お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2025年4月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2020年1月以降の記事を残し、2019年12月以前の記事は削除しました(2020年1月1日から2025年4月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

グルメ・スイーツ

2025年5月 3日 (土)

津の町をぶらり

250503101451750c 250503101550834c  昨日とは打って変わって、好天に恵まれました。よく晴れて、津の最高気温は24.3℃。実家暮らしも4日目で、いささか退屈してきたこともあって、津の町へ出てブラブラしてきました。三交バスで岩田橋まで。去年9月以来の津松菱にやってきました(2024年9月9日:「松菱古本市」へ)。あのときも実家で1週間ほど暮らしており、古本市を見に来たのでした。

250503102255497c 250503104142588c  今日は、娘が津松菱には一度も行ったことがないというので、同行。津松菱の店内を地下1階から7階まで探検。津松菱は、津市で唯一の百貨店。今年が創業70年だそうですから、私と同年齢(笑)。それ故、何となく親しみがあります。津松菱で私にとってもっとも印象的なのは、6階に茶室「松南軒」があること。去年9月9日の記事にも書きましたが、創業家が京都から移築したものだそうで、本格的な茶室です。さらに、今日は親子連れ、孫連れで大賑わいしていたのが、「ふれあいどうぶつ大集合&カブトムシ展」でした。開店から間もない時刻に津松菱に入ったのですが、この展覧会に入場するのに大行列が出来ていました。

250503112324748c 250503114125330c  店内を探検し終えてから、私が是非行ってみたかったこちらへ。期間限定で出店されている「銚寿庵」です。銚子電鉄がプロデュースしています。けっこう人気のあるお店で、11時半近くからは、次々とお客さんが入っていました。

250503112916299c  私はこちらをチョイス。ざる蕎麦にミニ天丼がついたセット。¥1,780。店内で、あのぬれ煎餅や、まずい棒などを売っていることもあると口コミサイトにあったのですが、今日はあいにく見当たらず。

250503120304170c  昼食を済ませ、1階にあるデザートカフェ「シューライル」で、コーヒータイム。アイスコーヒーが、¥500。例によって、ドンクのミニワンでミニクロワッサンを買って、次の目的地へ。

250503121713133c  途中、フェニックス通りを横断します。津市なぎさまちから津市中央を結んでいますが、写真のように、中央分離帯にフェニックスが植えられていますので、このように呼ばれています。

250503122121928c 250503145717952c  目的地は、こちら。蜂蜜まん本舗。ここで製造販売されているはちみつまんじゅうを買うため。津の名物饅頭で、焼き立てをいただくと、皮はパリッとしていて、中のこしあんはアツアツで、ほんのり蜂蜜の風味が広がります。地元で愛され、1個70円というのがうれしい。津のソウルフードです。

250503123236011c 250503123021506c  さらに、津観音にもお参りしてきました。私自身は、近鉄ハイキングや、「歩いて伊勢参りツアー」などで何度か来たことがあります。

250503123335089c 250503123409074c  今日訪ねたのは、桐の花を見たいと思ったからです。7年前、「勝手にハイキング」で来たときに見て以来(2018年5月1日:20180423勝手に近鉄ハイキング「名古屋線・津新町駅から松菱、お城公園など」(その2)……乱歩の墓のある浄明院、阿漕平治に関わる上宮寺、西来寺、大門商店街から津観音)。この7年前に初めて桐の花を見たのでした。という次第で、半日、津の町ぶらりを楽しんできました。

2025年4月28日 (月)

京町のお店でツバメが巣に就き始めました

Dsc00109c_20250428132901  曇りのち雨という予報の通り、13時頃から小雨になっています。気温は、20.9℃とあまり上がっていません。今日は、7時20分からいつものコースへ散歩に。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、京町、南魚町、田町、三崎通と5.8㎞。冒頭の写真は、九華公園。朝日丸跡から見た、吉之丸堀にかかる橋。

Dsc00326c_20250428132601  今日は、まずは、こちらから。ツバメが巣に就いています。場所は、京町の商店にある巣。ここには、毎年ツバメがやって来ます。私が、ここ数年チェックしているツバメの巣は、7ヶ所ほどあります。しかし、1ヶ所は去年ツバメが入らないよう網が張られました。もう1ヶ所は、今年、建物そのものが解体されてしまいました。ツバメたちにとっても住みにくくなっていますが、このお店は、貴重な存在です。

Dsc00095c_20250428132601 Dsc00075c_20250428132601  さて、散歩の初めから。結論を書けば、野鳥は今日も相変わらず、いません。住吉水門のところの揖斐川にはオオバンが2羽。七里の渡跡にもオオバンが1羽いましたが、九華公園に行く途中、ほとんど野鳥は見かけません。九華公園に着いても、同様。奥平屋敷跡を歩いていたら、ドバトが7~8羽、付いてきます。どうやら散歩友達のOさんからエサをもらうのを覚えたようで、エサがもらえると思ったようです。スズメもあまりたくさんはいません。散歩&鳥見友達のYさんは、朝日丸跡でアカハラを見たそうです。ほかには、カワラヒワ、コゲラの鳴き声をわずかに聞きましたが、姿は見えず。

Dsc00177c_20250428132601 Dsc00170c_20250428134201  カモは、キンクロハジロがまだ6羽もいました。例年であれば、ゴールデンウィークが始まる頃には姿を消しています。ツツジとのコラボが撮れないかと試したものが、これらの写真。

 Dsc00249c_20250428134301 貝塚公園でも、ムクドリやスズメがいたほか、カワラヒワの鳴き声を聞いたくらい。センダイムシクイ、キビタキなど夏の鳥が来ないかと期待しているのですが、今年はサッパリ。

 Dsc09912c_20250428132801 九華公園のツツジは、あちこちでかなり咲いてきましたが、それでも咲き具合には場所によってかなりムラがあります。5月1日からは、つつじまつりが開かれますが、その頃にはどうなっているでしょう。

Dsc00103c_20250428132601 Dsc00141c_20250428132601  モミジには、翼果が増えてきました。秋になると、風に乗って飛散します。鎮国守国神社の境内にある梅の木では、実が少し色づいてきたものが見られました。

Img_0988c  ところで、写真があまり撮れなかったということもありますが、ベランダ園芸を再開しましたので、その話題を。アサガオの種を4月22日に蒔きましたが、今日の発芽状況は、この写真の通りです。去年は2鉢を作ったのですが、なぜかは分かりませんが、花は一切咲きませんでした。今年は、1鉢でやっています。

Img_1005c_20250428132601  サギソウです。10年前に知人から分けてもらって、サギソウを育てるようになっていましたが、その子孫は4年前の夏に途絶えてしまいました。3年前にネット通販で5鉢を買い、育てていたのですが、昨年の夏は花が咲かずに、失敗。という次第で、今年はまた、ネット通販で5鉢を購入したのです。1鉢に1本、サギソウが植えられたものが届き、昨日、鉢に植え替えました。5鉢セットで、¥2,450(送料は別途¥850)。

Img_1011c_20250428132501  もう1つ。メダカです。メダカも、10年前に、サギソウをいただいた知人からもらったものをずっと育てていたのですが、去年の夏、ごく短期間に皆昇天してしまいました。猛暑のためか、水がよくなかったのかとあれこれ考えましたが、よく分かりません。近交退化という現象が起きたのかも知れないと考えたのですが、その直後、同級生K氏からもらったものも短期間で同様の結末となりましたから、違う要因による可能性が高いのでしょう。よく分かりませんでしたので、しばらく控えていたのですが、春になったので、もう一度チャレンジしようと、4月10日に某ホームセンターで黒メダカ10匹をゲット(¥600)。現在、8匹がいます。

Img_1018c_20250428132501  オマケ。今日は、4月28日で、近所の寺町商店街で三八市が開かれています。ここに最近、大垣の玉子屋別館玉辰楼が出店し、弁当や総菜を売っています。家内に今日も玉辰楼さんが来るといっておいたら、筍ご飯の弁当を買ってきてくれました。今日の昼ご飯は、これ。さすがに元は卵屋さん。卵焼きのおいしいこと。

2025年4月20日 (日)

20250420JRさわやかウォーキング「リニア中央新幹線『勝川非常口』見学コース」へ……ハイキング/ウォーキング200回記念(一回完結)

Img_0146c  曇りときどき晴れという予報で、雨は降りそうもありませんでしたので、予定通りにJRさわやかウォーキング「リニア中央新幹線『勝川非常口』見学コース」に行ってきました。桑名では最高気温は、23.9℃。春日井も同じくらいだったでしょう。少しむしっとする感じで、汗をかいたくらいです。JR中央線勝川駅で8時半から12時が受付でしたので、JR関西線桑名駅を7時48分に発車する名古屋行き普通に乗車。名古屋駅には8時22分着。中央線の神領行き普通、8時29分発に乗り変えて、勝川駅には8時47分に到着。通しで支払うと¥690ですが、名古屋駅でいったん改札を出て、再入場すると、¥360+¥250=¥610。近郊区間の扱いで安くなるのです。今日の記事は、一回完結。一人旅。

250420jrwalkingmapkachigawa 250420routmap  こちらが配付されたコースマップ。右は、実際に歩いてきたルートマップ。勝川駅がスタート&ゴール。立ち寄り先は、道風記念館、太清寺、リニア中央新幹線勝川非常口の3ヶ所のみ。あとはひたすら7.7㎞を歩くという設定でした。

Img_0161c Img_0164c_20250420151901  JR勝川駅南口を8時50分過ぎにスタート。地蔵川を越え、名古屋第二環状線(名二環)を越えていきます。名二環という高速道路は、何度もこのあたりを通ったことがありますが、まさかその下を歩くとは思ってもみませんでした。道中、見るべきところは特にありません。

Img_0230c_20250420151901  春日井市道風記念館には、9時20分頃に到着。道風(とうふう)というのは、小野道風(おののとうふう)のこと。平安中期の書家。尾張の人ですが、春日井市には、古くから小野道風の誕生伝説があるのです。書道にすぐれ、和様発達の基礎を築いた。三蹟の一人。春日井市では、小野道風をたたえ、末永く後世に伝えたいと、昭和56(1981)年に、道風誕生の地と伝えられ、小野朝臣遺跡碑の建つ、ここ松河戸町に春日井市道風記念館を開館しています。全国的にも数少ない書専門の美術館であり、また書道史の研究施設でもあります。小野道風について、私は子どもの頃学校で習った記憶があるのですが、家族に聞いても、皆、「それ誰? 小野妹子なら知っている」という答え。小野氏の祖先が小野妹子ですから、道風は妹子の子孫。また、道風が書の達人と見なされる以前、自分の書く文字に満足できないでいた時、気晴らしに散歩に出たら、カエルが懸命に柳に飛びつこうとしているところに遭遇しました。カエルは諦めずに何度も飛びつこうとし、10回目にやっと飛びつくことができ、虫を捕らえました。これを見て、道風は、辛抱強くがんばろうと決意したという話もあります(たとえば、こちら)。道風記念館へは、団体料金の¥80で入館。

Img_0277c Img_0259c_20250420152001  記念館は、道風公園の中にあります。ここは、上記のように、道風の誕生地とされ、公園内には、小野社という神社があります。この祠のある場所は、古くから「小野道風屋敷跡」といわれていて、社の前には「小野朝臣遺跡之碑」という江戸時代に建てられた石碑も建っています。小野社は、元はここにあった八幡社の境内社であったという説もあります。小野道風の顕彰活動について、地元自治会の資料がこちらにあります。

Img_0316c_20250420152001 Img_0360c_20250420155901  道風記念館をあとにして龍源山太清寺(たいせいじ)に向かいます。道風記念館からはほぼ西に2.5㎞行ったところ。ここ太清寺は、臨済宗妙心寺派。かつては醍醐山龍源寺と呼ばれ、徳川家康の逸話が伝えられています。天正12(1584)年の小牧・長久手の戦いで、徳川家康が小牧山から長久手に向かうとき、ここの阿弥陀堂(十王堂とも、現在のものは、右の写真)で休憩しました。家康が「ここは何というところか」と尋ね、庄屋の長谷川甚助が「勝川村です」と申し上げたところ、「勝川とな、これは吉祥、縁起のいい名だ」と喜んだといいます。また、そこで牡丹餅を食べようとしたところ、箸が一本折れてしまい、家康は顔を曇らせたのですが、甚助が「これはまさしく天下が一本になる予兆です」と申し上げたところ、破顔したとか。寺の前にあった兜の形に似た塚を見て勝ちを確信し、付近の竹やぶで旗竿を切り、全軍に甲冑をつけさせ、出陣したそうです。その後、家康は秀吉軍との戦いに見事勝利し、江戸時代には、勝川の旗竿は吉兆の品として、尾張徳川家へ毎年献上されたそうですし、勝利した際に家康が身に着けていた鎧兜は、大変縁起が良い「勝川の具足」として大切に扱われたといいます。

Img_0343c_20250420152001  こちらは本堂。ほかに薬師堂もあります。龍源寺は寛文3(1663)年に寺号を龍源山太清寺と改めています。現在の十王堂(阿弥陀堂)は、昭和55(1980)年に再建されたものです

Img_0334c  Img_0352c 太清寺で目立ったのが、藤と、ドウダンツツジ。藤はきれいに咲いていて、見事でした。ドウダンツツジ(右の写真)はかなり大きな木でした。ドウダンツツジの生長はゆっくりだと聞きますので、ここまで大きな気になるのにはかなりの年月がかかったものと思われます。

Img_0519c_20250420152001 Img_0400c  そして、いよいよ「リニア中央新幹線勝川非常口」の見学へ。工事現場に着いたのは、10時15分頃。ここまで5㎞あまりを歩いてきました。まずは、リニア中央新幹線の説明パネルを一通りチェック。動画も上映されていましたが、これはパス。

Img_0457c_20250420152001 Img_0461c  非常口の見学については、私がここに着いた時点で約25分待ちとのこと。1組、約1分で順番に案内され、それぞれにJR東海の職員の方が付いて、説明をしてくださるということでした。普段なら並ぶことは大嫌いで、「並んで待たなければいけないのなら、もういい」と思うのですが、ここはじっとガマン。

250420103254567c Img_0499c_20250420152001  安全のため、観覧場所は指定され、さらに安全ネット越しに見るようになっていました。超望遠コンデジと、スマホで撮影したのですが、こんな写真しか撮れず、残念。外径は40m、穴の深さは66m、右の写真で下の方に横穴(シールドトンネル)が見えますが、ここがリニア中央新幹線が通るトンネル。ここを上下線が走りますから、外径は14mです。非常口となる立坑は、約5㎞おきに設置され、非常時の客の誘導や、トンネル内の換気、保守作業に使われるそうです。この近くでは、神領、名城でもつくられています。立坑内には、現在は、何も設置されていませんが、営業のときには、換気設備(ファン)、静音設備、微気圧波対応設備、エレベーター、階段などが設けられるといいます。

Img_0429c Img_0452c  これらは、説明パネルを撮った写真。手がかりが少なくて恐縮ですが、上の2枚の写真とあわせて、想像力をたくましく働かせていただければ、幸いです。JRの方は親切に、丁寧に説明してくださり、拙い質問にもきちんと答えていただきました。何度か書きましたが、この年ではリニア中央新幹線に乗ることはできないかも知れませんから、せめて関連施設だけでも見たいと思って出かけた甲斐がありました(微笑)。JR東海による工事概要は、こちらにあります。

Rinia  ちなみに、出かける前にグーグル・マップで見たら、この画像のように、すでにリニア中央新幹線勝川非常口が載っていました。赤枠で囲んだところがそれです。

Img_0561c_20250420152001 Img_0568c_20250420152001  リニア中央新幹線勝川非常口からまた2.5㎞ほど歩いて、ゴールの勝川駅に戻ったのは、11時10分頃。スタートは南口でしたが、ゴールは北口。ゴール受付を済ませ、10ポイントをゲット。コースマップ上では、歩いた距離は7.7㎞、2時間20分ほどを要しました。

Img_0574c  JRの職員の方の手作り顔出しパネルなどもあって、リニア中央新幹線のPRにはかなり熱が入っているようです。

Img_0584c  リニア中央新幹線勝川非常口も無事に見られ、JR勝川駅を11時27分に出る名古屋行き普通で帰宅の途へ。名古屋駅に11時46分着。12時6分発の関西線亀山行きの快速に乗り換え、桑名には12時28分着。往きと同じく、名古屋駅でいったん改札を出て、料金は¥80を節約し、¥610。

250420120017836c 250420115143706c  名古屋駅で乗り換えの間に、中央線7・8番ホームにある立ち食いきしめんの店で昼食を済ませてきました(微笑)。朝、中央線の電車に乗ったときに、この店が見えましたので、帰りにぜひとも食べようと思ったのです。きしめん住よしで、かき揚げきしめん(¥660)をチョイス。かき揚げは、その場であげてもらえます。いやぁ、とても美味しくいただきました。

Screenshot_20250420124902c  こちらは、今日のGoogle Fitのデータ。合計で10.18㎞、16,717歩を歩いてきました。

2025年4月 5日 (土)

20250405近鉄ハイキング「【三岐鉄道合同企画】いなべの桜・貨物鉄道博物館と『おふろcaféあげき温泉』でととのう」へ(一回完結)

Img_9661c  今日は最高気温17.3℃、おおむね晴れで、風もさほど強くはなく(最大風速は4.0m/s)、絶好のハイキング日和。近鉄ハイキング「【三岐鉄道合同企画】いなべの桜・貨物鉄道博物館と「おふろcaféあげき温泉」でととのう」に行って来ました。三岐鉄道三岐線の丹生川駅で9時から11時半の受付でしたので、近鉄桑名駅を8時22分に出る伊勢中川行き急行に乗車。近鉄富田駅に9時29分着。¥300。8時49分発の三岐鉄道三岐線西藤原行きに乗り換えて、丹生川駅には9時27分に到着。¥510。三岐鉄道三岐線では、今年度から、JR東海から導入した新型車両5000系が順次導入されますので(こちら)、写真の車両(西武鉄道から導入したもの)は廃車になるそうです。今回も一人旅。

Img_9654c  いきなりの余談ですが、三岐鉄道三岐線では、切符は、今でも硬券が用いられています。ICカード全盛、クレジットカードでも乗車できる時代に、大変貴重だと思います。

Img_9684c Img_9698c_20250405155101  丹生川駅は、ローカル線ののどかな駅というイメージがピッタリ。駅舎の中にツバメの巣があり、ツバメが止まっていたくらい。ただ、これに気を取られたせいで忘れてしまったことがあり、大失態。これについては、後述。

Img_9688c Img_9691c_20250405155101  コースマップを受け取り、9時半にスタートします。これは駅前から西の方を見た写真。奥に見えているのが、藤原岳。今日、歩いていた間、ほとんどのところからこの藤原岳がよく見えていました。藤原岳は、我が家の玄関先からもよく見えています。

250405kintetsuhikingnyugawa0  こちらが、今日歩いてきたルートマップ。丹生川駅からほぼ真北にある三岐鉄道北勢線の阿下喜駅を目指します。貨物鉄道博物館を見てから東に回り、員弁川に沿って植えられた桜並木を愉しみながら歩くという趣向。阿下喜では、いなべ阿下喜ベースに立ち寄ります。ルートマップ上は、5.6㎞でした。

Img_9706c_20250405155101  丹生川駅にほぼ隣接するように貨物鉄道博物館があります。三岐鉄道とボランティアの皆さんとの協同により、わが国初の鉄道貨物輸送専門の博物館として、平成15(2003)年9月15日に開館しました。子どもたちが小さい頃、たぶん開館して間もないときに1度訪ねたことがあります。その時に比べますと、展示内容はずいぶん充実したと思います。こちらもご覧ください。

Img_9702c Img_9715c  この博物館は、明治以降陸上貨物輸送の主役として活躍し今なおJR貨物や三岐鉄道をはじめとしたいくつかの鉄道会社が手がけている鉄道貨物輸送に焦点を当て、産業文化遺産として後世に残すべき貴重な貨車等を保存展示する施設です。定例開館日は、毎月第1日曜日のみ(入館無料)ですが、屋外の展示車両はいつでも見られます。今日は、近鉄ハイキングにあわせて午前中のみ臨時開館。

Img_9743c  貨物鉄道博物館を出たところで、近鉄富田往きの普通電車が来ましたので、今日もまた「俄撮り鉄」。丹生川まで来る電車にも撮り鉄と思われる方が乗車しておられましたし、コースの途中でも電車を撮ろうと待ち構えている方もいらっしゃいました。三岐鉄道は、撮り鉄の方には人気のようです。

Img_9771c_20250405155101  Img_9756cこれらは、コース途中の写真です。ほぼ田園地帯。いなべ市を近鉄ハイキングで最初に歩いたのは、7年前の2月末でしたが(2018年2月27日:近鉄ハイキングで“昭和レトロな町でおひなさん 早春の鈴鹿山脈を眺め「あげきのおひなさん」へ”(予告編)……マップ上9kmなのに、12.4kmも歩いたお話(笑))、このときは初春でした。春にいなべ市を歩くというイメージが私にはあります。

Img_9805c  藤原岳の写真は、途中で何枚も撮ってきましたが、その1枚。東海環状道が通っています。藤原岳は、初めの方にも書きましたが、我が家からもよく見えますが、さすがにここまで来ると、近い!!

Img_9812c  ルートマップで、員弁川に出たあたりから「員弁川散歩道」となります。ここにソメイヨシノの並木が1㎞以上にわたって続いており、これが「員弁川桜並木」。ほぼ満開で、ハイキング参加者以外にも、たくさんの方が散策したり、写真を撮ったりしておられました。

 Img_9816c_20250405155101 Img_9868c途中、何カ所かで写真を撮ってきました。左の写真は、桜並木の始まったあたりから阿下喜方面を撮ったもの。ずっと桜並木が続いているのがお分かりいただけるでしょう。右は、桜並木と藤原岳とのコラボ写真。

Img_9887c  こちらは、阿下喜について桜並木から離れるとき、振り返って撮ったもの。これまでに私が見た桜並木では、鍋田川の桜並木が見事でしたが、それ以上と思います(2019年4月4日:20190403近鉄ハイキング「木曽岬町の採れたてトマトを食すハイキング 鍋田川堤の桜トンネルと『きそさきトマト』」へ(その1)……近鉄弥富駅をスタート、鍋田川堤桜並木から源盛院で芭蕉句碑、常在院に立ち寄る)。

Img_9900c_20250405155201  桜並木からは、いなべ菓子店八舎が立ち寄り先に指定されていました。どら焼きが名物のようですが、例によって私は、立ち寄って写真を撮っただけで失礼してしまいました。

Img_0025c_20250405155201  Img_0021c_20250405155201 最後の立ち寄り先は、いなべ阿下喜ベース。以前は、阿下喜温泉として営業していましたが、リニューアルされ、おふろcaféあげき温泉新上木食堂AGEKI BASE HOTELの3つの施設が併設されています。ここで温泉に入れば、ととのったのですが、今回も入浴はせず。新上木食堂で昼食を食べることも考えたのですが、営業が11時から。ここに着いたのは10時45分で、次の西桑名行きは11時39分発でしたから、時間に余裕がなく、落ち着いて食べられないだろうと、断念(昼間、西桑名行きは1時間に1本なのです)。新上木食堂にあるショップでいなべ蕎麦を土産にゲット(¥480)したのみ。

Img_0052c Img_9944c_20250405155201  11時過ぎに三岐鉄道北勢線の阿下喜駅へゴール。ここで抽選会が行われていたのですが、敢えなく敗退。私のコースマップの番号は、#50でしたが、いなべ菓子店八舎さんのどら焼きは、下1桁が3、8。あげき温泉の入浴券の当り番号は、かすりもせず(苦笑)。

Img_0036c Img_0042c_20250405155201  西桑名行きの発車時刻まで時間がありましたので、軽便鉄道博物館を見てきました。左の写真は、再構築された阿下喜駅にあった軽便鉄道転車台。右は、北勢線を走っていたモニ226号電車の現車保存展示。

Img_0047c_20250405155201  こちらは、軽便鉄道博物館の建物と名松線家城駅にあった腕木式信号機

Img_0059c  阿下喜駅を11時39分に出る西桑名行きの普通電車に乗車します。最近、北勢線では全駅でICカードが使えるようになって、便利になりました。失礼ながら、ここだけハイテクという感じ。

Img_0066c_20250405155201 Img_0069c  電車はこちら。いわゆるナローゲージ。北勢線の線路幅は762mmで、新幹線の1,435mmに比べ、半分くらい。JR在来線などは、1,067mm。

Img_0075c  西桑名駅には、12時26分に到着。¥510。当然ながら、ICカードにチャージする機械も置かれていました。駅前では、「障サ連&桑名うまいもん横丁チャリティコラボイベント!キッチンカーやワークショップを楽しもう」が行われていましたので、覗いてきました。

Screenshot_20250405125018c  ところで、今日のGoogle Fitのデータ。8.88㎞で、14,286歩でした。よく歩きました。

Screenshot_20250405083346c  こちらは、三岐鉄道三岐線富田駅でゲットしたエキタグのデジタルスタンプ。このデジタルスタンプ、丹生川駅にも、阿下喜駅にもあったのですが、すっかり失念。ワーキングメモリーが弱くなっている証拠でしょう(苦笑)。丹生川駅では、ツバメに気を取られて忘れてしまいましたし、阿下喜駅にはデジタルスタンプがあること自体、未確認でした。大失態。また機会があれば、ゲットすることにします。

 ちなみに、今回で、通算199回目のハイキング/ウォーキング参加でした。200回目は、来週末にも達成できるでしょうか!?

2025年3月25日 (火)

九華公園のしだれ桜が咲き始め、シティ・ホールの薄墨桜は満開……九華公園でカンムリカイツブリとオオバンのバトル

Dsc09050c_20250325151301  今日も暖かくなっており、最高気温は23.7℃。ただし、空は霞んでいます。黄砂のせいだということです。いつものように7時25分から散歩へ。住吉神社、九華公園、内堀南公園、外堀、吉津屋町、京町、寺町と歩いてきました。昼に出かける予定で、少し短めの散歩でした。

Dsc07647c_20250325151601 Dsc07663c_20250325151601  住吉入江や、住吉神社あたりの揖斐川には、水鳥はまったくいません。七里の渡跡まで来て、コガモが1ペアとメスが1羽、オオバンが4羽。

 Dsc07698c_20250325151601 こちら、七里の渡跡にいたオオバン。

Dsc07717c_20250325151601 Dsc07792c_20250325151601  左の写真は、三之丸公園で見つけたジョウビタキのメス。今シーズン、三之丸公園、柿安コミュニティパークあたりを縄張りにしていたメスです。右は、同じく三之丸公園にいたツグミ。

Dsc07838c_20250325151601  蟠龍櫓のところには、今日もまたイソヒヨドリのメス。このあたりがお気に入りの場所なのか、この冬からここでよく見かけます。

Dsc07870c_20250325151601 Dsc07887c_20250325151601  コミュニティパークの堀の上の草地にヒドリガモのペア。揖斐川にもヒドリガモが多数浮かんでいたのですが、このペアは、二人だけの世界を形成していました。

 Dsc07923c_20250325151601 堀には、コガモのオスが1羽。今日は、オオバンやキンクロハジロは見られませんでした。

 九華公園には7時45分に到着。Dsc08006c_20250325151501 Dsc08136c_20250325151501奥平屋敷跡で、ジョウビタキのオスと、ハクセキレイ。ほかには、ハシボソガラスや、カワラヒワ。はるか上空を東に向かってアオサギが通過していきました。

Dsc08496c_20250325151401  カワラヒワは、九華公園のあちこちにいるのですが、松の木の高いところにいることが多くなっていて、あまり姿を見せません。繁殖シーズンに入っているのでしょう。

Dsc08117c Dsc08042c_20250325151501  カモは、今日も少なく、キンクロハジロが18羽、ハシビロガモが8羽、カルガモが2羽、オオバンが2羽。ヒドリガモや、ホシハジロの姿はありません。

Dsc07962c_20250325151501 Dsc08513c  こちらはオオバン。北にある堀にいました。左の写真のオオバンも堀にある石の上に乗っています。右の写真の大判では、弁足がよく見えています。どちらも普段のオオバンのイメージとは少し違います。

Dsc08311c-2 Dsc08358c_20250325151501  ユリカモメは、43羽。橋の欄干にパンの耳を置くと、また取りに来るようになりました。おそらく、メンバーが入れ替わることがあるのでしょう。以前、これを覚えたユリカモメがまたやって来たのではないかと思います。あのUYユリカモメは、このところ姿を見せませんので、ほかに移動してしまったのでしょう。

Dsc08187c_20250325151501  Dsc08163c散歩&鳥見友達のOさんがパンの耳を置くと、ヒヨドリが集まってきます。これはもうすっかりお馴染みの光景になりました。

Dsc08566c_20250325151401  Dsc08077c_20250325151501 カンムリカイツブリが今日も1羽、来ていました。今日は、堀のあちこちをかなりのスピードで泳いでいました。北の堀に来たとき、石の上に乗っていたオオバンの近くに行ったのですが……。

Dsc08609c_20250325151401 Dsc08618c_20250325151401  このカンムリカイツブリ、何を思ったのか、そこにいたオオバンにちょっかいをかけ、大バトルになりました。カンムリカイツブリがほかの鳥に手をだすところや、オオバンがほかの鳥とバトルになるのは、初めて見ました。オオバンは、大人しい鳥というイメージがあったのです。

Dsc08715c_20250325151501  内堀南公園では、ツグミ。ここでツグミを見るのは、珍しいことです。近くにハクセキレイもいたのですが、写真は上手く撮れず。

Dsc08918c Dsc09018c_20250325151301  拙宅マンション前の住吉入江に戻ってきたら、ここにもオオバン。今日は、オオバンをよく見ます。ハクセキレイもいましたが、背景がきれいではありませんので、割愛。入江の脇には、イソヒヨドリのメス。イソヒヨドリを撮っているとき、西の空をツバメが1羽、飛んでいました。今シーズン初見ですが、写真は撮れず、残念。

Dsc08471c_20250325151401 Dsc08681c_20250325151401  九華公園では、しだれ桜が咲き始めていました。私の散歩コースでは、寺町商店街にある河津桜、光徳寺のヒカンザクラ、柿安シティ・ホールの薄墨桜と順番に咲いてきて、次が、このしだれ桜となります。

Dsc08051c  九華公園のソメイヨシノは、ところどころでこのようにつぼみが膨らんで、少しピンク色を呈してきています。ウェザーニューズの開花予想は、3月31日となっていましたが、もう少し早く咲き始めるかも知れません。

Dsc08809c_20250325151401 Dsc08854c_20250325151301  内堀南公園では、レンギョウが咲いています。常信寺にもあったのですが、今年は咲いていないのではないかと思います。寺町商店街にある河津桜は、いよいよ落花盛ん。今年もしっかり愉しませてもらいました。

250325125338950c  柿安シティ・ホールの薄墨桜は、満開。花が次第に薄墨色になっていくそうですが、そんな気もします。

250325120627649c 250325124641676c  ところで、散歩から早く帰ったのは、ランチに行くため。友人と1ヶ月ぶりくらいでしょうか、ランチに行って来ました。アピタ桑名店にあるオーブン亭にて、和洋膳。おかずが選べるのがありがたい。これで¥1,649(税込み)。そのあとは、コメダでコーヒー。オッサン/ジイさん二人なのに、話すことがたくさんあります(微苦笑)。ということで、今日歩いたのは、6.8㎞。

2025年2月 6日 (木)

20250206近鉄あみま倶楽部ハイキング「七里の渡・大福田寺コース」へ(一回完結)

Img_9006c_20250206163101  今朝は冷えました。-1.2℃と今シーズン最低。あちこちで氷が張っているのを、この冬、初めて見ました。最高気温は、7.0℃。今日は、「朋あり遠方より来たる」(論語)ではありませんが、名古屋から大学時代の同級生である友人が、「桑名散策に行きたい」ということで来てくれました。近鉄あみま倶楽部のアプリ対応コースに「七里の渡・大福田寺コース」がありますので、このコースを歩くことに。実は、最近、同級生K氏とのウォーキングに行けていませんので、自分であみま倶楽部のハイキングコースでも歩こうかと考えていたところで、まさに「渡りに舟」。

250206kuwanawalkingmap  こちらが、近鉄あみま倶楽部の「七里の渡・大福田寺コース」にならってつくったコースマップ。桑名駅東口から、海蔵寺、本統寺、寺町商店街、六華苑、住吉神社、七里の渡跡、九華公園、春日神社、大福田寺、照源寺を回って、桑名駅西口がゴール。9時過ぎにスタートし、春日神社から大福田寺に行く途中、昼食を食べ、桑名駅西口には14時前にゴール。私にとっては、勝手知ったるところですから、mamekichiバージョンの「ブラ桑名」のようなもの。以下、主な立ち寄り先を簡単に。

Img_8926c Img_8937c  海蔵寺は、曹洞宗のお寺。ここには、いわゆる薩摩義士の墓所があります。宝暦3(1753)年、幕府より薩摩藩は揖斐・長良・木曽三大河川工事を命ぜられました。宝暦5(1755)年、工事は完成しましたが、多くの犠牲者と巨額の経費がかさんだことの責任感から、工事総奉行平田靭負は自刃しました。これら義士の墓所は岐阜・三重県下14ヶ寺に埋葬され、ここには平田靭負他23基の墓石が現存しています。

 本統寺は、真宗大谷派桑名別院。地元では、「御坊さん」と呼ばれ、親しまれています。Img_8949c_20250206153701 Img_8946c_20250206153701徳川家茂や明治天皇が宿泊した由緒あるお寺で、境内には、松尾芭蕉が貞享元(1684)年、野ざらし紀行の初旅の折り、この地で詠んだ句「冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす」の句碑(冬牡丹句碑)が建てられています。

 このあと、寺町商店街、三崎見附跡、諸戸氏庭園前、桑名七里の渡し公園を経て、六華苑へ。Img_8970c国の重要文化財・名勝。洋館とそれに連なる和館、複数の蔵などの建造物と池泉回遊式日本庭園があります。実業家の2代目諸戸清六の新居として、1911年(明治44年)にジョサイア・コンドルの設計で着工し、1913(大正2)年に竣工しました。コンドルが設計した現存建造物の大半は東京に集中しており、地方では桑名市のみに現存しています。

 住吉神社を経て、七里の渡跡へ。Img_8973c_20250206153701熱田・宮の渡しから海上七里を船に乗り、桑名の渡しに着いたことから「七里の渡し」と呼ばれています。当時は、東海道の42番目の宿場町として賑わいました。この鳥居は、これより伊勢路に入ることから「伊勢国一の鳥居」と称され、伊勢神宮の遷宮ごとに建て替えられています。

Img_8981c_20250206153701  本多忠勝像のところから九華公園へ。このあたりは、毎日の散歩コースです。本多忠勝は、桑名藩初代藩主。慶長の町割を実施するともに、桑名城をつくり、現代にもつながる桑名の町のもとをつくったといえます。桑名城址に整備されたのが、九華公園。昭和3(1928)年に松平定信(守国公、楽翁)没後百年祭を記念して、本丸・二之丸一帯が九華公園として整備されたものです。

Img_8995c  続いては、桑名宗社(春日神社)。地元では、「春日さん」と呼ばれています。桑名神社と中臣神社の2つの神社からなっています。石取祭は、ここのご神事。門前には、青銅の鳥居があります。これは、寛文年間(1661~1673年)につくられたもの。

Img_8998c 250206114606420c  春日さんのあたりで11時半前でしたので、どこかでランチをということになり、寺町商店街の南口にある「てらまちダイニングUOSUE」さんへ。1階で魚屋さんを営んでおられ、2階が食事のできるお店になっています。1度来てみたかったのですが、一人では敷居が高かったのです。

250206114555387c  魚屋さんですから、刺身定食をチョイス。カンパチ。定食にしていただくと、これで¥1,375。美味しい上にこの値段は、かなりお得です。

Img_9002c  1時過ぎにウォーキングを再開。桑名駅方面に向かいます。駅西に行くのに、こちらの踏切を渡りました。3種類の幅の線路を一またぎしています。手前から(西側から撮っています)、近鉄名古屋線(広軌)、JR関西線(狭軌)、三岐鉄道北勢線(ナローゲージ)。踏切の名称は、それぞれの鉄道会社で異なっており、近鉄名古屋線は益生第4号踏切、JR東海関西線は桑名駅構内踏切、三岐鉄道北勢線は西桑名第2号踏切。これらを横断し、レールの幅を実際に見て体感できます。

Img_9016c  大福田寺。高野山真言宗のお寺。聖徳太子創建と伝えられます。山門は、江戸時代建立といわれるもの。毎年2月3日には節分祭、4月1日・2日には日本三大聖天の一つ桑名聖天大祭が行われ、2日には伊勢大神楽の奉納が行われます。節分祭では、鬼が市内を練り歩く鬼追い厄払いがあります。今年も、我が家の近くで、螺貝の音が聞こえていましたので、「大福田寺の鬼追い」が来たなと分かります。

 Img_9023c 大福田寺の境内で、白梅がかなり咲いていました。このあたり、昔はときどき散歩をしたのですが、最近はすっかりご無沙汰。いつもの散歩コースでは、常信寺の紅梅がもっとも早く咲くのですが、それよりこの白梅の方が早く咲くと思われます。

Img_9050c_20250206153701  最後の目的地は、照源寺。浄土宗。久松松平家の菩提寺。寛永元(1624)年、桑名藩主松平定勝が死去したため、その子定行が創建しました。定行は伊予松山へ移封しましたが、弟定綱が藩主を継いだので、松平家の菩提寺として存続しました。「松平定綱及び一統之墓所」(県指定文化財)には藩主ら二十八基の墓石があります。境内には定綱が摂津の天台宗金龍寺から分植した金龍桜があります。

Screenshot_20250206143223c  「七里の渡・大福田寺コース」のウォーキングは、このあと桑名駅西口で完了。こちらは、Google Fitのデータ。約6キロのコースですが、自宅~桑名駅往復を含め、なんと12.1㎞も歩いていました。歩数も2万歩を超え、驚き。

Screenshot_20250206140719c Screenshot_20250206140816c  このコースは、初めの方にも書きましたが、あみま倶楽部のアプリ対応コースでしたので、デジタルスタンプも集めてきました。踏破証もこれで5つになったのですが、有効期限内のものは、3つ。これで交換できるのは、オリジナルステッカーです(微苦笑)。

【付記(2/7)】 2月7日の中日新聞朝刊三重版に「六華苑の池で浚渫作業が行われていて、いつもは池の底にある、第2次大戦中に投下された爆弾の痕跡が見られる」という記事が載っていました。そういえば、池の中央あたりに直径数mの跡がありました。それが爆弾であいた穴をふさいだところだったようです。六華苑には「浚渫作業をしています」という掲示はあったと思うのですが、受付などにもこの爆弾の跡が見られるとでも示しておいてくれたら、皆さん、興味を持ってみられたんじゃないかと思います。

2025年2月 4日 (火)

会議の後にランチ

240722083859600c  強烈な寒波襲来だそうですが、桑名では最低気温は2.4℃、最高気温は8.7℃となっています。ただし、北風は強く、最大風速は6.4m/s。リビングにいて、日当たりがよいと寒くはありません。明朝は氷点下になるという予報です。午前中は、市役所での会議に出席してきましたので、散歩には行っていません。

250204135156114c 250204122507453c  会議の後は、友人とランチ。アピタ桑名店の専門店街にあるホリコーヒーにしました。コーヒー専門店ですが、パスタランチが食べられるのです。私は、「厚切りベーコンと木の子のジェノベーゼ」。サラダ、コーヒー付きで¥1,830(税込み)。諸色高騰の折、ランチもこの値段です。まぁめったに外食はしませんから、たまにはいいでしょう。ランチを食べながら2時間ほどしゃべって解散。

 この友人から3月15~16日(土~日)に桑名駅西口特設会場で開かれる「桑名酒スクエア2025」の情報をゲット。三重県の17蔵、48銘柄の日本酒が集まり、それを楽しめるイベントだそうです。スターター・セットの前売りが¥3,000。これでコイン10個、竹製おちょこ、リストバンドと引き替え。コイン1~3個で1つの銘柄を試せるそうです(銘柄によって異なります)。おもしろそうですが、¥3,000を払うなら、気に入った、美味しい日本酒を買った方がよいかも知れません。

 明日水曜は、江戸橋での非常勤の授業の期末試験。ほぼ最後のご奉公です。「ほぼ最後」というのは、答案を採点し、成績を付けて報告することと、学生による授業評価の結果が届きますので、それに対するコメントを書く作業が、まだあるからです。

2025年2月 1日 (土)

パンダガモは……やはりおらず、残念

Dsc00915c_20250201143201  午前中、9時頃からはよく晴れて、風もなく、暖かかったのですが、午後になって曇り。寒くなってきました。最低気温は4.0℃、最高気温は11.3℃。風が弱まるという予報を受けて、今朝はまずは、三ツ又池公園へ。そうです、パンダガモが来ていないか、見に行ってきました。その後、長良川河口堰はパスして、九華公園へ。先日、足環のついたユリカモメを見つけましたが、ほかにも来ていないか、気になるのです。歩いたのは、合計で5.1㎞。

Dsc00527c_20250201143201  まずは、三ツ又池公園。7時45分から8時半。宝川の遊水池である三ツ又池に整備された公園です。春には芝桜で有名ですが、私にとってはバードウォッチングの場所。去年12月29日にもミコアイサ(パンダガモ)が来ていないか、見に来ましたが、その時は空振り(2024年12月29日:パンダガモはいたか?)。

Dsc09988c Dsc00286c  三ツ又池公園といえば、カイツブリ。ここで繁殖します。今日見たカイツブリは、合計で5羽でした。ちょっと少ないかも知れません。若者が多かったと思います。

Dsc00464c_20250201143201 Dsc00478c_20250201143201  今日もっともたくさんいたのは、コガモ。といっても、数年前に比べると、コガモも含め、冬にやってくるカモは激減しています。コガモも数えたわけではありませんが、数10羽くらい。

Dsc09711c_20250201144201 Dsc09727c_20250201143101  カルガモもあちこちにいましたが、こちらもせいぜい20羽あまり。カンムリカイツブリは、3羽ほど。

Dsc09661c_20250201143101 Dsc00555c_20250201143201  オオバンは、駐車場に近いところで、上陸して芝生のところで餌を食べている個体が7羽ほど。水辺の草地に上がっているところはよく見ますが、岸から10mも上がっているのは見たことがありません。

Dsc00377c_20250201143101 Dsc00079c_20250201143101  マガモも10数羽、姿が見えました。ここには、カルガモも混じっています。左の写真でも分かりますが、水が少なくなっていました。右の写真の法がそれが明確。ハシビロガモたちが休んでいたのですが、水底の石がむき出しでした。水が少ないことは、水鳥があまり来ないことに関連しているかも知れません。

Dsc00169c_20250201143101 Dsc00498c_20250201143201  モズは、公園の北エリアに2羽、西側に1羽。半径100mほどのところに集中していました。以上が、三ツ又池公園での鳥見の結果。ということで、今日もまた、ミコアイサ(パンダガモ)は見られませんでした。行く前から、何となくそんな気がしていたのですが、それがよくなかったのかも知れません。今シーズンは、九華公園にオスのミコアイサが飛来しましたが、このときは換羽途中で(2024年11月28日:九華公園にミコアイサのオスが飛来)、ちゃんとしたパンダガモを見たのは、1年前が最後(2024年1月7日:ミコアイサを見に)。ちなみに、今日は、ヌートリアもいませんでした。

Dsc00689c_20250201143201  長良川河口堰にはサギ、カモ、カルガモなどしかいないだろうということもあって、九華公園へ。9時に到着。Oさんに遭遇しましたが、あまり成果はなかったとのこと。奥平屋敷跡でジョウビタキのオス。朝日丸跡では、カワラヒワを見ましたが、さすがにこの時間帯では、小型の野鳥はいません。

Dsc00597c_20250201143201 Dsc00817c  鎮国守国神社の社務所裏でゴイサギが2羽。日が当たってくると、日当たりに出てくることが多いような気がします。

Dsc00860c  カモは、キンクロハジロは36羽、ハシビロガモは8羽、ヒドリガモは1ペアとオス1羽。今日はホシハジロの姿はありませんでした。

Dsc00727c_20250201143201  ユリカモメは、58羽。橋の上に立つと、エサがもらえると思って急いでやってきますが、今日は、足環を付けたユリカモメは見かけませんでした。

250201115325196c 250201115904226c  ところで、オマケというか、余談というか。今日の昼ご飯はこちら。ビリヤニ。インドや周辺国で食べられているスパイスと米を炊き込んだ料理です。羊肉や鶏肉、魚、野菜などの具材と、クミンやカルダモン、シナモンなどのスパイスを加えてつくられます。ビリヤニは、パエリアや松茸ご飯と並び「世界三大炊き込みご飯」のひとつだそうです。私が食べたのは、市内の某インド料理テイクアウト専門店の「漁師のフィッシュビリヤニ」。Mサイズで¥700。伊勢湾で獲れた白身の高級魚であるマゴチ、カレイ、ワタリガニ等の魚介類が炊き込まれているということです。お店の方には大変申し訳ないのですが、私はスパイスが利いたものは苦手。さらに、ビリヤニに使われる米は、主に細長いインド米のバスマティライスだそうですが、日本の米とは、別物という感じ。ビリヤニについてきたヨーグルトサラダ(ライタ)をかけると「味変」になると聞きましたので、これをかけたところ、パサつきがなくなり、食べやすくなりました。私個人としては、食べ物についての見聞が広まった、というところ。個人的な好みの問題ですので、ご容赦ください。

【付記】 ブログの記事を書き終えてから、「曇っていて寒いとやる気が出ないな」などと思っていたのですが、「こういうときにこそe-TAXで確定申告を済ませよう」と訳の分からない発想が湧いてきました(苦笑)。すでにデータはエクセルで整理してありますし、医療費も集計フォームに入力済み。コピペを行い、1時間弱で令和6年分の確定申告を完了しました。これで1つスッキリできました。

 さらなる追記。確定申告を済ませた余勢を駆って、裏稼業(なのか表稼業なのか、よく分かりませんが)の「桑名発達臨床研究室」の個人事業の廃業届も仕上げ、税務署宛に投函してきました。本日・2月1日付けで廃業であります。臨床心理士の資格を更新しなかったというのが主な理由ですが、この3月で70歳を迎えるということも考慮しました。この廃業届について、大変おもしろい話があります。廃業届は、ネットにpdfで載っています。このpdfには、入力できるようになっているものの、提出は、「プリントアウトして税務署長宛に郵送せよ」となっているのです。まったくワケワカメです。せっかくpdfになっていて、そこに入力できるのなら、メールに添付して提出できるようにしてもらいたいものです。デジタル化は、ほど遠いと実感したのです。

2025年1月 5日 (日)

20250105近鉄ハイキング酒蔵みてある記 伊藤酒造「鈿女」へ(一回完結)

 Img_8502c_20250105151201 朝は、この冬初めての氷点下になりましたが(-0.3℃)、日中は風も弱くて、暖かくなり(10.2℃)、絶好のハイキング日和でした。予定通り、近鉄ハイキングの「酒蔵みてある記 伊藤酒造『鈿女』」へ行って来ました。桑名駅を9時2分に出る松坂行き急行に乗り、四日市駅に9時15分着。ここで湯の山線の湯の山温泉行き(9時29分発)に乗り換え。菰野駅に9時48分に到着。¥560。湯の山線の電車も、菰野駅も大賑わい。今回は、一人旅。記事は、一回完結。

Img_8506c 250105kintetsuhikingkomono  こちらが今日のコースマップ。番号がついていますが(伊藤酒造で抽選会があるのです)、私のものは#199。菰野駅をスタートし、明福寺、菰野城跡、見性寺と回って、伊藤酒造で酒蔵見学。ゴールは、同じ湯の山線の桜駅。マップ上、約6㎞のコース。右は実際に歩いたルートマップですが、今日は、道草は食っておりません。10時過ぎにスタート。

Img_8530c Img_8546c_20250105151301  最初の立ち寄り先は、菰野駅から400m足らずのところにある発起山明福寺(ほっきざんみょうふくじ)。真宗大谷派。開基の法欽は、大和国高市郡越智の出身で、 永正(1504~1521年)の頃に伊勢へと移り住み、菰野に念仏道場を開きました。教如に帰依して、寺号、本尊、親鸞影絵を授与されています。享保(1716~1736年)の頃に山門と鐘楼を建立。本堂は安政元(1854)年の大地震にて倒壊後、再建されました。文化11(1814)年には、測量に訪れた伊能忠敬がこの寺に宿泊したそうです。

Img_8538c Img_8542c  本堂に安置されている薬師如来/阿弥陀如来像は円空による作。一材の両面に二仏が掘られた「両面仏」と呼ばれる珍しいもので、延宝2年(1674年)の作。13世住職であった賢竜の弟・大正が明治初年の廃仏毀釈により、像が伝来していたものの、廃寺となった伊勢の常明寺から譲り受けて、明福寺へと持ち帰ったものです。昭和36(1961)年には、俳人の山口誓子が当寺の住職に招かれて寺を訪れ、円空仏に感銘を受けて句を詠んでいます。句は、「円空仏外に出で来て枯銀杏」。昭和51(1976)年に建てられたその句碑があります。

Img_8573c_20250105151301 Img_8577c_20250105151301  次の立ち寄り先は、菰野城跡。菰野城は、菰野藩一万二千石の大名土方氏の代々の居城でした。現在は菰野小学校の敷地になっており、西側と北側に城壕に一部と築地が遺り、藩邸の庭園の一部が西南の隅に僅かながら名残をとどめ、そこに菰野城跡の碑があります。また、西南を流れる振子川に面して、角櫓跡があり、その東方に石積の遺構の一部があります。ここは、私は何度か訪ねています(2023年11月25日:20231125「菰野ウォーキング」(予告編))。

Img_8587c_20250105153201 Img_8596c  菰野城跡の先、国道306号のところでほぼUターン。湯の山線の踏切がありますが、このあたりが菰野城の隅櫓跡。その先に洗心教団の本部があります。その前に道標。「右 ゆ乃山?」と刻まれています。みえの歴史街道の菰野道の説明によれば、ここは、昔の「湯の山道」と呼ばれる道と思います。

Img_8625c_20250105151301  続いて、真如山見性寺。臨済宗妙心寺派。菰野藩土方家の菩提寺として、寛永21(1644)年に菰野藩第2代藩主・土方雄高(かつたか)が三霊禅師を尾張国より招き、この地に創建したのが始まりといいます。寛文9 (1669)年、火災により庫裡が焼失しましたが、享保11(1726)年、菰野藩5代藩主・土方雄房(かつふさ)が本堂、庫裡、山門を再建立しました。ここも何度も訪ねていますので、今日はパス(2023年11月25日:20231125「菰野ウォーキング」(予告編))。

Img_8651c_20250105151301 Img_8616c  見性寺から伊藤酒造まで、立ち寄るところはなく、ほぼ3㎞の距離をひたすら歩きます。このひたすら歩くというのは、けっこう苦痛(苦笑)。ただ、今日は、コースのあちこちで鈴鹿山脈や、御在所岳(右の写真)が見えていましたので、まだよかった方でしょう。

Img_8681c  伊藤酒造には、11時20分頃に到着。ここも賑わっていました。私は、酒蔵みてある記で何度も訪ねています(たとえば、2020年2月8日:20200208近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 銘酒「鈿女」伊藤酒造と智積養水をたずねて」へ(一回完結))。

Img_8695c_20250105151301 Img_8697c  まずは、試飲(笑)。今日は、「絞りたて鈿女 無濾過 生原酒 特別本醸造」。先月搾った新酒。とはいえ、無料試飲ですから、コップのサイズは右の写真のとおり。一口でした。

Img_8704c_20250105151301  抽選会は、ご覧のとおり、今回も見事にハズレ。最近、当たった試しがありません。

Img_8714c_20250105151301 Img_8753c_20250105151301  新酒即売会では、試飲をした「絞りたて鈿女 無濾過 生原酒 特別本醸造」の720ml詰めを1本購入。¥1,400。

Img_8677c  有料試飲や、燗酒(一合瓶)、つまみの販売もされていて、小宴会ができるようになっていました。ずいぶん迷いましたが、今日は、一人でしたので、一人で飲んでもつまらないと思い、諦めました。

Img_8721c_20250105151301 Img_8758c_20250105151301  そのまま近鉄・桜駅へ。11時35分頃に到着。桜駅を11時45分発の四日市行きに乗車し、近鉄四日市駅には11時59分着。12時11分の名古屋行き急行に乗り変えて、桑名駅には12時23分着。乗り換えの待ち時間にいったん改札を出て、近鉄百貨店四日市店へ。家内から、赤福ぜんざいを買ってくるようにという指令が届いたのです。3つ入りで¥2,300。酒よりいいお値段(笑)。途中下車しましたので、近鉄料金は、桜~四日市が¥320、四日市~桑名が¥360で、合計¥680。

Screenshot-2025_01_05-12_50_34c  今日のGoogle Fitのデータ。歩いた距離は、約8.8㎞。歩数は、14,037でした。

2024年12月24日 (火)

ユリカモメの飛翔シーンに、カワウの格闘シーン……余談はクリスマス・ケーキ(笑)

Dsc01485c_20241219135101 Dsc05701c_20241224152701  クリスマスイブですが、我が家にはあまり関係ありません。写真は、寺町商店街の花屋さんの店頭に飾ってあった、たぶんクリスマス・リース。重いのか、楕円形になっていました。今日も寒くなっています。散歩に出るときの北の空。例によって、冬の典型的なもので、多度山から雲が流れて来ています。藤原岳は、今日も雪が降っているようでした。7時半から、住吉神社、中橋、九華公園、内堀公園、京町、寺町、常盤町、アピタ桑名店、八間通、堤原と6.6㎞。

Dsc05773c_20241224152801 Dsc05809c_20241224152801  住吉入江には、キンクロハジロのオスと、オオバンが1羽ずついましたが、7時半では日陰で写真は割愛。三の丸水門のところにハクセキレイが2羽。

Dsc05873c Dsc05913c_20241224152801  中橋には、ゴイサギが5羽と、ホシゴイが1羽。しばらく前は、いない日もあったのですが、最近は、毎日いるようになりました。

Dsc06163c_20241224152801  九華公園では、今日も小型の野鳥は少なく、写真が撮れたのは、ハクセキレイ1羽。奥平屋敷跡にて。見たのは、カワセミ、ツグミ、コゲラ。カワセミは、2回見たものの、飛んでいるところと、堀越しの対岸という遠いところで、今日は写真は撮れず。

Dsc05944c_20241224154301  カモ、今日は、キンクロハジロが33羽、ハシビロガモが16羽、ヒドリガモが1ペア+オス1羽。ホシハジロは、今日も来ず。

Dsc06680c_20241224152801 Dsc06612c_20241224154701  ユリカモメは、27羽。散歩&鳥見友達のOさんがパンの耳を持参。カモにエサをやり始めたら、例によって、ユリカモメが乱入。ほとんどユリカモメのエサになります。私は、この機会にユリカモメの飛翔シーンその他を撮影させてもらいました。

Dsc06788c_20241224154701 Dsc06447c_20241224154701  橋の欄干にパンの耳を置いても、ユリカモメは、そこに降りてきて食べていきます。

Dsc06941c  こちらは、ちょうどパンの耳を飲み込もうとしているシーン。この大きさですと、ドバトなどはそのままでは食べられませんが、カモやユリカモメは一口。

Dsc06920c_20241224152801 Dsc06931c  近くにも降りてきましたので、ドアップが撮影し放題でした。いやぁ、Oさんのお陰でしっかり楽しめました。

Dsc06987c_20241224152801 Dsc06993c_20241224152801  吉之丸堀を見ると、ちょっと離れたところで、カワウがなにやら格闘中。かなり大きな魚を捕まえ、何とかくわえて、飲み込もうとしていました。私が見つけるよりも、しばらく前から格闘していたと思われます。

Dsc07006c  ただ、いかんせん大きすぎたようで、じきにあきらめて、リリースしていました。遠くて、魚が何かは不明。近くに別のカワウがいたのですが、それも横取りしようとはせず。

Dsc07211c_20241224152901  内堀公園では、ジョウビタキのオス。昨日、この近くで2羽のジョウビタキのオスを見ましたが、そのうちのどちらかでしょう。

1735001915335c Cozy  ところで、アピタ桑名店へは、100均ショップでファイルを買うために行ったのですが、「アピタに行くなら、コージーコーナーでクリスマス・ケーキを買ってくるように」という指令というか、強い願望が、家内と娘からダブルでありました(微苦笑)。最近、自分でケーキなど買いに行ったことはありませんでしたから、いったいいくらぐらいするのか、見当もつかず。クリスマス用のカットケーキは、右の画像のようにどれもいいお値段。しばらく呆然と眺めていたのですが、気を取り直して、人数分ゲットしてきました。昨日、今日と散財しております(笑)。

241224190026218c  【追記】 買ってきたのは、こちらのカット・ケーキ2種類。それぞれ2個。この年になっても、子どもたちに「どれがいい?」と選ばせている自分に笑えました(爆)。以上、お粗末。

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  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)