くのお宅にて。

【付記】 今日は、熱田神宮から伊勢神宮まで走る「全日本大学駅伝」でした。ドジャースの戦いの影に霞んだ感じもしますが……。応援にも行かず、テレビ観戦もせずでしたが、我が母校は、出場25校中20位でした(こちら)。トップの駒澤大とは、26分差。健闘したと思います。

2025年10月31日 (金)

ツグミ、カワセミ、ジョウビタキのオス、メス

Dsc08033c_20251031133101  曇りのち雨という予報通り、午前中は曇り、午後になって13時半頃から雨が降り始めました。最高気温13.4℃、最高気温17.5℃と気温の変化もあまりありません。今朝も7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、吉津屋町、京町、寺町と5.9㎞。

Dsc06703c_20251031133401  桑名七里の渡し公園にヒヨドリ、キジバトなどがいたものの、暗くて写真にはならず。三の丸水門まで来てハクセキレイが4羽。今日は、イソヒヨドリのメスはいません。

Dsc06710c_20251031133401  柿安コミュニティパークの西の堀に、ダイサギ。この写真は、ノートリミング。しかし、これを撮っていたら、逃げられました。この間、九華公園に来ていたダイサギは、逃げなかったのに(苦笑)。

 Dsc07501c_20251031133201 九華公園には7時45分頃に到着。アイガモは、今日もまた、人の姿を見ると寄ってきます。私はエサは持っていませんが、今日は、散歩友達のOさんがパン屑を持って来て、やっているところを撮影。すごい勢いで食べていきます。アオサギさんは、今日はいませんでした。

Dsc07018c_20251031133301 Dsc07025c-2  奥平屋敷跡の松の木のてっぺんにモズが来ていました。メスのモズ。遠くて、曇天ですから、あまりクリアには撮れません。管理事務所の南あたりには、ツグミが2羽。先日の超証拠写真よりはマシなものが撮れました(2025年10月24日 :ジョウビタキ、ツグミが登場しました……カワセミにも接近!)。

Dsc07124c_20251031133301  旧アヒル小屋の残骸の杭の上には、今日もカワウさん。濡れた翼を広げて乾かしています。カワウの羽は撥水性が低い代わりに、水中に沈みやすくできています。そのため、潜水後は、羽毛に水がしみ込み、そのままでは体温が下がったり、飛ぶのが難しくなったりします。また、ほかの多くの水鳥は、尾脂腺から分泌される脂を羽毛に塗って防水性を高めるのですが、カワウはこの尾脂腺があまり発達いていないのです。

Dsc07317c_20251031133201  Dsc06940c_20251031133301 カモ、今日は、キンクロハジロが23羽と、また増えました。左の写真は、キンクロハジロのオス。冠羽がよく見えています。これを私は、勝手に「寝癖」と呼んでいます。ハシビロガモは、8羽。右の写真は、オス。

Dsc06914c_20251031133401  Dsc07487c_20251031133201 ヒドリガモは、これまでと同じく、オス2羽、メス1羽。左の写真は、メス。オオバンも1羽、姿を現しました。ただし、オオバンはかなり遠くを泳いでいました。

Dsc07386c_20251031133201  本丸跡でもモズ。今日、九華公園で見たモズは、皆メスですが、これはたぶん同じ個体。モズを見た3ヶ所は、半径80mほどの範囲なのです。このメスのモズが、九華公園を縄張りにしたのかと思います。

Dsc07233c_20251031133201  たまにはというか、野鳥があまりいませんでしたので、チョウ。ウラギンシジミです。翅の裏面が真っ白なモンシロチョウ大のチョウ。朝日丸跡で見ました。

Dsc07558c_20251031133201  今日は、野鳥があまりいなかったなと思って野球場の南を歩いていたら、しだれ桜にカワセミがいて、ビックリ。実は、世朝日丸跡から本丸跡に向かうとき、カワセミが西に向かって飛ぶのを見ていました。さらに、この写真を撮ったあと、揖斐川から堀に水を入れている水路沿いをカワセミが飛んで行くのみ見ました。いやぁ、カワセミを見られて良かった(微笑)。

Dsc07639c_20251031133101 Dsc07666c_20251031133101  貝塚公園では、ヒヨドリ、ハシボソガラスくらい。内堀南公園に向かう途中、ジョウビタキの鳴き声。それも複数。オス(左の写真)、メスが1羽ずつ。どうも、ちょっとトラブっている感じでした。ジョウビタキは、縄張り意識が強い鳥で、日本に渡ってきているとき、異性といえども、互いに縄張りを主張するのです。

Dsc07802c_20251031133101 Dsc07810c_20251031133101  寺町を過ぎて、住吉入江まで戻ってきたら、コゲラやシジュウカラの鳴き声が聞こえます。生け垣にいました。これらの2枚の写真のコゲラは、同じ個体。右の写真では、木の幹に開けた穴に嘴を突っ込んで、たぶん虫を探しているところ。コゲラはもう1羽がいました。

 Dsc07855c_20251031133101 こちらはシジュウカラ。シジュウカラも何羽かがいました。ほかにメジロもいたのですが、こちらは枝の向こうを動き回っていて写真は撮れず。

 Dsc08021c 拙宅マンションまで戻ってきたら、ハクセキレイが1羽。という次第で、曇天の割に結果的には、あれこれとみられ、ラッキーでした。

 Dsc06807c_20251031133401 雨は明日の夜半過ぎくらいまでのようで、明日は晴れの予報。晴れていれば、ちょっと出かけたいと思っています。その前に、今月の市民大学郷土史学科のまとめをつくるのが遅れていますから、これからそれに取り組みましょう。写真は、九華公園にて。桜の葉っぱは色づいて、すでにかなり落ちています。

2025年10月30日 (木)

揖斐川にカンムリカイツブリがやって来ました……今日は、ジョウビタキ・デー

Dsc06599c  今日までは天気がよいそうで、よく晴れています。今朝も最低気温は8.6℃。日中は、21℃まで上がっています。7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、寺町と5.8㎞。朝のうちは2~3m/sの風が吹いていましたが、その後、風は弱まっています。

Dsc05251c_20251030142701  散歩に出てすぐ、諸戸氏庭園前の桜並木にジョウビタキのメス。これがまた撮りにくいところにいて、難儀しました。下から見上げるアングルでもありましたし。

Dsc05328c_20251030142701  揖斐川の堤防道路に出て、船津屋さんの裏手あたりで、川に白いものが浮かんでいるのが見えました。双眼鏡で確認すると、なんとカンムリカイツブリではありませんか。今シーズン初めて。たぶん200m以上先ですので、デジタル・ズームを使って、トリミングしてもこれくらいにしかなりません。ツグミの登場も1ヶ月くらい早かったのですが(2025年10月24日:ジョウビタキ、ツグミが登場しました……カワセミにも接近!)、カンムリカイツブリも早い到着と思います。

Dsc05524c_20251030142701 Dsc05696c_20251030142701  イソヒヨドリのメスは、今日は、三の丸水門にいました。水門にある何かの蓋の脇にエサになるものがいたようで、隙間に嘴を突っ込んだりしていました。柿安コミュニティパークでは、ジョウビタキのオスが登場。しかし、いわゆる「空抜け」で野鳥写真としては、あまりよろしくありません。今日は、空抜け写真ばかりですが……。

Dsc05728c_20251030142701 Dsc05839c_20251030142701  九華公園に着いてまずは、アイガモチェック。今日も北門を入ってすぐの堀にいたのですが、奥にある九華橋近くを泳いでいました。その九華橋近くの樹上には、アオサギさん。

Dsc05801c  相撲場のところにはカワラヒワが数羽来ていました。鎮国守国神社の境内からは、ハシボソガラス、ヒヨドリなどの鳴き声がよく聞こえてきます。

Dsc05894c_20251030142701 Dsc06053c_20251030142701  奥平屋敷跡の手前の橋のところで、シジュウカラの群れと、ジョウビタキのオス。

 Dsc06033c今日は、ジョウビタキによく出会います。奥平屋敷跡の入り口あたりで、松の木の中からツグミの鳴き声が聞こえてきましたので、しばらく探したものの、見つかりません。ツグミはやって来た当初は、樹上にいます。地上に降りてくるまでは、しばらく日数が必要。

Dsc06442c_20251030142601  Dsc06161c_20251030142601カモたち、今日は、ヒドリガモは見当たりませんでした。キンクロハジロ(左の写真はメス)は合計20羽と少しずつ増えています。ハシビロガモは合計8羽(右の写真)。活発に泳ぎ回っていることもありますし、右の写真のように保温体勢をとって、休んでいることもよくあります。カモではありませんが、オオバンは今日はいませんでした。

 Dsc06213c_20251030142601 Dsc06237c 本丸跡の花菖蒲園の脇には、カワウが集まって、翼を日に当てたりしています。左の写真で、手前にいるカワウは、若者のように見えます。右の写真は、その若者の正面顔。カワウの正面顔は、なかなか見られませんので、個人的には貴重なショット(笑)。

Dsc06336c_20251030142601 Dsc06392c  九華公園の外周遊歩道の東では、カワラヒワ。同じく南では、ジョウビタキのオス。ジョウビタキのオスは、東側から南側にかけて、2羽がいました。今日は、2ヶ所でカワセミの鳴き声を聞いたのですが、姿は見られませんでした。

Dsc06506c_20251030142601 Dsc06562c_20251030142601  貝塚公園では、モズのオス。貝塚公園の西側を通る電線では、カワラヒワ。今日は、ジョウビタキをよく見ました。

 251030083251228c こちらは、九華公園の北門を入ってすぐの堀。南側から撮っています。イチョウの木が見えていますが、けっこう色づいてきています。もう10月も終わりですから。これのみスマホ写真です。

Dsc06585c_20251030142601  841680c0 オマケ。京町のアイスまんじゅうやさん「マルマン」さんの店頭で見つけた「飛び出し坊や」。オリジナル・バージョンの飛び出し坊やです。飛び出し坊やが右手で掲げているのが、アイスまんじゅうをモチーフにしたもの。アイスまんじゅうは、桑名の名物でおいしいのですが、残念ながら、固くて、まさに私の歯では「歯が立たない」のです。ちなみに、飛び出し坊やは、各地でオリジナル・バージョンがあるようですが、桑名では、ヴィアティン三重バージョンのものを見つけたことがありました(2023年2月3日:城東地区でケリ……余談は節分の鬼と、ヴィアティン三重デザインの飛び出し坊や)。右の写真がそれです。

2025年10月29日 (水)

九華公園でキセキレイとジョウビタキのオス……桑名市博物館で「桑名の豪商 諸戸家の至宝」展を見てくる

251029064657271c  今日の最低気温は、10℃を下回って、8.1℃。さすがに寒く感じます。日中はよく晴れて、風も収まり、20.6℃になっています。リビングにいると、日がよく当たってポカポカしています(冬みたいな表現ですが)。今日は、勝手に決めた「定例散髪日」で、8時からいつものS理容院さんへ。9時に終わって、散歩開始。九華公園、桑名市博物館、外堀、吉津屋町、京町、寺町と5.0㎞ちょうど。いつもより遅い時間に九華公園を歩いていましたので、「お久しぶり」の散歩友達4名と遭遇。かなりの時間をおしゃべりに費やしてきました(笑)。

Dsc04302c_20251029142401  Dsc04260c_20251029142401九華公園へはいつもの北門から入ったのですが、いきなりカワセミが登場。日陰に入ってしまいましたので、きれいには撮れず、ちょっと残念。カワセミは、このあとも、九華公園内を歩いていると、あちこちで鳴き声を聞きました。カワセミが止まった近くには、アイガモたち。今日も元気そうで、水の中にある物を食べていました。いつもの場所に、アオサギは見当たらず、残念。

Dsc04414c_20251029142401  Dsc04373c_20251029142401吉之丸堀にあった旧アヒル小屋の残骸のところにカワウが2羽。夏場、カワウはほとんどいなくなりますが、寒くなるとどこかからか集まってきます。神戸櫓跡の松の木や、野球場の照明灯の上に集まります。

Dsc04423c_20251029142401  奥平屋敷跡では、なんと、キセキレイが1羽。先日、貝塚公園でキセキレイらしい鳥を見ました(2025年10月27日:九華公園でダイサギ)。そのときにも書きましたが、冬になると九華公園あたりに来ることがあります(2025年3月21日:柿安コミュニティパークでキセキレイ……シティ・ホールの薄墨桜が咲き始めました、2024年11月5日:ジョウビタキのオスのバトル・シーンに遭遇……バードウォッチングは吉日)。

Dsc04515c_20251029142401  二の丸跡では、カワラヒワが松に集まっていました。何かを食べているように見えましたが、何を食べているのかまでは分からず。

Dsc05081c_20251029142301 Dsc04621c  カモたち、今日も、キンクロハジロ17羽、ハシビロガモ11羽(右の写真はオス)、ヒドリガモ1ペア(左の写真)がいました。

 Dsc05039c_20251029142301 Dsc05028c_20251029142301 こちらは、キンクロハジロ。左の写真がオス、右がメス。

 Dsc04948c_20251029142401 Dsc05008c_20251029142401 九華公園の外周遊歩道の東でジョウビタキのオスを見たものの、枝かぶりばかりで写真は撮れなかったのですが、南側にも出て来ました。明るいところで、バッチリ(微笑)。メジロもいたのですが、それはうまくは撮れず。

Dsc05140c 九華公園から桑名市博物館へ。徒歩5分ほど。10月25日(土)から11月30日(土)まで「桑名の豪商 諸戸家の至宝」という特別企画展が開催されているのです。諸戸家は桑名の素封家で、「日本一の山林王」といわれた一族です。初代諸戸清六は、米相場や山林事業により一代で富を築き上げました。財をなしたあとは公共事業に惜しみなく私財を投じ、近代桑名の発展に尽力しています。諸戸清六が亡くなったあとは、次男精太が宗家を、四男精吾が二代目清六を襲名して、本家を継ぎました。精太は、好き者として名高い益田孝(鈍翁)とも親交を結んで、厳選された茶道具を数々収集しています。

233_moroto  この展覧会では、重要文化財3点を始め、公益財団法人諸戸財団が所掌する諸戸家の至宝が紹介されています。その数、61点。重要文化財は、禅の教えが書かれた「禅師墨跡 与栄意禅人(ぜんじぼくせき えいいぜんにんにあたえる) 法語」「虎関師練錬(こかんしれん)墨跡 座禅語」の掛け軸2点と、15~16世紀に朝鮮半島から渡ってきた「三島平茶碗(みしまひらちゃわん)」。こちらに中日新聞の記事があります。それにしても、明治から戦前のお金持ちは、桁が違います。持っている富もそうですが、それを世のため人のためにかなり使っていますし、その上にこういう美術品、文化財も収集しているのですから。こういう人たちが、これらの至宝を持っていてくれたお陰で、われわれもそれを目にすることができる訳です。ポスターの画像は、桑名市博物館のサイトからお借りしました。ちなみに、今回も図録が発行されていましたので、ゲットしてきました(¥1,000)。図録マニアなのです。内容から見て、¥1,000とはおトク。

Dsc05158c_20251029142301  桑名市博物館恒例の1点だけ撮影できる出展。「短刀 銘 村正」(室町時代)。箱書きに「奉献 玉鉾神社 村正 太刀 壱口」「明治20年11月1日正遷宮之際寄付件如(くだんのごとし)」とあるそうで、桑名在住の氏子から、正遷宮のとき、玉鉾神社に奉献されたものと考えられています。玉鉾神社は、明治末期に現在、春日神社(桑名宗社)境内にある母山神社に合祀されています。

Img_5461c_20251013142301 Dsc05185c_20251029142301  ちなみに、先日、JRさわやかウォーキングで訪ねた六華苑は、二代目諸戸清六の新居として建てられたもの(2025年10月13日:20251013JRさわやかウォーキング「桑名を満喫!! 東海道お手軽ウォーキング」へ(一回完結)、左の写真)。わが家のお隣の諸戸氏庭園は、初代諸戸清六邸。現在、秋の特別公開が行われています。

Dsc05180c_20251029142301  余談。寺町で見つけたポスター。「見どころくわな オンラインマップ」の紹介。アプリをインストールしなくても使えます。現地で試してみました。観光スポットや、お勧めのお店、イベント情報が分かります。2026年3月末までの期間限定のようです。

 

2025年10月28日 (火)

九華公園でカワセミ

Dsc03407c_20251028133401  今日から寒いという予報でしたが、朝は13.4℃とやや低かったものの、日中は19.6℃まで上がりました。ただ、空は冬と同じ。というのは、冒頭の写真のように多度山から雲が流れてくるパターン。これは、冬、季節風が吹くときのものなのです。今朝も7時半から住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、寺町と5.4㎞。散歩中は、雲が多く、風も強かったので寒く感じました。

Dsc03201c_20251028133401  拙宅マンション前の電線にカワラヒワが10羽ほどやって来ていました。まさに集まっているという感じです。前にも書きましたが、秋はカワラヒワにとっては集団見合いの季節で、そこでペアの相手を見つけるといいます。

Dsc03281c_20251028133401 Dsc03314c_20251028133401  住吉神社を過ぎ、船津屋さんの裏手でモズのオス。時折、このあたりでモズが鳴いています。この辺でモズの写真を撮ったのは、初めて。モズを見つけたところで西の空に虹が出ているのに気づきました。が、かなり薄く、消えていく直前のような感じです。

 Dsc03353c_20251028133401 蟠龍櫓まで来たら、今日もイソヒヨドリのメスがいました。今日は、2階の屋根の西側にいます。いつもいるあたりには、ドバトがいましたので、遠慮したのでしょう。

Dsc03438c_20251028133401  九華公園では、まずはアイガモの確認。これが恒例の作業になりました。今日も定位置の北門を入ってすぐの堀にいます。エサがもらえることをすっかり覚えたようで、人の姿を見ると急いで寄ってきます。

Dsc03449c_20251028133401 Dsc03513c_20251028133501  九華橋近くの樹上にはアオサギが来ていました。アオサギは、今日はこの1羽のみ。ダイサギは来ていません。奥平屋敷跡を回っていたら、堀の対岸、立教小学校の体育館の前にジョウビタキのオス。ただ、半分逆光という感じで、こんな写真しか撮れません。

Dsc03582c Dsc03605c_20251028133501  カモたち、種類は昨日と同じ。キンクロハジロは数が増えて合計14羽。ヒドリガモは、昨日と同じく、オス2羽にメス1羽。左の写真は、ヒドリガモのオスと、キンクロハジロ。ハシビロガモは、合計6羽。昨日の倍です。右の写真は、オス。季節が進むと、頭部はきれいな青色になってきます。

Dsc03667c_20251028133501  吉之丸堀には、今日もオオバンが1羽。全長39センチ、黒い体に白いおでこというしゃれた配色をしています。

 Dsc03705c_20251028133401 Dsc03910c_20251028133401 公園内を一回りし、九華橋の近くで散歩&鳥見友だちのOさん、Yさんと話していたら、カワセミの鳴き声。南からやって来て、北門を入ってすぐの堀のどん詰まりへ。急いで行き、無事に写真に収められました。右の写真では、小魚をくわえています。本当はダイビングして、魚を捕るところを撮りたいのですが、なかなか難しい。今日は、ほかに、二の丸跡でウグイスを見ました。しかし、ツツジの植え込みの中にいますので、写真は撮れずじまい。貝塚公園ではモズの鳴き声がしていたのですが、姿は見えませんでした。内堀公園にはヒヨドリ、キジバトくらい。

Dsc04134c_20251028133401 Dsc04190c_20251028133401  拙宅マンション前の住吉入江まで戻ってきたら、ハクセキレイが2羽。右の写真のハクセキレイは、若者のように見えます。

Dsc04218c_20251028133401  木曜くらいまでは天気はよさそうです。朝は12~13℃、昼は20℃近くになるといいます。たぶんこれが平年並みなのでしょうが、いきなり寒くなったように感じます。体調管理に気をつけないといけません。

【余談を追記】 あちこちでツキノワグマ、ヒグマによる被害が多発しています。ニュースで、「吹き矢で熊に麻酔をかけ眠らせて捕獲した」と見聞きします。ふとそれは、誰にでもできるのか?と疑問が湧いて、調べてみました。もっと単純な話かと思っていたら、吹き矢でクマに麻酔を施すには、獣医師免許や麻薬研究者の免許などの専門資格が必須で、個人が無許可で行うことはできないそうです。クマへの麻酔行為に必要な主な資格と許可は、4つあるそうです。すなわち、①獣医師免許、②麻薬施用者免許・麻薬研究者免許、③鳥獣捕獲許可、④麻酔銃の所持・使用許可。専門家がチームを組んでことに当たっていただく必要があるわけで、これはなかなか大変なことです。

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  • 平凡社: 街道アトラス

    平凡社: 街道アトラス
    旧街道に興味があります。ただし、あまりあちこちの街道を歩いたわけではありません。この本では、東海道と中山道は各宿場も紹介されるなど、詳しく載っていますが、その他の街道はダイジェスト。いわば、旧街道のカタログ本といったところ。現代の道と比べたり、旧街道がどのようにつながっていたかを知るにはよい本です。ただし、この本だけを頼りに旧街道を歩くことは、ほぼ不可能でしょう。 (★★★)

  • 保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

    保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)
    今年は、昭和100年であり、戦後80年でもあるということで、新聞などでも特集記事が掲載されています。太平洋戦争は、日本という国を滅亡の一歩手前まで追い込みました。昭和という時代もそれが終わってから35年以上経ちますから、これからは歴史として語られるようになっていくはずです。この本は、二・二六事件、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇など、時代を大きく変えた8つの事象を取り上げ、当事者たちの感情や思惑排して見つめ直すことを通して、これまでの通説、定説とは異なるそれらの真相を浮かび上がらせようとしています。読後感としては、私なども、何となくそうなのかと思っていたことがひっくり返されたような感じを抱いています。目的と手段を取り違えている、事実や科学的知見から目をそらしている、希望的観測を事実と思い込む、妙な精神論に陥るなど、今も続く認知、思考は、太平洋戦争のときの軍指導者から始まっているのかも知れません。いろいろな意味で「戦後」という概念については、根本的に再検討が必要ですし、日清戦争から太平洋戦争に至る数十年の戦争の時代は、何に由来し、そこから何を学ぶか、よくよく考えてみる必要があると思いました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)

    保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)
    保阪正康さんは、一貫して近現代史を検証し続け、5,000人もの歴史の証人を取材してきています。この本は、月刊『文藝春秋』に掲載されたものから15編を選んでまとめられています。読み応えがあるのに、分かりやすい内容で、昭和史の証人として瀬島龍三、後藤田正晴などインタビューが、また、昭和の戦争7つの謎として無謀な開戦を決意した理由などが載せられています。その後、あの戦争と昭和史を語ろうということで、半藤一利さんなどとの対談が載っています。最後に、歴史をどう引き継ぐかということで、講演録があります。この講演では、江戸時代まで遡らなければ日本人は理解できない、江戸時代の260年を通じて、戦争をしなかったという事実から教訓、知恵を学ぶ必要があるなど、江戸時代に築かれた財産をもう一度取り戻すことの重要性が語られています。明治維新という、薩長の下級武士の暴力革命を経て、帝国主義国家が作られていく過程で、江戸自在の財産は放棄されたと著者はいいます。知識、技術は学び、取り入れたのに、哲学までには思いが至らなかったため、そうなっています。また、もう一つ、著者が強調するのは、天皇制の捉え方、論じ方です。天皇制は、本質的に戦争を嫌う制度だと著者はとらえています。これは、私には目から鱗の見方でした。さらに、天皇は何らかの形で京都にお住まいになって、政治の中心は東京にあってという江戸時代の知恵をもう一度取り戻すのもよいという提案は、真摯に検討する価値があると思います。 (★★★★★)

  • 芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)

    芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)
    関数電卓は持っていますし、その昔は、プログラム電卓で平均値、標準偏差などの計算をする簡単なプログラムを組んで使っていたこともあります。タイトルに惹かれて買ったのですが、ウ~ン、期待はずれでした。計算例が平方根以外にはほとんどありませんでした。関数電卓を片手に、その使い方や、どのような応用ができるかを知りたいと思ったのですが、そういう内容はあまりなくて残念でした。ただこの本を読んでよかったのは、数学の力と計算力とは別物であることが分かったこと。また、計算については、関数電卓などを駆使すればよいということでした。私自身、数学には自信がないのですが、「エェ!?、そうだったっけ?」と思う内容もありました(つまり、間違っているんじゃないの、と思える内容)。 (★)

  • 今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)

    今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)
    地名の由来については興味がありますから、この本を手に取ったのですが、読み始めたものの、すぐに「放置」していました。テーマごとに、それに関連する地名が列挙され、その由来について多少の説明(蘊蓄?)が書かれているのですが、列挙されている(例示されている)地名が煩雑で、読むのが面倒になってしまったのです。「地名マニア」の方であれば、これくらい何のそので読み進めたのでしょうが、私にはちょっと難行でした。2年くらい経って、気を取り直して、少々無理矢理に読み進めました。が、「不思議な名称には物語がある」という、帯の謳い文句には、いささか無理があるかなという気がします。物語というのであれば、個々の地名についてもうすこし物語って欲しい気がするのです。ただし、以上は、極めて個人的な感想です。 (★★)

  • piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)

    piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)
    本の帯に「あなたが毎日スルーしている鳥たちの素顔」「カラスも本当は人が怖い」とあります。ほとんど知っている内容でしたが、このように改めて、まとめてあると、いっそうよく分かりました。野鳥観察を始めたばかりの方、野鳥に興味を持ち始めた方には、最適な参考書の1つと思います。身近にいる鳥ばかりが取り上げられていますが、それだけに身近な鳥の行動や、特徴がよく分かって、野鳥がもっと好きになること請け合いです。タイトル通り、まさに「意外と知らない」です。自分では知っているつもりでも、意外と知らないことは多々ありそうです。 (★★★★★)

  • 五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)

    五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)
    高容姫という女性を知る人は多くはないかも知れませんが、本のサブタイトルにあるように、金正恩の母となった在日コリアンの女性です。北朝鮮では、日本から帰国した人間の社会的地位は低いため、その存在は公的には明らかにされていませんし、「国母」として崇拝されることもありません。これは、金正恩の弱点でもあり、コンプレックスにもなっているかも知れません。大阪の鶴橋で生まれ育った少女の数奇な運命をたどった、力作です。よくぞここまで取材したものだと思います。高容姫の人生をたどることで、北朝鮮の体制、社会、歴史にまで理解が及びます。ほとんど一気読みをしてしまいました。ちなみに、現在も大阪には、金正恩の伯父を始め、親戚が50名以上も暮らしているといいます。このことは、日朝関係の改善や、拉致問題の解決の手がかりになるのではないかという気がします。 (★★★★★)

  • 本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)

    本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)
    別に「東大生に教える」でなくてもよいのですが、この本の元になったのが、東京大学教養学部の学生たちに「暗記不要、歴史を考えるおもしろさを伝えたい」ということで行った連続講義ですから、そういうタイトルになっています。歴史、とくに高校時代に学んだ歴史は、やはり暗記科目でした。あれから50年以上経った今でも、そこから抜けきっていない気がします。そういう意味では暗記ではなく、時代を動かす原動力は何か、誰が時代を変えていくのかという視点から歴史を見て、考えるのは、新鮮です。史実は変わりませんが、それを材料に、自分の視点から、自分の見方で論理を組み立て、自分なりの歴史像を造ってみることを愉しめばよいという著者の考え方をしっかりと身につけられたらよいなというのが、読後感です。 (★★★★★)

  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)