お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2025年4月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2020年1月以降の記事を残し、2019年12月以前の記事は削除しました(2020年1月1日から2025年4月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

旅行・地域

2025年5月 8日 (木)

20250508近鉄あみま倶楽部ハイキング「津・一身田寺内町コース」へ(一回完結)

Img_1022c_20250508154301  好天で風も弱いという予報でしたので、近鉄あみま倶楽部が常設コースとして設定している「津・一身田寺内町コース」を歩いてきました。このコースあたりは、何度でも歩いたところですが、1つには、三重県総合博物館で開催されている「トピック 展『伊勢路がみたい 伊勢参宮名所図屏風の世界』 」を見たいと思ったのと、高田本山専修寺(せんじゅじ)に最近、お参りしていないなと思ったからです(2024年1月14日:20230114近鉄ハイキング「高田本山専修寺『お七夜』と新春の寺内町散策」へ(一回完結))。それならば、この2ヶ所がコースに設定されている「津・一身田寺内町コース」を歩こうという次第。近鉄桑名駅を8時23分に発車する松阪行き急行に乗車。津駅には9時5分に到着。¥830。桑名では、最高気温は24.1℃。

 こちらが今日歩いてきたルートマップ。250508ishindenmap津駅をスタートし、三重県総合博物館(MieMu)、一身田寺内町、高田本山専修寺、高田本山駅と、コースマップ上は7.2㎞。アプリ連動ハイキングで、ここにあげたところが、チェックポイントでした。今回も、記事は一回完結で、一人旅でした。

Img_1037c  津駅西の交差点のところに津偕楽公園があります。もとは「下部田山(しもべたやま)」あるいは「御殿山」と呼ばれ、藩主の鷹狩り場の休憩所の御殿が建てられていました。貞応年間(1652~1655)には藩士に労をねぎらうために、遊息の地として分け与えられたという記録があるそうです。以前、近鉄ハイキングで訪ね、中を歩き回りましたので(2019年5月23日:20190519近鉄ハイキング「谷川士清旧宅と県立美術館・総合博物館春の専修寺を訪ねて」へ(その2)……津偕楽公園と、三重県立美術館「没後200年記念 増山雪斎展」)、今回はパス。詳しいことは、リンク先の記事をご覧ください。

Img_1052c  三重県総合博物館は緩い坂道を1.5㎞ほど登っていきます。ここも何度も来ています。平日で、とても空いていました。

Img_1162c Img_1075c_20250508154401  今回の目当ては、初めにも書きましたように、「トピック展『伊勢路がみたい 伊勢参宮名所図屏風の世界』」です。写真撮影可でしたので、伊勢参宮名所図屏風の左隻の写真のみを載せておきます。「伊勢参宮名所図屏風」を中心に、全国から多くの人びとがやってきた伊勢参宮について、三重県総合博物館が所蔵する資料で紹介します。江戸時代の参宮の風景が描かれた浮世絵や名所図会が展示されています。この「伊勢参宮名所図屏風」は、幕末から明治にかけて作られたとみられ、今回初めて展示されています。5月18日までで、入場は無料です。私のほかに観客はお一人で、ほぼ独占状態で見てきました。

Img_1059c  Img_1166c 三重県総合博物館へ行くと、必ず見てくるものが2つあります。その1つは、ミエゾウの骨格標本。企画展示室の前にあります。もう1つは、サンショウウオのさんちゃん。ミュージアム・ショップの隣にいます。三重県総合博物館の収蔵資料のうち、唯一生きている標本です。

Img_1205c_20250508154401  三重県総合博物館から一身田寺内町まで、立ち寄るところはありません。三重県総合文化センターのところから、田園地帯を歩いて行きます。こちらは、2.5㎞ほどのところで、高田本山専修寺方面を撮った写真。中央に高田本山専修寺が小さく写っています。

Img_1248c_20250508154401  Img_1254c JR紀勢線の踏切を越え、4㎞地点あたりでいったん伊勢別街道に出ます。関宿東追分で東海道から分かれ、江戸橋で伊勢街道に合流します。この伊勢別街道も1度は歩き通したい街道です。この街道沿いに伊勢木綿を製造している臼井織布があります。この臼井織布のところを右に曲がって一身田寺内町に向かいます。

Img_1269c Img_1297c_20250508154401  一身田寺内町の入口にある常盤橋。環濠となっている毛無川(けなしがわ)にかかっています。一身田寺内町は、東西500m、南北450mの環濠に囲まれています。ここにはかつて黒門という門がありました。寺内町への南の出入り口で、番小屋と門があり、夜間は通れませんでした。黒門の先、百五銀行支店のところに道標があります。「右 江戸みち 左 御堂并京道」とあります。ちなみに、一身田寺内町、高田本山専修寺については、こちらの記事(2022年1月10日:20220110勝手にハイキング「高田本山専修寺のお七夜」へ(予告編))に詳しくあります。

Img_1308c_20250508154401  一身田寺内町の商店街。高田本山専修寺を中心に広がる「寺内町商店街」は、江戸期以来から続く伝統ある店が軒を連ねています。こちらにも詳しく載っています。今日は、目当ての和菓子屋さんが、ガス工事でお休みだったりして、ちょっと残念でした。

Img_1331c  スタートから5㎞あまりで、高田本山専修寺へ。真宗高田派の本山です。写真は、山門。ここは、家内の方の宗旨であり、私も気に入っているお寺。我が家は真宗大谷派ですが、個人的にはこちらに宗旨替えしてもよいと思うくらいです。

 Img_1342c Img_1346c_20250508154401左の写真が御影堂。開祖である親鸞上人の木像が安置されています。右の写真は、如来堂。「証拠の如来」と呼ばれる阿弥陀如来立像(快慶作 国指定重要文化財)を本尊とし、教義上この堂が伽藍の本堂。室町時代中期、天台宗の延暦寺は、浄土真宗本願寺派と対立していました。延暦寺は同じ浄土真宗である高田派も同一視して敵視して来たため、真慧が比叡山に赴き、高田派は本願寺派とは全く別であることを陳述しました。さらに7日間にわたって親鸞の教えである浄土真宗の教義を講義したところ、延暦寺の僧侶等は感動し、高田派こそ真宗の教えを正しく受け継ぐ教団であると認めたのです。その証拠にと、真慧は延暦寺から第3代天台座主円仁(慈覚大師)が一刀三礼で彫り上げた阿弥陀如来立像を譲り受けました。それ以来、この阿弥陀如来立像は「証拠の如来」と呼ばれ専修寺の本尊となっています。

Img_1365c  ここには家内の父のお骨が納めてありますので、訪ねるたびに納骨堂にもお参りしてきます。今日は、平日で、境内も、納骨堂も空いており、ゆっくりとお参りしてきました。

Img_1381c_20250508154401 Img_1384c_20250508154401  専修寺を出て、東側に回り、太鼓門のところから、一御田神社へ。太鼓門は、専修寺の東入口となる門で、平屋建ての長屋門の上に三層の櫓をのせ、その最上階に大太鼓を吊っています。明治5(1872)年の暦制改正によって時刻が西洋式となるまで、ここの太鼓が町の人々に時刻を知らせていたそうです。一御田神社の創立は不詳ですが、棟礼に嘉吉元(1441)年のものがありますで、これ以前と思われます。今日は、御田植え祭(5月11日だそうです)の準備をしておられました。

Img_1391c  一御田神社から赤門跡へ回りました。ここは、一身田寺内町の北東部にあたります。江戸方面への出入り口で、朱塗りの門と橋があり、赤門と呼ばれていたのです。ここから再び、黒門跡方面に向かいます。

1746671610079c  一身田寺内町を離れる前に、土産に買ってくるようにといわれた、京林堂さんへ。ところが、開店時刻の11時を過ぎても、シャッターが閉まったまま。ここの名物であるカレー焼きが食べたかったのに、残念。どんなものかは、リンク先をご覧ください(食べログのサイトです)。今日は、土産はなし。

Img_1420c_20250508154401 Img_1435c  やむなくそのままゴールの近鉄高田本山駅を目指します。残りは1㎞あまり。伊勢鉄道の高架をくぐり、田園地帯を歩きます。しかし、それにしても、今日は好天で、絶好のハイキング日和です。

Img_1459c_20250508154401  高田本山駅には、11時50分を過ぎた頃到着。この駅も何度も利用しています。12時7分に出る名古屋行き普通に乗車。白子駅に12時22分着。ここで12時28分発の名古屋行き急行に乗り換えて、桑名駅には13時3分に到着。江戸橋方面へ非常勤講師に行っていた頃、よく利用した電車でした。白子駅で、途中下車しましたので、料金は¥360+¥590=¥950。

Screenshot_20250508132619c  今日のGoogle Fitのデータ。11.03㎞、18,322歩でした。マップ上は、7.2㎞でしたが、三重県総合博物館や、専修寺で中を歩き回ったからです。自宅から桑名駅往復は、2.5㎞もありません。

Screenshot_20250508121203c Screenshot_20250508121136c  今日のハイキングは、アプリ連動ハイキングで、チェックポイントでチェックインしますと、デジタルスタンプがもらえます(左の画像)。さらにすべてのチェックポイントをクリアすると、踏破賞が付与されます(右の画像で、もっとも左上のもの)。

 Screenshot_20250508122421c 白子駅で途中下車したと書きました。乗り換えに時間がありましたので、エキタグのデジタルスタンプをゲットしに行ってきたのです。以前は、白子駅をスタート、ゴールにする近鉄ハイキングがよく企画されていたのですが、最近はあまりなくなってしまい、ここに来る機会がありませんので、ちょっと余分な出費をすることになったのですが、せっかくだからという次第。

2025年5月 3日 (土)

津の町をぶらり

250503101451750c 250503101550834c  昨日とは打って変わって、好天に恵まれました。よく晴れて、津の最高気温は24.3℃。実家暮らしも4日目で、いささか退屈してきたこともあって、津の町へ出てブラブラしてきました。三交バスで岩田橋まで。去年9月以来の津松菱にやってきました(2024年9月9日:「松菱古本市」へ)。あのときも実家で1週間ほど暮らしており、古本市を見に来たのでした。

250503102255497c 250503104142588c  今日は、娘が津松菱には一度も行ったことがないというので、同行。津松菱の店内を地下1階から7階まで探検。津松菱は、津市で唯一の百貨店。今年が創業70年だそうですから、私と同年齢(笑)。それ故、何となく親しみがあります。津松菱で私にとってもっとも印象的なのは、6階に茶室「松南軒」があること。去年9月9日の記事にも書きましたが、創業家が京都から移築したものだそうで、本格的な茶室です。さらに、今日は親子連れ、孫連れで大賑わいしていたのが、「ふれあいどうぶつ大集合&カブトムシ展」でした。開店から間もない時刻に津松菱に入ったのですが、この展覧会に入場するのに大行列が出来ていました。

250503112324748c 250503114125330c  店内を探検し終えてから、私が是非行ってみたかったこちらへ。期間限定で出店されている「銚寿庵」です。銚子電鉄がプロデュースしています。けっこう人気のあるお店で、11時半近くからは、次々とお客さんが入っていました。

250503112916299c  私はこちらをチョイス。ざる蕎麦にミニ天丼がついたセット。¥1,780。店内で、あのぬれ煎餅や、まずい棒などを売っていることもあると口コミサイトにあったのですが、今日はあいにく見当たらず。

250503120304170c  昼食を済ませ、1階にあるデザートカフェ「シューライル」で、コーヒータイム。アイスコーヒーが、¥500。例によって、ドンクのミニワンでミニクロワッサンを買って、次の目的地へ。

250503121713133c  途中、フェニックス通りを横断します。津市なぎさまちから津市中央を結んでいますが、写真のように、中央分離帯にフェニックスが植えられていますので、このように呼ばれています。

250503122121928c 250503145717952c  目的地は、こちら。蜂蜜まん本舗。ここで製造販売されているはちみつまんじゅうを買うため。津の名物饅頭で、焼き立てをいただくと、皮はパリッとしていて、中のこしあんはアツアツで、ほんのり蜂蜜の風味が広がります。地元で愛され、1個70円というのがうれしい。津のソウルフードです。

250503123236011c 250503123021506c  さらに、津観音にもお参りしてきました。私自身は、近鉄ハイキングや、「歩いて伊勢参りツアー」などで何度か来たことがあります。

250503123335089c 250503123409074c  今日訪ねたのは、桐の花を見たいと思ったからです。7年前、「勝手にハイキング」で来たときに見て以来(2018年5月1日:20180423勝手に近鉄ハイキング「名古屋線・津新町駅から松菱、お城公園など」(その2)……乱歩の墓のある浄明院、阿漕平治に関わる上宮寺、西来寺、大門商店街から津観音)。この7年前に初めて桐の花を見たのでした。という次第で、半日、津の町ぶらりを楽しんできました。

2025年4月29日 (火)

カワラヒワのヒナが登場

Dsc00423c  朝のうちは曇った時間もありましたが、おおむね晴れています。しかし、今日もまた強風。最大風速は、8.0m/s。散歩の途中、すごい風に煽られそうになったくらいでした。その散歩へは、7時25分から。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町、南魚町、田町、三崎通と6.4㎞。冒頭の写真は、散歩に出たときの北の空。冬みたいでした。

Dsc00999c_20250429134601  今日はこちらから。カワラヒワのヒナです。待ちに待ったという感じで、やっと登場してくれました。九華公園の本丸跡で、ヒナらしき鳴き声が聞こえ、探したところ2羽がいました。写真を撮ったときには、親は近くにはいませんでした。

Dsc00621c_20250429134601 Dsc00616c_20250429134601  強風もあってか、昨日以上に(以下にか?)鳥はいません。自宅を出てから、最初に鳥を目にしたのは、柿安コミュニティパーク。ドバトとムクドリがおり、ツバメも飛んでいました。距離にして1㎞ほどの間は、鳥を見なかったのです。九華公園も静かで、保険をかける意味で猫の写真を撮ったくらい(笑)。九華公園でもっとも多かったのは、ドバト。今日は付いて回られはしませんでした。昨日で、私からはエサはもらえないと学習したとしたら、賢いのですが……。ほかにはスズメ、ムクドリ、カラスなど。

Dsc00717c_20250429134601  そうそう、奥平屋敷跡には、コゲラも来ました。ところが、これがよく動くのです。大きくも移動しますし、木の幹や枝でもあちこちよく動いたのです。

Dsc00805c_20250429134601 Dsc00873c_20250429134601  ほかに鳥がいませんから、カラスも撮影。Oさんがパンの耳を蒔くと、今日も2羽がやって来て、交替しながら、嘴いっぱいに加え、よそへ飛んでいきます。どこかに隠しているのだと思います。少し経つと、またやって来ます。

Dsc00547c Dsc00533c_20250429134601  カモは、いよいよ、キンクロハジロのオスが2羽、メスが1羽になりました。ずっとここにいる3羽だと思います。ほかの公園では、ムクドリやスズメを見たくらいで、今日のバードウォッチングは、以上。

Dsc01061c  内堀南公園では、地元の次回の皆さんが金魚みこしの準備をしておられました。5月2、3日に鎮国守国神社で金魚まつりが行われますから、そのため。金魚まつりは、7年前に見たきりです(2018年5月3日:長島町内プチ遠征と、金魚まつり……楽翁公百年祭記念宝物館一般公開も見てきました)。リンク先の記事にもありますように、金魚まつりにあわせて楽翁公百年祭記念宝物館も一般公開されるはず。楽翁公というのは、あの松平定信のこと。

Dsc01028c_20250429134601 Dsc01080c_20250429134601  強風のため、花の撮影にも適しませんでした。左の写真は、ワンパターンの極致(笑)。右の写真も、前に1回載せたことがありますが、内堀公園の藤棚にて。

2025年4月26日 (土)

20250426近鉄ハイキング「【JR東海合同企画】海山道神社から東海道へいつもと違うコースを歩く」へ(一回完結)

20250426kintetsuhikingshiohamamap  今日も4~5m/sの風が吹いていたものの、天気は良く、気温も23.4℃まで上がり、ハイキング日和です。予定通りに、近鉄ハイキング「【JR東海合同企画】海山道神社から東海道へいつもと違うコースを歩く」に行ってきました。JRさわやかウォーキングとの共同企画。ファミリー向きとなっていますが、コースマップ上は、7.6㎞あります。

Img_0604c  受付は、近鉄名古屋線塩浜駅で8時半から12時。急いで行く必要はありませんから、桑名駅を8時10分に出る、近鉄津新町行き普通電車に乗車。塩浜駅には8時45分に到着。¥430。コースマップを受け取り、8時50分を過ぎた頃スタート。

250426siohama0  こちらが実際に歩いてきたルートマップ。塩浜駅東口から近鉄名古屋線沿いに北に進み、塩浜一六三八市場、海山道神社を経て、鹿化川の手前で左折、西に向かいます。中央緑地公園を経てさらに西に。日永1丁目に入って、四日市あすなろう鉄道線の東で右折。ここからはしばらく旧東海道を歩き、この味本舗へ。いったん国道1号線に出て、その後、再び、旧東海道に入ります。諏訪神社までのスワマエ商店街は、旧東海道にあります。諏訪神社から東へ。太白永餅の金城軒に立ち寄って、JR関西線四日市駅がゴール。今回も、記事は一回完結。

Img_0618c  まずは、塩浜一六三八市場。近鉄名古屋線の海山道駅と、塩浜駅の間の線路沿いにありますので、以前からこの存在は知ってはいました。しかし、もちろんここに来る機会はありませんでした。こちらに四日市の定期市のリストがありますが、その名の通り、1、3、6、8のつく日に市が立ちます。昭和31(1956)年に開設されたという、私とほぼ同年齢の市場。そのせいか、昔懐かしさが感じられました。

Img_0631c_20250426142901  Img_0622c_20250426142901せっかくの機会ですから、内部を一通り見てきました。履物屋さん、陶器屋さん、八百屋さん、和菓子屋さんなどいろいろの店が出ていました。規模はさほど大きくはありません。一見すると、倉庫のように見える、昭和の雰囲気が漂う建屋内で市が開かれてます。雨等の悪天候でも気にせず買い物が楽しめそうです。和菓子屋さんのみたらし団子が気になりましたが、パス。

Img_0638c Img_0646c_20250426142901  続いて、海山道神社。近鉄ハイキング初心者の頃に訪ねたことがあります(2018年3月23日:近鉄ハイキング「港町、四日市を散策 みやまどさんから四日市臨港をたずねて」へ……海山道稲荷を訪ねる)。本来は、洲崎濱宮神明神社(すざきはまみやしんめいじんじゃ)が本社で、海山道神社はその境内社でしたが、今は、海山道神社の方が大きくて有名になっています。詳しいことは、リンク先の記事をお読みください。

 さらに近鉄の線路沿いを進みます。Img_0662c_20250426142901こんなところもあって、いろいろの電車が通り、電車が嫌いではない私には、ちょっとした楽しみでした。

Img_0753c_20250426142901 Img_0720c  スタートから3㎞ほどで中央緑地公園に到着。結婚当初、しばらく四日市に住んでいましたが、その頃、何度か来たことがあります。現在は、体育館やフットボール場、ランニングコースなどのスポーツ施設がある緑地公園です。東京五輪2020に出場した選手が利用することもあるそうです。カフェやレストラン、遊具、広場などもありますから、誰でもが楽しめるでしょう。

Img_0778c Img_0795c_20250426142901  スタートから4㎞半ほどのところで、旧東海道に入ります。旧東海道は、すでに何度も歩きましたが、これまでは、下る方向でした。今日は、上っていきますので、この方向に歩くのは初めて。ちょっと新鮮でした。ルートマップでお分かりのように、四日市あすなろう鉄道線と平行していますので、あのナローゲージの電車が懸命に走っていくのが見えるところが何ヶ所もあります。この路線は、かつては近鉄内部線・八王子線でした。

Img_0783c_20250426142901 1745629432500c  旧東海道に入ってすぐ、西側に大宮神明社。4年前の「歩いて伊勢詣りツアー」のときに立ち寄っていますので(2021年5月23日:20210522「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第4回「四日市~日永の追分」(その1)……近鉄四日市駅をスタート、崇顕寺(丹羽文雄の生家)、東漸寺、大宮神明社へ)、今日はパス。ご祭神は、天照大神。由緒は不詳ですが、社伝によれば第11代・垂仁天皇の御代、皇大神宮が伊勢にお遷りになる時に岡山の丘陵地(現在、四日市南高校があるところ)に一時お留りになり、そこに神宮の神領地として皇大神宮を勧請したのが始まりとされています。詳しくは、リンク先の記事にあります。ちなみに、四日市市内の旧東海道には、右の写真のような幟旗が、各所に掲げられています。桑名も見習うとよいと思います。

Img_0808c  この味本舗です。うまみ調味料である「この味」という製品を製造販売しておられます。独自の製法により作られた“手作り限定生産品”で、かつお、昆布、椎茸の「うまみ成分」と「塩」で作られており、ジャンルを問わず、醤油や塩を使った料理なら、何にでも使えるそうです。料理の味が引き立つということですが、「買わなくてよい」といわれておりましたので、パス。

Img_0840c_20250426143001  このあと、いったん国道1号線の方を回り、諏訪栄町交差点から再び、旧東海道に向かいます。写真は、諏訪栄町交差点から近鉄百貨店四日市店、近鉄四日市駅方面を見たもの。

Img_0844c Img_0849c_20250426143001  初めの方にも書きましたが、このスワマエ商店街が、旧東海道にあります。ここも何度も来ていますが、けっこう盛り上がっています。

Img_0854c_20250426143001  お馴染み、大入道の、首が伸び縮みする大きな模型もあります。実物は、ずっと首が伸び縮みしています。

Img_0866c Img_0879c  スワマエ商店街を抜けたところに諏訪神社が御鎮座。ここも何度も訪ねています(たとえば、2021年5月13日:20210508「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第3回「富田~四日市」(その4)……建福寺、四日市陣屋跡、札の辻、本陣跡、問屋場跡、道標、諏訪神社からスワマエ商店街で「完」)。鎌倉時代初期の建仁2(1202)年、信州の諏訪大社の御分霊をこの地に勧請し創祀されたと伝わっています。主祭神は、建御名方命(タケミナカタノミコト)と八重事代主命(ヤエコトシロヌシノミコト;事代主神(コトシロヌシノカミ)ともいいます)で、四日市・浜田の総産土神とされます。

Img_0900c_20250426143001 Img_0904c  諏訪神社にお参りして、国道1号線を越えて東へ。JR関西線の手前に太白永餅の金城軒があります。今日は、ここの太白永餅を買おうと思ってきました。同じように思われた方が多かったようで、店の外まで行列。並んで待って、無事にゲット。ばら売りは、1本¥120で、6本を購入。

Img_0921c_20250426143001  金城軒からゴールのJR関西線四日市駅はすぐ。10時55分頃に到着。2時間あまりで7.7㎞を歩いてきました。けっこう速いペースだと自分でも思います。

Img_0914c_20250426143001 Img_0908c  今日は、ここで近鉄の抽選会。ここしばらく、抽選会では負け続けていましたが、今日は、祝!!ご当選。お茶のペットボトルが当たりました。もう1ランク上でしたら、あの「この味」がもらえたのですが……。

Screenshot_20250426114046c Screenshot_20250426114058c  今日の近鉄ハイキングは、アプリ連動ハイキングで、チェックポイントでチェックインして、デジタルスタンプをもらい、すべてチェックインすると、踏破賞がもらえます。左の画像で、最上段が今日ゲットしたデジタルスタンプ。右の画像で、左上が、今日の踏破賞。

Img_0917c Screenshot_20250426105738c  JRさわやかウォーキングの方でも、ポイントをもらって、完了。

Screenshot_20250426084903c  ちなみに、スタートの塩浜駅では、エキタグのデジタルスタンプを忘れずにゲットしてきました。近鉄の係員の方が、「うまくゲットできましたか?」と聞いてくださったのですが、この方もエキタグをやっておられるということでした。

Img_0932c  11時10分、JR四日市駅始発の名古屋行き普通に乗車。桑名駅着は、11時26分で帰宅。空いていて、楽チン。¥250。

Screenshot_20250426114453c  今日のGoogle Fitのデータ。歩いたのは10.34㎞、歩数は16,407。

Img_0939c  太白永餅です。桑名のなが餅でいうと、安永餅本舗 柏屋さんのものに似ていて、これは私の好み(笑)。という次第で、いつもと違うコースで旧東海道も愉しめ、しっかり歩いてきました。201回目のハイキング/ウォーキングも無事終了です。

 

 

2025年4月24日 (木)

天気晴朗なれど、野鳥は相変わらずいません……オマケはポケふた

Dsc05639c_20250424134401  天気はとてもよく、青空が気持ちいいのですが、風が強い。最大風速は、6.9m/sですが、4~6m/sほどの風が続いています。そのお陰で遠くの山までよく見えます。冒頭の写真は、木曽御嶽山。我が家から北東へ116㎞ほどのところにあります。

Dsc05988c_20250424134401  今朝は8時から、いつものようにS理容院さんで散髪してもらい、9時から散歩へ。春日町を出発し、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、南魚町、田町、三崎通と5.0㎞。ツバメ巡回コースでしたが、今日はツバメには遭遇せず。写真は、九華公園の吉之丸堀にかかる橋と、そこの東屋。

Dsc05672c_20250424134401 Dsc05806c_20250424134401  昨日の記事の末尾に書きましたが、この時間からでは、野鳥はやはりあまりいません。九華公園で写真が撮れたのは、カワラヒワとムクドリ。左の写真は、管理事務所近くの電線にて。空抜けですから、本当はペケ写真。右の写真は、奥平屋敷跡にて。

Dsc05894c_20250424134401 Dsc06066c  こちらも奥平屋敷跡にて。ここでは、3羽のカワラヒワが出て来たものの、ヒナはいません。ムクドリは、本丸跡にて。今日も、結局、もっともよく見たのは、スズメとムクドリ。ほかにハクセキレイ、ドバトなどを見たものの、その数は少なく、張り合いなし(苦笑)。センダイムシクイや、キビタキもまだ見られません。

Dsc06143c  九華公園のカモは、キンクロハジロのみでしたが、何と13羽に増えていました。ヒドリガモはもう帰ったのは確実。そうそう、九華公園に来るとき、七里の渡跡から続く堀にかかる多聞橋のところには、オオバンが2羽いました。

 Dsc06187c Dsc06128c_20250424134401こちらは、毎度お馴染みの場所のツツジと、吉之丸堀の景色。大のお気に入りですから、ご容赦ください。右は、九華公園の外周遊歩道の東あたりで撮りました。ほぼ真っ白の花が咲いているツツジ。

Dsc05994c_20250424134401  鎮国守国神社の境内で撮りました。オオデマリでしょうか?

Dsc06213c_20250424134401  散歩コースにある公園には、たいてい藤棚がありますが、どこも手入れが及んでいません。左の写真は、内堀南公園にて。手入れがされていないものの、割と見事な藤の房となっています。

Dsc06232c_20250424134401  こちらは、内堀公園の藤棚。白い藤の花が咲くのですが、とても貧弱で、見るのも気の毒な感じ。明日は、いつもの時間から散歩に行こうと思いますが、今日よりもたくさんの野鳥にいてほしいものです。

1745459684807c  オマケ。ポケモンマンホール『ポケふた』です。なばなの里にありますので、先日、長良川河口堰に行ったときに見て、写真を撮ってこようと思って、すっかり忘れたのです。今日、家内が、ほかの用事で近くまで行ったので、撮ってきてもらいました。今年3月中旬に設置さればかりで、これで、県内全29市町に揃ったといいます。「みえ応援ポケモン」に任命された「ミジュマル」と、美しい自然や海の幸をはじめとする豊かな食に恵まれた三重県の、さまざまな景観をイメージして描かれたポケふたがつくられています。桑名市のポケふたは、「ジャランゴ」「ドゴーム」と、夏の風物詩「石取祭」を楽しむ様子が描かれています。

250424141852942  もう1つオマケ。家内が用事で行ったのは、なばなの里にある花市場。そこでこの押し寿司(箱寿司)を売っています。私の郷里にも同じような押し寿司がありますので、ソウルフードのようなもの。1つ買ってきてもらいました。寺町商店街の三八市でも売っています。

2025年4月20日 (日)

20250420JRさわやかウォーキング「リニア中央新幹線『勝川非常口』見学コース」へ……ハイキング/ウォーキング200回記念(一回完結)

Img_0146c  曇りときどき晴れという予報で、雨は降りそうもありませんでしたので、予定通りにJRさわやかウォーキング「リニア中央新幹線『勝川非常口』見学コース」に行ってきました。桑名では最高気温は、23.9℃。春日井も同じくらいだったでしょう。少しむしっとする感じで、汗をかいたくらいです。JR中央線勝川駅で8時半から12時が受付でしたので、JR関西線桑名駅を7時48分に発車する名古屋行き普通に乗車。名古屋駅には8時22分着。中央線の神領行き普通、8時29分発に乗り変えて、勝川駅には8時47分に到着。通しで支払うと¥690ですが、名古屋駅でいったん改札を出て、再入場すると、¥360+¥250=¥610。近郊区間の扱いで安くなるのです。今日の記事は、一回完結。一人旅。

250420jrwalkingmapkachigawa 250420routmap  こちらが配付されたコースマップ。右は、実際に歩いてきたルートマップ。勝川駅がスタート&ゴール。立ち寄り先は、道風記念館、太清寺、リニア中央新幹線勝川非常口の3ヶ所のみ。あとはひたすら7.7㎞を歩くという設定でした。

Img_0161c Img_0164c_20250420151901  JR勝川駅南口を8時50分過ぎにスタート。地蔵川を越え、名古屋第二環状線(名二環)を越えていきます。名二環という高速道路は、何度もこのあたりを通ったことがありますが、まさかその下を歩くとは思ってもみませんでした。道中、見るべきところは特にありません。

Img_0230c_20250420151901  春日井市道風記念館には、9時20分頃に到着。道風(とうふう)というのは、小野道風(おののとうふう)のこと。平安中期の書家。尾張の人ですが、春日井市には、古くから小野道風の誕生伝説があるのです。書道にすぐれ、和様発達の基礎を築いた。三蹟の一人。春日井市では、小野道風をたたえ、末永く後世に伝えたいと、昭和56(1981)年に、道風誕生の地と伝えられ、小野朝臣遺跡碑の建つ、ここ松河戸町に春日井市道風記念館を開館しています。全国的にも数少ない書専門の美術館であり、また書道史の研究施設でもあります。小野道風について、私は子どもの頃学校で習った記憶があるのですが、家族に聞いても、皆、「それ誰? 小野妹子なら知っている」という答え。小野氏の祖先が小野妹子ですから、道風は妹子の子孫。また、道風が書の達人と見なされる以前、自分の書く文字に満足できないでいた時、気晴らしに散歩に出たら、カエルが懸命に柳に飛びつこうとしているところに遭遇しました。カエルは諦めずに何度も飛びつこうとし、10回目にやっと飛びつくことができ、虫を捕らえました。これを見て、道風は、辛抱強くがんばろうと決意したという話もあります(たとえば、こちら)。道風記念館へは、団体料金の¥80で入館。

Img_0277c Img_0259c_20250420152001  記念館は、道風公園の中にあります。ここは、上記のように、道風の誕生地とされ、公園内には、小野社という神社があります。この祠のある場所は、古くから「小野道風屋敷跡」といわれていて、社の前には「小野朝臣遺跡之碑」という江戸時代に建てられた石碑も建っています。小野社は、元はここにあった八幡社の境内社であったという説もあります。小野道風の顕彰活動について、地元自治会の資料がこちらにあります。

Img_0316c_20250420152001 Img_0360c_20250420155901  道風記念館をあとにして龍源山太清寺(たいせいじ)に向かいます。道風記念館からはほぼ西に2.5㎞行ったところ。ここ太清寺は、臨済宗妙心寺派。かつては醍醐山龍源寺と呼ばれ、徳川家康の逸話が伝えられています。天正12(1584)年の小牧・長久手の戦いで、徳川家康が小牧山から長久手に向かうとき、ここの阿弥陀堂(十王堂とも、現在のものは、右の写真)で休憩しました。家康が「ここは何というところか」と尋ね、庄屋の長谷川甚助が「勝川村です」と申し上げたところ、「勝川とな、これは吉祥、縁起のいい名だ」と喜んだといいます。また、そこで牡丹餅を食べようとしたところ、箸が一本折れてしまい、家康は顔を曇らせたのですが、甚助が「これはまさしく天下が一本になる予兆です」と申し上げたところ、破顔したとか。寺の前にあった兜の形に似た塚を見て勝ちを確信し、付近の竹やぶで旗竿を切り、全軍に甲冑をつけさせ、出陣したそうです。その後、家康は秀吉軍との戦いに見事勝利し、江戸時代には、勝川の旗竿は吉兆の品として、尾張徳川家へ毎年献上されたそうですし、勝利した際に家康が身に着けていた鎧兜は、大変縁起が良い「勝川の具足」として大切に扱われたといいます。

Img_0343c_20250420152001  こちらは本堂。ほかに薬師堂もあります。龍源寺は寛文3(1663)年に寺号を龍源山太清寺と改めています。現在の十王堂(阿弥陀堂)は、昭和55(1980)年に再建されたものです

Img_0334c  Img_0352c 太清寺で目立ったのが、藤と、ドウダンツツジ。藤はきれいに咲いていて、見事でした。ドウダンツツジ(右の写真)はかなり大きな木でした。ドウダンツツジの生長はゆっくりだと聞きますので、ここまで大きな気になるのにはかなりの年月がかかったものと思われます。

Img_0519c_20250420152001 Img_0400c  そして、いよいよ「リニア中央新幹線勝川非常口」の見学へ。工事現場に着いたのは、10時15分頃。ここまで5㎞あまりを歩いてきました。まずは、リニア中央新幹線の説明パネルを一通りチェック。動画も上映されていましたが、これはパス。

Img_0457c_20250420152001 Img_0461c  非常口の見学については、私がここに着いた時点で約25分待ちとのこと。1組、約1分で順番に案内され、それぞれにJR東海の職員の方が付いて、説明をしてくださるということでした。普段なら並ぶことは大嫌いで、「並んで待たなければいけないのなら、もういい」と思うのですが、ここはじっとガマン。

250420103254567c Img_0499c_20250420152001  安全のため、観覧場所は指定され、さらに安全ネット越しに見るようになっていました。超望遠コンデジと、スマホで撮影したのですが、こんな写真しか撮れず、残念。外径は40m、穴の深さは66m、右の写真で下の方に横穴(シールドトンネル)が見えますが、ここがリニア中央新幹線が通るトンネル。ここを上下線が走りますから、外径は14mです。非常口となる立坑は、約5㎞おきに設置され、非常時の客の誘導や、トンネル内の換気、保守作業に使われるそうです。この近くでは、神領、名城でもつくられています。立坑内には、現在は、何も設置されていませんが、営業のときには、換気設備(ファン)、静音設備、微気圧波対応設備、エレベーター、階段などが設けられるといいます。

Img_0429c Img_0452c  これらは、説明パネルを撮った写真。手がかりが少なくて恐縮ですが、上の2枚の写真とあわせて、想像力をたくましく働かせていただければ、幸いです。JRの方は親切に、丁寧に説明してくださり、拙い質問にもきちんと答えていただきました。何度か書きましたが、この年ではリニア中央新幹線に乗ることはできないかも知れませんから、せめて関連施設だけでも見たいと思って出かけた甲斐がありました(微笑)。JR東海による工事概要は、こちらにあります。

Rinia  ちなみに、出かける前にグーグル・マップで見たら、この画像のように、すでにリニア中央新幹線勝川非常口が載っていました。赤枠で囲んだところがそれです。

Img_0561c_20250420152001 Img_0568c_20250420152001  リニア中央新幹線勝川非常口からまた2.5㎞ほど歩いて、ゴールの勝川駅に戻ったのは、11時10分頃。スタートは南口でしたが、ゴールは北口。ゴール受付を済ませ、10ポイントをゲット。コースマップ上では、歩いた距離は7.7㎞、2時間20分ほどを要しました。

Img_0574c  JRの職員の方の手作り顔出しパネルなどもあって、リニア中央新幹線のPRにはかなり熱が入っているようです。

Img_0584c  リニア中央新幹線勝川非常口も無事に見られ、JR勝川駅を11時27分に出る名古屋行き普通で帰宅の途へ。名古屋駅に11時46分着。12時6分発の関西線亀山行きの快速に乗り換え、桑名には12時28分着。往きと同じく、名古屋駅でいったん改札を出て、料金は¥80を節約し、¥610。

250420120017836c 250420115143706c  名古屋駅で乗り換えの間に、中央線7・8番ホームにある立ち食いきしめんの店で昼食を済ませてきました(微笑)。朝、中央線の電車に乗ったときに、この店が見えましたので、帰りにぜひとも食べようと思ったのです。きしめん住よしで、かき揚げきしめん(¥660)をチョイス。かき揚げは、その場であげてもらえます。いやぁ、とても美味しくいただきました。

Screenshot_20250420124902c  こちらは、今日のGoogle Fitのデータ。合計で10.18㎞、16,717歩を歩いてきました。

2025年4月 5日 (土)

20250405近鉄ハイキング「【三岐鉄道合同企画】いなべの桜・貨物鉄道博物館と『おふろcaféあげき温泉』でととのう」へ(一回完結)

Img_9661c  今日は最高気温17.3℃、おおむね晴れで、風もさほど強くはなく(最大風速は4.0m/s)、絶好のハイキング日和。近鉄ハイキング「【三岐鉄道合同企画】いなべの桜・貨物鉄道博物館と「おふろcaféあげき温泉」でととのう」に行って来ました。三岐鉄道三岐線の丹生川駅で9時から11時半の受付でしたので、近鉄桑名駅を8時22分に出る伊勢中川行き急行に乗車。近鉄富田駅に9時29分着。¥300。8時49分発の三岐鉄道三岐線西藤原行きに乗り換えて、丹生川駅には9時27分に到着。¥510。三岐鉄道三岐線では、今年度から、JR東海から導入した新型車両5000系が順次導入されますので(こちら)、写真の車両(西武鉄道から導入したもの)は廃車になるそうです。今回も一人旅。

Img_9654c  いきなりの余談ですが、三岐鉄道三岐線では、切符は、今でも硬券が用いられています。ICカード全盛、クレジットカードでも乗車できる時代に、大変貴重だと思います。

Img_9684c Img_9698c_20250405155101  丹生川駅は、ローカル線ののどかな駅というイメージがピッタリ。駅舎の中にツバメの巣があり、ツバメが止まっていたくらい。ただ、これに気を取られたせいで忘れてしまったことがあり、大失態。これについては、後述。

Img_9688c Img_9691c_20250405155101  コースマップを受け取り、9時半にスタートします。これは駅前から西の方を見た写真。奥に見えているのが、藤原岳。今日、歩いていた間、ほとんどのところからこの藤原岳がよく見えていました。藤原岳は、我が家の玄関先からもよく見えています。

250405kintetsuhikingnyugawa0  こちらが、今日歩いてきたルートマップ。丹生川駅からほぼ真北にある三岐鉄道北勢線の阿下喜駅を目指します。貨物鉄道博物館を見てから東に回り、員弁川に沿って植えられた桜並木を愉しみながら歩くという趣向。阿下喜では、いなべ阿下喜ベースに立ち寄ります。ルートマップ上は、5.6㎞でした。

Img_9706c_20250405155101  丹生川駅にほぼ隣接するように貨物鉄道博物館があります。三岐鉄道とボランティアの皆さんとの協同により、わが国初の鉄道貨物輸送専門の博物館として、平成15(2003)年9月15日に開館しました。子どもたちが小さい頃、たぶん開館して間もないときに1度訪ねたことがあります。その時に比べますと、展示内容はずいぶん充実したと思います。こちらもご覧ください。

Img_9702c Img_9715c  この博物館は、明治以降陸上貨物輸送の主役として活躍し今なおJR貨物や三岐鉄道をはじめとしたいくつかの鉄道会社が手がけている鉄道貨物輸送に焦点を当て、産業文化遺産として後世に残すべき貴重な貨車等を保存展示する施設です。定例開館日は、毎月第1日曜日のみ(入館無料)ですが、屋外の展示車両はいつでも見られます。今日は、近鉄ハイキングにあわせて午前中のみ臨時開館。

Img_9743c  貨物鉄道博物館を出たところで、近鉄富田往きの普通電車が来ましたので、今日もまた「俄撮り鉄」。丹生川まで来る電車にも撮り鉄と思われる方が乗車しておられましたし、コースの途中でも電車を撮ろうと待ち構えている方もいらっしゃいました。三岐鉄道は、撮り鉄の方には人気のようです。

Img_9771c_20250405155101  Img_9756cこれらは、コース途中の写真です。ほぼ田園地帯。いなべ市を近鉄ハイキングで最初に歩いたのは、7年前の2月末でしたが(2018年2月27日:近鉄ハイキングで“昭和レトロな町でおひなさん 早春の鈴鹿山脈を眺め「あげきのおひなさん」へ”(予告編)……マップ上9kmなのに、12.4kmも歩いたお話(笑))、このときは初春でした。春にいなべ市を歩くというイメージが私にはあります。

Img_9805c  藤原岳の写真は、途中で何枚も撮ってきましたが、その1枚。東海環状道が通っています。藤原岳は、初めの方にも書きましたが、我が家からもよく見えますが、さすがにここまで来ると、近い!!

Img_9812c  ルートマップで、員弁川に出たあたりから「員弁川散歩道」となります。ここにソメイヨシノの並木が1㎞以上にわたって続いており、これが「員弁川桜並木」。ほぼ満開で、ハイキング参加者以外にも、たくさんの方が散策したり、写真を撮ったりしておられました。

 Img_9816c_20250405155101 Img_9868c途中、何カ所かで写真を撮ってきました。左の写真は、桜並木の始まったあたりから阿下喜方面を撮ったもの。ずっと桜並木が続いているのがお分かりいただけるでしょう。右は、桜並木と藤原岳とのコラボ写真。

Img_9887c  こちらは、阿下喜について桜並木から離れるとき、振り返って撮ったもの。これまでに私が見た桜並木では、鍋田川の桜並木が見事でしたが、それ以上と思います(2019年4月4日:20190403近鉄ハイキング「木曽岬町の採れたてトマトを食すハイキング 鍋田川堤の桜トンネルと『きそさきトマト』」へ(その1)……近鉄弥富駅をスタート、鍋田川堤桜並木から源盛院で芭蕉句碑、常在院に立ち寄る)。

Img_9900c_20250405155201  桜並木からは、いなべ菓子店八舎が立ち寄り先に指定されていました。どら焼きが名物のようですが、例によって私は、立ち寄って写真を撮っただけで失礼してしまいました。

Img_0025c_20250405155201  Img_0021c_20250405155201 最後の立ち寄り先は、いなべ阿下喜ベース。以前は、阿下喜温泉として営業していましたが、リニューアルされ、おふろcaféあげき温泉新上木食堂AGEKI BASE HOTELの3つの施設が併設されています。ここで温泉に入れば、ととのったのですが、今回も入浴はせず。新上木食堂で昼食を食べることも考えたのですが、営業が11時から。ここに着いたのは10時45分で、次の西桑名行きは11時39分発でしたから、時間に余裕がなく、落ち着いて食べられないだろうと、断念(昼間、西桑名行きは1時間に1本なのです)。新上木食堂にあるショップでいなべ蕎麦を土産にゲット(¥480)したのみ。

Img_0052c Img_9944c_20250405155201  11時過ぎに三岐鉄道北勢線の阿下喜駅へゴール。ここで抽選会が行われていたのですが、敢えなく敗退。私のコースマップの番号は、#50でしたが、いなべ菓子店八舎さんのどら焼きは、下1桁が3、8。あげき温泉の入浴券の当り番号は、かすりもせず(苦笑)。

Img_0036c Img_0042c_20250405155201  西桑名行きの発車時刻まで時間がありましたので、軽便鉄道博物館を見てきました。左の写真は、再構築された阿下喜駅にあった軽便鉄道転車台。右は、北勢線を走っていたモニ226号電車の現車保存展示。

Img_0047c_20250405155201  こちらは、軽便鉄道博物館の建物と名松線家城駅にあった腕木式信号機

Img_0059c  阿下喜駅を11時39分に出る西桑名行きの普通電車に乗車します。最近、北勢線では全駅でICカードが使えるようになって、便利になりました。失礼ながら、ここだけハイテクという感じ。

Img_0066c_20250405155201 Img_0069c  電車はこちら。いわゆるナローゲージ。北勢線の線路幅は762mmで、新幹線の1,435mmに比べ、半分くらい。JR在来線などは、1,067mm。

Img_0075c  西桑名駅には、12時26分に到着。¥510。当然ながら、ICカードにチャージする機械も置かれていました。駅前では、「障サ連&桑名うまいもん横丁チャリティコラボイベント!キッチンカーやワークショップを楽しもう」が行われていましたので、覗いてきました。

Screenshot_20250405125018c  ところで、今日のGoogle Fitのデータ。8.88㎞で、14,286歩でした。よく歩きました。

Screenshot_20250405083346c  こちらは、三岐鉄道三岐線富田駅でゲットしたエキタグのデジタルスタンプ。このデジタルスタンプ、丹生川駅にも、阿下喜駅にもあったのですが、すっかり失念。ワーキングメモリーが弱くなっている証拠でしょう(苦笑)。丹生川駅では、ツバメに気を取られて忘れてしまいましたし、阿下喜駅にはデジタルスタンプがあること自体、未確認でした。大失態。また機会があれば、ゲットすることにします。

 ちなみに、今回で、通算199回目のハイキング/ウォーキング参加でした。200回目は、来週末にも達成できるでしょうか!?

2025年2月23日 (日)

20250223近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 神楽酒造『神楽』」へ(一回完結)

Img_9311cImg_9315c  今朝は、また氷点下になりました。-1.5℃と、今シーズン最低かも知れません。最高気温は、8.4℃。風はあまり強くなく、最大風速が4.1m/s。予定通り、近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 神楽酒造『神楽』」に行ってきました。近鉄湯の山線伊勢川島駅で9時20分から受付。いつもなら、受付開始前につく時刻の電車で行くのですが、酒蔵みてある記は大人気なのに、伊勢川島駅前は狭いことから、ゆっくり出かけました。近鉄桑名駅を9時2分に出る松阪行き急行で、近鉄四日市駅に9時14分着。9時29分発湯の山温泉行きに乗り換えて、伊勢川島駅には9時38分着。¥510。これでも、湯の山温泉行きの電車は、座れない人がかなりいました。

 

Img_9319c_20250223143101  こちらが本日のコースマップ。伊勢川島駅から南に向かいます。吉野地蔵尊から鹿化川沿いを歩いて、県道8号線に出て、四日市市室山町で東に折れたところが、目的地の神楽酒造です。神楽酒造からは、ほぼ1㎞で四日市あすなろう鉄道西日野駅に至ります。これで約5㎞というコース。ただし、川島の住宅団地と、鹿化川から室山町にいたるところと2つの丘を越えます。9時40分過ぎにスタート。

250223isekawashimarout 250223routmis  実際に歩いたルートマップは、こちら。出発早々、伊勢川島駅から吉野地蔵尊に向かうところで、何気なく、ほかの多くの参加者のあとをついて行ったら、コースミスをしでかし、吉野地蔵尊には行けず仕舞い(苦笑)。コースミスは、ずいぶん久しぶりにやらかしました。右のマップに歩いたルートと、本来のルートとを比較しました。伊勢川島駅の南、東に向かっていたところで、もう1本先の横断歩道を渡り、階段を上らなければなりませんでした。実際に歩いたルートから右折して正しいルートには行けないので、回り道が必要だったのです。少し歩いたところで、ルートの形と、実際に歩いている道路の形状が違っており、いつまで経っても吉野地蔵尊に至らないので、気づいたのですが、時すでに遅し。三滝台2丁目バス停あたりから、南下すると鹿化川に行き当たりますから、それで正しいルートに戻ったという次第。その後は、コースマップに忠実に沿って歩きました(笑)。場所によっては、「道の右側の歩道を歩く」といった指定があったのです。

Img_9328c Img_9332c_20250223143101  鹿化川の景色。何度も来ていますが、この川沿いには5㎞にわたって、約1,000本の桜が植えられていて、春には、鹿化川桜まつりが開かれます。

Img_9335c_20250223143101  鹿化川沿いからは、鈴鹿の山並みも見えます。多くはありませんが、冠雪しているのが遠くに望めました。

Img_9357c_20250223143101  目的地の神楽酒造には、10時25分過ぎに到着。すでに大賑わいでした。酒蔵みてある記は、本当に人気があります。抽選会、無料試飲、甘酒の振る舞い、有料試飲、直売会、キッチンカーなどによるつまみその他の販売が、たいていセットされているのです。過去には、私も、直売会で1合瓶をゲットし、つまみも買って、「小宴会」や「一人宴会」をしたことがよくあります。

Img_9374c  まずは、抽選会へ。コースマップの右肩に個別番号が印刷されています。今日の私の番号は、#219。左の写真が当選番号ですが、残念ながら、大ハズレ(笑)。私の直前の方が「#75」だったようで、「オッ、5番がある」とアピールしておられたのですが、当選番号は、1桁の#5で、ぬか喜び。ガックリしておられました。私は、神楽酒造では当たった試しがありません(早川酒造部でもでした。再来週酒蔵みてある記がある丸彦酒造では、ワンカップが当たりましたし、多度の細川酒造では4合瓶を当てたことがあります)。

Img_9383c_20250223143101  続いて無料試飲。飲む前から写真がピンぼけになりました(苦笑)。いただいたのは、純米吟醸生酒の「神楽」でした。小さなカップですので、もっと飲めましたが、今日は有料試飲はやめておきました。四日市あすなろう鉄道西日野駅まで、交通量が多い通りを歩かねばなりません。

Img_9391c_20250223143101  試飲を終えて、直売所へ直行。というか、試飲会場の隣が、直売所。写真の中央にある「火入 特別純米酒 神楽」(¥,200)を1本、買ってきました。

 Img_9395c 神楽酒造では、直売所で酒を買い、キッチンかなどでつまみを入手して、宴会ができるようにしてもらってあり、後ろ髪を引かれる思いがしたのですが、土産も買いましたから、西日野駅に向かいます。

Img_9405c_20250223143101  四日市あすなろう鉄道西日野駅へは、10時55分に到着。平成27(20159年から、四日市あすなろう鉄道は、旧近鉄内部線、八王子線を運営しています。西日野駅から日永駅までが八王子線。日永駅からあすなろう四日市駅は、内部線。

Img_9408c_20250223143101 Img_9412c  ご覧のように、小さい電車です。というのも、いわゆるナローゲージの鉄道。三岐鉄道北勢線も、同じくナローゲージです。全国に残っているナローゲージは、この四日市あすなろう鉄道、三岐鉄道北勢線と、黒部峡谷トロッコ鉄道の3社のみ。11時発のあすなろう四日市駅行きに乗り、四日市駅には11時9分着。¥270。近鉄名古屋線に乗り換え。近鉄四日市駅発11時28分の名古屋行き急行で、桑名駅には11時40分に到着。¥360。

250223123031084c  こちらが土産に買ってきた「火入 特別純米酒 神楽」。火入れをして、1年熟成されています。香りが芳醇で、口当たりは軽いお酒。私の好みです。今日の晩酌はこれ。毎回お断りしていますが、決して大酒飲みではありませんので、誤解なきよう願います。

 Screenshot_20250223111553c Screenshot_20250223112451c 近鉄四日市駅で乗り換えに時間がありましたので、エキタグのデジタルスタンプをゲットしてきました。この1年近く、近鉄四日市駅で下車する機会がなかったのです。デザインは、こにゅうどうくん工場夜景。こにゅうどうくんは、四日市のマスコットキャラクターですし、工場夜景は、四日市のコンビナートの名物。

Screenshot_20250223120242c  本日のGoogle Fitのデータが、こちら。歩いた距離は7.53㎞で、歩数は12,097でした。距離は、いつもの散歩よりも少し長かったのですが、2つの丘を越えましたので、運動量は、いつもより多くなっています。

 本日の教訓。他人様の流れに何となくついて行ってはいけませんね。自分でよく見て、確かめて進まないと間違いをしでかします。

【追記】 このハイキングで、これまでにJRさわやかウォーキング、近鉄ハイキング、勝手にハイキングに198回も出かけたことになります。近いうちに200回を達成できる見込みです。ハイキング/ウォーキングに行き始めたのは、平成29(2017)年10月からで、最初は、朝日町への歴史散歩でした(2017年10月5日:朝日町歴史散歩へ……昼は、味噌天丼)。JRさわやかウォーキングへは同じく、平成29(2017)年の11月から(2017年11月25日:どういうわけか、JRさわやかウォーキングへ……~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き)、近鉄ハイキングには翌12月から(2017年12月22日:近鉄ハイキング「巨大かぼちゃ『中風封じの田村寺』と垂坂公園を訪ねて!!」へ(その1))参加しています。これらで、すっかりハマってしまったのです。ちなみに、これまでに使った電車賃は¥196,110、昼食代金は¥82,511、土産代は¥78,163ということで、費用総額は¥356,784。現地で歩いた距離の合計は1568.1㎞です。

2025年2月 9日 (日)

20250209近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」へ(一回完結)

Img_9069c  昨日降り積もった雪が残る中、予定通りに近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」に行って来ました。近鉄富田駅での受け付けが9時20分から11時まででしたので、近鉄桑名駅を9時11分に出る津新町行き普通に乗車。近鉄富田駅には、9時23分に到着。¥300。富田駅前や、付近の道路にも、昨日の雪が残っていました。さすがに、参加者は、いつもよりは少ない印象。桑名では、最低気温が-1.9℃、最高気温は6.7℃。午前中は、風はほとんどありませんでした。

250209kintetsuhikingtomida0  こちらが今日のコースマップ。20250209kintetsuhikingtomita近鉄富田駅から富貴堂、鳥出神社、水と緑のせせらぎ広場、杵福本舗を経て、早川酒造部へ。その後、八幡神社へ立ち寄って、近鉄川越富洲原駅までという、約5㎞のコース。右の画像は、いつものように、キョリ測で描いたもの。実際には、5.4㎞を歩いてきました。

250209kintetsuhikingtomida1  コース前半を拡大したマップ。近鉄富田駅から東南へ。富貴堂、鳥出神社からJR関西線を越え、国道1号線を渡ったところで左折し、水と緑のせせらぎ広場と行って、富田の町を進みます。

Img_9079c_20250209141401  最初の立ち寄り先は、御菓子処富貴堂生クリーム大福で有名なお店。私は、たいていの菓子屋さんには立ち寄りません。増して、今回は酒蔵みてある記なのですから(微笑)。ここの御菓子は、地元スーパーでも売っているところがあります。

Img_9091c_20250209141401  鳥出神社鯨船行事で有名な神社で、以前から1度訪ねてみたかったところです。鯨船行事については、リンク先に説明がありますが、捕鯨を模した行事で、富田の石取祭と同時に行われる、富田地区の夏祭りです。毎年お盆の8月14日と15日の2日間に鳥出神社を中心に四日市市東富田町の町内と古川町自治会の町内で開催され、富田地区連合自治会が主催します。

Img_9109c_20250209141401  主祭神は、日本武尊事代主神。配神は、宇迦之御霊命蛭子命天照大御神天石戸別神大鷦鷯天皇(仁徳天皇)波邇夜須毘古神、波邇夜須毘賣神應神天皇天児屋根命大山祇神菅原道真。正応元(12883年)年と安永9(1780)年の大火により、古文書を消失したため、当社の創祀の年代は詳らかではありませんが、延喜式神名帳にはすでに記されています。朝明地方における中心の神社として崇敬を受けていたと思われます。また、江戸時代には、富田六郷の総氏神として信仰を集めていました。本社の造営に当たっては、天正13(1585)年以来、伊勢神宮の式年遷宮毎に古材を拝領して行われる古例があり、現在の本殿、拝門、瑞垣、鳥居、社務所などは、いずれもこれにより営繕されているそうです。

Img_9117c Img_9113c_20250209141401  境内には、稲荷社(左の写真)や、神宮遙拝所などもあります(右の写真)。神宮遙拝所は、四日市市内の神社にはよく設けられていますが、桑名市内の神社ではほとんど見たことがありません。

Img_9134c_20250209141401  こちらは、Img_9130c龍神社。山の神などもあわせて祀られていました。このほか、頌徳碑などもありましたが、ネット検索では情報は出て来ませんでした。足元が悪かったため、裏面は見ていません。

Img_9184c_20250209141501 Img_9192c_20250209141501  水と緑のせせらぎ広場。本来は、この中を通るコース設定になっていたのですが、雪に埋もれていましたので、そばの歩道を進みます。

250209kintetsuhikingtomida2  コース後半の拡大マップです。水と緑のせせらぎ広場からはしばらく立ち寄るところがありませんので、凍った雪に滑らないよう注意して、ひたすら歩きました。

Img_9210c_20250209141501  杵福本舗の直売所に立ち寄るコースになっていたのに、今日もらったコースマップでは、「2/9は休業日」と赤字で書かれていました。近くにいらした女性が、「コースになっているのに、変なの」と。ここは、おかきやさんの直売所。

Img_9214c_20250209141501 Img_9221c  スタートから3㎞半ほどで早川酒造部へ。最近も、何度も来たと思っていたのですが、もっとも最近来たのは、2020年2月9日と、ちょうど5年前でした(2020年2月9日:20200209近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」へ(完))。そうです、日本でコロナが大騒ぎになる直前でした。このあと、近鉄ハイキングも、JRさわやかウォーキング中止となってしまったのでした。

Img_9218c_20250209141501 Img_9225c  まずは、抽選会へ。早川酒造部での抽選は、抽選箱に入れられた、清酒の瓶の蓋を引くというやり方です。「赤」が出ると「しぼりたて原酒720ml」が当たったのですが、残念ながら、ハズレ(苦笑)。早川酒造では、これで4戦全敗。思わず、「ここでは当たったことがないな」といってしまいました(失礼)。ついで、試飲会場へ。以前は、2種類の試飲をさせてもらえたのですが、今回は1種類。ブランドをしっかりと見てきませんでした。

Img_9229c Img_9236c_20250209141501  さらに、いつものように、直売会場へ。今回は、「純米酒 天一」(720ml、¥1,200)をゲット。これは、家内の強い希望によります。私は、搾りたて生原酒の方がよいのですが、たまには、家内の希望を入れることにしたのです。試飲だけではちょっとものたらず、かといって、今日のように足元のアヤシいなかで「ひとり宴会」をすると、川越富洲原駅まで無事にたどり着けないかも知れませんので、有料試飲を1杯だけ追加。欲しかった生搾り原酒(¥200)を飲んできました。

Img_9243c_20250209141501  早川酒造部を10時40分に出て、次の立ち寄り先である高松八幡神社は、ちょっとよい気分になっていて、「何度も来たから、まぁいいか」とパス。以前訪ねたときの記事をご覧ください(2020年2月9日:20200209近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」へ(完))このあと、川越富洲原駅まで、また、立ち寄るところはありませんので、雪が残っていないところをなるべく選んで、またもやひたすら2㎞近くを歩きました(苦笑)。

Img_9250c_20250209141501  川越富洲原駅には、11時10分に到着。11時22分に出る名古屋行き普通電車に乗車。桑名駅には、11時30分着。¥300。

Img_9299c_20250209141501  こちらが、今日の土産。上にも書きましたが、「純米酒 天一」(720ml、¥1,200)です。今日の晩酌は、これ。

Screenshot_20250209111637c Screenshot_20250209111647c  このところ、エキタグをしていませんでしたが、近鉄富田駅でも、川越富洲原駅でもデジタルスタンプがもらえますので、ゲットしてきました。左が近鉄富田駅のもの、右が川越富洲原駅のもの。

Screenshot-2025_02_10-4_05_46c  ゲットしたスタンプは、近鉄のものが10個と、三岐鉄道北勢線が1個で、これで合計11個となりました。先は長いというか、ゴールがあるのかどうか??

 Screenshot_20250209115101c 今日のGoogle Fitのデータ。歩いた距離は7.9㎞。現地で5.4㎞ですから、まあこれくらいでしょう。歩数は、13,948。歩いた距離に比べ、歩数が多くなっていますが、これは滑らないよう小股で歩いたところがかなりあったからでしょう。

2025年2月 6日 (木)

20250206近鉄あみま倶楽部ハイキング「七里の渡・大福田寺コース」へ(一回完結)

Img_9006c_20250206163101  今朝は冷えました。-1.2℃と今シーズン最低。あちこちで氷が張っているのを、この冬、初めて見ました。最高気温は、7.0℃。今日は、「朋あり遠方より来たる」(論語)ではありませんが、名古屋から大学時代の同級生である友人が、「桑名散策に行きたい」ということで来てくれました。近鉄あみま倶楽部のアプリ対応コースに「七里の渡・大福田寺コース」がありますので、このコースを歩くことに。実は、最近、同級生K氏とのウォーキングに行けていませんので、自分であみま倶楽部のハイキングコースでも歩こうかと考えていたところで、まさに「渡りに舟」。

250206kuwanawalkingmap  こちらが、近鉄あみま倶楽部の「七里の渡・大福田寺コース」にならってつくったコースマップ。桑名駅東口から、海蔵寺、本統寺、寺町商店街、六華苑、住吉神社、七里の渡跡、九華公園、春日神社、大福田寺、照源寺を回って、桑名駅西口がゴール。9時過ぎにスタートし、春日神社から大福田寺に行く途中、昼食を食べ、桑名駅西口には14時前にゴール。私にとっては、勝手知ったるところですから、mamekichiバージョンの「ブラ桑名」のようなもの。以下、主な立ち寄り先を簡単に。

Img_8926c Img_8937c  海蔵寺は、曹洞宗のお寺。ここには、いわゆる薩摩義士の墓所があります。宝暦3(1753)年、幕府より薩摩藩は揖斐・長良・木曽三大河川工事を命ぜられました。宝暦5(1755)年、工事は完成しましたが、多くの犠牲者と巨額の経費がかさんだことの責任感から、工事総奉行平田靭負は自刃しました。これら義士の墓所は岐阜・三重県下14ヶ寺に埋葬され、ここには平田靭負他23基の墓石が現存しています。

 本統寺は、真宗大谷派桑名別院。地元では、「御坊さん」と呼ばれ、親しまれています。Img_8949c_20250206153701 Img_8946c_20250206153701徳川家茂や明治天皇が宿泊した由緒あるお寺で、境内には、松尾芭蕉が貞享元(1684)年、野ざらし紀行の初旅の折り、この地で詠んだ句「冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす」の句碑(冬牡丹句碑)が建てられています。

 このあと、寺町商店街、三崎見附跡、諸戸氏庭園前、桑名七里の渡し公園を経て、六華苑へ。Img_8970c国の重要文化財・名勝。洋館とそれに連なる和館、複数の蔵などの建造物と池泉回遊式日本庭園があります。実業家の2代目諸戸清六の新居として、1911年(明治44年)にジョサイア・コンドルの設計で着工し、1913(大正2)年に竣工しました。コンドルが設計した現存建造物の大半は東京に集中しており、地方では桑名市のみに現存しています。

 住吉神社を経て、七里の渡跡へ。Img_8973c_20250206153701熱田・宮の渡しから海上七里を船に乗り、桑名の渡しに着いたことから「七里の渡し」と呼ばれています。当時は、東海道の42番目の宿場町として賑わいました。この鳥居は、これより伊勢路に入ることから「伊勢国一の鳥居」と称され、伊勢神宮の遷宮ごとに建て替えられています。

Img_8981c_20250206153701  本多忠勝像のところから九華公園へ。このあたりは、毎日の散歩コースです。本多忠勝は、桑名藩初代藩主。慶長の町割を実施するともに、桑名城をつくり、現代にもつながる桑名の町のもとをつくったといえます。桑名城址に整備されたのが、九華公園。昭和3(1928)年に松平定信(守国公、楽翁)没後百年祭を記念して、本丸・二之丸一帯が九華公園として整備されたものです。

Img_8995c  続いては、桑名宗社(春日神社)。地元では、「春日さん」と呼ばれています。桑名神社と中臣神社の2つの神社からなっています。石取祭は、ここのご神事。門前には、青銅の鳥居があります。これは、寛文年間(1661~1673年)につくられたもの。

Img_8998c 250206114606420c  春日さんのあたりで11時半前でしたので、どこかでランチをということになり、寺町商店街の南口にある「てらまちダイニングUOSUE」さんへ。1階で魚屋さんを営んでおられ、2階が食事のできるお店になっています。1度来てみたかったのですが、一人では敷居が高かったのです。

250206114555387c  魚屋さんですから、刺身定食をチョイス。カンパチ。定食にしていただくと、これで¥1,375。美味しい上にこの値段は、かなりお得です。

Img_9002c  1時過ぎにウォーキングを再開。桑名駅方面に向かいます。駅西に行くのに、こちらの踏切を渡りました。3種類の幅の線路を一またぎしています。手前から(西側から撮っています)、近鉄名古屋線(広軌)、JR関西線(狭軌)、三岐鉄道北勢線(ナローゲージ)。踏切の名称は、それぞれの鉄道会社で異なっており、近鉄名古屋線は益生第4号踏切、JR東海関西線は桑名駅構内踏切、三岐鉄道北勢線は西桑名第2号踏切。これらを横断し、レールの幅を実際に見て体感できます。

Img_9016c  大福田寺。高野山真言宗のお寺。聖徳太子創建と伝えられます。山門は、江戸時代建立といわれるもの。毎年2月3日には節分祭、4月1日・2日には日本三大聖天の一つ桑名聖天大祭が行われ、2日には伊勢大神楽の奉納が行われます。節分祭では、鬼が市内を練り歩く鬼追い厄払いがあります。今年も、我が家の近くで、螺貝の音が聞こえていましたので、「大福田寺の鬼追い」が来たなと分かります。

 Img_9023c 大福田寺の境内で、白梅がかなり咲いていました。このあたり、昔はときどき散歩をしたのですが、最近はすっかりご無沙汰。いつもの散歩コースでは、常信寺の紅梅がもっとも早く咲くのですが、それよりこの白梅の方が早く咲くと思われます。

Img_9050c_20250206153701  最後の目的地は、照源寺。浄土宗。久松松平家の菩提寺。寛永元(1624)年、桑名藩主松平定勝が死去したため、その子定行が創建しました。定行は伊予松山へ移封しましたが、弟定綱が藩主を継いだので、松平家の菩提寺として存続しました。「松平定綱及び一統之墓所」(県指定文化財)には藩主ら二十八基の墓石があります。境内には定綱が摂津の天台宗金龍寺から分植した金龍桜があります。

Screenshot_20250206143223c  「七里の渡・大福田寺コース」のウォーキングは、このあと桑名駅西口で完了。こちらは、Google Fitのデータ。約6キロのコースですが、自宅~桑名駅往復を含め、なんと12.1㎞も歩いていました。歩数も2万歩を超え、驚き。

Screenshot_20250206140719c Screenshot_20250206140816c  このコースは、初めの方にも書きましたが、あみま倶楽部のアプリ対応コースでしたので、デジタルスタンプも集めてきました。踏破証もこれで5つになったのですが、有効期限内のものは、3つ。これで交換できるのは、オリジナルステッカーです(微苦笑)。

【付記(2/7)】 2月7日の中日新聞朝刊三重版に「六華苑の池で浚渫作業が行われていて、いつもは池の底にある、第2次大戦中に投下された爆弾の痕跡が見られる」という記事が載っていました。そういえば、池の中央あたりに直径数mの跡がありました。それが爆弾であいた穴をふさいだところだったようです。六華苑には「浚渫作業をしています」という掲示はあったと思うのですが、受付などにもこの爆弾の跡が見られるとでも示しておいてくれたら、皆さん、興味を持ってみられたんじゃないかと思います。

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  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)