20231020行基寺ウォーキング
曇りのち雨という予報でしたが、雨は15時を過ぎてからということでしたので、予定通り、行基寺ウォーキングに行ってきました。今年1月から歩いていた「美濃街道ウォーキング」のオプショナルツアーその2です。養老鉄道美濃山崎駅から行基寺までを往復。高低差は125mほど(キョリ測のデータ)。同級生K氏と二人旅。桑名では25.7℃と、今日も夏日でした。今日のところは、全体の概要。行基寺について詳しいことをまた別に書きます。
こちらが今日歩いたルートマップ。養老鉄道美濃山崎駅から浄国寺、宝珠院、龍芳寺、杖つき坂を回って行基寺へ。寺内、庭園を拝観し、御山の燈台を見てから覚法寺、八幡神社を経て美濃山崎駅へ戻ってきました。ルートマップ上は5.6㎞でしたが、寺社ではあちこち見て回りましたので、かなり歩いています。
桑名駅を8時45分に出る大垣行きに乗車。美濃山崎駅には9時10分に到着。¥420。駅を出て国道258号線方面に向かったところで、目の前をオスのキジが1羽、飛んで行きました。国道をくぐってすぐに八幡神社があります。右の写真の道は、美濃街道ウォーキングで歩き、この神社にも立ち寄っています(2023年4月9日:20230409美濃街道ウォーキング「石津~駒野」(予告編))。今日は、美濃街道を横切って西へ。
左の写真は、真宗大谷派の浄国寺。右の写真は、その先にある浄土宗の宝樹寺。いずれもネット検索ではこれという情報はありませんでしたし、現地でも説明板などはありません。
こちらは、真宗大谷派の龍芳寺。このお寺についても、やはり詳しい情報はありません。いずれも立ち寄って、お参りしてきたのみ。龍芳寺の先で、今日のメインの目的地である行基寺が遠望できます。
その先、スタートから1.5㎞ほどのところに「杖つき坂」。私にとって「杖衝き坂」といえば、四日市市采女にあるところがイメージされるのですが(2022年2月5日:20220205東海道ウォーキング(日永の追分~加佐登)(予告編))、ここ海津市南濃町にもあることを美濃街道ウォーキングで知ったのです。現地説明板によれば、「日本武尊が伊吹山で氷雨にあい、病を得、大和への帰途、ここが急な坂のため杖をついて上がったといわれる」とあります。『古事記』では、伊吹山からの日本武尊の道順は、玉倉部(たまくらべ:関ケ原町)→当芸(たぎ:養老町)→杖つき坂(海津市)→尾津(おづ:多度町)→三重(四日市市)→能褒野(のぼの:亀山市)ですから、これを素直に読めば、ここが杖つき坂となります。
杖つき坂の先から本格的な上り道になります。標高30mほどから125mまで昇っていきます。以前、多度山に登った時の経験を思い出しました(2020年10月14日:20201014勝手に養老鉄道ハイキング「多度山に登ろう」)。多度山は標高403mですから、今日の方が楽なはず(微苦笑)。ですが、途中で一度、休憩15分。途中で出会ったのは、後からオートバイで昇ってきたカップルらしき方たちのみ。女性がにっこりと微笑んで行かれたのですが、「ジイ様たち、大丈夫なのか?」とでも思われたのかも知れません。
臥竜山行基寺に着いたのは、10時40分ころ。上記のように途中で15分休んでいましたので、ここまで1時間10分ほど。同級生K氏も私も、かなり以前から一度来てみたかったところで、二人ともようやく念願が叶ったという次第です。
天平の初め頃(約1300年前)、当時、大仏建立の勧進のため諸国を行脚していた行基が聖武天皇の勅願を得て、美濃・尾張・伊勢の三国の守護霊場山として、この地に七堂伽藍を尽くした菩提寺が建立されたのが始まりといいます。行基は、天平宝字元(757)年にここで82歳でなくなったと伝わります。南北朝の動乱期(約700年前)、戦乱の際の兵火により全山焼失してしまいましたが、尾張津島の領主ならびに信徒らが、再びこの臥龍山の地に伽藍を建立しています。元禄年間(1688~1704年)、尾張藩二代藩主徳川光友公の次男である松平義行公(徳川家康公の曾孫)が、美濃高須藩の藩主として封ぜられるにあたり、当山を松平家の菩提寺として境内および全伽藍を城郭に見立てて改築し、宝永2(1705)年に完成しました。
地元産の河戸石を使った城郭造りで、濃尾平野を見下ろせる山腹にありますし、庭園も見事なものです。拝観料¥400を支払って建物内と庭園を見せていただきました。左の写真は、対面所から東の方を眺めたもの。手前にある庭園はよく手入れされていて、見事です。津屋川や揖斐川から濃尾平野が一望できます。薄曇りでしたので、眺めは今ひとつでしたが、晴れていればさぞ見事だろうと思います。
本堂の西にある断層。 今年7月1日に放送されたブラタモリ「木曽三川〜暴れ川vs.人間 激闘の歴史とは?〜」でタモリさんが見に来たのが、確かこの断層です。隆起した海底の堆積岩の痕跡だそうです(こちら)。それが石垣と一体化しています。養老山地は、砂岩などの堆積岩でできているそうです。
行基寺からは東の方へ降りていきますが、その前に駐車場の一角に「御山の燈台」。平成になって再建されたものですが、臥竜山に大寺院が建立された時、この地に仏舎利塔と一丈あまりの石積みによる高燈籠が築かれたといいます。常夜灯として延宝の人々から「菩提山(臥竜山)の燈台、法燈様」と崇められました。こちらの坂道の方が、はるかに急で、ここから昇らなくて良かったと思います。
かなり下ったところに大慈山覚法寺があるのですが、「本堂解体工事を行っています」という看板が出て、実際に工事が行われていました。臨済宗妙心寺派のお寺なのですが、廃寺になったのではないかと思われます。工事発注者は、近くにある寒窓寺になっていました。寒窓寺は、美濃街道ウォーキングで訪ねています(2023年4月9日:20230409美濃街道ウォーキング「石津~駒野」(予告編))。寒窓寺も臨済宗妙心寺派のお寺です。
その近くに八幡神社。創立年月など、詳しいことはわかりません。現在の社は、小さなものですが、境内地は広く、かつては栄えたと思われます。これで、今日の立ち寄り先は、コンプリート。当初は、国道258号線に出て美濃山崎駅に戻るつもりでしたが、国道を歩いてもつまらないということで、来た道を戻ってきました。が、途中でわずかにコースミスをしました(苦笑)。
美濃山崎駅に戻ってきたのは、12時40分。次の桑名行きは、13時10分でしたので、朝、ファミマで買ってきた弁当をここで食べることにしました。というのも、この駅あたりには食事ができるところがないのです。ファミマの「明太海苔弁当」(¥460)。海苔弁当、好みなのです。
美濃山崎駅を13時10分に出る桑名行きに乗って、桑名には、13時38分着。美濃山崎駅には券売機はありませんので、乗車票をとって乗ります。車内で係の方が回ってきましたので、料金を支払って「車内補充票」をもらいました。手書きタイプで、今では珍しい気がします。
今日のGoogle Fitのデータ。9.81㎞も歩いています。自宅から桑名駅往復も含みますし、行基寺の中でかなり歩き回りました。歩数は、17,260。アップダウンがかなりありましたし、歩幅がどうしても小さくなりますので、歩数はいつものウォーキング以上になったと思います。
余談。桑名駅東口を降りたら、シェアサイクル事業の『Charichari(チャリチャリ)』の実証実験が行われていました。10月19日(木)~10月25日(水)に「プレ運営」が行われるのだそうです(こちらに号外ネット桑名市・いなべ市の記事があります)。
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