お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2023年9月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2018年1月以降の記事を残し、2017年12月以前の記事は削除しました(2018年1月1日から2023年9月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

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2023年7月20日 (木)

20230715伊勢河崎ウォーキング(その3)……倉田山公園、松尾観音寺、倭姫宮、日蓮聖人誓願の井戸、正寿院、光明寺を経て宇治山田駅へゴールにて「完」

Kawasaki4 Kawasaki5  7月15日の伊勢河崎ウォーキング本編その3です。その2では、河崎の町にある河邊七種神社、伊勢河崎商人館、そして、川の駅・河崎を回り、勢田川沿いを下って二軒茶屋まで歩きました。その3では、二軒茶屋から旧三重交通神都線の線路跡をたどって倉田山公園に向かいます。ここにある野口みずき金メダルロード顕彰碑と、沢村栄治投手&西村幸生投手の胸像を見て、松尾観音寺、倭姫宮をたどっていきます。

Img_8685c_20230718041201 Img_8694c_20230718041201  二軒茶屋から倉田山公園に向かう途中、再びJR参宮線をくぐります。その1にも書きましたが、このあたりは旧三重交通神都線の跡です。などということを思い出しながら県道22号線を越え、倉田山公園入り口の信号から、さあ坂を登ろうと思ったら、タイミングよく神都バスが来ました。三重交通が運用しています。神都線の路面電車が、第62回式年遷宮(平成25(2013)年)に合わせて、路面電車型バスとなって生まれ変わったものです。

Img_8707c_20230718041901  倉田山公園には11時45分頃到着。それまではほぼ平地を歩いていたのですが、10数mまで登ってきました。ここにはダイムスタジアム伊勢という野球場があり、この日は甲子園の三重県予選が行われていました。我々がここに着いた時には、宇治山田商業対亀山の試合中。次の試合は、皇學館対上野で、球場あたりには皇學館の応援に来た方がたくさん。皇學館高校はここからすぐのところ にあるのです。

Img_8696c_20230718041901 Img_8703c_20230718041901  球場脇にまずは、野口みずき金メダルロード顕彰碑野口みずき選手は、伊勢市出身。平成16(2004)年のアテネオリンピックの女子マラソンで優勝しました。その功績を顕彰し記念するため、三重県立宇治山田商業高等学校時代に実際にトレーニングで走ったコースを顕彰記念道路として設置し、その愛称を「野口みずき金メダルロード」と名付けたのです。顕彰碑は、平成17(2005)年10月に建てられています。

Img_8714c_20230718041901  球場に近いところにこちらの胸像。伊勢が生んだ2人の名投手、沢村栄治投手と、西村幸生投手。この胸像は元々別のところにあったのですが、平成26(2014)年3月、隣り合わせに移設されました。この記念と、球場のリニューアルオープンを記念して、創立80周年を迎えた読売巨人軍と、翌年80周年を迎えた阪神の2球団による「伝統の巨人阪神戦80周年企画」の一環として行われました。向かって左が沢村栄治投手(大正6(1917)~昭和19(1944)年)、右が西村幸生投手(明治43(1910)~昭和20(1945)年)。沢村は、宇治山田駅前にある明倫商店街に生家跡があります。旧京都商業(現在の京都学園高等学校)に進み、甲子園にも出場。17歳の時に出場した日米野球ではベーブ・ルースらがいた大リーグ選抜を1点に抑えました。巨人では3度のノーヒットノーラン試合を達成しています。昭和19(1944)年、3度目の出征の際、輸送船が台湾沖で攻撃され、27歳で戦死しました。背番号14は巨人初の永久欠番。今も、「沢村賞」にその名を残しています。西村は、現在の伊勢市大世古町出身。学生野球(関西大学)で活躍した後、昭和12(1937)年、大阪(現阪神)タイガースに投手として入団。同年秋、翌年春の優勝に貢献しています。昭和14(1939)年に退団、昭和20(1945)年4月、フィリピンで戦死しました。沢村投手との対戦を望んで阪神タイガースに入団したといいます。

Img_8743c  ルートマップはその4になります。倉田山公園からさらに少し登ると龍池山松尾観音寺があります。奈良時代始め(712年)、行基が伊勢神宮参拝の折、この松尾山に雄・雌の龍が住むと伝えられる池があることを知り、その池のほとりに自ら観音様を刻み寺を創建したと伝えられています。その後は、伊勢国の国司であった北畠(きたばたけ)氏が祈願寺として守護し、その後、北畠家一統の木造(こつくり)氏が氏寺として守護してきました。創建以来、本山も末寺も檀家も持たず、いずれの既成宗派にも属さない「単立」という特異な形態の祈願寺です。ご本尊は、「十一面観世音菩薩」と、脇仕の「地蔵菩薩」「毘沙門天」。この本堂は、約200年前の文政3(1820)年、総欅(そうけやき)造りで建てられています。

Img_8729c_20230715172901  今シーズンは、まだ蓮を見ていなかったのですが、ここで見られました。本堂裏には、二つ池(龍池)と呼ばれる2つの池があり、昔から東の池には雄龍、西の池には雌龍がそれぞれ住んでおり、観音様をお守りになっているといわれています。今から約600年前の応永10(1403)年5月、本堂が火災に遭った際、池から2体の龍神が姿を現わし、雄龍は燃え盛る炎を飲み込みながら舞い降り、観音様を自らの体で幾重にも巻き付け、また、雌龍は何度も池の水を炎に吹きかけ、観音様を火災から守ったという伝説が残っています。ここの境内には、庚申堂、松尾龍池社などさまざまなものがあります。詳しくは平成30(2018)年10月8日に訪ねた記事をご覧ください(2018年10月24日:20181008近鉄ハイキング「路面電車跡を巡り名物二軒茶屋餅で舌鼓」へ(その4)……角屋麦酒、神都線線路跡(?)、野口みずき金メダルロード顕彰碑、沢村栄治・西村幸生胸像を見て、松尾観音寺へ)。

Img_8767c_20230718044701  Img_8774c 松尾観音寺から倭姫宮へ向かうのですが、学校法人皇學館が経営する皇學館中学・高校・大学の敷地の脇を通っていきます。さらに住宅地の中を通り抜けると倭姫前交差点に出ます。そこに神宮文庫があり、立派な門が立っています。神道、文学、歴史などの貴重な和書20万冊を含み、約31万冊が収蔵されているそうです。慶安元(1648)年、外宮の東隣に豊宮崎文庫(とよみやざきぶんこ)が創設、また、貞享3(1686)年には、内宮文庫が立てられました。元禄3(1690)年に内宮近くの林崎の地に移され、林崎文庫と改称されています。久邇宮朝彦親王が林崎文庫内に皇學館を創設したのですが、両文庫は、図書館であると共に神職子弟の教育機関でもあった訳です。「諸車通行禁止」とありましたので、入るのがはばかられ、覗いても来ませんでした。

Img_8781c_20230718061801  倭姫前交差点のところに道標が1基あります。3面に矢印とともにいずれも「古市へ二町」と刻まれています。碑陰には、「昭和四年十二月建之」とあります。古市は、外宮と内宮を結ぶ参宮街道沿いにあり、17世紀以降には遊郭や芝居小屋、旅館が並び、伊勢随一の歓楽街としてにぎわったところ。要するに、伊勢参りの参拝客が増加するにつれ、参拝後に精進落としをする場所として賑わったのです。最盛期の天明(1781~1789年)頃には妓楼70軒、遊女1,000人、浄瑠璃小屋も数軒というにぎやかさで、「伊勢参り 大神宮にもちょっと寄り」という川柳があるほど活気に溢れていたといいます。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも登場しました。二町は、218mあまりのこと。

 さらに交差点の北側には、Img_8785c_20230718062001「崇敬致誠」という石碑があります。これは、神宮徴古館が設立されたときの記念碑です。明治42(1909)年、神宮徴古館は内宮や外宮の神苑を整備した神苑会により設立されました。神苑会は、徴古館設立後に役目を終え、神宮に徴古館を献納して解散しています。この石碑の題字「崇敬至誠」は、徴古館建設に関わった多くの方の崇敬を伝えるものだそうです。なお、題字は有栖川宮威仁(ありすがわのみやたけひと)親王(文久2(1862)~大正2(1913)年)によります。

Img_8795c_20230715172901  倭姫宮です。御祭神は、倭姫命(やまとひめのみこと)。垂仁天皇の皇女。『日本書紀』によれば、天照大神を伊勢に祀り、伊勢神宮の初代斎宮(さいぐう)となりました。また、東征に向かう甥の日本武尊に草薙剣を与えたといいます。倭姫命は、垂仁天皇25年、それまで倭(やまと)の笠縫邑(かさぬいのむら)で天照大神を奉斎していた崇神天皇の皇女豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)にかわって「御杖代(みつえしろ)」として奉仕。さらによい鎮座地を求めて伊賀、近江、美濃、尾張を経て伊勢国五十鈴(いすず)川上に遷座したと伝承されます。

Img_8803c_20230715172901  倭姫宮交差点近くにある鳥居をくぐってから200mあまりの参道を進んで行くと、社殿があります。倭姫宮は、大正12(1921)年に御鎮座という、新しいお宮なのですが、木々は鬱蒼としていて、神聖な雰囲気は十分。大きな功績を示した倭姫命の御神徳を慕って、大正の初年から神宮司庁と宇治山田市(現在の伊勢市)が、命を祀るお宮の創立を請願し、大正10(1921)年1月、皇大神宮別宮として創立が許可され、同12(1921)年11月にご鎮座祭が執り行われたといいます。伊勢神宮には、別宮・摂社・末社・所管社の諸宮社(神宮が管理するのは、125社)があります。いずれも由緒は古く、奈良時代以前に遡るものが多いのですが、設立が明らかで、極めて新しいのは、この倭姫宮のみです。

Kawasaki1  倭姫宮から神宮徴古館、神宮美術館、神宮農業館のところを通って神田久志本本町の方へ下っていきます。実際にあるいたルートマップは、その5といいたいところですが、その1に逆戻り。御幸道路に出たところに日蓮聖人誓願の井戸。金刀比羅神社は、坂道を登っていかねばならないところを通り過ぎてしまい、パス。正寿院と光明寺を見て、スタート&ゴールの宇治山田駅に向かいます。

Img_8812c_20230718100701 Img_8822c_20230715172901  日蓮聖人誓願の井戸です。延長5(1253)年、日蓮上人が関東下向の途中で旧常明寺(じょうみょうじ)に参籠し、境内の井戸を潔斎して3つの誓い(三大誓願)を立てた場所です。日蓮の三大誓願とは、「我 日本の柱とならん、我 日本の眼目とならん、我 日本の大船とならん」です。常明寺は継体天皇代の創建とされ、もとは真言宗でしたが、寛永年間(1624~1644年)に天台宗に改宗。度会氏(二門)の氏寺。常明寺は、明治の廃仏毀釈の際、廃寺になり、明治15(1882)年、常明寺跡に伊勢・欣浄寺が復興されていますが、のちに移転。倭姫命の陵墓の伝承地が隣接します。『倭姫命世記』によると、雄略天皇23年2月、倭姫命は尾上山峰に退いて「石隠」したといいますが、この「尾上山峰」が常明寺のある小山で、境内の石窟が倭姫命の墳墓であるといわれるそうです(宇治山田陵墓参考地に指定)。この倭姫命の陵墓は、パスしてしまった金刀比羅神社の手前にあったのだそうで、これはちょっと失敗。

Img_8830c_20230718100701 Img_8834c  左の写真が、日蓮聖人が100日間にわたって水垢離をした井戸。また、ここには、誓願塔や石造宝塔が建てられています。大正13(1924)年、正法護持財団によって上人の遺跡の聖域や井戸が整備修復され、誓願塔も建てられています。また、平成3(1991)年には、新しく石造宝塔が建てられました(こちら)。

Img_8852c_20230718103201 Img_8849c_20230718103201  御幸道路を宇治山田駅の方に向かっていくと、勢田川の手前、右側にお寺が2つ並んでいます。まず、大塚山正寿院赤心門寺。浄土宗。平安時代前期の弘仁3(812)年に弘法大師・空海が真言密教の道場として創設したのが始まりで、安土桃山時代の天正2(1574)年に浄土宗に改宗しています。

Img_8845c_20230718103201  宝暦13(1763)年、霊元天皇の皇子職仁親王第二世に当たられる有栖川宮織仁親王殿下が伊勢神宮参拝の時、当山の南楼黒書院に宿泊されて以来、有栖川宮家と深い関わりができています。山門に菊のご紋章があしらわれていたのは、このためのようです。この写真は、平成22(2010)年にできあがった赤心殿。

Img_8858c Img_8871c_20230718103201  こちらは、金鼓山(きんこざん)光明寺。臨済宗東福寺派。寺伝では、天平年間(729~749年)に聖武天皇の勅願により伊勢神宮外宮宮域の南方の前山の鼓ヶ岳(現伊勢市前山町)に創建されたといいます。しかし、もとは外宮宮域の北方の山田の世木(現在の伊勢市駅前付近の伊勢市吹上、勢田川左岸)の世木神社の近くにあり、外宮神職であった度会氏の世木広光が創建したというのが定説とされます。鎌倉時代末期の元応元(1319)年、禅僧の月波恵観(げっぱえかん)が再興。恵観はもともと天台宗でしたが、東福寺の禅師癡兀大恵(ちこつだいえ)に師事したことから当寺が臨済宗に改宗されたと考えられています。

Img_8865c_20230718103201  ここはまた、南北朝時代の南朝の武将結城宗広(ゆうきむねひろ;?~延元3=暦応1(1338)年)の終焉の地でもあります。結城宗広は、延元元・建武3(1336)年、北畠顕家とともに陸奥の大軍を率いて西上、足利尊氏を九州へ走らせ、翌延元2・建武4(1337)年ふたたび尊氏追討のために奥州をたったものの失敗し、吉野に逃れます。翌年、顕家、義貞が相次いで戦死したため、奥州における南朝勢力再建を企図し、伊勢大湊(いせおおみなと)を出航したものの、天竜灘で暴風にあって吹き戻され、延元3・暦応元(1338)年、伊勢光明寺で病没しています。自決であったともいいます。宗広は当寺境内の「結城宗廣卿墳墓」に葬られました。ちなみに、結城宗広に関連して、津市にある結城神社は結城宗広をご祭神としていますし、境内に墓もあります(2019年5月10日:20190428近鉄ハイキング「『阿漕』砂浜ハイキングと津グルメ散策」へ(その2)……教圓寺、神明神社、山二造酢を経て結城神社へ)。結城宗広の墓は、福島県白河市の関川寺(かんせんじ;結城家の菩提寺)にもあります。伊勢の光明寺あたりが終焉の地で、結城神社近くの阿漕浦海岸で遭難したという言い伝えもあるようです。

Img_8896c_20230715172901 1689394935695c  これで目的地はコンプリート。宇治山田駅近くには13時15分頃に戻ってきました。暑かったので冷麺か、冷たい蕎麦でも食べたかったのですが、我々が行った「うじやまだ駅前横丁」にはそば屋はなく、ラーメン屋さんは営業していませんでした。そこでまんぷく食堂さんへ。プチからあげ丼、¥650をチョイス。からあげ丼では、ちょっと量が多そうな気がしたのです。プチにして正解。ちなみに、ここまんぷく食堂さんは、伊勢のソウルフードといえば必ず名前が上がる店だそうです。「からあげ丼」は来客の8割が頼むという超人気の品。スパイシーな唐揚げを、出汁と卵でふんわりととじてあり、クセになりそうでした。

Img_8911c_20230715172901  帰りは、宇治山田駅発13時40分の伊勢中川行き急行に乗車。伊勢中川には14時20分に到着。14時23分の名古屋行き急行に乗り換え、桑名には15時22分着。¥1,450。運賃もそれなりに高く、乗車時間も結構長かったのです。

230715165343428c  230715170118008c 本日のお土産は、もちろん二軒茶屋餅。10個入りで¥840。あんこの入ったきなこ餅です。シンプルでとても美味しいのです。個人的意見としては、赤福や、ひょっとしたらへんば餅もより美味しいかも知れません。賞味期限は2日間で、7月16日まで。賞味期限が短いこともあって、あまりあちこちで売っていないので、ちょっと残念。ここ本店、伊勢角屋麦酒外宮前店伊勢角屋麦酒内宮前店(おかげ横丁)のほか、宇治山田駅のファミマでも売っているようです。

 Screenshot_20230715153958cこの日のGoogle Fitのデータ。ルートマップでは現地で歩いたのは8.2㎞。Google Fitではトータル10.1㎞。帰りは桑名駅までクルマで迎えに来てもらいましたので、これくらいでしょう。歩数は、18,738。よく歩きました。今回は、暑い日でいささかへばりました。

Img_8918c_20230722113301 230715134839230c  オマケ。帰りに宇治山田から伊勢中川まで乗った電車は、ミジュマルトレイン。去年の1月から運行されているそうですが、主に賢島~伊勢中川間を走っていますので、なかなか目にする機会がありませんでしたし、乗ったのも初めて。

Img_8936c_20230722113301  ミジュマルというのは、みえ応援ポケモンに認定されているポケモン。鳥羽の方では、ミジュマルバスも走っているそうですし、県内各地で「ポケふた」というポケモンのキャラクターをあしらったマンホールの蓋が順次設置されているそうです(ただし、桑名はまだ)。

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  • 林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)

    林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)
    たまにはこういう本も読まないと、認知機能が退化するかもしれないと思って(微苦笑)。というよりも、もともと神経心理学に興味がありましたので、本屋の店頭で見つけ、これは面白そうだと思って購入しました。うつ、自閉スペクトラム障害、ADHD、統合失調症、双極性障害など、現代人を悩ませる心の病について、脳にどのような変化が起きているか、最新の知見がまとめられています。最前線の研究者たちがわかりやすく説明しているのですが、知識ゼロで読むのはかなりキツいかも知れません。私は現役をリタイアして10年以上になりますが、その間にこれほど研究が進んだのかというのが正直な感想。心の病の原因は、1つとは限りません。心の病は「症候群」と見た方がよいと考えます。私自身が関わる自閉スペクトラム障害、ADHDなどの発達障害でもそうです。脳機能と心の病との関連について最新の知見を知りたい方にはおすすめ。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)

    磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)
    本の帯に「大河より面白い!」とありますが、本当にそうでした。午前中の散歩のついでに買ってきて、夕食までに一気に読み終えてしまいました。もったいない気がするくらい。松平元康がいかにして徳川家康になったか、さらに徳川将軍家がいかに続くよう礎を築いたかが、よく分かりますし、戦国時代から徳川幕府創世記までの歴史を見る目が養われる本です。それというのも、著者の磯田さんが古文書の権威で、一次史料を読みこなすだけでなく、場合によっては価値が怪しい資料まで傍証に用いて(怪しい資料でも使い道があるというのも良く分かりました)、ご自身の頭で考えた結果を実に分かりやすく解いてくれてあります。徳川家康の弱者の戦略のキーワードは、「武威」と「信頼」ということです。また、情報の取得、解読にも意を尽くしたことがよく分かります。混迷を深める世界情勢を読み解いて、我が国が進む方向を考える上でも役に立つ一冊。 (★★★★★)

  • 井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)

    井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)
    発達障害、とくに自閉スペクトラム症(ASD)の方では、感覚過敏や感覚鈍磨をよく伴います。「照明で目がチカチカする」「皆が話している教室では。音が鳴り響き絶えられない」「ケガをしてるのに、痛みを感じない」などさまざまな状況を呈します。著者は実験心理学や、認知神経科学を専門とし、ASDの方に見られる感覚過敏、感覚鈍磨は、脳機能の特性から来ていることを明らかにしてきています。ASDなど発達障害のあるご本人はもちろん、親御さん、教師など関わりを持つ方々は、このことをよく理解して支援にあたることがとても重要です。ASDを始めとして発達障害について、「わがまま」「自分勝手」「やる気がない」などと捉えてしまうと、支援どころか、理解もできなくなります。脳の働きによってさまざまなことが生じてきているという視点が必要不可欠です。この本は、感覚過敏・感覚鈍磨を手がかりにそういう視点について理解を深められます。 (★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)
    2022年12月のNHKのEテレ「100分de名著 中井久夫スペシャル」のテキストです。今頃(2023年2月)これをリストアップしているのはどうかという気もしますが、録っておいたビデオをみたのが最近なのです。中井久夫さんは、2022年8月にお亡くりになりましたが、日本を代表する精神科医のお一人であり、翻訳家、文筆家としても一流でした。現役の頃、中井さんの本はたくさん読みました。臨床心理学の分野でも「風景構成法」を導入した方として知られています。Eテレの講師である齋藤環さんは、中井さんを評して「義と歓待と箴言知の人」と書いておられますが、まさにそういう気がします。『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』が紹介されています。現在もウクライナで戦争が続いていますが、中井は「戦争は過程、平和は状態」とし、戦争は物語として語りやすく、とにかくかっこよくて美しい、それが問題だといいます。一方、平和は分かりにくく、見えにくいため、心に訴える力が弱いとします。「状態を維持する努力はみえにくい」のですが、戦争と平和に限りません。普段通りの日常生活を維持していくのも同じような気がします。戦争を経験していない人間が指導者層の多くを占めるようになると戦争に対する心理的抵抗が低くなるともいいます。「戦争には自己収束性がない」とも中井さんはいっています。われわれはやっかいな時代に生きていると痛感します。中井さんの本を多くの方が読むと、時代も変わるかも知れません。 (★★★★★)

  • 桑名三郎: 七里の渡しを渡った人達(久波奈工房)
    桑名と名古屋の宮を結んだ東海道唯一の海路「七里の渡し」をテーマにした歴史本です。船頭が旅人を案内しながら、七里の渡しを渡った歴史上の24人を紹介する内容。やさしい話し言葉で紹介されており、読みやすい本です。徳川家光、松尾芭蕉、明治天皇などが取り上げられています。著者は、桑名で歴史案内人をしながら、街の歴史を研究している、街道好きの方です。本は、桑名市内の書店とメルカリで¥1,200で販売。 (★★★★)
  • 磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)

    磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)
    磯田さんの本は面白い。というのも、話のもとには古文書があるからだと思う。その古文書も磯田さん自身が、古書店などで発掘してきたものがほとんどで、それ故、内容もオリジナリティが高くなる。この本は、戦国時代から幕末あたりを中心にさまざまな古文書の内容をもとに、例えば忍者の悲惨な死に方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、赤穂浪士が吉良の首で行った奇妙な儀式などなど、興味深いエピソードを浮かび上がらせている。面白いので一気読みしてしまった。 (★★★★★)

  •  佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)

    佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)
    史跡や、寺社、町並み、城、美術工芸品等の見方がやさしく解説されている本です。「事典」となっていますが、いわゆる辞書とは違って、普通の本のスタイルです。索引が充実していますので、事典としても十分に使えます。最初の版をもっていますが、40年ぶりに改訂され、写真、図版も多く、歴史散歩の最強の味方です。 (★★★★★)

  • 日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)

    日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)
    今年1年、何の因果か(などと書くとお叱りを受けること必至ですが)、住んでいるマンションの管理組合の理事長を仰せつかっています。今年は、エレベーターリニューアル工事が最大のイベントで、それは無事に済んだのですが、前理事長から8年後に迫った第3回大規模修繕に向けて、修繕積立金が不足する見込みと申し送られました。確かにかなりの金額が不足しそうで、頭を悩ませていました。マンションに住みながら、そもそも基本的な知識が不足しており、管理会社のフロントマンの方の協力を得ながらシミュレーションなどをしていました。ネットであれこれ調べてはいたものの、それで得られる知識は体系的なものではありませんでした。この本は、事例を元にマンション管理について必要な知識が得られるように書かれており、まだすべて読み終えてはいないものの、とても役に立っています。任期残り2ヶ月半となって付け焼き刃ではあるものの、次の理事会に具体的に課題を申し送ることができるよう勉強中(笑)。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)

    宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」や「どうしても頑張れない人たち」の著者である宮口幸治さんの新刊です。前2著の内容をよりよく理解できるよう、「ドキュメント小説」として書かれたものです。主人公は、精神科医の六麦克彦。医局から派遣されて要鹿乃原少年院に勤務して5年。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちでした。この内容は、前の2冊のように普通の新書では書き尽くせるものではなく、物語の形を借りざるを得なかったのでしょう。ただし、普通の小説として読むのには少し苦労するかも知れません。特別支援教育が普及して、知的障害や、発達障害のある子どもへの教育や支援は、以前に比べれば改善されてはいますが、最近は、家族の養護能力が十分でなかったり、親など家族自身に支援が必要なケースもたくさんあります。こうした中には、この本で取り上げられたような結末に至ることがあっても不思議ではないという気がします。極端な事例が集められていると思われるかも知れませんが、社会全体として真剣に取り組むべき課題が突きつけられています。 (★★★★)

  • 本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)

    本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)
    本田秀夫先生によるこのSB新書の4冊目のシリーズ。今回は、発達障害のあるお子さんの学校選び、学級選び、友達関係、学習や学力の悩み、不登校など、発達障害のあるお子さんの学校生活全般にわたって、どのような考え方に基づいてサポートしたら良いかについてまとめられています。それぞれ、親と先生とが、どのように取り組むことが基本となるか、解説されています。対策よりも予防的な工夫をコミュニケーション(要求ではなく)に基づいて行う、「学校の標準」を緩める、登校や成績を気にしすぎず、社会に出るための土台作りを考える、発達の特性には寛容になる、学びを大切にするが学力にこだわりすぎない、親と先生とが気づきを伝え合い相談、調整する、子どものモチベーションを重視するなど、具体的に書かれていて、分かりやすくなっています。発達障害のあるお子さんが小中学校で充実した学習が進められるための基本的な考え方やヒントが詰まっていますので、親御さんにも、先生方にもお勧めできます。 (★★★★★)

  • 佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?

    佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?
    サンドウィッチマン&芦田愛菜ちゃんMCの「博士ちゃん」に「三国志博士ちゃん」、「日本の神様博士ちゃん」として2回出演した佐々木秀斗君の自由研究を本にしたもの。何故これをここに取り上げたかというと、私のブログに載せた立坂神社の緑色の鳥居について、写真を提供して欲しという依頼が出版社からあったのです。私が提供した写真は、本書の162ページに「提供:猫の欠伸研究室」として載っています。ざっと読みましたが、大人でも、古事記や神社についてよく知らない方が、最初に手に取って基本的なことがらを知るには、わかりやすくて良い本だと思います。 (★★★★★)

  • 森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)

    森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)
    ネットで見つけ、新刊かと思って購入したのですが、4年前の本でした(微苦笑)。 若い頃に森博嗣さんの小説をすべて読んでいました。いつの頃からか、小説は読まず、森さんのエッセイだけを読むようになっています。「読書の極意を教える」と帯にはあります。もちろんそれについて書かれているのですが、私にはある種の知的生産の技術について著者の方法を開示していると読めます。「何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある」というのは、よく首肯できます。また、「教養とは保留できる能力をいう」というのも確かにそうだと思います。自分の問題として抱続けられ、また、考え続けられるのは、容易ではありませんから。 (★★★★★)

  • 井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)

    井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)
    愛媛県新居浜市にあった別子銅山は、元禄3(1690)年、伝説の切上り長兵衛によって発見されてから、昭和48(1973)年の閉山まで、283年間にわたり、累計65万トンの銅を産出しました。これは、世界の銅の産出量の1/6にも達するといいます。巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献したのがこの別子銅山です。江戸時代には貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、そこに関わった人達を鮮やかに描いた、本当の意味での大河小説です。徳間時代小説文庫で読みました。  (★★★★)

  • 養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

    養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    養老孟司先生と池田清彦先生の対談であれば、外れはありません。サブタイトルのように、「はみ出し日本論」ではありません。ど真ん中の日本論といってもよい本で、楽しみながら読めます。しかし、それは、自分のアタマできちんと考えているからこそ論じられる内容だと思います。常識や、マスコミで報道されることがらだけをフォローしていては、こういう風に考えることはできません。きちんとした理論、知識、データに基づかなければなりません。さらには、物事を捉える大きな枠組み、私の世代にとっては「パラダイム」といえるものが必要。それも、確固たるパラダイムが必要です。私にとってそれはある種の理想なのですが、なかなか難しい。しかし、まぁ、年寄りになったからこそ見えるものや、年寄りなりの知恵も働くようになるということもありますから、養老・池田の「怖いものなし」コンビを1つの目安として、言うべきこともいえるようになりたいものです。 (★★★★★)

  • 土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)

    土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)
    先に同じく土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を挙げましたが、入手したのはこちらが先。「一汁一菜でよい」というスタイルに至るまでの土井さんの修行、出会い、発見、迷いなどなどが書かれています。「家庭料理に失敗なんて、ない」、「すべては人を幸せにする料理に繋がる」というのが基本。具だくさんの味噌汁はおかずの1つになる。余裕があれば、食べたいものや、食べさせたいものをその都度調べてつくればよい。一汁一菜を入り口にして、一つ一つおかずをつくってみて、10種類ほどでもできるようになれば、それで幸せに一生やっていける。といった話があり、へぇーと感心させられました。これだけで健康に健やかに自足できるとも述べられています。一汁一菜なら、私にもできる、でしょうか?? (★★★★★)

  • 土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)

    土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)
    著者の土井善晴先生は、私と同世代。そして、私の世代にとってはあの土井勝さんの息子というイメージが強くあります。テレビなどにもよく出ておられ、なかなか面白い視点でものを見る人だなと思っていました。この本は,出版された当時(2016年秋)から知っていたのですが、手に取ったのはごく最近。文庫本を探していたのですがなかなか遭遇しなかったのです。「一汁一菜でよい」というのは、ご飯と具だくさんの味噌汁があればよいということです。家庭料理についての提案なのですが、実は、この本はもっと奥深いことを述べています。一言で言えば、日本文化や日本人の哲学について述べる中で、食や生活、生き方などについても論じられています。解説を書いておられる養老孟司先生は、それを「自足の思想」と表現していらっしゃいます。優しい、わかりやすい本ですが、実は奥が深い。著者の端正さもよく表れています (★★★★★)

  • 奥山 景布子: 流転の中将

    奥山 景布子: 流転の中将
    幕末の桑名藩主・松平定敬を描いた歴史小説。定敬は、実の兄で会津藩主である容保とともに徳川家のために尽くそうとしたものの、最後の将軍・徳川慶喜に振り回され、裏切られてしまいます。定敬は、それでも抗おうとしたのですが、国元の家臣たちはいち早く恭順を決め、藩主の座も追われてしまいます。朝敵といわれ、越後、箱館から上海まで流浪した定敬の波乱に満ちた人生と、秘めたる思いが生き生きと書かれています。定敬については、歴史講座で学んだり、本で読んだりしてきましたが、小説家の手にかかるとこのように立体的に、活き活きと動き出すものなのだと実感します。 (★★★★★)

  • サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)

    サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)
    たまには専門のアカデミックな本も取り上げます(微笑)。本屋でみつけ、購入。この本は、同じ著者が東大出版会から昨年刊行した「臨床心理学史」で果たせなかったことを果たそうと構想されたもの。果たせなかったのは、日本の臨床心理学史に触れることと、コンパクトな歴史記述だそうです。東大出版会の本は、読んでみたい気もしますが、¥7,000もしますし、内容もハードそうです。こうして臨床心理学の歴史を俯瞰してみますと、やはり実験心理学を抜きにしては臨床心理学も語れないといえます。私個人の考えでも、臨床心理学を学び、実践するには、実験心理学を学び、実験・調査などの方法で研究をした経験が必須です。臨床心理士、公認心理師の資格に関わり、心理学を志す人は多く、また、大学でも臨床心理学部や臨床心理学科もあります。しかし、私は、自分自身の経験からもやはり、実験心理学などの基礎心理学を抜きにして、臨床心理学は成り立たないと考えますし、学生も実験心理学を含めた基礎心理学を、少なくとも学部段階ではきちんと修得した方がよいと思います。本書を読んで、その考えはいっそう強くなりました。 (★★★★★)

  • 昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ

    昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ
    本屋に別の本を買いに行って見つけ、即買い(微苦笑)。私の好むタイプの本です。三重県の地形や地質、歴史、文化、産業などを、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント本。地図も歴史も文化も好きなのです。地図で読み解く三重の大地、三重を駆ける充実の交通網、三重の歴史を深読み!の3部構成。2017年11月にたまたまみつけたJRさわやかウォーキング「~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き」に行って以来、JRさわやか、近鉄ハイキング、勝手にハイキングで県内や近郊のあちこちに電車で行って電車で帰るハイキング/ウォーキングをしています。それによって訪ねたあちこちのことが改めてまとめられていて、とても楽しめます。各県のバージョンが出ているようです (★★★★★)

  • 磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)

    磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)
    歴史家・磯田道史さんが、鎌倉女学院高校で行った特別授業の記録と、ビリギャルの小林さやかさんなどとの対談を収めてあります。基本的には、「歴史の見方」についての本なのですが、それに留まりません。ものの見方、考え方を説いた内容です。むしろ、ものの見方、考え方を学びたい方にお勧めしたいと思うくらいです。ちなみに、タイトルは、「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世の中を歩くためのむしろ実用品である」という意味です。これは、歴史の見方について、あまりよく理解されていないポイントと思います。講義録ですから、読みやすく、しかも大変おもしろい本です。 (★★★★★)

  • 久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)

    久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)
    この著者の前著「三河吉田藩・お国入り道中記」で読んだ、三河吉田藩(豊橋)の参勤交代の話も大変おもしろく読めましたし、江戸時代の藩邸の様子、殿様や家臣の仕事、暮らしなどに興味があったので、読んでみました。三河吉田藩に残る「江戸日記」などの古文書から、江戸の大名屋敷がどのようなところであったか、江戸で働く武士の状況、江戸の藩邸で起きた事件のいろいろ、藩邸の奥向きの様子、さらには、明治維新後の藩邸から子爵邸への変化について、リアルな武士の暮らしのもろもろがまとまっていて、とても興味深く読めました。三河吉田藩は、現在の愛知県豊橋市にあり、松平伊豆守家が長く藩主を務めています。松平伊豆守家は、「知恵伊豆」の異名を持つ松平伊豆守信綱を初代とし、忍藩、川越藩、古河藩、吉田藩、浜松藩と国替えを繰り返した後、寛延2(1749)年から明治維新まで三河吉田を治めています。 (★★★★)

  • 安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)

    安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)
    サブタイトルに「大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ」とあり、さらに、オビには「300年前は えっ!? 今よりもっと愉快な旅行天国」ともあります。ただし、旅行を心から楽しめたのは、庶民に限られていたようです。参詣者を増やしたい各地の寺社、温泉、宿泊業者が積極的に営業したからです。一方、武士や大名は、トラブルメーカーだったといいます。公用で旅行したり、参勤交代したりなのですが、宿泊料のダンピング、備品の破壊などなどトラブルをまき散らしながらの旅であったり、権威を笠に着たりで、あまり歓迎されなかったようです。江戸時代の旅のエピソード満載で、楽しめる本です。 (★★★★)

  • 藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック

    藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック
    この本は、WISC-ⅣやKABC-Ⅱなどの知能検査の結果(アセスメント情報)を「子どもの自立と社会参加」により役立つものにしていくには、どのように伝えたらよいか(フィードバック)についてまとめられています。過去には、保護者、学校の担任、子どもたち自身に知能検査の結果を伝えることはされていませんでした。しかし、現在では、苦戦している子どもたちが、自分のことを理解し、自分なりにも工夫して、学習や生活スキルを向上させ、将来の自立と社会参加につなげるために、知能検査の結果(アセスメント情報)を子どもたち自身にも伝えるようになってきています。私も、相談では、お子さんに直接、フィードバックを行い、子どもたち自身が自己理解を深め、意欲的、積極的に取り組めるようにしています。この本は、子どもと支援をつなぐ、支援者をつなぐという視点から、心理検査のフィードバックについて基礎から応用、事例を含んでその全体像を把握できる、優れたものとなっています。 (★★★★★)

  • 新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)

    新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)
    藤沢周平の作品案内、小説に見られる名言集、映像化された作品の出演者や、関係者による評伝などによって藤沢周平の作品についてすべてとはいいませんが、かなりが分かります。私は、藤沢周平の小説が好きで、たぶんほとんど読んだと思います。ただそれは、15~6年以上前のことで、リストアップもしていませんから、すべて読んだかどうかについては、不確か。こういう本を読むと、もう一度読もうかという気になります。この本では、娘の遠藤展子さんの「父にとっての家族」がもっとも興味深く読めました。また、藤沢周平の言葉で私が気に入っているのは、「普通が一番」です。ほかにも、「挨拶は基本」「いつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れない」「謝るときは素直に非を認めて潔く謝る」「派手なことは嫌い、目立つことはしない」「自慢はしない」という言葉が、遠藤さんが父から言われて心に深く残っていることばだそうです。 (★★★★)

  • 千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)

    千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)
    新型コロナのまん延にともなって、政治的な判断や、もろもろの政策は、迷走したといってもよいと思います。突然の全国一斉休校要請、いわゆるアベノマスクの配布や、閣議決定をやり直した一律給付金など、なぜああいうドタバタになるのか、国民の信頼が得られなかったというか、失ったというのか、ずっと疑問を抱いていました。著者は、元厚生官僚で、社会保障・労働分野で仕事をし、現在はコンサルティング会社を経営。この本では、最近のコロナ禍での出来事の背景を記述する中から、官僚主導から官邸主導への変化に、政治の仕組みの変化がついて行けていないからだとしています。これに関して、政治家、官僚ともに仕事のやり方を変えることが必要であるとともに、国民の側にも良い政策をつくるためには望まれることがあるといいます。 (★★★★)

  • 嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい

    嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい
    「観察するのが面白くなる! ガンカモ類のひみつ」というキャッチコピーです。私がほぼ毎日散歩に行く九華公園の堀には、秋が深まるとカモたちがやってきます。キンクロハジロが最も多く、次いでハシビロガモ。他にはヒドリガモやホシハジロも数少ないものの来ています。カルガモ、カイツブリ、オオバンなども来ることがあります。これらカモやその仲間、近縁種についてもっとよく知り、観察のポイントを増やしたいと思って、この本を読んだ次第。著者は、宮城県の伊豆沼・内沼をフィールドとする専門の研究者。形態的な特徴と行動との関連性、渡り、繁殖地での暮らし、越冬地での生活など、ガン・カモ類について、ちょっと専門的な部分も多いものの、一通りの知識を得られ、また、行動観察などの方法についても知ることができました。 (★★★★)

  • 田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)

    田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)
    「江戸学の第一人者による「遊郭入門」の決定版!」と帯に書かれていて、ついつい手に取ってしまいました。遊郭にはとても興味があります。などと書くと「好色な人物か」と思われるかも知れません(苦笑)。遊郭や遊女は、今日の人権やジェンダーの観点からすると、許されない存在です。これは間違いのないことですが、一方で、たとえば、江戸時代の吉原遊郭の花魁と呼ばれたようなハイクラスの遊女は、高い教養を持ち、芸事や生け花、茶道にも通じていました。ある意味で日本文化の守り手でもあったという面も持っているのです。こうした観点から著者は、「遊郭は二度とこの世に出現すべきではなく、造ることができない場所であり制度である」と述べています。ちなみに、「好色」ということばの意味は、平安時代以来、和歌や琴、舞などの風流、風雅を好む人を「色好み」と呼んでいたことによります。「色」には恋愛や性愛という意味もありますが、もともとは恋愛と文化的美意識が組み合わさったものだそうです。 (★★★★)

  • 養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ

    養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ
    養老先生が、コロナ禍の2年間でお考えになったことの集大成です。新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた頃、NHKのBSの番組「まいにち 養老先生、ときどき まる」だったかで、「老人は、もともと不要不急の存在だ」とおっしゃった気がしますが、この本は「人生は不要不急か」という章から始まっています。これがたぶんコロナ禍や、養老先生ご自身のご病気(心筋梗塞)を経験し、お考えになった結論の1つ。さらに、不要不急の人生ではあるものの、それでも生きる価値はどこにあるか様々な視点から考察されています。「人生とはそんなもの」と思いつつ、自分に居心地の良い場所をつくりながら、万事テキトーに終わるのが良さそうです。 (★★★★★)