お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2026年5月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2021年1月以降の記事を残し、2020年12月以前の記事は削除しました。2021年1月1日以降の記事は、両方にあります。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

学問・資格

2025年10月 1日 (水)

Webページを作成しました……「不滅の用語集」と「業績リスト」

 このブログに新しく「Webページ」を作成し、2つの記事を掲載しました。いずれも現役当時の仕事に関わる内容となっています。このブログの左側のサイドバーのもっとも下部にリンクがあります。

 桑名発達臨床研究室のサイトを閉鎖しましたので、そちらにあったものをこちらに移したという次第です。「年寄りの昔話」ですので、お気遣いなく(微苦笑)。

 1つは、現役当時、学生や院生のレポート、研究、論文指導などのときに、頻用していた私自身の「言葉」を集めたものです。「旧小笠原研究室 不滅の用語集」というタイトルになっています。

 もう1つは、現役当時の「業績リスト」となっています。現役時代に公刊した論文や著書、学会発表、報告書の一覧ですので、ほとんどの皆様には、ご興味、ご関心はないと思います。

2025年8月22日 (金)

心理アセスメント、特別支援教育に関する過去記事のリスト

 先日のある研究大会でも、心理アセスメントについての話をしましたし、内輪の勉強会でも、心理アセスメントについて取り上げています。ずいぶん以前、このブログにも何回か、心理アセスメントの話しを書いたことがあります。いずれも10年以上前のもので、ココログには、容量制限がありますので、このブログからは記事を削除し、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」の方へ移してあります。今回、思い立って、心理アセスメントに関する記事をチェックし、以下に列挙しました。リンク先はこの「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」です。

 なお、当初、2025年8月21日付けで投稿した内容に、さらに記事のリストを追加し、タイトルを変更しました。心理アセスメントだけでなく、特別支援教育にも参考となるものを追加しています。記事のタイトルも修正しました。「桑名発達臨床研究室」について紹介しているものもありますが、相談事業は、本年3月末を以て終了しておりますので、ご了解ください。

2018年12月17日:心理アセスメントの過程(再掲)……心理アセスメントをする上での基本的かつ重要な点

2015年10月1日:2015年 秋期特別支援教育支援員養成講座から

2015年9月20日:知能検査の結果を学業や、暮らし、仕事に活かしましょう……桑名発達臨床研究室のご紹介

2015年9月13日:知能のCHC理論(その4)

2015年9月6日:知能のCHC理論(その3)

2015年8月30日:知能のCHC理論(その2)

2015年8月23日:知能のCHC理論(その1)

2015年7月19日:子どもの算数障害……熊谷(2015)から

2015年5月3日:ワーキングメモリー研究者の齊藤智先生へのインタビュー紹介

2015年4月26日:ワーキングメモリーと認知の構え(4)……齊藤(2015)から

2015年4月19日:ワーキングメモリーと認知の構え(3)……齊藤(2015)から

2015年4月12日:ワーキングメモリーと認知の構え(2)……齊藤(2015)から

2015年4月5日:ワーキングメモリーと認知の構え(1)……齊藤(2015)から

2015年3月29日:長所活用型支援の基本【一部加筆修正しました(3/30)】

2015年3月1日:心理・行動上の問題を見る視点

2015年2月22日:心理・行動理解の基本公式

2014年12月28日:心理検査を用いた心理アセスメントでもっとも重要かつ基本的なこと

2014年10月26日:心理アセスメントの過程

2014年10月15日:プランニング(計画)・学習能力にもとづいた指導法の原則

2014年10月5日:KABC-Ⅱの特徴(7)……KABC-Ⅱにおけるデュアルセオリーの意義

2014年9月28日:KABC-Ⅱの特徴(6)……標準化データと尺度化

2014年9月21日:KABC-Ⅱの特徴(5)……CHC尺度

2014年9月14日:KABC-Ⅱの特徴(4)……習得尺度

2014年9月7日:KABC-Ⅱの特徴(3)……認知尺度

2014年8月31日:KABC-Ⅱの特徴(2)……KABC-Ⅱの臨床適用とこれからの課題

2014年7月6日:KABC-Ⅱの特徴……KABC-�Uによる心理アセスメント(その1)

2014年6月8日:ADHDの子どもたちに実施されたWISC-Ⅳの特徴

2014年5月25日:適切な心理アセスメントを行う上での留意点

2014年5月18日:WISC-Ⅳによる知能・認知能力の アセスメントにおけるポイント(その3)……WISC-Ⅳで分かることとその支援への応用の基本

2014年5月4日:WISC-Ⅳによる知能・認知能力の アセスメントにおけるポイント(その2)……WISC-Ⅳの概要とCHC理論

2014年4月27日:WISC-Ⅳによる知能・認知能力の アセスメントにおけるポイント(その1)【参考文献などを付記しました(4/29)】……心理アセスメントのプロセス

2013年6月2日:WISC-ⅣのFSIQ、合成得点の意味

2013年5月26日:WISC-Ⅳの“処理速度”指標

2013年5月12日:WISC-Ⅳの“知覚推理”指標

2013年5月5日:WISC-Ⅳの“言語理解”指標

2013年4月28日:WISC-Ⅳのワーキングメモリ

2013年4月21日:記憶の過程と、ワーキングメモリー(その2)

2013年4月14日:記憶の過程と、ワーキングメモリー(その1)

 以上です。

2025年3月18日 (火)

20250318名古屋市科学館「特別展『鳥~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~』」へ

Dscn0050c 250318101355201c  いつ行こうか、考えていたのですが、迷っていても仕方ないと思ったのと、早く見たかったため、名古屋市科学館で開催中の「特別展『鳥~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~』」に行って来ました。展覧会の特設サイトは、こちらにあります。最高気温は12.5℃で、風も弱く、暖かい日でした。

Dscn0006c  Dscn0017c_20250318145801 JR桑名駅を8時26分に出る名古屋行き普通に乗車。JR名古屋駅には、8時57分に到着。¥360と安いのがありがたい(近鉄は、¥530)。名古屋市営地下鉄東山線に乗り換えて、次の伏見駅で下車。¥210。名古屋市科学館のある白川公園には9時15分に着いてしまい、開館の9時半までベンチで時間つぶし。広い空間で、天気も良く気持ち良いこと!

250318101333987c Dscn0027c  時間が来て、エントランスに入ってビックリ。かなりの人がいたのです。が、よくよく見たら、入場券売り場に大勢の人が並んでいただけでした(科学館自体への入場や、プラネタリウムが混んでいたようです)。セブンイレブンで前売り券を買ってありましたので、ほとんど待つことなく展示室へ。この展覧会、今日は、さほど混んでいませんでした。ちなみに、当日券を買おうとすると、そこですでにかなり待ち時間が生じそうですから、オンラインでチェケットを買っていくことをお勧めします。

250318093823200c 250318093956781c  展示室内は、三脚、自撮り棒、フラッシュを使わなければ、撮影可能でした(モニターで流れている動画は不可)。あらかじめ分かっていたら、きちんとしたカメラを持っていったのに、というところですが、それはここに来て分かったこと。けっこうたくさんスマホで撮影してきました。結論から書けば、とてもおもしろい展覧会でした。1時間くらい見てきたのですが、あっという間。左の写真は、羽毛。1羽の鳥のすべての羽毛です。一昨年の10月に三重県総合博物館で開かれた「鳥のひみつしらべ隊」でも同様の展示がありましたが(2023年10月25日:今日の寄り道は三重県総合博物館で「鳥のひみつ調べ隊 みて、きいて、ふれて」展へ)、こういうのは好きです。右の写真は、翼の大きさや形による機能の分類。

250318094016460c  頭上にも展示があります。迫力たっぷり。こちらは、ペラゴルニス・サンデルシ。史上最大の空を飛ぶ鳥類の復元模型。北アメリカで化石が発見され、現在は絶滅している鳥で、飛翔する鳥類としては史上最大と考えられています。全長は推定1.8m、翼開長は7m前後だそうです。

 250318094039251cゲノム時代を迎え、鳥の系統分類も新しくなっています。こちらは、鳥の系統樹。スズメ目の科の系統が図示されています。ゲノム解析によって鳥の大分類も変わったそうです。

 250318094128057cこちらはカモ目の鳥たちの標本。そういえば、この展覧会のうたい文句の1つに「一生分の鳥の標本が見られる!?」とあります。約400種類の標本が展示されていますから、確かにそうです。九華公園でいつも見ているキンクロハジロ、ハシビロガモ、カルガモなどのほかに、ミコアイサ、マガモなどの標本が並んでいます。

 250318094723533cペリカン目の野鳥標本の展示。私もよく見るアオサギ、ダイサギ、コサギ、アマサギ、ゴイサギなどが、ペリカン目に含まれます。

250318094527015c 250318094513119c  昔の専門や、学生時代を思い出す展示もありました。スキナーボックスという、心理学で動物実験に使う装置にカワラバト(ドバト)が入っています。カワラバトが、ピカソやモネ、あるいは西洋画と日本画を見分けられるという研究があったのです(たとえばこちら)。

250318094518891c  これについては、こんな説明パネルもあって、理解を助けてくれます。

250318095800140c 250318100459674c  こちらは、名古屋限定企画「なごやにまつわる鳥と人」の一部。名古屋の鶏といえば、名古屋コーチン。名古屋コーチンを生み出した元尾張藩士・海部壮平・正秀兄弟の養鶏場を描いた「海部養鶏場百分之一図」は必見です。左の写真の隅に写っていますが、名古屋の鶏料理といえば、手羽先も忘れてはなりません(微笑)。

250318103624494c  という次第で、しっかり楽しめました。鳥好きの皆様には、ぜひともお勧めしたいと思います。当日券は、大人一人¥1,800です。私は、借りませんでしたが、音声ガイドも用意されています。

250318102207925c 250318102233602c  グッズ売り場にも立ち寄ってきました。図録好きとしては見逃せないのが、こちらの図録。¥2,400とちょっと値が張りましたが、内容はとても興味深く、勉強になりそうです。もう一つは、アクリル・キーホルダー。ペラゴルニス・サンデルシを描いたもの。本当は、アオサギか、カワセミのものがあれば欲しかったのですが、今回の展示の目玉の1つが、これですから。

250318102149218c 250318153543323c  さらに衝動買い(苦笑)。どうということのないプリント・クッキー。中身はごく普通のクッキーで、野鳥がプリントしてあるだけです。

250318101730079c  来たときと逆のルートをたどり、地下鉄で伏見駅から名古屋駅へ(¥210)。JR名古屋駅を11時5分に出る関西線の快速で桑名駅に11時28分着、¥360。写真は科学館前に展示されているH-IIBロケット

 【付記(3/18)】 土産に買ってきたクッキー、あまり期待しなかったのですが、けっこう美味しいものでした。シマエナガがプリントされたものは、娘に進呈しなければならないことになっています(笑)。

2023年12月11日 (月)

九華公園で久しぶりにカワセミ

Dsc02551c  夜には雨となるようですが、晴れのち曇りでした。気温は、今日も18℃を超え、暖かいというか、散歩してくると多少汗ばむくらいでした。7時半から、住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、紺屋町、新築公園、常盤町、老松公園、寺町商店街と3時間コース。午後の歯科検診も含め、歩いたのは7.4㎞。

Dsc01509c  今シーズン初めて住吉水門の内側の住吉入江にカモがやって来ました。ヒドリガモのオスが1羽。護岸についた藻を食べていました。

Dsc01578c_20231211163101 Dsc01594c_20231211163101  その住吉水門の揖斐川の方には、アオサギさん。ただしまともに逆光の位置。露出補正をしないと左の写真のようにシルエットになりました。プラス2の補正で右のような写真。いろいろと試していますので、ご容赦を。しかし、シルエットであっても、アオサギというのは分かるものです。

Dsc01623c  揖斐川は静かで、あちこちにカンムリカイツブリの姿が見えました。10羽弱。カンムリカイツブリが見られると、何となく嬉しくなります。ほかにはキンクロハジロが数羽。

Dsc01651c  七里の渡し跡では、コガモのメスが4羽。休んでいたり、エサを探していたり。ここは川口水門の内側ですが、その水門の外の揖斐川には、オオバンの姿が2羽、見えました。しかし、ちょっと遠くて、暗かったので写真は見られたものではありません。

Dsc01759c_20231211163101 Dsc01767c_20231211163101  柿安コミュニティパークにはユリカモメが数羽飛来。ここにあるクスノキの実をついばみに来たり、電柱などで休んだりしています。右の写真では、先に電柱にいた個体が、あとからやって来たユリカモメに追い払われるところ。「先取り優先ルール」は成り立たないようで、見ていると、先にいた個体があとから来た個体にその場所を譲るようになっています。

Dsc01836c_20231211163101  九華公園に到着した途端にカワセミの鳴き声。ラッキーです。久しぶり。相撲場の近くにオスのカワセミがいました。

Dsc02076c_20231211163101  九華公園では今日もカラスが多く、ほかの鳥たちはあまり見られません。奥平屋敷跡では小1時間いたのですが、シジュウカラ数羽、カワラヒワ2羽、オスのジョウビタキ1羽を見たくらい。今日は、ヒヨドリ、ドバト、ムクドリもあまり来ませんでした。

Dsc02449c  アオサギさんは、今日も辰巳櫓跡の松の木の中にいました。最近はここにいることが多く、九華橋近くの木にはあまり行きません。

Dsc02500c_20231211163101 Dsc02486c  ユリカモメは、35羽。二の丸堀にユリカモメたちが降りているとき、数を数えようと堀端に立つとエサをもらえるかと思ってたくさんが殺到してくることがあります。かなり貪欲。

Dsc01943c_20231211163101 Dsc01975c_20231211163101  カモは、今日は合計65羽。キンクロハジロが44羽、ハシビロガモが21羽(ハシビロさんは、重複して数えたかも知れません)。ヒドリガモの姿はありませんでした。

Dsc02536c_20231211164701 Dsc02538c  ハシビロガモは、二の丸橋の南の袂にあるソメイヨシノの枝が水面に垂れたところでよく休んでいます。今日は、嘴を開いているところを見つけ、パチリ。右の写真を拡大してご覧いただくと、嘴にあるブラシのようなところがお分かりいただけます。ハシビロガモは、水面に嘴をつけて水ごと食物を吸い込み、この部分で食物だけを濾し取り水だけを吐き出して食餌を行います。

Dsc02495c  鎮国守国神社のドウダンツツジは、ようやく全体が紅葉してきました。深紅となり、見事です。今日は歯科検診でした。歯周病チェックとクリーニングをしてもらってきたのですが、「ブリッジを入れた下の歯の一部が少し動きます」と、恐ろしいことをいわれました(苦笑)。何度か書きましたが、「歯が抜けてだんだんジジイになる」というのは友人&主治医の名言ですが、まさにその道をまっしぐらかも。

Dsc02459c_20231211163101  ところで、今日、財団法人日本臨床心理士資格認定協会から資格更新の連絡が郵送されてきました。あれこれ考えたのですが、資格更新はしないこととしています。「老兵は死なず、単に消え去るのみ」(Old soldiers never die, they simply fade away)という心境なのです。このことばの出典は兵隊歌『Old Soldiers Never Die』のようで、イギリスやアメリカ合衆国の軍人によって19世紀頃から歌われたほか、ダグラス・マッカーサーが退任演説の際に引用したことでよく知られています(こちら)。 「戦争を戦い抜いた兵士も、時間と共に忘れ去られていく」、「兵士は老いながらも生き続けることはできるが、彼らが生きていることと彼らの成し遂げたものは忘れ去られていく」、転じて「役割を終えたものは表舞台を去る」といった意味に解釈されます。格好をつけているつもりはありませんが、いつまでもメンツにこだわって、他人様に思わぬご迷惑をおかけする前に身を引いた方が良いだろうと思うが故です。

2023年8月26日 (土)

「選択と集中」の誤り……大学の研究費のお話し

 毎日新聞に『画期的な研究成果は「選択と集中」より… 国の研究費18万件分析』という記事が載りました。私もかつて、大学の教員の端くれで、研究にも携わっていましたが、大学の研究者なら、おおかたは同意するだろうと思います。これは、筑波大学の大庭良介准教授と弘前大学の日比野愛子教授のチームが発表した研究です。記事の興味ある部分を引用します。ちなみに筑波大学によるプレスリリースはこちらにあります。論文は、PLoS ONEというオンラインジャーナルに掲載されています。

 高額な研究費を少人数に集中して投じるより、少額でも多くの研究者に配分する方が、国全体として画期的な成果を効率良く出せるとの分析結果を、筑波大などの研究チームが発表した。1991年以降、国が支給した科学研究費助成事業(科研費)の投資効果を調べた。研究予算は、国が進める「選択と集中」路線よりも「広く浅く」配分する方が効果的としている。

 その結果、少額(500万円以下)の研究費を多くの研究者に配る方が、より高額な研究費を少人数に配るより、投資総額に対する論文の数が多くなる傾向がみられたという。また、ノーベル賞級の成果や新たな研究分野に発展するキーワード数でも「広く浅く」の方が勝っていた。

 研究者の側から見ると、1人当たりの受け取る研究費が高額であるほど、多くの成果を得られる傾向がみられた。ただし、5000万円以上になると、論文数などは頭打ちしていた。

 私は、現場で13年ほど働いたのち、公立大学短大部の教員となり、改組により公立大学学部教員、さらに法人化により公立大学法人の大学の教員という経歴をたどりました。法人化するまで、研究費はランクに応じて定額が支給されていましたが、法人化後、それは激減し(1/3以下というか、1/4に近いくらいの額に)、科学研究費などを申請するように強く指導されました。しかし、大学全体で見ると、ある年の採択率は20%も行きません。私も毎年申請していましたが、1度も採択されませんでした。申請に当たってはかなりの分量の書類を書かなければなりませんでしたし、その書式が毎年微妙に変更されるという、意地悪というかいじめのような印象もありました。

 とある国立大学の教員でいらした先生は、ブログに次のように書いておられますが、私もこれに賛成します。簡単にいうと、部分的にマネたために、全体としては(アカデミックな世界や、社会全体という意味)うまく機能しない結果に陥って、衰退しているのだと思います。我が国では、大学院進学者が減り、また、博士号取得者も減っているそうですが、それもある意味当然。博士号を取っても、世の中ではいいことはあまりありません。

 日本では大学専任教員には誰でも一定の研究費を支給する「悪平等」の制度のほうがうまく機能するし、すぐれた論文を増やす効果があると述べた。つまり、「国立大学独法化」以前の制度は日本に合っていたのに、むりにアメリカ的な「申請しないと研究費が出ない」制度を真似たために「大学改革」は大失敗に終わったということだ。

 さらにもう1つ最近知った面白いことは(と書くとお叱りを受けますが)、毎日新聞には『【クローズアップ】「研究負担軽減」国調査に悲鳴 大学教員ら「分量多い」』という記事も載っています。日本の研究力強化に向け、政府がこの夏、全国の大学教員らを対象にアンケートを進めているといいます。研究環境改善のため、研究以外の雑務が日々どの程度負担になっているかを問う内容なのですが、アンケートのあまりの分量の多さ(Excelのシート14枚に、130を越える質問項目があるとか)に「逆に負担が増えた」と研究者側から悲鳴が上がっているそうです。書類仕事が増え、それに忙殺されているのに、まさに「本末転倒」の事態。笑い話のようではありますが、笑っていられません。文科省のお役人さんたち、大丈夫でしょうか? 政治家も、「今だけ、金だけ、自分だけ」などと揶揄されますが、利権や自分のことばかり考えていないでことの本質をよく見ていい加減に気づかないと、取り返しのつかない事態に陥ると考えられます。

 あまり昔、関わっていたことでぼやくのもどうかと思いますので、ここら辺で退散し、以後は慎みます。

2023年7月 8日 (土)

今日もスズメとカラスくらい……レポート採点は一通り完了

Dsc00846c_20230708181401  桑名では雨はほとんど降っていませんが、警報級の雨が降っているところがあります。被害が出ないことを願っています。今日もいつものように朝7時半から散歩へ。蒸し暑い中、住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町、南魚町、田町、三崎通と5.7㎞。汗をかいて少々疲れました。

Dsc00870c_20230708181401 Dsc00889c  スズメかカラスしかいません(苦笑)。これらはいずれも七里の渡し跡にて。ただし、他の公園でもほぼ同じ。

Dsc00911c_20230708181401 Dsc00931c  九華公園の奥平屋敷跡では、若いカワウさん。最近ここのステージ裏にときどきいます。さらに、珍しくヒヨドリもやって来ました。今年は、春先からヒヨドリをほとんど見なくなっています。

Dsc00939c_20230708181401 Dsc01039c_20230708181401  ハシビロガモのオスはどこにいるのか分からなかったのですが、朝日丸跡の北側にいました。ここは案外盲点。このあと回った他の公園でも鳥はほとんどいません。いたとしてもスズメくらい。京町のお宅の巣には、ツバメが来て、交代したところ。卵があると思います。期待しましょう。

291647795_581097646970638_12803628740595  昨日、桑名七里の渡し公園で行われていたイベントはこれでした(こちら)。そういえば「一番搾り」と書かれた提灯がぶら下がっていました。もうちょっと大々的に宣伝してほしいなぁという気がします。

Dsc01092c  ところで、レポートの採点は難儀しましたが、夕方までに一通り終えました。評点の高いレポートは、一度読んだだけで内容が良く理解でき、頭にスッと入ってきます。これは、①清書する前に内容の整理、順序、内容同士の関連性についてよく考えてあり、また、②主語、述語、目的語などをきちんと意識して書いてあるためです。一方、評点の低いレポートに共通する点は、何回か読み直しても内容が分かりにくかったり、バラバラの内容が並列してあったりします。おそらく上記の①②がきちんとなされていないのです。満点をつけたレポートもけっこうありますが、点数が満点の半分にもならないレポートもけっこうあります。考える習慣があるかないか、どのように考えるかといったトレーニングがなされているかなどが大きく影響している気がします。

2023年7月 6日 (木)

ついにやって来ました猛暑日

0706amedas Dsc09402c_20230706153001  アメダスのデータでは、14時29分に35.7℃を記録しています。ついにというか、とうとうというか、猛暑日がやって来ました。朝から暑く、散歩に出た8時15分頃には、ほとんど誰も歩いていないような状況でした。右は、8時20分頃の住吉神社前の様子。ここからいつものように、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町、寺町、御坊さんと5.9㎞を歩いてきました10時頃には帰宅という、私にしては短い時間での散歩でしたが、暑くて鳥も、散歩友達もいないのです。

Dsc09431c Dsc09466c_20230706153001   今日もっともたくさん見たのは、スズメ。左の写真のスズメは、船津屋さんの裏あたりの揖斐川の堤防にて。右の写真のスズメのヒナは、九華公園の北門近くにて。九華公園までに見たのもスズメと、わずかな数のムクドリのみ。

Dsc09472c  九華公園の相撲場の近くでは、ドバトが枯れ草をくわえていました。今から巣作りなのでしょうか? ドバトは、4~5月が多いものの、通年繁殖し、年3回以上繁殖するといいますから(こちら)、これから巣を作る可能性も十分ありそうです。暑いのに、ご苦労さんといいたくなります。

Dsc09511c  奥平屋敷跡そのほかでも、野鳥はほとんどいません。九華公園でスズメ意外によく見たのは、カラス。左の写真のハシブトガラスは、神戸櫓跡近くで。九華公園には、このところ、カラスファミリーが3組くらいいます。

Dsc09543c  ハシビロガモのオスは、暑さにも負けず、元気にしています。野球場の南の堀で盛んに身繕いをしていました。他の公園でも、鳥はほとんどいません。朝8時にはすでに26.4℃もありましたから、さもありなんです。

Dsc09569c_20230706153001  ところで、昨日の授業のQ&Aは、昨晩と、今朝早くそして散歩から帰ってと作業を行い、午前中には一通りできあがりました。今回は、先週の演習のレポートも見ますから、その講評も含めてつくります。週末にかけてそれらの作業も行って、週明け一番に助手の先生に送る予定。

Dsc09629c  演習のレポートは、午後から一通り目を通しました。レベルは、さまざま。添削するとしたら、ほとんど手を入れないで済むような、分かりやすくよくまとまったものから、「全面的書き直し」を求めたいものまで。これは、毎年そうです。あまり裏話を書くとよくありませんが、実は、先週、演習の終わりにレポートの書式を配ったら、その途端にレポート用紙に書き始めた強者も複数いたのです。他の授業で、授業中にレポートを書くものがあるようですから、その影響もあるのかも知れませんが、説明も聞かずにレポートを書く等というのは、私の感覚では信じられません。

Dsc09645c_20230706153001  よく書けているレポートは、事前に書くべき内容を整理し、書く順序や内容同士の関連性についてよく考えてあり、また、主語、述語、目的語などをきちんと意識して書いてあります。書き直しを指示したいレポートは、まずは内容が貧弱。項目が羅列してあるだけで、考えたという形跡があまり窺えないのです。他に目立つのは、1文ごとに改行してあるものがけっこうあります。これはSNSの文章の影響かなと思うのですが、本当にそうかどうかはわかりません。一方、今年度のレポートで全体的によいのは、話し言葉で書かれていないこと、誤字・脱字が極めて少ないことです。今晩か、明日にでも精読しながら、点数をつけ、コメントを書くつもり。花の写真は、順にコムラサキ(外堀にて)、サルビア(京町にて)、ヒマワリの仲間(詳細は不明、小型の花が多数咲いています。北寺町にて)。

0706temperture 【追記】 全国の今日の最高気温ランキングを見たら(15時20分現在の速報値)、桑名は全国6位の暑さでした。ジジイ故、午後からはエアコンのお世話になっております。

2022年9月 2日 (金)

20220902勝手にハイキング「壬申の乱から1350年記念 霞ヶ浦~大矢知ウォーキング」(予告編)

Img_0938c_20220902194101  前回(2022年7月17日:20220717堀川・宮の渡し跡・熱田神宮ウォーキング)から1ヶ月半ぶりに勝手にハイキングに行ってきました。今日の行き先は、四日市市内。タイトルのように、今年(2022年)は、壬申の乱(672年)から1350年です。桑名市博物館でも「壬申の乱と桑名」という展覧会がありましたし(2022年7月24日:九華公園のアオサギは2羽……博物館で「壬申の乱と桑名」を観る)、今日の行き先の1つであるくるべ古代歴史館でも記念展示が行われています。ということで、「壬申の乱から1350年記念 霞ヶ浦~大矢知ウォーキング」と銘打って出かけてきました。台風11号と秋雨前線の影響を心配したのですが、午前中は上天気。桑名では最高気温32.8℃。今日のところは、「予告編」。冒頭の写真は、くるべ古代歴史館。今回も、同級生K氏とのウォーキング。

Img_0681c_20220902194001Kasumigaura0  近鉄桑名駅を8時30分に発車する塩浜行き普通電車に乗車。霞ヶ浦駅には8時43分に到着。¥260。8時50分頃にスタート。右は、今日実際に歩いた全体のコースマップ。霞ヶ浦駅をスタートして、志氐神社、明円寺、大膳寺跡、浄恩寺、南北伊賀留我神社、荒木十兵衛頌徳之碑、天武天皇迹太川遙拝所跡、久留倍官衙遺跡・くるべ古代歴史館、長倉神社、照恩寺、大矢知興譲小学校(忍藩陣屋跡)、亀屋佐吉などを回って、三岐鉄道三岐線大矢知駅まで。現地で実際に歩いたのでは、7.5㎞でした。

Img_0711c_20220902194001 Img_0753c_20220902194001  志氐(しで)神社。前から訪ねたかったところです。東海道を歩いたとき、一の鳥居と、ここの神社に関わる「妋石(みよといし)(夫婦石)」は見ています(2021年5月8日:20210508「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第3回「富田~四日市」(予告編))。垂仁天皇の御代にご鎮座。志氐の名は、天武天皇が壬申の乱を避けて吉野から桑名への途次、迹太川(とほがわ)のほとりで伊勢の神宮を望拝されたときの御幣に由来するという説があります。また、ここには志氐神社古墳もありましたし、戦艦陸奥の破片なども奉納されています。

Img_0757c_20220902194001 Img_0780c  志氐神社を出たところ、北側に真宗本願寺派の放光山明円寺。事前に何も調べず、ノーマークでした。創建は、永正12(1515)年だそうです。続いて、南いかるが町のマンションの駐車場脇に「大膳寺跡」の石柱が立っています。斑鳩山大膳寺は、伝承によると、天延2(974)年、覚鎮によって開基された天台宗の寺院。延徳年間(1489~1490年)、蓮如上人の教化によって第16代円爾が寺を出て、真宗に改宗し、斑鳩山浄恩寺を起こしました。大膳寺は織田信長の兵火により焼失。

Img_0794c_20220902194101  続いて、その斑鳩山浄恩寺。ここは4年前にも、近鉄ハイキングで訪ねています(2018年9月15日:20180915近鉄ハイキング「四日市の古代ロマンを想う 歴史探訪! くるべ古代歴史館を訪ねる」へ(予告編))。現在の本堂は、明治28(1895)年の建築。境内には聖徳太子堂もあります。

Img_0881cImg_0815c_20220902194101 浄恩寺からほど近いところに、南北の伊賀留我神社2社があります。鵤(いかるが)村は、もとは一つの村でしたが、寛永年間(1624~1645年)に南北2村に分れました。北鵤村は、桑名藩領で、北の伊賀留我神社は(左の写真)、齋宮(いつきのみや)大明神とか、北鵤村伊賀留我神社と称しました。一方、分村した南鵤村(こちらは、忍藩支配所)にも、新たに伊賀留我神社を祀り(右の写真)、ここに新旧二社が併立となりました。

Img_0900c_20220902194101  北伊賀留我神社のすぐ近くに荒木十兵衛頌徳之碑があります。荒木十兵衛は、桑名藩領朝明郡北鵤村の庄屋で、羽津用水を築造した人物です。この地は七つのため池があるものの、水利に恵まれずたびたび干害に見舞われました。十兵衛は村を干害から救うために、困難な利害を調整し、朝明郡平津村(現平津町)の朝明川から取水工事を行い、宝永3(1706)年全長6㎞に及ぶ羽津用水を完成させました。この用水のおかげで北鵤、羽津、茂福等の村々の水田に水を潤すことができ、作物も豊かに実るようになったといいます。

Img_0925c_20220902194101  そのすぐ近くに、今日のメインの目的地の1つである「天武天皇迹太川御遙拝所跡」。私は、たぶん3回目くらい。県指定史跡。壬申の乱(672年)の際、大海人皇子(のちの天武天皇)は、奈良の吉野を離れて伊賀に入り、鈴鹿から三重郡家に進み、さらに朝明郡の迹太川(とおがわ)のほとりで天照大神に戦勝祈願したといいます。御遥拝所跡の碑が立つこの地は、江戸時代の人がその場所であると考えたところだそうです。

Img_0962c_20220902194101 Img_0984c_20220902194101  スタートから5.5㎞、10時55分頃に久留倍官衙遺跡に到着。久留倍はこの辺りの地名。飛鳥時代(670年頃?)から奈良時代(8世紀前半頃)まで、朝明郡の役所が置かれていた跡と考えられています。正殿・脇殿・東門(八脚門)とそれを囲む塀からなる郡衙政庁が、東向きに建てられていたといい、郡の政治を行う中心的な建物群があったところです。くるべ古代歴史館で展示を見て、ボランティアガイドの方の説明を伺ってから、北勢バイパスをくぐって、建物が再現されたエリアへ。小高い丘の上にあり、東に向かって開けています。伊勢湾などが一望できたと思われます。

Img_0976c_20220902194101  遺跡の北側のエリアには八脚門、正殿が復元されています。4年前の時は、これらはまだ復元されていませんでした。左の写真は、八脚門。当時としては、非常に格式の高い門だったそうです。大海人皇子(天武天皇)がいらした「朝明郡家」はここであるという説があります。

Img_1018c_20220902194101 Img_1059c_20220902194101  久留倍官衙遺跡を見たあとは、長倉神社(左の写真)へ。延喜式内社ではあるものの、由緒は不明。拝殿の北側には大矢知砦跡があります。右の写真は、次に訪れた青木山照恩寺(真宗本願寺派)の山門。この門は、桑名城の城門の1つであったと伝わっています。

Img_1081c_20220902194101 Img_1093c_20220902194101  大矢知興譲小学校。敷地の東側に立派な松の木の並木があります。ここは、忍藩の陣屋があったところ。大矢知は江戸時代を通じて、ほとんどの時代、桑名藩領でしたが、文政6(1823)年、当時の桑名藩主・松平忠堯(ただたか)公が、武蔵国忍藩へ国替えとなったのです。しかし、忍藩では桑名に比べ石高が少なく、それを補うため、北勢四郡のうち72ヵ村(松寺、蒔田、西富田を除く)4万3,000石が忍藩領になりました。そのとき、ここ大矢知に陣屋が置かれ、忍藩が支配したのです。

Img_1122c_20220902194101 Dsc_6802c  これで訪ねるところはほとんどコンプリートしたのですが、今日、もっともメインの訪問先(微笑)が残っています。それがこちら。龜屋佐吉さん。暑い時期に大矢知に来るなら、何が何でも立ち寄って、氷を食べなくてはならないのです。私は3回目(2016年7月3日:コアジサシの営巣地で給餌シーン……なばなの里ではコチドリが抱卵、午後からは龜屋佐吉で氷(苦笑))、K氏は初体験。「白玉和三盆金時みるく」(¥870)をいただいてきました。初めて行ったときには30分待ちでしたが、今日は待ち時間ゼロ。9月になると空くそうです。汗だくになって歩いてきましたので、冷たい氷、美味しくいただき、しっかり涼しくなりました。

Img_1135c  三岐鉄道三岐線大矢知駅。12時半頃に到着。龜屋佐吉さんに30分近く滞在していました。それ故、今日歩いていたのは、3時間10分ほど。ここまで7.5㎞。12時49分の近鉄富田行き普通に乗車。近鉄富田には、12時54分着。12時56分に名古屋行き急行がありましたから、それに乗って桑名駅には13時3分着。¥450。

Img_1193c_20220902194201 Dsc_0284c  桑名駅のコンコースにある伊勢ノ国食堂しちりで、ランチ。今日は、「天ぷら中華そば」(¥850)。最近ランチでは、麺類と丼物がメインとなっています。昔の「支那そば」という感じ。鰹出汁が効いた醤油味の
和風スープで若干、甘みがあるものの、あっさりとした味わいでした。

Img_1196c_20220902194201  今日の歩数。18,686歩。現地で歩いたのは、7.5㎞。桑名駅往復が、2.7㎞(帰りにアピタ桑名店に寄って、文庫本を買ってきました)。歩いた距離の合計は、10.2㎞。スマホのアプリでは14㎞ほど歩いたことになっていますが、さすがにそれはないでしょう。本編は、また明後日くらい以降から。

2022年8月27日 (土)

九華公園で1年半ぶりくらいにヤマガラ……オンライン研修会にも参加しました

Dsc03884c  朝のうちは晴れていましたが、10時過ぎからは曇天。雨は降らないで済みそうな感じです。今日は、10時から三重K-ABCアセスメント研究会のオンライン研修会が予定されていましたので、いつもより少し早く、7時15分から散歩開始。長島町、長良川河口堰方面へ行きたいとも考えたのですが、時間制限がありますので、それは断念。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、寺町と回って、5.5㎞。8時50分頃には帰宅。冒頭の写真は、住吉神社。

Dsc03932c_20220827152201  住吉神社を出て揖斐川右岸の堤防歩いていたら、上流の方からアオサギさんが飛んできて、住吉水門あたり(七里の渡し跡の目の前にある水門)に降りました。若いアオサギさんが、水門の上流側にたたずんでいました。このあたりにはホオジロがよくいるのですが、今日はいません。

Dsc03955c Dsc03961c  いつもは住吉水門のところまでは来ないので、たまには違ったアングルの写真を。左の写真は、七里の渡し跡を住吉水門の方から撮ったもの。たいてい私は、写真に写っている伊勢一の鳥居の手前を通過していくのです。七里の渡し跡は、残念ながら堤防改修によって、住吉水門の内側になってしまっています。右の写真は、幡龍櫓。上流方向から撮っています。これまで載せていた写真は、下流側から撮っています。櫓の1階の破風のところにいるのは幡龍。「蟠龍(ばんりゅう)」とは、天に昇る前のうずくまった状態の龍のこと。この「蟠龍」をかたどった瓦が置かれたので、蟠龍櫓と呼ばれ、七里の渡しに入ってくる船の監視などの役割を果たしていたといいます。

Dsc03993c Dsc04170c  続いて、柿安コミュニティパークのところを歩いていたら、シジュウカラの鳴き声が複数聞こえてきました。ソメイヨシノの並木に数羽の群れ。なかなか撮りにくかったのですが、なんとか撮れた写真。幼鳥が多かったのですが、親鳥も混じっていました。

Dsc04393c  九華公園には、今日はアオサギはいなかったのですが、二の丸跡でヤマガラの声が聞こえてきました。耳を疑ったのですが、よく探したところ、この1枚だけが撮れました。よく撮れた写真ではないのですが、まさに証拠写真(苦笑)。九華公園でヤマガラを見たのは、去年2月以来と思います(2021年2月23日:ヒバリのペアとホオジロのオスが登場)。いやぁ、ホントによかった。

Dsc04378c Dsc04443c  九華公園では他に、ハシボソガラス。セミをくわえていました。カルガモのアーちゃんは、今日も野球場の南の堀の石の上でマッタリ中。

Dsc04477c_20220827152201 Dsc04466c  このあとは、めぼしい鳥はいませんでした。貝塚公園の西のお宅で、アサガオ。京町公園で一休みなどして、帰宅の途へ。右の写真のサルスベリは、陽和幼稚園にて。

Dsc04450c Dsc04462c 帰宅後、シャワーを浴びて、身を清め(笑)、10時から三重K-ABCアセスメント研究会のオンライン研修会に参加。三重K-ABCアセスメント研究会は、コロナ禍で久しぶりの開催。今日は、山梨大学准教授の永田真吾先生による「子供の認知特性を活かしたGIGAスクール時代のICT活用」 というお話を伺いました。コロナになって以来、小中学校でもオンライン教育が活発になっていますが、通常学級だけでなく、特別支援学級などでもICTを活用した教育指導が充実してきています。パソコンは普段からよく使っていますが、教育支援におけるICT活用についての私の知識・スキルをアップデートしたいと考え、参加。ただ、三重K-ABCアセスメント研究会では、スーパーヴァイザーを仰せつかっていますので、立場上、最後にコメントを求められました(微苦笑)。当初、主催者の先生からは「助言を」などとんでもないことをいわれていたのですが、感想で勘弁していただきました。左の写真はゼラニウム、右の写真は、九華公園の二の丸堀。

Dsc_6780c Dsc_6782c  アサガオの余談。今日は2輪。ずっと2鉢のうち、一方でしか咲かないとぼやき続けていましたが、今朝よく見たら、もう一方の「茂君」にも、つぼみらしきものが見えてきていました。いっそのこと、引っこ抜いて、ネギでも植えようかと話していたのですが、慌てて抜いてしまわないでよかった(爆)。

Dsc04485c  今日も、ナガシマスパーランドでは「長島温泉花火大競演」があると思ったら、残念ながら中止。リベンジを図ろうと思っていたのに拍子抜け。今のところ明日は、開催予定ですから、明日に持ち越しです。写真は、内堀交番の近くで実ってきたカリンと思います。

2022年8月14日 (日)

三重K-ABCアセスメント研究会第30回研究会のお知らせ

 三重K-ABCアセスメント研究会から第30回研究会のお知らせをいただきました。三重K-ABCアセスメント研究会は、コロナ禍のためしばらく活動を休止していましたが、このたび、下記の要領でオンライン研修会を開催します。ご関心がおありの方は、ぜひご参加いただきたくご案内申し上げます。

  1. 期 日:令和4年8月27日(土)10:00~12:00
  2. 内 容:講演「子供の認知特性を活かしたGIGAスクール時代のICT活用」
        講師: 山梨大学教育学域教育系准教授 永田真吾先生
  3. 対 象:小・中学校、高等学校、特別支援学校、大学等に勤務する教員、医療、福祉で心理アセスメントに関わる方
  4. 参加費:無料
    ※本会初めてのオンライン形式での開催です。今後のオンライン配信のテストも兼ねていますので無料となっています。
  5. 定員:50名
  6. 申し込み方法:必要事項(①お名前、②ご所属 ③職種 ④連絡先住所 ⑤連絡先電話番号、⑥E-mailアドレス)をご記入のうえ、E-Mailで令和4年8月23日(金)までに下記アドレス宛にお送り下さい。8月23~25日の間に返信メールが届くことになっています。
  7. 申し込み・問い合わせ:mie.kabc.goto at gmail.com(後藤勝弘先生)*「at」は「@」マークに変えて送信してください。
  8. 三重K-ABCアセスメント研究会事務局:〒514-0821 三重県津市垂水2622-1 津市立南が丘中学校内

 案内文書(pdf 75kb)は、こちらからダウンロードできます:ダウンロード - 20220827miekabc2330.pdf

 このブログ記事は、紹介のためのものです。正式な内容は、案内文書をご確認ください。また、お問い合わせ、参加お申し込みは三重K-ABCアセスメント研究会へ直接お願いいたします。

 

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  • 高橋陽介: シン・関ヶ原 (講談社現代新書)

    高橋陽介: シン・関ヶ原 (講談社現代新書)
    関ヶ原で起こった戦闘の経緯について、新しい説を提起しています。私たちが知っている関ヶ原の戦いとは、まったく違う見方で、驚きました。この本では、「徳川家康はすでに天下人であった」という大前提のもとに当時の一次資料を読み(ここがポイント)、そこから「石田三成は西軍決起の『首謀者』ではない」「小早川秀秋は開戦前に東軍であった」「東西両軍の和談は決戦前日に成立していた」など新たな見方が示されています。すべて当時の書状などの一次資料の内容に基づいています。これらがすべて歴史学界で認められた説ではないものの、新鮮で、大変おもしろい内容でした。ちなみに通説は、帝国陸軍参謀総本部が、一次資料のほか、江戸時代の『関ヶ原軍記大成』『徳川実記」などさまざまな編纂史料をもとに再構築したものと、それをもとに司馬遼太郎さんが書いた小説『関ヶ原』に基づいているといいいます。 (★★★★★)

  • 銅冶英雄: 悩み・不安・困った!を専門医がスッキリ解決 腰部脊柱管狭窄症

    銅冶英雄: 悩み・不安・困った!を専門医がスッキリ解決 腰部脊柱管狭窄症
    体操で改善を目指すことを謳い文句とした本です。脊柱管狭窄症については、これで4冊の本を読みました。それぞれに一般向けに分かりやすく書かれており、これら4冊の本で決定的な差はありません。むしろ、何冊か読むことで、脊柱管狭窄症についての理解が深まりました。多くの本で脊柱管狭窄症を改善する運動療法が紹介されています。この本では、「痛みナビ体操」が紹介されています。私自身は、近いうちにかかりつけの整形外科医院で理学療法士さんに運動療法を教えていただくことになっていますので、それを優先しますが、そういう機会のない方には、この「痛みナビ体操」を試してもよいように思います。 (★★★★)

  • 菊地 臣一 ほか: 脊柱管狭窄症 腰の名医20人が教える最高の治し方大全 ~聞きたくても聞けなかった150問に専門医が本音で回答! ~ (健康実用)

    菊地 臣一 ほか: 脊柱管狭窄症 腰の名医20人が教える最高の治し方大全 ~聞きたくても聞けなかった150問に専門医が本音で回答! ~ (健康実用)
    脊柱管狭窄症について、病気そのもの、症状、診察・診断、薬物療法、運動療法、そのほかの保存療法、セルフケア、食事、症状別対策、手術などの全貌についてのガイドブックです。タイトルにあるように、専門医が150の質問についてわかりやすく解説しています。図、写真も使われていて、よくわかります。 (★★★★★)

  • 文藝春秋: 文藝春秋 2026年6月号[雑誌]

    文藝春秋: 文藝春秋 2026年6月号[雑誌]
    特集記事の「総理の夫 初告白20時間」という、高市首相の夫である高市拓さんのインタビュー記事が載っていて、それを読んでみたいと思って、20年ぶり以上に文藝春秋を買いました。余談ですが、この6月号は、特別定価¥1,250で、ビックリ。定価がそもそも¥1,200だそうです。それはともかく、高市首相は公邸で夫のワンオペ介護をしているという話がしばらく前に話題になりましたが、実態はどうもかなり違ったようです。最近の高市拓さんは、シャワーも一人で浴びられ、トイレも大丈夫、食事も一人で準備し、食べられるそうです。週末は拓さんが簡単なご飯を作って、平日夜は官邸の食堂からお弁当を運んでいるといいます。そのほか、夫婦関係、再婚と改姓、介護問題などについて語っていますが、結局、「へぇ~、そうなんだ」と思われる内容で、私としてはちょっと期待はずれ。それに、あまりおおっぴらに書くのは憚られますが、私のセンスではちと変わったご夫婦のように思えました。 (★★★★)

  • 林 将之, 株式会社アマナ: 新版 葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑

    林 将之, 株式会社アマナ: 新版 葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑
    樹木の図鑑でわかりやすい、よいものがないか探していて見つけました。図鑑ですから、通読はしていませんが、「葉っぱの写真を手がかりに探せる」ことと、「五感を使った観察の楽しみ方を紹介」というのがポイントで、使いやすそうです。前者については、葉の形、ふち、生え方などを確認し、リアルな質感を再現した葉っぱスキャン画像と実際の葉を見比べることで、樹木の種類を検索できます。葉っぱをスキャンした画像が、実にリアルです。後者については、各樹木の解説ページでは、「見る・聴く・かぐ・触る・味わう」の五感を使った観察の楽しみ方、鳥や動物などの樹木とつながっている生き物も紹介されています。近所の公園の木の種類を調べていますが、今まで見当をつけた種類が間違いないか、これを持っていって照らし合わせてみようと思っています。 (★★★★)

  • 若山滋: 漢字文化圏の興亡―中国の限界、日本の前途―(新潮新書)

    若山滋: 漢字文化圏の興亡―中国の限界、日本の前途―(新潮新書)
    建築家である著者が、「漢字文化圏の興亡」というタイトルの本を書いたということに気持ちが動きました。サブタイトルには、「中国の限界、日本の前途」とあります。日本は古来、「漢字文化圏」の中心である中国から大きな影響を受け、漢字に「かな」を補うという独自の形でその文化を受容してきました。戦国時代から近現代には、アルファベット文化圏の西洋からの洗礼を受けますが、こちらも柔軟に受け入れます。建築と文字の関係に以前から着目してきた著者は、その受容の仕方を「和能」と呼びます。東西の力学が激変する中、日本の進むべき道はどこなのか。漢字文化圏の影響力には限界があり、中国が永続的に支配的な地位を占めることはない、しかし日本には可能性があるといいます。壮大な文明論が展開されています。今の政治家の人たちも、こういう本を読む必要があると思います。 (★★★★★)

  • 今泉忠明, 高橋秀男, 武田正倫, 小宮輝之, 岡島秀治: 自然観察 (学研の図鑑 新・ポケット版 16)

    今泉忠明, 高橋秀男, 武田正倫, 小宮輝之, 岡島秀治: 自然観察 (学研の図鑑 新・ポケット版 16)
    最近、近所の桑名七里の渡し公園でで野鳥、樹木、雑草、昆虫の観察に勤しんでいます。「自然観察」としているというと格好がつくかもしれません(笑)。自然観察入門によい本はないかとネットで探して、見つけたのがこの本です。学研出版のサイトでは「こどもの本」に分類されていおり、対象は小学生となっていますが、まぁこれくらいがちょうどよいと思います。内容は、かなり高度ですが、テーマごとにまとめられていて、分かりやすいので、しっかり勉強しようと思います。 (★★★★)

  • 松田圭太: 腰痛は医者には治せない ~2人に1人が「筋肉」「関節」が原因!理学療法士の神ワザ治療~

    松田圭太: 腰痛は医者には治せない ~2人に1人が「筋肉」「関節」が原因!理学療法士の神ワザ治療~
    1つ前に紹介した「大学病院「背骨外来」の名医が教える 脊柱管狭窄症 自力で克服! 一生役立つ痛みほぐし地図大全」と一緒に入手しました。この本の著者は、腰痛治療に特化した施術院を経営する理学療法士。これは、たぶん好みの問題も関わるのでしょうが、私個人としては、1つ前に紹介した本の方が、読みやすく、実際にも役立つと思いました。この本も運動療法を重視しています。ただ、その説明や、説明に至るプロセスで呈示される根拠の説明が弱い気がします。また、具体的な運動療法の仕方については、必ずしも体系的には説明されていません。著者の書いている「痛みは悪いものではなく、体を守るための相棒」「自分の体は自分で治すという気概を持つと、治りが早い」「とにかく食べて とにかく動く」「痛みに負けない根気を持つ」「やりたいことがみつかれば、体が動く」「日常で笑顔になることをたくさん見つける」など、本書のあちこちにちりばめられた著者の言葉は、大切だと思います。 (★★★★)

  • 猪瀬弘之: 大学病院「背骨外来」の名医が教える 脊柱管狭窄症 自力で克服! 一生役立つ痛みほぐし地図大全

    猪瀬弘之: 大学病院「背骨外来」の名医が教える 脊柱管狭窄症 自力で克服! 一生役立つ痛みほぐし地図大全
    2月末に脊柱管狭窄症と診断され、服薬とリハビリを続けていますが、ここで一度、きちんとした知識を得て、これら以外の治療法はないか調べた方がよいと思っていたところにこの本を見つけました。著者は脊椎脊髄外科が専門の整形外科医。タイトルのように大学病院で「背骨外来」を開いています。脊柱管狭窄症についての総合的なガイドブックであり、狭窄した脊柱管、椎間孔を広げる、各種の運動療法を体系的に紹介しています。「体系的に」というところが味噌で、症状に応じてどのような運動療法を行うと、脊柱管や、椎間孔を広げられるか、分かりやすく(写真、図示を用いて)説明されています。私は一通り熟読し、まずは脊柱管を広げる運動療法を試し始めました。まだその評価をする段階ではありませんが、もうしばらく続けてみて、また追記したいと思っています。医学用語や、背骨、神経の図など専門的な内容も出て来ますが、めげずに読むと、その運動療法をする意味が分かってきます。意味を分かった上で取り組むことが大切だと、私は思います。ちなみに、運動療法は、いわゆる筋トレではありません。正しい体の動かし方を習得することです。 (★★★★★)

  • 古荘純一: 境界知能の人たち (講談社現代新書)

    古荘純一: 境界知能の人たち (講談社現代新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家以外の人たちにはほとんど馴染みがないものでしょう。専門家であってもその支援については、見落とされてきており、支援が必要であるのに、その谷間に陥ってしまった人たちということもができます。境界知能というのは、IQ(知能指数)でいえば、70以上80未満(誤差を考慮して、85未満とする考え方もあります)の人たちとなります。ただし、知的水準だけでなく、適応行動が取れているかも、考慮する必要があります。たとえば、言語化が苦手、段取りを覚えられない、行動がワンテンポ遅い、対人関係の距離感が極端、金銭管理ができない、ダマされやすいといった特徴があると著者は指摘します(もちろん、これらは境界知能の人たちに限るということではありません。ほかの障害でも見られる可能性があります)。本書は、定義など学問的な内容から、事例、支援についての提案、さらには用語解説、境界知能の所見リストなど、多方面から境界知能の人たちの困難と、その支援について述べています。医療、心理、教育、福祉に関わる方たちには、ぜひ手に取っていただきたい本です。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 真の保守とは何か 近代日本の地下水脈 (文春新書)

    保阪 正康: 真の保守とは何か 近代日本の地下水脈 (文春新書)
    著者は昭和史研究家。約5,000人もの方に取材してきました。この本は、高市政権圧勝、参政党躍進を受けて書かれたもので、「日本人の選択をいま問う」と帯にあります。著者は、高市政権を「国家主義的右派」と位置づけており、「保守」ではないとします。著者のいう「真の保守」である10ヵ条とは、①常に歴史を読め、歴史の中の声を聞け、②師たる政治家を持て、③甘言、巧言は敵とせよ、④誤りから学べ、⑤良きブレーンを持て、⑥精錬の徳を持て、⑦討論、対話を厭うな、⑧典故、先例に通じよ、⑨読書に勝る良薬はない、⑩氷山のごとき人格たれです。これらは、著者の歴史の教訓を政治の現場に伝えなければならないという危機感から来ています。これに照らすと、今の高市政権の中枢をなす政治家は、極めてアヤシいと思われてなりません。私には、とくに、勉強していない(=本を読んで、考えていない)と思えるのです。ほかにこの本で気になったのは、鶴見俊輔さんがいったという「民主主義の後をファシズムが影絵のようについてくる」ということばです。石橋湛山、池田勇人や、後藤田正晴といった政治家たちの足跡をもう一度ふり返り、良識派の保守の姿を取り戻すことが大切と思います。また、石橋湛山が掲げた①小日本主義(帝国主義否定)、②非軍事志向(軍事で物事を解決しようとしない)、③論理的基盤(共同体的な情緒を克服し、個の意志を明確に示す)といったこともとても重要で、意味があると思います。今の時代に違和感を覚える方には是非ともお勧めします。 (★★★★★)

  • 日浦 勇: 自然観察入門: 草木虫魚とのつきあい (中公新書 389)

    日浦 勇: 自然観察入門: 草木虫魚とのつきあい (中公新書 389)
    1975年出版という古い本です。若い頃持っていたのですが、その後は所在不明。最近になって、もう一度読みたいと思って、古本で入手しました。この本に載っているレベルをきちんとおさえれば自然観察の基礎は身につくと思ったからです。著者は大阪市立自然史博物館の学芸員などを務めています。子どもたちを対象として、自然観察教室を開いたり、授業でエコロジー/生態学を教えたりするときの手引きとして書かれたものです。 春の草花を調べる、川の生物を観察する、トンボを捕まえて分類するなど、いくつかのテーマを立て、種の見分け方、水辺の危険への注意、採集法、学習のポイントなどが示されています。著者の経験に基づいて書かれていて、かなり実用的ですが、読んでおもしろいとはいいがたいところが難点。 (★★★★)

  • 伊藤氏貴: 読む技法 詩から法律まで、論理的に正しく理解する (中公新書)

    伊藤氏貴: 読む技法 詩から法律まで、論理的に正しく理解する (中公新書)
    評判の本のようでしたので、読んでみました。本の帯に「『読めたつもり』が危ない!」とありますが、それはまさにその通り。30歳代半ばから教職にありましたので、それは実感しています。とくに60歳を過ぎてから短大の非常勤講師になってから、学生たちの読解力がアヤシいと思うようになっていました。読解力そのものも低下しているとともに、集中力が続かないことも影響しているように思っていました。きちんと読めて、書き手の意図することを正しく理解できないと、議論も思索も成り立ちません。この本は、解釈学、構造主義、ナラトロジーなどさまざまな読む技法を具体例に則して紹介しています。世の中、コスパ、タイパが重視される時代ですが、敢えて深く、論理的にじっくりと読み、考えることも大切と思います。 (★★★★)

  • 滝口 正哉: 江戸町奉行所 与力・同心の世界 (岩波新書)

    滝口 正哉: 江戸町奉行所 与力・同心の世界 (岩波新書)
    時代小説が好きでよく読みますので、町奉行所の与力や同心がどのように仕事し、いかに暮らしていたかには、とても興味があります。この本の帯には、「時代劇でおなじみ 江戸の町を守る『八丁堀の旦那』、その本当の姿 くらし、仕事、文化活動」とありますので、割と気楽に読めるかと思ったら、学術的に書かれていました。与力・同心の仕事は、治安維持が主なものではなく、もっと幅広い仕事をしていました。さらに、深い教養を身につけ、豊かな人脈に裏打ちされた文化活動を行う人たちもいたということには驚きました。さらに、明治維新以降の新しい時代と格闘しつつ、江戸を語り継いだ彼らの実像が明らかにされています。寝転がって読むのは、ちょっと難しいかなと思います。 (★★★★)

  • 森 章司: 仏教的ものの見方: 仏教の原点を探る

    森 章司: 仏教的ものの見方: 仏教の原点を探る
    仏教のものの見方の基本は「あるがまま」を「あるがまま」に見ることにあるとして、仏教の人間観、仏・菩薩観、世界観、人生観、見方、生き方を体系的に説いています。著者は、仏教学者で、東洋大学名誉教授。専門はインド仏教。元浄土真宗本願寺派僧侶です。大学時代の同級生に真宗本願寺派のお寺の住職を務めていた友人がいます。私が体調を崩していたとき、「仏教の勉強をするとよい」といわれ、それがずっと記憶に残っていました。いろいろ本を読んだり、テレビ番組を見たりしましたが、どうも今ひとつピンときませんでした.そういう中でこの本を知り、ようやく入手して、やっと読み終えました。初めに書きましたように、「あるがまま」を「あるがまま」に見ることは、簡単そうで難しい。 「あるがまま」を「あるがまま」に見ることが知ることだといいます。哲学も見ることだそうです。「小欲知足」が、仏教のもっとも基本的な生活態度であり、これが「戒」を導くといいますし、自己中心的な思いも減り、慈悲につながるそうです。これらが、つまらないことにこだわることもなくなり、行動の根源となる意思も、考えも、言葉も、行為も生活も正しいものとなり、偏見や固定観念、先入観が消え去って、「あるがまま」を「あるがまま」に見ることができるようになると説かれていました。読みやすい本とはいえませんが、ここに書いたエッセンスを頭に置いて読むと、いくらか分かりやすい気がします。私自身、今は分かったような気がしていますが、たびたび思い出して、振り返る必要があります。 (★★★★)

  • 林望: リンボウ先生 老いてのたのしみ (祥伝社新書)

    林望: リンボウ先生 老いてのたのしみ (祥伝社新書)
    リンボウ先生こと林望さんが実践する「令和老人生活要領」を説いた本です。リンボウ先生は、ちょっと変人で、群れない、威張らない、信念は曲げないという人。初めての老い(誰でも、自分にとってはそうですが)に対して、先手先手でいろいろと考え、対策、対応を考え、実行しています。その第一は危機管理。たとえばどこに行くのにも「誤嚥防止ボード」を持って行き、外食の際でもそれを目の前に立てながら食事をするそうです。他人がどう思おうが構わないとか。見ならいたいことはたくさん書かれていますが、ごく普通の老人には「それはちょっとなぁ」と思うことも多いでしょう。「流行には迎合しない」というのが、リンボウ先生のモットーの1つでもあります。老後の趣味の心得などについても触れられていて、参考になることもあるかと思います。 (★★★★)

  • 平凡社: 街道アトラス

    平凡社: 街道アトラス
    旧街道に興味があります。ただし、あまりあちこちの街道を歩いたわけではありません。この本では、東海道と中山道は各宿場も紹介されるなど、詳しく載っていますが、その他の街道はダイジェスト。いわば、旧街道のカタログ本といったところ。現代の道と比べたり、旧街道がどのようにつながっていたかを知るにはよい本です。ただし、この本だけを頼りに旧街道を歩くことは、ほぼ不可能でしょう。 (★★★)

  • 保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

    保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)
    今年は、昭和100年であり、戦後80年でもあるということで、新聞などでも特集記事が掲載されています。太平洋戦争は、日本という国を滅亡の一歩手前まで追い込みました。昭和という時代もそれが終わってから35年以上経ちますから、これからは歴史として語られるようになっていくはずです。この本は、二・二六事件、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇など、時代を大きく変えた8つの事象を取り上げ、当事者たちの感情や思惑排して見つめ直すことを通して、これまでの通説、定説とは異なるそれらの真相を浮かび上がらせようとしています。読後感としては、私なども、何となくそうなのかと思っていたことがひっくり返されたような感じを抱いています。目的と手段を取り違えている、事実や科学的知見から目をそらしている、希望的観測を事実と思い込む、妙な精神論に陥るなど、今も続く認知、思考は、太平洋戦争のときの軍指導者から始まっているのかも知れません。いろいろな意味で「戦後」という概念については、根本的に再検討が必要ですし、日清戦争から太平洋戦争に至る数十年の戦争の時代は、何に由来し、そこから何を学ぶか、よくよく考えてみる必要があると思いました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)

    保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)
    保阪正康さんは、一貫して近現代史を検証し続け、5,000人もの歴史の証人を取材してきています。この本は、月刊『文藝春秋』に掲載されたものから15編を選んでまとめられています。読み応えがあるのに、分かりやすい内容で、昭和史の証人として瀬島龍三、後藤田正晴などインタビューが、また、昭和の戦争7つの謎として無謀な開戦を決意した理由などが載せられています。その後、あの戦争と昭和史を語ろうということで、半藤一利さんなどとの対談が載っています。最後に、歴史をどう引き継ぐかということで、講演録があります。この講演では、江戸時代まで遡らなければ日本人は理解できない、江戸時代の260年を通じて、戦争をしなかったという事実から教訓、知恵を学ぶ必要があるなど、江戸時代に築かれた財産をもう一度取り戻すことの重要性が語られています。明治維新という、薩長の下級武士の暴力革命を経て、帝国主義国家が作られていく過程で、江戸自在の財産は放棄されたと著者はいいます。知識、技術は学び、取り入れたのに、哲学までには思いが至らなかったため、そうなっています。また、もう一つ、著者が強調するのは、天皇制の捉え方、論じ方です。天皇制は、本質的に戦争を嫌う制度だと著者はとらえています。これは、私には目から鱗の見方でした。さらに、天皇は何らかの形で京都にお住まいになって、政治の中心は東京にあってという江戸時代の知恵をもう一度取り戻すのもよいという提案は、真摯に検討する価値があると思います。 (★★★★★)

  • 芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)

    芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)
    関数電卓は持っていますし、その昔は、プログラム電卓で平均値、標準偏差などの計算をする簡単なプログラムを組んで使っていたこともあります。タイトルに惹かれて買ったのですが、ウ~ン、期待はずれでした。計算例が平方根以外にはほとんどありませんでした。関数電卓を片手に、その使い方や、どのような応用ができるかを知りたいと思ったのですが、そういう内容はあまりなくて残念でした。ただこの本を読んでよかったのは、数学の力と計算力とは別物であることが分かったこと。また、計算については、関数電卓などを駆使すればよいということでした。私自身、数学には自信がないのですが、「エェ!?、そうだったっけ?」と思う内容もありました(つまり、間違っているんじゃないの、と思える内容)。 (★)

  • 今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)

    今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)
    地名の由来については興味がありますから、この本を手に取ったのですが、読み始めたものの、すぐに「放置」していました。テーマごとに、それに関連する地名が列挙され、その由来について多少の説明(蘊蓄?)が書かれているのですが、列挙されている(例示されている)地名が煩雑で、読むのが面倒になってしまったのです。「地名マニア」の方であれば、これくらい何のそので読み進めたのでしょうが、私にはちょっと難行でした。2年くらい経って、気を取り直して、少々無理矢理に読み進めました。が、「不思議な名称には物語がある」という、帯の謳い文句には、いささか無理があるかなという気がします。物語というのであれば、個々の地名についてもうすこし物語って欲しい気がするのです。ただし、以上は、極めて個人的な感想です。 (★★)

  • piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)

    piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)
    本の帯に「あなたが毎日スルーしている鳥たちの素顔」「カラスも本当は人が怖い」とあります。ほとんど知っている内容でしたが、このように改めて、まとめてあると、いっそうよく分かりました。野鳥観察を始めたばかりの方、野鳥に興味を持ち始めた方には、最適な参考書の1つと思います。身近にいる鳥ばかりが取り上げられていますが、それだけに身近な鳥の行動や、特徴がよく分かって、野鳥がもっと好きになること請け合いです。タイトル通り、まさに「意外と知らない」です。自分では知っているつもりでも、意外と知らないことは多々ありそうです。 (★★★★★)

  • 五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)

    五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)
    高容姫という女性を知る人は多くはないかも知れませんが、本のサブタイトルにあるように、金正恩の母となった在日コリアンの女性です。北朝鮮では、日本から帰国した人間の社会的地位は低いため、その存在は公的には明らかにされていませんし、「国母」として崇拝されることもありません。これは、金正恩の弱点でもあり、コンプレックスにもなっているかも知れません。大阪の鶴橋で生まれ育った少女の数奇な運命をたどった、力作です。よくぞここまで取材したものだと思います。高容姫の人生をたどることで、北朝鮮の体制、社会、歴史にまで理解が及びます。ほとんど一気読みをしてしまいました。ちなみに、現在も大阪には、金正恩の伯父を始め、親戚が50名以上も暮らしているといいます。このことは、日朝関係の改善や、拉致問題の解決の手がかりになるのではないかという気がします。 (★★★★★)

  • 本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)

    本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)
    別に「東大生に教える」でなくてもよいのですが、この本の元になったのが、東京大学教養学部の学生たちに「暗記不要、歴史を考えるおもしろさを伝えたい」ということで行った連続講義ですから、そういうタイトルになっています。歴史、とくに高校時代に学んだ歴史は、やはり暗記科目でした。あれから50年以上経った今でも、そこから抜けきっていない気がします。そういう意味では暗記ではなく、時代を動かす原動力は何か、誰が時代を変えていくのかという視点から歴史を見て、考えるのは、新鮮です。史実は変わりませんが、それを材料に、自分の視点から、自分の見方で論理を組み立て、自分なりの歴史像を造ってみることを愉しめばよいという著者の考え方をしっかりと身につけられたらよいなというのが、読後感です。 (★★★★★)

  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)