お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2025年4月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2020年1月以降の記事を残し、2019年12月以前の記事は削除しました(2020年1月1日から2025年4月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

ウェブログ・ココログ関連

2025年2月28日 (金)

モズに大接近

Dsc03786c_20250228150101  曇りがちの空です。午後からは、アメダスのデータに出ないくらいの弱い雨が降るときがありました。最高気温は、13.5℃で寒くはありません。今日も、いつもと同じく、7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、寺町と6.8㎞。

Dsc02402c_20250228150101 Dsc02408c_20250228150101   住吉入江にはキンクロハジロのオスが1羽、住吉水門のところにはコガモが5羽、それぞれいましたが、きれいに撮れませんでしたので、写真は割愛。七里の渡跡には、カルガモが2羽(左の写真)、コガモが6羽(右の写真)。

Dsc02367c_20250228150101  蟠龍櫓のところでイソヒヨドリのメス。このあたりによくいます。若者のような印象があります。

Dsc02431c_20250228150101 Dsc02439c_20250228150101  柿安コミュニティパークの堀ではオオバンが3羽、キンクロハジロが3羽。

Dsc02472c_20250228150101  九華公園では、鎮国守国神社の社務所裏の木にアオサギ。ここ数日、ここに必ずいます。いつも後ろ姿の写真になるのは、このアングルからしか撮れないのです。前に回ると、数10m先から撮ることになってしまいます。

Dsc02513c_20250228150101  同じ木にゴイサギが3羽いましたが、1羽はすぐに飛び去って行きました。

Dsc02601c  Dsc02803c_20250228150101 奥平屋敷跡では、ジョウビタキのオス。ここによく来ます。ウグイスを見つけ、かなり追いかけて粘った物の、今日は上手く撮影できず。右の写真のように、「超証拠写真」。

Dsc02821c Dsc03136c_20250228150101  さらに、奥平屋敷跡の近くでイソヒヨドリのオス、メスが1羽ずつ。近いところにいたので、ペアなのかも知れません。メスは、Oさんからパンの耳をもらったところ。このメスは、蟠龍櫓のところにいたメスとは、違う個体のように見えます。ほかには、カワラヒワ、ツグミ、ハシボソガラスなどを見ました。

Dsc02999c_20250228150101 Dsc02962c_20250228150101  カモは、キンクロハジロが64羽(左の写真はオス)、ハシビロガモが11羽、ヒドリガモが1ペア(右の写真はオス)。ホシハジロのオスは来ていません。

Dsc02911c_20250228150101 Dsc02956c_20250228150101  ユリカモメは、今日は少なく、23羽。あのUYユリカモメは今日もいません。パンの耳を手に持って差しだしても、取りに来るユリカモメはなくて、残念。パンを投げても、反応がイマイチでつまらない(苦笑)。

Dsc03162c_20250228150101  カイツブリ、今日も2羽。今日は、割と近いところから撮ることができました。朝日丸跡の植え込みの陰に隠れて撮影したのです。カイツブリは神経質で、すぐに潜って逃げます。潜水名人ですから、長時間潜れますので、遠いところへ逃げるのです。

Dsc03548c_20250228150101  貝塚公園では、モズのオスに大接近。離れたところで見つけ、そっと近づいたら、何と! 逃げないのです。お陰で数m以内まで行けました。

Dsc03653c_20250228152101  内堀公園では、ジョウビタキのオス。ここには、2羽のジョウビタキのオスが来ます。

Dsc03642c_20250228150101 Dsc03643c_20250228150101  おもしろいシーンが撮れました。飛び立つ寸前です。右の写真では、翼を開いて、あげましたので、いつもは見えないところが見えています。翼の下もオレンジ色をしています。

Dsc03644c_20250228150101  こちらは飛び上がって、足が浮いています。それで、このあとは遠くへ行ってしまいました。

 Dsc03375c_20250228150101 ところで、ココログのメンテナンス終了後のエラーについては、一昨日、昨日の記事に付記しています。私のブログでは、2月24日の記事に私が書いたコメントは、まだ消えたままです。ココログサポートのページを見ますと、写真管理のページから写真が削除できない、予期できないエラーで115kbの写真がアップロードできない、記事が消えたまま、記事もコメントも消えて元に戻っていないなどなど、トラブルが解消していない状況が窺えます。「削除されてしまったコメントが何の前触れもなく突然復活したりしてフォローするのが大変なので、もうこれ以上余計なことはしないでもらいたい」と書き込んでいる方もいらっしゃいます。ココログでメンテナンスが行われると、その後、けっこういろいろなトラブルが生じるという印象があり、参ります。

0226maintenance4 【付記(3/1)】 ココログのメンテナンス終了後の顛末について、気がつかなかったのですが、「お知らせココログ」にこのような記事が掲載されていました。これ、実は2月26日の投稿に追加されていて、ページのトップにはないのです。コメントデータの復旧は、2月28日24時を予定しているとありますが、3月1日3時半現在、まだ復旧していません。ここまで来たら、待たざるを得ません。

 さらなる付記。この記事にいただいたコメントへの返信を書き終えて、ブログを確認したら、2月24日の記事にいただいたコメントへの私の返信が、復旧していました(4時過ぎ)。いやはや、これで3日かかって元に戻りました。

2024年1月 7日 (日)

ミコアイサを見に

Dsc09701c_20240106160801  午後は薄雲がかかりましたが、午前中はよく晴れて、風も弱く、暖かくて散歩日和でした。今日は、新年初のプチ遠征。三ツ又池公園と長良川河口堰に行ってきました。朝7時15分出発、10時過ぎに帰宅。まずは、三ツ又池公園。

Dsc00734c_20240106160601 Dsc00804c  目的は、こちら。ミコアイサ、通称パンダガモ。昨年末に来たときにはいませんでしたが、今日は、オス1羽が確認できました。ただ、遊歩道からは遠くて、これらの写真がせいぜい(600mmズームで撮ってかなりトリミングしています)。

Dsc09690c_20240106160801 Dsc09705c_20240106160801  さて、話を戻して、最初から。駐車場から遊歩道に向かうところでハクセキレイが1羽。今日もっともたくさんいたカモは、コガモ。池のあちこちにいます。

Dsc09738c_20240106160801 Dsc09759c_20240106160801  三ツ又池公園といえばカイツブリですが、今日もいたものの数はさほど多くはありませんでした。数羽。オオバンもあちこちにいます。

Dsc09873c_20240106160701  Dsc00048c 数は少なかったのですが、ユリカモメもいました。もう1種類のカモメは、セグロカモメの若者かと思います。

Dsc09932c Dsc00001c_20240106160701  マガモは、オスのみ1羽。カルガモの群れに交じっていました。カルガモは池のあちこちに、多数います。

Dsc00248c Dsc00276c_20240106160701  他のカモは、ハシビロガモが少数。カンムリカイツブリもあちこちにいます。

Dsc00295c_20240106160701 Dsc00550c  トビを延べ3回見たのですが、写真はイマイチ(苦笑)。モズも3ヶ所で見ました。この写真は、蓮田にて。ほかにはカワウ、メジロ、ヒヨドリ、カワラバト、アオサギ、キジバト、ムクドリ。さらにカワセミも飛ぶのを見たのですが、見失いました。ヌートリアも大人2匹、子ども3匹。三ツ又池公園に行けば、ヌートリアは必ず見られます。

Dsc01475c_20240106160201  続いて、長良川河口堰。この写真は、拙宅玄関前から見たもの。

Dsc00954c_20240106160301 Dsc00969c_20240106160301  たぶん初めて見たと思います、東側上流の魚道にキンクロハジロが数羽。場所によっては流れがかなり速いので、こういうところには来ないのではないかと思っていました。キンクロハジロとホシハジロは管理橋の中央、南側に集まっています。数を数えるのは、止めました。

Dsc00999c Dsc01018c  カンムリカイツブリや、カルガモもたくさんいます。カルガモはほとんど堰の上流側にいますが、カンムリカイツブリは上流側にいるものが多いものの、下流側にもいます。

Dsc01428c_20240106160201  今日は、サギの数がかなり少なく、アオサギ数羽と、コサギ1羽くらいしかいませんでした。

Dsc01093c_20240106160301 Dsc01212c_20240106160301  親水広場に降りる途中、中州でオオジュリン10羽以上。親水広場を一周して戻ってくるときには、もう見えなくなっていました。

Dsc01145c Dsc01388c  親水広場に降りる坂道でハクセキレイが1羽。親水広場の水路では、イソシギさん。ということで、今日も楽しめました。

240106cocolog2  ところで、このココログの容量が限られていますので、最近は古い記事と写真を削除して、ライブドラブログ(猫の欠伸研究室(アーカイブ))に移しています。「お知らせ」にも書いていますが、ブログは2005年10月から始め、今日まで継続しています。ココログのブログは、プロを契約していますが、容量は10,000MBです。文章はともかく、写真が多いので、開始当初からの記事をすべて保存することは不可能。そこで年が改まりますと、このブログにあるもっとも古い年の記事・写真を削除します(新しい記事は、月ごとにライブドアブログにもコピーしています。今年の場合、2018年の記事・写真を削除しました。記事本文の削除は容易なのですが、写真を削除するのは、とても面倒(2022年3月31日:ココログの古い写真を削除する比較的便利な方法(覚え書き))。リンク先に書いた方法で年始から作業を続け、今日、ようやく完了。使用可能なディスク容量が33%あまりに回復しました。どなたかもっと便利なやり方をご存じでしたら、是非とも教えていただきたいと思っています。

2023年4月 7日 (金)

デザインを変更してみました

230407blogc  雨で徒然なるまま、ふと思いついて、ブログのデザインを替えてみました。以前のものは、たぶん10数年前からずっと同じものを使っていたのです。敢えて替えるまでもないかと考えていたのです。「シンプルコレクション1/グリーン」に変更してみました。しばらくはこれでいこうと思っています。

230407blogx  デザインを変更して、実際のブログ画面を確認したら、アクセス・カウンターが「2,095,000」となっているのに気づきました。「5,000」とそれなりにキリがよいかと(微笑)。令和2(2020)年8月6日に200万PVを達成し、「アクセス数は、もう気にしない」もう気にしないと書いたのに……ですが(お陰様で200万PV達成……心から感謝申し上げます)。3年弱で9万ほどの増加ですから、1年1万くらい。年寄りの暇つぶしにこれだけの方が付き合ってくださるとは、望外の喜びです。さらに望むと罰が当たりかねませんが、どうぞお読みになってお気づきの点などおありでしたら、コメントを付けていただくなり、メールをお送りくださると幸いです。

2023年1月 6日 (金)

久しぶりにシメを見る

Dsc05042c  曇りがちで何となく寒く感じられます。今年最初の授業のQ&Aは、昨晩完成し、今朝チェックした上で送って、印刷などをお願いしました。今回は、試験も近づきましたので、オマケとして「記憶と試験勉強」について付記してあります。記憶について説明した上で、試験勉強のヒントが書いてあるのです。さて、散歩はいつも通り、7時半から、住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、紺屋町、新築公園、常盤町、常信寺、御坊さん(桑名別院本統寺)、寺町と6.8㎞。冒頭の写真は、藤原岳。このところずっと雪景色です。

Dsc04424c  拙宅前の住吉入江にキンクロハジロのオスが1羽。ほかにオオバンも2羽いましたが、曇っていた上に遠かったので、写真は割愛。

Dsc04479c_20230106150201 Dsc04483c  揖斐川には鳥影は少なかったものの、カンムリカイツブリが3羽ほど見えました。住吉水門の上流側には、アオサギさん。何かをにらんでいるような感じ。七里の渡し跡、今日は、鳥はまったくいません。三の丸公園にはヒヨドリ。柿安コミュニティパークでは、ツグミの鳴き声があちこちから聞こえるのですが、いずれも樹上にいます。今年は、なかなか地上に降りてきません。コミュニティパーク西の堀には、キンクロハジロ5羽と、オオバンが1羽。

Dsc04601c_20230106150201 Dsc04644c  九華公園ではヒヨドリが賑やか。ほかの鳥はあまりいません。奥平屋敷跡も、今日は、ヒヨドリが少しいたほかは、閑古鳥が鳴くという感じ(苦笑)。1時間近く粘っていたら、コサギとツグミ2羽。次へ行きかけたら、ハクセキレイが来たくらい。

Dsc04673c Dsc04715c  二の丸跡でもツグミ。ツグミの近くに動くものがいて、よく見たらシメ。シメは久しぶりに見ます。シメも一時はよく見たのに、あまり見なくなりましたし、地上に降りているところをほとんど見ません。このシメ、何かをムシャムシャと食べていました。

Dsc04665c Dsc04948c_20230106151701  カモは、合計53羽。ハシビロガモが15羽もいました(左の写真はオス)。ヒドリガモ(右の写真)は2ペア、キンクロハジロは34羽。

Dsc04625c  ユリカモメは少なく、33羽。3日に来た時には、エサをやる人がいましたが、昨日、今日は見ません。正月は、お子さん連れや普段見ない方達が散歩していて、そういう方がエサをやっていたのです。

Dsc04826c Dsc04901c  辰巳櫓跡の松の木に、今日もアオサギ。ちょっと奥まったところに隠れているかのような感じ。今日もビンズイを見ましたが、またもや証拠写真。ビンズイも辰巳櫓跡の近くにて。 

Dsc04847c  本丸跡では、ハクセキレイが3羽。この1羽は、何かを食べていました。このあと、貝塚公園ではヒヨドリとメジロ、内堀公園ではヒヨドリのみ。新築公園、昨シーズンはオスのジョウビタキがよく来ていたのですが、今年はサッパリ見ません。

Dsc04991c_20230106150101 Dsc04984c_20230106150101  御坊さんにも、初詣。わが家の宗旨が、真宗大谷派だから、ここにお参りに行きます。ここの檀家になっているわけではありません。寒空だったせいか、どなたもお参りの方はいません。

Dsc05024c_20230106150101  拙宅近くの住吉入江に戻ってきたら、ホシハジロがいました。昨シーズンもときどきやって来ていました。

Dsc04423c Dsc04456c  ところで今朝は、遠くの山がよく見えていました。左の写真は、木曽御嶽山。冬はよく見えます。右の写真の奥に見える雪山は、岐阜・福井県境の山であろうと思います。景色は良いのですが、寒く感じられます。

Dsc04967c  余談。このココログの容量の残りが少なくなりましたので、今日午後から、2017年の記事と写真を削除しました。途中で誤って今年初めの写真もいくつか削除したりしましたが、これは回復し、作業は無事終了。このブログは、2005年10月末から書き始めましたが、その開始当初から昨年末までの記事は、ライブドアブログの「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移動して保存してあります。2018年1月~2022年12月の記事は、両者にあります。写真は、常信寺のミツマタ。

2022年3月31日 (木)

ココログの古い写真を削除する比較的便利な方法(覚え書き)

 私は、2005年10月26日 (水)からココログを用いたブログ「猫の欠伸研究室」を書き続けています。しかし、@niftyのココログで利用できる容量には制限がありますので(プロでも、10GB)、古いデータを順次、Livedoorブログの「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しています。2022年3月1日現在、2005年10月から2022年2月28日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移し、@niftyココログの「猫の欠伸研究室」の記事のうち、2005年10月から2016年12月までのものは削除しました。

Delete0  @niftyココログの仕様では、「記事一覧」から記事を削除しても、写真は残ったままで、削除されません。記事の本文が削除されるだけです。この状態では、ブログの使用容量はさほど減りません。写真を削除しないといけないのです。写真を削除する通常のやり方は、管理画面の「マイフォト」から該当のページを探して、削除することになります。

Delete21Delete22  マイフォトを選択すると、左の画面になります。右は、下までスクロールしたところ。ブログにアップロードした画像を削除するには、右の画像で「ブログにアップロードした画像」のところの「写真管理」をクリックします。

Delete23Delete24  ここをクリックすると、左の画像の画面になります。この画面では、新しい写真がトップに出て来て、以下、古い写真へとさかのぼって表示されています。この画面をもっとも下までスクロールすると、右の画像の画面になります。この画像にあるように、URLは“https://app.cocolog-nifty.com/cms/gallery/xxxxx/photos/”のようになっていますし、ページ数は“1”です。このままですと、「次のページ」をクリックして画像を遡っていくか、適当なページ数(たとえば、“11”をクリックして11ページにジャンプします)。ところが、このやり方では古い写真にたどり着くのに、想像を絶する時間と労力を要します。

Delete8 Delete9  *そこで、まずは1ページから別のページに移動します。左の画像では、2ページに移動したところが示してあります。2ページを表示しているとき、URLは右の画像のようになっています(たとえば、“https://app.cocolog-nifty.com/cms/gallery/xxxxx/photos/?pages=2“)。

Delete4  ここの“?pages=2”のところを、たとえば“?pages=2608”のように、任意のページ数を入力しますと、マイフォトのそのページにジャンプできます。入力するページ数は、もちろんそのブログにアップロードした画像の枚数によって異なりますから、適宜調整します。

Delete4 Delete5  必要なページに到達したら、削除する画像をクリックします(左の画像。「撮影日時」の右をクリックすると、そのページの画像をすべて選択できます)。次に、下までスクロールして、「チェックした画像を削除」をクリックします。

Delete6  「チェックした画像を削除」をクリックすると、このような確認画面が現れます。これでよろしければ、「削除する」をクリックすると、選択した画像がすべて削除されます。

Delete7  選択した画像が削除されると、マイフォトのトップページに戻ります。このとき、URL欄には、“https://app.cocolog-nifty.com/cms/gallery/xxxxx/photos/?finished=1”と表示されています。この先は、この記事の5つ目のパラグラフ(*マークをつけたところ)に戻って、同様の作業を繰り返します。これも面倒ですが、管理画面の「マイフォト」から該当のページを探して、削除するよりも容易な方法といえます。

 今日のところは、この方法を見つけ、何回か試したところですが、今のところベストとはいいませんが、ベターな方法と考えています。前後の比較ができるような画像を保存しませんでしたが、2016年1月の半分くらいの画像を削除したところで、100MBほど容量が増えています。

2022年1月30日 (日)

@niftyの「ピックアップブログ」で紹介していただきました

Cocologpickup  このブログは、@niftyのココログを利用していますが、本日(1月30日)、@nityココログのトップページに毎日載っている「ピックアップブログ」でこのブログを取り上げていただいています。画像は、今日のトップページですが、ここに毎日、2つのブログが取り上げられ、紹介されるのです。そのうちの1つが、「猫の欠伸研究室」なのです。「mamekichiさんの“晴歩雨読”の日々。柔和な文と写真で綴られる、バードウォッチングやお散歩の様子に思わず心が和みます」と書いていただきました。皆様には、引き続きお引き立てと、ご交誼のほど、よろしくお願いいたします。

2022年1月28日 (金)

曇天で鳥果少なし……コロナワクチン第3回接種券が届きましたほか

Img_3552c_20220128151901  昼過ぎからはよく晴れてきましたが、散歩をしていた午前中はほぼ曇りで、意気が上がりませんでした。ソーラーパワーは偉大です。とはいえ、午後から晴れていると、我が家のリビングは奥の和室まで陽が入り、暖かくてボーッとしています(苦笑)。そんなこんなで、朝はいつものように7時半から散歩。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園から京町を通って、南魚町、殿町から帰宅。このあと、所用を済ませるため、再度出かけ、駅前方面へ往復。7.0㎞を歩きました。

Img_3561c_20220128152001  Img_3515c_20220128151901 こんな天気で、どこも野鳥はほとんどいませんでした。野鳥たちも、ソーラーパワーが欲しいと思っているような気がします。住吉キンクロウは、今日もオスが1羽。住吉水門の内側には、ヒドリガモが1ペアと、オオバンが2羽。揖斐川には、カンムリカイツブリが1羽。他に多少、ハクセキレイやスズメ、ヒヨドリがいたものの、九華公園に行くまでに出会った鳥も少なし。

Img_3610c_20220128151901  九華公園ではいつものように、奥平屋敷跡で鳥見というか、正確には鳥待ち。1時間ほどの間にやって来たのは、ハシボソガラスを除けば、モズのオス1羽と、カワラヒワ4羽。これですべて(苦笑)。モズが来たのは、「あきらめてそろそろ引き上げようか」という頃。

Img_3644c_20220128151901 Img_3648c_20220128151901  カモは、合計71羽。ハシビロガモが13羽の他は、キンクロハジロばかり。散歩友達のYさんはヒドリガモも見たとおっしゃるのですが、私は未確認。ユリカモメは、9羽が飛んでいましたが、いつも羽を休めている野球場のフェンスのところに行った時には2羽のみ。

Img_3700c_20220128151901 Img_3740c_20220128151901  貝塚公園では、ツグミ1羽。他には、カワラヒワ、ヒヨドリ、メジロ。内堀公園では、ジョウビタキのオスがこっそり出て来ていました(微笑)。「こっそり」というのは、植木の下にある柵にいて、目立たなかったと言うこと。今日の写真は、曇っていてイマイチのオンパレード。

Img_3761c  拙宅近くの住吉入江には、カンムリカイツブリが1羽入ってきていました。冬の間に何回かやって来ます。

Img_3587c_20220128151901 Img_3598c_20220128151901  ところで、九華公園の奥平屋敷跡には、桜の苗木が2本、植えられていました。昨日、造園業者さんが来て、作業をしておられたのです。ところが、これが私の手の小指くらいの太さ(というか、細さ)。大丈夫か? という気がします。もう一つ心配なのは、このあとの世話。以前、KMI桑名さんが指定管理者としてに管理しておられた時は、キチンとされていたのですが、最近は、はっきり書くと「植えっぱなし」。管理者が替わってから、桜の苗木が植えられたことがありますが、植えっぱなしで、枯れてしまったものも複数あります。今は冬ですから、さほど頻回に水やりをする必要はないでしょうが、それでも何日かに1回くらいは、水やりをする必要があるはず。2箇所のうち1箇所(左の写真)は、囲いがありますが、もう1箇所は何もなしで、無事成長するか気になります。

Img_3486c_20220128151901  余談。昨日の郵便で、新型コロナウィルスワクチンの第3回接種券が届きました。モデルナであればすぐに予約が可能で、来週から打てるようですが、ファイザーは2月21日から接種開始で、予約は2月14日からとありました。オミクロン株が蔓延していて、感染の先行きがなかなか見通せないようですが、ファイザーを選ぶと、ピークアウトしてから接種という事態になるんじゃないかという気もします。モデルナは、1・2回目の時の半量を接種するので、副反応は弱いという話ですし、交差接種をしても問題はないそうです。モデルナを選んだ方がよいのかなど、思案しています。

Cocologtop  お知らせ。このブログは、@niftyのココログを利用していますが、このたび、@nityココログのトップページに毎日載っている「ピックアップブログ」でこのブログを取り上げてもらえることになりました。1月30日(日)です。左の画像は、今日のトップページですが、ここに毎日、2つのブログが取り上げられ、紹介されるのです。

Img_3537c_20220128151901  非常勤の授業のレポートの提出状況が気になりますが、まだ、20%未満。2月1日が締切ですから、週明けに一挙に提出されるのかという気がしてきました。学生からのメールには「受け取った」旨を返信し、対面授業が中止になって配布できなかった授業の補足説明をpdfで添付しているのですが、それに対する返信は、今のところたった1通(正直に書きますと、ちょっとガッカリしています)。学生からのメールでも、レポートを添付しただけで、タイトルも本文も何も書かれていないものものあります。いろいろです。週末は、午前中に干潮となりますので、町屋川リベンジに出かけたいと思っています(四日市港潮汐表)。写真は、住吉神社の常夜燈と鳥居。

2021年4月13日 (火)

ブログの古い写真の削除作業

Dsc_0097c  朝から断続的に雨になっています。気温も13~15℃で、肌寒く感じます。「雨読の日」であります。午前中は、明日からの非常勤の授業に備えて、近鉄桑名駅まで行って、回数券カードを買って来ました。通常の回数券(パールカード11)の他、平日10時から16時と土日祝日に使えるオフピークチケット(時差回数券)です。オフピークチケットは、10回分の料金で12回乗車できます。パールカード11は往きに、オフピークチケットは帰りに使うのです。

Img_7004c_20210413162001 0413filesc  午前中、その他の時間帯は、パソコンとにらめっこしていました。このブログ、ココログプロという契約で、毎月¥1,045(税込み)で最大10GBを使えるのですが、残り容量が500MBほどになってきていました(最大容量の95%ほどを使っていたことになります)。今年の初めに、平成27(2015)年の記事は削除したのですが、写真は別途削除する必要があるのです。面倒なので、ずっと先延ばしにしていました。古い写真を削除するには、「マイフォト」からかなり遡る必要があり、それが面倒ということ。結局、2時間近く作業をして、平成27年分の写真をすべて削除し終えました。これで、残りの容量は、1.9GBほどに回復(1,893.01MB)。

Img_6973c_20210413161901 Img_6981c_20210413161901  明日の準備はほとんど終えていますので、午後からは、読書。雨の止み間で、明るい空も見えましたが、散歩に出られるほどではありませんでした。先月、株分けして、植え替えたサギソウは、順調に育ってきています。「斑入り」のものもあります(右の写真)。去年は、花の数が少なかったのですが、ことしはどうでしょう。来月になったら、去年取っておいたアサガオの種を蒔かねばなりません。

Img_6997c_20210413162001  4月半ばですが、季節の進み具合が早く、「新緑の季節」という感じがしています。明日の授業は、午前中の2コマ目。授業に出かけるのは、いつぞやも書きましたが、去年1月15日以来(2020年1月15日:江戸橋での授業も最終日、来週は筆記試験)。江戸橋まで行ったのは、昨年9月の遠隔授業説明会が最後(2020年9月8日:遠隔授業講習会のついでに新しい桑名駅もチェック)。電車の乗り方も、江戸橋駅から非常勤先までの行き方も、忘れてはおりません(笑)。幸い、雨も夜半には上がり、明日は朝から晴れの予報です。

2021年1月24日 (日)

3日連続雨で居職……授業の補足説明を仕上げ、成績評価と確定申告の準備作業が進行中

Img_8650c_20210124163201  3日連続の雨。参ります。参るというのは、私の場合、散歩に出られないのがその最たる要因(苦笑)。多動だとか、落ち着き0124weather がないとか、そういう自覚はありませんが、体を動かしたり、歩いたりしたい気持ちはかなりあります。7~9時台には、アメダスに雨の記録はありませんでしたが、細かい雨が降っていましたので、散歩は諦めました。

Img_8641c  午前中は、まずは、遠隔授業第13回の補足説明を確認し、修正をしていました。これは無事完成し、学生配布用にpdfに変換しました。明日にでも、Google Classroomにアップロードします。余談ですが、お陰様で、学生たちからはかなりの好評でした。話す声や、そのトーン、スピードがよい、快適だというお褒めを複数もらっています(お世辞という可能性は限りなく100%に近いのですが……)。その後、第13回の課題を読み、その成績を評価。最終的な成績は、第2回~第13回の課題の評価の合計点をもとにつけることにしています。A評価が15点ですから、15点×12回=180点が満点になります。これを100点満点に換算し、成績をつけます。その成績、最近は、秀・優・良・可・不可の5段階評価を求められます。ちなみに、秀は90~100点、優は80~89点、良は70~79点、可は60~69点となっていて、59点以下は不可。Excelで処理していますので、個々の学生について、毎回、A・B・Cを入力すれば、その後の処理は自動的に進むようにしてあります。5段階評価になっているのは、GPA(グレード・ポイント・アベレージ)制度の関係でこうなっています。GPAとは、各科目の成績から特定の方式によって算出された学生の成績評価値のこと。秀=4、優=3、良=2、可=1というポイントがつき、各科目の(単位数×ポイント)の合計÷総単位数(履修登録単位の総数)で成績表価値が求められます。私自身の現役時代の終わり頃、導入するという話がありましたが、在職中は導入されませんでした。

Img_8647c_20210124163201  午後からは、いよいよ確定申告の準備作業。1月22日に税務署からお知らせメールが届いたからです。最近はずっとe-TAXで済ませています。税務署に行かなくてもよいのが最大のメリット(以前、何度か不愉快な思いをしましたから)。それにe-TAXでは、今からでも申請もできますし、還付金があった場合の処理も速いのです。あとは、市役所関係の源泉徴収票がまだ来ていません(大きな声で言ってはいけませんが、実は、昨年分の謝金振り込み忘れが2件あったのです)。医療費控除の計算書も完成しています。合間には、メダカ水槽の清掃作業。冬は水は入れ替えませんが、ときどき掃除をして、減った分だけ水を足しています。

0124weatherforecast  明日は、久しぶりに晴れるという予報。先週木曜(1/21)の町屋川プチ遠征以来の散歩に出られそうです。予報では、かなり暖かくなりそうです。風も弱いようですから、絶好の散歩日和。あとは、鳥たちがいてくれるかどうか(笑)。

2020年7月10日 (金)

200万ページビュー近づく

200710c  いつもこの拙いブログをお読みくださる皆様には感謝申し上げております。先ほど(7月10日19時40分過ぎ)に確認したところでは、ページビュー(PV)が1,995,500に達していました。ときどき書いていますが、このブログは、2005年10月26日にスタートしています(Blog事始め)。以来15年近く。当初は、これほど読んでいただけるとはまったく想像だにしませんでした。想像し得なかったといえば、自分の人生もです。何も考えず、定年まで無事に勤め上げられると思っていましたが、56歳にして予定外のリタイア。人生、思うとおりには行かないものですが、自分のために始めたブログが、まさかこれほどたくさん読んでいただけるとは思ってもいませんでした。「自分のために」というのは、自分の活動記録を残しておこうということだったということです。お金をいただける原稿とは異なり、その日撮った写真にあわせて思いついたことを、推敲もせず書き流しております。

2007access  こちらは、令和2(2020)年7月に入ってからの日ごとのアクセス数のグラフ。昨日まで、毎日のPVは160~180くらい。先月(6月)は150~220程度。このペースですと、8月の初めには200万PVを達成できそうです。200万PVに向けて何か特別の企画でも考えないといけないでしょうかねぇ。それとも、モットー通りに「淡々と飽きもせず……」で、素知らぬ顔して、そのまま通り過ぎた方が自分らしいでしょうか? 少し余裕がありますから、考えてみますが、特別企画といっても、差し上げるようなものもとくにありません。

 

2025年5月
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  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)