お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2023年8月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2018年1月以降の記事を残し、2017年12月以前の記事は削除しました(2018年1月1日から2023年8月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

グルメ・スイーツ

2023年9月10日 (日)

20230910長島ファームにて安永氷

230910100225360c 230910100246406c  散歩から帰って一息ついて、こちらへ。10時から営業なのですが、9時45分に着いてしまい、クルマでしばし待機。ナガシマファームです。ナガシマリゾートが運営する施設の1つ。

230910100158087c  目的は、こちら。安永氷(やすながごおり)です。きめ細かな氷に桑名の「安永餅」の名店・永餅屋老舗のつぶ餡をトッピングした夏の限定商品です。4種類ありますが、私は「オリーブ」を是非とも食べてみたいと思っていたのです。

230910100644290c  家内、娘と出かけたのですが、こちらの2品をチョイスして、シェア。オリジナル「苺~いちご~」(つぶ餡・白玉入り、¥850)と、オリジナル「オリーブ」(安永つぶあん白玉入り、¥850円)。「苺~いちご~」は、ナガシマファームで採れ、熟成したいちごで仕込んだシロップと、冷凍いちごをスライスした削りイチゴがトッピングされています。「オリーブ」は、みぞれ氷に、EXVオリーブオイルが贅沢にかけてあり、岩塩で甘みを引き立たせてあります。私は主に「オリーブ」を食べましたが、期待に違わず。絶品といっていいでしょう。オリーブオイルの香りと岩塩によって引き立たせられた、ほのかな甘みが堪りません。なお、安永氷は、「桑名かき氷街道2023」の1つでもあります。

230910100034643c 230910102047250c  もう1つ、ナガシマファームで見たかったのが、この樹齢2,000年を越えるというオリーブの大木。原産地は、スペインのカタルーニャ州タラゴナ県ゴダール。オリーブは、太古の昔から、平和、純潔、強さを象徴し「聖なる木」として崇められてきたそうですが、この存在感はなんともいえません。何度も近寄ったり、あちこちから眺めたりしてきました。不思議な力が満ちているような感じもしてきます。気に入ってしまいました。

230910102645572c 230910100112864c  巨樹には、タッチして、エネルギーをもらいたくなるのですが、囲いがあってすぐそばには行けませんでした。右の写真で手前に移っている大きな壺は、「アンフォラ(Amphora)」という、古代ギリシャ、ローマでオリーブオイルや、ワインなどの液体や穀物を運搬・貯蔵するために用いられた素焼きの陶器だそうです。

2023年8月31日 (木)

ハシビロガモのオス、5月下旬の姿と比較……余談は井村屋の「こしあんバー」

Dsc02475c_20230831150801  8月も今日で終わりです。夏休み中(7月21日~8月29日)、名古屋で猛暑日が25日間もあったそうです。この夏は、とても暑かったことがよく分かります。今朝は、家事を済ませ8時15分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、吉津屋町、京町、寺町と5.5㎞。お盆明けすぐの頃よりは、歩くのも楽になり、汗の掻き方もマシになりました。今日は、32.9℃。

Dsc02482c_20230831150801 Dsc02503c  今日もまた、時間がずれていますので、散歩友達はほとんどいません。鳥も少なくて、いつぞや書いたように、越夏中のハシビロガモのオスの安否確認に行ってきたようなもの(苦笑)。九華公園まで、ほとんど鳥はいません。スズメは、九華公園の朝日丸跡にて。奥平屋敷跡には、今日は、ハシボソガラスがいたくらいで、ムクドリも、スズメもいませんでした。カワラヒワは、本丸跡にて。若者のようです。

Dsc02588c 400c56e8  ハシビロガモのオスは、野球場の南の堀にいました。今日も元気そうでした。ちなみに、右の写真は、同じハシビロガモで、今年の5月下旬に撮った写真です。前管理人のOさんは、「途中で入れ替わって、別人(別ガモ)かと思うくらいだ」とおっしゃいます。確かにそうです。5月頃は、繁殖期スタイルでしたが、今はエクリプス状態。ほかには、公園の外周遊歩道の南でハクセキレイを見たくらい。

Dsc02615c_20230831150801  こちらは内堀南公園の東にいたハクセキレイ。あのファミリーがいたあたりにいました。今日の野鳥は、以上(苦笑)。毎日、ほぼ変わりません。あとはアオサギがいるかいないか、くらいの違い。カワセミは、よほど運がよければ出会えますが、過剰な期待は禁物なのです。

Dsc02454c_20230831150801  ところで、七里の渡し跡には、ハギが咲いていました。九華公園の奥平屋敷跡にもあるのですが、ツツジを剪定するときに、造園業者さんがいっしょに剪定してしまい、今年は咲きそうにありません。造園業者なのに、区別できなかったのか? と思うのですが、最近やってくる造園業者さんは、親方だけがプロで、実際に作業をするのはほとんど素人と思われる人達だったり、外国人の方だったりするみたいなのです。現場にきてから、剪定のやり方をちょちょっと教えているのを見たこともあります。

230831153611671c  江戸橋での非常勤の授業、1回分を追加する必要があり、昨日も「つくったまま寝かせてありますが、そろそろ見直して仕上げないといけません」と書きました。今朝は早くに目が覚めましたので、チェックし、加筆修正して、一応は完成。分量も1コマ分(90分)で収まるものになりました。もう1回寝かせて、最終チェックをしようと思っています。

Dsc02716c_20230831150801  余談その1。寺町にある真宗大谷派の西福寺の掲示板にありました。「悩むは自覚 悩まされるは無自覚」だそうです。自覚は、仏教用語では、「三覚(さんかく)の一つ。自ら迷いを断って悟りをひらくこと」です。「三覚」は、「仏の覚の三相。自覚・覚他・覚行円満の三つ。みずからさとり、他をしてさとらせ、さとりのはたらきが完成していること」。ということは、悟りの働きが完成しているからこそ悩むのだということでしょうか。「悩まされる」と対比すると、「悩む」のは、主体的なことがらだとも思えます。勝手な、素人解釈故、誤りがありましたら、ご教示ください。

230831150133812c 230831150207225c  余談その2。あちこちで噂の井村屋の「こしあんバー」をゲットしてきました。定番アイス「あずきバー」発売50周年を記念してできた商品で、8月28日から数量限定で販売されていますが、アピタ桑名店で家内が見つけたのです。なめらかでスッキリとした甘さになっていて、とても美味しくいただきました。ちなみにネットでは「どこで売っている」という情報が飛び交っています。

2023年8月20日 (日)

20230820寺町クラフトビールフェア

368803236_621719900086607_24165459204967  昨日のブログの最後に追記しましたが、今日は11時から16時まで寺町商店街で「寺町クラフトビールフェア」が開催されています。「行きたいなぁと思っているのですがねぇ……」と書きましたが、実現しました(微笑)。

230820114106762c 230820114255762c  散歩からいったん戻り、さらに所用を1つ済ませ、11時半過ぎに行ったら、すでに大賑わいでした。寺町商店街の北の端にある荷さばき広場が、その会場。ビールは、細川酒造のビールを扱っているbeer bar TOBIRA(右の写真で向かって左のブース)と、長島ビール園が出店。右の写真で向かって右のブースは、後藤酒造。

230820114308439c 230820114706135c  迷ったものの、「5種類飲み比べセット」に惹かれ、長島ビール園でそれを¥1,500でゲット。長島ビール園のビールはいくつか味わったことはありますが、5種類飲み比べられるというのは、魅力的。

230820121755709c  さらに晩酌用に後藤酒造の「青雲 樽酒」(¥1,300)をお買い上げ。樽酒を瓶詰めしたもので、木の香りがして堪らないのです。青雲の樽酒、5年ぶりくらいです(2018年4月7日:風雨をついて、灯街道・桑名宿イベントへ……「青雲 樽酒」をゲット(笑))。

230820114617731c 230820114548059c  長島ビール園の「5種類飲み比べセット」は、つまみも購入して、現地でいただいてきました。これで、夏休み気分をしっかり味わってきたという次第。

【追記(8/20夜)】 後藤酒造の「青雲 樽酒」はやはり美味しい。有名で、美味しい日本酒は世の中にたくさんありますが、「樽酒」を瓶詰めしてあり、ほのかに木の香りがするのは、堪りません。1本全部飲んでしまいそうな勢いでしたが、明日にも少し残してあります。

2023年8月16日 (水)

初盆は無事に勤められました

Img_9786c_20230816192001  実家生活4日目です。昨日の台風7号の影響は昨日書いたとおりで(2023年8月15日:台風7号は、無事に済みそうです)、お陰様でほとんどありませんでした。ただ、朝、散歩に出たとき、川の水はかなり増量していました。左の写真は、湯香里橋から見た榊原川。朝の散歩は、6時50分から3.9㎞ほど。今日は、10時からお寺で初盆法要が予定されていましたので、時間制限。昼食を済ませ、午後から桑名に戻ってきました。

Img_9772c_20230816192001 Img_9778c_20230816192001  まずは、散歩写真から。ヒヨドリをところどころで見ます。桑名では、暑くなってからはほとんど見ませんが、山里にいるようです。今日もまた、ハグロトンボ。

Img_9845c_20230816191901 Img_9944c_20230816191901  昨日と同じく、農民研修所の近くの電線でコシアカツバメが休んでいました。その数、10数羽。そういえば、今シーズンは、いつもの散歩コースではコシアカツバメを見ていません。

Img_9931c_20230816191901Img_9826c_20230816192001 コシアカツバメには、普通のツバメも混じっています。農民研修所から道を挟んで向かい側に大龍山林性寺という天台真盛宗のお寺があります。そこで、イソヒヨドリのオスが2羽ほど飛び交っていました。

Img_0027c_20230816191901 Img_0040c_20230816191901  このあともイソヒヨドリのオス、メスを見ています。オスは3羽くらい、メスは1羽。メスは、湯元榊原館のあたりにて。

230816110202007c 230816105420037c  10時からはお寺へ。今年から、初盆を迎えた檀家の方を一堂に集めて、初盆法要が行われるようになりました。昨年までは、ご住職が、初盆を迎えた檀家を回っておられたのですが、それも大変なのでしょう。法要は、1時間ほどで無事に勤まりました。午前中までは、よく晴れて蒸し暑く、大変でした。お寺にはまだハスの花が咲いています。

230816123352392c  午後、13時過ぎから豪雨になりました。昨日の台風の雨よりかなりひどい雨でした。津のアメダスでは8.5mmの雨量でしたが、もっとよく降った印象。

230816114914178c  実家あたりでは、セミは、ヒグラシ(左の写真)、ツクツクボウシが優勢です。クマゼミの鳴き声も聞こえますが、少数派。

230816120354382c  オマケは、食べ物の話し。まずは、初盆法要を予定していましたので、今日の昼は、町内にある「キッチンしろ」さんのオードブルを頼んでおきました。ローストビーフを売り物にしておられます。美味しいローストビーフでした。肉はしっとりとしています。けっこう人気のお店です。

230816175511429c 230816175930285c  夕食は、珍しくジャンクフード(微苦笑)。マックの「ハワイやんバーガーズ」から、ガーリックシュリンプ(¥470)。ハワイの名物料理に「ガーリックシュリンプ」があるそうですが、エビカツにサクサクとしたフライドガーリックのピリ辛の特製ソースが合わせてあります。エビの旨みにガーリック風味のスパイシーなソースがよく合います。ピリッと辛く、夏の味です。

230815153901308c230815154011749c  もう1つ。パスコ(敷島パン)の「生なごやん」。亡くなった義母が「なごやん」が好きでしたので、お盆の仏壇のお供え。創業100周年を記念して社員の方のアイデアで生まれた商品だそうです。カステラ生地中の小麦粉として、愛知県産小麦きぬあかりを100%使い、黄味あんにはクリームが混じっています。これまでのなごやんとは違って、しっとりやわらかな食感でした。

Img_9816c_20230816192001  お盆は無事に終わりましたので、明日からはいつも通りの生活に戻ることにします。なお、江戸橋での非常勤先の成績報告については、今日、受け取り、確認したという連絡がありました。これで本当に前期の仕事はコンプリート。

2023年7月30日 (日)

赤福氷

Dsc00664c Dsc00677c_20230730163601  今日も猛暑日です。桑名は、35.8℃。三重県には、熱中症警戒アラートが出ています。土用の丑の日だそうです。寺町商店街には、ズバリ「うなぎや」というお店がありますし、魚末さんの店頭にも「本日 うなぎ土用丑の日」と朱書された紙が貼られていました。ちなみに、夕食にウナギが登場するということはなさそうな雰囲気です。

Dsc00711c_20230730163601  今朝も、暑さを避けようといつもより30分早く、7時から散歩へ。寺町、京町、吉津屋町、外堀、内堀南公園、貝塚公園、九華公園、住吉神社と逆回りコース。歩いたのは、このあとの外出も含め、トータルで6.8㎞。暑いのと、昨日の花火の影響か、鳥影はほとんどありません。スズメやムクドリでさえほとんど見ないのです。九華公園で越夏中だったハシビロガモのオスも、今日は所在不明。これまでにいたところを見て回ってきたのですが、いませんでした。花火の大音響に驚いて、どうかしたのではないかと心配しています。

Dsc00831c_20230730163601 Dsc00779c  その九華公園で見た鳥は、スズメとハクセキレイ。ほかにはハシボソガラスを数羽。ドバトやムクドリもいません。スズメは奥平屋敷跡のところの花菖蒲園で、ハクセキレイは吉之丸堀の上を通る電線で。ハクセキレイは暑いのか、口を開けていました。

Dsc00742c_20230730163601  トンボは同じようなメンバーしかいません。奥平屋敷跡の南の堀で、コシアキトンボが止まっていました。散歩友達にも誰にも会わず。

Dsc01092c_20230730163601  揖斐川沿いでは、昨日の花火大会の後片付けが行われていました。住吉神社を囲っていたフェンスも撤去されています。

230730123821226c  1690694895349c 散歩から帰ったら、娘が四日市に所用があるというので付いていって、ついでにこちらへ。東名阪道御在所サービスエリアのEXPASA御在所(上り線側)です。一般道から入れ、専用駐車場があります。ここにある赤福のお店で、赤福氷をいただこうという次第。

230730131126853c  230730131315679c いつもは並んで待つというのはしないのですが、このときは別。20分ほど行列して待ち、赤福の夏の涼味「赤福氷(¥600)」。餡とお餅は赤福そのものではなく、冷たい氷になじむよう特製されたものが、別々に入っています。蜜は、抹茶。

Dsc00681c_20230730163601  今週は、江戸橋方面での非常勤の仕事はありません。補講期間で、私は休み。明日は、熱中症警戒アラートが発令されなければ、同級生K氏と市内ウォーキングに行こうといっています。来週までほかに仕事その他はありません。

2022年8月15日 (月)

三重県護国神社にお参りし、東洋軒でブラックカレーを食べたお話

Img_9323 Img_9304c_20220815173301  実家も3日目。今日は、朝一番に散歩をしたのち、外出。まずは、三重県護国神社へ。家内の叔父が第二次大戦で戦死しており、ここに祀られているのです。戦死したのは、ソロモン諸島と伝わっていますが、遺骨は帰ってきていません。実は、私がここにお参りに行くのは初めて。ちょうど「万灯みたま祭」が今日まで開催され、境内には約6,000灯の提灯が奉納されていました。夜には、提灯に明かりが入りますので、昼とはまた違った光景になると思います。

Img_9312c_20220815173201 Img_9327c_20220815173201  社務所で「慰霊祭」を申し込み、奉納神饌料¥3,000也を納めて、慰霊をお願いしてきました。お下がりは、古代米と御神酒。御神酒は、宮崎本店の「宮の雪」です。その後、拝殿にてお参りをしてきました。

Img_9368c_20220815173201 Img_9349c_20220815173201  境内には、「遺品資料館」があり、ここも娘と拝観してきました。日清戦争からの戦争や、戦時中の暮らしに関わる資料が多数展示してあります。召集令状(いわゆる赤紙)の本物も初めて見てきました。境内案内はこちらにありますが、昭和天皇も行幸されています。

Img_9357c_20220815173201 Img_9354c_20220815173201  ここの狛犬さんは、ちょっとユニークでした。青銅製のようで、たいていは「阿吽」の対になっているのですが、どちらも「阿」でした。サイズもちょっと大きめ。

Img_9406c_20220815173201  護国神社へのお参りを済ませてから、津合同庁舎にある法務局によって、所用を済ませました。家内の実家の相続登記を済ませましたので、書類を受け取ったという次第。相続登記が義務化され、令和6年4月1日から制度の運用が始まるので、という次第。罰則もあるということです。

Dsc_6711c Dsc_6708c  以上で、本日の重要なdutyは終了。昼食は、かねてから一度行ってみたかった東洋軒へ。と思ったのですが、法務局から近い本店は、月曜定休。そこで、法務局からは車で15分ほどのところ、イオンモール津南にある東洋軒グリルへ。11時15分過ぎに到着。11時開店でまだ席にはかなり余裕があり、ラッキー。創業は明治22(1889)年、伊藤耕之進が牛鍋屋『今福』の名で、東京・三田四国町に開業したのが始まりです。 明治30(1897)年、伊藤博文や歴代の閣僚の薦めによりその『今福』に隣接して開業されたのが西洋料理店『東洋軒』。昭和3(1928)年に、三重県津市に「東京東洋軒出張所」が開設されました。現在、ピッツェリア・リストランテ・プレーゴ、RIZ CAFE、東洋軒グリルを展開。三重県津市が本店で、三重県を中心に他、東京、名古屋を含め10店舗。我が家の近くでは、ジャズドリーム長島にも店があります。

Dsc_6705c Dsc_6701c  私がどうしても食べたかったのは、東洋軒名物とされるブラックカレー。¥1,100。陶芸家で、百五銀行頭取も務めた津の名士・川喜田半泥子が、「黒いカレーができないか?」といったのを承けて、津の東洋軒初代料理長・猪俣重勝が、長い間研究を重ね、出来上がったのがこのブラックカレーです。ブラック・ルゥは、上質な松阪牛脂と小麦粉、秘伝のスパイスを手間暇かけてじっくり炒めた香ばしさと旨みがあります。まろやかな味わいでした。かつてなくおいしいカレーでしたが、これは失敗したかなという気もしました。というのは、他のカレーが食べられなくなってしまうのではないかと危惧しているのです。それくらい、また、今までに食べたことがなかったくらいおいしいカレーでした。

Img_8573c_20220815173301 Img_8909c_20220815173301  初めに書きましたが、外出前には、いつものように散歩に行っています。今朝は6時半から2時間ほど。昨日とは逆回りに町内一周、「からだメイト」では6.8㎞。町内唯一のコンビニにも行って、朝刊を買ってきています。今朝は、あちこちでダイサギを目撃。10数羽も、です。

Img_8708c_20220815173301  アオサギは2羽。左の写真は、尺ヶ寺橋のところで見つけましたが、のぞき込んで写真を撮ろうとしたら、すぐに逃げました。どこのアオサギも同じ行動パターンで笑えます。もう1羽は、コンビニからの帰り道、道路からちょっと離れた樹上で、「ヘンなおじさん」ポーズ。

Img_8846c_20220815173301  今日の散歩のハイライトは、こちら。トビを2羽、目撃。まず、こちらは、ファミマの近くの電柱に降りてきました。ほぼ65倍ズームで、ノートリミングです。

Img_9075c_20220815173301 Img_9035c_20220815173301  もう1羽は、ラムちゃんパーク湯の瀬の東あたりにて。このトビは、道路脇の電柱にいて、すぐ下まで行っても、悠然としていました。これらの写真もノートリミングです。

Img_9031c  ラムちゃんパーク湯の瀬の近くでは、今日もホオジロのオスが1羽。さえずっています。

Img_8625c_20220815173301 Img_9248c_20220815173301  他に見た鳥たち。左はハクセキレイでしょう。実家近くのお宅にて。右は、セグロセキレイ。実家の西のお宅にて。

Img_8594c_20220815173301 Img_8693c_20220815173301  ツバメはたくさんいます。今日見て回った印象では、ツバメとコシアカツバメごが半々くらいの印象。今日も農民研修所の巣を見に行ったものの、ヒナは見られず。親ツバメは巣に出入りしているのですが……。

Img_8938c_20220815173301  ゆったりと過ごしていた実家生活も明日まで。ゆったりと生活が出来るので、こちらに住んでも良いかと思うのですが、買い物と病院がネックです。クルマに乗れる間ならば、ここで暮らしても良いという気がします。こちらで残した課題は、田んぼアートのチェック。今年は、このあたりに伝わる「かんこ踊り」がモチーフだそうです。写真は圓浄寺の蓮のつぼみ。

2022年8月 6日 (土)

アマサギ再び……石取祭・試楽について付記

Dsc07576c Dsc07638c  今日も不安定な天候が続いています。朝一番に、家事を済ませ、雨雲レーダーを眺めていました。四日市から川越あたりに雨雲が見え、迷ったのですが、エイヤッとプチ遠征。長島方面へ。アマサギをもう一度よく見ようという次第。また、雨が降らなければ、長良川河口堰にも寄ってこようとも。9時前にクルマで出発。長島では、県道7号線沿いの2ヶ所でアマサギを発見。うち1ヶ所でじっくりと見てきました。

Dsc07610c_20220806121501 Dsc07548c  15羽くらいいたサギのすべてが、たぶんアマサギ。飴色をしているのは、婚姻色。右の写真の2羽も、アマサギだろうと思います。

Dsc07692c  アマサギをしっかりと見られましたので、それなりに満足。雨が渋ついてはいたのですが、まだ本格的には降ってきませんでしたので、長良川河口堰にも。ただし、河口堰についたときには、すでにこんな空模様。Yahoo!天気をチェックしたら、30分ほどで雨が降ってくるとありました。管理橋を渡って、西側の親水広場まで行くのは諦め、東側の魚道のところだけ見てきました。

Dsc07698c_20220806121501 Dsc07716c  上流側にいたのは、アオサギ1羽と、コサギ1羽。どちらも、魚道にいたのですが、カメラを構えたとたんに堤防上に逃げられました。写真を撮るだけなのに、といつも思います。

Dsc07788c Dsc07745c  下流側にもアオサギ1羽と、ダイサギ1羽。こちらも魚道でエサを探していたのですが、かなり遠くまで逃げていきました。もう少しフレンドリーになってほしいものです。

Dsc07799c  サギの写真を撮っているうちに、雨雲が近づいてきました。揖斐長良川の対岸の桑名市街地の方も降り始めたようでしたので、撤収。長島町内&河口堰にいたのは30分あまり。伊勢大橋を渡る頃には、本降り。

Dsc_6650c Dsc_6652c  このあと、今日の晩ご飯をゲットしに行ってきました。「昼ご飯の前に、気が早すぎる」といわれるでしょうが、昼は自分でやります。あの「あーちゃんのおかず屋さん」で日替わり弁当をお買い上げ(税込み¥550)。エビフライ、ちくわ天、コロコロちゃん(ホタテフライ)。インスタには、「いっぱい食べて、石取り(注:石取祭)に備えましょう」とありました。

Dsc07519c_20220806121501  ベランダ園芸のオマケ。アサガオは、今日も2輪が咲きました。相変わらず、薄い紫色の花。去年は、青い花も咲いたのに、今年はまだ見られません。さらに、もう1鉢のよく茂っている方は、今のところまったく咲かず。なかなか思うようには行きません。夕方からは、曇りの予報ですが、天候は不安定のようですから、石取祭の試楽には行かないかな、と思います。時節柄、人混みは避けたいですし。午後からは、読書と、去年の市民大学郷土史学科のまとめでもすることにします。

Dsc07808c Dsc07833c_20220806165901 【石取祭についての若干の追記(8/6、17時前)】 午後からは晴れてきて、あちこちから石取祭の鉦太鼓が聞こえてきます。夕方18時頃から、各組ごとに試楽があります。写真は、我が家のすぐ南の今北町の祭車(さいしゃ)。桃太郎が乗っています。祭車の後部に鉦と太鼓が取り付けられ、これを叩きながら移動しています。この鉦太鼓の音が賑やかで、「日本一やかましい祭り」といわれます。

Dsc07890c Dsc07869c  さらに追記(8/6、19時半前)。我が家近くの寺町、堤原、今中、今北、今中の5町内は、氏神様である北桑名神社から試楽を始めます。写真は、19時半少し前のもの。北桑名神社で試楽を終えたあと、町内を練り歩きます。

Dsc07917c  これら3枚の写真は、堤原の祭車。昭和29(1954)年の建造。12張りの提灯のほか、神功皇后の造りものも乗せられます。祭り気分は高まってきていますが、試楽には結局行きませんでした。

2022年7月11日 (月)

桑名七里の渡し公園でチョウトンボか??

Dsc09532c  日中はよく晴れて、気温も32.9℃と真夏日。週末、用事がいくつか重なりましたので、今日の気分は、「休園日」(微笑)。写真は、桑名七里の渡し公園にて。月に1回の休園日でした。散歩は、いつものように、7時半から住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町、南魚町、田町、三崎通と5.7㎞。最近は、なかなか6㎞を超えなくなっています。

Dsc09561c  散歩に出てすぐ、桑名七里の渡し公園と住吉ポンプ場の間を歩いていたら、ヒラヒラと飛ぶトンボを見つけました。桑名七里の渡し公園の中の木に止まったところ。アングルがよくありませんでしたが、開園前ですし、いずれにしても休園日でしたから、中には入れず。チョウトンボのように見えますが、ちょっと目を離したら、いなくなってしまいました。十分には確認できず。チョウトンボがこの辺りにいるなら、うれしいのですが……。

Dsc09621c  こちらは、三の丸水門のところから見た揖斐川の上流方向。いかにも暑そうな雰囲気で、歩いている人はほとんどいません。散歩を止めたのか、もっと早い時間に歩くようになった人が多いのか? 私は、年中7時半スタートです。よく言えば時間厳守、ぶっちゃけていえば融通が利かない(苦笑)。

Dsc09648c Dsc09669c  九華公園は、今日も相変わらず鳥はいません。見たのは、カワラヒワ、スズメのほかには、ムクドリと、上空を飛ぶツバメくらい。ドバトもほとんどいませんし、カラスはこのところ見ていません。

Dsc09684c  代わりに公園の主役になっているのは、クマゼミたち。まだ「大合唱」というほどではありません。盛りの時期になると、クマゼミがたくさん鳴いている木の下へ行くと、アタマが痛くなるほどの鳴き声になります。

Dsc09723c  公園で出会ったのは、前管理人のOさんと、同級生K氏。K氏は、出勤途中。今日は、K氏に会いそうな気がしたのですが、鳥も散歩友達もいませんでしたので、早めに公園内を回り、二ノ丸橋の南の袂辺りでウロウロしていたら、K氏に遭遇したという次第。

Dsc09936c  貝塚公園でも、スズメがいたくらいで、ほかに目立ったのはクマゼミの鳴き声。久しぶりに散歩友達のSさんに会いました。内堀南公園にはほとんど鳥はいません。写真は、田町の商店にあるツバメの巣。親ツバメはおらず、ときどきやって来ては、写真のように巣の中を覗いたり、巣に頭を突っ込んで何かをしていました。ひょっとしたら、ヒナが孵っているのかも知れません。この巣はちょっと深いので、孵ったばかりのヒナは見えないのです。

Dsc09874c  こちらは、三崎通のお宅にあるツバメの巣。金曜日には、ヒナは4羽いたはずなのですが(2022年7月 8日 :コシアカツバメの巣に気づく(苦笑)……三崎通の巣のツバメのヒナは4羽)、今日は2羽しか見えませんでした。何かアクシデントがあって、2羽になってしまったのかも知れません。

Dsc00041c Dsc00078c  住吉ポンプ場にあるコシアカツバメの巣。親ツバメは、隣にある桑名七里の渡し公園の上空などを飛び回って来ては、巣に出入りしています。巣の奥まで入ってから、右の写真のように、いったん顔を覗かせ、辺りを見回してから、巣を出ていきます。こちらにも、ヒナがいるのかも知れませんが、このような形の巣ではなんとも確認のしようがありません。

Dsc00012c_20220711171901 Dsc00108c  コシアカツバメは、ときどき巣の前にある電線で休んでいます。ここは、あまりよいアングルでは写真が撮れません。どうしても見上げる形になってしまいます。

Dsc09731c  さて、鳥がいないこともあって、あちこちで花が咲いていないか、気を付けてみてきました。オニユリは、九華公園の外周遊歩道の東にあるお宅で、毎年咲きます。ありきたりのアングルで撮ってしまうことが多いので、バリエーションをつけようと少しだけ努力しました(微笑)。ほかのアングルも撮ったのですが、ピンボケ多発。

Dsc09804c Dsc09809c  K氏が三崎通でサボテンの花が咲いていたと教えてくれましたので、ツバメの巣を見たついでに行ってきました。よく見かけるサボテンですが、名前は知りませんでした。「エキノプシス・オキシゴナ (旺盛丸)」というようです。ブラジル南部からウルグアイ、アルゼンチン北部に分布しています。

Dsc09817c_20220711172001 Dsc09821c_20220711172001  サボテンが咲いていたお宅の近くでは、キキョウとセンニチコウ(千日紅)でしょうか。それにしても、Googleレンズで当たりをつけて、きちんと調べると大体分かるようになりましたから、便利になったものです。植物図鑑をひっくり返しても、なかなか分かるものではありませんから。

Dsc09674c  オマケは、自分の記憶のためのもので、恐縮。まずは、桑名市博物館の次の展覧会のポスター。7月20日から8月28日まで、「壬申の乱と桑名」という展覧会が予定されています。特集陳列として、あわせて「刀剣コレクションⅡ」も開かれます。「桑名」という地名が公式文書に最初に出てくるのが、壬申の乱についての日本書紀の記述なのです。大海人皇子鸕野讃良(うののさらら)皇女が、吉野から伊賀を経て、桑名郡家にお泊まりになったというのです。

Dsc09748c_20220711172001  もう1つは、鎮国守国神社の茅の輪くぐり。7月20日の午後、行われるというポスターを見つけました。

Dsc09757c  明日は、雨の予報。残念。散歩ができないとウロウロします(苦笑)。しかし、まぁ、水曜は曇りのち晴れということですから、良しとしましょう。今年も、桑名かき氷街道のイベントをしているようです(7月1日~9月30日)。去年は食べ損ないました。The Funatsuyaさんや、柿安料亭本店のものは素晴らしいのですが、値段も敷居も高い(苦笑)。御用達の珈琲館はせ川さんか、寺町の和菓子屋さん辺りなら対応可能。

2022年6月21日 (火)

20220612水の都・大垣ウォーキング(その3)……船町川湊から美濃路を歩いてゴールの大垣駅へ(完)

Ogaki0_20220620182901  6月12日の「水の都・大垣」ウォーキングの本編その3です。奥の細道むすびの地をしっかり見て、船町道標のところへ来ました。ここから美濃路を歩いて行きます。ルートマップでは、左下にある水都公園のあたりからになります。船町道標のところに大垣城京口門跡、その近くに飯沼慾斎邸跡、柿羊羹で有名なつちや本店を見て、美濃路大垣宿本陣跡、善念寺、問屋場跡、本町道標、大垣城大手門跡、広嶺神社、大垣城名古屋口門跡、稲荷神社、栗屋公園を経て、掘抜井発祥の地、愛宕神社、岐阜町道標を回って、大垣駅へ。昼食を食べてから、金蝶園製菓本店で土産の水まんじゅうをゲットして、コンプリート。

Img_5179c_20220612191201 Img_5197c_20220618175701   水門川の東側に戻り、美濃路を歩きます。水都公園の近くに船町道標。道標は、高さ約2mの円柱状の石製で、文政年間(1818~1830年)に大垣城下京口御門(西総門)の南、美濃路沿いに建立されました。その標面には「左 江戸道」・「右 京みち」とあり、さらに上部には旅人の道中の安全を願い梵字(種子)が刻まれています。第二次大戦で被害を受け、路傍に横たわっていたのですが、修復されたといいます。船町道標の東、水都公園の脇に大垣城西総門(京口門)跡(右の写真)。京都方面にあることから、京口門とも呼ばれました。総堀に橋を架け、門をもうけることによって、防御としています。

Img_5215c_20220618202401  水都公園から北に向かい、はな街道に出た東南角のところが、飯沼慾斎(いいぬまよくさい)邸跡です。飯沼慾斎(天明3(1783)~慶応元(1865)年)は、伊勢亀山の西村安守の次男で(2022年5月11日:20220507東海道ウォーキング「亀山宿~関宿」(その1)……亀山駅をスタートし、武家屋敷などを見て、京口門跡あたりまで)、母方の親戚である大垣の飯沼長顕の娘と結婚し、この地で蘭方医として医学に従事しました。長顕は大垣で町医者をしており、慾斎はそのもとで儒学、医学を習い、京都で福井丹波守に学んだ後に、長顕の娘と結婚して飯沼長顕の跡を継いでいます。28歳の時に、江戸で宇田川玄真に蘭学を学び、天保3(1832)年に義弟に家業を譲って隠居し、大垣郊外に平林荘を築いて30年ほど本草学の研究に専念しました。リンネの分類法を用いた日本で最初の体系的な植物図鑑「草木図説」を安政3(1856)年から文久2(1862)年にかけて出版。人体解剖、種痘、写真の研究などにも取り組んだそうです。

Img_5222c_20220619045601  美濃路をたどっていくと、スタートから4㎞を過ぎたあたりに、柿羊羹のつちや俵町本店があります。すごい建物というか、看板が屋根に乗っており、また、卯建も上がっています。しばし、見入ってしまったくらい。宝暦5(1755)年(薩摩義士による宝暦治水工事が完成した翌年)に、園助という人が「柏屋光章」という屋号で店を開いたのが始まりだそうです。柿羊羹は四代目右助という人が天保9(1838)年に、堂上蜂屋柿の濃密な甘味に注目して、これを羊羹の材料として利用して創製したといいます。ちなみに、柿羊羹は、今回のウォーキングでは購入しておりません。

Img_5247c_20220612191201  つちや俵町本店の先に美濃路大垣宿本陣跡。美濃路は、中山道の垂井宿から、東海道の宮宿(名古屋市熱田)までの約57.5kmの街道です。ここ大垣宿の本陣は、永禄年間(1558~1569年)に創建されたとされています。建物の一部が保存されていますし、明治天皇がお泊まりになったときの部屋も残っています。また、大垣祭の山車に関する資料もたくさん展示されていて、地元の方が説明してくださいました。地元の方が、交代でここに詰めて、観光客の対応をしておられます。ちなみに、明治天皇は、明治11(1878)年の東海・北陸御巡幸の際に宿泊されており、「大垣宿本陣跡附明治天皇行在所跡」として大垣市の史跡に指定されています。この明治天皇の北陸・東海巡幸は、明治11(1878)年8月30日に出発し、東京から前橋・長野・新潟・富山・金沢・福井・京都・岐阜・名古屋・静岡をめぐって11月9日帰京するという、陸路72日間の大旅行だったそうです。

Img_5258c_20220619075801 Img_5266c_20220619075801  大垣宿本陣跡からさらに東へ。美濃路は、結構何度も曲がっています。北に向かう角に真宗大谷派の龍谷山善念寺。事前の調べでは、特に情報はなかったのですが、山門が左の写真のように、珍しいものでしたから、同級生K氏曰く「これは珍しいから、写真を撮って、ブログに載せろ」(笑)。山門の屋根の材質は何か分かりませんが、銀色で、太陽の光を反射して目立っていました。

Img_5270c_20220619080201  善念寺の対面に問屋場跡があります。問屋場は、宿場において人馬の継ぎ立て業務を行ったところです。問屋役や、その助役の年寄、事務担当の帳付、馬指、人馬指が詰めていました。大賀寄宿の問屋場は、もとは本町にありましたが、寛文の頃(1661~1673年)、ここに移ったといいます。幕末には、問屋役は飯沼家が、本陣役と兼帯していたそうです。

Img_5274c_20220619120801  問屋場の先に本町道標。「左江戸道 右京道」と刻まれています。新しいなと思ったら、昭和48(1973)年に再建されたものだそうです。美濃路と竹鼻街道の分岐点に建てられたもので、竹鼻街道は、当初、大垣と竹鼻の往来に利用されたのですが、宝暦治水工事の完成と、宝暦11(1761)年に駒塚の渡しが開設されて、美濃路の短絡道として盛んに利用されることになったといいます。竹鼻街道は美濃国大垣宿から美濃街道と分れ、揖斐川、長良川、木曽川の大河を渡り、尾張国富田宿(愛知県一宮市尾西・富田)で再び美濃街道と合流する街道です。

Img_5289c  続いて、大垣城大手門跡へ。美濃路からは、少し西に入ります。大垣城七口之門の1つで、お城の東にあり、大垣城の正門で、本町に通じていました。初めに高麗門と呼ばれる外の門をくぐると、内側には第二の門である櫓門があり、二重に城門を配置した枡形形式の堅固な門だったといいます。明治4(1871)年に大手門を取り壊し、その跡地に広嶺神社が移建されています。境内東側の石垣は往時のものといわれており、そこにある水路がかつては、堀でした。

Img_5299c_20220620181101 Img_5302c_20220620181101  広嶺神社は、天正年間(1573~1592年)の創建で、もとは下魚屋町にありました。上記のように、明治4(1871)年にここ大手門跡に移転し、広嶺神社と改称しています。大正9(1920)年、本殿・拝殿を造営したものの、昭和20(1945)年7月の空襲で焼失しています。

Img_5304c  狛犬が独特でした。狛犬については、興味はあるものの、詳しくはありません。このタイプの狛犬をどこかで見た記憶はあるのですが、どこの神社だったか、今のところ思い出せません。

Img_5313c_20220620183101 Img_5319c_20220620183101  美濃路に戻って、田中屋煎餅総本家の前に脇本陣跡。この場所は本町大手北側で、戸田家の大垣入封に随従した上田家が務めるようになった元禄の頃(1688~1704年)に成立したといいます。この脇本陣は、「本町本陣」とも呼ばれ、間口12間半、奥行き16間半あまりで坪数127坪半もの格式ある建物でした。その先、美濃路が右折して、東に向かうところが高札場跡。ここは、いわゆる札の辻。高札場は、明治6(1873)年に廃止されましたが、その後、昭和になっても、掲示板として使われていたといいます。

Img_5324c_20220620192701 Img_5327c  高札場跡の先に大垣祭の軕(山車)が収めてある倉。美濃路大垣宿本陣跡で聞いた説明によれば、確かこの倉に収まっている、本町の軕がもっとも大きということでした。右の写真は、大垣城名古屋門口跡。

Img_5331c_20220620193301 Img_5335c_20220620193301  交差点を渡った先には、稲荷神社。大垣城主戸田氏定によって、享保12(1727)年9月の建立。大垣藩主から、毎年御供米15俵などが寄付されたそうです。廃藩後は、明治8(1875)年以降、中町、栗屋町の神社となっています。この稲荷神社も、昭和20年の空襲で、焼失しています。

Img_5350c_20220620194101 Img_5363c_20220620194101  稲荷神社の北に栗屋公園があります。美濃路沿いにここにも自噴井があるというので立ち寄ってきました。いくつかの自噴井がありました。右の写真にある説明板によれば地下150mから563リットル/分の湧水があるそうです(設置時のデータ)。

Img_5365c_20220612191201
 大垣駅近くまで戻ってきました。平和通りに堀抜井発祥の地。天明年間(1781~1789年)頃まで大垣地方では、生活用水として各町の裏通りを流れる用水を利用していましたが、渇水期になると、大垣の三清水(西外側町、清水町、室町)まで汲みにゆくことになり、非常に不便でした。天明2(1782)年、こんにゃく屋文七が、川端に2m程の穴を掘りそこに5mの材木を打ち込み、その後へ節を抜いた青竹を力いっぱい打ち込んだところ、その竹の先からきれいな水が噴出してきたといいます。これはこれはと大層喜び、「これはの井」と名付けられたそうです。それ以来どこの家でも、自噴の井戸が掘られるようになり「井戸槽(いどぶね)」と呼ばれています。

Img_5382c_20220612191201 Img_5379c  大垣駅のすぐ南東に、愛宕神社があり、その境内に岐阜町道標。 愛宕神社のご祭神は、軻遇突智神(かぐつちのかみ)。寛政6(1794)年に創建され、文化9(1826)年、火災に遭い近くにある文珠寺の北へ遷座したのですが、明治4(1871)、創建の旧地へ戻っています。岐阜町道標(ぎふまちみちしるべ)は、重要有形民俗文化財に指定されている道標。高さ3m余の角柱状の常夜燈で、文政5(1822)年、石工の中谷甚平光景が岐阜町から美濃路への南の出口に建立したものです。正面に「右きそ路」「左・京ミち」、左面には「北たにくミ道」とあるほか、道中の安全を願い、梵字(種子)が右面に8文字、左面の上部に1文字深く刻まれています。

Img_5399c_20220620194601 Dsc_6530c  これで今日訪れるところは、コンプリート。14時になっていましたので、何はともあれ、昼ご飯。大垣駅ビルのアスティ大垣へ。1階にある「おらが蕎麦」でちくわ天おろしそば(¥660)。なんとなく既視感があって、調べてみたら、津駅にある津チャムの「信州そば処 そじ坊」と同じ会社(グルメ杵屋レストラン)でした。

Img_5405c_20220612191201 お腹を満たしたあと、もう1つ重要なミッションがあります。土産を買わなければなりません(微笑)。朝、大垣駅をスタートした直後、狙いをつけておいた「金蝶園製菓総本家」へ。大垣駅の南。ここで、大垣名物水まんじゅうを買うことにしていたのです。大垣の水まんじゅうは、大垣の名水によって明治時代の初めに生まれました。冷たい地下水に漬けて冷やすよう、葛に水に強いわらび粉を混ぜ、柔らかく炊き上げた生地を陶器のお猪口に流して固めたものです。

Img_5455c_20220612191201  こちらが、今日の土産。こし餡のものと、向かって右は、「ミナモ」。岐阜県のキャラクターであるミナモをイメージし、水色(ソーダ餡)と黄色(レモン餡)がストライプ状になっています。

Img_5414c_20220612191201 Img_5411c_20220612191301  養老鉄道大垣駅には、14時40分にゴール。次の桑名行きは、15時6分発。桑名には、16時18分着。

Img_4549c_20220620195101  行きも帰りも、7700系の電車。東急からやってきたステンレス車両。

Img_5460c_20220612191201  この日の歩数は、19,089歩でした。現地で6.3㎞、自宅から桑名駅往復が2.4㎞ですから、合計8.7㎞。まぁ、よく歩いた感じです。

2021年12月 9日 (木)

先週土曜日以来のいつものコースの散歩

Img_2959c_20211209171801  今日は好天で、暖かくなりました。最高気温は、16.7℃。午後からなど、上着がいらないくらいです。いつものコースの散歩は、12月4日の土曜以来。7時半から住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀公園、紺屋町、新築公園、常磐町、老松公園、寺町と5.9㎞。

Img_2422c_20211209171801 Img_2476c_20211209171801  桑名七里之渡し公園でメジロ。遠くから鳴き声が聞こえていましたが、いたのはこの1羽。住吉水門の内側には、ヒドリガモが7羽。オス3羽、メス4羽。揖斐川にはオオバン2羽や、キンクロハジロ1羽、カンムリカイツブリ1羽が浮かんでいました。あの集合場所、今日はアオサギの姿はありません。

Img_2554c_20211209171801 Img_2580c_20211209171801  三の丸水門のところで、イソヒヨドリのメスと、ジョウビタキのメスが同じ木に。どっちも撮りたいと、少々焦ったものの、しばらくそのあたりにいてくれ、両方撮れました。ただし、ジョウビタキの方は、ちょっとだけ枝かぶり。

Img_2709c_20211209171801 Img_2734c_20211209171801  九華公園には8時に到着。久しぶりにカモたちに餌をやる人があり、ちょっとした騒ぎ。パン屑がまかれたら、ユリカモメ2羽が登場。それまで姿は見なかったような気がします。

Img_2646c Img_2767c_20211209171801  カモは今日は合計53羽。ホシハジロのオス1羽、ヒドリガモのオス1羽にメス2羽、ハシビロガモは合計10羽。他はキンクロハジロ。これらの写真は、ハシビロガモ。ハシビロガモは水に潜れませんので、水中の餌を採るときは、右の写真にあるように逆立ち。

Img_2670c_20211209173601  あのカイツブリは、今日もいました。二の丸橋の南側のたもと近く。奥平屋敷跡から撮った写真です。グルッと回ったら、もういなくなっていました。

Img_2661c_20211209173401 Img_2780c_20211209171801  奥平屋敷跡では、メジロ2羽。今日は、ヒヨドリも、ドバトも、ハシボソガラスも少ない。昨日も、ほとんど何もいなかったそうです。ツグミは鳴き声は聞いたものの、姿は見えず。シメ、シロハラはまだ見ていません。アオサギさんは、辰巳櫓跡近くの松の木の上。以前は、九華橋近くの樹上によくいたのですが、葉っぱが落ちてしまったためか、そこには来なくなりました。

Img_2808c_20211209171801 Img_2819c_20211209171801  鎮国守国神社にあるドウダンツツジ。全体的にかなり真っ赤になってきています。左の写真は、社務所近くの松の木に生えているイロハモミジ。紅葉してきています。「宿り木」ではありませんが、松の幹の窪みに種が落ちて、松の幹から生えてきているのです。

Img_2847c_20211209171801 Img_2900c_20211209171801  貝塚公園ではヒヨドリとメジロの声。内堀公園では、一瞬ジョウビタキのオスが見えたものの、見失いました。代わりにスズメ。新築公園では、いつものジョウビタキのオス。

Img_2946c_20211209171801  住吉入江に戻って来たら、キンクロハジロのメス1羽。住吉キンクロウズです(微笑)。

Img_2512c_20211209171801  昨日の授業のQ&Aは、午後、一通り完成しました。夜、チェックして完了の見込み。学生たちは質問、感想を寄せてくれる他、授業で取り上げたテーマに関連する自分たちの体験などを教えてくれます。Q&A書きは、大変なのですが、なかなかおもしろいのです。明日午後は、歯科受診。歯の治療が終わるはず(と思っています)。

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  • 石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑

    石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑
    野鳥図鑑はすでに何冊も持っていますが、この野鳥図鑑は、2015年の刊行で、なぜ今までこの存在に気づかなかったと反省するほど便利そうなもの。掲載されているのは324種ですが、それぞれの特徴や、見わけのポイントがパッとわかるようになっています。その鳥の生活型や生息地、食性や羽色、形態などのほか、雌雄、夏羽冬羽、幼鳥などで特徴が異なる場合は、それらについても説明されています。観察したい行動から、おもしろい生態、探し方までもが載っていますし、鳥の鳴き声が聴けるQRコードも付いています。私自身、野鳥の特定がけっこうアヤシいので、しっかり活用しましょう。 (★★★★★)

  • 千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)

    千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)
    「東海の街道」シリーズの第4巻です。「街道歩きのお供に最適の1冊」といううたい文句。内容は、三重の主な街道、近世三重の城郭図・城下図を読み解く、お伊勢参り小咄、伊勢をめぐる〈参詣〉をデジタル化するの4章構成で、まさに三重の街道歩きの参考書としてよいと思います。私自身も県内の東海道、伊勢街道、美濃街道、濃州街道はほとんど歩き、ほかの街道も部分的に歩いていますし、城もここに載っているところはかなり訪ねています。デジタル化も、ブログに写真・記事を載せていますから、出来不出来はともかく、私も取り組んでいます。県内の街道はさらに歩こうと思っていますし、デジタル化にももっと取り組みたいと考えていますので、十分活用できるでしょう。 (★★★★★)

  • 唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)

    唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)
    都市にもたくさんの野鳥がいることを知る人は少ないかも知れません。私がいつも散歩している地方都市の公園では、これまで10年あまりで70種類近くの野鳥を観察しています。都会は自然の少ない人工的な環境にあふれていますが、野鳥たちはもともとの生態を活かしつつこれらにしたたかに適応してい生きています。この本では、カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽を取り上げ、その都会における生態や、活動の変化、人間と鳥との関係とその変化などについて多くの実例や、調査結果をもとに、豊富な写真を使って楽しく読めるようにまとめられています。 (★★★★★)

  • 堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)

    堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)
    「ショックドクトリン」とは、テロや大災害など、恐怖でこくみんが思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことです。アメリカでの3.11以来、日本でも大地震やコロナ禍の裏で知らない間に個人情報や資産が奪われようとしているというのがこの本のテーマ。パンデミックで製薬企業は空前の利益を得、マイナンバーカード普及の先には政府のよからぬ思惑があるなどよくよく注意し、自分の生命・財産を守らないといけないというのが著者の主張。「今だけ、自分だけ、お金だけ」という強欲資本主義に負けないようにするには、ちょっとした違和感を大事にし、お金の流れがその裏にないか、また、それで大もうけして回転ドアをくぐって逃げる輩がいないかをチェックすることです。また、政府が何か、大急ぎで導入しようとしたり、既存の制度を急拡大しようとするときは、要注意だそうです。 (★★★★)

  •  奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)

    奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)
    いわゆる「高須四兄弟」である徳川慶勝、松平容保、松平定敬、徳川茂栄は、幕末維新の激動期に、結局のところ官軍と幕府とに分かれて戦う運命になったのですが、この四兄弟を取り上げて埋もれた歴史を活写した小説。私自身は、桑名藩主であった松平定敬が取り上げられているので興味を持って手に取った次第。幕末維新は、次々に色々な出来事が起きて、さまざまな人たちの思惑も複雑に入り組んでいるので、小説にするのは難しいと思っていたのですが、隠れた主人公ともいえる高須四兄弟の視点からとても躍動感のある読み物になっています。また、この時期の歴史をより一層深く理解できたという感想も持っています。 (★★★★)

  • 國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

    國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    ほぼ隠居状態ですから、暇と退屈には困りません(微笑)。それ故にこの本を手に取ったといっても、誤りではありません。著者がいうには、「暇」とは何か、人間はいつから「退屈」しているのだろうかといったなかなか答えにたどりつけない問いに立ち向かうとき、哲学が役に立つというのが著者のスタンス。哲学書なのに、読みやすいのです。スピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど、その昔学生時代に取り組んで挫折した哲学者たちの論考を参照しつつ、現代の消費社会における気晴らしと退屈について鋭い指摘がされ、まさに蒙を啓かれます。 (★★★★)

  • 逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)

    逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)
    今さら、なぜこういう統計ソフトの本を読むのか? と訝られると思うのですが、その昔、現役の頃には統計パッケージソフトIBM SPSSを使ってデータを分析して論文を書いていました。ただ、SPSSを始め、統計パッケージソフトは、値段がバカ高いのです。退職する前からこのRというフリーの統計処理ソフトが出て来て、ずっと興味を持っていました。先日、文庫本を買おうと思って本屋に行ったらこの本を見つけてしまいました(微笑)。今さらこれを使ってバリバリやる訳ではありません。むしろボケ防止かも知れませんが、昔のデータはそのままパソコンにありますから、これを使って、昔はやらなかった分析をしてみようと思っています。何か成果が出るかどうかは極めてアヤシいのですが、まぁゆるりといろいろやってみることにします。 (★★★★)

  • 林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)

    林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)
    たまにはこういう本も読まないと、認知機能が退化するかもしれないと思って(微苦笑)。というよりも、もともと神経心理学に興味がありましたので、本屋の店頭で見つけ、これは面白そうだと思って購入しました。うつ、自閉スペクトラム障害、ADHD、統合失調症、双極性障害など、現代人を悩ませる心の病について、脳にどのような変化が起きているか、最新の知見がまとめられています。最前線の研究者たちがわかりやすく説明しているのですが、知識ゼロで読むのはかなりキツいかも知れません。私は現役をリタイアして10年以上になりますが、その間にこれほど研究が進んだのかというのが正直な感想。心の病の原因は、1つとは限りません。心の病は「症候群」と見た方がよいと考えます。私自身が関わる自閉スペクトラム障害、ADHDなどの発達障害でもそうです。脳機能と心の病との関連について最新の知見を知りたい方にはおすすめ。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)

    磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)
    本の帯に「大河より面白い!」とありますが、本当にそうでした。午前中の散歩のついでに買ってきて、夕食までに一気に読み終えてしまいました。もったいない気がするくらい。松平元康がいかにして徳川家康になったか、さらに徳川将軍家がいかに続くよう礎を築いたかが、よく分かりますし、戦国時代から徳川幕府創世記までの歴史を見る目が養われる本です。それというのも、著者の磯田さんが古文書の権威で、一次史料を読みこなすだけでなく、場合によっては価値が怪しい資料まで傍証に用いて(怪しい資料でも使い道があるというのも良く分かりました)、ご自身の頭で考えた結果を実に分かりやすく解いてくれてあります。徳川家康の弱者の戦略のキーワードは、「武威」と「信頼」ということです。また、情報の取得、解読にも意を尽くしたことがよく分かります。混迷を深める世界情勢を読み解いて、我が国が進む方向を考える上でも役に立つ一冊。 (★★★★★)

  • 井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)

    井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)
    発達障害、とくに自閉スペクトラム症(ASD)の方では、感覚過敏や感覚鈍磨をよく伴います。「照明で目がチカチカする」「皆が話している教室では。音が鳴り響き絶えられない」「ケガをしてるのに、痛みを感じない」などさまざまな状況を呈します。著者は実験心理学や、認知神経科学を専門とし、ASDの方に見られる感覚過敏、感覚鈍磨は、脳機能の特性から来ていることを明らかにしてきています。ASDなど発達障害のあるご本人はもちろん、親御さん、教師など関わりを持つ方々は、このことをよく理解して支援にあたることがとても重要です。ASDを始めとして発達障害について、「わがまま」「自分勝手」「やる気がない」などと捉えてしまうと、支援どころか、理解もできなくなります。脳の働きによってさまざまなことが生じてきているという視点が必要不可欠です。この本は、感覚過敏・感覚鈍磨を手がかりにそういう視点について理解を深められます。 (★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)
    2022年12月のNHKのEテレ「100分de名著 中井久夫スペシャル」のテキストです。今頃(2023年2月)これをリストアップしているのはどうかという気もしますが、録っておいたビデオをみたのが最近なのです。中井久夫さんは、2022年8月にお亡くりになりましたが、日本を代表する精神科医のお一人であり、翻訳家、文筆家としても一流でした。現役の頃、中井さんの本はたくさん読みました。臨床心理学の分野でも「風景構成法」を導入した方として知られています。Eテレの講師である齋藤環さんは、中井さんを評して「義と歓待と箴言知の人」と書いておられますが、まさにそういう気がします。『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』が紹介されています。現在もウクライナで戦争が続いていますが、中井は「戦争は過程、平和は状態」とし、戦争は物語として語りやすく、とにかくかっこよくて美しい、それが問題だといいます。一方、平和は分かりにくく、見えにくいため、心に訴える力が弱いとします。「状態を維持する努力はみえにくい」のですが、戦争と平和に限りません。普段通りの日常生活を維持していくのも同じような気がします。戦争を経験していない人間が指導者層の多くを占めるようになると戦争に対する心理的抵抗が低くなるともいいます。「戦争には自己収束性がない」とも中井さんはいっています。われわれはやっかいな時代に生きていると痛感します。中井さんの本を多くの方が読むと、時代も変わるかも知れません。 (★★★★★)

  • 桑名三郎: 七里の渡しを渡った人達(久波奈工房)
    桑名と名古屋の宮を結んだ東海道唯一の海路「七里の渡し」をテーマにした歴史本です。船頭が旅人を案内しながら、七里の渡しを渡った歴史上の24人を紹介する内容。やさしい話し言葉で紹介されており、読みやすい本です。徳川家光、松尾芭蕉、明治天皇などが取り上げられています。著者は、桑名で歴史案内人をしながら、街の歴史を研究している、街道好きの方です。本は、桑名市内の書店とメルカリで¥1,200で販売。 (★★★★)
  • 磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)

    磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)
    磯田さんの本は面白い。というのも、話のもとには古文書があるからだと思う。その古文書も磯田さん自身が、古書店などで発掘してきたものがほとんどで、それ故、内容もオリジナリティが高くなる。この本は、戦国時代から幕末あたりを中心にさまざまな古文書の内容をもとに、例えば忍者の悲惨な死に方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、赤穂浪士が吉良の首で行った奇妙な儀式などなど、興味深いエピソードを浮かび上がらせている。面白いので一気読みしてしまった。 (★★★★★)

  •  佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)

    佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)
    史跡や、寺社、町並み、城、美術工芸品等の見方がやさしく解説されている本です。「事典」となっていますが、いわゆる辞書とは違って、普通の本のスタイルです。索引が充実していますので、事典としても十分に使えます。最初の版をもっていますが、40年ぶりに改訂され、写真、図版も多く、歴史散歩の最強の味方です。 (★★★★★)

  • 日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)

    日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)
    今年1年、何の因果か(などと書くとお叱りを受けること必至ですが)、住んでいるマンションの管理組合の理事長を仰せつかっています。今年は、エレベーターリニューアル工事が最大のイベントで、それは無事に済んだのですが、前理事長から8年後に迫った第3回大規模修繕に向けて、修繕積立金が不足する見込みと申し送られました。確かにかなりの金額が不足しそうで、頭を悩ませていました。マンションに住みながら、そもそも基本的な知識が不足しており、管理会社のフロントマンの方の協力を得ながらシミュレーションなどをしていました。ネットであれこれ調べてはいたものの、それで得られる知識は体系的なものではありませんでした。この本は、事例を元にマンション管理について必要な知識が得られるように書かれており、まだすべて読み終えてはいないものの、とても役に立っています。任期残り2ヶ月半となって付け焼き刃ではあるものの、次の理事会に具体的に課題を申し送ることができるよう勉強中(笑)。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)

    宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」や「どうしても頑張れない人たち」の著者である宮口幸治さんの新刊です。前2著の内容をよりよく理解できるよう、「ドキュメント小説」として書かれたものです。主人公は、精神科医の六麦克彦。医局から派遣されて要鹿乃原少年院に勤務して5年。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちでした。この内容は、前の2冊のように普通の新書では書き尽くせるものではなく、物語の形を借りざるを得なかったのでしょう。ただし、普通の小説として読むのには少し苦労するかも知れません。特別支援教育が普及して、知的障害や、発達障害のある子どもへの教育や支援は、以前に比べれば改善されてはいますが、最近は、家族の養護能力が十分でなかったり、親など家族自身に支援が必要なケースもたくさんあります。こうした中には、この本で取り上げられたような結末に至ることがあっても不思議ではないという気がします。極端な事例が集められていると思われるかも知れませんが、社会全体として真剣に取り組むべき課題が突きつけられています。 (★★★★)

  • 本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)

    本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)
    本田秀夫先生によるこのSB新書の4冊目のシリーズ。今回は、発達障害のあるお子さんの学校選び、学級選び、友達関係、学習や学力の悩み、不登校など、発達障害のあるお子さんの学校生活全般にわたって、どのような考え方に基づいてサポートしたら良いかについてまとめられています。それぞれ、親と先生とが、どのように取り組むことが基本となるか、解説されています。対策よりも予防的な工夫をコミュニケーション(要求ではなく)に基づいて行う、「学校の標準」を緩める、登校や成績を気にしすぎず、社会に出るための土台作りを考える、発達の特性には寛容になる、学びを大切にするが学力にこだわりすぎない、親と先生とが気づきを伝え合い相談、調整する、子どものモチベーションを重視するなど、具体的に書かれていて、分かりやすくなっています。発達障害のあるお子さんが小中学校で充実した学習が進められるための基本的な考え方やヒントが詰まっていますので、親御さんにも、先生方にもお勧めできます。 (★★★★★)

  • 佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?

    佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?
    サンドウィッチマン&芦田愛菜ちゃんMCの「博士ちゃん」に「三国志博士ちゃん」、「日本の神様博士ちゃん」として2回出演した佐々木秀斗君の自由研究を本にしたもの。何故これをここに取り上げたかというと、私のブログに載せた立坂神社の緑色の鳥居について、写真を提供して欲しという依頼が出版社からあったのです。私が提供した写真は、本書の162ページに「提供:猫の欠伸研究室」として載っています。ざっと読みましたが、大人でも、古事記や神社についてよく知らない方が、最初に手に取って基本的なことがらを知るには、わかりやすくて良い本だと思います。 (★★★★★)

  • 森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)

    森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)
    ネットで見つけ、新刊かと思って購入したのですが、4年前の本でした(微苦笑)。 若い頃に森博嗣さんの小説をすべて読んでいました。いつの頃からか、小説は読まず、森さんのエッセイだけを読むようになっています。「読書の極意を教える」と帯にはあります。もちろんそれについて書かれているのですが、私にはある種の知的生産の技術について著者の方法を開示していると読めます。「何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある」というのは、よく首肯できます。また、「教養とは保留できる能力をいう」というのも確かにそうだと思います。自分の問題として抱続けられ、また、考え続けられるのは、容易ではありませんから。 (★★★★★)

  • 井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)

    井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)
    愛媛県新居浜市にあった別子銅山は、元禄3(1690)年、伝説の切上り長兵衛によって発見されてから、昭和48(1973)年の閉山まで、283年間にわたり、累計65万トンの銅を産出しました。これは、世界の銅の産出量の1/6にも達するといいます。巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献したのがこの別子銅山です。江戸時代には貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、そこに関わった人達を鮮やかに描いた、本当の意味での大河小説です。徳間時代小説文庫で読みました。  (★★★★)

  • 養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

    養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    養老孟司先生と池田清彦先生の対談であれば、外れはありません。サブタイトルのように、「はみ出し日本論」ではありません。ど真ん中の日本論といってもよい本で、楽しみながら読めます。しかし、それは、自分のアタマできちんと考えているからこそ論じられる内容だと思います。常識や、マスコミで報道されることがらだけをフォローしていては、こういう風に考えることはできません。きちんとした理論、知識、データに基づかなければなりません。さらには、物事を捉える大きな枠組み、私の世代にとっては「パラダイム」といえるものが必要。それも、確固たるパラダイムが必要です。私にとってそれはある種の理想なのですが、なかなか難しい。しかし、まぁ、年寄りになったからこそ見えるものや、年寄りなりの知恵も働くようになるということもありますから、養老・池田の「怖いものなし」コンビを1つの目安として、言うべきこともいえるようになりたいものです。 (★★★★★)

  • 土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)

    土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)
    先に同じく土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を挙げましたが、入手したのはこちらが先。「一汁一菜でよい」というスタイルに至るまでの土井さんの修行、出会い、発見、迷いなどなどが書かれています。「家庭料理に失敗なんて、ない」、「すべては人を幸せにする料理に繋がる」というのが基本。具だくさんの味噌汁はおかずの1つになる。余裕があれば、食べたいものや、食べさせたいものをその都度調べてつくればよい。一汁一菜を入り口にして、一つ一つおかずをつくってみて、10種類ほどでもできるようになれば、それで幸せに一生やっていける。といった話があり、へぇーと感心させられました。これだけで健康に健やかに自足できるとも述べられています。一汁一菜なら、私にもできる、でしょうか?? (★★★★★)

  • 土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)

    土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)
    著者の土井善晴先生は、私と同世代。そして、私の世代にとってはあの土井勝さんの息子というイメージが強くあります。テレビなどにもよく出ておられ、なかなか面白い視点でものを見る人だなと思っていました。この本は,出版された当時(2016年秋)から知っていたのですが、手に取ったのはごく最近。文庫本を探していたのですがなかなか遭遇しなかったのです。「一汁一菜でよい」というのは、ご飯と具だくさんの味噌汁があればよいということです。家庭料理についての提案なのですが、実は、この本はもっと奥深いことを述べています。一言で言えば、日本文化や日本人の哲学について述べる中で、食や生活、生き方などについても論じられています。解説を書いておられる養老孟司先生は、それを「自足の思想」と表現していらっしゃいます。優しい、わかりやすい本ですが、実は奥が深い。著者の端正さもよく表れています (★★★★★)

  • 奥山 景布子: 流転の中将

    奥山 景布子: 流転の中将
    幕末の桑名藩主・松平定敬を描いた歴史小説。定敬は、実の兄で会津藩主である容保とともに徳川家のために尽くそうとしたものの、最後の将軍・徳川慶喜に振り回され、裏切られてしまいます。定敬は、それでも抗おうとしたのですが、国元の家臣たちはいち早く恭順を決め、藩主の座も追われてしまいます。朝敵といわれ、越後、箱館から上海まで流浪した定敬の波乱に満ちた人生と、秘めたる思いが生き生きと書かれています。定敬については、歴史講座で学んだり、本で読んだりしてきましたが、小説家の手にかかるとこのように立体的に、活き活きと動き出すものなのだと実感します。 (★★★★★)

  • サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)

    サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)
    たまには専門のアカデミックな本も取り上げます(微笑)。本屋でみつけ、購入。この本は、同じ著者が東大出版会から昨年刊行した「臨床心理学史」で果たせなかったことを果たそうと構想されたもの。果たせなかったのは、日本の臨床心理学史に触れることと、コンパクトな歴史記述だそうです。東大出版会の本は、読んでみたい気もしますが、¥7,000もしますし、内容もハードそうです。こうして臨床心理学の歴史を俯瞰してみますと、やはり実験心理学を抜きにしては臨床心理学も語れないといえます。私個人の考えでも、臨床心理学を学び、実践するには、実験心理学を学び、実験・調査などの方法で研究をした経験が必須です。臨床心理士、公認心理師の資格に関わり、心理学を志す人は多く、また、大学でも臨床心理学部や臨床心理学科もあります。しかし、私は、自分自身の経験からもやはり、実験心理学などの基礎心理学を抜きにして、臨床心理学は成り立たないと考えますし、学生も実験心理学を含めた基礎心理学を、少なくとも学部段階ではきちんと修得した方がよいと思います。本書を読んで、その考えはいっそう強くなりました。 (★★★★★)

  • 昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ

    昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ
    本屋に別の本を買いに行って見つけ、即買い(微苦笑)。私の好むタイプの本です。三重県の地形や地質、歴史、文化、産業などを、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント本。地図も歴史も文化も好きなのです。地図で読み解く三重の大地、三重を駆ける充実の交通網、三重の歴史を深読み!の3部構成。2017年11月にたまたまみつけたJRさわやかウォーキング「~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き」に行って以来、JRさわやか、近鉄ハイキング、勝手にハイキングで県内や近郊のあちこちに電車で行って電車で帰るハイキング/ウォーキングをしています。それによって訪ねたあちこちのことが改めてまとめられていて、とても楽しめます。各県のバージョンが出ているようです (★★★★★)

  • 磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)

    磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)
    歴史家・磯田道史さんが、鎌倉女学院高校で行った特別授業の記録と、ビリギャルの小林さやかさんなどとの対談を収めてあります。基本的には、「歴史の見方」についての本なのですが、それに留まりません。ものの見方、考え方を説いた内容です。むしろ、ものの見方、考え方を学びたい方にお勧めしたいと思うくらいです。ちなみに、タイトルは、「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世の中を歩くためのむしろ実用品である」という意味です。これは、歴史の見方について、あまりよく理解されていないポイントと思います。講義録ですから、読みやすく、しかも大変おもしろい本です。 (★★★★★)

  • 久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)

    久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)
    この著者の前著「三河吉田藩・お国入り道中記」で読んだ、三河吉田藩(豊橋)の参勤交代の話も大変おもしろく読めましたし、江戸時代の藩邸の様子、殿様や家臣の仕事、暮らしなどに興味があったので、読んでみました。三河吉田藩に残る「江戸日記」などの古文書から、江戸の大名屋敷がどのようなところであったか、江戸で働く武士の状況、江戸の藩邸で起きた事件のいろいろ、藩邸の奥向きの様子、さらには、明治維新後の藩邸から子爵邸への変化について、リアルな武士の暮らしのもろもろがまとまっていて、とても興味深く読めました。三河吉田藩は、現在の愛知県豊橋市にあり、松平伊豆守家が長く藩主を務めています。松平伊豆守家は、「知恵伊豆」の異名を持つ松平伊豆守信綱を初代とし、忍藩、川越藩、古河藩、吉田藩、浜松藩と国替えを繰り返した後、寛延2(1749)年から明治維新まで三河吉田を治めています。 (★★★★)

  • 安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)

    安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)
    サブタイトルに「大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ」とあり、さらに、オビには「300年前は えっ!? 今よりもっと愉快な旅行天国」ともあります。ただし、旅行を心から楽しめたのは、庶民に限られていたようです。参詣者を増やしたい各地の寺社、温泉、宿泊業者が積極的に営業したからです。一方、武士や大名は、トラブルメーカーだったといいます。公用で旅行したり、参勤交代したりなのですが、宿泊料のダンピング、備品の破壊などなどトラブルをまき散らしながらの旅であったり、権威を笠に着たりで、あまり歓迎されなかったようです。江戸時代の旅のエピソード満載で、楽しめる本です。 (★★★★)

  • 藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック

    藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック
    この本は、WISC-ⅣやKABC-Ⅱなどの知能検査の結果(アセスメント情報)を「子どもの自立と社会参加」により役立つものにしていくには、どのように伝えたらよいか(フィードバック)についてまとめられています。過去には、保護者、学校の担任、子どもたち自身に知能検査の結果を伝えることはされていませんでした。しかし、現在では、苦戦している子どもたちが、自分のことを理解し、自分なりにも工夫して、学習や生活スキルを向上させ、将来の自立と社会参加につなげるために、知能検査の結果(アセスメント情報)を子どもたち自身にも伝えるようになってきています。私も、相談では、お子さんに直接、フィードバックを行い、子どもたち自身が自己理解を深め、意欲的、積極的に取り組めるようにしています。この本は、子どもと支援をつなぐ、支援者をつなぐという視点から、心理検査のフィードバックについて基礎から応用、事例を含んでその全体像を把握できる、優れたものとなっています。 (★★★★★)

  • 新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)

    新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)
    藤沢周平の作品案内、小説に見られる名言集、映像化された作品の出演者や、関係者による評伝などによって藤沢周平の作品についてすべてとはいいませんが、かなりが分かります。私は、藤沢周平の小説が好きで、たぶんほとんど読んだと思います。ただそれは、15~6年以上前のことで、リストアップもしていませんから、すべて読んだかどうかについては、不確か。こういう本を読むと、もう一度読もうかという気になります。この本では、娘の遠藤展子さんの「父にとっての家族」がもっとも興味深く読めました。また、藤沢周平の言葉で私が気に入っているのは、「普通が一番」です。ほかにも、「挨拶は基本」「いつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れない」「謝るときは素直に非を認めて潔く謝る」「派手なことは嫌い、目立つことはしない」「自慢はしない」という言葉が、遠藤さんが父から言われて心に深く残っていることばだそうです。 (★★★★)

  • 千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)

    千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)
    新型コロナのまん延にともなって、政治的な判断や、もろもろの政策は、迷走したといってもよいと思います。突然の全国一斉休校要請、いわゆるアベノマスクの配布や、閣議決定をやり直した一律給付金など、なぜああいうドタバタになるのか、国民の信頼が得られなかったというか、失ったというのか、ずっと疑問を抱いていました。著者は、元厚生官僚で、社会保障・労働分野で仕事をし、現在はコンサルティング会社を経営。この本では、最近のコロナ禍での出来事の背景を記述する中から、官僚主導から官邸主導への変化に、政治の仕組みの変化がついて行けていないからだとしています。これに関して、政治家、官僚ともに仕事のやり方を変えることが必要であるとともに、国民の側にも良い政策をつくるためには望まれることがあるといいます。 (★★★★)

  • 嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい

    嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい
    「観察するのが面白くなる! ガンカモ類のひみつ」というキャッチコピーです。私がほぼ毎日散歩に行く九華公園の堀には、秋が深まるとカモたちがやってきます。キンクロハジロが最も多く、次いでハシビロガモ。他にはヒドリガモやホシハジロも数少ないものの来ています。カルガモ、カイツブリ、オオバンなども来ることがあります。これらカモやその仲間、近縁種についてもっとよく知り、観察のポイントを増やしたいと思って、この本を読んだ次第。著者は、宮城県の伊豆沼・内沼をフィールドとする専門の研究者。形態的な特徴と行動との関連性、渡り、繁殖地での暮らし、越冬地での生活など、ガン・カモ類について、ちょっと専門的な部分も多いものの、一通りの知識を得られ、また、行動観察などの方法についても知ることができました。 (★★★★)

  • 田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)

    田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)
    「江戸学の第一人者による「遊郭入門」の決定版!」と帯に書かれていて、ついつい手に取ってしまいました。遊郭にはとても興味があります。などと書くと「好色な人物か」と思われるかも知れません(苦笑)。遊郭や遊女は、今日の人権やジェンダーの観点からすると、許されない存在です。これは間違いのないことですが、一方で、たとえば、江戸時代の吉原遊郭の花魁と呼ばれたようなハイクラスの遊女は、高い教養を持ち、芸事や生け花、茶道にも通じていました。ある意味で日本文化の守り手でもあったという面も持っているのです。こうした観点から著者は、「遊郭は二度とこの世に出現すべきではなく、造ることができない場所であり制度である」と述べています。ちなみに、「好色」ということばの意味は、平安時代以来、和歌や琴、舞などの風流、風雅を好む人を「色好み」と呼んでいたことによります。「色」には恋愛や性愛という意味もありますが、もともとは恋愛と文化的美意識が組み合わさったものだそうです。 (★★★★)

  • 養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ

    養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ
    養老先生が、コロナ禍の2年間でお考えになったことの集大成です。新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた頃、NHKのBSの番組「まいにち 養老先生、ときどき まる」だったかで、「老人は、もともと不要不急の存在だ」とおっしゃった気がしますが、この本は「人生は不要不急か」という章から始まっています。これがたぶんコロナ禍や、養老先生ご自身のご病気(心筋梗塞)を経験し、お考えになった結論の1つ。さらに、不要不急の人生ではあるものの、それでも生きる価値はどこにあるか様々な視点から考察されています。「人生とはそんなもの」と思いつつ、自分に居心地の良い場所をつくりながら、万事テキトーに終わるのが良さそうです。 (★★★★★)