20230604美濃街道ウォーキング「養老~美濃高田」(その2)…養老街道との追分から西福寺、八幡神社、専念寺、乾崇寺で芭蕉句碑を見て、田代神社ほかを周り、美濃高田駅にゴール(完)
6月4日に行ってきた美濃街道ウォーキング「養老~美濃高田」の本編その2です。その1では、養老駅をスタートし、養老町石畑にある浄誓寺まで来ました。その2では、美濃街道と養老街道の追分から養老街道に入り、西福寺、八幡神社、専念寺、乾崇寺、田代神社、神明神社を経てミズノテクニクスを眺め、皇大神社へ。自由軒で昼食を摂ろうと思ったものの、満員で断念。そのままゴールの美濃高田駅まで行き、桑名行きの電車に乗ります。
その1の最後に訪ねた浄誓寺から先、石畑というところを進むと、美濃街道と養老街道の追分に行き当たります。左の写真で向かって左の道が美濃街道。関ヶ原に続きます。最初は、美濃街道をそのまま歩くことも考えたのですが、この先、鉄道がありません。美濃街道と中山道との追分はJR関ヶ原駅のすぐ南。そこまではここから直線距離で10㎞弱。ちょっとハードですので、ここから養老街道に入り、大垣に向かうことにしたのです。養老街道は右手へ。
養老街道に進む前に、この追分のところにある大桑神社へ。創建は不明ですが、『養老郡志』によると最古の棟札には寛文7(1667)年と記されているそうです。祭神は古来は大已貴神(おおなむちのかみ=大国主命)であったとされています。また、この神社は狼明神(おおかみみょうじん)とも呼ばれたと伝えられています。1年の作物の取高を占う粥占いの祭礼行事が残っています。
拝殿に向かって右手前には養老町指定天然記念物のケヤキの木があります。盤根(ばんこん)が隆起して見事な景観を呈しています。目通りの幹の周囲4.9m、根廻り9.8m、幹の高さ17m。幹は地上約9mのところで2つに分れ、その1つは直立していますが、分れ目より8mくらいでとまっています。もう1つは少し東南に傾いて更に二分しています。これほど見事な盤根も、木もなかなか見られません。
養老街道に入って養老小学校の方に向かいますが、途中、北西方向に伊吹山が見えます。さすがにここまで来れば伊吹山もよく見えます。直線距離で20㎞弱くらいです。
余談。大桑神社から養老小学校の方へ行くのに、県道56号線、通称「薩摩カイコウズ街道」を渡りますが、南の方、養老警察の手前に養老ミートが見えます。養老うまいもん広場BBQなどもあって、飛騨牛の焼肉も食べられるのです。ちょっと気になるのですが、昼間から焼肉にビールというわけにもいかず、先に進みます。
養老小学校を過ぎ、4.5㎞ほどのところに常夜灯。火袋のところに内宮の御札が飾られていますし、竹に挟んだ、内宮の御札が2つ、常夜灯に捧げられています。この地方の風習なのかとも思ったのですが、今のところわかりません。
その先で法性山西福寺。真宗大谷派のお寺なのですが、詳細はわかりません。
美濃街道に戻って、八幡神社。ご祭神は応神天皇です。正確な創立年代は不詳ですが、口伝によると貞治年中(1362〜1367年)頃の創建といわれています。
境内には、養老町指定天然記念物の「ナギの木」があります。ナギは、この地方では珍しい木だそうで、この地方では北限のものとされます。葉をお守り袋や、鏡の裏に入れ災難除けにしたりします。目通りの幹の周り1.85m、樹高15m。
もう1つの文化財として、高札場跡があります。境内の金刀比羅宮社殿の横、神社の高塀に囲まれた所にあります。完全に残っている高札場の一つと考えられています。屋根もしっかりしていて、江戸時代末期に作られたものと伝わっています。幅272㎝、奥行90㎝、高さ140㎝で石垣の高さは100㎝あり、道路からは見上げるほどの位置にあります。
事前に調べたところでは、養老町押越から高田あたりでは、美濃街道は不必要ではないかと思えるくらいクランクのルートをたどっていました。見るべきところもないかということで、現地で相談して少しコースを修正しています。この常夜灯は、ルートマップで5㎞地点にあったもの。右は、次の目的地である専念寺に入る前、県道215号沿いにあった秋葉神社。文政12(1829)年に勧請し、安政6(1859)年に天満神を合祀しています。昭和12(1937)年、本殿を始め造営工事が竣工し、ここに移転したといいます。
県道215号は、高田のメインストリートのようです。左の写真は美濃高田駅の方向、右は反対の西の方角。大きなガラス店や、古市ラジオ店があります。このラジオ店、現役のPanasonicの販売店のようです。
さて、こちらは、真宗大谷派の専念寺。創建は不詳ですが、高田で最大の寺院だったといいます。しかし、文化11(1814)年に失火により焼失。明治初年に現在の本堂が再建されています。
続いて、キョリ測のマップには「即心寺」とあります。かつては慶安4(1651)年創建の妙智山即心禅寺がありましたが、平成22(2010)年に上石津の乾崇寺と合併し、現在は、即心山乾崇(けんそう)寺になっています。臨済宗妙心寺派。
境内に「蓑虫の音を聞きに来よ草庵(くさのいお)」という句碑があります。貞亨4(1681)年秋、深川芭蕉庵での作だそうです。芭蕉は、この句をもって秋の虫の音を聴く会を開くべく俳友に芭蕉庵へ来るようにさそったといいますが、なぜここにこの句碑があるのでしょう? ちなみに、上野市西日南町に芭蕉の弟子服部土芳の別邸で「蓑虫庵」があります。芭蕉五庵のうち、現存する唯一のものだそうですが、土芳が新庵に移って8日目に芭蕉が初めて当庵を訪れ、その後、この句を与え、初五の文字を新庵の名としたそうです。
田代神社。創建年月は不詳ですが、加茂、春日、熊野、諏訪、八幡、白鬚、御鍬の7社を奉斎しており、1,000年以上の歴史があるといいます。 慶長6(1601)年に、本町字古宮から現在地に水害を避けて遷座しています。それに続い、て住民も全体的に水の付かないところに移動してきたそうです。境内摂社に神明神社、稲荷神社、また、境内社に金刀比羅神社が祀られています。
ミズノテクニクスの南に神明神社。この場所にはかつて神明神社のみが祀られていたのですが、昭和18(1943)年、美津濃株式会社養老工場(現ミズノ テクニクス株式会社)が建設されるのにともない、牧田川河川敷に祀られていた大神宮(金刀比羅神社)と秋葉神社が合祀されています。大神宮と秋葉神社の正確な元位置は不明。大神宮の西面には香川県琴平町の象頭山中腹に鎮座する金刀比羅宮にちなんで象頭山と刻んであるそうです。養老街道の高田町への入口であったため、通行の安全を願ったのではないかと言われています。境内は旧牧田川の河川敷にあり、その辺りに直江の渡しがありました。直江の渡しは、次回訪ねる予定。
ミズノテクニクス養老工場。ミズノ製品の製造を中心にさまざまな製品の製造に携わっていますが、バットの製造がとくに知られています(こちら)。一緒に行った同級生K氏は、ここにゴルフのスイングの診断に来たことがあるそうです。
最後の立ち寄り先は、皇大神社。明治6(1873)年創立。島田中組で、最初、皇太神宮大麻を奉祀していたのを、県の指令によって、明治15(1882)年、分霊を迎えています。このとき、寄附を受けたり、島田中組が協力したりして設備を整え、昭和4(1929)年に石造神門2基、石橋、外玉垣を竣工しています。
これで今日の立ち寄り先は、コンプリート。昼食は、ミズノテクニクスに来た有名野球選手たちも食事に立ち寄ったという自由軒に行ったのですが、ちょうど昼時で大賑わい。「電話番号を書いて、車でお待ちください」といわれたものの、われわれは青空のもと立ちん坊で待機しなくてはなりません。それ故、ここでの食事は断念。美濃高田駅に向かうことにしました。
途中、高田駅前の交差点のガソリンスタンドの隣に神社。きれいに手入れされていますから、きちんとお世話する方がいらっしゃるようです。しかし、神社庁のリストにもなく、不明。残念。美濃高田駅に向かいますが、駅前通りにはこれという店もありません。
養老鉄道美濃高田駅に到着するのとほぼ同時に、12時6分発の桑名行きが出てしまい、次は12時46分発。昼ご飯は、桑名に戻ってからとし、やむなく待合室で菓子を食べ、お茶を飲み、話をしながら時間つぶし(苦笑)。朝、桑名駅で教えてもらったとおり、美濃高田から養老までの切符を購入、¥210。これで養老からは、往復切符で乗車。
桑名に戻ってようやく昼食にありつけるのですが、以前何度か行ったエンシュウヤに行ったら、この日だけ臨時休業(苦笑)。危うく昼食難民になりそうでしたが、すぐ近くのとんかつ銀座へ。ちょっと遅めの時間からとんかつはマズいかとは思ったのですが、ほかに選択肢はなし。味噌カツランチ、¥1,100なり。夕食を相当控えましたので、体重増はありませんでした。
この日、帰宅した時点でのGoogle Fitのデータ。トータルで9.3㎞。現地では7㎞を歩いています。歩数は、18,264歩でした。
« 常信寺でクチナシ | トップページ | 江戸橋での授業も、半分を超えました »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その2……北原白秋歌碑、豆馬亭、元正天皇行幸遺跡、養老寺、養老説教場から横綱鬼面山谷五郎碑を見て養老駅に戻って「完」(2023.09.18)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その1……養老駅をスタートし、聖武天皇巡幸記念碑、せせらぎ街道から妙見堂を経て養老の滝から養老神社へ(2023.09.17)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)(予告編)(2023.09.15)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その3)……浄泉坊、朝日小学校の円形校舎、朝日町資料館から語らいの広場で抽選会を経て伊勢朝日駅にゴールにて「完」(2023.09.13)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その2)……井後神社、若松園、稲垣酒造場、朝日町歴史博物館へ(2023.09.12)
「散歩」カテゴリの記事
- 木曽川でマガモとヒドリガモ(2023.10.01)
- シロバナヒガンバナ(2023.09.30)
- 今日も平穏というか、鳥はおらず(2023.09.29)
- 今日は(も?)、野鳥の少ない日……桑名では史上もっとも遅い猛暑日(2023.09.28)
- 今日はメジロとカワラヒワくらい(2023.09.26)
「神社」カテゴリの記事
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その1……養老駅をスタートし、聖武天皇巡幸記念碑、せせらぎ街道から妙見堂を経て養老の滝から養老神社へ(2023.09.17)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)(予告編)(2023.09.15)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その3)……浄泉坊、朝日小学校の円形校舎、朝日町資料館から語らいの広場で抽選会を経て伊勢朝日駅にゴールにて「完」(2023.09.13)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その2)……井後神社、若松園、稲垣酒造場、朝日町歴史博物館へ(2023.09.12)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その1)……大矢知駅から八風街道の常夜灯、朝明川堤防を経て移田神社へ(2023.09.11)
「寺院」カテゴリの記事
- 相も変わらず(苦笑)(2023.09.22)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その2……北原白秋歌碑、豆馬亭、元正天皇行幸遺跡、養老寺、養老説教場から横綱鬼面山谷五郎碑を見て養老駅に戻って「完」(2023.09.18)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その1……養老駅をスタートし、聖武天皇巡幸記念碑、せせらぎ街道から妙見堂を経て養老の滝から養老神社へ(2023.09.17)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)(予告編)(2023.09.15)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その3)……浄泉坊、朝日小学校の円形校舎、朝日町資料館から語らいの広場で抽選会を経て伊勢朝日駅にゴールにて「完」(2023.09.13)
「歴史散歩」カテゴリの記事
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その2……北原白秋歌碑、豆馬亭、元正天皇行幸遺跡、養老寺、養老説教場から横綱鬼面山谷五郎碑を見て養老駅に戻って「完」(2023.09.18)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その1……養老駅をスタートし、聖武天皇巡幸記念碑、せせらぎ街道から妙見堂を経て養老の滝から養老神社へ(2023.09.17)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)(予告編)(2023.09.15)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その3)……浄泉坊、朝日小学校の円形校舎、朝日町資料館から語らいの広場で抽選会を経て伊勢朝日駅にゴールにて「完」(2023.09.13)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その2)……井後神社、若松園、稲垣酒造場、朝日町歴史博物館へ(2023.09.12)
「名所旧跡」カテゴリの記事
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その2……北原白秋歌碑、豆馬亭、元正天皇行幸遺跡、養老寺、養老説教場から横綱鬼面山谷五郎碑を見て養老駅に戻って「完」(2023.09.18)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その1……養老駅をスタートし、聖武天皇巡幸記念碑、せせらぎ街道から妙見堂を経て養老の滝から養老神社へ(2023.09.17)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)(予告編)(2023.09.15)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その3)……浄泉坊、朝日小学校の円形校舎、朝日町資料館から語らいの広場で抽選会を経て伊勢朝日駅にゴールにて「完」(2023.09.13)
- 20230909近鉄ハイキング『三重県で一番小さな町「朝日町」を歩く』(その2)……井後神社、若松園、稲垣酒造場、朝日町歴史博物館へ(2023.09.12)
「勝手にハイキング」カテゴリの記事
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その2……北原白秋歌碑、豆馬亭、元正天皇行幸遺跡、養老寺、養老説教場から横綱鬼面山谷五郎碑を見て養老駅に戻って「完」(2023.09.18)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)その1……養老駅をスタートし、聖武天皇巡幸記念碑、せせらぎ街道から妙見堂を経て養老の滝から養老神社へ(2023.09.17)
- 20230915「養老の滝ウォーキング」(美濃街道ウォーキングオプショナルツアー#1)(予告編)(2023.09.15)
- 20230829赤尾・在良ウォーキング(その2)……坂井橋を渡り、北勢線坂井橋駅跡、貞昭院、額田廃寺跡から額田神社にて「完」(2023.08.31)
- 20230829赤尾・在良ウォーキング(その1)……羽田バス停から照順寺、鞆尾神社、中河御厨神社、圓授寺へ(2023.08.30)
コメント