お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2023年8月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2018年1月以降の記事を残し、2017年12月以前の記事は削除しました(2018年1月1日から2023年8月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

学問・資格

2023年8月26日 (土)

「選択と集中」の誤り……大学の研究費のお話し

 毎日新聞に『画期的な研究成果は「選択と集中」より… 国の研究費18万件分析』という記事が載りました。私もかつて、大学の教員の端くれで、研究にも携わっていましたが、大学の研究者なら、おおかたは同意するだろうと思います。これは、筑波大学の大庭良介准教授と弘前大学の日比野愛子教授のチームが発表した研究です。記事の興味ある部分を引用します。ちなみに筑波大学によるプレスリリースはこちらにあります。論文は、PLoS ONEというオンラインジャーナルに掲載されています。

 高額な研究費を少人数に集中して投じるより、少額でも多くの研究者に配分する方が、国全体として画期的な成果を効率良く出せるとの分析結果を、筑波大などの研究チームが発表した。1991年以降、国が支給した科学研究費助成事業(科研費)の投資効果を調べた。研究予算は、国が進める「選択と集中」路線よりも「広く浅く」配分する方が効果的としている。

 その結果、少額(500万円以下)の研究費を多くの研究者に配る方が、より高額な研究費を少人数に配るより、投資総額に対する論文の数が多くなる傾向がみられたという。また、ノーベル賞級の成果や新たな研究分野に発展するキーワード数でも「広く浅く」の方が勝っていた。

 研究者の側から見ると、1人当たりの受け取る研究費が高額であるほど、多くの成果を得られる傾向がみられた。ただし、5000万円以上になると、論文数などは頭打ちしていた。

 私は、現場で13年ほど働いたのち、公立大学短大部の教員となり、改組により公立大学学部教員、さらに法人化により公立大学法人の大学の教員という経歴をたどりました。法人化するまで、研究費はランクに応じて定額が支給されていましたが、法人化後、それは激減し(1/3以下というか、1/4に近いくらいの額に)、科学研究費などを申請するように強く指導されました。しかし、大学全体で見ると、ある年の採択率は20%も行きません。私も毎年申請していましたが、1度も採択されませんでした。申請に当たってはかなりの分量の書類を書かなければなりませんでしたし、その書式が毎年微妙に変更されるという、意地悪というかいじめのような印象もありました。

 とある国立大学の教員でいらした先生は、ブログに次のように書いておられますが、私もこれに賛成します。簡単にいうと、部分的にマネたために、全体としては(アカデミックな世界や、社会全体という意味)うまく機能しない結果に陥って、衰退しているのだと思います。我が国では、大学院進学者が減り、また、博士号取得者も減っているそうですが、それもある意味当然。博士号を取っても、世の中ではいいことはあまりありません。

 日本では大学専任教員には誰でも一定の研究費を支給する「悪平等」の制度のほうがうまく機能するし、すぐれた論文を増やす効果があると述べた。つまり、「国立大学独法化」以前の制度は日本に合っていたのに、むりにアメリカ的な「申請しないと研究費が出ない」制度を真似たために「大学改革」は大失敗に終わったということだ。

 さらにもう1つ最近知った面白いことは(と書くとお叱りを受けますが)、毎日新聞には『【クローズアップ】「研究負担軽減」国調査に悲鳴 大学教員ら「分量多い」』という記事も載っています。日本の研究力強化に向け、政府がこの夏、全国の大学教員らを対象にアンケートを進めているといいます。研究環境改善のため、研究以外の雑務が日々どの程度負担になっているかを問う内容なのですが、アンケートのあまりの分量の多さ(Excelのシート14枚に、130を越える質問項目があるとか)に「逆に負担が増えた」と研究者側から悲鳴が上がっているそうです。書類仕事が増え、それに忙殺されているのに、まさに「本末転倒」の事態。笑い話のようではありますが、笑っていられません。文科省のお役人さんたち、大丈夫でしょうか? 政治家も、「今だけ、金だけ、自分だけ」などと揶揄されますが、利権や自分のことばかり考えていないでことの本質をよく見ていい加減に気づかないと、取り返しのつかない事態に陥ると考えられます。

 あまり昔、関わっていたことでぼやくのもどうかと思いますので、ここら辺で退散し、以後は慎みます。

2023年7月 8日 (土)

今日もスズメとカラスくらい……レポート採点は一通り完了

Dsc00846c_20230708181401  桑名では雨はほとんど降っていませんが、警報級の雨が降っているところがあります。被害が出ないことを願っています。今日もいつものように朝7時半から散歩へ。蒸し暑い中、住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町、南魚町、田町、三崎通と5.7㎞。汗をかいて少々疲れました。

Dsc00870c_20230708181401 Dsc00889c  スズメかカラスしかいません(苦笑)。これらはいずれも七里の渡し跡にて。ただし、他の公園でもほぼ同じ。

Dsc00911c_20230708181401 Dsc00931c  九華公園の奥平屋敷跡では、若いカワウさん。最近ここのステージ裏にときどきいます。さらに、珍しくヒヨドリもやって来ました。今年は、春先からヒヨドリをほとんど見なくなっています。

Dsc00939c_20230708181401 Dsc01039c_20230708181401  ハシビロガモのオスはどこにいるのか分からなかったのですが、朝日丸跡の北側にいました。ここは案外盲点。このあと回った他の公園でも鳥はほとんどいません。いたとしてもスズメくらい。京町のお宅の巣には、ツバメが来て、交代したところ。卵があると思います。期待しましょう。

291647795_581097646970638_12803628740595  昨日、桑名七里の渡し公園で行われていたイベントはこれでした(こちら)。そういえば「一番搾り」と書かれた提灯がぶら下がっていました。もうちょっと大々的に宣伝してほしいなぁという気がします。

Dsc01092c  ところで、レポートの採点は難儀しましたが、夕方までに一通り終えました。評点の高いレポートは、一度読んだだけで内容が良く理解でき、頭にスッと入ってきます。これは、①清書する前に内容の整理、順序、内容同士の関連性についてよく考えてあり、また、②主語、述語、目的語などをきちんと意識して書いてあるためです。一方、評点の低いレポートに共通する点は、何回か読み直しても内容が分かりにくかったり、バラバラの内容が並列してあったりします。おそらく上記の①②がきちんとなされていないのです。満点をつけたレポートもけっこうありますが、点数が満点の半分にもならないレポートもけっこうあります。考える習慣があるかないか、どのように考えるかといったトレーニングがなされているかなどが大きく影響している気がします。

2023年7月 6日 (木)

ついにやって来ました猛暑日

0706amedas Dsc09402c_20230706153001  アメダスのデータでは、14時29分に35.7℃を記録しています。ついにというか、とうとうというか、猛暑日がやって来ました。朝から暑く、散歩に出た8時15分頃には、ほとんど誰も歩いていないような状況でした。右は、8時20分頃の住吉神社前の様子。ここからいつものように、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町、寺町、御坊さんと5.9㎞を歩いてきました10時頃には帰宅という、私にしては短い時間での散歩でしたが、暑くて鳥も、散歩友達もいないのです。

Dsc09431c Dsc09466c_20230706153001   今日もっともたくさん見たのは、スズメ。左の写真のスズメは、船津屋さんの裏あたりの揖斐川の堤防にて。右の写真のスズメのヒナは、九華公園の北門近くにて。九華公園までに見たのもスズメと、わずかな数のムクドリのみ。

Dsc09472c  九華公園の相撲場の近くでは、ドバトが枯れ草をくわえていました。今から巣作りなのでしょうか? ドバトは、4~5月が多いものの、通年繁殖し、年3回以上繁殖するといいますから(こちら)、これから巣を作る可能性も十分ありそうです。暑いのに、ご苦労さんといいたくなります。

Dsc09511c  奥平屋敷跡そのほかでも、野鳥はほとんどいません。九華公園でスズメ意外によく見たのは、カラス。左の写真のハシブトガラスは、神戸櫓跡近くで。九華公園には、このところ、カラスファミリーが3組くらいいます。

Dsc09543c  ハシビロガモのオスは、暑さにも負けず、元気にしています。野球場の南の堀で盛んに身繕いをしていました。他の公園でも、鳥はほとんどいません。朝8時にはすでに26.4℃もありましたから、さもありなんです。

Dsc09569c_20230706153001  ところで、昨日の授業のQ&Aは、昨晩と、今朝早くそして散歩から帰ってと作業を行い、午前中には一通りできあがりました。今回は、先週の演習のレポートも見ますから、その講評も含めてつくります。週末にかけてそれらの作業も行って、週明け一番に助手の先生に送る予定。

Dsc09629c  演習のレポートは、午後から一通り目を通しました。レベルは、さまざま。添削するとしたら、ほとんど手を入れないで済むような、分かりやすくよくまとまったものから、「全面的書き直し」を求めたいものまで。これは、毎年そうです。あまり裏話を書くとよくありませんが、実は、先週、演習の終わりにレポートの書式を配ったら、その途端にレポート用紙に書き始めた強者も複数いたのです。他の授業で、授業中にレポートを書くものがあるようですから、その影響もあるのかも知れませんが、説明も聞かずにレポートを書く等というのは、私の感覚では信じられません。

Dsc09645c_20230706153001  よく書けているレポートは、事前に書くべき内容を整理し、書く順序や内容同士の関連性についてよく考えてあり、また、主語、述語、目的語などをきちんと意識して書いてあります。書き直しを指示したいレポートは、まずは内容が貧弱。項目が羅列してあるだけで、考えたという形跡があまり窺えないのです。他に目立つのは、1文ごとに改行してあるものがけっこうあります。これはSNSの文章の影響かなと思うのですが、本当にそうかどうかはわかりません。一方、今年度のレポートで全体的によいのは、話し言葉で書かれていないこと、誤字・脱字が極めて少ないことです。今晩か、明日にでも精読しながら、点数をつけ、コメントを書くつもり。花の写真は、順にコムラサキ(外堀にて)、サルビア(京町にて)、ヒマワリの仲間(詳細は不明、小型の花が多数咲いています。北寺町にて)。

0706temperture 【追記】 全国の今日の最高気温ランキングを見たら(15時20分現在の速報値)、桑名は全国6位の暑さでした。ジジイ故、午後からはエアコンのお世話になっております。

2022年9月 2日 (金)

20220902勝手にハイキング「壬申の乱から1350年記念 霞ヶ浦~大矢知ウォーキング」(予告編)

Img_0938c_20220902194101  前回(2022年7月17日:20220717堀川・宮の渡し跡・熱田神宮ウォーキング)から1ヶ月半ぶりに勝手にハイキングに行ってきました。今日の行き先は、四日市市内。タイトルのように、今年(2022年)は、壬申の乱(672年)から1350年です。桑名市博物館でも「壬申の乱と桑名」という展覧会がありましたし(2022年7月24日:九華公園のアオサギは2羽……博物館で「壬申の乱と桑名」を観る)、今日の行き先の1つであるくるべ古代歴史館でも記念展示が行われています。ということで、「壬申の乱から1350年記念 霞ヶ浦~大矢知ウォーキング」と銘打って出かけてきました。台風11号と秋雨前線の影響を心配したのですが、午前中は上天気。桑名では最高気温32.8℃。今日のところは、「予告編」。冒頭の写真は、くるべ古代歴史館。今回も、同級生K氏とのウォーキング。

Img_0681c_20220902194001Kasumigaura0  近鉄桑名駅を8時30分に発車する塩浜行き普通電車に乗車。霞ヶ浦駅には8時43分に到着。¥260。8時50分頃にスタート。右は、今日実際に歩いた全体のコースマップ。霞ヶ浦駅をスタートして、志氐神社、明円寺、大膳寺跡、浄恩寺、南北伊賀留我神社、荒木十兵衛頌徳之碑、天武天皇迹太川遙拝所跡、久留倍官衙遺跡・くるべ古代歴史館、長倉神社、照恩寺、大矢知興譲小学校(忍藩陣屋跡)、亀屋佐吉などを回って、三岐鉄道三岐線大矢知駅まで。現地で実際に歩いたのでは、7.5㎞でした。

Img_0711c_20220902194001 Img_0753c_20220902194001  志氐(しで)神社。前から訪ねたかったところです。東海道を歩いたとき、一の鳥居と、ここの神社に関わる「妋石(みよといし)(夫婦石)」は見ています(2021年5月8日:20210508「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第3回「富田~四日市」(予告編))。垂仁天皇の御代にご鎮座。志氐の名は、天武天皇が壬申の乱を避けて吉野から桑名への途次、迹太川(とほがわ)のほとりで伊勢の神宮を望拝されたときの御幣に由来するという説があります。また、ここには志氐神社古墳もありましたし、戦艦陸奥の破片なども奉納されています。

Img_0757c_20220902194001 Img_0780c  志氐神社を出たところ、北側に真宗本願寺派の放光山明円寺。事前に何も調べず、ノーマークでした。創建は、永正12(1515)年だそうです。続いて、南いかるが町のマンションの駐車場脇に「大膳寺跡」の石柱が立っています。斑鳩山大膳寺は、伝承によると、天延2(974)年、覚鎮によって開基された天台宗の寺院。延徳年間(1489~1490年)、蓮如上人の教化によって第16代円爾が寺を出て、真宗に改宗し、斑鳩山浄恩寺を起こしました。大膳寺は織田信長の兵火により焼失。

Img_0794c_20220902194101  続いて、その斑鳩山浄恩寺。ここは4年前にも、近鉄ハイキングで訪ねています(2018年9月15日:20180915近鉄ハイキング「四日市の古代ロマンを想う 歴史探訪! くるべ古代歴史館を訪ねる」へ(予告編))。現在の本堂は、明治28(1895)年の建築。境内には聖徳太子堂もあります。

Img_0881cImg_0815c_20220902194101 浄恩寺からほど近いところに、南北の伊賀留我神社2社があります。鵤(いかるが)村は、もとは一つの村でしたが、寛永年間(1624~1645年)に南北2村に分れました。北鵤村は、桑名藩領で、北の伊賀留我神社は(左の写真)、齋宮(いつきのみや)大明神とか、北鵤村伊賀留我神社と称しました。一方、分村した南鵤村(こちらは、忍藩支配所)にも、新たに伊賀留我神社を祀り(右の写真)、ここに新旧二社が併立となりました。

Img_0900c_20220902194101  北伊賀留我神社のすぐ近くに荒木十兵衛頌徳之碑があります。荒木十兵衛は、桑名藩領朝明郡北鵤村の庄屋で、羽津用水を築造した人物です。この地は七つのため池があるものの、水利に恵まれずたびたび干害に見舞われました。十兵衛は村を干害から救うために、困難な利害を調整し、朝明郡平津村(現平津町)の朝明川から取水工事を行い、宝永3(1706)年全長6㎞に及ぶ羽津用水を完成させました。この用水のおかげで北鵤、羽津、茂福等の村々の水田に水を潤すことができ、作物も豊かに実るようになったといいます。

Img_0925c_20220902194101  そのすぐ近くに、今日のメインの目的地の1つである「天武天皇迹太川御遙拝所跡」。私は、たぶん3回目くらい。県指定史跡。壬申の乱(672年)の際、大海人皇子(のちの天武天皇)は、奈良の吉野を離れて伊賀に入り、鈴鹿から三重郡家に進み、さらに朝明郡の迹太川(とおがわ)のほとりで天照大神に戦勝祈願したといいます。御遥拝所跡の碑が立つこの地は、江戸時代の人がその場所であると考えたところだそうです。

Img_0962c_20220902194101 Img_0984c_20220902194101  スタートから5.5㎞、10時55分頃に久留倍官衙遺跡に到着。久留倍はこの辺りの地名。飛鳥時代(670年頃?)から奈良時代(8世紀前半頃)まで、朝明郡の役所が置かれていた跡と考えられています。正殿・脇殿・東門(八脚門)とそれを囲む塀からなる郡衙政庁が、東向きに建てられていたといい、郡の政治を行う中心的な建物群があったところです。くるべ古代歴史館で展示を見て、ボランティアガイドの方の説明を伺ってから、北勢バイパスをくぐって、建物が再現されたエリアへ。小高い丘の上にあり、東に向かって開けています。伊勢湾などが一望できたと思われます。

Img_0976c_20220902194101  遺跡の北側のエリアには八脚門、正殿が復元されています。4年前の時は、これらはまだ復元されていませんでした。左の写真は、八脚門。当時としては、非常に格式の高い門だったそうです。大海人皇子(天武天皇)がいらした「朝明郡家」はここであるという説があります。

Img_1018c_20220902194101 Img_1059c_20220902194101  久留倍官衙遺跡を見たあとは、長倉神社(左の写真)へ。延喜式内社ではあるものの、由緒は不明。拝殿の北側には大矢知砦跡があります。右の写真は、次に訪れた青木山照恩寺(真宗本願寺派)の山門。この門は、桑名城の城門の1つであったと伝わっています。

Img_1081c_20220902194101 Img_1093c_20220902194101  大矢知興譲小学校。敷地の東側に立派な松の木の並木があります。ここは、忍藩の陣屋があったところ。大矢知は江戸時代を通じて、ほとんどの時代、桑名藩領でしたが、文政6(1823)年、当時の桑名藩主・松平忠堯(ただたか)公が、武蔵国忍藩へ国替えとなったのです。しかし、忍藩では桑名に比べ石高が少なく、それを補うため、北勢四郡のうち72ヵ村(松寺、蒔田、西富田を除く)4万3,000石が忍藩領になりました。そのとき、ここ大矢知に陣屋が置かれ、忍藩が支配したのです。

Img_1122c_20220902194101 Dsc_6802c  これで訪ねるところはほとんどコンプリートしたのですが、今日、もっともメインの訪問先(微笑)が残っています。それがこちら。龜屋佐吉さん。暑い時期に大矢知に来るなら、何が何でも立ち寄って、氷を食べなくてはならないのです。私は3回目(2016年7月3日:コアジサシの営巣地で給餌シーン……なばなの里ではコチドリが抱卵、午後からは龜屋佐吉で氷(苦笑))、K氏は初体験。「白玉和三盆金時みるく」(¥870)をいただいてきました。初めて行ったときには30分待ちでしたが、今日は待ち時間ゼロ。9月になると空くそうです。汗だくになって歩いてきましたので、冷たい氷、美味しくいただき、しっかり涼しくなりました。

Img_1135c  三岐鉄道三岐線大矢知駅。12時半頃に到着。龜屋佐吉さんに30分近く滞在していました。それ故、今日歩いていたのは、3時間10分ほど。ここまで7.5㎞。12時49分の近鉄富田行き普通に乗車。近鉄富田には、12時54分着。12時56分に名古屋行き急行がありましたから、それに乗って桑名駅には13時3分着。¥450。

Img_1193c_20220902194201 Dsc_0284c  桑名駅のコンコースにある伊勢ノ国食堂しちりで、ランチ。今日は、「天ぷら中華そば」(¥850)。最近ランチでは、麺類と丼物がメインとなっています。昔の「支那そば」という感じ。鰹出汁が効いた醤油味の
和風スープで若干、甘みがあるものの、あっさりとした味わいでした。

Img_1196c_20220902194201  今日の歩数。18,686歩。現地で歩いたのは、7.5㎞。桑名駅往復が、2.7㎞(帰りにアピタ桑名店に寄って、文庫本を買ってきました)。歩いた距離の合計は、10.2㎞。スマホのアプリでは14㎞ほど歩いたことになっていますが、さすがにそれはないでしょう。本編は、また明後日くらい以降から。

2022年8月27日 (土)

九華公園で1年半ぶりくらいにヤマガラ……オンライン研修会にも参加しました

Dsc03884c  朝のうちは晴れていましたが、10時過ぎからは曇天。雨は降らないで済みそうな感じです。今日は、10時から三重K-ABCアセスメント研究会のオンライン研修会が予定されていましたので、いつもより少し早く、7時15分から散歩開始。長島町、長良川河口堰方面へ行きたいとも考えたのですが、時間制限がありますので、それは断念。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、寺町と回って、5.5㎞。8時50分頃には帰宅。冒頭の写真は、住吉神社。

Dsc03932c_20220827152201  住吉神社を出て揖斐川右岸の堤防歩いていたら、上流の方からアオサギさんが飛んできて、住吉水門あたり(七里の渡し跡の目の前にある水門)に降りました。若いアオサギさんが、水門の上流側にたたずんでいました。このあたりにはホオジロがよくいるのですが、今日はいません。

Dsc03955c Dsc03961c  いつもは住吉水門のところまでは来ないので、たまには違ったアングルの写真を。左の写真は、七里の渡し跡を住吉水門の方から撮ったもの。たいてい私は、写真に写っている伊勢一の鳥居の手前を通過していくのです。七里の渡し跡は、残念ながら堤防改修によって、住吉水門の内側になってしまっています。右の写真は、幡龍櫓。上流方向から撮っています。これまで載せていた写真は、下流側から撮っています。櫓の1階の破風のところにいるのは幡龍。「蟠龍(ばんりゅう)」とは、天に昇る前のうずくまった状態の龍のこと。この「蟠龍」をかたどった瓦が置かれたので、蟠龍櫓と呼ばれ、七里の渡しに入ってくる船の監視などの役割を果たしていたといいます。

Dsc03993c Dsc04170c  続いて、柿安コミュニティパークのところを歩いていたら、シジュウカラの鳴き声が複数聞こえてきました。ソメイヨシノの並木に数羽の群れ。なかなか撮りにくかったのですが、なんとか撮れた写真。幼鳥が多かったのですが、親鳥も混じっていました。

Dsc04393c  九華公園には、今日はアオサギはいなかったのですが、二の丸跡でヤマガラの声が聞こえてきました。耳を疑ったのですが、よく探したところ、この1枚だけが撮れました。よく撮れた写真ではないのですが、まさに証拠写真(苦笑)。九華公園でヤマガラを見たのは、去年2月以来と思います(2021年2月23日:ヒバリのペアとホオジロのオスが登場)。いやぁ、ホントによかった。

Dsc04378c Dsc04443c  九華公園では他に、ハシボソガラス。セミをくわえていました。カルガモのアーちゃんは、今日も野球場の南の堀の石の上でマッタリ中。

Dsc04477c_20220827152201 Dsc04466c  このあとは、めぼしい鳥はいませんでした。貝塚公園の西のお宅で、アサガオ。京町公園で一休みなどして、帰宅の途へ。右の写真のサルスベリは、陽和幼稚園にて。

Dsc04450c Dsc04462c 帰宅後、シャワーを浴びて、身を清め(笑)、10時から三重K-ABCアセスメント研究会のオンライン研修会に参加。三重K-ABCアセスメント研究会は、コロナ禍で久しぶりの開催。今日は、山梨大学准教授の永田真吾先生による「子供の認知特性を活かしたGIGAスクール時代のICT活用」 というお話を伺いました。コロナになって以来、小中学校でもオンライン教育が活発になっていますが、通常学級だけでなく、特別支援学級などでもICTを活用した教育指導が充実してきています。パソコンは普段からよく使っていますが、教育支援におけるICT活用についての私の知識・スキルをアップデートしたいと考え、参加。ただ、三重K-ABCアセスメント研究会では、スーパーヴァイザーを仰せつかっていますので、立場上、最後にコメントを求められました(微苦笑)。当初、主催者の先生からは「助言を」などとんでもないことをいわれていたのですが、感想で勘弁していただきました。左の写真はゼラニウム、右の写真は、九華公園の二の丸堀。

Dsc_6780c Dsc_6782c  アサガオの余談。今日は2輪。ずっと2鉢のうち、一方でしか咲かないとぼやき続けていましたが、今朝よく見たら、もう一方の「茂君」にも、つぼみらしきものが見えてきていました。いっそのこと、引っこ抜いて、ネギでも植えようかと話していたのですが、慌てて抜いてしまわないでよかった(爆)。

Dsc04485c  今日も、ナガシマスパーランドでは「長島温泉花火大競演」があると思ったら、残念ながら中止。リベンジを図ろうと思っていたのに拍子抜け。今のところ明日は、開催予定ですから、明日に持ち越しです。写真は、内堀交番の近くで実ってきたカリンと思います。

2022年8月14日 (日)

三重K-ABCアセスメント研究会第30回研究会のお知らせ

 三重K-ABCアセスメント研究会から第30回研究会のお知らせをいただきました。三重K-ABCアセスメント研究会は、コロナ禍のためしばらく活動を休止していましたが、このたび、下記の要領でオンライン研修会を開催します。ご関心がおありの方は、ぜひご参加いただきたくご案内申し上げます。

  1. 期 日:令和4年8月27日(土)10:00~12:00
  2. 内 容:講演「子供の認知特性を活かしたGIGAスクール時代のICT活用」
        講師: 山梨大学教育学域教育系准教授 永田真吾先生
  3. 対 象:小・中学校、高等学校、特別支援学校、大学等に勤務する教員、医療、福祉で心理アセスメントに関わる方
  4. 参加費:無料
    ※本会初めてのオンライン形式での開催です。今後のオンライン配信のテストも兼ねていますので無料となっています。
  5. 定員:50名
  6. 申し込み方法:必要事項(①お名前、②ご所属 ③職種 ④連絡先住所 ⑤連絡先電話番号、⑥E-mailアドレス)をご記入のうえ、E-Mailで令和4年8月23日(金)までに下記アドレス宛にお送り下さい。8月23~25日の間に返信メールが届くことになっています。
  7. 申し込み・問い合わせ:mie.kabc.goto at gmail.com(後藤勝弘先生)*「at」は「@」マークに変えて送信してください。
  8. 三重K-ABCアセスメント研究会事務局:〒514-0821 三重県津市垂水2622-1 津市立南が丘中学校内

 案内文書(pdf 75kb)は、こちらからダウンロードできます:ダウンロード - 20220827miekabc2330.pdf

 このブログ記事は、紹介のためのものです。正式な内容は、案内文書をご確認ください。また、お問い合わせ、参加お申し込みは三重K-ABCアセスメント研究会へ直接お願いいたします。

 

2022年5月26日 (木)

お知らせ

 裏稼業である「桑名発達臨床研究室」に関するお知らせです。

 NPO法人子ども支援室カシオペアとディスレクシア協会名古屋が主催する「2022年秋期特別支援教育支援員(学習支援員)養成講座」におきまして、10月9日に「心理検査でわかること・検査結果の支援への活かし方」について講義を行う予定でしたが、事情により、私は出講しないことになりましたので、ご了承ください。詳細につきましては、主催者にご確認ください。

 なお、将来的にも両者が主催される講座等に関わることはありませんので、ここにお知らせいたします。

2022年5月24日 (火)

予定通り、名古屋で講師

Dsc_6466c  昨日ほどではありませんが、それでも27.4℃と暑くなりました。午前中、予定通り、名古屋で、勉強会の講師を務めてきました。お世話をしてくださった方々の接遇の良さや、聞いてくださった皆様の熱心さに助けられ、大変楽しくお話しをすることができ、感謝しています。ついつい調子に乗ってしゃべりすぎ(苦笑)、質疑応答の時間が短くなってしまい、ご迷惑をおかけしました。

Dsc_6463c Dsc_6469c  さて、出かけた先は、冒頭や、この2枚目の写真附近。名古屋駅から久しぶりに地下鉄桜通線に乗って、現役時代に通勤していた駅の1つ手前まで。昔のことを少し思い出したりしながら、電車に乗っていました。ただ、桜通線では、どこの駅にもホームドアが設置されているなど、大袈裟に書けば、「隔世の感」も(苦笑)。年を取りました。

Dsc_6471c  12時20分頃、すべてのことを終え、そのまま帰宅の途へ。「用事が済んだらサッサと帰る」というマイナーなモットーもあるのです。帰りに名古屋駅から乗った急行電車は、ご覧のように、「神宮ゲートウェイ斎宮」のペイントが施されているもの。「斎宮×近鉄 壇蜜斎王トレイン」として、令和3(2021)年12月から今年の7月初旬まで運行されています。アフターコロナにおける斎宮・明和町への観光誘客を目指すプロジェクトの一環で、斎宮・斎王をイメージしたデザイン。斎王役には、タレントの壇蜜さんが起用されているのですが、そのイラストがあるところではありませんでした。

Dsc_6473c Dsc_6475c  桑名駅に着いたのが、13時20分過ぎでしたし、いささかお疲れでしたので、駅にある伊勢ノ国食堂 しちりで昼を済ませていくことに。最近、ランチメニューには麺類が充実しています。本日のおすすめから「ひやしてんぷらおろしうどん」をチョイス。税込みで¥1,070。麺には腰があり、天ぷらも揚げたてが載っており、美味しくいただいてきました。ということで散歩はなし。明日は、いつものように、江戸橋での非常勤の6回目。明日も天気がよくて、気温は上がりそうです。

2022年5月17日 (火)

東海地区K-ABC研究会オンライン研修会(6月19日開催予定)のお知らせ

 東海地区K-ABC研究会では下記のようにオンライン研修会を開催します。ご関心がおありの方は、是非ご参加ください。詳細は、東海地区K-ABC研究会のサイトでご確認ください

  1. 日時:令和4(2022)年6月19日(日)
     13時00分 Zoomミーテイングルーム オープン
     13時30分 開始
     14時50分 終了
  2. 研修内容①:「心理検査のフィードバック~検査を受けるクライエントの視点から」(和光大学・熊上崇先生)
    ※日本K-ABCアセスメント学会の会員専用ページからしかアクセスできない「オンラインレクチャー動画」を事務局でホストをし、ライブストリーミング配信を行います。
    研修内容②:事例紹介「高校生の書き障害の事例」
    ※「字がうまく書けない」という困難さを抱えた高校生の事例です。
  3. 参加費、定員、申込締切
    配信はZoomで行います。参加費は無料です。定員は100名(定員になり次第〆切、申込サイトは自動で閉鎖されます)。申込〆切は、2022年6月15日(水)です。
  4. 参加申込方法、詳細の確認方法
    東海地区K-ABC研究会のHPの『研究会のご案内・参加お申込』よりお申込ください。詳細もそちらでご確認下さい。

2022年4月 6日 (水)

コゲラに遊んでもらうばかりなり

Dsc00247c  暖かいというか、散歩をしてくると汗ばむ陽気です。22℃を超えていました。いつものように7時半から散歩。最近は、真冬でも真夏でもこの時間から散歩をしています。住吉神社、柿安コミュニティパーク、九華公園、貝塚公園、内堀公園、紺屋町、新築公園からアピタ桑名店。さらに常磐町、京町、寺町と7㎞ちょうど。歩きすぎかも(苦笑)。だんだんと散歩距離が伸びている気がします。冒頭の写真は、マイ・ソメイヨシノ。散り始めています。

Dsc00254c Dsc00266c  住吉神社。境内の南から西にかけてソメイヨシノが植えられています。氏神様は、北桑名神社なのですが、ここを「マイ神社」に認定しています(笑)。右は、七里の渡し跡。ヤマザクラが伊勢一の鳥居脇に咲いています。今日は、水辺には鳥はいません。カモも、カンムリカイツブリも渡り鳥ですから、帰っていったものが多いのでしょう。オオバンは、渡り鳥ではありませんが、散歩コースに現れるのは、冬。

Dsc00297c  三の丸水門の近くの高水敷で、久しぶりにヒバリのオス。このオス1羽だけ。まだこのあたりで、「揚げ雲雀」は聞いていません。聞かなかっただけなのか、まださえずっていないのかは不明。

Dsc00338c Dsc00519c  九華公園には、7時50分に到着。鎮国守国神社の社務所裏にはゴイサギ1羽がいたのですが、枝かぶりでピンぼけ。今日もコゲラは巣穴にやって来ていましたが、今日は昨日ほどマジメには働いていませんでした。ペアが揃った写真も撮れました。これ、なかなか撮れないのです。というのも、一方がやって来ると、たいていペアが揃ってどこかに飛んでいくことが多いから。それでも、今日も小1時間、コゲラを見て楽しんでいました。

Dsc00355c Dsc00532c  奥平屋敷跡では、ハクセキレイ。今日もオスだけ。奥平屋敷跡には、今日は、ヒヨドリ、スズメ、ハシボソガラス、ドバトくらい。最近、カワセミはまったく姿を見せません。今日はカワラヒワも来ず。そういえば、歩いている間に見たカワラヒワは、数えるほど。皆、繁殖シーズンで忙しいのでしょう。奥平屋敷跡で鳥の出待ちをしていたら、上空にゴイサギ、ホシゴイが多数飛んでいました。ホシゴイの方が多かった気もします。10羽以上。飛んでいるところは撮れませんでしたが、二の丸跡へ行く橋の上から、鎮国守国神社の社務所裏を見たら、ゴイサギが2羽止まっているのが見えました(右の写真)。社務所裏にたくさんいたように思われます。

Dsc00554c  Dsc00716c カモは、私が直接確認したのは、キンクロハジロ14羽のみ。散歩&鳥見友達のYさんは、他にヒドリガモ2ペアがいたとおっしゃっていました。毎年恒例のソメイヨシノ&キンクロハジロのコラボ写真。

Dsc00618c  再び相撲場から、鎮国守国神社の社務所裏に行くと、ホシゴイが1羽。あんなにたくさん飛んでいたゴイサギ・ホシゴイは、どこに行ったのでしょう? 春日さんに行く途中の中橋のところかも知れません。

Dsc00733c Dsc00773c  貝塚公園は、通過したくらいでしたが、ツグミ3羽、シロハラ1羽がいました。他には、メジロ、カワラヒワの鳴き声が聞かれました。

Dsc00800c  新築公園では、初めて見ましたが、スズメの「18禁シーン」を目撃(苦笑)。

Dsc00842c  アピタ桑名店では、今日発売予定の文庫本を買おうと思ったのですが、まだ入荷せず。田舎の個人営業の本屋さんでは、発売当日に入手するのは、難しいのです。京町でツバメの巣を見て来たものの、ツバメはいません。左の写真は、玉重橋のところのしだれ桜。

Dsc00729c  さくらはもう十分堪能したのですが、花筏は撮りたいと思っています。毎年の恒例というか、ワンパターンというか(笑)。今日も、九華公園で見て回ったのですが、なかなかこれはというシーンには出会いません。

Dsc00574c  ところで、非常勤の授業のレジメは、1、2回目のものをつくって、メールで送り、印刷をお願いしました。2月の支援員養成講座の感想、質問へのコメントも仕上げました。説明を尽くしているつもりでも、意図通りに受け取ってもらうのは難しいと、毎回痛感しています。とくに「長所活用型支援」については、「長所を伸ばす」と理解する方がたくさん。知能検査の結果明らかになった得意な能力(長所)を活かして、新しい知識やスキルを獲得するよう支援することなのですが、得意なことや長所を伸ばす(例えば、絵を書くのが得意だから、それを伸ばす)というように理解される方が多いのです。長所を「活用する」のと、それを「伸ばす」のとは別ものなのです。どうしても、自分がすでに持っている知識の体系や、価値観の枠組みの中で理解しようとするのが、人間の特徴のようです。自戒も込めて書いておきます。

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  • 石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑

    石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑
    野鳥図鑑はすでに何冊も持っていますが、この野鳥図鑑は、2015年の刊行で、なぜ今までこの存在に気づかなかったと反省するほど便利そうなもの。掲載されているのは324種ですが、それぞれの特徴や、見わけのポイントがパッとわかるようになっています。その鳥の生活型や生息地、食性や羽色、形態などのほか、雌雄、夏羽冬羽、幼鳥などで特徴が異なる場合は、それらについても説明されています。観察したい行動から、おもしろい生態、探し方までもが載っていますし、鳥の鳴き声が聴けるQRコードも付いています。私自身、野鳥の特定がけっこうアヤシいので、しっかり活用しましょう。 (★★★★★)

  • 千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)

    千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)
    「東海の街道」シリーズの第4巻です。「街道歩きのお供に最適の1冊」といううたい文句。内容は、三重の主な街道、近世三重の城郭図・城下図を読み解く、お伊勢参り小咄、伊勢をめぐる〈参詣〉をデジタル化するの4章構成で、まさに三重の街道歩きの参考書としてよいと思います。私自身も県内の東海道、伊勢街道、美濃街道、濃州街道はほとんど歩き、ほかの街道も部分的に歩いていますし、城もここに載っているところはかなり訪ねています。デジタル化も、ブログに写真・記事を載せていますから、出来不出来はともかく、私も取り組んでいます。県内の街道はさらに歩こうと思っていますし、デジタル化にももっと取り組みたいと考えていますので、十分活用できるでしょう。 (★★★★★)

  • 唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)

    唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)
    都市にもたくさんの野鳥がいることを知る人は少ないかも知れません。私がいつも散歩している地方都市の公園では、これまで10年あまりで70種類近くの野鳥を観察しています。都会は自然の少ない人工的な環境にあふれていますが、野鳥たちはもともとの生態を活かしつつこれらにしたたかに適応してい生きています。この本では、カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽を取り上げ、その都会における生態や、活動の変化、人間と鳥との関係とその変化などについて多くの実例や、調査結果をもとに、豊富な写真を使って楽しく読めるようにまとめられています。 (★★★★★)

  • 堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)

    堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)
    「ショックドクトリン」とは、テロや大災害など、恐怖でこくみんが思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことです。アメリカでの3.11以来、日本でも大地震やコロナ禍の裏で知らない間に個人情報や資産が奪われようとしているというのがこの本のテーマ。パンデミックで製薬企業は空前の利益を得、マイナンバーカード普及の先には政府のよからぬ思惑があるなどよくよく注意し、自分の生命・財産を守らないといけないというのが著者の主張。「今だけ、自分だけ、お金だけ」という強欲資本主義に負けないようにするには、ちょっとした違和感を大事にし、お金の流れがその裏にないか、また、それで大もうけして回転ドアをくぐって逃げる輩がいないかをチェックすることです。また、政府が何か、大急ぎで導入しようとしたり、既存の制度を急拡大しようとするときは、要注意だそうです。 (★★★★)

  •  奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)

    奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)
    いわゆる「高須四兄弟」である徳川慶勝、松平容保、松平定敬、徳川茂栄は、幕末維新の激動期に、結局のところ官軍と幕府とに分かれて戦う運命になったのですが、この四兄弟を取り上げて埋もれた歴史を活写した小説。私自身は、桑名藩主であった松平定敬が取り上げられているので興味を持って手に取った次第。幕末維新は、次々に色々な出来事が起きて、さまざまな人たちの思惑も複雑に入り組んでいるので、小説にするのは難しいと思っていたのですが、隠れた主人公ともいえる高須四兄弟の視点からとても躍動感のある読み物になっています。また、この時期の歴史をより一層深く理解できたという感想も持っています。 (★★★★)

  • 國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

    國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    ほぼ隠居状態ですから、暇と退屈には困りません(微笑)。それ故にこの本を手に取ったといっても、誤りではありません。著者がいうには、「暇」とは何か、人間はいつから「退屈」しているのだろうかといったなかなか答えにたどりつけない問いに立ち向かうとき、哲学が役に立つというのが著者のスタンス。哲学書なのに、読みやすいのです。スピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど、その昔学生時代に取り組んで挫折した哲学者たちの論考を参照しつつ、現代の消費社会における気晴らしと退屈について鋭い指摘がされ、まさに蒙を啓かれます。 (★★★★)

  • 逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)

    逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)
    今さら、なぜこういう統計ソフトの本を読むのか? と訝られると思うのですが、その昔、現役の頃には統計パッケージソフトIBM SPSSを使ってデータを分析して論文を書いていました。ただ、SPSSを始め、統計パッケージソフトは、値段がバカ高いのです。退職する前からこのRというフリーの統計処理ソフトが出て来て、ずっと興味を持っていました。先日、文庫本を買おうと思って本屋に行ったらこの本を見つけてしまいました(微笑)。今さらこれを使ってバリバリやる訳ではありません。むしろボケ防止かも知れませんが、昔のデータはそのままパソコンにありますから、これを使って、昔はやらなかった分析をしてみようと思っています。何か成果が出るかどうかは極めてアヤシいのですが、まぁゆるりといろいろやってみることにします。 (★★★★)

  • 林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)

    林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)
    たまにはこういう本も読まないと、認知機能が退化するかもしれないと思って(微苦笑)。というよりも、もともと神経心理学に興味がありましたので、本屋の店頭で見つけ、これは面白そうだと思って購入しました。うつ、自閉スペクトラム障害、ADHD、統合失調症、双極性障害など、現代人を悩ませる心の病について、脳にどのような変化が起きているか、最新の知見がまとめられています。最前線の研究者たちがわかりやすく説明しているのですが、知識ゼロで読むのはかなりキツいかも知れません。私は現役をリタイアして10年以上になりますが、その間にこれほど研究が進んだのかというのが正直な感想。心の病の原因は、1つとは限りません。心の病は「症候群」と見た方がよいと考えます。私自身が関わる自閉スペクトラム障害、ADHDなどの発達障害でもそうです。脳機能と心の病との関連について最新の知見を知りたい方にはおすすめ。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)

    磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)
    本の帯に「大河より面白い!」とありますが、本当にそうでした。午前中の散歩のついでに買ってきて、夕食までに一気に読み終えてしまいました。もったいない気がするくらい。松平元康がいかにして徳川家康になったか、さらに徳川将軍家がいかに続くよう礎を築いたかが、よく分かりますし、戦国時代から徳川幕府創世記までの歴史を見る目が養われる本です。それというのも、著者の磯田さんが古文書の権威で、一次史料を読みこなすだけでなく、場合によっては価値が怪しい資料まで傍証に用いて(怪しい資料でも使い道があるというのも良く分かりました)、ご自身の頭で考えた結果を実に分かりやすく解いてくれてあります。徳川家康の弱者の戦略のキーワードは、「武威」と「信頼」ということです。また、情報の取得、解読にも意を尽くしたことがよく分かります。混迷を深める世界情勢を読み解いて、我が国が進む方向を考える上でも役に立つ一冊。 (★★★★★)

  • 井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)

    井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)
    発達障害、とくに自閉スペクトラム症(ASD)の方では、感覚過敏や感覚鈍磨をよく伴います。「照明で目がチカチカする」「皆が話している教室では。音が鳴り響き絶えられない」「ケガをしてるのに、痛みを感じない」などさまざまな状況を呈します。著者は実験心理学や、認知神経科学を専門とし、ASDの方に見られる感覚過敏、感覚鈍磨は、脳機能の特性から来ていることを明らかにしてきています。ASDなど発達障害のあるご本人はもちろん、親御さん、教師など関わりを持つ方々は、このことをよく理解して支援にあたることがとても重要です。ASDを始めとして発達障害について、「わがまま」「自分勝手」「やる気がない」などと捉えてしまうと、支援どころか、理解もできなくなります。脳の働きによってさまざまなことが生じてきているという視点が必要不可欠です。この本は、感覚過敏・感覚鈍磨を手がかりにそういう視点について理解を深められます。 (★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)
    2022年12月のNHKのEテレ「100分de名著 中井久夫スペシャル」のテキストです。今頃(2023年2月)これをリストアップしているのはどうかという気もしますが、録っておいたビデオをみたのが最近なのです。中井久夫さんは、2022年8月にお亡くりになりましたが、日本を代表する精神科医のお一人であり、翻訳家、文筆家としても一流でした。現役の頃、中井さんの本はたくさん読みました。臨床心理学の分野でも「風景構成法」を導入した方として知られています。Eテレの講師である齋藤環さんは、中井さんを評して「義と歓待と箴言知の人」と書いておられますが、まさにそういう気がします。『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』が紹介されています。現在もウクライナで戦争が続いていますが、中井は「戦争は過程、平和は状態」とし、戦争は物語として語りやすく、とにかくかっこよくて美しい、それが問題だといいます。一方、平和は分かりにくく、見えにくいため、心に訴える力が弱いとします。「状態を維持する努力はみえにくい」のですが、戦争と平和に限りません。普段通りの日常生活を維持していくのも同じような気がします。戦争を経験していない人間が指導者層の多くを占めるようになると戦争に対する心理的抵抗が低くなるともいいます。「戦争には自己収束性がない」とも中井さんはいっています。われわれはやっかいな時代に生きていると痛感します。中井さんの本を多くの方が読むと、時代も変わるかも知れません。 (★★★★★)

  • 桑名三郎: 七里の渡しを渡った人達(久波奈工房)
    桑名と名古屋の宮を結んだ東海道唯一の海路「七里の渡し」をテーマにした歴史本です。船頭が旅人を案内しながら、七里の渡しを渡った歴史上の24人を紹介する内容。やさしい話し言葉で紹介されており、読みやすい本です。徳川家光、松尾芭蕉、明治天皇などが取り上げられています。著者は、桑名で歴史案内人をしながら、街の歴史を研究している、街道好きの方です。本は、桑名市内の書店とメルカリで¥1,200で販売。 (★★★★)
  • 磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)

    磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)
    磯田さんの本は面白い。というのも、話のもとには古文書があるからだと思う。その古文書も磯田さん自身が、古書店などで発掘してきたものがほとんどで、それ故、内容もオリジナリティが高くなる。この本は、戦国時代から幕末あたりを中心にさまざまな古文書の内容をもとに、例えば忍者の悲惨な死に方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、赤穂浪士が吉良の首で行った奇妙な儀式などなど、興味深いエピソードを浮かび上がらせている。面白いので一気読みしてしまった。 (★★★★★)

  •  佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)

    佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)
    史跡や、寺社、町並み、城、美術工芸品等の見方がやさしく解説されている本です。「事典」となっていますが、いわゆる辞書とは違って、普通の本のスタイルです。索引が充実していますので、事典としても十分に使えます。最初の版をもっていますが、40年ぶりに改訂され、写真、図版も多く、歴史散歩の最強の味方です。 (★★★★★)

  • 日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)

    日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)
    今年1年、何の因果か(などと書くとお叱りを受けること必至ですが)、住んでいるマンションの管理組合の理事長を仰せつかっています。今年は、エレベーターリニューアル工事が最大のイベントで、それは無事に済んだのですが、前理事長から8年後に迫った第3回大規模修繕に向けて、修繕積立金が不足する見込みと申し送られました。確かにかなりの金額が不足しそうで、頭を悩ませていました。マンションに住みながら、そもそも基本的な知識が不足しており、管理会社のフロントマンの方の協力を得ながらシミュレーションなどをしていました。ネットであれこれ調べてはいたものの、それで得られる知識は体系的なものではありませんでした。この本は、事例を元にマンション管理について必要な知識が得られるように書かれており、まだすべて読み終えてはいないものの、とても役に立っています。任期残り2ヶ月半となって付け焼き刃ではあるものの、次の理事会に具体的に課題を申し送ることができるよう勉強中(笑)。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)

    宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」や「どうしても頑張れない人たち」の著者である宮口幸治さんの新刊です。前2著の内容をよりよく理解できるよう、「ドキュメント小説」として書かれたものです。主人公は、精神科医の六麦克彦。医局から派遣されて要鹿乃原少年院に勤務して5年。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちでした。この内容は、前の2冊のように普通の新書では書き尽くせるものではなく、物語の形を借りざるを得なかったのでしょう。ただし、普通の小説として読むのには少し苦労するかも知れません。特別支援教育が普及して、知的障害や、発達障害のある子どもへの教育や支援は、以前に比べれば改善されてはいますが、最近は、家族の養護能力が十分でなかったり、親など家族自身に支援が必要なケースもたくさんあります。こうした中には、この本で取り上げられたような結末に至ることがあっても不思議ではないという気がします。極端な事例が集められていると思われるかも知れませんが、社会全体として真剣に取り組むべき課題が突きつけられています。 (★★★★)

  • 本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)

    本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)
    本田秀夫先生によるこのSB新書の4冊目のシリーズ。今回は、発達障害のあるお子さんの学校選び、学級選び、友達関係、学習や学力の悩み、不登校など、発達障害のあるお子さんの学校生活全般にわたって、どのような考え方に基づいてサポートしたら良いかについてまとめられています。それぞれ、親と先生とが、どのように取り組むことが基本となるか、解説されています。対策よりも予防的な工夫をコミュニケーション(要求ではなく)に基づいて行う、「学校の標準」を緩める、登校や成績を気にしすぎず、社会に出るための土台作りを考える、発達の特性には寛容になる、学びを大切にするが学力にこだわりすぎない、親と先生とが気づきを伝え合い相談、調整する、子どものモチベーションを重視するなど、具体的に書かれていて、分かりやすくなっています。発達障害のあるお子さんが小中学校で充実した学習が進められるための基本的な考え方やヒントが詰まっていますので、親御さんにも、先生方にもお勧めできます。 (★★★★★)

  • 佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?

    佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?
    サンドウィッチマン&芦田愛菜ちゃんMCの「博士ちゃん」に「三国志博士ちゃん」、「日本の神様博士ちゃん」として2回出演した佐々木秀斗君の自由研究を本にしたもの。何故これをここに取り上げたかというと、私のブログに載せた立坂神社の緑色の鳥居について、写真を提供して欲しという依頼が出版社からあったのです。私が提供した写真は、本書の162ページに「提供:猫の欠伸研究室」として載っています。ざっと読みましたが、大人でも、古事記や神社についてよく知らない方が、最初に手に取って基本的なことがらを知るには、わかりやすくて良い本だと思います。 (★★★★★)

  • 森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)

    森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)
    ネットで見つけ、新刊かと思って購入したのですが、4年前の本でした(微苦笑)。 若い頃に森博嗣さんの小説をすべて読んでいました。いつの頃からか、小説は読まず、森さんのエッセイだけを読むようになっています。「読書の極意を教える」と帯にはあります。もちろんそれについて書かれているのですが、私にはある種の知的生産の技術について著者の方法を開示していると読めます。「何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある」というのは、よく首肯できます。また、「教養とは保留できる能力をいう」というのも確かにそうだと思います。自分の問題として抱続けられ、また、考え続けられるのは、容易ではありませんから。 (★★★★★)

  • 井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)

    井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)
    愛媛県新居浜市にあった別子銅山は、元禄3(1690)年、伝説の切上り長兵衛によって発見されてから、昭和48(1973)年の閉山まで、283年間にわたり、累計65万トンの銅を産出しました。これは、世界の銅の産出量の1/6にも達するといいます。巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献したのがこの別子銅山です。江戸時代には貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、そこに関わった人達を鮮やかに描いた、本当の意味での大河小説です。徳間時代小説文庫で読みました。  (★★★★)

  • 養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

    養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    養老孟司先生と池田清彦先生の対談であれば、外れはありません。サブタイトルのように、「はみ出し日本論」ではありません。ど真ん中の日本論といってもよい本で、楽しみながら読めます。しかし、それは、自分のアタマできちんと考えているからこそ論じられる内容だと思います。常識や、マスコミで報道されることがらだけをフォローしていては、こういう風に考えることはできません。きちんとした理論、知識、データに基づかなければなりません。さらには、物事を捉える大きな枠組み、私の世代にとっては「パラダイム」といえるものが必要。それも、確固たるパラダイムが必要です。私にとってそれはある種の理想なのですが、なかなか難しい。しかし、まぁ、年寄りになったからこそ見えるものや、年寄りなりの知恵も働くようになるということもありますから、養老・池田の「怖いものなし」コンビを1つの目安として、言うべきこともいえるようになりたいものです。 (★★★★★)

  • 土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)

    土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)
    先に同じく土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を挙げましたが、入手したのはこちらが先。「一汁一菜でよい」というスタイルに至るまでの土井さんの修行、出会い、発見、迷いなどなどが書かれています。「家庭料理に失敗なんて、ない」、「すべては人を幸せにする料理に繋がる」というのが基本。具だくさんの味噌汁はおかずの1つになる。余裕があれば、食べたいものや、食べさせたいものをその都度調べてつくればよい。一汁一菜を入り口にして、一つ一つおかずをつくってみて、10種類ほどでもできるようになれば、それで幸せに一生やっていける。といった話があり、へぇーと感心させられました。これだけで健康に健やかに自足できるとも述べられています。一汁一菜なら、私にもできる、でしょうか?? (★★★★★)

  • 土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)

    土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)
    著者の土井善晴先生は、私と同世代。そして、私の世代にとってはあの土井勝さんの息子というイメージが強くあります。テレビなどにもよく出ておられ、なかなか面白い視点でものを見る人だなと思っていました。この本は,出版された当時(2016年秋)から知っていたのですが、手に取ったのはごく最近。文庫本を探していたのですがなかなか遭遇しなかったのです。「一汁一菜でよい」というのは、ご飯と具だくさんの味噌汁があればよいということです。家庭料理についての提案なのですが、実は、この本はもっと奥深いことを述べています。一言で言えば、日本文化や日本人の哲学について述べる中で、食や生活、生き方などについても論じられています。解説を書いておられる養老孟司先生は、それを「自足の思想」と表現していらっしゃいます。優しい、わかりやすい本ですが、実は奥が深い。著者の端正さもよく表れています (★★★★★)

  • 奥山 景布子: 流転の中将

    奥山 景布子: 流転の中将
    幕末の桑名藩主・松平定敬を描いた歴史小説。定敬は、実の兄で会津藩主である容保とともに徳川家のために尽くそうとしたものの、最後の将軍・徳川慶喜に振り回され、裏切られてしまいます。定敬は、それでも抗おうとしたのですが、国元の家臣たちはいち早く恭順を決め、藩主の座も追われてしまいます。朝敵といわれ、越後、箱館から上海まで流浪した定敬の波乱に満ちた人生と、秘めたる思いが生き生きと書かれています。定敬については、歴史講座で学んだり、本で読んだりしてきましたが、小説家の手にかかるとこのように立体的に、活き活きと動き出すものなのだと実感します。 (★★★★★)

  • サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)

    サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)
    たまには専門のアカデミックな本も取り上げます(微笑)。本屋でみつけ、購入。この本は、同じ著者が東大出版会から昨年刊行した「臨床心理学史」で果たせなかったことを果たそうと構想されたもの。果たせなかったのは、日本の臨床心理学史に触れることと、コンパクトな歴史記述だそうです。東大出版会の本は、読んでみたい気もしますが、¥7,000もしますし、内容もハードそうです。こうして臨床心理学の歴史を俯瞰してみますと、やはり実験心理学を抜きにしては臨床心理学も語れないといえます。私個人の考えでも、臨床心理学を学び、実践するには、実験心理学を学び、実験・調査などの方法で研究をした経験が必須です。臨床心理士、公認心理師の資格に関わり、心理学を志す人は多く、また、大学でも臨床心理学部や臨床心理学科もあります。しかし、私は、自分自身の経験からもやはり、実験心理学などの基礎心理学を抜きにして、臨床心理学は成り立たないと考えますし、学生も実験心理学を含めた基礎心理学を、少なくとも学部段階ではきちんと修得した方がよいと思います。本書を読んで、その考えはいっそう強くなりました。 (★★★★★)

  • 昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ

    昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ
    本屋に別の本を買いに行って見つけ、即買い(微苦笑)。私の好むタイプの本です。三重県の地形や地質、歴史、文化、産業などを、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント本。地図も歴史も文化も好きなのです。地図で読み解く三重の大地、三重を駆ける充実の交通網、三重の歴史を深読み!の3部構成。2017年11月にたまたまみつけたJRさわやかウォーキング「~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き」に行って以来、JRさわやか、近鉄ハイキング、勝手にハイキングで県内や近郊のあちこちに電車で行って電車で帰るハイキング/ウォーキングをしています。それによって訪ねたあちこちのことが改めてまとめられていて、とても楽しめます。各県のバージョンが出ているようです (★★★★★)

  • 磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)

    磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)
    歴史家・磯田道史さんが、鎌倉女学院高校で行った特別授業の記録と、ビリギャルの小林さやかさんなどとの対談を収めてあります。基本的には、「歴史の見方」についての本なのですが、それに留まりません。ものの見方、考え方を説いた内容です。むしろ、ものの見方、考え方を学びたい方にお勧めしたいと思うくらいです。ちなみに、タイトルは、「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世の中を歩くためのむしろ実用品である」という意味です。これは、歴史の見方について、あまりよく理解されていないポイントと思います。講義録ですから、読みやすく、しかも大変おもしろい本です。 (★★★★★)

  • 久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)

    久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)
    この著者の前著「三河吉田藩・お国入り道中記」で読んだ、三河吉田藩(豊橋)の参勤交代の話も大変おもしろく読めましたし、江戸時代の藩邸の様子、殿様や家臣の仕事、暮らしなどに興味があったので、読んでみました。三河吉田藩に残る「江戸日記」などの古文書から、江戸の大名屋敷がどのようなところであったか、江戸で働く武士の状況、江戸の藩邸で起きた事件のいろいろ、藩邸の奥向きの様子、さらには、明治維新後の藩邸から子爵邸への変化について、リアルな武士の暮らしのもろもろがまとまっていて、とても興味深く読めました。三河吉田藩は、現在の愛知県豊橋市にあり、松平伊豆守家が長く藩主を務めています。松平伊豆守家は、「知恵伊豆」の異名を持つ松平伊豆守信綱を初代とし、忍藩、川越藩、古河藩、吉田藩、浜松藩と国替えを繰り返した後、寛延2(1749)年から明治維新まで三河吉田を治めています。 (★★★★)

  • 安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)

    安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)
    サブタイトルに「大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ」とあり、さらに、オビには「300年前は えっ!? 今よりもっと愉快な旅行天国」ともあります。ただし、旅行を心から楽しめたのは、庶民に限られていたようです。参詣者を増やしたい各地の寺社、温泉、宿泊業者が積極的に営業したからです。一方、武士や大名は、トラブルメーカーだったといいます。公用で旅行したり、参勤交代したりなのですが、宿泊料のダンピング、備品の破壊などなどトラブルをまき散らしながらの旅であったり、権威を笠に着たりで、あまり歓迎されなかったようです。江戸時代の旅のエピソード満載で、楽しめる本です。 (★★★★)

  • 藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック

    藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック
    この本は、WISC-ⅣやKABC-Ⅱなどの知能検査の結果(アセスメント情報)を「子どもの自立と社会参加」により役立つものにしていくには、どのように伝えたらよいか(フィードバック)についてまとめられています。過去には、保護者、学校の担任、子どもたち自身に知能検査の結果を伝えることはされていませんでした。しかし、現在では、苦戦している子どもたちが、自分のことを理解し、自分なりにも工夫して、学習や生活スキルを向上させ、将来の自立と社会参加につなげるために、知能検査の結果(アセスメント情報)を子どもたち自身にも伝えるようになってきています。私も、相談では、お子さんに直接、フィードバックを行い、子どもたち自身が自己理解を深め、意欲的、積極的に取り組めるようにしています。この本は、子どもと支援をつなぐ、支援者をつなぐという視点から、心理検査のフィードバックについて基礎から応用、事例を含んでその全体像を把握できる、優れたものとなっています。 (★★★★★)

  • 新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)

    新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)
    藤沢周平の作品案内、小説に見られる名言集、映像化された作品の出演者や、関係者による評伝などによって藤沢周平の作品についてすべてとはいいませんが、かなりが分かります。私は、藤沢周平の小説が好きで、たぶんほとんど読んだと思います。ただそれは、15~6年以上前のことで、リストアップもしていませんから、すべて読んだかどうかについては、不確か。こういう本を読むと、もう一度読もうかという気になります。この本では、娘の遠藤展子さんの「父にとっての家族」がもっとも興味深く読めました。また、藤沢周平の言葉で私が気に入っているのは、「普通が一番」です。ほかにも、「挨拶は基本」「いつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れない」「謝るときは素直に非を認めて潔く謝る」「派手なことは嫌い、目立つことはしない」「自慢はしない」という言葉が、遠藤さんが父から言われて心に深く残っていることばだそうです。 (★★★★)

  • 千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)

    千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)
    新型コロナのまん延にともなって、政治的な判断や、もろもろの政策は、迷走したといってもよいと思います。突然の全国一斉休校要請、いわゆるアベノマスクの配布や、閣議決定をやり直した一律給付金など、なぜああいうドタバタになるのか、国民の信頼が得られなかったというか、失ったというのか、ずっと疑問を抱いていました。著者は、元厚生官僚で、社会保障・労働分野で仕事をし、現在はコンサルティング会社を経営。この本では、最近のコロナ禍での出来事の背景を記述する中から、官僚主導から官邸主導への変化に、政治の仕組みの変化がついて行けていないからだとしています。これに関して、政治家、官僚ともに仕事のやり方を変えることが必要であるとともに、国民の側にも良い政策をつくるためには望まれることがあるといいます。 (★★★★)

  • 嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい

    嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい
    「観察するのが面白くなる! ガンカモ類のひみつ」というキャッチコピーです。私がほぼ毎日散歩に行く九華公園の堀には、秋が深まるとカモたちがやってきます。キンクロハジロが最も多く、次いでハシビロガモ。他にはヒドリガモやホシハジロも数少ないものの来ています。カルガモ、カイツブリ、オオバンなども来ることがあります。これらカモやその仲間、近縁種についてもっとよく知り、観察のポイントを増やしたいと思って、この本を読んだ次第。著者は、宮城県の伊豆沼・内沼をフィールドとする専門の研究者。形態的な特徴と行動との関連性、渡り、繁殖地での暮らし、越冬地での生活など、ガン・カモ類について、ちょっと専門的な部分も多いものの、一通りの知識を得られ、また、行動観察などの方法についても知ることができました。 (★★★★)

  • 田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)

    田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)
    「江戸学の第一人者による「遊郭入門」の決定版!」と帯に書かれていて、ついつい手に取ってしまいました。遊郭にはとても興味があります。などと書くと「好色な人物か」と思われるかも知れません(苦笑)。遊郭や遊女は、今日の人権やジェンダーの観点からすると、許されない存在です。これは間違いのないことですが、一方で、たとえば、江戸時代の吉原遊郭の花魁と呼ばれたようなハイクラスの遊女は、高い教養を持ち、芸事や生け花、茶道にも通じていました。ある意味で日本文化の守り手でもあったという面も持っているのです。こうした観点から著者は、「遊郭は二度とこの世に出現すべきではなく、造ることができない場所であり制度である」と述べています。ちなみに、「好色」ということばの意味は、平安時代以来、和歌や琴、舞などの風流、風雅を好む人を「色好み」と呼んでいたことによります。「色」には恋愛や性愛という意味もありますが、もともとは恋愛と文化的美意識が組み合わさったものだそうです。 (★★★★)

  • 養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ

    養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ
    養老先生が、コロナ禍の2年間でお考えになったことの集大成です。新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた頃、NHKのBSの番組「まいにち 養老先生、ときどき まる」だったかで、「老人は、もともと不要不急の存在だ」とおっしゃった気がしますが、この本は「人生は不要不急か」という章から始まっています。これがたぶんコロナ禍や、養老先生ご自身のご病気(心筋梗塞)を経験し、お考えになった結論の1つ。さらに、不要不急の人生ではあるものの、それでも生きる価値はどこにあるか様々な視点から考察されています。「人生とはそんなもの」と思いつつ、自分に居心地の良い場所をつくりながら、万事テキトーに終わるのが良さそうです。 (★★★★★)