20240608勝手にハイキング「斎宮の花菖蒲群落へ」(一回完結)
6月7日の中日新聞松阪版に「ハナショウブ もうすぐ見頃 明和・斎宮の群落」という記事が出ていました(中日新聞の電子版を契約していますと、 紙媒体で定期購読している以外に、ネットで各地の地方版を読めるのです)。ここのハナショウブは、5年前、近鉄ハイキングで見に行ったことがあったのですが(2019年6月2日:20190602近鉄ハイキング「斎王まつり 日本遺産斎宮散策と王朝絵巻『斎王群行』」へ(予告編))、そのときはまだ早かったようで、あまり咲いていませんでした。平野で野花菖蒲の群落が見られるというのは珍しいので、もう一度見てみたいと思っていました。先だっても吉崎海岸のハマヒルガオのリベンジを果たしましたが(2024年5月17日:20240517勝手にハイキング「吉崎海岸でハマヒルガオを見る」(一回完結))、今回も「これを見逃す手はない」と、早速行ってきました。何を思ったか、娘が一緒に行くというので、娘と二人旅。
近鉄桑名駅を8時42分に発車する五十鈴川行き急行で松阪まで。9時48分に到着。10時10分発の鳥羽行き普通に乗り換えて、斎宮駅には10時20分に到着。¥1,290。今日は、ここ近鉄斎宮駅がスタート&ゴール。
こちらは昨日、急いでつくったコースマップ。斎宮駅からさいくう平安の杜、花菖蒲群落、北野公園、歴史の道、塚山古墳群、斎宮歴史博物館、古代伊勢道、1/10史跡全体模型を経て、いつき茶屋で昼食を摂って来ました。マップ上は6.3キロのコース。
さいくう平安の杜。 ここには、三棟の平安時代の建物「斎宮寮庁」が復元されています。いにしえの斎宮の姿を再現してるのです。三棟の建物は、斎宮の役所「斎宮寮(さいくうりょう)」の長官のもと、儀式や饗宴に使用されたと考えられます。
このあとは、2㎞以上をひたすら歩いて、斎宮ハナショウブ群落へ。昭和11(1936)年12月に国の天然記念物に指定されています。現在3,000株が群生しており、地元では「どんど花」と呼ばれているそうです。また、ノハナショウブは明和町の町の花になっています。部分的に見ますと(左の写真)、それなりに咲いている印象でしたが、全体としては(右の写真)ちょっと寂しいかなという感じ。ちなみに、ノハナショウブ(野花菖蒲)は、ハナショウブの原種です。
このあと、1/10史跡全体模型のところでお目にかかったボランティア案内人の方に伺ったところでは、昔は(本当に昔です、とおっしゃいましたから、たぶん30年、40年かそれ以上前なのでしょう)、このあたりに木々が生い茂っていて、日陰になっていて、水も豊富に湧いていて、あたり一面に野花菖蒲の紫の花が咲き誇っていたといいます。その後、環境や気候の変化で、その当時に比べると、野花菖蒲はかなり減ってしまったそうです。ちなみにこの方は、桑名の九華公園の花菖蒲園のこともご存じでした。
花菖蒲群落からまた、ひたすら歩きます。途中、北野公園で小休止。11時半過ぎ。持参したおにぎりで小腹をみたしました。
12時前に再スタート。花菖蒲群落からは2㎞あまり歩いて、歴史の道へ。斎宮歴史博物館に続く道に、斎王や斎王ゆかりの和歌が刻まれた24基の歌碑が並んでいます。右の写真には、歴史的に存在が確認できる最初の斎王である大来皇女(おおくのこうじょ) の歌があります。「吾勢祜乎 倭邊遣登 佐夜深而 鷄鳴露尓 吾立所霑之(わが背子を大和に遣るとさ夜深けて 暁(あかとき)露にわが立ち濡れし)」という歌。万葉集巻第2、105~106番に弟の大津皇子がひそかに伊勢神宮に下向してきた時に詠んだ歌として載っています。
斎宮歴史博物館の手前に塚山古墳群。5世紀末~6世紀初頭の古墳群で、42基が発見され、13基が現存しています。円墳で、大きいものでは直径15m。
県立斎宮歴史博物館。テーマ博物館であるとともに、三重県埋蔵文化財センターとしての機能を有しています。先日まで、企画展示「源氏物語と斎宮-王朝のきらめき 光る君の栄華ー」が行われていました。今年3月26日、愛子内親王殿下が大学卒業を報告されるために伊勢神宮を参拝されましたが、そのときにここ斎宮歴史博物館も訪ねていらっしゃいます。
常設展を一通り見てきました。左の写真は、「葱花輦(ソウカレン)」。屋根の上に金色の葱(ねぎ)の花の形の飾りをつけた輿(こし)です。本来は、天皇の略儀の行幸に用いるのですが、斎王が都から斎宮に赴くときにも使われました。右の写真は、斎宮の復元模型。
ここで一休みしようと思って、休憩室に行ったら、面白いものを見つけてしまいました。それは、ガチャです。「いい年をして、ガチャなんかするのか?!」と思われるでしょうが、ご覧のように「伊勢擬革紙」のガチャなのです。「擬革紙」は、その名の通り、革に似せて、油紙でつくられたもの。使い込むほどに革のように柔らかくなるそうです。伊勢の国では、このことに着目した堀木忠次郎(三忠)が貞享元(1684)年からその製造を始めたと伝えられています。その後、池部清兵衛(壺屋)が煙草入れに加工し売り出しました。当時、皮革が貴重であったことから、擬革紙の煙草入れが伊勢参りのみやげ物として大流行したそうです。昭和初期には生産されなくなったのですが、最近になって復活されています。
擬革紙を使った工芸品としては、カード入れ、財布、キーホルダー、名刺入れ、小銭入れなどがあるのですが、もっとも安い名刺入れでも¥8,000もします。もう名刺入れは必要ありませんし、ほかのものもおいそれとは手が出ません。それが、このガチャでは、¥500でコードクリップがゲットできるのです。ということで恥ずかしながら、飛びついてしまいました。こちらをゲット。
斎宮歴史博物館にいった主たる目的が、この「斎宮ガイドブック」を入手することでした。¥1,000。受付で購入。まだ読んでいません。これからゆっくり読むつもり。休憩室でお茶を飲んでいたら、ミュージアムショップの方から、来館アンケートを依頼されました。それに答えたら、右のような缶バッジをいただきました。
斎宮歴史博物館からは古代伊勢道を通って、1/10史跡全体模型へ。古代伊勢道は奈良時代の幹線道路「官道」で、ここは復元されたところ。道幅は8~9mほどありそうです。斎宮が当時、かなり重要な役割を果たしていたと思わせます。
1/10史跡全体模型。これは、本当に良くできています。史跡全体を10分の1のスケールで表示して、その広大な規模と当時の姿を実感できます。これまでの発掘調査成果をもとに、斎王が住んだ御殿をはじめとする中心区画の建物も、10分の1のサイズで配置されています。
以上で今日の予定はコンプリート。斎王の森と、斎宮跡歴史ロマン広場花菖蒲園は、今日はパスしています。13時半前にいつき茶屋に到着。ここで昼食。私は、いつきうどん(¥550)をチョイス。娘は、伊勢うどん(¥450)を食べました。写真は、いつきうどん。
斎宮駅13時58分発の伊勢中川行き普通に乗車。これがまたもやミジュマルトレイン。「またもや」というのは、たぶん3回目の乗車なのです。山田線を主に走っていますから、桑名では目にしないのです。松阪駅に14時10分に到着。14時15分に松阪駅始発の名古屋行き急行がありましたので、それに乗り換えて、桑名駅には15時22分に到着。¥1,290。
今日の土産は、すでに往きの乗り換え待ち時間にゲット。松阪駅のJR改札脇にあら竹商店の販売所があります。そこで、モー太郎寿司(¥1,200)を1個、お買い上げ。
今日は桑名では、最高気温は27.3℃になりましたが、斎宮あたりでは風がよく吹いていて、さほど暑くは感じず、ウォーキング日和でした。Google Fitのデータでは、歩いたのはトータルで9.6㎞、歩数は16,059。明日は、長島方面に出かけたいと思っているのですが、現在の予報では雨模様で、難しいかも知れません。
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