お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2025年4月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2020年1月以降の記事を残し、2019年12月以前の記事は削除しました(2020年1月1日から2025年4月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

神社

2025年5月20日 (火)

20250520勝手にハイキング「離宮院跡を訪ねて」(一回完結)

Img_1601c_20250520154001  暑い日になりました。真夏日という予報もありましたが、桑名では28.5℃にとどまっています。先般放送された「新ブラタモリ」で、タモリさんが斎宮跡を訪ねたのを見て(第五夜▼ついにゴールの神宮へ!斎宮・二見浦)、そういえば「歩いて伊勢参りツアー」をしたときに、見逃したところがあったのを思い出しました。それが、離宮院跡。この近くを伊勢街道が通っていて、街道沿いに看板があったにもかかわらず、「まぁいいか」と通り過ぎたのです(2021年12月15日:20211211「東海道・伊勢街道歩いて伊勢参りツアー」第16回「明野からいよいよ伊勢神宮・外宮へ」(その1)……明野駅をスタートし、宮川を渡り、神領域へ)。この離宮院跡は、あとで触れますが、斎宮の関連施設があったところなのです。やり残した宿題を解消しようという感じで、離宮院跡と官舎神社を訪ね、ついでにへんば屋でへんば餅その他を買おうと思って、出かけてきました。

Img_1492c Img_1510c  離宮院跡と官舎神社の最寄り駅は、JR参宮線宮川駅。桑名から、まずは近鉄で松阪へ。桑名駅発8時40分の五十鈴川行き急行に乗車し、松阪駅には9時47分着。¥1,140。JR松阪駅発10時7分の鳥羽行き普通に乗り換え、宮川駅には10時47分に到着のはずでしたが、快速みえの遅れの影響を受け、8分ほど遅延。¥330。

 Img_1754c 宮川駅から1本道を隔ててすぐ南に森があります。この写真の左端に小さく写っているのが、宮川駅。大きな森が、離宮院跡と官舎神社。

250520hikingmiyagawa  今日歩いてきたルートマップ。現地では、マップ上は3.4㎞となっていますが、離宮院跡と官舎神社で歩き回りましたから、実際にはもっと歩いています。帰りは、近鉄山田線明野駅から電車に乗りますが、この道筋は、「歩いて伊勢参りツアー」でも歩いたルートとほぼ同じ(2021年12月15日:20211211「東海道・伊勢街道歩いて伊勢参りツアー」第16回「明野からいよいよ伊勢神宮・外宮へ」(その1)……明野駅をスタートし、宮川を渡り、神領域へ)。

Img_1623c Img_1618c 離宮院は、斎王(伊勢神宮に奉仕する未婚の皇女・王女)が、伊勢神宮に奉仕する際に宿泊所としていた施設で、大神宮司の政庁や度会郡の駅家でもありました。元は、山田原沼木郷高河原(現在の伊勢市宮後、月夜見宮のあたり)にありましたが、水害によって、延暦16(797)年8月にこの地(湯田郷宇羽西村、現在の伊勢市小俣町)に移転しています。天長元(824)年に多気の斎宮(現在の斎宮跡)が不便なために、ここ離宮院を斎宮にあてたことがありましたが、承和6(839)年に火災で全焼し、斎宮は多気に戻っています。鎌倉時代以降、斎宮の廃絶によって、離宮院も次第に荒廃しましたた。大正13(1924)年に国の史跡に指定されています。

 Img_1570c 現地には、土塁が残っています。その表示もありますが、土塁ということばからは、もっと高い土の盛り上がりがあるかと思ったのですが、私にとっては必ずしもはっきりしませんでした。

Img_1638c_20250520154001 Img_1630c  敷地はかなり広大で、現在は離宮院公園として整備されています。左の写真は、宮川駅のすぐ南あたりの様子。右は、離宮院跡の説明看板。正門と思われる八脚門や、それに続く垣(塀)や建物の跡が、昭和54(1979)年の発掘調査で見つかっているそうです。ただ、斎宮跡ほどきちんとした調査は行われていないような印象でした。

Img_1538c_20250520153901 Img_1550c  「力藤」と書かれた藤棚がありました。「力藤の伝説」があり、力藤の生存した時代に必ず一人、腕の強力な力士が生まれ、決して負けなかったそうですが、何をいいたいのか、今ひとつよく分かりませんでした。その近くには、梅園があります。

Img_1556c Img_1574c  官舎神社が離宮院跡の西側にあります。このようなところを通って、官舎神社の方へ歩いて行きます。東側からは、裏参道となっているようでした。途中には、皇大神宮遥拝所があります。

Img_1722c Img_1714c_20250520154001  官舎神社は、なかなかよい感じの神社でした。神社の説明板によれば、主祭神は建御雷之男神経津主神天児屋根尊、姫神です。延暦16(797)年8月3日、離宮院が創設されたとき、神宮祭主大中臣朝臣諸魚らが、中臣氏祖神・春日明神を大仏山東麓津島崎から離宮院西方に遷座。平安・鎌倉時代は、延喜式内「官舎神社」と同じ神として、歴代大宮司により氏神祭が行われたといいます。15世紀後半の離宮院廃絶にともない、この社も廃れ、中世末から、近世にかけては社殿もないまま離宮の神として祀られていたそうです。寛文3(1663)年、大宮司中臣精長が、離宮の一角に中臣氏社を再興し、離宮の神と一体のものとして明治に及びました。珍しい社名ですが、大宮司の庁院や斎内親王の離宮の「官舎」に由来すると伝えられています。

 Img_1658c「離宮さん」「旅の宮」「大漁宮」とも呼ばれ、航空・交通安全や、漁業者の方からの信仰も集めているといいます。

Img_1673c Img_1664c_20250520154001  目を引いたのは、狛犬。狛犬には詳しくありませんが、かなりグラマラスです。「足留め」といって、不幸や、悪事、厄災を止めるために「足留祈願紐」を狛犬の足にくくりつけると効果があるそうです。

Img_1705c  社務所の近くには、獅子岩が祀られていました。離宮院が盛んな頃、鬼門を守る災難除けとして、獅子頭に似た奇石を祀ったと思われるそうです。現在は鬼門の位置から社務所の近くに写され、石を撫でると災難除けになるといわれ、信仰を集めています。

Img_1776c Img_1784c_20250520154001  以上で、本日の目的地はほぼコンプリート。もっと見て回るところがあると思ったのですが、ちょっと当てが外れたというのが本当のところ。離宮院跡は、国の史跡ですからもう少し整備し、説明板なども充実して欲しい気がします。宮川駅の方を回って、伊勢街道に出ます。このあたりの伊勢街道は、2回歩きましたが、いずれも桑名方面から来ました。今日は、逆に桑名を向いて行きます。小俣小学校のところに小俣町道路元標(右の写真)。

Img_1806c_20250520154001  2.5㎞の手前に新出の庚申堂と、常夜灯。庚申堂は、安永年間(1772~1781年)の建立で、ここは新出村の南口。悪いものが入ってこないようにということであろうと思います。

Img_1848c  ほぼ3㎞地点にへんばや本店。今日の2つ目のミッションは、ここでへんば餅と、昆布の佃煮を買い、さわ餅を食べてくることでした。餅屋で佃煮?と思われるでしょうが、これがおいしいのです。さわ餅は、松阪から伊勢あたりの名物餅の1つ。残念ながら、工事中で店内に埃が立つことがあるので、店内飲食は取りやめているということで、さわ餅も2個パック1つを買ってきました。

Img_1844c  へんばやの向かいにシイの木が2本。昔は、椎の辻と呼ばれていて、このシイの木に触ると、祟りがあるといわれたそうです。

Img_1861c Img_1872c  3㎞あまりですから、割と早く、12時過ぎにゴールの近鉄山田線明野駅に到着。近鉄松阪駅の駅ナカファミマで「おむすび&焼きそばセット(¥430)」をゲットしておきましたので、待合室で昼食。明野駅発12時25分の普通電車伊勢中川行きで、松阪に12時42分に到着。12時54分発の急行名古屋行きに乗り換えて、桑名駅には14時3分に到着。¥1,370。それにしても、今日の目的地は、伊勢の手前(実際には、伊勢市内)でしたが、これはやはり遠い(笑)。

Screenshot_20250520143450c  今日は、やはり暑かったですね。トータルで7.78㎞を歩き、歩数は11,326。普段の散歩に毛が生えたくらいですが、暑くて、汗をかきましたし、500mlのペットボトルのお茶を飲み干しました。

Img_1875c_20250520154001 Img_1879c  こちらは、土産に買ってきたもの。左の写真で、向かって左にあるのが、さわ餅。四角に切ったのし餅に餡を挟んだシンプルなお餅です。白とよもぎの2種類があり、甘さもひかえめでした。へんば餅や、昆布の佃煮は、上のリンク先にきちんとした画像と説明があります。

250520082827156c_20250522031401  オマケその1。往きに桑名駅で電車を待っていたら、ミジュマルライナーがやって来ました。上之輪新田でミジュマルライナーの写真を撮っていたのですが(2025年4月12日:長良川河口堰、長島町そして上之輪新田へ……念願のミジュマルライナーの写真も撮れました)、間近で見るのは初めて。ちなみに、途中、白塚駅にある白塚車庫にポムポムプリンがペイントされた「三十三銀行ラッピングトレイン」(2025年4月27日:今年もコアジサシはやって来たか?)が留置してありましたが、これは写真は撮れず。

Img_1495c_20250522031401 Img_1498c_20250522031401  オマケその2。松阪駅から乗車した参宮線の電車は、ワンマン運転でした(2枚目の写真)。ワンマン列車への乗降はすでに慣れましたが(2021年10月15日:20211009「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第11回「津・高茶屋~松阪・小津」(その1)……JR高茶屋駅をスタートし、玉造院、明治天皇島貫御小休所跡、円福寺を見て、雲出川を渡って松阪へ、2021年10月20日:20211016「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第12回「松阪・小津~松阪駅」(その1)……JR紀勢線・六軒駅を降りて、市場庄の古い町並みへ)、最初は戸惑いました(笑)。これらの写真は、車内のものですが、車外にもドアの開閉ボタンがあります。ランプが点灯している間(つまり、停車中)にこれを押すと、ドアが開閉して、乗降できるのです。宮川駅で下車する際も、先頭車両の運転室のすぐ後のドアを利用するのですが、運転士さんに切符を渡したあと、自分で「開くボタン」を押して電車を降りました。

Img_1506c_20250522031401  こちらは、車内に掲示されている「ワンマン列車の乗降方法」です。ご参考までに(笑)。

2025年5月18日 (日)

ツバメの巣から親の姿が消えた!?

Dsc04368c_20250518155301  午前中は晴れ間もありましたが、午後からは曇り。最高気温は、28.0℃にもなりました。蒸し暑い感じがします。午前中は、内輪の勉強会で講師を務めていましたので、午後から散歩へ。13時半から住吉神社、九華公園、中橋、春日さん(桑名宗社)、京町、寺町と4.8㎞、1時間半ほどを歩いてきました。

Ikimnolabo Dsc04372c_20250518155301  行きがけに桑名七里の渡し公園に立ち寄ってきました。今日は、10~15時に「いきものラボ」というイベントが行われているのを勉強会に参加なさったからから教えていただいたのです。物販、体験、展示などなどさまざまなブース、イベントがあり、お子さんにはいろいろと学べそうでした。オオサンショウウオグッズ販売、藤前干潟の野鳥紹介など興味のあるももあり、ちょっと覗いてきたという次第。

Dsc04505c Dsc04523c_20250518155301  さて、午後のこういう時間ですから、野鳥はいません。休憩タイムです。見たのは、スズメ、ドバト、ムクドリ、カワウくらい。

Dsc04606c_20250518155301  こちらは、スズメのヒナ。スズメのヒナは、今日もあちこちで鳴いている声が聞こえていました。

Dsc04669c_20250518155301 Dsc04444c_20250518155301  カワウさん。左の写真は、九華公園の堀で撮ったもの。右は、九華公園の神戸櫓跡に3つあるカワウの巣のうちの1つ。どれもまだヒナはいません。

Dsc04790c_20250518155201 Dsc04807c_20250518155201  京町でのツバメの巣観察。左は、あるお宅の巣。昨日は、巣のところと近くの電線にツバメがいましたが、今日はおらず。右は、商店の巣。昨日までは、親ツバメが、ずっと巣に就いていたのですが、今日は空っぽ。10分ほど公園で時間を潰してから、再び見に行ったものの、やはりツバメはいません。近くにも姿はなし。何か異常が起こったのか、気になります。

Dsc04483c_20250518155301 Dsc04474c_20250518155301  九華公園の花菖蒲園の様子。これも気になっています。というのも、去年の今頃は、すでに花しょうぶが咲き始めていたのです(2024年5月14日:九華公園で花菖蒲が咲き始めました)。写真は、管理事務所の南の花菖蒲園で撮ったものですが、ほかの2ヶ所も似たような状況。つぼみは出てきているものの、その数はかなり少なく、咲きそうなものは見当たりません。管理体制が変わってから、手入れがほとんど行われていません。株の数が減ったり、咲きそうになかったりすると、補植しているだけ。花しょうぶを市の花に指定しているのですから、もう少しきちんと管理してもらいたいと思います。

Dsc04718c_20250518155201  Dsc04724c_20250518155201 ところで、こちらは春日さん(桑名宗社)。6月8日に、伊勢神宮の第63回式年遷宮に関わって、御樋代木奉迎送行事が行われますが、それに向けて、令和の大改修が進行中なのです。

Dsc04732c_20250518155201 Dsc04744c  まだ完成には至ってはいませんでしたが、工事は終盤にさしかかっていると思われます。

Dsc04771c_20250518155201 Dsc04756c  春日さんは、桑名神社と中臣神社とからなっていますが、それぞれの拝殿の前には、社号標が新設されています。玉垣もたくさん奉納されています。

Dsc04780c_20250518155201  5月も早くも半ばとなりました。今週は、火曜の朝、資源ゴミの当番が回って来ます。これも大切なお役目。そろそろ勝手にハイキングに出たいと思っていますが、今週後半は、空模様が怪しそうです。天気予報とにらめっこして、出かけられるとありがたいところ。

2025年5月13日 (火)

今日は、シジュウカラのヒナが親からエサをもらうシーン

Dsc09573c  今日も好天で、予報通りに夏日になっています。最高気温は、26.2℃。散歩している途中からすでに、「ちょっと暑いかも」と思ったくらい。7時20分から住吉神社、九華公園、貝塚公園、九華公園、内堀公園、京町、寺町、南魚町、田町、三崎通と5.0㎞。

Dsc09617c_20250513142801  住吉神社のあたりでは、揚げ雲雀が見られましたが、ほかにいたのはスズメくらい。七里の渡跡には、今日もカルガモが1羽。渡し場の奥の堀の方で休んでいます。散歩に好適な気候なのですが、歩いている方はむしろ少なくなっています。年配の方は、もっと早い時間に歩いているのかも知れません。そういう話を聞いたことがあります。

Dsc09665c_20250513142801 Dsc09769c_20250513142801  九華公園でも、歩いているのは、毎日出会う方ばかり。奥平屋敷跡近くの花菖蒲園ではハクセキレイ。奥平屋敷跡には、珍しく、真ん中当たりまでイソシギが入ってきていました。

Dsc09964c_20250513142701 Dsc00193c_20250513142701  昨日、九華公園の外周遊歩道の東あたりでシジュウカラのファミリーに出会いましたが、今日は、ここ奥平屋敷跡に来ていました。ヒナも2~3羽はいる感じでした。右の写真は、ヒナが親からエサをもらうところ。グッドタイミングでした。

 それにしても、Dsc00371c_20250513142701ヒナのかわいいこと。何枚写真を撮ったことか(笑)。しかし、ほかにもいないか、特に昨日であったムシクイを探したのですが、今日は見当たりません。スズメ、ドバト、キジバト、ムクドリ、カラス、カワラヒワがいたのみ。スズメのヒナの鳴き声があちこちで聞こえるのですが、木々の葉っぱが生い茂っていることもあって、なかなか見つけられません。

Dsc00624c_20250513142701  貝塚公園で、ようやくスズメのヒナを見つけました。親からエサをもらうところも2~3回見たのですが、残念ながら、枝や葉っぱの陰で、写真は撮れず。

 Dsc00707c_20250513142601 京町でツバメの巣を巡回。左の写真は、あるお宅の巣。修復をしていたところです。直したところの泥はかなり乾いてきました。よく見ると、まだ欠けているようですが、今日は、近くにもツバメの姿はありませんでした。

Dsc00744c_20250513142601  こちらは、京町の商店にある巣。今日はオスがいました。巣の中を見た後、巣に就いていました。ここは、上手く行けばもうじきヒナが孵るはず。博物館にも、巣が3つくらいありますが、最近はツバメは来ません。田町、では、去年までツバメの巣があった商店が解体され、現在更地になっています。三崎通にも2つ、古い巣があるのですが、見ている限り、今年はツバメは来ていません。今年、散歩コースで営巣しているのは、京町の2ヶ所のみ。バードウォッチングは、以上。

Dsc00489c_20250513142601  九華公園に隣接している鎮国守国神社では、今日は、当日祭と献茶式(松尾流)があります。以前伺ったところでは、この当日祭が、鎮国さんのメインのお祭りだそうです。当日祭は、正しくは、例大祭当日祭。ちなみに、5月・3日の金魚まつりは、例大祭前期祭(こちら)。以前は、桑名藩最後の藩主であった久松松平家のご子孫の方もいらしていたようです。大奥様は、このご子孫を「お殿様」と呼んでおられ、ちょっと驚いた記憶があります。

Dsc09062c_20250513145001  ツツジはほぼ終わり、花しょうぶが待たれる季節になっていますが、花菖蒲園は、まだこんな感じ。小声でいいますが、最近、花菖蒲園の手入れが十分には行われていませんので、どのくらい咲くか、かなりアヤシいのではないかと疑っています。

Dsc00390c_20250513142701 Dsc00530c_20250513142601  奥平屋敷跡で、これはセンダンの花と思います。淡紫色の5弁の花がたくさん円錐状についています。九華公園の外周遊歩道の南では、カラーが咲いています。

 Dsc00808c_20250513142601毎年見ているのに、名前は知りませんでしたし、調べもしていませんでした。シャリンバイというようです。大気汚染や暑さに強いうえ、潮風にも強い常緑性の花木だそうです。緑地帯や公園などによく植えられている訳です。

2025年5月 8日 (木)

20250508近鉄あみま倶楽部ハイキング「津・一身田寺内町コース」へ(一回完結)

Img_1022c_20250508154301  好天で風も弱いという予報でしたので、近鉄あみま倶楽部が常設コースとして設定している「津・一身田寺内町コース」を歩いてきました。このコースあたりは、何度でも歩いたところですが、1つには、三重県総合博物館で開催されている「トピック 展『伊勢路がみたい 伊勢参宮名所図屏風の世界』 」を見たいと思ったのと、高田本山専修寺(せんじゅじ)に最近、お参りしていないなと思ったからです(2024年1月14日:20230114近鉄ハイキング「高田本山専修寺『お七夜』と新春の寺内町散策」へ(一回完結))。それならば、この2ヶ所がコースに設定されている「津・一身田寺内町コース」を歩こうという次第。近鉄桑名駅を8時23分に発車する松阪行き急行に乗車。津駅には9時5分に到着。¥830。桑名では、最高気温は24.1℃。

 こちらが今日歩いてきたルートマップ。250508ishindenmap津駅をスタートし、三重県総合博物館(MieMu)、一身田寺内町、高田本山専修寺、高田本山駅と、コースマップ上は7.2㎞。アプリ連動ハイキングで、ここにあげたところが、チェックポイントでした。今回も、記事は一回完結で、一人旅でした。

Img_1037c  津駅西の交差点のところに津偕楽公園があります。もとは「下部田山(しもべたやま)」あるいは「御殿山」と呼ばれ、藩主の鷹狩り場の休憩所の御殿が建てられていました。貞応年間(1652~1655)には藩士に労をねぎらうために、遊息の地として分け与えられたという記録があるそうです。以前、近鉄ハイキングで訪ね、中を歩き回りましたので(2019年5月23日:20190519近鉄ハイキング「谷川士清旧宅と県立美術館・総合博物館春の専修寺を訪ねて」へ(その2)……津偕楽公園と、三重県立美術館「没後200年記念 増山雪斎展」)、今回はパス。詳しいことは、リンク先の記事をご覧ください。

Img_1052c  三重県総合博物館は緩い坂道を1.5㎞ほど登っていきます。ここも何度も来ています。平日で、とても空いていました。

Img_1162c Img_1075c_20250508154401  今回の目当ては、初めにも書きましたように、「トピック展『伊勢路がみたい 伊勢参宮名所図屏風の世界』」です。写真撮影可でしたので、伊勢参宮名所図屏風の左隻の写真のみを載せておきます。「伊勢参宮名所図屏風」を中心に、全国から多くの人びとがやってきた伊勢参宮について、三重県総合博物館が所蔵する資料で紹介します。江戸時代の参宮の風景が描かれた浮世絵や名所図会が展示されています。この「伊勢参宮名所図屏風」は、幕末から明治にかけて作られたとみられ、今回初めて展示されています。5月18日までで、入場は無料です。私のほかに観客はお一人で、ほぼ独占状態で見てきました。

Img_1059c  Img_1166c 三重県総合博物館へ行くと、必ず見てくるものが2つあります。その1つは、ミエゾウの骨格標本。企画展示室の前にあります。もう1つは、サンショウウオのさんちゃん。ミュージアム・ショップの隣にいます。三重県総合博物館の収蔵資料のうち、唯一生きている標本です。

Img_1205c_20250508154401  三重県総合博物館から一身田寺内町まで、立ち寄るところはありません。三重県総合文化センターのところから、田園地帯を歩いて行きます。こちらは、2.5㎞ほどのところで、高田本山専修寺方面を撮った写真。中央に高田本山専修寺が小さく写っています。

Img_1248c_20250508154401  Img_1254c JR紀勢線の踏切を越え、4㎞地点あたりでいったん伊勢別街道に出ます。関宿東追分で東海道から分かれ、江戸橋で伊勢街道に合流します。この伊勢別街道も1度は歩き通したい街道です。この街道沿いに伊勢木綿を製造している臼井織布があります。この臼井織布のところを右に曲がって一身田寺内町に向かいます。

Img_1269c Img_1297c_20250508154401  一身田寺内町の入口にある常盤橋。環濠となっている毛無川(けなしがわ)にかかっています。一身田寺内町は、東西500m、南北450mの環濠に囲まれています。ここにはかつて黒門という門がありました。寺内町への南の出入り口で、番小屋と門があり、夜間は通れませんでした。黒門の先、百五銀行支店のところに道標があります。「右 江戸みち 左 御堂并京道」とあります。ちなみに、一身田寺内町、高田本山専修寺については、こちらの記事(2022年1月10日:20220110勝手にハイキング「高田本山専修寺のお七夜」へ(予告編))に詳しくあります。

Img_1308c_20250508154401  一身田寺内町の商店街。高田本山専修寺を中心に広がる「寺内町商店街」は、江戸期以来から続く伝統ある店が軒を連ねています。こちらにも詳しく載っています。今日は、目当ての和菓子屋さんが、ガス工事でお休みだったりして、ちょっと残念でした。

Img_1331c  スタートから5㎞あまりで、高田本山専修寺へ。真宗高田派の本山です。写真は、山門。ここは、家内の方の宗旨であり、私も気に入っているお寺。我が家は真宗大谷派ですが、個人的にはこちらに宗旨替えしてもよいと思うくらいです。

 Img_1342c Img_1346c_20250508154401左の写真が御影堂。開祖である親鸞上人の木像が安置されています。右の写真は、如来堂。「証拠の如来」と呼ばれる阿弥陀如来立像(快慶作 国指定重要文化財)を本尊とし、教義上この堂が伽藍の本堂。室町時代中期、天台宗の延暦寺は、浄土真宗本願寺派と対立していました。延暦寺は同じ浄土真宗である高田派も同一視して敵視して来たため、真慧が比叡山に赴き、高田派は本願寺派とは全く別であることを陳述しました。さらに7日間にわたって親鸞の教えである浄土真宗の教義を講義したところ、延暦寺の僧侶等は感動し、高田派こそ真宗の教えを正しく受け継ぐ教団であると認めたのです。その証拠にと、真慧は延暦寺から第3代天台座主円仁(慈覚大師)が一刀三礼で彫り上げた阿弥陀如来立像を譲り受けました。それ以来、この阿弥陀如来立像は「証拠の如来」と呼ばれ専修寺の本尊となっています。

Img_1365c  ここには家内の父のお骨が納めてありますので、訪ねるたびに納骨堂にもお参りしてきます。今日は、平日で、境内も、納骨堂も空いており、ゆっくりとお参りしてきました。

Img_1381c_20250508154401 Img_1384c_20250508154401  専修寺を出て、東側に回り、太鼓門のところから、一御田神社へ。太鼓門は、専修寺の東入口となる門で、平屋建ての長屋門の上に三層の櫓をのせ、その最上階に大太鼓を吊っています。明治5(1872)年の暦制改正によって時刻が西洋式となるまで、ここの太鼓が町の人々に時刻を知らせていたそうです。一御田神社の創立は不詳ですが、棟礼に嘉吉元(1441)年のものがありますで、これ以前と思われます。今日は、御田植え祭(5月11日だそうです)の準備をしておられました。

Img_1391c  一御田神社から赤門跡へ回りました。ここは、一身田寺内町の北東部にあたります。江戸方面への出入り口で、朱塗りの門と橋があり、赤門と呼ばれていたのです。ここから再び、黒門跡方面に向かいます。

1746671610079c  一身田寺内町を離れる前に、土産に買ってくるようにといわれた、京林堂さんへ。ところが、開店時刻の11時を過ぎても、シャッターが閉まったまま。ここの名物であるカレー焼きが食べたかったのに、残念。どんなものかは、リンク先をご覧ください(食べログのサイトです)。今日は、土産はなし。

Img_1420c_20250508154401 Img_1435c  やむなくそのままゴールの近鉄高田本山駅を目指します。残りは1㎞あまり。伊勢鉄道の高架をくぐり、田園地帯を歩きます。しかし、それにしても、今日は好天で、絶好のハイキング日和です。

Img_1459c_20250508154401  高田本山駅には、11時50分を過ぎた頃到着。この駅も何度も利用しています。12時7分に出る名古屋行き普通に乗車。白子駅に12時22分着。ここで12時28分発の名古屋行き急行に乗り換えて、桑名駅には13時3分に到着。江戸橋方面へ非常勤講師に行っていた頃、よく利用した電車でした。白子駅で、途中下車しましたので、料金は¥360+¥590=¥950。

Screenshot_20250508132619c  今日のGoogle Fitのデータ。11.03㎞、18,322歩でした。マップ上は、7.2㎞でしたが、三重県総合博物館や、専修寺で中を歩き回ったからです。自宅から桑名駅往復は、2.5㎞もありません。

Screenshot_20250508121203c Screenshot_20250508121136c  今日のハイキングは、アプリ連動ハイキングで、チェックポイントでチェックインしますと、デジタルスタンプがもらえます(左の画像)。さらにすべてのチェックポイントをクリアすると、踏破賞が付与されます(右の画像で、もっとも左上のもの)。

 Screenshot_20250508122421c 白子駅で途中下車したと書きました。乗り換えに時間がありましたので、エキタグのデジタルスタンプをゲットしに行ってきたのです。以前は、白子駅をスタート、ゴールにする近鉄ハイキングがよく企画されていたのですが、最近はあまりなくなってしまい、ここに来る機会がありませんので、ちょっと余分な出費をすることになったのですが、せっかくだからという次第。

2025年4月26日 (土)

20250426近鉄ハイキング「【JR東海合同企画】海山道神社から東海道へいつもと違うコースを歩く」へ(一回完結)

20250426kintetsuhikingshiohamamap  今日も4~5m/sの風が吹いていたものの、天気は良く、気温も23.4℃まで上がり、ハイキング日和です。予定通りに、近鉄ハイキング「【JR東海合同企画】海山道神社から東海道へいつもと違うコースを歩く」に行ってきました。JRさわやかウォーキングとの共同企画。ファミリー向きとなっていますが、コースマップ上は、7.6㎞あります。

Img_0604c  受付は、近鉄名古屋線塩浜駅で8時半から12時。急いで行く必要はありませんから、桑名駅を8時10分に出る、近鉄津新町行き普通電車に乗車。塩浜駅には8時45分に到着。¥430。コースマップを受け取り、8時50分を過ぎた頃スタート。

250426siohama0  こちらが実際に歩いてきたルートマップ。塩浜駅東口から近鉄名古屋線沿いに北に進み、塩浜一六三八市場、海山道神社を経て、鹿化川の手前で左折、西に向かいます。中央緑地公園を経てさらに西に。日永1丁目に入って、四日市あすなろう鉄道線の東で右折。ここからはしばらく旧東海道を歩き、この味本舗へ。いったん国道1号線に出て、その後、再び、旧東海道に入ります。諏訪神社までのスワマエ商店街は、旧東海道にあります。諏訪神社から東へ。太白永餅の金城軒に立ち寄って、JR関西線四日市駅がゴール。今回も、記事は一回完結。

Img_0618c  まずは、塩浜一六三八市場。近鉄名古屋線の海山道駅と、塩浜駅の間の線路沿いにありますので、以前からこの存在は知ってはいました。しかし、もちろんここに来る機会はありませんでした。こちらに四日市の定期市のリストがありますが、その名の通り、1、3、6、8のつく日に市が立ちます。昭和31(1956)年に開設されたという、私とほぼ同年齢の市場。そのせいか、昔懐かしさが感じられました。

Img_0631c_20250426142901  Img_0622c_20250426142901せっかくの機会ですから、内部を一通り見てきました。履物屋さん、陶器屋さん、八百屋さん、和菓子屋さんなどいろいろの店が出ていました。規模はさほど大きくはありません。一見すると、倉庫のように見える、昭和の雰囲気が漂う建屋内で市が開かれてます。雨等の悪天候でも気にせず買い物が楽しめそうです。和菓子屋さんのみたらし団子が気になりましたが、パス。

Img_0638c Img_0646c_20250426142901  続いて、海山道神社。近鉄ハイキング初心者の頃に訪ねたことがあります(2018年3月23日:近鉄ハイキング「港町、四日市を散策 みやまどさんから四日市臨港をたずねて」へ……海山道稲荷を訪ねる)。本来は、洲崎濱宮神明神社(すざきはまみやしんめいじんじゃ)が本社で、海山道神社はその境内社でしたが、今は、海山道神社の方が大きくて有名になっています。詳しいことは、リンク先の記事をお読みください。

 さらに近鉄の線路沿いを進みます。Img_0662c_20250426142901こんなところもあって、いろいろの電車が通り、電車が嫌いではない私には、ちょっとした楽しみでした。

Img_0753c_20250426142901 Img_0720c  スタートから3㎞ほどで中央緑地公園に到着。結婚当初、しばらく四日市に住んでいましたが、その頃、何度か来たことがあります。現在は、体育館やフットボール場、ランニングコースなどのスポーツ施設がある緑地公園です。東京五輪2020に出場した選手が利用することもあるそうです。カフェやレストラン、遊具、広場などもありますから、誰でもが楽しめるでしょう。

Img_0778c Img_0795c_20250426142901  スタートから4㎞半ほどのところで、旧東海道に入ります。旧東海道は、すでに何度も歩きましたが、これまでは、下る方向でした。今日は、上っていきますので、この方向に歩くのは初めて。ちょっと新鮮でした。ルートマップでお分かりのように、四日市あすなろう鉄道線と平行していますので、あのナローゲージの電車が懸命に走っていくのが見えるところが何ヶ所もあります。この路線は、かつては近鉄内部線・八王子線でした。

Img_0783c_20250426142901 1745629432500c  旧東海道に入ってすぐ、西側に大宮神明社。4年前の「歩いて伊勢詣りツアー」のときに立ち寄っていますので(2021年5月23日:20210522「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第4回「四日市~日永の追分」(その1)……近鉄四日市駅をスタート、崇顕寺(丹羽文雄の生家)、東漸寺、大宮神明社へ)、今日はパス。ご祭神は、天照大神。由緒は不詳ですが、社伝によれば第11代・垂仁天皇の御代、皇大神宮が伊勢にお遷りになる時に岡山の丘陵地(現在、四日市南高校があるところ)に一時お留りになり、そこに神宮の神領地として皇大神宮を勧請したのが始まりとされています。詳しくは、リンク先の記事にあります。ちなみに、四日市市内の旧東海道には、右の写真のような幟旗が、各所に掲げられています。桑名も見習うとよいと思います。

Img_0808c  この味本舗です。うまみ調味料である「この味」という製品を製造販売しておられます。独自の製法により作られた“手作り限定生産品”で、かつお、昆布、椎茸の「うまみ成分」と「塩」で作られており、ジャンルを問わず、醤油や塩を使った料理なら、何にでも使えるそうです。料理の味が引き立つということですが、「買わなくてよい」といわれておりましたので、パス。

Img_0840c_20250426143001  このあと、いったん国道1号線の方を回り、諏訪栄町交差点から再び、旧東海道に向かいます。写真は、諏訪栄町交差点から近鉄百貨店四日市店、近鉄四日市駅方面を見たもの。

Img_0844c Img_0849c_20250426143001  初めの方にも書きましたが、このスワマエ商店街が、旧東海道にあります。ここも何度も来ていますが、けっこう盛り上がっています。

Img_0854c_20250426143001  お馴染み、大入道の、首が伸び縮みする大きな模型もあります。実物は、ずっと首が伸び縮みしています。

Img_0866c Img_0879c  スワマエ商店街を抜けたところに諏訪神社が御鎮座。ここも何度も訪ねています(たとえば、2021年5月13日:20210508「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第3回「富田~四日市」(その4)……建福寺、四日市陣屋跡、札の辻、本陣跡、問屋場跡、道標、諏訪神社からスワマエ商店街で「完」)。鎌倉時代初期の建仁2(1202)年、信州の諏訪大社の御分霊をこの地に勧請し創祀されたと伝わっています。主祭神は、建御名方命(タケミナカタノミコト)と八重事代主命(ヤエコトシロヌシノミコト;事代主神(コトシロヌシノカミ)ともいいます)で、四日市・浜田の総産土神とされます。

Img_0900c_20250426143001 Img_0904c  諏訪神社にお参りして、国道1号線を越えて東へ。JR関西線の手前に太白永餅の金城軒があります。今日は、ここの太白永餅を買おうと思ってきました。同じように思われた方が多かったようで、店の外まで行列。並んで待って、無事にゲット。ばら売りは、1本¥120で、6本を購入。

Img_0921c_20250426143001  金城軒からゴールのJR関西線四日市駅はすぐ。10時55分頃に到着。2時間あまりで7.7㎞を歩いてきました。けっこう速いペースだと自分でも思います。

Img_0914c_20250426143001 Img_0908c  今日は、ここで近鉄の抽選会。ここしばらく、抽選会では負け続けていましたが、今日は、祝!!ご当選。お茶のペットボトルが当たりました。もう1ランク上でしたら、あの「この味」がもらえたのですが……。

Screenshot_20250426114046c Screenshot_20250426114058c  今日の近鉄ハイキングは、アプリ連動ハイキングで、チェックポイントでチェックインして、デジタルスタンプをもらい、すべてチェックインすると、踏破賞がもらえます。左の画像で、最上段が今日ゲットしたデジタルスタンプ。右の画像で、左上が、今日の踏破賞。

Img_0917c Screenshot_20250426105738c  JRさわやかウォーキングの方でも、ポイントをもらって、完了。

Screenshot_20250426084903c  ちなみに、スタートの塩浜駅では、エキタグのデジタルスタンプを忘れずにゲットしてきました。近鉄の係員の方が、「うまくゲットできましたか?」と聞いてくださったのですが、この方もエキタグをやっておられるということでした。

Img_0932c  11時10分、JR四日市駅始発の名古屋行き普通に乗車。桑名駅着は、11時26分で帰宅。空いていて、楽チン。¥250。

Screenshot_20250426114453c  今日のGoogle Fitのデータ。歩いたのは10.34㎞、歩数は16,407。

Img_0939c  太白永餅です。桑名のなが餅でいうと、安永餅本舗 柏屋さんのものに似ていて、これは私の好み(笑)。という次第で、いつもと違うコースで旧東海道も愉しめ、しっかり歩いてきました。201回目のハイキング/ウォーキングも無事終了です。

 

 

2025年3月20日 (木)

九華公園でカワセミ嬢

Dsc00703c_20250320140901  朝は1.9℃と冷えましたが、日中は13.1℃まで上がり、暖かくなっています。今日もまた、7時半から散歩へ。まったくワンパターンの極致を行っていて、笑えます。住吉神社、九華公園、貝塚公園の前を通過、内堀公園から春日さんへ。寺町に回って帰宅。6.0㎞。明日からは、かなり暖かくなるということで期待しています。

Dsc00720c  住吉入江には、カンムリカイツブリが1羽だけ。住吉神社の前からは、揖斐川にはキンクロハジロや、ヒドリガモが見えました。水鳥は少なくなっているのかも知れません。七里の渡跡にいたのは、オオバンが1羽のみ。

Dsc00799c_20250320141401 Dsc00837c_20250320140901  三之丸公園では、ジョウビタキのオス。ほかにはスズメたち。蟠龍櫓のところには、ほとんど恒例のようにイソヒヨドリのメスがいました。このあと、柿安コミュニティパークでは、ジョウビタキのメスを見つけたのですが、知人と散歩友達のワンちゃんに声をかけられ、見失いました(微苦笑)。ワンちゃんには数ヶ月ぶりに会ったのですが、しっぽを振って寄ってきて、撫でてくれといいます。

Dsc01032c_20250320140801  九華公園も静かで、今日もヒヨドリ、カラス、ムクドリ、スズメはあまりいません。相撲場の近くを歩いていたら、上空をイカルらしき鳥たちが本丸跡の方へ飛ぶのが見えました。奥平屋敷跡で、なんだか気配がして探したら、カワセミ嬢。昨日は見ただけでしたが、今日は一応、撮ることができました。

Dsc01094c_20250320140801 Dsc01128c_20250320140801  奥平屋敷跡に久しぶりにハクセキレイが2羽。このうちの1羽は、あの脚の悪い個体。散歩&鳥見友達のOさんと、公園内を回ったものの、これという鳥はおらず。カワラヒワを何羽か見たくらいです。

Dsc01331c_20250320140801 Dsc01332c_20250320140801  ユリカモメがエサ取りなどの芸を見せてくれませんので、ヒヨドリに遊んでもらっています。右の写真では、パンの耳を放り投げて、くわえ直そうとしていますが、ヒヨドリの舌が写っています。

Dsc01333c_20250320140801  このあと、パンの耳をくわえたものの、やはり飲み込むのには苦労しています。パンの耳を持参するOさんが、すぐに食べられてはおもしろくないと、最近、大きめに切ってくるのです。

 Dsc00895c_20250320140901 Dsc00963c_20250320140901 カモは、ハシビロガモが14羽、ヒドリガモが1ペア、ホシハジロのオスが1羽のほか、キンクロハジロは7羽とやはり少なくなっています。カルガモも1ペア。

Dsc01361c_20250320140701 Dsc01432c_20250320140701  ほかには、オオバンが1羽。この写真では、あの弁足がよく分かります。カンムリカイツブリもいつものように、1羽がいます。

Dsc01465c_20250320140701  はあぶ工房Togetherの敷地で、ジョウビタキのオス。ちょっと凜々しい感じに撮れました。

Dsc01548c_20250320140701 Dsc01580c_20250320140701  春日さんへは、コブシが咲いていないかと思ったのと、「令和の大改修工事」が進んでいるというので、それも見たかったのです。コブシは、右の写真のように、まだこれからでした。そういえば、去年は、4月1日に行ったときに、よく咲いていました(2024年4月1日:春日さんの金龍桜)。

Dsc01603c_20250320140701  そのときは、金龍桜も咲いていました。大きな鉢えられていたのですが、今日は、地植えになっていました。今年も咲くのが、楽しみです。

Dsc01554c_20250320140701 Dsc01562c_20250320140701  改修工事は、「大改修」というだけあって、かなり大規模のようでした。5月末まで工事が続くといいます。

Dsc01621c Dsc01687c  寺町ではまずは、常信寺へ。ミモザがよく咲いてきました。境内には、右の写真のような赤い花も咲いていました。Google Lensで検索すると、アセビと出てきます。赤い花のものもあるようです。

Dsc01816c  寺町商店街では、例によって「河津桜にメジロ」探し。着いたのは、昨日と同じく、9時半少し前。しかし、今日は、メジロはいたものの、あまりよいところは撮れませんでした。今シーズンは、昨日の記事で2枚目に載せたものがベスト「サクジロウ」かも知れません(2025年3月19日:河津桜にメジロで「サクジロウ」)。

Dsc01767c_20250320144301 Dsc01777c  今日は、スズメが何羽か、河津桜に来ていました。スズメは、メジロのように花に嘴を突っ込んで蜜を吸うことができませんので、花の根元を契って、蜜を吸います。そのため、スズメが桜の蜜を吸ったあとには、花がたくさん落ちています。今日も、そのシーンを狙ったのですが、上手く行かず。

Dsc01883c_20250320140601  河津桜には、また、ヒヨドリがたくさんやって来ます。ヒヨドリの嘴のあたりも、花粉で真っ黄色になっています。しかし、ヒヨドリが桜の花に来ているのを見ると、私には「花とおじさん」というイメージが湧いてきます(笑)。

Dsc01889c_20250320140501 Dsc01917c_20250320140501  拙宅マンション前の住吉入江には、カンムリカイツブリと、キンクロハジロのオスが1羽ずつ。カンムリカイツブリは、朝から(というか、このところずっと)いる個体と思います。

Dsc01700c  余談。今朝、NHK BSで「妻亡きあとに〜近藤正臣 郡上八幡ひとり暮らし〜」という番組を放送していました。往年の名俳優・近藤正臣さんが、岐阜・郡上八幡に夫婦で移住していたのですが、奥様が認知症を発症し、先に亡くなられます。番組は、伴侶を失った高齢者が向き合う「老い」や「孤独」の日々を見つめるという趣旨でした。散歩から帰って、ビデオで見たのですが、近藤さんも一人の年寄りなのだなぁとヘンな感想。しかし、近藤さんは、さまざまな形で地域の皆さんと深い関わりを持っておられ、それは学ぶべきことだなと思いました。これから先、自分がどういう風になるのか分かりませんが、もし近藤さんと同じ状況になったら、どう生きていくのでしょう? 

2025年2月 9日 (日)

20250209近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」へ(一回完結)

Img_9069c  昨日降り積もった雪が残る中、予定通りに近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」に行って来ました。近鉄富田駅での受け付けが9時20分から11時まででしたので、近鉄桑名駅を9時11分に出る津新町行き普通に乗車。近鉄富田駅には、9時23分に到着。¥300。富田駅前や、付近の道路にも、昨日の雪が残っていました。さすがに、参加者は、いつもよりは少ない印象。桑名では、最低気温が-1.9℃、最高気温は6.7℃。午前中は、風はほとんどありませんでした。

250209kintetsuhikingtomida0  こちらが今日のコースマップ。20250209kintetsuhikingtomita近鉄富田駅から富貴堂、鳥出神社、水と緑のせせらぎ広場、杵福本舗を経て、早川酒造部へ。その後、八幡神社へ立ち寄って、近鉄川越富洲原駅までという、約5㎞のコース。右の画像は、いつものように、キョリ測で描いたもの。実際には、5.4㎞を歩いてきました。

250209kintetsuhikingtomida1  コース前半を拡大したマップ。近鉄富田駅から東南へ。富貴堂、鳥出神社からJR関西線を越え、国道1号線を渡ったところで左折し、水と緑のせせらぎ広場と行って、富田の町を進みます。

Img_9079c_20250209141401  最初の立ち寄り先は、御菓子処富貴堂生クリーム大福で有名なお店。私は、たいていの菓子屋さんには立ち寄りません。増して、今回は酒蔵みてある記なのですから(微笑)。ここの御菓子は、地元スーパーでも売っているところがあります。

Img_9091c_20250209141401  鳥出神社鯨船行事で有名な神社で、以前から1度訪ねてみたかったところです。鯨船行事については、リンク先に説明がありますが、捕鯨を模した行事で、富田の石取祭と同時に行われる、富田地区の夏祭りです。毎年お盆の8月14日と15日の2日間に鳥出神社を中心に四日市市東富田町の町内と古川町自治会の町内で開催され、富田地区連合自治会が主催します。

Img_9109c_20250209141401  主祭神は、日本武尊事代主神。配神は、宇迦之御霊命蛭子命天照大御神天石戸別神大鷦鷯天皇(仁徳天皇)波邇夜須毘古神、波邇夜須毘賣神應神天皇天児屋根命大山祇神菅原道真。正応元(12883年)年と安永9(1780)年の大火により、古文書を消失したため、当社の創祀の年代は詳らかではありませんが、延喜式神名帳にはすでに記されています。朝明地方における中心の神社として崇敬を受けていたと思われます。また、江戸時代には、富田六郷の総氏神として信仰を集めていました。本社の造営に当たっては、天正13(1585)年以来、伊勢神宮の式年遷宮毎に古材を拝領して行われる古例があり、現在の本殿、拝門、瑞垣、鳥居、社務所などは、いずれもこれにより営繕されているそうです。

Img_9117c Img_9113c_20250209141401  境内には、稲荷社(左の写真)や、神宮遙拝所などもあります(右の写真)。神宮遙拝所は、四日市市内の神社にはよく設けられていますが、桑名市内の神社ではほとんど見たことがありません。

Img_9134c_20250209141401  こちらは、Img_9130c龍神社。山の神などもあわせて祀られていました。このほか、頌徳碑などもありましたが、ネット検索では情報は出て来ませんでした。足元が悪かったため、裏面は見ていません。

Img_9184c_20250209141501 Img_9192c_20250209141501  水と緑のせせらぎ広場。本来は、この中を通るコース設定になっていたのですが、雪に埋もれていましたので、そばの歩道を進みます。

250209kintetsuhikingtomida2  コース後半の拡大マップです。水と緑のせせらぎ広場からはしばらく立ち寄るところがありませんので、凍った雪に滑らないよう注意して、ひたすら歩きました。

Img_9210c_20250209141501  杵福本舗の直売所に立ち寄るコースになっていたのに、今日もらったコースマップでは、「2/9は休業日」と赤字で書かれていました。近くにいらした女性が、「コースになっているのに、変なの」と。ここは、おかきやさんの直売所。

Img_9214c_20250209141501 Img_9221c  スタートから3㎞半ほどで早川酒造部へ。最近も、何度も来たと思っていたのですが、もっとも最近来たのは、2020年2月9日と、ちょうど5年前でした(2020年2月9日:20200209近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」へ(完))。そうです、日本でコロナが大騒ぎになる直前でした。このあと、近鉄ハイキングも、JRさわやかウォーキング中止となってしまったのでした。

Img_9218c_20250209141501 Img_9225c  まずは、抽選会へ。早川酒造部での抽選は、抽選箱に入れられた、清酒の瓶の蓋を引くというやり方です。「赤」が出ると「しぼりたて原酒720ml」が当たったのですが、残念ながら、ハズレ(苦笑)。早川酒造では、これで4戦全敗。思わず、「ここでは当たったことがないな」といってしまいました(失礼)。ついで、試飲会場へ。以前は、2種類の試飲をさせてもらえたのですが、今回は1種類。ブランドをしっかりと見てきませんでした。

Img_9229c Img_9236c_20250209141501  さらに、いつものように、直売会場へ。今回は、「純米酒 天一」(720ml、¥1,200)をゲット。これは、家内の強い希望によります。私は、搾りたて生原酒の方がよいのですが、たまには、家内の希望を入れることにしたのです。試飲だけではちょっとものたらず、かといって、今日のように足元のアヤシいなかで「ひとり宴会」をすると、川越富洲原駅まで無事にたどり着けないかも知れませんので、有料試飲を1杯だけ追加。欲しかった生搾り原酒(¥200)を飲んできました。

Img_9243c_20250209141501  早川酒造部を10時40分に出て、次の立ち寄り先である高松八幡神社は、ちょっとよい気分になっていて、「何度も来たから、まぁいいか」とパス。以前訪ねたときの記事をご覧ください(2020年2月9日:20200209近鉄ハイキング「酒蔵みてある記 早川酒造部『天一』」へ(完))このあと、川越富洲原駅まで、また、立ち寄るところはありませんので、雪が残っていないところをなるべく選んで、またもやひたすら2㎞近くを歩きました(苦笑)。

Img_9250c_20250209141501  川越富洲原駅には、11時10分に到着。11時22分に出る名古屋行き普通電車に乗車。桑名駅には、11時30分着。¥300。

Img_9299c_20250209141501  こちらが、今日の土産。上にも書きましたが、「純米酒 天一」(720ml、¥1,200)です。今日の晩酌は、これ。

Screenshot_20250209111637c Screenshot_20250209111647c  このところ、エキタグをしていませんでしたが、近鉄富田駅でも、川越富洲原駅でもデジタルスタンプがもらえますので、ゲットしてきました。左が近鉄富田駅のもの、右が川越富洲原駅のもの。

Screenshot-2025_02_10-4_05_46c  ゲットしたスタンプは、近鉄のものが10個と、三岐鉄道北勢線が1個で、これで合計11個となりました。先は長いというか、ゴールがあるのかどうか??

 Screenshot_20250209115101c 今日のGoogle Fitのデータ。歩いた距離は7.9㎞。現地で5.4㎞ですから、まあこれくらいでしょう。歩数は、13,948。歩いた距離に比べ、歩数が多くなっていますが、これは滑らないよう小股で歩いたところがかなりあったからでしょう。

2025年2月 6日 (木)

20250206近鉄あみま倶楽部ハイキング「七里の渡・大福田寺コース」へ(一回完結)

Img_9006c_20250206163101  今朝は冷えました。-1.2℃と今シーズン最低。あちこちで氷が張っているのを、この冬、初めて見ました。最高気温は、7.0℃。今日は、「朋あり遠方より来たる」(論語)ではありませんが、名古屋から大学時代の同級生である友人が、「桑名散策に行きたい」ということで来てくれました。近鉄あみま倶楽部のアプリ対応コースに「七里の渡・大福田寺コース」がありますので、このコースを歩くことに。実は、最近、同級生K氏とのウォーキングに行けていませんので、自分であみま倶楽部のハイキングコースでも歩こうかと考えていたところで、まさに「渡りに舟」。

250206kuwanawalkingmap  こちらが、近鉄あみま倶楽部の「七里の渡・大福田寺コース」にならってつくったコースマップ。桑名駅東口から、海蔵寺、本統寺、寺町商店街、六華苑、住吉神社、七里の渡跡、九華公園、春日神社、大福田寺、照源寺を回って、桑名駅西口がゴール。9時過ぎにスタートし、春日神社から大福田寺に行く途中、昼食を食べ、桑名駅西口には14時前にゴール。私にとっては、勝手知ったるところですから、mamekichiバージョンの「ブラ桑名」のようなもの。以下、主な立ち寄り先を簡単に。

Img_8926c Img_8937c  海蔵寺は、曹洞宗のお寺。ここには、いわゆる薩摩義士の墓所があります。宝暦3(1753)年、幕府より薩摩藩は揖斐・長良・木曽三大河川工事を命ぜられました。宝暦5(1755)年、工事は完成しましたが、多くの犠牲者と巨額の経費がかさんだことの責任感から、工事総奉行平田靭負は自刃しました。これら義士の墓所は岐阜・三重県下14ヶ寺に埋葬され、ここには平田靭負他23基の墓石が現存しています。

 本統寺は、真宗大谷派桑名別院。地元では、「御坊さん」と呼ばれ、親しまれています。Img_8949c_20250206153701 Img_8946c_20250206153701徳川家茂や明治天皇が宿泊した由緒あるお寺で、境内には、松尾芭蕉が貞享元(1684)年、野ざらし紀行の初旅の折り、この地で詠んだ句「冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす」の句碑(冬牡丹句碑)が建てられています。

 このあと、寺町商店街、三崎見附跡、諸戸氏庭園前、桑名七里の渡し公園を経て、六華苑へ。Img_8970c国の重要文化財・名勝。洋館とそれに連なる和館、複数の蔵などの建造物と池泉回遊式日本庭園があります。実業家の2代目諸戸清六の新居として、1911年(明治44年)にジョサイア・コンドルの設計で着工し、1913(大正2)年に竣工しました。コンドルが設計した現存建造物の大半は東京に集中しており、地方では桑名市のみに現存しています。

 住吉神社を経て、七里の渡跡へ。Img_8973c_20250206153701熱田・宮の渡しから海上七里を船に乗り、桑名の渡しに着いたことから「七里の渡し」と呼ばれています。当時は、東海道の42番目の宿場町として賑わいました。この鳥居は、これより伊勢路に入ることから「伊勢国一の鳥居」と称され、伊勢神宮の遷宮ごとに建て替えられています。

Img_8981c_20250206153701  本多忠勝像のところから九華公園へ。このあたりは、毎日の散歩コースです。本多忠勝は、桑名藩初代藩主。慶長の町割を実施するともに、桑名城をつくり、現代にもつながる桑名の町のもとをつくったといえます。桑名城址に整備されたのが、九華公園。昭和3(1928)年に松平定信(守国公、楽翁)没後百年祭を記念して、本丸・二之丸一帯が九華公園として整備されたものです。

Img_8995c  続いては、桑名宗社(春日神社)。地元では、「春日さん」と呼ばれています。桑名神社と中臣神社の2つの神社からなっています。石取祭は、ここのご神事。門前には、青銅の鳥居があります。これは、寛文年間(1661~1673年)につくられたもの。

Img_8998c 250206114606420c  春日さんのあたりで11時半前でしたので、どこかでランチをということになり、寺町商店街の南口にある「てらまちダイニングUOSUE」さんへ。1階で魚屋さんを営んでおられ、2階が食事のできるお店になっています。1度来てみたかったのですが、一人では敷居が高かったのです。

250206114555387c  魚屋さんですから、刺身定食をチョイス。カンパチ。定食にしていただくと、これで¥1,375。美味しい上にこの値段は、かなりお得です。

Img_9002c  1時過ぎにウォーキングを再開。桑名駅方面に向かいます。駅西に行くのに、こちらの踏切を渡りました。3種類の幅の線路を一またぎしています。手前から(西側から撮っています)、近鉄名古屋線(広軌)、JR関西線(狭軌)、三岐鉄道北勢線(ナローゲージ)。踏切の名称は、それぞれの鉄道会社で異なっており、近鉄名古屋線は益生第4号踏切、JR東海関西線は桑名駅構内踏切、三岐鉄道北勢線は西桑名第2号踏切。これらを横断し、レールの幅を実際に見て体感できます。

Img_9016c  大福田寺。高野山真言宗のお寺。聖徳太子創建と伝えられます。山門は、江戸時代建立といわれるもの。毎年2月3日には節分祭、4月1日・2日には日本三大聖天の一つ桑名聖天大祭が行われ、2日には伊勢大神楽の奉納が行われます。節分祭では、鬼が市内を練り歩く鬼追い厄払いがあります。今年も、我が家の近くで、螺貝の音が聞こえていましたので、「大福田寺の鬼追い」が来たなと分かります。

 Img_9023c 大福田寺の境内で、白梅がかなり咲いていました。このあたり、昔はときどき散歩をしたのですが、最近はすっかりご無沙汰。いつもの散歩コースでは、常信寺の紅梅がもっとも早く咲くのですが、それよりこの白梅の方が早く咲くと思われます。

Img_9050c_20250206153701  最後の目的地は、照源寺。浄土宗。久松松平家の菩提寺。寛永元(1624)年、桑名藩主松平定勝が死去したため、その子定行が創建しました。定行は伊予松山へ移封しましたが、弟定綱が藩主を継いだので、松平家の菩提寺として存続しました。「松平定綱及び一統之墓所」(県指定文化財)には藩主ら二十八基の墓石があります。境内には定綱が摂津の天台宗金龍寺から分植した金龍桜があります。

Screenshot_20250206143223c  「七里の渡・大福田寺コース」のウォーキングは、このあと桑名駅西口で完了。こちらは、Google Fitのデータ。約6キロのコースですが、自宅~桑名駅往復を含め、なんと12.1㎞も歩いていました。歩数も2万歩を超え、驚き。

Screenshot_20250206140719c Screenshot_20250206140816c  このコースは、初めの方にも書きましたが、あみま倶楽部のアプリ対応コースでしたので、デジタルスタンプも集めてきました。踏破証もこれで5つになったのですが、有効期限内のものは、3つ。これで交換できるのは、オリジナルステッカーです(微苦笑)。

【付記(2/7)】 2月7日の中日新聞朝刊三重版に「六華苑の池で浚渫作業が行われていて、いつもは池の底にある、第2次大戦中に投下された爆弾の痕跡が見られる」という記事が載っていました。そういえば、池の中央あたりに直径数mの跡がありました。それが爆弾であいた穴をふさいだところだったようです。六華苑には「浚渫作業をしています」という掲示はあったと思うのですが、受付などにもこの爆弾の跡が見られるとでも示しておいてくれたら、皆さん、興味を持ってみられたんじゃないかと思います。

2025年1月24日 (金)

イカルが地上で餌を食べるようになりました

Dsc09958c_20250124150901  今日も3月くらいの陽気が続いています。最高気温は、14.9℃。最低気温も2.9℃とさほど低くはありません。今朝も、7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、入江葭町、吉津屋町、新築公園、常信寺、寺町と6.8㎞。

Dsc07986c_20250124151201 Dsc07919c_20250124151201  住吉入江には、今日もキンクロハジロのオスが1羽。住吉神社の前から揖斐川を見て、ビックリ。黒い帯のようなものが見えます。右の写真がそれ。これらは、カワウ。相当の大群です。数える気はとても起きません(笑)。冬になると、揖斐川、長良川で、カワウがこのように大群になっているのをときどき見ます。

Dsc08068c Dsc08031c_20250124151201  七里の渡跡では、キンクロハジロのオス3羽(左の写真)にメス2羽、コガモのメス(右の写真)が2羽、オオバンも2羽。近くで堤防工事が始まってしばらくは、何も来ませんでしたが、この2~3日は、キンクロハジロなどが来るようになりました。

Dsc08158c_20250124151201 Dsc08100c_20250124151201  蟠龍櫓の近くで、イソヒヨドリのメス。いつもこのあたりで見るイソヒヨドリのメスと思います。揖斐川には、セグロカモメが1羽、浮かんでいました。冬にたまに見られます。

Dsc08175c_20250124151901  カンムリカイツブリも2羽いるのが見えました。

 Dsc08360c_20250124151201 Dsc08391c 九華公園には8時前に到着。奥平屋敷跡でコゲラが2羽。ハクセキレイも2羽。南の空をアオサギが1羽通過したものの、九華公園にはやってきません。

Dsc08600c_20250124151201 Dsc08574c  辰巳櫓跡の松の木にアオサギが来ていました。朝日丸跡でジョウビタキのオス。

Dsc08887c_20250124151101 Dsc08721c_20250124151101  本丸跡に来たら、イカルが10羽ほどいました。今日は、地面に降りてエサとなる、何かの実をとってはムシャムシャと食べているのが見えました。地面に降りているのは、今シーズン初めて見ました。

Dsc09041c_20250124151101  鎮国守国神社を回って、相撲場のところに来たら、モズが登場。2羽が絡むように飛んできたのですが、止まったのはメスのみ。緑色のものをくわえていて、それを食べていました。虫かと思ったのですが、今の時期にこんな緑色をした虫はいないような気がします。

Dsc09366c_20250124151001  九華公園の外周遊歩道の東を歩いていたら、二の丸堀に急降下して、ダイビングする鳥がいました。まったく気付いていなかったのですが、ミサゴでした。九華公園の堀の上空をしばらく旋回したり、時折ホバリングしたりしていましたが、その後は、ダイビングはせず。

 Dsc08646c_20250124151101 Dsc08469c_20250124151201 カモ、今日は、キンクロハジロが52羽(左の写真はオス)、ハシビロガモは10羽、ヒドリガモが1ペア、ホシハジロのオス(右の写真)が1羽。

Dsc08634c_20250124151201  オオバンも1羽来ていました。このところ、ほぼ毎日、オオバンを見ます。以前は、冬になるとカイツブリが来たことがありますが、今シーズンはまだ見ていません。

Dsc08486c_20250124151201  ユリカモメは36羽。今日は、Oさんのエサやりはありませんでした。われわれがいつもの橋を渡るときにユリカモメが寄ってきたのですが、何となく物欲しげにいつまでも欄干に止まっているユリカモメもいました。

 Dsc09783c 貝塚公園では、モズを確認。今シーズン、ここにはあまり野鳥は来ないのですが、昨シーズン、モズが繁殖しましたので、今年もと期待して、巡回しています。新築公園には久しぶりに行きましたが、しばらく待っていたら、ジョウビタキのオスが出てきました。昨シーズンも、ここにはジョウビタキのオスがよくいました。

Dsc09850c_20250124150901 Dsc09917c_20250124150901  拙宅マンション近くの住吉入江に戻ってきたら、ハクセキレイが1羽と、カワラヒワが2羽。カワラヒワは、九華公園でもそうですが、ペアで行動しているようです。

Dsc09807c_20250124151001 Dsc09033c  ちょっと気が早いのですが、この間から梅が気になり始めました。ロウバイが咲き始めたからです。左の写真は、常信寺にある紅梅。ここは、私の散歩コースでいつももっとも早く梅が咲き始めるのです。右は、鎮国守国神社の境内にある枝垂れ梅。白梅です。こちらも少しだけつぼみが膨らんでいるかなという感じ。

Dsc07912c_20250124151201 Dsc07936c_20250124151201  オマケ。住吉神社の拝殿の裏に「第63回神宮式年遷宮御樋代木奉迎送行事」を告知する幕がかけられていました。これまでまったく気づかず(苦笑)。この行事は見逃せません。なんといっても、第63回神宮式年遷宮は、令和15(2033)年に行われますから、今回見逃すと、私には次はないのです。

2025年1月 7日 (火)

鳥は少なかったものの、ヒヨドリの決定的瞬間を捉えました

Dsc08479c_20250107142501  朝は、6.4℃と暖かかったのですが、季節風が強く、昼になるにつれて寒い感じになってきました。最高気温は、11.0℃。天気は良いので、いつものように、7時半から散歩へ。住吉神社、中橋、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、春日さん(桑名宗社)、田町、三崎通と6.4㎞。

Dsc07653c  住吉水門の内側にオオバンがいたのですが、回り込もうとしたら行方不明に。揖斐川には、あちこちにカンムリカイツブリ。合計3羽。セグロカモメらしきカモメも飛んでいました。

Dsc07577c Dsc07586c  いつものように、揖斐川右岸の堤防道路を通って、七里の渡跡に行こうとしたら、こんな看板が。土曜日(1/4)には通れたのですが、今月いっぱいは、堤防道路の工事で通行止め。

Dsc07583c  船津屋さんの裏手から通行止めですが、気になってそこまで行ってみました。蟠龍櫓は見えているんですが、通行止めではやむを得ません。看板を撮っただけ。

Dsc07596c_20250107142601 Dsc07601c  船津屋さんの表側を回って、七里の渡跡へ。昨年末から、柿安コミュニティパークの南から、堤防のかさ上げ工事をしていますが、それと関連する工事なのでしょう。

Dsc07731c_20250107142601  中橋では、ゴイサギ探し。まだ十分に陽が当たっていませんので、ゴイサギたちは4羽いたものの、3羽はクロガネモチの木の奥にいました。ホシゴイも1羽が隠れていました。

Dsc07918c_20250107142601  九華公園は静かでした。というのも、カラスも、ヒヨドリも、ムクドリも、ドバトも少なかったのです。管理事務所近くでシジュウカラ2羽と、コゲラ、ツグミ3羽を見たものの、うまく撮れず。奥平屋敷跡には、ジョウビタキのオスが登場。

Dsc07828c_20250107142601 Dsc07845c_20250107142601  奥平屋敷跡にほかに来たのは、ハクセキレイ2羽。カワラヒワが上空を通過したり、ヒヨドリがやってきたりはしましたが、それ以外には何も来ず。今日は、野鳥はとくに少ない印象。

Dsc08182c_20250107142601 Dsc08067c_20250107142601  奥平屋敷跡や、鎮国守国神社にはセンダンの木が何本かあります。ほかに食べるものがなくなると、ヒヨドリや、ムクドリがセンダンの実をついばみに来ます。写真としては不出来ですが、決定的瞬間を捉えられました。センダンの実は、果肉が少ないので、鳥たちにはあまり好まれないのだろうと思います。

 Dsc07876c_20250107142601 Dsc08000c_20250107142601 今日は、カモも、ユリカモメもあまりいませんでした。キンクロハジロは41羽いましたが、ハシビロガモが5羽とかなり少なくなっていました。ヒドリガモは1ペア、ホシハジロのオス(右の写真)が2羽。左の写真は、ヒドリガモのオス。正面顔ですが、頭部の黄色いところが、私には、昔の侍の月代に見えて仕方ありません。ほかに今日は、オオバンが1羽。

Dsc07986c_20250107142601  ユリカモメは、初めは1羽しかいませんでしたが、のちに9羽に増えました。貝塚公園では、ヒヨドリとメジロがいましたが、内堀南公園、内堀公園には、何もいません。やはり今日は、野鳥は少ない。

Dsc08385c_20250107142501 Dsc08417c_20250107142501  春日さんへは、初詣に。春日さんは、桑名神社と中臣神社の2つの神社からなっています。桑名総鎮守と称しておられますので、とくに三が日は、初詣でかなり賑わうのです。

Dsc08411c_20250107142501  楼門にも横断幕で告知されていますが、参道にもこのようなポスターがありました。伊勢神宮の第63回式年遷宮は、令和15(2034)年に行われますが、準備は始まっています。その「御樋代木奉迎送行事(みひしろぎほうげいそうぎょうじ)」が桑名でも行われるのです(こちら)。「御樋代」とは天照大神の神体とされ、三種の神器の第一にあげられる「八咫鏡」を入れ奉る器であり、そのご用材は式年遷宮の中でも最もおめでたい材とされます。長野県(木曽)と岐阜県(裏木曽)で伐採されて、それぞれが各地で奉祝を受けながら、桑名の地で合流し、その後、伊勢まで運ばれます。この一連の行事が、御樋代木奉迎送行事で、伊勢国の入口である桑名の奉祝行事は最大規模だそうです。日程の詳細はまだのようですが、6月上旬に予定されています。前回は、子どもたちと家内の両親とで見に行った記憶があります。デジカメは使っていたのですが、調べてみたら、写真はありませんでした。

Dsc08424c_20250107142501  春日さんでの初詣を済ませ、住吉入江に来たら、オオバンが1羽。明日は、江戸橋での非常勤の授業。13回目になります。3週間ぶり。

 

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  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

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    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

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    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

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    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

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    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

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    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
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  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)