20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その1)……大矢知駅から八風街道の常夜灯、朝明川堤防を経て移田神社へ
9月9日に行ってきた近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』の本編その1です。三岐鉄道との合同企画です。朝日町は、タイトルにもあるように三重県でもっとも小さな町で(面積は5.99平方キロメートル。ちなみに、川越町が8.73平方キロメートル、桑名は136.68平方キロメートル)。桑名の南隣にあります。お隣ということもあって、朝日町へは、近鉄ハイキングでも、個人的な「勝手にハイキング」でも何度か訪れ、めぼしいところはかなり回り、私としては、桑名に次いでよく歩いているところです。しかし、今回は初めてのところが2ヶ所含まれていましたので、参加したという次第。今回は、一人旅。
こちらが当日歩いてきたコース。三岐鉄道三岐線大矢知駅をスタートし、移田(うつしだ)神社、井後(いじり)神社、若松園(和菓子)、稲垣酒造場、朝日町歴史博物館、浄泉坊、朝日町資料館、語らいの広場(抽選会あり)を経て近鉄名古屋線・伊勢朝日駅がゴール。コースマップ上は、6.3㎞。
桑名駅発9時2分の松阪行き急行に乗車。近鉄富田駅に9時9分着。ここで三岐鉄道三岐線に乗り換え。9時28分発の西藤原行きで、大矢知駅には9時32分着。運賃は合計で¥490。けっこうな賑わい。小さいホームに人があふれるほどでした。7~8月は近鉄ハイキングは休みでしたので、再開第1回ということもあるのでしょう。もらったコースマップの番号は、#103。大矢知駅を9時35分過ぎにスタート。
歩いたルートの詳しいマップその1。大矢知駅から移田神社までですが、この中で立ち寄り箇所は、移田神社のみ。大矢知駅を出てすぐ、ごくわずかに八風街道を通ります。常夜灯を見て、市神社陣屋集会所のところで右折して朝明川の堤防道路へ。国道1号線北勢バイパスにあがって、朝明川を渡ります。
八風街道。四日市市富田一色が起点。すぐに東海道と交差し、大矢知、平津を経て菰野町田光で巡見道と合流する道です。そこから西は、八風越の道が八風峠を越え、滋賀県に至り、近江八幡市武佐町(中山道武佐宿)まで続いています。このあたり、いかにも昔の街道という道幅。常夜灯も残っています。この常夜灯は、天保4(1833)年建立。正面に「常夜燈」、裏面に「天保四癸巳年八月吉日」とあります。
常夜灯のすぐ先に市神社・陣屋公民館があります。市神社も、陣屋公民館も、今のところよく分かりません。どちらもネットでは情報が出て来ません。「陣屋」というのは、江戸時代末期、現在の大矢知興譲小学校のところに忍藩の陣屋が置かれたことと関係しているのかも知れません。大矢知は江戸時代を通じて、ほとんどの時代、桑名藩領でしたが、文政6(1823)年、当時の桑名藩主・松平忠堯(ただたか)公が、武蔵国忍藩へ国替えとなったのです。しかし、忍藩では桑名に比べ石高が少なく、それを補うため、北勢四郡のうち72ヵ村(松寺、蒔田、西富田を除く)4万3,000石が忍藩領になりました。そのとき、ここ大矢知に陣屋が置かれ、忍藩が支配したのです。ちなみに、忍藩が大矢知を支配してからは、八風街道の起点・富田一色は、米の積み出し港として栄えました。
分からないことを残したまま、右折して朝明川の堤防に向かいます。いかにもハイキングに来たという風情に見えますが、この時点ですでにかなり暑くなっていました。
朝明川の右岸堤防沿いに「朝明川右岸用水完成記念碑」があります。昭和39(1964)年に鉄筋コンクリート製の堅牢な井堰(出来山井堰)が造られたときの竣工記念碑です。三重県知事田中覚。ました。右岸堤防上に立派な竣工記念碑が建っています。裏面には、建造に至った経緯、規模内容が縷々述べられているそうです(足場が悪かったので、見てきてはいません)(こちらを参照)。
県道26号線をくぐりしばらく行くと国道1号線北勢バイパスに行き当たります。自動車専用のはずなのに、どうする?と思っていたら、朝明川を渡る部分だけ歩道がありました。ただし、ご覧のように階段を上って行きます。高いところですので、見晴らしは良好。右の写真は、進行方向である北側を撮ったもの。南東方向には、四日市港もよく見えました。
北勢バイパスから降りて、2㎞を過ぎたあたりで伊勢湾岸自動車道の下をくぐります(左の写真)。右の写真は、湾岸自動車道をくぐって移田神社に続く坂道の途中から、通ってきたあたりを撮ったもの。
スタートから2.6㎞を歩いて、10時10分頃、ようやく最初の立ち寄り先である移田(うつしだ)神社に到着。ここへは一度、2020年12月に来ています(2020年12月11日:20201211勝手にJRさわやかウォーキング三重・朝日町へ……朝日町歴史博物館の「古文書から歴史をよみとく-江戸時代の朝日-」を見て、井後神社、善照寺、移田神社、井後神社旧址へ)。
延喜式内社。移田神社の主祭神は、神社検索三重のサイトでは、埴安姫神(はにやすひめ:土をつかさどる神)、応神天皇、大山祇命の3柱となっています。しかし、神社にあった由緒書きには、建速須佐之男命、天照大神、応神天皇、大山祇神となっています。その由緒書きには、「移田神社の祭神は神社に奉納されていた古い神名札に稲霊埴安神とあったといわれ、埴安姫神であったものをのちに天王といい、建速須佐之男命と呼ぶようになったと伝えられる」とあります。埴安姫神も、建速須佐之男命も、伊奘諾尊(いざなきのみこと)の子ですから、両者が結びついたのでしょうか。「天王」は、牛頭天王のことでしょう。そうであれば、それは、建速須佐之男命と習合しています。明治40(1907)年、神明社の境内一社と字北谷にある八幡社、字入ケ谷の山の神社を合祀しています。さらに、明治41(1908)年、井後神社に合祀されましたが、昭和27(1952)年、移田神社は分祀し、旧地に復帰しました。神殿、拝殿は、毘沙門天の跡に平成15(2003)年、新たに造営されています。ほかにも見どころがあり、とくに拝殿前の狛犬は、エジプトのスフィンクスのようなスタイルで興味あるものでした。詳しくは、こちらの記事(2020年12月11日)をご覧ください。
移田神社から埋縄(うずなわ)地区の集落の中を下っていくと、移田神社の社号標のあるところに出ます。移田神社の社号標、案内の石柱と、善照寺の案内標識が立っています。案内の石柱には、「延喜式内移田神社 是ヨリ二丁」とあります。一丁は60間、 すなわち約109mですから、218m。光雲山善照寺は、今回は立ち寄り先になっていませんが、真宗本願寺派のお寺。寛永18(1641)年の創建。
その1は、マップのキリもよいのでここまで。その2は、井後神社から。
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