20240126津島神社初詣ウォーキング(その3)……瑞泉寺、六角地蔵、本町筋、坂井町の井戸、津島神社道標、堤下神社を経て「なすがまま」で昼を食べ、津島神社にゴールにて「完」
1月26日に行ってきた「津島神社初詣ウォーキング」の本編その3です。その2では、大イチョウ(津島神社御旅所跡)から、東鳥居脇の大イチョウ、総本家角政を経て、津島神社に初詣し、天王川公園まで行きました。その3では、瑞泉寺、六角地蔵、ヨネ・ノグチ生家跡、三養荘、坂井町の井戸、津島神社参道を示す道標、堤下神社を経て、「なすがまま」という古民家カフェで昼食。その後、白山社を経て名鉄津島駅にゴール。
鏡池山瑞泉寺。もとは、天王川西岸の天王島にあり真言宗の瑠璃光寺といったのですが、良王君が逝去し瑞泉寺殿と号したことから菩提寺となり、瑞泉寺に改号したと伝わります。永正14(1517)年、舟戸の地に移転し、浄土宗に改宗。津島四家、七苗字の一つである大橋氏の菩提寺。芭蕉句碑があるというのですが、津島幼稚園を併設していて、境内には入れないようになっていました。このあたりは津島上街道に沿っています。
この瑞泉寺の東側には、稚児門という門がありました。現在、津島の川祭車を準備するのは、車河戸と呼ばれる津島湊跡ですが、この湊は江戸時代中期までは、ここ瑞泉寺の南隣まで奥行きがあったそうです。そのためこのあたりは舟戸町と名付けられています。稚児門は、川祭の祭礼当日、乗船する稚児が門外の水路から小船で祭礼本船に向かったことから、このように名付けられ、祭を執り行う上で重要な役割を持つもんだったといいます。
瑞泉寺の南東
の交差点には、「舟戸小路」というプレートがはめられていました。この名前は、このあたりまで水辺だったという言い伝えがあるそうです。
瑞泉寺・津島幼稚園の向かい、東側に六角地蔵(六地蔵尊)。灯篭型の六角で珍しい地蔵堂です。厨子の中に地蔵尊像があり、厨子の外周りには六地蔵が立てられています。境内には延享2(1745)年奉献の石灯篭があります。この六地蔵尊は、人間に姿を変えて深夜の盗賊を追い払ったという逸話が残されています。元は船戸町にありました。
今回、コース設定にあたって参考にした「津島市散策マップ」には、六角地蔵の先にヨネ・ノグチ生家があると載っているのですが、予習のときにGoogle Street Viewでチェックしたら、それらしい建物はありませんでした。瑞泉寺や六地蔵の先で右折して確認してきましたが、ご覧のような状況。更地というか、駐車場というか、そういうスペースになっていました。リンク先の写真と見比べていただくとよくお分かりになるでしょう。
ヨネ・ノグチ生家跡から津島街道に戻って、三養荘。三養荘は貞享2(1685)年)の建築とされ、300年以上前の原形を今も留めています。徳川家に縁ある津島の堀田家から豪商服部家に移り、昭和60(1985)年に平山学園清林館高等学校へ引き継がれました。同校所有となり「信仰・勤労・実際」の三つの心を込め「三養荘」と名付けられ、情操教育の場として活用されているそうです。
三養荘には屋根神が祀られています。屋根神様の内には津島、伊勢、秋葉、熱田神社の神札を納められており、各町内でお供えをしているといいます。この津島上街道にそったあたりは、本町筋と呼ばれ、古い町並みが残っています。鎌倉時代以来の旧津島上街道の一部で、江戸期には津島と名古屋城下を結ぶ道として賑わいました。沿道には、昔ながらの町家が多く、ノスタルジックな雰囲気。道自体が緩やかにカーブしていますが、それは、かつてこの道が天王川の堤防に沿っていたからだといわれています。
上述のように津島街道沿いには古い民家がたくさんあります。こちらのお宅には、屋根神さまと卯建が上がっています。「卯建が上がらない」ということばがありますが、それは「地位・生活などがよくならない。ぱっとしない」といった意味。
本町2丁目と3丁目の境あたりに「坂井町の井戸」。町角に花崗岩の方形石組みの井戸があります。「大正七年十二月坂口町」と刻まれていますが、明らかに辻井の形態が残っています。昭和10(1935)年頃まで使用されていたと伝わっています。ちょっと覗いてみたのが、右の写真。かなり深く、底には今も水がたまっていました。
本町通りから橋詰町に入る北西角に道標。これは津島神社への参道を案内するものです。明治29(1896)年、尾西鉄道が開通した年に、氏子の浅井代次郎氏が寄附したものです。大正3(1914)年、尾西鉄道が名古屋鉄道に買収され、駅を今市場通りに設けてから、この鉄道を多く用いることとなり、参拝者の多くは、今市場通りから本町を経て橋詰で西へ折れ、神社へ出たのですが、天王通の開設とともに駅を移転した結果、こちらは、今日では裏通りとなっています。
これで当初予定していたところはほぼ回ってきましたが、天王通に出るところで堤下(とうげ)神社。もとは金燈篭社と称し、天明5(1785)年の天王川築留め以前は、川を隔てて津島神社の遙拝所であったといいます。祭神は須佐之男命奇御魂となっていますが、古くから乳児の夜泣き封じの信仰で広く知られています。
堤下神社の境内にも井戸がありました。この井戸は、ここが津島神社の遙拝所であった頃、手洗いの井戸として用いられたといいます。
天王通に出て名鉄津島駅に向かっていると、とある民家風の建物の前に女性が立っておられました。あらかじめランチが食べられる店はチェックしていたのですが、ここ「なすがまま」もその1つ。ただし、おっさんが入るような店ではないなと思って、候補に入れていませんでした。しかし、この女性から声をかけられ、いろいろと伺う内にこれも縁かと思って、K氏とここで食事をしていくことに。「古民家カフェ」という位置づけのお店。ここを借りて、直してカフェにしているそうです。魅力的なメニューが並んでいたのですが、ランチをチョイス。今日は、コロッケ。これで¥880(税込み)。昼食がてら、12時過ぎから1時間ほど休憩。ゆったりできるお店でした。
なすがままを出て津島駅に向かっていたら、通り沿いに白山社がありました。天王通の南側に一段高く石垣が積まれ、玉垣に囲われた瓦葺の社が見えます。弘和元(1381)年、三輿村(現在の愛西市見越町)に創建、慶長13(1608)年、当地に移転したとあります。隣接する観音寺(こちらにはお参りしていませんが)とともに遷ってきたようですが、詳細は不明。ご祭神は、大国主命。
白山社でおもしろかったのは、こちら。賽銭箱なのですが、石造。石造りの賽銭箱も見たことはありますが、こういうタイプはたぶん初めて。いろいろあるものです。
白山社からは、名鉄津島駅は目と鼻の先。13時10分を過ぎた頃にゴール。右の写真は、津島駅のホームから見た西の方角。この中央に見えるのが、今日歩いた天王通。奥に見える山並みは養老山地。かなり近くに見えます。13時24分発の弥富行き普通に乗車し、弥富には14時35分着。弥富からはJRに乗り換えて桑名へ。13時43分発のJR四日市行き普通で、桑名には13時50分着。電車賃は、朝と同じく合計¥500。
こちらはこの日のGoogle Fitのデータ。歩いたのは、9.5㎞。自宅から桑名駅往復は、2.5㎞ほどと認識しています。それが正しければ、7㎞ほどを現地で歩いてきたはずで、歩数は、15,700歩でした。
総本家角政で土産に買ってきた「くつわ」「あかだ」のミックス。¥200でした。津島神社の門前で、いくつかの店が製造販売しています。米の粉を熱湯でこね、それを輪切りにし、伸ばしてちぎり、油で揚げたのが「あかだ」。うるち米ともち米に砂糖を混ぜ、同じく熱湯でこねたあとせいろで蒸してから轡(くつわ)の形に仕上げてあぶらであげたのが「くつわ」。どちらも大変固いのですが、これを食べると病気をしないという言い伝えがあります。歯の悪い私は、角政の店員さんの助言にしたがい、口の中に含んでしばらくしゃぶってから食べられました。
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