20251012JRさわやかウォーキング「子供から大人まで楽しめる関ヶ原の歴史と自然を満喫しよう」へ(その1)……東首塚、陣場野公園から関ヶ原合戦開戦地へ
10月12日に行ってきた、JRさわやかウォーキング「子供から大人まで楽しめる関ヶ原の歴史と自然を満喫しよう」の本編その1です。関ヶ原古戦場には、興味があり、一度は訪ねてみたいと思っていました。しかし、自分で出かけるとなると、ちょっと遠く、また、JRで行くとしますと、名古屋経由で、グルッと遠回りする必要があり、なかなか実現しないでいたのです。今回、JRさわやかウォーキングで関ヶ原を訪ねる企画があり、「これだ!」と飛びついた次第。今回も、ひとり旅。この日、桑名では、最高気温は、26.3℃。関ヶ原は曇っていて、やや蒸し暑い感じでした。
JR関西線、東海道線経由で行きますと、桑名~関ヶ原間は、快速を利用しても1時間40分かかります。結局、大垣までは養老鉄道を利用することとしました。この方が、所要時間はわずかに短いのです。養老鉄道桑名駅を7時13分に出る大垣行き普通に乗車。大垣着は、8時31分。今日は、1日フリーきっぷ(¥1,500)を利用。桑名~大垣間は、普通に買うと¥830ですから、往復では¥160おトク。大垣からは、8時36分発のJR東海道線米原行き特別快速に乗車。関ヶ原駅には、8時49分に到着。¥240。
関ヶ原駅は、大賑わいで、JRさわやかウォーキングに参加する方も多数。コースマップを受け取り、8時55分にスタート。
こちらがこの日のコースマップ。同じものですが、キョリ測で描いたルートは、右の画像の通り。おおよその距離も入れてあります。関ケ原駅をスタートし、東首塚、陣場野公園、関ケ原古戦場開戦地、フジバカマの花畑、関ケ原ウォーランド、関ケ原古戦場決戦地から岐阜関ケ原古戦場記念館と回って、関ケ原駅がゴールでした。約5.5㎞で、家族向けのコース設定ですが、これで関ヶ原古戦場の主なところは見て回ることができました。
ルートマップが続きますが、詳しいルートマップその1。JR東海道線関ヶ原駅をスタートし、西にある跨線橋に向かいます。跨線橋を渡ったところに東首塚。そこから北西に向かうと、徳川家康最後陣跡である陣場野公園。ここは、最後に立ち寄る岐阜関ケ原古戦場記念館のすぐ西。関ヶ原の町を歩いて、関ヶ原古戦場開戦地に向かいます。
跨線橋に向かう坂道には、関ヶ原の合戦に関するパネルが並んでいます。きちんと見ていけば、関ヶ原の合戦について、相当の知識が得られると思いました。ということは、しっかりとは見ていません(苦笑)。
東首塚です。関ヶ原駅のすぐ西の跨線橋を渡ると、左手に森が広がっており、その中に「東首塚」があります。私は、コースの都合で裏から入ったのですが、西側に朱色の大きな門があります。
そこを抜けると、その奥にスダジイの大木が茂った塚があります。この塚は関ケ原合戦後、徳川家康が床几場で首実検をし、その後、東西2ヶ所に埋葬したことから「東首塚」と呼ばれています。この首塚に、当時この地の領主であった竹中重門が、家康の命により関ケ原の戦いで戦死した兵士たちを埋葬しました。
ここは、文化14(1817)年、関ヶ原宿本陣の主を務めていた古山兵四郎が、関ヶ原合戦の地が将来忘れ去られることを危惧し、首級墳碑を建てたのです。この写真は、右上の写真に写っている説明板です。
さらに、
この地は、
松平忠吉・井伊直政陣跡でもあります。関ケ原の戦いで、井伊直政は事実上の総大将で、先鋒役の意識が強く、直政の娘婿で初陣でもある松平忠吉に手柄を立てさせたい一念であったといいます。東軍先鋒は福島隊と決まっていたのですが、午前8時頃に、福島隊の先頭隊長・可児才蔵の制止を振り切り、宇喜多隊へ発砲し開戦となっています。合戦の終わりがけ、島津隊が敵中突破を試みた際には、直政と忠吉は島津隊を追撃し、大きな戦果を挙げたものの、2人とも島津隊兵士に狙撃されて傷を負ってしまいます。とくに、直政の傷は深く、その傷がもとで2年後に亡くなっています。
東首塚から陣場野公園へ向かう途中の写真です。関ヶ原古戦場は、それなりに高低差のあるところでした。歩いた距離はさほど長くはありませんが、運動量はけっこうあった気がします。

陣場野公園に行くまで、岐阜関ケ原古戦場記念館の西にも、陣跡があります。田中吉政陣所古址。田中吉政は、三河岡崎の10万石を治める熱心なキリシタン大名でした。その吉政が布陣したといわれる場所は徳川家康最後陣跡のすぐ隣にあります。以前は、関ケ原字甲斐墓という場所にあり、現在の陣場野に移されたのは昭和62(1987)年でした。『関原合戦図志』によると、合戦時の田中隊のはっきりとした布陣地はわかっていないようです。
続いて、陣場野公園です。徳川家康最後陣跡が、公園として整備されています。関ケ原合戦の当日、午前11時ごろ、家康は苦戦に苛立ち、本陣を桃配山からまさに関ケ原の中央部、三成本陣の笹尾山のすぐ下(直線距離にて約800m)へ移動しました。ここから松尾山の小早川秀秋に向けての発砲を命じ、東軍への寝返りへと仕向け、関ケ原合戦を勝利へと導いたとされています。
合戦後はこの場(床几場)にて引見が行われ、討ち取ってきた敵の首級が実検されたのです。その後、幕府の命を受けた領主の竹中家により、周囲の土塁や中央の土壇が築かれました。
詳しいルートマップは、その2になります。神明神社、関ヶ原合戦400年記念平和の杜を経て、関ヶ原合戦開戦地へ。ここは、小西行長陣跡と隣接しています。さらに、フジバカマの花畑から、関ケ原ウォーランドへと向かいます。
陣場野公園から、次の目的地である関ヶ原合戦開戦地までは、1㎞ほどあります。途中、神明神社と、関ヶ原合戦400年記念平和の杜。神明神社の創建は不詳ですが、関ヶ原合戦の際には、関ヶ原町大字関ヶ原字西甲斐墓の丘陵に祀られており、島津義弘が陣地としても好適の地であるとして、この神社の境内を本陣となし、戦勝を祈願したといいます。嘉永6(1853)年、火災にあい、隣地の字神田に移転しています。関ヶ原合戦400年記念平和の杜は、関ケ原合戦後400年の節目にあたる平成12(2000)年10月1日に、「関ケ原と世界平和」をテーマにした作品が設置され、開園しました。芝生が美しく、巨大な石の彫刻がたたずんでいます。彫刻作品は、フランスの世界的石彫家であるピエール・セーカリー氏と日本人石彫家の坂井達省氏により作られたものだそうです。

そして、いよいよ関ヶ原合戦開戦地へ。北天満山を背にした西田運動広場の入口に「開戦地」の大きな碑があります。合戦当日の朝、霧が薄くなったのをきっかけとして、松平・井伊隊が、先峰の福島隊の脇を通り抜け、宇喜多隊の前へ進出し発砲。この井伊隊の抜け駆けに怒った福島正則が、宇喜多隊に対して一斉射撃を掛けたのが、ここ開戦地であるといわれています。現在の標柱の位置は、圃場整備によって史跡指定時よりも約300m北に移動しましたが、結果的に、この辺りが合戦場のほぼ中央にあたるそうです。ということは、このあたりを武将たちが駆け巡ったということかと想像力が膨らみます。
開戦地の跡には、このような案内板があり、各武将が、どこに陣地を置いたかなどが良く分かるようになっています。
開戦地の隣に小西行長陣跡。北天満山の裾野を流れる梨木川右岸にあります。ここは、北は北国街道、南は中山道を押さえる重要な場所でした。関ケ原合戦が始まると、北天満山から烽火(のろし)をあげて味方に開戦の合図をしたそうです。午後になり、大谷隊が敗れたとの知らせを受けると、天満山を越えて揖斐郡の春日方面へ敗走したといわれます。山頂に布陣できるスペースはなく、中腹に布陣したと考えられています。また、後に村人らがここに大きな溜め池を設けたため、当時の陣地は池の中に没したと『関ケ原合戦図志』に紹介されています。ルートマップその2の途中ですが、キリがよいので本編その1は、ここまで。
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