お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2026年1月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2021年1月以降の記事を残し、2020年12月以前の記事は削除しました。2021年1月1日以降の記事は、両方にあります。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

文化・芸術

2026年1月12日 (月)

九華公園にミサゴが登場……桑名市博物館で『戦国きょうだい』展を見てきました

Dsc07083c_20260112145101  今朝は、わずかではありますが、氷点下になりました(-0.7℃)。わが家あたりで氷点下まで冷えるのは、一冬に何度もあるわけではありません。名古屋では積雪があったそうですが、このあたりは雪は降らず。日中は、8.0℃まで上がり、よく晴れて、風も弱くなっています。リビングにいると、陽が奥まで入って、暖かく過ごせています。今朝は、冷えたことと、昨日の記事に書きましたが、桑名市博物館に展覧会を見に行こうということで、いつもより遅く、8時10分から散歩へ。住吉神社、九華公園、内堀公園、桑名市博物館、京町、寺町と5.2㎞。

Dsc05335c_20260112145301 Dsc05361c_20260112145301  散歩に出てすぐ、住吉入江にキンクロハジロと、オオバンが1羽ずつ。

 Dsc05399c Dsc05451c_20260112145301 揖斐川には、赤須賀漁港の漁船が出ていて、水鳥はほとんどいませんでした。住吉水門のところにヒドリガモのオスが1羽。ほかには、オオバンの姿も2~3羽見えたくらい。

Dsc05526c_20260112145301Dsc05535c_20260112145301  今日は、シラウオ漁の漁船も1組が出ていました。今シーズンは、初めて見ました。2隻が1組となり、大きな網をゆっくり曳いて行きます。と説明を書かないと、どういうシーンなのか分からない写真になります(苦笑)。何かよい手だてはないかと思っているのですが、なかなか。

Dsc05604c_20260112145301 Dsc05573c  柿安コミュニティパークの堀まで来たら、キンクロハジロ2羽と、オオバンが1羽。冷えたせいなのか、途中、小型野鳥の姿はほとんど見ませんでした。ドバトと、ヒヨドリを少し見たくらい。

Dsc05730c_20260112145301  九華公園には8時半に到着。アイガモさんたちは、元気でした。

Dsc05818c Dsc05812c_20260112145201  奥平屋敷跡では、まずは、ツグミ1羽と、ハクセキレイが1羽。このツグミは、相撲場あたりでも見かける個体に似ています。いつも、何気なく、ふと現れる感じです。「振り向いたら、そこにいる」という風に。

Dsc05855c_20260112145201 Dsc05990c_20260112145201  しばらく待っていたら、シメも登場。今日は、回り込む時間的余裕がありました。下から見上げるアングルになりましたが、枝が込み入っていますので、やむなし。シメを撮っていたら、すぐ先にモズのオスも登場。

Dsc06168c Dsc06298c_20260112145201  鎮国守国神社にお参りして北門からふたたび相撲場あたりに行くと、カワラヒワ。その近くには、ハクセキレイが1羽。

Dsc06419c_20260112145201 Dsc06502c_20260112145201  九華公園の外周遊歩道の東を歩いていたら、なんとミサゴが登場しました。魚食性のタカの仲間で、全長は54cm(オス)~64cm(メス)、翼開長は155~175cm。九華公園には冬になると、ときどきやって来て堀の上空を旋回し、獲物を物色しています。残念ながら、今日は、ダイビングシーンはなし。

Dsc06760c_20260112145101 Dsc06785c_20260112145101  奥平屋敷跡、昨日ムクドリがセンダンの実を食べていたところに、今日はヒヨドリが来ていました。ヒヨドリも、ムクドリも実を丸呑みするのですが、さすがにちょっと大きくて、四苦八苦。

Dsc05672c_20260112145301  水鳥たち。Dsc06092cホシハジロのオスが戻ってきました。私が見たのは1羽だけでしたが、2羽いたという情報もあります。キンクロハジロは、31羽。ただし、あちこちでエサをやる人があり、今日のカウントはちょっと不正確かも。

Dsc05683c  ハシビロガモは、8羽。ヒドリガモは、今日は、見当たらず。

Dsc06141c_20260112145201 Dsc06207c_20260112145201  ユリカモメは、たくさんいました(笑)。数えられた範囲では37羽でしたが、右の写真のように、エサをやる人があるとたぶん100羽は集まってきています。カモや、アイガモにエサをやりたい人でも、右の写真のようにユリカモメが集まってきて、エサを独占しますので、カモ、アイガモは寄りつけません。この写真でも、アイガモは向こうの方にいて、エサ争いには参戦していません。

Dsc06884c_20260112145101 Dsc06860c_20260112145101  内堀公園では、カワラヒワが2羽と、ツグミが3羽。ツグミはもう少し近くで撮影しようと思ったらに、次々に飛び立ってしまいました。

Dsc07026c_20260112145101 Dsc07041c_20260112145101  博物館に立ち寄って帰宅途中、住吉入江では、昨日と同じように、オオバン3羽に遭遇しました。同じオオバンたちが来ているのでしょうか?

260112094055517c 260112094059332c  ところで、その桑名市博物館、「いつでもいいや」と思うと、見に行く機会を失うかも知れませんので、早速、見てきました(微苦笑)。で昨日から『戦国きょうだい-血脈と運命の十字路 (クロスロード) -』という展覧会が始まっています。2月23日(月・祝)まで。高校生以上は、1人¥150。

Sengoku2 Sengoku1 画像は、今日いただいた出品リスト。『豊臣秀吉行状絵伝』(個人蔵)をはじめ、戦国の乱世を駆け抜けた「きょうだい」ゆかりの逸品が紹介されます。私が注目したのは、『天野周防守宛豊臣秀吉朱印状』(市文化財)。2階展示室では、特集陳列「総理の書」と、「刀剣コレクションⅢ」も同時に開催されています。前者では、明治から昭和初期にかけて国政を担った総理大臣伊藤博文から犬養毅まで七名の総理大臣の書がみられます。

Dsc06976c_20260112145101  刀剣では、いつものように、一点のみ撮影可能となっています。これは、「短刀 銘 尾州長船勝光/永正二年三月日」。永正2年は、1505年。勝光は、備前長船派の中でも末備前(古刀末期の戦国時代)の刀工。中国地方は、良質な砂鉄が産出されたことから、優れた刀剣が多いといいます。ほかには、村正の刀、短刀なども出ていました。

 

2026年1月11日 (日)

強風で鳥はいない中、カワラヒワの飛び出しシーン

Dsc05196c_20260111143201 Dsc05212c-2  とても強い風が吹きまくっています(苦笑)。14時現在で、最大風速は10.0m/s(14時30分)。11階建てのマンションで、周囲に高い建物はありませんので、とても風当たりが強いのです。今のところ、最低気温は2.2℃(18時)で、最高気温は11.4℃(3時54分)でした。朝7時頃は、10℃ほどあり、風もさほど強くはありませんでしたので、いつも通り、7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、内堀公園、京町、寺町と5.0㎞。揖斐川の堤防の上などは、風が強かったのですが、公園の中はそれもさえぎられ、陽が当たると暖かいくらいでした。冒頭の2枚の写真は、散歩から帰ったときのもの。

Dsc04118c_20260111143301  こちらは、途中、揖斐川の堤防から撮った北の空。寒そうです(笑)。古希を過ぎて、寒さに弱くなった気がしますので、写真を見るだけで身震いします。

Dsc04013c Dsc04048c_20260111143301  住吉神社の前の揖斐川には、ヒドリガモ集団。左の写真に写ったグループは、40数羽以上いました。右の写真は、船津屋さんの裏手にいた、別グループ。こちらは8羽ほど。

Dsc04105c_20260111143301  七里の渡し跡では、コガモのオスが2羽と(左の写真)、オオバン1羽、ヒドリガモが1ペア。

Dsc04211c_20260111143301  九華公園まで、小型の野鳥はまったく見ませんでした。この強風では、煽られてしまい、とても飛べたものではないのでしょう。九華公園のアイガモさんたちは、元気そうです。だんだんと冬の寒さも何とか乗り切ってくれるのではないかという気がしてきました。

Dsc04320c_20260111143401  いつも以上に小型の野鳥は少なかったのですが、貴重なシーンも見られました。その主役は、こちら、カワラヒワ。管理事務所南のイチョウの木にいたものです。

Dsc04323c_20260111143401 Dsc04324c_20260111143401  前の写真のあと、左の写真のような体勢をとったのです。「これは飛び出すな」と思ったら、期待通りでした(微笑)。以下、連写した連続写真です。

 Dsc04326c_20260111143401 Dsc04325c_20260111143401右上からの続きですから、飛び出して、羽ばたいて、翼は下向きに。載せられる写真は、ここまで。寒くて、野鳥が少ない中、貴重な楽しめる写真が撮れました。

 Dsc04378c_20260111143401ほかに見た小型野鳥は、ハクセキレイ。奥平屋敷跡にて。

Dsc04818c_20260111143201 Dsc04824c_20260111143201  さらに、外周遊歩道の南を歩いているとき、奥平屋敷跡にあるセンダンの木にムクドリが数羽やってきました。センダンの実は、鳥たちにはあまり人気がありません。見ていると、ほかに食べる物がなくなると、これを食べに来るようです。整腸や鎮痛効果もあるそうですが、人やペットには有毒な物質が含まれます。ヒヨドリもこれを食べます。

Dsc04342c Dsc04353c_20260111143401  水鳥たち。今日は、カワウから。旧アヒル小屋のところに4羽ほどがいました。右の写真は、左の写真で向かって左にいたカワウのクローズアップ。何やら考え込んでいるか、物思いにふけっている風。

Dsc04319c  こちらは、繁殖期に張っているカワウのクローズアップかつほぼ正面顔。

 Dsc04244c_20260111143301 Dsc04233c_20260111143301 カモたちは、今日もホシハジロは見当たりませんでした。現在、滞在しているカモは、3種類。キンクロハジロ(左の写真)は、29羽。ハシビロガモ(右の写真)は、11羽。

Dsc04415c_20260111143401  ヒドリガモは、今日も1ペア。カモが少なくて、張り合いなし(苦笑)。

Dsc04517c_20260111143401 Dsc04273c_20260111143401  ユリカモメは、たぶん90羽以上いました。右の写真は、逆光で黒くなりましたが、九華橋の上に立って、カモやユリカモメを数えようとしたときのもの。堀にいたユリカモメが、エサをもらえると思ったのでしょう、一斉に私の方に飛んできたのです。ちょっと怖いくらい。ちょっとだけ、ヒッチコック監督の『鳥』という映画を思い出しました。年がバレますねぇ……。

 Dsc04539c_20260111143401カイツブリは、今日も二の丸堀の東側エリアにいました。このところずっとまったく同じ行動パターンです。ハジロカイツブリは今日もいません。

Dsc04937c_20260111143201 Dsc04985c_20260111143201  内堀公園では、ツグミが2羽。暗かったので、こんな写真。右の写真を見ると、頭でっかちというか、ベレー帽でも被ったかと思うような形になっています。

Dsc05080c_20260111143201 Dsc05114c_20260111143201  さらに、拙宅マンションのすぐ前の住吉入江まで戻ってきたら、オオバンが3羽。キンクロハジロや、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリなどが入ってくることもあります。

Dsc04655c_20260111143201 Dsc04638c_20260111143201  鎮国守国神社の境内で、シロバナスイセン。同じく、梅のつぼみ。どうしても気になるので、見てきてしまいます。

Dsc05055c  オマケというか、自分の記憶のために。桑名市博物館で昨日から『戦国きょうだい-血脈と運命の十字路 (クロスロード) -』という展覧会が始まっています。2月23日(月・祝)まで。今年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』にちなんでいます。『豊臣秀吉行状絵伝』(個人蔵)をはじめ、戦国の乱世を駆け抜けた「きょうだい」ゆかりの逸品が紹介されますし、特集陳列「総理の書」も同時に開催されます。明治から昭和初期にかけて国政を担った総理大臣伊藤博文から犬養毅まで七名の総理大臣の書がみられるといいます。さらに、特集陳列「刀剣コレクションⅢ」も同時開催。博物館は京町にあり、9時半開館ですから、散歩のついでに行くとよいのですが、最近、野鳥がいないこともあって、散歩が早く済んでしまうのです。博物館近くには、喫茶店もなく、寒い中待っている気にはなりませんが、忘れずに、早めに見に行きたいと思います。

 

2025年12月 7日 (日)

20251207三重県総合博物館で「発掘された日本列島」展を見る

251207161630550c  今日は、朝は最低気温が3.1℃と冷えましたが、日中の最高気温は14.4℃と暖かくなりました。実は、昨日から家内の実家に行っていたのですが、今日、桑名に帰る途中、三重県総合博物館で開催中の「発掘された日本列島」展を見てきました。これも、見たかった展覧会なのですが、公共交通機関で行くとなると、桑名から津まで電車、津駅から三重県総合博物館まではバスをそれぞれ利用することになりますので、二の足を踏んでいたのです。家内や娘も見たいということで、3人で見てきました。

 251207154413985c日本全国では、毎年およそ8,000件の埋蔵文化財の発掘調査が行われているそうです。展示は、2つのパートからなっており、まず、最新の発掘成果を紹介する全国巡回展となる中核展示では、旧石器時代から近世までの遺跡とそこから出土したさまざまな資料の中から、近年特に注目される“逸品”が紹介されています。また、開催県独自の地域展として、伊賀地域にある三重県屈指の大型前方後円墳や古代寺院の存在と、そこから出土した資料が展示されています。チラシは、こちらで見られます。

 251207155352515c 251207155751110cチラシにあるようにさまざまな出土品などが展示されていましたが、目が向くのは埴輪。左の写真は群馬県の保渡田Ⅶ遺跡から出土した「胡座する男子埴輪」。あぐらを組んでおり、冠を冠り、装飾した太刀を下げています。ただし、展示されているのは、レプリカでした。右の写真は、熊本県の上官塚遺跡から出土した「家形埴輪」と、「囲形埴輪」。入母屋造の家と、それを囲う形になっている埴輪。

251207160023281c  さらにこちらは、松阪市の宝塚1号墳から出土した「船形埴輪」。この埴輪は、他に類を見ない豪華な装飾が施された船形埴輪です。去年、松阪での展覧会で実物を見てきました(2024年11月3日:20241103近鉄ハイキング「祝!国宝指定!!『宝塚1号墳出土の船形埴輪』と松阪『氏郷まつり』をたずねて」へ(予告編))。今回展示されていたのはレプリカ。

251207183552382c251209155416532c  ちょっと値が張ったのですが、今回も図録を買ってしまいました(苦笑)。¥3,300です。図録マニアなので、展覧会に行って、図録を売っていると買ってしまうのです。それ故、これから今月は、小遣いは、節約生活をしなくてはなりません。三重県総合博物館のミュージアムショップでは、関宿の銘菓・関の戸を売っています。これは、私の好物で、見かけたらほとんど必ず買ってしまいます。

 251207154333234c 251207160731919c 三重県総合博物館を訪ねたときのお約束。ミエゾウの骨格模型の写真を撮り、ミュージアムショップ脇にいるさんちゃんを見てくることです。さんちゃんはオオサンショウウオ。三重県総合博物館で唯一、生きている標本です。

2025年10月29日 (水)

九華公園でキセキレイとジョウビタキのオス……桑名市博物館で「桑名の豪商 諸戸家の至宝」展を見てくる

251029064657271c  今日の最低気温は、10℃を下回って、8.1℃。さすがに寒く感じます。日中はよく晴れて、風も収まり、20.6℃になっています。リビングにいると、日がよく当たってポカポカしています(冬みたいな表現ですが)。今日は、勝手に決めた「定例散髪日」で、8時からいつものS理容院さんへ。9時に終わって、散歩開始。九華公園、桑名市博物館、外堀、吉津屋町、京町、寺町と5.0㎞ちょうど。いつもより遅い時間に九華公園を歩いていましたので、「お久しぶり」の散歩友達4名と遭遇。かなりの時間をおしゃべりに費やしてきました(笑)。

Dsc04302c_20251029142401  Dsc04260c_20251029142401九華公園へはいつもの北門から入ったのですが、いきなりカワセミが登場。日陰に入ってしまいましたので、きれいには撮れず、ちょっと残念。カワセミは、このあとも、九華公園内を歩いていると、あちこちで鳴き声を聞きました。カワセミが止まった近くには、アイガモたち。今日も元気そうで、水の中にある物を食べていました。いつもの場所に、アオサギは見当たらず、残念。

Dsc04414c_20251029142401  Dsc04373c_20251029142401吉之丸堀にあった旧アヒル小屋の残骸のところにカワウが2羽。夏場、カワウはほとんどいなくなりますが、寒くなるとどこかからか集まってきます。神戸櫓跡の松の木や、野球場の照明灯の上に集まります。

Dsc04423c_20251029142401  奥平屋敷跡では、なんと、キセキレイが1羽。先日、貝塚公園でキセキレイらしい鳥を見ました(2025年10月27日:九華公園でダイサギ)。そのときにも書きましたが、冬になると九華公園あたりに来ることがあります(2025年3月21日:柿安コミュニティパークでキセキレイ……シティ・ホールの薄墨桜が咲き始めました、2024年11月5日:ジョウビタキのオスのバトル・シーンに遭遇……バードウォッチングは吉日)。

Dsc04515c_20251029142401  二の丸跡では、カワラヒワが松に集まっていました。何かを食べているように見えましたが、何を食べているのかまでは分からず。

Dsc05081c_20251029142301 Dsc04621c  カモたち、今日も、キンクロハジロ17羽、ハシビロガモ11羽(右の写真はオス)、ヒドリガモ1ペア(左の写真)がいました。

 Dsc05039c_20251029142301 Dsc05028c_20251029142301 こちらは、キンクロハジロ。左の写真がオス、右がメス。

 Dsc04948c_20251029142401 Dsc05008c_20251029142401 九華公園の外周遊歩道の東でジョウビタキのオスを見たものの、枝かぶりばかりで写真は撮れなかったのですが、南側にも出て来ました。明るいところで、バッチリ(微笑)。メジロもいたのですが、それはうまくは撮れず。

Dsc05140c 九華公園から桑名市博物館へ。徒歩5分ほど。10月25日(土)から11月30日(土)まで「桑名の豪商 諸戸家の至宝」という特別企画展が開催されているのです。諸戸家は桑名の素封家で、「日本一の山林王」といわれた一族です。初代諸戸清六は、米相場や山林事業により一代で富を築き上げました。財をなしたあとは公共事業に惜しみなく私財を投じ、近代桑名の発展に尽力しています。諸戸清六が亡くなったあとは、次男精太が宗家を、四男精吾が二代目清六を襲名して、本家を継ぎました。精太は、好き者として名高い益田孝(鈍翁)とも親交を結んで、厳選された茶道具を数々収集しています。

233_moroto  この展覧会では、重要文化財3点を始め、公益財団法人諸戸財団が所掌する諸戸家の至宝が紹介されています。その数、61点。重要文化財は、禅の教えが書かれた「禅師墨跡 与栄意禅人(ぜんじぼくせき えいいぜんにんにあたえる) 法語」「虎関師練錬(こかんしれん)墨跡 座禅語」の掛け軸2点と、15~16世紀に朝鮮半島から渡ってきた「三島平茶碗(みしまひらちゃわん)」。こちらに中日新聞の記事があります。それにしても、明治から戦前のお金持ちは、桁が違います。持っている富もそうですが、それを世のため人のためにかなり使っていますし、その上にこういう美術品、文化財も収集しているのですから。こういう人たちが、これらの至宝を持っていてくれたお陰で、われわれもそれを目にすることができる訳です。ポスターの画像は、桑名市博物館のサイトからお借りしました。ちなみに、今回も図録が発行されていましたので、ゲットしてきました(¥1,000)。図録マニアなのです。内容から見て、¥1,000とはおトク。

Dsc05158c_20251029142301  桑名市博物館恒例の1点だけ撮影できる出展。「短刀 銘 村正」(室町時代)。箱書きに「奉献 玉鉾神社 村正 太刀 壱口」「明治20年11月1日正遷宮之際寄付件如(くだんのごとし)」とあるそうで、桑名在住の氏子から、正遷宮のとき、玉鉾神社に奉献されたものと考えられています。玉鉾神社は、明治末期に現在、春日神社(桑名宗社)境内にある母山神社に合祀されています。

Img_5461c_20251013142301 Dsc05185c_20251029142301  ちなみに、先日、JRさわやかウォーキングで訪ねた六華苑は、二代目諸戸清六の新居として建てられたもの(2025年10月13日:20251013JRさわやかウォーキング「桑名を満喫!! 東海道お手軽ウォーキング」へ(一回完結)、左の写真)。わが家のお隣の諸戸氏庭園は、初代諸戸清六邸。現在、秋の特別公開が行われています。

Dsc05180c_20251029142301  余談。寺町で見つけたポスター。「見どころくわな オンラインマップ」の紹介。アプリをインストールしなくても使えます。現地で試してみました。観光スポットや、お勧めのお店、イベント情報が分かります。2026年3月末までの期間限定のようです。

 

2025年10月25日 (土)

モズ・デー……九華公園にはアオサギが2羽

Dsc02209c_20251025150801  昼前からたまに弱い雨がパラつきますが、基本的に曇り。気温は、16.1~18.6℃とほぼ一定。寒く感じます。今朝は都合があって、6時50分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町と5.7㎞。曇っていますので、今日もまた「証拠写真」のオンパレードです(苦笑)。

Dsc00956c  わが家のお隣、諸戸氏庭園に枯れた高木があります。そこにモズ。オスのようです。ここは見晴らしがよいので、いろいろな鳥が来ます。

 Dsc01017c_20251025150401蟠龍櫓には、今日もイソヒヨドリのメス。今日は、1階の屋根の端っこにいて、ここから例の鬼瓦のところに移動しました。天候が今ひとつで、土曜日なのに散歩する人はあまりありません。

Dsc01135c_20251025150701  九華公園に着いてまずは、アイガモの確認。いつものように、北門を入ってすぐの堀にいました。ここが定位置になっています。いろいろな人がエサをやりますが、ほとんどの人が「アーちゃん」と呼んでいます。今日も散歩友達の女性が、来たら早速寄ってきて、パン屑をもらっていました。

Dsc01252c_20251025150701 Dsc01374c_20251025150701  鎮国守国神社の社務所の裏の木にアオサギがいました。昨日と同じです。九華橋の近くの樹上に来ていたアオサギが、こちらに移動したと思っていたのですが、今日は、その九華橋の方にもアオサギが来ています。ということは、九華公園に来るアオサギは、2羽と思われます。

Dsc01201c_20251025150701 Dsc01183c_20251025150701  ほかに相撲場あたりにいたのは、カワラヒワと、ドバト。どちらもおなじみのメンバー。カワラヒワは、最近増えてきました。秋になると集団見合いをすると何かで読みましたが、その通りのようです。

Dsc01225c_20251025150701  キジバトもいつも、九華公園のどこかにいます。

 Dsc01433x カモは、二の丸堀と、吉之丸堀とに分かれていました。二の丸堀の西側エリアには、ヒドリガモのオス2羽と、メス1羽。しかし、ヒドリガモはあちこちの堀をよく移動しています。

 Dsc01498c_20251025150701 Dsc01557c_20251025150701 もう1種類、二の丸堀にいたのは、キンクロハジロ。今日は、オスが4羽と、メスが2羽でした。

Dsc01584c_20251025150701 Dsc01609c_20251025150701  ハシビロガモは、吉之丸堀の西側エリアにいました。左の写真がオス、右がメス。ヒドリガモもそうですが、オスはとくにエクリプス状態で、あまりきれいではありません。季節が進むにつれて、オスらしくなっていきます。今日は、九華公園ではジョウビタキも、ツグミも見かけませんでした。

Dsc01830c_20251025150801  Dsc01894c_20251025150801 九華公園から貝塚公園に行く途中、吉之丸で電線にモズ。これもオスのようです。貝塚公園でも、モズ(右の写真)。これもオス。吉之丸と貝塚公園とは、すぐ近くですから、同じ個体かもしれません。

Dsc02008c_20251025152801  さらに、内堀公園でも電線にモズ。これは、メス。

 Dsc02091c_20251025150801 Dsc02105c_20251025150801 以下、余談のようなもの。近所の寺町商店街では、今日、明日と「桑名まつり博」というイベントが開催されます。「商店街を遊び尽くせ」というテーマだそうです。

251025082412787c  ハロウィーンにちなんだイベントもあるようで、このようなインスタ映えスポットが設けられていました。

Dsc02066c_20251025153401  ここからは自分の記憶のためのことを2つ。まずは、桑名市博物館では、今日から11月30日(土)まで「桑名の豪商 諸戸家の至宝」という特別企画展が開催されます。これは、見逃せません。高校生以上は、ひとり¥500。

Dsc02200c_20251025150801  もう1つは、諸戸氏庭園も、今日から秋の特別公開。12月7日(日)まで。紅葉が見頃になったら、出かけようと思っています。左の写真で住吉入江の奥に見えるのが、諸戸氏庭園。大人ひとり¥500。

Dsc01845c_20251025150801  週末になると雨模様というのが、これでたぶん4週連続となっています。天気の変化パターンがよくない巡りなのでしょう。まぁ、ほとんど毎日休みですから、あまり気にしないでよいことですが(苦笑)。写真は、たぶんセンニチコウ。貝塚公園にて。

  

 

2025年10月10日 (金)

桑名市博物館で「なんの花か咲く-花のある風景-」展を見る

Dsc07836c_20251010141101  10月10日、昔であれば「体育の日」でした。昔話をしても仕方ありませんが、私の場合、どうしてもそう思ってしまいます。昭和39(1964)年に行われた東京オリンピックの開会式が行われた日で、晴れの特異日としても知られています。屁理屈はさておき、今朝は、7時から散歩へ。桑名市博物館で10月13日まで開かれている「なんの花か咲く」を見て来ようと思ったからです。博物館の開館は9時半。あまりに早く行くと、1時間以上も時間を潰さなければならない羽目に陥るのです。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、内堀公園、桑名市博物館、京町、寺町と7.2㎞。貝塚公園で鳥を探して、何周もウロウロしていたら、この距離(笑)。今朝は17.7℃、最高気温は25.1℃。

Dsc07792c_20251010141101  住吉水門のところにダイサギが1羽いたのですが、あいにく曇天で、逆光の位置。証拠写真というか、それ以下というか。

Dsc07871c_20251010141101 Dsc07887c_20251010141101  柿安コミュニティパークでは、いつもの電柱にカワウが1羽。そのそばの電線には、キジバト。ほかにはムクドリと、ヒヨドリ。

Dsc08198c_20251010141101  九華公園には、7時半に到着。北門を入ってすぐの堀には、今日もアイガモたち。エサをもらって、懸命に食べていました。九華橋近くの樹上にはいつもならアオサギがいるのですが、今日はお休みで、とても残念。

Dsc08005c_20251010141101 Dsc08059c_20251010141101  九華公園内で見たのは、カワラヒワと、ドバト。ほかには、カラスたち。カワラヒワは、けっこうたくさんいました。秋は、集団見合いシーズンのはず。

Dsc08322c_20251010141101 Dsc08531c_20251010141101  貝塚公園では散々歩き回ったのに、見られたのは、モズのオスと、カワラヒワ。ヒヨドリはかなりたくさんいたのですが、写真が撮りやすいところには、ほとんど出てこず。博物館の開館までまだ時間がありましたので、内堀公園にも立ち寄ったものの、草刈り作業が行われていて、いたのはスズメのみ。

Dsc08630c_20251010141001  開館と同時に桑名市博物館に入館。冒頭に書きましたように、10月13日まで「なんの花か咲く-花のある風景-」展が開かれています。9月13日から行われていたのですが、散歩に早く出るため、観覧するチャンスを逃していたのです。このままでは見そびれると思って、今日出かけたのです。特集陳列として、「刀剣セレクションⅡ-鎗づくし-」も2階展示室で並行して開催されています。

 花は、Dsc08785c_20251010141001絵画でもよく描かれますが、その花が主役の場合と、さりげなく添えられた場合があります。絵画や工芸品にも花が描かれることも多々あります。この展覧会では、花のさまざまな描かれ方を通して、花の秘密を探るというのが、主眼です。出品リストは、こちらにあります。地元の栗田真秀帆山花乃舎中村佐州小林研三佐藤昌胤の絵や、沼波弄山古萬古なども展示されています。印象に残ったのは、「関寺小町図屏風」。謡曲の1つに題材をとったもの。絶絶世の美女いわれた小野小町も、年老いて容色が衰え、近江国関寺のあたりに庵を結んで住んでいたのを、歌道の誉れによって七夕祭に寺に招かれるというシーンが描かれています。ここには、撫子や、水引草がそえられています。

Dsc08767c_20251010141001  「刀剣セレクションⅡ-鎗づくし-」では、サブタイトル通り、鎗が展示されています。村正の銘の鎗もありました。こちらは、この展覧会で唯一撮影可能な作品。「鎗 銘 村正」です。村正は、16世紀に伊勢桑名で作刀した刀工として知られています。鎗の作例も残されています。この鎗は、シンプルな造りの三角鎗で、地鉄(じがね)は板目肌(いためはだ)に白(しら)けまじり、刃文(はもん)はのたれに小乱(こみだ)れが交じるというものだそうです(展示説明によります)。「村正作」の銘があるそうですが、工房作の可能性も含めて検討の余地があるといいます。

Dsc08640c_20251010141001 Dsc08676c_20251010141101  2階の常設展示「桑名の千羽鶴」も撮影可能ですので、写真を撮ってきました。桑名には、特別な連鶴(れんづる)が伝承されており、「桑名の千羽鶴」と名付けられ、桑名市の無形文化財に指定されているのです。その折り方は寛政9(1797)年に刊行された『千羽鶴折形』という書物に記されています。この本には、長円寺(ちょうえんじ)(桑名市)の住職 魯縞庵義道(ろこうあんぎどう)によって考案された49種類の折り方が紹介されています。その特徴は、1枚の紙で、2羽から最高97羽までの連続した鶴を折るのです。「桑名の千羽鶴を広める会」のサイトに写真ギャラリーがあります。右の写真は、その1つである「釣舟」。この作品は、1羽の大きな鶴で船の本体を、17羽の小さな鶴で鎖や枝などを表現したものが基本です。もちろん、1枚の紙から折ってあります。ネットで調べたら、この釣舟をブーケケースに入れて、¥25,000で売っているところがありました(こちら)。

251010061811982c  今日は、野鳥はあまりいませんでしたが、「なんの花か咲く」を見てこられましたので、まぁ満足。週末3連休は、台風23号接近で、天気が気になります。出かけたいところもあるのですがねぇ。わが家のアサガオ、今日は、合計16輪咲きました。これで累計は177輪。驚異的な数の花が咲いています。

2025年8月 8日 (金)

地獄を見てきました……三重県総合博物館で「地獄へようこそ」展を見てくる

250808092431185c  ついに行ってきました(笑)。三重県総合博物館で開催中の「地獄へようこそ-鬼と亡者と閻魔の世界-」展です。今日からは多少、暑さが和らぐという予報を信じて、出かけることにしました。これで「行く行く詐欺」にならずに済みました。

250808085728791c  朝、桑名駅まで送ってもらって、7時24分発の近鉄四日市行き普通に乗車。三重県総合博物館は9時開館ですから、急ぐ必要はなく、普通電車で津まで行こうという算段。四日市駅には、7時51分に到着。津新町行き普通に乗り換え、近鉄津駅には8時47分着。¥830。津駅西口から、9時13分発の総合文化センター行きの三重交通バスに乗って、9時17分に到着。¥240。

250808092213096c  三重県総合博物館に来たのは、5月8日以来(2025年5月8日:20250508近鉄あみま倶楽部ハイキング「津・一身田寺内町コース」へ(一回完結))。このときは、近鉄のあみま倶楽部のハイキングコースを歩きがてら、「トピック展『伊勢路がみたい 伊勢参宮名所図屏風の世界』」を見に行ったのです。

250808092342467c250808092243019c  子どもの頃、「嘘をつくと、地獄で閻魔様に舌を抜かれるぞ」と何度もいわれた記憶があります。地獄は、仏教の伝来とともに日本にもたらされた世界観だそうで、文学や美術に大きな影響を与えています。とくに美術作品には、それは恐ろしい場面が描かれたものがたくさんあります。今回の展覧会では、地獄とともに語られる「極楽」にちなんだ美術作品も紹介されています。

250808092632808c 展覧会は、5部構成。第1章「地獄ってどんなところ」、第2章「変わりゆく地獄」、第3章「閻魔様登場」、第4章「救いの地蔵菩薩」そして第5章「あこがれの極楽浄土」となっています。このことは、私は知らなかったのですが、平安時代になると、源信(恵心僧都)が、極楽往生とともに地獄の様子を本格的に記した仏教書「往生要集」を著し、のちに絵画化もされ、地獄像が広まっていったといいます。出品リストは、こちらにあります。私がとくに見たかったのは、津市の西来寺が所蔵する「六道之図」(15幅)でした(六道図についてはこちらを参照)。はっきりとした記憶はなかったのですが、西来寺へは一度訪ねていました(2018年5月1日:20180423勝手に近鉄ハイキング「名古屋線・津新町駅から松菱、お城公園など」(その2)……乱歩の墓のある浄明院、阿漕平治に関わる上宮寺、西来寺、大門商店街から津観音)。西来寺は、天台真盛宗別格本山。もちろん、このときは勝手にお参りしただけで、宝物は拝観してはいません。写真は、撮影可能エリアに設けられたパネル。

250808092622992c 250808101608231c  こちらも、撮影可能エリアにあった閻魔堂。津市下弁財町津興にある阿古木山真教寺(あこぎざんしんきょうじ)の通称「閻魔堂」の実物大パネルです。天台宗。慶長19(1607)年、津藩第2代藩主である藤堂高次公が建立したと伝わっています。実は、ここへは近鉄ハイキングなどで、何度か訪れています。もっとも最近は、「伊勢参りツアー」で、4年前に行っています(2021年9月27日:20210925「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第10回「津・栄町~津・高茶屋」(その2)……津の観音さん、大門商店街から浄安寺、閻魔堂、市杵島姫神社から阿漕町神明神社へ)。閻魔堂の前に三重交通のバス停があり、その名も「エンマ堂」です。今回の展覧会では、ここ閻魔堂からは、閻魔王に付き従う倶生神半跏像(ぐしょうじんはんかぞう)、闇黒童子半跏像(あんこくどうじはんかぞう)などが展示されています。パネルは、中が覗けるようになっています。もちろん覗いてきました。現地で見たものと同じ光景が見えます。

250808103731193c  西来寺の六道之図については、細部を写真に撮り、解説をつけたスライドショー(150枚、約15分)も放映されており、これを見ると、この六道之図のことだけでなく、六道が何かなどもよく分かります。六道(ろくどう/りくどう)とは、よく知られているように、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道。「地獄へようこそ」は、1時間あまりをかけてじっくりと見てきました。

250808101700211c  もう1つの展示も見てきました。「戦争と三重」という、三重県戦後80年事業、三重の実物図鑑 特集展示です。こちらは、観覧無料。三重県総合博物館が所蔵する戦争関連資料の中から、「雲井コレクション」を中心に、出征する兵士と、銃後といわれた国民生活の当時の様子がわかる資料を紹介されています。

250808102833293c 250808103020196c  さて、私が三重県総合博物館に行くと、必ず見てくる/会ってくるもの、それは、オオサンショウウオのさんちゃん。今日は、動かずじっとしていました。たぶん元気なのだろうと思います。さんちゃんの水槽のそばには、「さんちゃんのあくび」と題した写真が展示されていました。すごく大きな口で、真っ白なのにビックリ。

250808121534722c  例によって図録(¥1,700)を買ってきました。図録マニアなのです(笑)。

250808121520793c 250808122137719c  土産は、新製品のこちら。「さんちゃんせんべい」。平治煎餅本店がつくった、さんちゃんの焼印入り煎餅です(12個入りで¥1,290)。おやつに食べてみましたが、味その他は、平治煎餅と同じでした。

250808092309537c  帰りは、総合文化センター前を10時46分に出る三重交通バスで津駅西口に戻り、近鉄津駅発11時17分の名古屋行き急行に乗って、近鉄桑名駅には12時3分に到着。11時頃、津では気温は31℃ほどで、風も吹いて、さほど暑くはありませんでした。しかし、桑名に戻ったら、36℃を超え、蒸し暑いこと。まぁしかし、念願の地獄を見てこられましたから、満足です。

2025年5月29日 (木)

博物館で「初夏の企画展『松平定信と江戸文化』」を見てくる

Dsc04994c  朝から曇り空です。夜遅くなると、雨の予報。最高気温は23.8℃。昼前から南寄りの風に変わっています。今日もいつも通り、7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園から桑名市博物館へ。展覧会を見て、京町、寺町、八間通、堤原、参宮町と5.7㎞。

Dsc05046c_20250529140901 Dsc05255c_20250529140901  毎日同じことを書いていますが(苦笑)、今日も相変わらず野鳥はいません。歩いている途中にも、公園でも、です。九華公園で見たのは、ドバト、スズメ、ムクドリ、シジュウカラ。今日は、カラスを見ていません。

Dsc05313c_20250529140901  貝塚公園や、内堀公園では、ムクドリ、スズメくらい。どこも同じです。まぁ、実際に現地に行かないと、本当にいないかは分かりませんし、いつぞや書いたと思いますけど、あちこちにウォーキングに出かけるためのトレーニングも兼ねていますから、張り合いがないと思ったり、ガッカリしたりはするのですが、歩くこと自体は苦痛ではなく、むしろ楽しみです。

 Dsc05361c_20250529140901 京町では、恒例のツバメの巣・チェック。今日は、民家の巣にも、親ツバメがきちんといました。これで一安心。5月23日から親が巣に就いています(2025年5月23日:散歩コース近くでアジサイを見てきました……京町のお宅でもツバメが巣に就き始めています)。

Dsc05487c_20250529141101 Dsc05503c  こちらは、京町の商店にあるツバメの巣。ヒナは、3羽とも元気そうでした。このときは、向かって右にいるヒナがエサをもらっていましたが、その後、エサをもらったヒナは大人しくなっています(右の写真)。ちなみに、この巣では、何回もエサをやるところを見ていますが、向かって右にいるヒナがエサをもらうことが多いように思われます。

Dsc05531c_20250529141101  Dsc05531c_20250529141101 観察をしていると、向かって左にいたヒナが、巣の外にお尻を突き出しました。何度も見ていれば、いつかはこれが撮れると思っていました(笑)。左の写真では、お尻の穴から白い物体が出てきています。右の写真では、それがさらに体外に排出されているのが見てとれます。

Dsc05524c_20250529141101  そして、ほぼ排出作業が終わりというシーン。このあとは、落下に入ります。というふうに、ツバメのヒナは、このように巣の外に排泄をしています。そのため、巣の下に糞がたくさん落ちているのです。

Dsc04996c  ソメイヨシノの木で実が色づいています。「サクランボ」とは違いますから、食べられません。食べられないことはないのですが、苦みや酸味が強くて耐えられませんでした。実は、試したことがあるのです(苦笑)。

Dsc05128c_20250529140901  九華公園のハナショウブは、パラパラと咲いています。管理事務所の南にある花菖蒲園の一部が、左の写真。奥平屋敷跡のところでは数本、本丸跡では、まだ咲いていません。

Dsc05096c_20250529140901 Dsc05111c_20250529140901  ハナショウブが咲いている景色は、とても絵になりませんので、昨日から、パターンを変えようということもあって、ズームアップを試みています。本来であれば、近づいて、接写をするところですが、花菖蒲園内には入れません。通路に近いところで咲いてくれたら、接写にもトライします。

Dsc05152c_20250529141001  Dsc05146c_20250529140901違う種類のハナショウブでも、同じようにやってみました。ハナショウブの魅力は、優美な花形としっとりとした風情であり、また、色彩の魔術師とも呼ばれるように、花色の変化に富んでいるところもそうだとされますから、この点をもっと意識してやった方がよさそうです。

Dsc05184c_20250529141001  上のハナショウブをさらにズームアップしてみました。

Dsc05398c_20250529140901  さて、散歩の途中で、桑名市博物館に立ち寄ってきました。5月24日から「初夏の企画展『松平定信と江戸文化』」が開かれています(7月6日・日まで、中学生以上は¥150)。

Dsc05423c_20250529140901  この展覧会の企画の趣旨は、大河ドラマのもう一方の主人公ともいうべき松平定信に注目し、その生涯と桑名との関わりを定信ゆかりの資料を通じて紹介する、ということです。松平定信の久松松平家は、桑名藩主を務めていますので、定信ゆかりのものが桑名にはたくさん伝わっています。江戸時代後期の文化や、文化人としての定信についても展示されています。また、同時に、特集陳列として、蔦屋吉蔵が版元である浮世絵「蔦屋版東海道五十三次」の江戸日本橋から京都三条大橋まで54枚も、一堂に展示されています。2階展示室では「刀剣セレクションⅠ」も、同時に開催されています。定信についての展覧会は、桑名市博物館でも何度か開催されていますので、すでに見たものもありますが、今回、私が目を引かれたのは、「近江八景画賛図屏風」。谷文晁が描き、定信が賛を寄せています。「蔦屋版東海道五十三次(歌川広重)」も、よく知られている保栄堂版とは、また異なったイメージです。こちらに桑名を描いたものが載っています。出品リストは、こちらにあります。

 この展覧会で唯一撮影可能な展示品。Dsc05411c_20250529140901「短刀 銘 村正」です。村正の特長がよく現れた作とあります。すなわち、柄の中に入る茎は、タナゴという魚の腹のラインに似せた形状(タナゴ腹)。「専門用語で「ふくら枯れる」と表現する鋭い切っ先。板目肌の地鉄に刃文は大きくうねる波のような湾(のた)れが現れているという説明がついています。

Visualkuwanaedoera  会場で、これが新しく発売されたとありましたので、ついつい買ってしまいました(¥1,000)。昭和58(1983)年に桑名市文化美術館から発行された「目で見る桑名の江戸時代」をビジュアルを強化して、バージョンアップしたものです。この「目で見る桑名の江戸時代」も持っていて、それはそれで興味深いのですが、やはり新しいものも読みたくなって、即買いしてきました。しばらく楽しめそうです。

2025年3月15日 (土)

九華公園でメスのカワセミ、ウグイスの初鳴き……桑名市博物館で「春の企画展『茶道具✿春らんまん』」を見てくる

Dsc04764c_20250315162101  曇りのち雨という予報の通り、昼くらいから小雨が降っています。最低気温は5.9℃、最高気温は9.3℃と、昨日とは打って変わって寒い日。朝7時20分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、桑名市博物館、京町、寺町と、6.6㎞。あまり歩くと、腰が重くなります。6㎞を超えるのはまだよくなさそうです。

Dsc04781c_20250315162101 Dsc04799c_20250315162101  住吉入江には、オオバン1羽と、カンムリカイツブリが1羽。キンクロハジロは、このところ見なくなっています。住吉水門から揖斐川を眺めたら、キンクロハジロが14羽、ヒドリガモが28羽、浮かんでいるのが見えました。

Dsc04925c_20250315162101 Dsc05184c_20250315162301  七里の渡跡では、ヒドリガモが4ペアと、コガモが1ペア。コガモは上陸して休んでいました。蟠龍櫓の東の高水敷には、ヒドリがモア30羽ほど飛来してきて、草を食べています。

Dsc04976c Dsc05102c_20250315162201  その蟠龍櫓のところで、ホオジロのペア。オスは、ここに来る前、船津屋さんの近くでさえずっていました。これは、今年もキットこのあたりで繁殖してくれるのでしょう。

Dsc05036c_20250315162201  さらに、ヒバリ。これはメスでしょう。一昨日、一昨昨日と、オスが揚げ雲雀をしているのを見ています。ヒバリも、繁殖するのかも知れません。今日は、なかなかのラインナップ。

Dsc05258c Dsc05297c_20250315162301  九華公園に着いて、鎮国守国神社の境内の堀では、コサギ2羽と、カルガモが4羽。堀は、いったん水を抜いたあと、揖斐川から水を入れているのですが、満潮時間帯でないとスムーズに導水できません。まだ堀に水が満ちるのには、時間がかかるようです。

Dsc05383c_20250315162301 Dsc05602c_20250315162301  奥平屋敷跡では、何と、カワセミのメス。鳴き声が聞こえましたので、探したところ、ちょうどよいところにしばらく止まっていてくれたのです。ほかには、ツグミも1羽。この直前、花菖蒲園のところでは、ツグミ2羽が同時に来ていましたが、写真が撮れたのは、この1羽。

 ヒヨドリは、今日も散歩&鳥見友達のOさんからパンの耳をもらっています。Dsc05899cが、やはりこのサイズは、丸呑みしにくそうでした。

Dsc05981c_20250315162301 Dsc06067c  二の丸堀の東側エリアでは、カンムリカイツブリ。ここ最近は、1羽のみ。朝日丸跡には、ビンズイが2羽。見つけるのが遅かったので、追いかけるような写真で、これは証拠写真。

Dsc06159c_20250315162301 Dsc06362c_20250315162401  鎮国守国神社の梅で「ウメジロウ」を狙ったものの、あまり出てこず。北門から再び、鎮国守国神社の社務所裏の堀に行ったら、イソシギ。羽毛が1伝っていますので、いつもここに来ている個体。この個体は、少し前、住吉入江にも来ていました。コサギ2羽が、まだいました。かなり接近するシーンもありましたが、ノートラブル。

20250315bushwarblercall  九華橋まで来たら、神戸櫓跡方面からウグイスの初鳴きが聞こえてきました。「初鳴き」といっても、私が今シーズン初めて、ウグイスがさえずるのを聞いたということです。Youtubeに短い動画をアップロードしてあります(こちら)。スマホで動画を撮影したもので、音が小さいのですが、「ホーホケキョ」と2回鳴いているのが聞こえます。

Dsc06500c_20250315162401  九華公園の外周遊歩道の南では、ジョウビタキのオス。九華公園に着いたときには、メスのジョウビタキを見たのですが、写真は撮れず、でした。

Dsc05926c  堀の水がまだ少ないため、カモは、キンクロハジロがほとんどいません。雌雄1羽ずつの2羽のみ。ハシビロガモは14羽、ヒドリガモは1ペア、ホシハジロのオスが1羽。キンクロハジロ以外は、いつも並。

Dsc05918c_20250315162301 Dsc05944c_20250315162301  ユリカモメは、22羽。数も少ないのですが、パンの耳を手に持って掲げても取りに来ませんし、橋の欄干にパンの耳を並べてもやって来ません。あのUYユリカモメもこのところ来ていません。貝塚公園、内堀南公園ではヒヨドリくらいしかいませんでした。

Dsc06574c_20250315162401 Dsc06694c_20250315162501  寺町商店街にある河津桜。暖かくなったためかほぼ満開。今日、明日は「河津桜まつり」ということで、キッチンカーが来ているほか、ビール、甘酒、花見だんごなどを売る店も出ています。

Dsc06820c_20250315162501 Dsc06891c_20250315162501  私は、いつものように河津桜の並木を丁寧に見てきました。狙いはもちろん、これ。「河津桜にメジロ」で、一名「サクジロウ」(もうちょっとよいネーミングが欲しいところ)。メジロは、ヒヨドリに追い払われて、あまり来ませんでした。曇天でしたので、「サクジロウ」も今ひとつ。

Dsc06646c_20250315164801 Dsc06977c_20250315162501  そのヒヨドリも、花の蜜を吸っています。私はヒヨドリを「暴れん坊」と呼んでいますが、メジロなど小型の野鳥を蹴散らすのです。ヒヨドリたちも、嘴のあたりが花粉で黄色くなっています。

Dsc06705c Dsc06715c  桜を見ていたら、知人の高齢女性に遭遇。「御坊さんにも桜みたいなのが咲いているけど、何?」と聞かれました。私もこれは知っていたのですが、いったい何なのかは、分かりません。桜か、梅か、アンズのような花で、めしべが大きいのですが、素人故、判別できていません。もう少し調べますが、ご存じの方がいらっしゃれば、ぜひともご教示ください。

Dsc07050c_20250315162501  住吉入江では、再び、カンムリカイツブリ。朝見た個体ではないかと思います。

Dsc06543c_20250315162401  ところで、途中で桑名市博物館に立ち寄ってきました。3月8日から「春の企画展『茶道具✿春らんまん』」が開かれているので、それを見てきたという次第。5月11日まで。大人は¥150。花をテーマに、花の茶道具や、春の日本画作品が展示されています。2階展示室では「刀剣セレクションⅢ―桑名ゆかりの刀剣―」も同時に開催されています。花の描かれた萬古焼や、茶道具、提げ重などや、日本画はいずれも春らしいもので、楽しめます。

Haruranman1c Haruranman2c  こちらが出品リスト。花の茶道具が75点、春の日本画が8点、刀剣セレクションには7点が展示されています。

Dsc06561c_20250315162401  いつものように、1点のみ撮影可能な展示があります。今回は、「短刀 銘 藤原正真(まさざね)作」。説明によれば、「平造、庵棟、地金は板目肌があらわれ、表裏で揃えられた波紋は花びらのように華やかで、『箱乱れ』調である。茎はタナゴ腹に仕立てられる」とあります。正真は、大和文殊派の刀工で、大和伝の影響が色濃い作例が確認される一方、「千子派」の刀工の一人ともされるそうです。この作も、村正の影響もうかがわれるといいます。刀剣のことはよく分かりませんが、村正やその影響を受けた刀を見ると、何となく吸い込まれそうな気がします。正真を調べたら、本多忠勝の槍「蜻蛉切」の作刀者だそうです。ちなみに、刀剣鑑賞の基本については、こちらの名古屋刀剣博物館のサイトにあります。

Harurannmannup  余談。日本画を見ていて、描かれている鳥と、その説明が合わないことに気づいてしまいました。「余分なことをいってはいけない」という気もしたのですが、やはり訂正していただいた方がよいと思い直し、学芸員の方に伝えてきました。最近、自分が犯したミスにはなかなか気づかないのですが、他人様の誤りには、割とよく気づくというよくない傾向は、相も変わらず残っているようで、恐縮です(微苦笑)。この画像は、桑名市博物館のサイトからお借りしました。

 ちなみに、7年近く前にも説明が入れ替わっているのに気づいたことがありました(2018年9月7日:散髪のあと桑名市博物館で「山林王の蔵の中」を見る……説明の入れ違いを発見(微笑)【9/8の中日新聞記事の写真に写り込んでいました】)。このときは、さらに、新聞記事に載った写真に写り込んでいたという出来事もありました。リンク先に新聞記事のコピーがあります。

2025年3月14日 (金)

20250314四日市市立博物館の「四日市の生んだ『日本のライト兄弟』玉井兄弟展」へ

Dscn0003c 250314095651894c  今日も最高気温は19.8℃と、とても暖かくなりました。散歩日和ですが、今日は、こちらへ行って来ました。四日市市立博物館です。ここで、3月1日から5月6日まで「四日市の生んだ『日本のライト兄弟』玉井兄弟展」が開かれているのです。玉井兄弟については、いつ、何で知ったか、記憶はないのですが、四日市出身で日本のライト兄弟と呼ばれることは承知していたのです。3月2日の中日新聞の「『日本のライト兄弟』四日市出身の玉井清太郎・藤一郎の偉業広めたい 市立博物館で企画展 」という記事でこの展覧会の紹介があり、これはぜひ見たいと思ったのです。近鉄桑名駅を8時57分に出る四日市行き準急で、近鉄四日市駅に9時23分着。¥360。四日市駅から歩くと、博物館の開館時刻である9時30分に着けるのです。

Dscn0007c  この展覧会は、博物館3階のロビーと、時空街道の中にある「白里亭」という展示処で行われています。入場は、無料。玉井兄弟とは、四日市市浜田町(現在の諏訪栄町)出身の玉井清太郎(明治25(1892)~大正6(1917)年)、藤一郎(明治27(1894)~昭和53(1978)年)のお二人。民間航空の草創期に活躍しています。兄・玉井清太郎は、織機や製糸機械の製造業を営む織具屋・玉井常太郎の長男として生まれました。日本飛行学校教官。大正6(1917)年5月20日、自作の新型機にて東京の芝浦海岸を飛行中に墜落。24歳の生涯を閉じています。弟・玉井藤一郎は、玉井常太郎の次男。兄が立ち上げた日本飛行学校を手伝っていました。兄が墜落した翌年の大正7(1918)年に照高(てるたか)と改名し独立。後に郷里の四日市で兄の追善飛行を行っています。

 Dscn0017c兄の清太郎は、16歳の時にライト兄弟の成功を知り、飛行機製作を決意。2年後の明治43(1910)年に弟の藤一郎も協力して、実物大の自作機・玉井式単葉機を母校浜田小学校の校庭で組み立てました。滑走実験を数回行ったものの機体が浮上せず失敗。その後も改良と挑戦を繰り返すがいずれも成功していません。明治44(1911)年に上京し、公式記録として日本で初めて飛行機で飛んだとされる徳川好敏大尉に会って助言を受けています。その後、何度も挑戦しますが、失敗をくり返した後、大正5(1916)年に「日本飛行学校」を設立。同年10月5日に、飛行練習場と定めた多摩川河口の干潟、通称・三本葦(さんぼんよし)でキャメロン25馬力エンジンを搭載した「玉井式2号機」の飛行に成功ました。ここは、現在、東京国際空港となった羽田の地です。

Dscn0009c Dscn0012c  展覧会には80点ほどの資料が展示されています。その多くは、玉井兄弟のおいで津市に住む玉井勝則さんが父・恒三さんから譲り受け、昨年3月に四日市市立博物館へ寄付したもの(これについての中日新聞の記事は、こちら)。清太郎が亡くなった時に付けていたゴーグルや懐中時計などの遺品が収められた写真、郷里での初飛行の成功後に撮影された藤一郎の写真などががあります。学芸員の方が作ったNFS2号機の10分の1スケールの模型も展示されています(左の写真)。右の写真は、日本飛行学校のジオラマ。

Dscn0019c  さらに、実際の飛行機に使った直径約3メートルのプロペラも見られます。プロペラは、四日市空襲で焼失したと思われていたのですが、清太郎と共に飛行機の製作に当たった友野直二の親族からの連絡で、東京にあることが判明。羽に「TAMAI」と刻まれていたことから兄弟のものと分かったといいます。玉井兄弟のことについては、もっと知られてもよいのではないかと思います。

250314094757706c 250314094910574x  ところで、四日市市立博物館の時空街道は、私の好きな展示です。以前にも何度か載せたことがありますが、四日市の原始・古代から江戸時代までの歴史を扱っています。なかでも江戸時代に関わる展示は、何度見ても飽きません。これらは、江戸時代の旅籠。人形でその様子を再現してありますが、リアルです。

250314095035757c 250314095043113x  こちらは、馬。江戸時代には、人が乗ったり、荷物を運んだりと重用されましたが、馬も草鞋を履いているのに目が向きます。

250314094936092c  ここは、饅頭屋ですが、ときどき焼き蛤屋に模様替えされています。

 250314103022827c 博物館の後は、アピタ四日市店でドンクのミニワンに寄って、ミニクロワッサン、ミニチョコクロワッサンのほかに季節限定の苺のフロマージュを買い、さらに近鉄百貨店四日市店にある丸善で本を買って帰宅。近鉄四日市駅を10時52分に出る名古屋行き準急で、近鉄桑名駅には11時11分着。¥360。

【追記(3/16)】 玉井兄弟については、四日市市文化会館の情報誌「よんぶんデジタル」の2020年3月創刊号に記事があります。ここをご覧ください。

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  • 平凡社: 街道アトラス

    平凡社: 街道アトラス
    旧街道に興味があります。ただし、あまりあちこちの街道を歩いたわけではありません。この本では、東海道と中山道は各宿場も紹介されるなど、詳しく載っていますが、その他の街道はダイジェスト。いわば、旧街道のカタログ本といったところ。現代の道と比べたり、旧街道がどのようにつながっていたかを知るにはよい本です。ただし、この本だけを頼りに旧街道を歩くことは、ほぼ不可能でしょう。 (★★★)

  • 保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

    保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)
    今年は、昭和100年であり、戦後80年でもあるということで、新聞などでも特集記事が掲載されています。太平洋戦争は、日本という国を滅亡の一歩手前まで追い込みました。昭和という時代もそれが終わってから35年以上経ちますから、これからは歴史として語られるようになっていくはずです。この本は、二・二六事件、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇など、時代を大きく変えた8つの事象を取り上げ、当事者たちの感情や思惑排して見つめ直すことを通して、これまでの通説、定説とは異なるそれらの真相を浮かび上がらせようとしています。読後感としては、私なども、何となくそうなのかと思っていたことがひっくり返されたような感じを抱いています。目的と手段を取り違えている、事実や科学的知見から目をそらしている、希望的観測を事実と思い込む、妙な精神論に陥るなど、今も続く認知、思考は、太平洋戦争のときの軍指導者から始まっているのかも知れません。いろいろな意味で「戦後」という概念については、根本的に再検討が必要ですし、日清戦争から太平洋戦争に至る数十年の戦争の時代は、何に由来し、そこから何を学ぶか、よくよく考えてみる必要があると思いました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)

    保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)
    保阪正康さんは、一貫して近現代史を検証し続け、5,000人もの歴史の証人を取材してきています。この本は、月刊『文藝春秋』に掲載されたものから15編を選んでまとめられています。読み応えがあるのに、分かりやすい内容で、昭和史の証人として瀬島龍三、後藤田正晴などインタビューが、また、昭和の戦争7つの謎として無謀な開戦を決意した理由などが載せられています。その後、あの戦争と昭和史を語ろうということで、半藤一利さんなどとの対談が載っています。最後に、歴史をどう引き継ぐかということで、講演録があります。この講演では、江戸時代まで遡らなければ日本人は理解できない、江戸時代の260年を通じて、戦争をしなかったという事実から教訓、知恵を学ぶ必要があるなど、江戸時代に築かれた財産をもう一度取り戻すことの重要性が語られています。明治維新という、薩長の下級武士の暴力革命を経て、帝国主義国家が作られていく過程で、江戸自在の財産は放棄されたと著者はいいます。知識、技術は学び、取り入れたのに、哲学までには思いが至らなかったため、そうなっています。また、もう一つ、著者が強調するのは、天皇制の捉え方、論じ方です。天皇制は、本質的に戦争を嫌う制度だと著者はとらえています。これは、私には目から鱗の見方でした。さらに、天皇は何らかの形で京都にお住まいになって、政治の中心は東京にあってという江戸時代の知恵をもう一度取り戻すのもよいという提案は、真摯に検討する価値があると思います。 (★★★★★)

  • 芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)

    芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)
    関数電卓は持っていますし、その昔は、プログラム電卓で平均値、標準偏差などの計算をする簡単なプログラムを組んで使っていたこともあります。タイトルに惹かれて買ったのですが、ウ~ン、期待はずれでした。計算例が平方根以外にはほとんどありませんでした。関数電卓を片手に、その使い方や、どのような応用ができるかを知りたいと思ったのですが、そういう内容はあまりなくて残念でした。ただこの本を読んでよかったのは、数学の力と計算力とは別物であることが分かったこと。また、計算については、関数電卓などを駆使すればよいということでした。私自身、数学には自信がないのですが、「エェ!?、そうだったっけ?」と思う内容もありました(つまり、間違っているんじゃないの、と思える内容)。 (★)

  • 今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)

    今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)
    地名の由来については興味がありますから、この本を手に取ったのですが、読み始めたものの、すぐに「放置」していました。テーマごとに、それに関連する地名が列挙され、その由来について多少の説明(蘊蓄?)が書かれているのですが、列挙されている(例示されている)地名が煩雑で、読むのが面倒になってしまったのです。「地名マニア」の方であれば、これくらい何のそので読み進めたのでしょうが、私にはちょっと難行でした。2年くらい経って、気を取り直して、少々無理矢理に読み進めました。が、「不思議な名称には物語がある」という、帯の謳い文句には、いささか無理があるかなという気がします。物語というのであれば、個々の地名についてもうすこし物語って欲しい気がするのです。ただし、以上は、極めて個人的な感想です。 (★★)

  • piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)

    piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)
    本の帯に「あなたが毎日スルーしている鳥たちの素顔」「カラスも本当は人が怖い」とあります。ほとんど知っている内容でしたが、このように改めて、まとめてあると、いっそうよく分かりました。野鳥観察を始めたばかりの方、野鳥に興味を持ち始めた方には、最適な参考書の1つと思います。身近にいる鳥ばかりが取り上げられていますが、それだけに身近な鳥の行動や、特徴がよく分かって、野鳥がもっと好きになること請け合いです。タイトル通り、まさに「意外と知らない」です。自分では知っているつもりでも、意外と知らないことは多々ありそうです。 (★★★★★)

  • 五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)

    五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)
    高容姫という女性を知る人は多くはないかも知れませんが、本のサブタイトルにあるように、金正恩の母となった在日コリアンの女性です。北朝鮮では、日本から帰国した人間の社会的地位は低いため、その存在は公的には明らかにされていませんし、「国母」として崇拝されることもありません。これは、金正恩の弱点でもあり、コンプレックスにもなっているかも知れません。大阪の鶴橋で生まれ育った少女の数奇な運命をたどった、力作です。よくぞここまで取材したものだと思います。高容姫の人生をたどることで、北朝鮮の体制、社会、歴史にまで理解が及びます。ほとんど一気読みをしてしまいました。ちなみに、現在も大阪には、金正恩の伯父を始め、親戚が50名以上も暮らしているといいます。このことは、日朝関係の改善や、拉致問題の解決の手がかりになるのではないかという気がします。 (★★★★★)

  • 本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)

    本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)
    別に「東大生に教える」でなくてもよいのですが、この本の元になったのが、東京大学教養学部の学生たちに「暗記不要、歴史を考えるおもしろさを伝えたい」ということで行った連続講義ですから、そういうタイトルになっています。歴史、とくに高校時代に学んだ歴史は、やはり暗記科目でした。あれから50年以上経った今でも、そこから抜けきっていない気がします。そういう意味では暗記ではなく、時代を動かす原動力は何か、誰が時代を変えていくのかという視点から歴史を見て、考えるのは、新鮮です。史実は変わりませんが、それを材料に、自分の視点から、自分の見方で論理を組み立て、自分なりの歴史像を造ってみることを愉しめばよいという著者の考え方をしっかりと身につけられたらよいなというのが、読後感です。 (★★★★★)

  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)