20250923勝手にハイキング「巡礼道を行く」(予告編)
猛暑でハイキング/ウォーキングを控えていましたが、ずいぶん涼しくなりましたので、今日は、試しに出かけてみました。「巡礼道」という名前の道は、たぶんあちこちにあると思いますが、今日歩いてきたのは、「みえの歴史街道」の「伊勢街道」のルートマップに描かれている古い街道です。津市河芸町東千里で伊勢街道から分かれ、国道23号線や近鉄名古屋線の東側、海寄りを通る街道です。古伊勢街道、浜街道、下街道などとも呼ばれ、伊勢街道よりも古い道と考えられます。全長7.2㎞ほどの短い街道で、津市栗屋町屋町で伊勢街道に合流します。ネットでブログ記事などを検索しても、通しで歩いたという記事はあまりヒットしません(巡礼道を歩く【栗真町屋町→東千里】(2011年11月27日)、伊勢街道(巡礼道-脱線有))。その意味では、ちょっと珍しいところを歩いてきました。写真のチェックに手間取りましたので、今日のところは、超予告編です。冒頭の写真は、津市河芸町あたりの伊勢街道。南から北を見ています。
近鉄桑名駅を7時32分に発車する松阪行き急行で白子駅まで。8時2分着で、8時11分発の津新町行き急行に乗り変え。千里駅に8時17分到着。¥680。8時20分にスタート。全体のルートマップは、右の画像の通りです。立ち寄り先の位置は、おおよそのところとご理解ください。まずは、千里駅から伊勢街道と巡礼道の追分まで、北に向かって伊勢街道を750mほど行きます。
追分のすぐ南に甕釜冠地蔵堂(かめかまかぶりじぞうどう)。この堂はもと光明院といって伊勢参宮の旅人の休憩所で、旅の無事安穏を祈願した場所です。宝形造りの仏堂の屋根の上には、露盤と宝珠を置くのが普通ですが、この堂は炊事用の釜と水甕が伏せてあります。非常に珍しい形式で、堂の名前の由来となっています。
ここのすぐ北に伊勢街道と巡礼道との追分があります。左の写真は、北から南を撮っています。右に向かう道が伊勢街道、左が巡礼道となっています。右端に甕釜冠地蔵堂が見えます。ここが今日の街道歩きのスタート。
歩き始めてしばらくは、普通の道。普通の道というのは、広さをいっています。真宗高田派の信光寺の南あたりを歩くのですが、右、左と曲がるうちに、道幅は軽自動車1台がやっと通れるくらいになります。民家の間の路地を歩いている感覚で、ここが街道であったとは思えないくらい。
ちなみに、こちらが真宗高田派の信光寺。聖徳太子創建と伝わるそうです。
その先を海側に入ったところに尾前(おざき)神社。式内社。別名は、土御前。主祭神は、速佐須良比咩神(はやさすらひめのかみ)。祓戸四神のうちの一神。垂仁天皇18(BC18年)、今の千里ヶ丘中尾前の地に社殿を建て、その後、鎌倉後期に村人とともに現地に移転したとされます。4年に1度獅子舞神楽が奉納されます(こちら)。
近鉄千里駅の南あたりまで来ると、田中川に行き当たります。汐見橋を渡り、さらに南に進みますが、ここからしばらくは名所旧跡、寺社仏閣はありませんので、ひたすら歩きます。ちなみに、伊勢街道は、この汐見橋の上流、近鉄名古屋線、国道23号線の西を通っています。
スタートから2㎞半を過ぎたあたりを西に入ると、中別保の八雲神社があります。主祭神は、須佐之男命。天正15(1587)年に尾張から来た野島清次郎が牛頭天王を祀ったのが始まりだそうです。

その先、松林寺に河芸町保存樹木第1号の松があります。由来は、今のところ調べがついていません。右の写真は、松林寺。真宗大谷派。
こちらは、丹羽虎太郎顕彰碑。丹羽は、戦前の河芸町漁業組合長。当時、イワシとコウナゴの水揚げが多かったそうですが、無制限にすべて獲ってしまうのではなく、漁獲量の調整を行う方法を模索したといいます。文字を書いたのが、若槻禮次郎とありました。昔の顕彰碑の筆を執った人は、超有名人が多いのに驚きます。
影重の八雲神社です。津市河芸町には、3社の八雲神社があります。八雲神社ですから、主祭神は、須佐之男命。祇園信仰の神社で、津島神社から勧請されたと伝わります。影重地区には、「主人を救った犬」の伝説が残り、個人家族(犬)とともに参拝を促す神社として知られています。ここからしばらく、またひたすら歩いてきました。
5㎞を過ぎて、近鉄白塚駅の南あたりに白郷稲荷神社。主祭神は、倉稲魂命。昭和6(1931)年、伏見稲荷大社から許可を得て五社稲荷大神の神号を得たそうです。
白塚の八雲神社。
創建は不詳。主祭神は、須佐之男命。主祭神の須佐之男命が退治した八岐大蛇をまねた青竹を束ねてつくった「やぶ」をかついで町中を練り歩き、悪病退散を願う「やぶねり」神事が行われます。
八雲神社の先に「菓子処前田屋」さん。事前の調べでこの「白塚まんじゅう」が名物というのを知り、ぜひとも買って帰りたいと思ったのです。が、普通であれば、火曜定休。お彼岸だからやっているだろうと勝手に決めて出かけたのです。さつまいものあんこ。1個¥135。8個を土産にお買い上げ。
栗真町屋町に入って、千王神社。創建は不詳ですが、持統天皇の伊勢行幸のとき、田を賜ったという伝説があります。主祭神は、神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれひこのみこと=神武天皇)。夏祭りでは、巨大龍が伊勢街道を練り歩く「巨大龍踊り」が披露されます。これで、ゴールまですぐ。
伊勢街道と巡礼道の追分に到着。11時20分頃です。左の写真は、巡礼道の側から見たところ。右の写真は、南から追分を撮ったもの。向かって右が、今日歩いてきた巡礼道。向かって左が伊勢街道。常夜灯、名残の松、道標などがあります。
こちらは、道標。南側から撮っています。向かって右面には「右 白塚豊津道」とあります。左面には、「左 上野 白子/神戸 四日市道」とあります。この巡礼道、メインの旧街道ではありませんので、旧街道によくある古い建物や、蔵などはありませんでした。歩き始めのあたりは、細い道で、いかにも古い街道と思わせる雰囲気がありました。途中からは、住宅地によくある道という雰囲気になっていました。
このあとは、しばらく街道を歩きます。三重大学の前から国道23号線を経て、江戸橋へ。ここは、昨年度まで非常勤講師に行っていましたし、何度も歩きましたので、勝手知ったるあたり。
近鉄名古屋線江戸橋駅には、11時45分過ぎに到着。歩き始めから3時間半ほどで到着。12時2分発の名古屋行き急行に乗車し、桑名駅には12時40分に到着。¥830。
今日のお土産。前田屋菓子店さんの白塚まんじゅう。芋餡で美味しくいただきました。
今日のGoogle Fitのデータ。歩いたのは、12㎞。歩数は、23,340歩。現地では、巡礼道がマップ上7.2㎞ですが、千里駅から伊勢街道と巡礼道の追分まで750m、栗真町屋町での追分から江戸橋駅までが1.5㎞ほど。あちこち立ち寄りましたので、この距離。この予告編も、明日以降修正する可能性があります。本編は、また明日以降ゆるゆると。
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