お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2025年3月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2020年1月以降の記事を残し、2019年12月以前の記事は削除しました(2020年1月1日から2025年3月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

酒蔵

2025年2月23日 (日)

20250223近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 神楽酒造『神楽』」へ(一回完結)

Img_9311cImg_9315c  今朝は、また氷点下になりました。-1.5℃と、今シーズン最低かも知れません。最高気温は、8.4℃。風はあまり強くなく、最大風速が4.1m/s。予定通り、近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 神楽酒造『神楽』」に行ってきました。近鉄湯の山線伊勢川島駅で9時20分から受付。いつもなら、受付開始前につく時刻の電車で行くのですが、酒蔵みてある記は大人気なのに、伊勢川島駅前は狭いことから、ゆっくり出かけました。近鉄桑名駅を9時2分に出る松阪行き急行で、近鉄四日市駅に9時14分着。9時29分発湯の山温泉行きに乗り換えて、伊勢川島駅には9時38分着。¥510。これでも、湯の山温泉行きの電車は、座れない人がかなりいました。

 

Img_9319c_20250223143101  こちらが本日のコースマップ。伊勢川島駅から南に向かいます。吉野地蔵尊から鹿化川沿いを歩いて、県道8号線に出て、四日市市室山町で東に折れたところが、目的地の神楽酒造です。神楽酒造からは、ほぼ1㎞で四日市あすなろう鉄道西日野駅に至ります。これで約5㎞というコース。ただし、川島の住宅団地と、鹿化川から室山町にいたるところと2つの丘を越えます。9時40分過ぎにスタート。

250223isekawashimarout 250223routmis  実際に歩いたルートマップは、こちら。出発早々、伊勢川島駅から吉野地蔵尊に向かうところで、何気なく、ほかの多くの参加者のあとをついて行ったら、コースミスをしでかし、吉野地蔵尊には行けず仕舞い(苦笑)。コースミスは、ずいぶん久しぶりにやらかしました。右のマップに歩いたルートと、本来のルートとを比較しました。伊勢川島駅の南、東に向かっていたところで、もう1本先の横断歩道を渡り、階段を上らなければなりませんでした。実際に歩いたルートから右折して正しいルートには行けないので、回り道が必要だったのです。少し歩いたところで、ルートの形と、実際に歩いている道路の形状が違っており、いつまで経っても吉野地蔵尊に至らないので、気づいたのですが、時すでに遅し。三滝台2丁目バス停あたりから、南下すると鹿化川に行き当たりますから、それで正しいルートに戻ったという次第。その後は、コースマップに忠実に沿って歩きました(笑)。場所によっては、「道の右側の歩道を歩く」といった指定があったのです。

Img_9328c Img_9332c_20250223143101  鹿化川の景色。何度も来ていますが、この川沿いには5㎞にわたって、約1,000本の桜が植えられていて、春には、鹿化川桜まつりが開かれます。

Img_9335c_20250223143101  鹿化川沿いからは、鈴鹿の山並みも見えます。多くはありませんが、冠雪しているのが遠くに望めました。

Img_9357c_20250223143101  目的地の神楽酒造には、10時25分過ぎに到着。すでに大賑わいでした。酒蔵みてある記は、本当に人気があります。抽選会、無料試飲、甘酒の振る舞い、有料試飲、直売会、キッチンカーなどによるつまみその他の販売が、たいていセットされているのです。過去には、私も、直売会で1合瓶をゲットし、つまみも買って、「小宴会」や「一人宴会」をしたことがよくあります。

Img_9374c  まずは、抽選会へ。コースマップの右肩に個別番号が印刷されています。今日の私の番号は、#219。左の写真が当選番号ですが、残念ながら、大ハズレ(笑)。私の直前の方が「#75」だったようで、「オッ、5番がある」とアピールしておられたのですが、当選番号は、1桁の#5で、ぬか喜び。ガックリしておられました。私は、神楽酒造では当たった試しがありません(早川酒造部でもでした。再来週酒蔵みてある記がある丸彦酒造では、ワンカップが当たりましたし、多度の細川酒造では4合瓶を当てたことがあります)。

Img_9383c_20250223143101  続いて無料試飲。飲む前から写真がピンぼけになりました(苦笑)。いただいたのは、純米吟醸生酒の「神楽」でした。小さなカップですので、もっと飲めましたが、今日は有料試飲はやめておきました。四日市あすなろう鉄道西日野駅まで、交通量が多い通りを歩かねばなりません。

Img_9391c_20250223143101  試飲を終えて、直売所へ直行。というか、試飲会場の隣が、直売所。写真の中央にある「火入 特別純米酒 神楽」(¥,200)を1本、買ってきました。

 Img_9395c 神楽酒造では、直売所で酒を買い、キッチンかなどでつまみを入手して、宴会ができるようにしてもらってあり、後ろ髪を引かれる思いがしたのですが、土産も買いましたから、西日野駅に向かいます。

Img_9405c_20250223143101  四日市あすなろう鉄道西日野駅へは、10時55分に到着。平成27(20159年から、四日市あすなろう鉄道は、旧近鉄内部線、八王子線を運営しています。西日野駅から日永駅までが八王子線。日永駅からあすなろう四日市駅は、内部線。

Img_9408c_20250223143101 Img_9412c  ご覧のように、小さい電車です。というのも、いわゆるナローゲージの鉄道。三岐鉄道北勢線も、同じくナローゲージです。全国に残っているナローゲージは、この四日市あすなろう鉄道、三岐鉄道北勢線と、黒部峡谷トロッコ鉄道の3社のみ。11時発のあすなろう四日市駅行きに乗り、四日市駅には11時9分着。¥270。近鉄名古屋線に乗り換え。近鉄四日市駅発11時28分の名古屋行き急行で、桑名駅には11時40分に到着。¥360。

250223123031084c  こちらが土産に買ってきた「火入 特別純米酒 神楽」。火入れをして、1年熟成されています。香りが芳醇で、口当たりは軽いお酒。私の好みです。今日の晩酌はこれ。毎回お断りしていますが、決して大酒飲みではありませんので、誤解なきよう願います。

 Screenshot_20250223111553c Screenshot_20250223112451c 近鉄四日市駅で乗り換えに時間がありましたので、エキタグのデジタルスタンプをゲットしてきました。この1年近く、近鉄四日市駅で下車する機会がなかったのです。デザインは、こにゅうどうくん工場夜景。こにゅうどうくんは、四日市のマスコットキャラクターですし、工場夜景は、四日市のコンビナートの名物。

Screenshot_20250223120242c  本日のGoogle Fitのデータが、こちら。歩いた距離は7.53㎞で、歩数は12,097でした。距離は、いつもの散歩よりも少し長かったのですが、2つの丘を越えましたので、運動量は、いつもより多くなっています。

 本日の教訓。他人様の流れに何となくついて行ってはいけませんね。自分でよく見て、確かめて進まないと間違いをしでかします。

【追記】 このハイキングで、これまでにJRさわやかウォーキング、近鉄ハイキング、勝手にハイキングに198回も出かけたことになります。近いうちに200回を達成できる見込みです。ハイキング/ウォーキングに行き始めたのは、平成29(2017)年10月からで、最初は、朝日町への歴史散歩でした(2017年10月5日:朝日町歴史散歩へ……昼は、味噌天丼)。JRさわやかウォーキングへは同じく、平成29(2017)年の11月から(2017年11月25日:どういうわけか、JRさわやかウォーキングへ……~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き)、近鉄ハイキングには翌12月から(2017年12月22日:近鉄ハイキング「巨大かぼちゃ『中風封じの田村寺』と垂坂公園を訪ねて!!」へ(その1))参加しています。これらで、すっかりハマってしまったのです。ちなみに、これまでに使った電車賃は¥196,110、昼食代金は¥82,511、土産代は¥78,163ということで、費用総額は¥356,784。現地で歩いた距離の合計は1568.1㎞です。

2025年2月 9日 (日)

20250209近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」へ(一回完結)

Img_9069c  昨日降り積もった雪が残る中、予定通りに近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」に行って来ました。近鉄富田駅での受け付けが9時20分から11時まででしたので、近鉄桑名駅を9時11分に出る津新町行き普通に乗車。近鉄富田駅には、9時23分に到着。¥300。富田駅前や、付近の道路にも、昨日の雪が残っていました。さすがに、参加者は、いつもよりは少ない印象。桑名では、最低気温が-1.9℃、最高気温は6.7℃。午前中は、風はほとんどありませんでした。

250209kintetsuhikingtomida0  こちらが今日のコースマップ。20250209kintetsuhikingtomita近鉄富田駅から富貴堂、鳥出神社、水と緑のせせらぎ広場、杵福本舗を経て、早川酒造部へ。その後、八幡神社へ立ち寄って、近鉄川越富洲原駅までという、約5㎞のコース。右の画像は、いつものように、キョリ測で描いたもの。実際には、5.4㎞を歩いてきました。

250209kintetsuhikingtomida1  コース前半を拡大したマップ。近鉄富田駅から東南へ。富貴堂、鳥出神社からJR関西線を越え、国道1号線を渡ったところで左折し、水と緑のせせらぎ広場と行って、富田の町を進みます。

Img_9079c_20250209141401  最初の立ち寄り先は、御菓子処富貴堂生クリーム大福で有名なお店。私は、たいていの菓子屋さんには立ち寄りません。増して、今回は酒蔵みてある記なのですから(微笑)。ここの御菓子は、地元スーパーでも売っているところがあります。

Img_9091c_20250209141401  鳥出神社鯨船行事で有名な神社で、以前から1度訪ねてみたかったところです。鯨船行事については、リンク先に説明がありますが、捕鯨を模した行事で、富田の石取祭と同時に行われる、富田地区の夏祭りです。毎年お盆の8月14日と15日の2日間に鳥出神社を中心に四日市市東富田町の町内と古川町自治会の町内で開催され、富田地区連合自治会が主催します。

Img_9109c_20250209141401  主祭神は、日本武尊事代主神。配神は、宇迦之御霊命蛭子命天照大御神天石戸別神大鷦鷯天皇(仁徳天皇)波邇夜須毘古神、波邇夜須毘賣神應神天皇天児屋根命大山祇神菅原道真。正応元(12883年)年と安永9(1780)年の大火により、古文書を消失したため、当社の創祀の年代は詳らかではありませんが、延喜式神名帳にはすでに記されています。朝明地方における中心の神社として崇敬を受けていたと思われます。また、江戸時代には、富田六郷の総氏神として信仰を集めていました。本社の造営に当たっては、天正13(1585)年以来、伊勢神宮の式年遷宮毎に古材を拝領して行われる古例があり、現在の本殿、拝門、瑞垣、鳥居、社務所などは、いずれもこれにより営繕されているそうです。

Img_9117c Img_9113c_20250209141401  境内には、稲荷社(左の写真)や、神宮遙拝所などもあります(右の写真)。神宮遙拝所は、四日市市内の神社にはよく設けられていますが、桑名市内の神社ではほとんど見たことがありません。

Img_9134c_20250209141401  こちらは、Img_9130c龍神社。山の神などもあわせて祀られていました。このほか、頌徳碑などもありましたが、ネット検索では情報は出て来ませんでした。足元が悪かったため、裏面は見ていません。

Img_9184c_20250209141501 Img_9192c_20250209141501  水と緑のせせらぎ広場。本来は、この中を通るコース設定になっていたのですが、雪に埋もれていましたので、そばの歩道を進みます。

250209kintetsuhikingtomida2  コース後半の拡大マップです。水と緑のせせらぎ広場からはしばらく立ち寄るところがありませんので、凍った雪に滑らないよう注意して、ひたすら歩きました。

Img_9210c_20250209141501  杵福本舗の直売所に立ち寄るコースになっていたのに、今日もらったコースマップでは、「2/9は休業日」と赤字で書かれていました。近くにいらした女性が、「コースになっているのに、変なの」と。ここは、おかきやさんの直売所。

Img_9214c_20250209141501 Img_9221c  スタートから3㎞半ほどで早川酒造部へ。最近も、何度も来たと思っていたのですが、もっとも最近来たのは、2020年2月9日と、ちょうど5年前でした(2020年2月9日:20200209近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」へ(完))。そうです、日本でコロナが大騒ぎになる直前でした。このあと、近鉄ハイキングも、JRさわやかウォーキング中止となってしまったのでした。

Img_9218c_20250209141501 Img_9225c  まずは、抽選会へ。早川酒造部での抽選は、抽選箱に入れられた、清酒の瓶の蓋を引くというやり方です。「赤」が出ると「しぼりたて原酒720ml」が当たったのですが、残念ながら、ハズレ(苦笑)。早川酒造では、これで4戦全敗。思わず、「ここでは当たったことがないな」といってしまいました(失礼)。ついで、試飲会場へ。以前は、2種類の試飲をさせてもらえたのですが、今回は1種類。ブランドをしっかりと見てきませんでした。

Img_9229c Img_9236c_20250209141501  さらに、いつものように、直売会場へ。今回は、「純米酒 天一」(720ml、¥1,200)をゲット。これは、家内の強い希望によります。私は、搾りたて生原酒の方がよいのですが、たまには、家内の希望を入れることにしたのです。試飲だけではちょっとものたらず、かといって、今日のように足元のアヤシいなかで「ひとり宴会」をすると、川越富洲原駅まで無事にたどり着けないかも知れませんので、有料試飲を1杯だけ追加。欲しかった生搾り原酒(¥200)を飲んできました。

Img_9243c_20250209141501  早川酒造部を10時40分に出て、次の立ち寄り先である高松八幡神社は、ちょっとよい気分になっていて、「何度も来たから、まぁいいか」とパス。以前訪ねたときの記事をご覧ください(2020年2月9日:20200209近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」へ(完))このあと、川越富洲原駅まで、また、立ち寄るところはありませんので、雪が残っていないところをなるべく選んで、またもやひたすら2㎞近くを歩きました(苦笑)。

Img_9250c_20250209141501  川越富洲原駅には、11時10分に到着。11時22分に出る名古屋行き普通電車に乗車。桑名駅には、11時30分着。¥300。

Img_9299c_20250209141501  こちらが、今日の土産。上にも書きましたが、「純米酒 天一」(720ml、¥1,200)です。今日の晩酌は、これ。

Screenshot_20250209111637c Screenshot_20250209111647c  このところ、エキタグをしていませんでしたが、近鉄富田駅でも、川越富洲原駅でもデジタルスタンプがもらえますので、ゲットしてきました。左が近鉄富田駅のもの、右が川越富洲原駅のもの。

Screenshot-2025_02_10-4_05_46c  ゲットしたスタンプは、近鉄のものが10個と、三岐鉄道北勢線が1個で、これで合計11個となりました。先は長いというか、ゴールがあるのかどうか??

 Screenshot_20250209115101c 今日のGoogle Fitのデータ。歩いた距離は7.9㎞。現地で5.4㎞ですから、まあこれくらいでしょう。歩数は、13,948。歩いた距離に比べ、歩数が多くなっていますが、これは滑らないよう小股で歩いたところがかなりあったからでしょう。

2025年1月 5日 (日)

20250105近鉄ハイキング酒蔵みてある記 伊藤酒造「鈿女」へ(一回完結)

 Img_8502c_20250105151201 朝は、この冬初めての氷点下になりましたが(-0.3℃)、日中は風も弱くて、暖かくなり(10.2℃)、絶好のハイキング日和でした。予定通り、近鉄ハイキングの「酒蔵みてある記 伊藤酒造『鈿女』」へ行って来ました。桑名駅を9時2分に出る松坂行き急行に乗り、四日市駅に9時15分着。ここで湯の山線の湯の山温泉行き(9時29分発)に乗り換え。菰野駅に9時48分に到着。¥560。湯の山線の電車も、菰野駅も大賑わい。今回は、一人旅。記事は、一回完結。

Img_8506c 250105kintetsuhikingkomono  こちらが今日のコースマップ。番号がついていますが(伊藤酒造で抽選会があるのです)、私のものは#199。菰野駅をスタートし、明福寺、菰野城跡、見性寺と回って、伊藤酒造で酒蔵見学。ゴールは、同じ湯の山線の桜駅。マップ上、約6㎞のコース。右は実際に歩いたルートマップですが、今日は、道草は食っておりません。10時過ぎにスタート。

Img_8530c Img_8546c_20250105151301  最初の立ち寄り先は、菰野駅から400m足らずのところにある発起山明福寺(ほっきざんみょうふくじ)。真宗大谷派。開基の法欽は、大和国高市郡越智の出身で、 永正(1504~1521年)の頃に伊勢へと移り住み、菰野に念仏道場を開きました。教如に帰依して、寺号、本尊、親鸞影絵を授与されています。享保(1716~1736年)の頃に山門と鐘楼を建立。本堂は安政元(1854)年の大地震にて倒壊後、再建されました。文化11(1814)年には、測量に訪れた伊能忠敬がこの寺に宿泊したそうです。

Img_8538c Img_8542c  本堂に安置されている薬師如来/阿弥陀如来像は円空による作。一材の両面に二仏が掘られた「両面仏」と呼ばれる珍しいもので、延宝2年(1674年)の作。13世住職であった賢竜の弟・大正が明治初年の廃仏毀釈により、像が伝来していたものの、廃寺となった伊勢の常明寺から譲り受けて、明福寺へと持ち帰ったものです。昭和36(1961)年には、俳人の山口誓子が当寺の住職に招かれて寺を訪れ、円空仏に感銘を受けて句を詠んでいます。句は、「円空仏外に出で来て枯銀杏」。昭和51(1976)年に建てられたその句碑があります。

Img_8573c_20250105151301 Img_8577c_20250105151301  次の立ち寄り先は、菰野城跡。菰野城は、菰野藩一万二千石の大名土方氏の代々の居城でした。現在は菰野小学校の敷地になっており、西側と北側に城壕に一部と築地が遺り、藩邸の庭園の一部が西南の隅に僅かながら名残をとどめ、そこに菰野城跡の碑があります。また、西南を流れる振子川に面して、角櫓跡があり、その東方に石積の遺構の一部があります。ここは、私は何度か訪ねています(2023年11月25日:20231125「菰野ウォーキング」(予告編))。

Img_8587c_20250105153201 Img_8596c  菰野城跡の先、国道306号のところでほぼUターン。湯の山線の踏切がありますが、このあたりが菰野城の隅櫓跡。その先に洗心教団の本部があります。その前に道標。「右 ゆ乃山?」と刻まれています。みえの歴史街道の菰野道の説明によれば、ここは、昔の「湯の山道」と呼ばれる道と思います。

Img_8625c_20250105151301  続いて、真如山見性寺。臨済宗妙心寺派。菰野藩土方家の菩提寺として、寛永21(1644)年に菰野藩第2代藩主・土方雄高(かつたか)が三霊禅師を尾張国より招き、この地に創建したのが始まりといいます。寛文9 (1669)年、火災により庫裡が焼失しましたが、享保11(1726)年、菰野藩5代藩主・土方雄房(かつふさ)が本堂、庫裡、山門を再建立しました。ここも何度も訪ねていますので、今日はパス(2023年11月25日:20231125「菰野ウォーキング」(予告編))。

Img_8651c_20250105151301 Img_8616c  見性寺から伊藤酒造まで、立ち寄るところはなく、ほぼ3㎞の距離をひたすら歩きます。このひたすら歩くというのは、けっこう苦痛(苦笑)。ただ、今日は、コースのあちこちで鈴鹿山脈や、御在所岳(右の写真)が見えていましたので、まだよかった方でしょう。

Img_8681c  伊藤酒造には、11時20分頃に到着。ここも賑わっていました。私は、酒蔵みてある記で何度も訪ねています(たとえば、2020年2月8日:20200208近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 銘酒「鈿女」伊藤酒造と智積養水をたずねて」へ(一回完結))。

Img_8695c_20250105151301 Img_8697c  まずは、試飲(笑)。今日は、「絞りたて鈿女 無濾過 生原酒 特別本醸造」。先月搾った新酒。とはいえ、無料試飲ですから、コップのサイズは右の写真のとおり。一口でした。

Img_8704c_20250105151301  抽選会は、ご覧のとおり、今回も見事にハズレ。最近、当たった試しがありません。

Img_8714c_20250105151301 Img_8753c_20250105151301  新酒即売会では、試飲をした「絞りたて鈿女 無濾過 生原酒 特別本醸造」の720ml詰めを1本購入。¥1,400。

Img_8677c  有料試飲や、燗酒(一合瓶)、つまみの販売もされていて、小宴会ができるようになっていました。ずいぶん迷いましたが、今日は、一人でしたので、一人で飲んでもつまらないと思い、諦めました。

Img_8721c_20250105151301 Img_8758c_20250105151301  そのまま近鉄・桜駅へ。11時35分頃に到着。桜駅を11時45分発の四日市行きに乗車し、近鉄四日市駅には11時59分着。12時11分の名古屋行き急行に乗り変えて、桑名駅には12時23分着。乗り換えの待ち時間にいったん改札を出て、近鉄百貨店四日市店へ。家内から、赤福ぜんざいを買ってくるようにという指令が届いたのです。3つ入りで¥2,300。酒よりいいお値段(笑)。途中下車しましたので、近鉄料金は、桜~四日市が¥320、四日市~桑名が¥360で、合計¥680。

Screenshot-2025_01_05-12_50_34c  今日のGoogle Fitのデータ。歩いた距離は、約8.8㎞。歩数は、14,037でした。

2024年8月25日 (日)

20240825寺町クラフトビールフェア

Dsc09404c_20240730112701   8時半に散歩から帰って、11時前から再び出かけてきました。行き先はもちろんこちら。「寺町クラフトビールフェア2024」です。 好天で、猛暑日寸前という暑さでビールには絶好の日和り(微苦笑)。娘が同行(付き添いか、はたまた監視役か、それは不明)。

240825105833829c  我が家を10時50分に出て、11時前に到着。そうなのです、徒歩5分もあれば行けるのです。11時開始ということでしたが、すでにお客さんもあり、ビール販売も始まっていました。

240825112516396c  去年は(2023年8月20日:20230820寺町クラフトビールフェア)、長島ビール園の「5種類飲み比べセット」(¥1,500)を楽しみましたので、今年は、出かける前から細川酒造上馬ビールにほぼ決めていました。この写真で、向かって右が細川酒造のブース。

240825110052219c 240825111251305c  細川酒造のビールは、オーガニック原料だけを使い、本場、ドイツの原材料・製法にこだわったもの(こちら)。まずは、ヘレスをいただきました(¥700)。ラガービールの1種ですが、甘みがあって、ホップの苦みが弱い特徴があります。1杯だけのつもりでしたが、娘とシェアしたため、もの足らなくなり、ドゥンケル1杯を追加。こちらも¥700。ドゥンケルは、ミュンヘンの伝統的ラガーの1つなのですが、こちらは黒ビール。こちらの方が味の切れがよい感じでした。

1724556197073c 240825112536567c  つまみには、かねき商店のブースで牛串焼肉(¥600)と牛タン焼肉(¥400)とを1本ずつゲットしてきました。写真では区別しにくいのですが、向かって左が牛串焼肉。個人的には、牛串焼き肉の方が美味しく感じました。かねき商店さんのブースは、右の写真で向かって右。

240825112616814c  240825112533295c 今年は、ミスト発生装置も設置され、猛暑にも配慮されていました。去年は、桑名の後藤酒造場さんもブースを出しておられ、青雲の樽酒を瓶詰めしたものを買ってきたのですが、今年は、大変残念ながら、出店しておられませんでした。

240825112654484c  ということで、開始直前に行って、ビール2杯を30分ほどで楽しんで、サッサと帰って来たという次第です。これで、個人的には「夏も終わった」というところです。

2024年4月27日 (土)

20240427近鉄ハイキング「(【三岐鉄道合同企画】白梅の丘をこえて桑名『ほしの湯』でととのう」へ(一回完結)

Img_0565c_20240427162701

 薄曇りで最高気温は22.2℃とウォーキング日和。予定通りに近鉄ハイキングに行ってきました。「【三岐鉄道合同企画】白梅の丘をこえて桑名『ほしの湯』でととのう」という企画です。近鉄伊勢朝日駅から三岐鉄道北勢線星川駅までのコース。朝日町は何度も訪ねていますが、今日の私の主たる目的は、稲垣酒造場。近鉄桑名駅を9時29分に出る塩浜行き普通に乗車。伊勢朝日駅には9時34分着。¥240。受付は、伊勢朝日駅西口をでてすぐの「語らいの広場」で9時半から。今日は一人旅。

Img_0574c_20240427162701 Img_0577c_20240427162701  本日のコースマップは、A4サイズで両面印刷。主な立ち寄り先は、若松園、稲垣酒造場、朝日町歴史博物館、夢菓子工房ことよ、新清月、ほしの湯、ロピア桑名 サンシティ店となっています。

240427kintetsuhike0  こちらが実際に歩いてきたルートマップ。伊勢朝日駅から白梅の丘の住宅地を越え、桑名市に入り、桑部、蓮花寺、在良、星川と歩いて、ほしの湯、ロピアと回ってきました。8.5㎞を歩いたわけですが、「キョリ測」で見ると、夢菓子工房ことよあたりで標高が50mほどあり、けっこうアップダウンがありました。

Img_0597c_20240427162701 Img_0602c_20240427162701

 9時40分にスタート。語らいの広場からは旧東海道を下ることが多いのですが、今日は裏道へ。朝日町資料館や、朝日小学校のところを通っていきます。資料館は、以前訪ねましたので、パス。朝日小学校は円形校舎で有名。朝日町役場を右手に見て歩き、そのあと少しだけ東海道を通ります。

Img_0629c_20240427162701 Img_0636c_20240427162601  若松園。私は、申し訳ないことながら、いつも見るだけで通過させてもらっています。その向かいに稲垣酒造場があります。スタートから1㎞あまりで、早くも私にとっての主たる目的地に到着。有料の試飲もあったのですが、ここは我慢。というのも、まだこの先7㎞は歩かなければなりませんし、アップダウンがあることも承知していましたから。土産に純米吟醸の「御山杉」の4合瓶(¥1,500)を買ったのみ。去年売っていた樽酒の瓶詰めは、今回はありませんでした。

Img_0645c_20240427162601 Img_0655c_20240427162601  稲垣酒造場からJR関西線を越え、少し坂を登った先に朝日町歴史博物館があります。ここも何度も訪ねましたので、見学はしていません。コースマップにしたがって裏手のふれあいパークに登ってみました。かなり眺めがよく、四日市港、ポートビル、ナガシマスパーランドなどがよく見えました。

Img_0674c_20240427162701  白梅の丘交差点から夢菓子工房ことよまでは、こんな上り坂が続きます。さほどきつい坂ではありませんが、400mあまり続いています。

Img_0680c_20240427162601 Img_0684c_20240427162601  夢菓子工房ことよ白梅の丘店。いつもなら菓子屋さんに寄るのは、よほど有名なお菓子があるときだけですが、今日は、みたらし団子の宣伝に惹かれフラフラと入ってしまいました。私の好きな醤油のたれのものがおいしそうで、ついつい2本買って、イートイン。故郷にある、あの「天王の団子」に次ぐ美味しさでした。1本¥75。

Img_0690c_20240427162601 Img_0705c_20240427162601  ここからは下り坂。ひたすら下っていきます。桑名市に入って新清月という和菓子屋さん。ここも通過させてもらいました。坂を下りきったところで桑部橋。町屋川を渡ります。桑部あたりからは、何度も来ている、なじみのあるエリアです。

Img_0728c_20240427162601 Img_0740c_20240427162601  500mほど県道63号線を歩きましたが、蓮花寺駅の近くから旧濃州道に入ります。濃州道は、コロナ禍の2020年春に「勝手にハイキング」で歩きました。今日歩いたあたりは、2020年3月15日に通っています(2020年3月15日:20200315「勝手に三岐鉄道ハイキング『桑名の員弁街道を歩く』」(三ツ矢橋から三岐鉄道北勢線・星川駅)(予告編))。

Img_0744c_20240427162601  Img_0770c_20240427162601 濃州道を歩く途中で、県道63号線を渡ります。渡ったところに地蔵堂。子安地蔵です。石仏の他、五輪塔片なども祀られています。これらは、旧・浄蓮寺(額田廃寺)跡の一部といいます。坂井橋交差点で裏道に入ったのですが、北勢線を渡ります。踏切のところが、旧坂井橋駅。歯科医院がある裏が駅の跡地。ここから裏道といいますか、工場と北勢線の間の細い道から、高架道路の下を通って、星川交差点へ向かいました。

Img_0805c_20240427162601 Img_0810c_20240427162601  ほしの湯に向かいますが、そのとなりには、比較的最近できたホテル・ルートインほしの湯は、右の写真。家内や娘は何度か来たことがあるそうです。私は、こういうところにはほとんど来ません。さしたる理由はありません。今日のハイキングは、「ほしの湯でととのう」なのですが、入浴はしていませんから、私はととのってはおりません(微苦笑)。

Img_0818c_20240427162601 240427114202417c  ほしの湯の南に星川サンシティがあります。昭和61(1986)年にジャスコ星川店が中心となってオープンしたショッピングセンター。平成18(2006)年にバローに変わり、さらに今年の2月にロピア桑名サンシティ店になっています。オープン当初は、大混雑で入場制限をしていたという話を聞いています。右の写真は、ロピアの入り口あたり。空いているようにも見えますが、中は大賑わい。ここから覗いてみただけですぐ撤収(苦笑)。

Img_0822c_20240427162601  サンシティの入り口にこんな自販機がありました。今年4月から日本国内でオペレーションを始めた「IJOOZ(アイジュース)」生絞りオレンジジュースの自動販売機。のどは渇いていませんでしたので、試してはおりません。1杯¥350。45秒で生絞りオレンジジュースが出てくるそうです。

Img_0835c_20240427162601 Img_0839c_20240427162601  これで立ち寄り先はコンプリート。MEGAドン・キホーテUNY星川店と三洋堂星川店の前を通って、北勢線星川駅へ。12時に到着。2時間20分で歩いてきました。ここでコースマップに付された番号で、抽選会があったのですが、今回もはずれ。ウェットティッシュをいただきました。

Img_0857c_20240427162501 Img_0842c_20240427162601  12時11分発の西桑名行きに乗車して帰宅の途へ。西桑名駅には12時26分に到着。¥240。

Screenshot_20240427113333c Screenshot_20240427113344c  今日のハイキングは、アプリ連動ハイキングでした。左のスクリーンショットにある上3つのスタンプが今日のもの。右の踏破賞リストでは、左のものが今日のもの。コロナ禍以前は、1年で20回、30回と行っていましたが、最近は行き尽くした感があり、近鉄ハイキングに出かける回数が減っています。

Screenshot_20240427153549c  さらに、こちらは北勢線西桑名駅のデジタルスタンプ。エキタグでゲットできるものです。伊勢朝日駅、星川駅には設置されていません。数はなかなか増えませんが、ハイキング/ウォーキングに出かけるときに地道にゲットすることにします。

Screenshot_20240427125613c  Google Fitのデータ。11.59㎞、17,529歩でした。ルートマップ上では、歩いた距離は8.5㎞でした。桑名駅・西桑名駅から自宅往復は、2.5㎞ほど。

Img_0901c_20240427162501  土産の「御山杉」の純米吟醸。¥1,500。

Img_0868c_20240427162501 1714188676151c  余談ですが、桑名駅東口に「桑名駅前横丁」が完成し、営業を始めているようでした。ネットで検索しても、営業が始まったという情報はまだ出て来ませんでした。イベントスペースの方には、キッチンカーも2台来ていました。

2024年3月17日 (日)

20240317近鉄ハイキング酒蔵みてある記「銘酒『伊勢旭』旭酒造をたずねて」へ(一回完結)

Img_8457c_20240317161101  晴れ間もあるという予報でしたが、ほぼ曇り。帰りの電車では鈴鹿、四日市あたりで雨が降っていましたし、桑名駅から自宅までの間でも小雨でした。しかし、ハイキング中は、雨に降られることもなく、歩きやすい陽気でした。ということで、予定通りに、近鉄ハイキング酒蔵みてある記「銘酒『伊勢旭』旭酒造をたずねて」に行ってきました。今回は、一人旅。立ち寄り先も少なかったため、記事も一回で完結。桑名では、最高気温は16.8℃でした。

Img_8460c_20240317161101 Img_8435c  近鉄桑名駅を7時52分に出る宇治山田行き急行で近鉄松阪駅まで。松阪には8時55分着。9時6分発の賢島行き普通に乗り換えて、近鉄明星駅に9時19分着。¥1,290。松阪駅から乗った普通電車は、ミジュマル・トレインでした。これに乗ったのは、去年7月15日の「伊勢河崎ウォーキング」以来2回目(2023年7月20日:20230715伊勢河崎ウォーキング(その3)……倉田山公園、松尾観音寺、倭姫宮、日蓮聖人誓願の井戸、正寿院、光明寺を経て宇治山田駅へゴールにて「完」)。

240317khmyojo  こちらが今日歩いてきたルートマップ。電車としては、明星駅から斎宮駅まで1駅なのですが、明和町大淀の方を大回り。もらったコースマップには約11㎞とありました。立ち寄り先は多くはなく、伊勢旭酒造、佐々夫江行宮跡、カケチカラ発祥の地記念碑、隆子女王の墓、史跡公園さいくう平安の杜の5ヶ所。9時25分にスタートしました。明星駅で乗降したのは、初めて。

Img_8469c_20240317161101 Img_8477c_20240317161101  近鉄ハイキングのWebサイトに「山田線・明星駅~田園地帯~旭酒造……」とありましたが、まさにその通り。旭酒造まで5㎞あまりですが、その間、ほぼ田園地帯でした。ひたすら歩きました。もちろんところどころに住宅地や、グラウンド、太陽光発電などがあります。

Img_8501c_20240317161101  国道23号線を越えて、大淀東交差点のところで三重交通の「ミジュマルバス」に遭遇。調べてみたら、小型電気バス(9001号車)で、三重交通が伊勢市より受託しているコミュニティバス(おかげばす)でした。この路線は、山大淀から伊勢赤十字病院まで運行されています。

Img_8520c_20240317161101 Img_8536c_20240317161101  スタートからほぼ1時間で、伊勢旭酒造に到着。5㎞あまりをかなり速いペースで歩いてきました。旭酒造の酒蔵みてある記は、ずっと以前から興味があり、来たかったところ。明和町のゆるキャラである「めい姫」も来ています。斎王と斎宮をずっとそばで見ていたノハナショウブが、斎王にあこがれ続けるうち、その思いがめい姫の姿になったといわれています。みんなからちやほやされるのがだーい好きな、自称「いとをかし」なお姫様だとか。

Img_8525c_20240317161101 Img_8646c_20240317161201  それはさておき、今日の酒蔵みてある記でも、コースマップに割り振られた番号で抽選会があり、まずはそちらへ。ちょっとだけ期待したのですが、前回の丸彦酒造に続き、今回も敢えなく敗退(苦笑)。私の番号は、#135でした。下2桁が30ならばタオル、同じく40であれば大吟醸アイスクリームだったのに。

Img_8529c_20240317161101 Img_8533c_20240317161101  続いて、試飲。今回は、無料。銘柄は、「上撰 伊勢旭」。神宮にも奉納されるお酒でした。無料ですので、カップサイズは右の写真の通り。今日は、ここから斎宮駅まで5㎞半ほど歩かねばなりませんし、一人旅でしたから、この無料試飲1杯だけ(笑)。1合瓶も売っていたのですが、それを飲んだら歩くのに難儀しそうです。

Img_8544c_20240317161101 Img_8795c_20240317161201  直売所では、いつものように土産に4合瓶をゲット。純米大吟醸酒です。¥1,500。ちなみに、伊勢旭酒造さんのWebサイトを見ると、鳥羽一郎さんの「兄弟船」という演歌にちなんだ「兄弟船」というお酒もあるようでしたが、直売所には出ていませんでした。

Img_8592c_20240317161101 Img_8567c_20240317161101  抽選にはずれ、試飲も済ませ、土産も買いましたので、サッサと次の目的地へ(現役の頃、「用事が済んだらサッサと帰る」というのが、モットーの1つでした)。旭酒造さんからすぐ近くの水田の中に「佐々夫江行宮跡(ささふえあんぐうあと)」があります。リンク先には、「倭姫命が伊勢の地に入られてから、大淀に御船をとどめてつくったお宮跡」とありますが、「行宮」であれば、倭姫命がしばらくここにとどまられたところであろうと思います。

Img_8577c_20240317161101  現在、山大淀の西、笹笛橋の近くには田の中に1mほどの高さの碑が立ち、「竹佐々夫江旧跡」と刻んであるのですが、勝手には入っていけませんので、望遠でこの写真を撮ってきました。

Img_8609c_20240317161101  佐々夫江行宮跡から笹笛橋で笹笛川を渡ると、すぐに「カケチカラ発祥の地記念碑」があります。ここも、その名前が不思議な気がして、一度来てみたかったところです。

Img_8618c_20240317161101  「斎宮」を構成する文化財の中に「カケチカラ発祥の地」というものがあります。説明では「神嘗祭に初穂の稲束を伊勢神宮の内玉垣に懸け、国の永遠の繁栄を祈る懸税(カケチカラ)行事の発祥の地」とあります(こちらに詳しい話が載っています)。

Img_8626c_20240317161101  要約しますと、一羽の真名鶴が、根は一株で八握穂に茂っている稲を示し、倭姫命がそれを大神に捧げたという伝説があり、懸税(かけちから)/毎年10月に伊勢神宮で行われる神嘗祭で内垣に掛けられる稲束)の発祥の地とされ、記念碑が建てられています。懸税は、 上代、稲の初穂を、穂のまま青竹にかけて神に供えたもので、伊勢神宮では、現在でも神嘗祭のときに、内宮、外宮の正宮や、別宮の御垣(みかき)に稲束が掛けられるそうです(こちら)。

Img_8672c_20240317161201  カケチカラ発祥の地記念碑からまた国道23号線をくぐって、次の目的地に向かってひたすら歩きました。それは、「隆子女王の墓」。斎王の中にはわずか5歳で選ばれ、親や都から遠く離れた斎宮で寂しく辛い思いをされた斎王もいました。斎王として遣わされた醍醐天皇の孫女「隆子女王」は斎宮で亡くなった初めての斎王。隆子女王の年齢はわかっていませんが、少女と考えられます。隆子女王は、安和2(969)年に斎王とされ、2年後の天禄2(971)年9月に伊勢へ群行しました。天延2(974)年閏10月17日に疱瘡(天然痘)を患い斎宮寮で亡くなり、諡号は「小松女院」とされています。初めて斎宮で亡くなった斎王です。わずか在位3年で病死されたため、都に帰ることはなくこの地で手厚く葬られました。隆子女王の墓には、木々が生い茂り清楚なただずまいを見せています。

Img_8680c_20240317161201  隆子女王の墓は、所在地が失われ地域の住民からも斎王の墓だとは認識されなていなかったのですが、墓にまつわる伝承は語り継がれて来ました。それも根拠の一部となり明治16(1883)年3月20日に多気郡馬之上村戸長潮田又吉らから三重県令岩村定高宛てに、馬之上村の「小松塚」を隆子女王の墓とする「上申書」が提出され、「小松塚」は宮内省によって隆子女王墓と決定されています。墓は、現在も宮内庁で管理され、命日を新暦に換算した12月7日には現地で正辰祭が行われているといいます。こちらもご覧ください。

Img_8727c Img_8731c_20240317161201  このあと、明和町中央公民館、町役場、明和中学のあたりを歩いて、11時45分を過ぎた頃、「史跡公園さいくう平安の杜」に到着。斎宮跡には、これまでに3回ほど来ています(2019年6月2日:20190602近鉄ハイキング「斎王まつり 日本遺産斎宮散策と王朝絵巻『斎王群行』」へ(予告編)、2019年10月27日:20191027近鉄ハイキング「昔も今もお伊勢参り~旅10日目~伊勢街道、旅人気分で松阪から王朝ロマンをたどる斎宮跡へ」(予告編)、2021年11月6日:20211106「東海道・伊勢街道歩いて伊勢参りツアー」第14回「櫛田~斎宮」(予告編))。それ故、今日はあちこち見て回ってはいません。

Img_8754c  斎宮駅はもう目の前ですので、公園のベンチでお昼にしました。あら竹商店モー太郎寿司がいいなどと昨日は書きましたが、去年から1個¥1,200に値上がりしていました。ちなみにモー太郎弁当は、¥1,700になっています。これでは、年金生活者のハイキングの昼ご飯にはいかにもお高い。そこで、いつものように、朝、桑名駅で電車に乗る前にファミマで「おむすび&焼きそばセット」(税込み¥390)をゲットしてきました(微笑)。十分です。

Img_8757c_20240317161201 Img_8799c_20240317161201  昼ご飯を済ませてから、「いつき茶屋斎宮跡無料休憩所」で適当な土産がないか、見てきました。ここは無料休憩所であり、土産も売っており、また、軽食(伊勢うどんなど)を食べられるところです。「十二単バウムクーヘン」も売っていましたが、なんと¥2,000を超える値段。そこで、まぁ何でもいいかということで、「斎宮せんべい(¥450)」。伊勢神宮ゆかりの古代米を使っているそうです。普段のおやつにすればちょうどよいという算段。

Img_8761c_20240317161201  余談ですが、この無料休憩所の入り口横にあった飲料水の自販機も、ミジュマル仕様でした。ミジュマルに関したものは、桑名など北西地域よりも、この伊勢志摩方面の方がよく目にする気がします。

Img_8770c_20240317161201 Img_8777c_20240317161201  近鉄山田線斎宮駅には、12時10分過ぎに到着。次の松阪方面の電車は、12時31分発の伊勢中川行き普通。これに乗って松阪まで。松阪着は、12時42分。12時54分に松阪始発の急行名古屋行きがありますので、それに乗り換えて、桑名には14時3分着。¥1,290。斎宮駅で電車を待っていたら、下りホームにミジュマル・トレイン。今日は、ミジュマル・デーかも知れません。

Screenshot_20240317142405c  今日のGoogle Fitのデータ。12.77㎞で、20,485歩でした。朝は、車で桑名駅近くまで送ってもらっています。キョリ測で見ますと、現地では11.2㎞を歩いていますから、歩いた距離はこれくらいでしょう。

Screenshot_20240317121901c Screenshot_20240317121849c  余談その1。今日のハイキングは、「近鉄あみま倶楽部」アプリと連動しています。デジタルでチェックポイントでチェックがあり、踏破賞もデジタルでもらえます。去年9月に続いて2回目。名鉄やJR東海のように、全部デジタル化してあった方が便利な気がします。名鉄ハイキングでは、コースマップもスマホで見られるようです。

Screenshot_20240317074059c Screenshot_20240317143837c  余談その2。昨日、下調べをしていたら、「エキタグ」というデジタルの駅スタンプアプリを見つけました。近鉄でも導入されているということで、早速、桑名駅と明星駅でゲットしてきました。新しいものがあると、すぐに飛びつく傾向があるのです(笑)。

 以上、今日の酒蔵みてある記「伊勢旭酒造」は、これにて「完」。

 

2024年3月 2日 (土)

20240302近鉄ハイキング酒蔵みてある記「 銘酒『三重の寒梅』丸彦酒造をたずねて」へ(一回完結)

Img_7621c_20240302153401  おおむね晴れましたが、ときどき細かい雪がちらつき、冷たい北風が吹くという天候でした。しかし、それにめげず近鉄ハイキング酒蔵みてある記「 銘酒『三重の寒梅』丸彦酒造をたずねて」に行ってきました。2年前にも同じ企画に参加していますが(2022年3月5日:20220305近鉄酒蔵立ち寄りハイキング「銘酒『三重の寒梅』丸彦酒造をたずねて」へ(1回完結))、この丸彦酒造の三重の寒梅は、お気に入りなのです。同級生K氏と二人旅。ちなみに桑名では最高気温は7.8℃、最大風速は8.2m/s、出かける直前にはちょっとした吹雪でした。

Img_7613c_20240302153401 Img_7617c  近鉄桑名駅9時2分発松阪行き急行に乗車し、近鉄四日市駅に9時14分着。9時29分発の湯の山温泉行き普通に乗り換え、スタートの伊勢松本駅には9時34分の到着。¥450。この湯の山線の電車は、ハイキング参加者で大賑わい。左の写真は、受付待ちの行列。冒頭の写真に示したコースマップを受け取り、伊勢松本駅前を9時40分にスタート。

240302hikingmaruhiko  こちらが今日歩いてきたルートマップ。前回と同じコースですが、前回のときは丸彦酒造からもう少し歩こうということで、伊勢三郎首塚、真宗大谷派の永角山西福寺、河島御厨神明神社も回りました(2022年3月5日:20220305近鉄酒蔵立ち寄りハイキング「銘酒『三重の寒梅』丸彦酒造をたずねて」へ(1回完結))。

Img_7624c_20240302153401 Img_7628c_20240302153401  伊勢松本駅をスタートしてすぐに松本街道を渡ります。写真はその信号待ちの風景。スタート直後は、大勢が集団になっていますが、歩いているうちにばらけてきます。右の写真は、松井神社。前回、ゆっくり見て回りましたので、今回はパス。ご興味がおありの方は、前回の記事をご覧ください。

Img_7635c_20240302153401  Img_7646c_20240302153401 今日は、主に鹿化川(かばけがわ)沿いを歩きます。1㎞ほどのところに「上布田遺跡(じょうふでんいせき)」と書かれた看板があります。このあたりから須恵器、土師器、山茶碗などが出土したそうです。鹿化川沿いには、千本桜並木があります。昭和の終わり頃、川島老人会が桜の苗木を植えたものです。桜の季節には見事な眺めになるでしょう。

Img_7652c_20240302153401 Img_7656c_20240302153401  丸彦酒造に入って行く交差点。目の前の住宅は、前回来たときにはなく、「丸彦酒造」という文字がよく見えていました。右は、ここを曲がったところのお宅にある枝垂れ梅。古木ですが、よく手入れされているようで見事に咲いています。

Img_7660c_20240302153401 Img_7672c  丸彦酒造には、10時25分に到着。ここでほぼ3㎞。さほど広くない敷地内に抽選会場、直売所、試飲ブース、飲食物販売ブースなどがあり、大賑わい。近鉄ハイキングの中でも「酒蔵みてある記」は人気があります。

Img_7662c_20240302153401 Img_7666c_20240302153401  まずは、抽選会。コースマップに個別に番号が割り振られています。その番号で抽選となります。私のコースマップの番号は、#142で見事はずれでした。以前、2回ほどワンカップを当てたことがありますが(2019年1月26日:20190126近鉄ハイキング“酒蔵みてある記 銘酒「三重の寒梅」丸彦酒造をたずねて”へ(予告編))、それはどうやら過去の栄光になってしまったようです。

Img_7680c_20240302153501  ところが同級生K氏の番号は、なんと特賞の#204!! 抽選会場の受付スタッフの方が「エーッ! おめでとうございます。特賞は、お一人だけです」と。周囲にいたほかの参加者の方も「すごいな」「おめでとうございます」と盛り上がり、K氏も踊り出さんばかりの喜びよう。というのも、K氏は、最初に参加した酒蔵みてある記で、私が細川酒造で「純米吟醸 上げ馬(720ml)」を当てたのに、番号が1番違いで何もあたらずとても悔しがっていたのです(2020年1月26日:20200126近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 細川酒造の銘酒『上げ馬』と多度大社・追儺祭」へ……祝ご当選!でめでたく「完」)。これで見事リベンジ以上。K氏が引き当てたのは、冬季限定商品「吟醸 三重の寒梅 金箔入1.8L」と思います。リュックにはとても入らず、大事に抱えて来ていました(微笑)。

Img_7676c_20240302153501  私は、参加賞ということで、小さな袋のつまみ2種。ちなみに、特賞のK氏は、これはもらえていません。

Img_7686c  さて、続いては試飲ですが、特賞を当てたK氏が、「今日は、俺のおごりや!」ということで、1杯¥100の試飲を2杯もおごってもらいました。試飲は、大寒の日にしぼりあげたという「純米吟醸 三重の寒梅 大寒しぼり」。つまみも用意してくれましたので、今日はすっかりK氏に御馳走になりました。三重の寒梅の薦には「肴よし 酒よし 友よし 寿福無量 ここにきわまれり」とあります。今日は、まさにその通りの日です。

Img_7723c_20240302153501 Img_7732c_20240302153502  試飲は2杯ずつで切り上げ、私は直売所へ行って土産を仕入れてきました。1つは、試飲した「純米吟醸 三重の寒梅 大寒しぼり」(左の写真、¥1,600)。もう1つは、吟醸「三重の寒梅」のワンカップ(¥300)。このワンカップを抽選で2回当てたことがあるのですが、この吟醸「三重の寒梅」もけっこうおいしいのです。普段飲むのでしたら、これで十分。

Img_7710c_20240302153501 Img_7713c_20240302153501  丸彦酒造から伊勢川島駅に向かうのですが、試飲した後では、ちょっと難儀。というのも、三滝台の住宅団地を通っていくのですが、丸彦酒造からは25mほど高低差があるところを歩かねばならないからです。早咲きの桜(河津桜でしょうか)等を眺めながらブラブラ歩いて、伊勢川島駅には11時40分過ぎに到着。キョリ測で見ますと、4.4㎞を歩きました。11時51分の近鉄四日市行き普通で、近鉄四日市駅に11時59分着。12時10分発の名古屋行き急行に乗り換えて、桑名には12時22分着。¥510。試飲を2杯飲み、つまみも食べましたので、今日は桑名駅で解散。昼食は自宅にて。

Screenshot_20240302125346c  今日のGoogle Fitのデータ。7.44㎞、12,298歩でした。自宅から桑名駅は、片道1.2㎞あまりですから、キョリ測のデータ通り現地では4.5㎞ほどを歩いたと思います。

2023年12月19日 (火)

20231216「大黒屋光太夫ゆかりの地をめぐる」ウォーキング(その3)……大黒屋光太夫漂流記壁画、徳本上人御堂、若松漁港開港記念碑から清水清三郎商店を見て、西運寺、深田神社、弘善寺を経て伊勢若松駅にゴールにて「完」

Kodayu2 Kodayu1  12月16日に行ってきた「大黒屋光太夫ゆかりの地をめぐる」ウォーキングの本編その3です。その2では、小川神社、心海寺、大黒屋光太夫記念館、大黒屋光太夫供養碑から開国曙光碑(2代目)を回ってきました。開国曙光碑(2代目)は近鉄千代崎駅に近いところにありますが、その3ではそこから若松に戻り、大黒屋光太夫漂流記壁画を見て、しばらく堤防道路を歩き、徳本上人御堂・若松漁港開港記念碑、清水清三郎商店、西運寺、深田神社、弘善寺と回って、近鉄伊勢若松駅にゴール。

Img_4359c_20231216193001  若松緑地の堤防に「大黒屋光太夫漂流記壁画」が描かれています。200mほどに渡って、10枚の壁画が並んでいます。壁画は、金属板に描かれたもの。

Img_4380c Img_4390c_20231218032701  途中、堤防工事のために少し迂回しましたが、ここからは堤防道路を歩いて北に向かいます。退屈するかと思いましたが、海岸や海の景色を楽しめました。対岸にあるセントレアも遠望できます。

Img_4399c_20231218032701  セグロカモメの姿も数羽、見えます。

Img_4427c_20231216193101  若松漁港の手前に徳本上人御堂と若松漁港開港記念碑が並んでいます。若松漁港は、昭和30(1955)年に漁港指定を受けています。

Img_4431c_20231218033401 Img_4440c_20231218033401  徳本上人は、宝暦8(1758)年、現在の和歌山県日高町志賀に生まれました。数えでわずか2歳の年、姉に抱かれながら、月に向かって「南無仏」と唱えたとか、4歳のころ、仲のよかった隣家の子どもの急死に無常を感じ、常に念仏を唱えるようになったとかの逸話が残っています。天明4(1784)年に出家した後は、草庵に住み、1日1合の豆粉や麦粉を口にするだけで、ひたすら念仏を唱え続けました。また、水行をしたり、藤の蔓につかまって崖をよじ登るなど、他に例のない過酷な修行をしたことも伝えられており、行場跡も多く残っています。寛政6(1794)年ころから始められたといわれる全国行脚は、紀伊・河内・摂津・京都・大和・近江・江戸・相模・下総・信濃・飛騨・越後・越中・加賀など、驚くほど広い範囲に及んでいます。上人の足跡を物語る石碑(名号碑)は、全国各地に千基以上あるといいます。

Img_4452c_20231216193501 Img_4458c_20231218034101  徳本上人御堂の西に清水清三郎商店があります。商店という名前ですが、酒蔵。知る人ぞ知るかも知れませんが、伊勢志摩サミットで供された「(ざく)」の蔵元がここのです。まだ呑んだことはありません。例えばこちらで通販がありますが、それなりのお値段なのです。

Img_4466c_20231218034301 Img_4463c_20231216193901  清水清三郎商店の南西に若松山西運寺。真宗高田派。近鉄のあみま倶楽部のハイキングマップ「潮風満喫鈴鹿コース」によれば、ここはもともと地元の豪農が建立したといいます。もとは目前庵と称し、寛文元(1661)年に現在の寺名に改名しています。

Img_4470c_20231218035601  西運寺の北に深田(ふかた)神社。塩浜街道(県道6号線)沿いに建つ社号標は、大きくて目立ちます。創祀などについては不詳ですが、延喜式内社ですので、1,000年以上前の平安時代にはすでにあったものと考えられます。神社の西のあたりを深田と呼んだのが、社名の起こりであるといわれています。

Img_4478c_20231218035601  天正15(1587)年、慶安2(1649)年、元禄10(1697)年、享保6(1711)年、安永7(1779)年の122枚の棟札があり、式年での造営が行われてきているそうです。現在も20年ごとに社殿の改修、境内整備、40年ごとに本殿の建て替えがおこなれています。訪ねたこの日、鳥居が新しいことが目を引きましたが、今年、本殿、手水舎、鳥居が新築されています。

Img_4490c_20231216194301  明治5(1872)年に村社となり、明治41(1908)年6月村内の無格社17社を合祀しています。主祭神は、豊宇迦能賣命(とようかのめのみこと)。外宮のご祭神である豊受大神の異称です。相殿神は、素盞雄尊(すさのおのみこと)、大山津見命(おおやまつみのみこと)、保食神(うけもちのかみ)、五男三女神(ごなんさんじょしん)、誉田別命(ほむだわけのみこと)、大物主神(おおものぬしのかみ)、菅原道真(すがわらのみちざね)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冊尊(いざなみのみこと)、火産霊命(ほむすびのみこと)、大井神(おおいのかみ)、宇賀之御魂神(うかのみたまのかみ)の12柱。境内社には、酒井神社(大井神/おおいのかみ)、菅原社(菅原道真公)、山神社(大山祇命/おおやまずみのみこと)、浅間社(木花咲耶姫命/このはなさくやひめのみこと)。

Img_4482c_20231216193801  深田神社の鳥居をくぐったところには、先ほど見てきた清水清三郎商店がつくっている「作(ざく)」と「鈴鹿川」の薦樽が並んでいました。

Img_4492c_20231218041601 Img_4498c_20231216194401  最後の立ち寄り先は仏誓山弘善寺。真宗高田派。ここのお寺、ネットでは、特に情報は出て来ませんでしたし、現地にも案内板はありません。すでに来月、高田本山専修寺で行われる「お七夜」(報恩講)のポスターが貼ってありました。

Img_4520c_20231216194501 Img_4532c_20231216194601   伊勢若松駅に戻ってきたのは、12時50分頃。途中で2回ほど休憩していますから、歩いたのは実質3時間余り。この駅周辺には飲食店がありませんので、今日の昼食は、ファミマで仕入れてきた弁当 。「おむすび&焼きそばセット」、¥390。おにぎり2個と焼きそばが少し。食べすぎはよくありません(微苦笑)。駅の待合室を借りて、ランチタイム。13時16分の名古屋行き急行に乗車して、桑名駅着は13時40分。¥530。

Screenshot_20231216140610c  この日のGoogle Fitのデータ。12.1㎞で、21,560歩。自宅から桑名駅までの往復を含みます。マップ上、現地では8㎞ほどでしたが、実際には9㎞あまりを歩いてきたことになります。これにて、今年のウォーキング納め。

2023年11月 3日 (金)

20231103近鉄ハイキング“名古屋鉄道合同企画 「佐藤醸造」と「山田酒造」尾張の醸造文化に触れる”(概要編)

Img_2966c_20231103184401  桑名では夏日にはなりませんでしたが、その寸前の24.9℃。予定通り、近鉄ハイキング“名古屋鉄道合同企画 「佐藤醸造」と「山田酒造」尾張の醸造文化に触れる”に行ってきました。あま市と蟹江町を歩いてきたのですが、愛西市にあるアメダスでは最高気温は25.2℃でした。歩き始めてすぐに「ウィンドブレーカーはいらないな」と思ったくらい。半袖で歩いている若い方もたくさんありました。今日も同級生K氏と二人旅。今回は概要編です。冒頭の写真は、今年7月1日にデビューした特急南紀の新型車両であるHC85系。桑名駅で見ました。

Img_2973c_20231103183601 Img_2977c_20231103183601  近鉄ハイキングですが、桑名からスタート地点の名鉄津島線木田駅に行くには、JRで弥富まで行き、名鉄に乗り換えます。JR桑名駅発8時38分の名古屋行き普通に乗車。弥富には8時45分着。¥200。名古屋行きのJR電車は2番線につきますが、向かい側の3番線が名鉄弥富駅。8時49分発の豊明行き普通に乗り換え。名鉄津島線木田駅には9時10分に到着。¥410。名鉄に乗るのも久しぶりですし、弥富から津島線に乗ったのはたぶん20年ぶり以上。

231103kintetsuhikingkida0  こちらが今日歩いたルートマップ。マップ上、約11㎞。名鉄木田駅をスタートし、あま市七宝焼 アートヴィレッジ、佐藤醸造(あまの蔵・海部のくちどけ)、七宝焼原産地道標、蟹江町観光交流センター「祭人」、龍照院、山田酒造、お漬物若菜とめぐって、近鉄名古屋線蟹江駅がゴール。

Img_3006c_20231103183701  最初の立ち寄り先であるあま市七宝焼きアートヴィレッジ。「尾張七宝」として伝統的工芸品の指定を受け、人々に親しまれてきた「七宝焼」について、見て・触れて・学んで・体験することができる総合施設です。七宝焼き、実は少しだけやったことがあります。最初の勤務先である某国立療養所で、作業療法のような形で患者さんとブローチのようなものを作ったことがある程度で、本格的に取り組んだわけではありません。

Img_3073c_20231103183701  あま市遠島にある八幡神社。創建は不詳。ご祭神は品陀和気尊。天正12(1584)年の蟹江合戦の際に、この地を訪れた滝川一益が、戦勝祈願のために名剣を奉納したと伝えられています。立ち寄り先ではありませんが、寺社仏閣を見つけたら、立ち寄ることにしているのです。表参道から鳥居をくぐったところには、蕃塀がありました。三重県北勢地方では見たことがありません。伊勢神宮、熱田神宮のほか、愛知県尾張地方でよく見る気がします。

Img_3033cc Img_3054c_20231104033901  今日の近鉄ハイキングは、事前にはコースが分かりませんので、何も調べて行かなかったのですが、このあと訪ねた七宝焼原産地道標の説明板の記述によれば、この八幡神社に「七宝焼起源碑」がありました。神社の東側にです。明治20(1887)年、当時の遠島村をはじめ近隣の村々の七宝製造業者の団結の証として建立されています。また、この神社にはラカンマキ(羅漢槙)の大木があります。樹齢300年以上を経ており、昭和30(1955)年に県の天然記念物に指定されています。

Img_3081c_20231103183701  八幡神社のあたりからは、名駅前の高層ビル群がよく見えました。このあたり、土地勘はほとんどありません。東名阪をクルマで走るか、JR関西線、近鉄名古屋線を電車で通るくらいですから。ルートマップを描いて改めて見ると、なるほど割と近いと思い当たったくらいです。

Img_3088c_20231103183701 Img_3095c_20231103183701  次の立ち寄り先は、佐藤醸造。創業明治7(1874)年の七宝味噌・醤油の蔵元。豚汁を振る舞っていただけました。

Img_3126c_20231103183701  今日は、木田駅から近鉄蟹江駅に向かって、ほぼ南下していきます。佐藤醸造の南で七宝焼原産地道標。七宝小学校のすぐ北にあります。尾張七宝は、誕生の直後から海外向けの販売を主にしていたこともあり、明治15(1882)年頃から外国人が遠島およびその周辺の窯元を訪れ、作品を鑑賞、購入する姿が見られたため、同28(1895)年に建立されたこの碑には、当時としては珍しく上部に“Shippoyaki Toshima”のローマ字が刻まれています。窯元に通う外国人のために刻まれた文字ですが、当時の尾張七宝の隆盛を今に伝え残す貴重な石碑です。

Img_3216c_20231103183801  続いてはおなじみ、蟹江町観光交流センター「祭人」。もう何度来たか分からないくらい。今日は、スイーツフェアをしていたのですが、ここに来るまでにある公園で休憩し、甘い物を食べてしまいましたので、何も買わず、何も食べず。

Img_3171c_20231103183801  祭人から蟹江川を東に渡ったところに蟹江山常楽寺龍照院。私はここもすでに何度も訪ねていますが、今日は、近鉄・名鉄ハイキング開催にあたって、国指定重要文化財である「十一面観世音菩薩立像」が特別にご開帳されていました。普段であれば60年に一度しかご開帳はありません。

Img_3179c_20231103183801 Img_3184c_20231103183801  もちろん撮影は許されていませんので、外での様子のみ撮影。ある程度の人数がまとまったら、順番に拝観が許されていました。高さ173cm、桧材、一木造(いちぼくづくり)、漆箔(しっぱく)。昭和8(1933)年の修理の際、胎内空洞の背面に「常楽寺造立新仏十一面観世音  藤原末信 寿永元年壬寅六月十八日」の墨書銘が見つかっています。寿永元年は1182年。愛知県下在銘の仏像中では古いものの一つです。前のパラグラフのリンク先で画像が見られます。

Img_3257c_20231103183801 Img_3254c_20231103183801  そして、今日のメインイベントは、山田酒造。酔泉、最愛の醸造元として有名。すでに何度となく訪ねていますが、弥富、蟹江あたりの酒蔵の中では、もっとも気に入っているところです。無料試飲があり、何度でも可ということでしたが、さすがに右の写真にあるように小ぶりの紙コップに5mm程度ずつ。お金を払うと、純米大吟醸の酔泉や、最愛スパークリングが80ccいただけましたが、それは¥200、¥300でした。

231103121303651c Img_3262c_20231103183801  酔泉の一合瓶を買ってキッチンカースペースでK氏と楽しんで来ました。呑もうと思えばもっと呑めましたが、このあと、ゴールの近鉄蟹江駅までさらに2km以上歩かねばなりませんでしたので、これくらいが適量。出店していたお店の方々は皆さん、フレンドリーで親切でした。結局、これが昼食代わり(苦笑)。

Img_3262c_20231103183801 Img_3311c_20231103183601  ゴールの近鉄蟹江駅には、13時5分頃に到着。今日のコースマップには個別番号が割り振られていて、ゴールで抽選会がありました。山田酒造の最愛スパークリングが当たるということだったのですが、残念ながら2番違いではずれ。私のマップの番号は、#655でしたが、当選番号は、下二桁が13、57、79でした。K氏は#654でやはり当たらず。

Img_3314  蟹江駅を13時10分に出る宇治山田行き急行で帰宅。桑名駅には13時21分に到着、¥360。

Img_3324c_20231103183601  今日の土産は、こちら。試飲した中でもっとも好みのものを購入してきました。「最愛」の純米生酒。720mlで¥1,600。

Screenshot_20231103134417c  今日のGoogle Fitのデータ。歩いた距離は、16.04㎞。歩数は、24,231になっています。たぶん、近鉄ハイキング・JRさわやかウォーキングを通じて、最長の距離を歩いたくらいと思います。これで3週連続で、週末ウォーキングに行っています。本編を書くか、補遺編にするかはまたよく考えて、それは明日以降に。

2023年2月26日 (日)

20230226近鉄ハイキング酒蔵みてある記「銘酒『神楽』神楽酒造をたずねて」(一回完結)

Img_0116c_20230226160401  冬の寒さに加えて、桑名では、最大風速7.1m/sという強風の1日でした。天気は良かったので、予定通り、近鉄ハイキング酒蔵みてある記銘酒『神楽』神楽酒造をたずねて」に行ってきました。同級生K氏と二人で、です。

Img_0007c_20230226160501  近鉄桑名駅9時2分発の松阪行き急行に乗車。四日市駅に9時14分着、9時29分発の湯ノ山行き普通に乗り換え。伊勢松本駅には、9時34分着。¥380。われわれが着いたとき、受付には、すでに100人をはるかに超える大行列。去年も来ましたが、その3倍くらいの人が並んでいる感じ。

Img_0017c_20230226160502 Img_0022c_20230226160502  しばらく並んで、コースマップを受け取り、スタートできたのは9時45分を過ぎた頃。もらったコースマップについた番号は、#165でした。去年は#52ですから、やはり3倍以上。コースは、去年と同じ。

6d7149c3_20230226162301  こちらが歩いたコースを描いたもの(去年のものを流用しています)。立ち寄り先は、ほぼ神楽酒造のみ。途中、春の丘、夏の広場を通ります。去年はどちらにも立ち寄りませんでしたが、今年は夏の広場で小休止。この2箇所は、「四郷地区風致地区 ふるさとの道」として整備されています。ただし、夏の広場近くで標高が68メートルあり(キョリ測によるデータ)、アップダウンはかなりキツく、運動量はけっこうなもの(苦笑)。

Img_0027c_20230226160501 Img_0034c_20230226160502  左の写真は、松本街道から右折したときわ4丁目あたりの住宅街。このあたりは、住宅で風もさえぎられ、平坦なところでしたから、歩きやすい。右の写真は、鹿化川沿いを歩いているところ。去年は、ダイサギやカワセミを見たのですが、今年は、ムクドリとハクセキレイくらいしかいませんでした。

Img_0045c_20230226160501 Img_0049c_20230226160501  吉田橋で左折し、橋を渡るとだんだんと上り坂になります。この写真は、某老人ホームの手前あたり。登り道になっているのがお分かりかと思いますが、この先で右折して、春の丘、夏の広場に向かうところは、さらにキツくなります。同級生K氏いわく、「采女の杖衝坂に負けないな」と。確かに。

Img_0068c_20230226160501 Img_0069c_20230226160501  坂登りの途中は、余り写真を撮る余裕もありませんが、こんな竹林の中も通っていきました。右は、夏の広場。まさに広場になっています。写真にある小高いところからは、木々の間から伊勢湾などが眺められるようでした。ここで水分補給などのため、小休止。ここに着いたのが10時半少し前。ここからは神楽酒造はさほど遠くはありません。

Img_0085c_20230226160501 Img_0091c_20230226160501  ただし、このような竹林の中の急な坂を下っていかねばなりません。去年も書きましたが、高齢者には足元に十分注意しないと危ないところ。10分もかからず、右の写真のように眺望が開けたところに来ます。神楽酒造の裏手、四日市市室山町に来ました。かつて住んでいた笹川団地の方がよくみえるところ。

Img_0101c_20230226160501 Img_0105c_20230226160401  道を回り込んで神楽酒造に行こうとしたら、手前の交差点の手前から(日本語がヘン)行列。受け付けや、抽選のためにならんでいるようでした。今日は、最初の受付から大行列。並ぶようになっている日のようです(苦笑)。角を曲がってもまだ右の写真のように、行列は続いています。

Img_0109c_20230226160501 Img_0113c_20230226160401  ここまで来るのに10分以上、並んだというか、待機したというか(苦笑)。それなのに、抽選会では、はずれ。かすりもしませんでした。コースマップの番号で抽選なのです。来るときの電車で、K氏が「今度も当たらないだろうなぁ」といったからかも(苦笑)。

Img_0123 Img_0130c_20230226160401  試飲も行列。今回は、濁り酒をチョイス。写真は、飲む前なのにピンボケになりました(ご愛敬)。酒粕の感じがするというとヘンな表現ですが、そんな感じ。試飲のあとは、即売会場へ。ところが、ここでも10分以上行列。普段なら並んで何かを食べたり、買ったりすることなどあり得ませんが、酒蔵は例外。いつもと同じく、「神楽 特別純米生酒」(720ml入り、¥1,320)を買ってきました。あわせて300ml入りの「神楽」を1本買って、K氏とシェアして、ささやかな宴会をしてきました。「火入 本醸造」のもの。これもおいしいお酒でした。

4c7145f4  小宴会をして、満足。ゴールの四日市あすなろう鉄道西日野駅に向かいます。もう立ち寄るところはありません。途中、左手に四郷郷土資料館が見えます。私は、5年あまり前のJRさわやかウォーキングで来たことがありますが、今は耐震工事で入れません(2017年12月19日:雪もちらつく中、JRさわやかウォーキング(関西線・南四日市駅)へ……10.9㎞コース(その3、完))。写真は、このときのもの。四日市の四郷地区は、見どころがたくさんありますから、改めて歩きに来てもいいかも知れません。

Img_0152c_20230226160401Img_0160c  西日野駅には、11時27分に到着。次の四日市行きは11時半で、すでにホームに電車が待っています。四日市あすなろう鉄道もいわゆるナローゲージで、小さい電車です。1年半あまり前からICカードが使えるようになり、便利になりました。四日市駅には11時39分着。¥270。

Img_0171c_20230226160401Dsc_0535c  食事をしようと、以前も来た近鉄四日市駅南改札口の外にあるうどん・そばの「四日市庵」を探したら、去年3月末で閉店していました(こちら)。ちょっとウロウロしたのですが、北口の外にあるふれあいモールへ。ここに餃子の王将四日市ふれあいモール店があります。「餃子の王将ラーメン」(¥572)をいただいてきました。

Screenshot_20230226135900c Img_0182c_20230226160401  近鉄四日市駅を13時28分に出る名古屋行き急行で帰宅。桑名には、13時40分着。¥300。今日歩いた距離と歩数は、左の画像の通り。Google Fitのデータですが、歩いたのは7.9㎞、歩数は、14,281歩。去年よりどちらもやや多めでした。右の写真は、今日の土産。「神楽 特別純米生酒」(720ml入り、¥1,320)。今日の晩酌(微笑)。

2025年4月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ

マイブックス

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)

  • 関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)

    関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)
    タイトルに惹かれて手に入れたものの、序章の記述が私にとっては退屈でしばらく放っておいたり、読み直そうと思ってくじけたりしていました。しかし、そこを乗り越えるとこの本はとても面白くなり、ほとんど一気読みしました。スサノヲ(素戔嗚尊)の正体を探るプロセスでアマテラス(天照大神)の謎も明らかにされて行き、それもとても興味深いものがあるのです。アマテラスは皇祖神とされますが、実在の初代王と言われる崇神天皇はアマテラスを伊勢に追いやっています。また、伊勢神宮を整備した持統天皇だけは伊勢に参ったものの、それ以降明治になるまで、1,000年以上も歴代天皇は伊勢神宮を訪れていません。明治天皇が東京に遷御したあと武蔵国の鎮守勅祭の社に定めたのは、スサノヲの祀られる氷川神社(現さいたま市)です。明治天皇は氷川神社を訪れた翌年に、伊勢神宮を訪れています。そもそも伊勢にいる神はアマテラスなのかという疑問にも立ち向かっている、古代史や神に関心がある方にはお勧め。 (★★★★★)

  • 安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)

    安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)
    時代小説をよく読みます。捕物帖、市井の人たちの生活、侍の物語、大名の話などいろいろとあります。庶民の生活については、これまでもいろいろな本でかなり知っていますが、大名の生活については分からないところの方が多いと思っていました。タイトルに惹かれて買ったのですが、大名やその家族の生活が詳しく書かれているのではなく、勤番侍の生活、大名屋敷の庭園、御用達商人や豪農、幕末の動乱と大名屋敷などの話が中心でした。それはそれで知らなかったことが多々あり、興味深く読みました。 (★★★)