20230604美濃街道ウォーキング「養老~美濃高田」(その1)……養老駅をスタート、養老神明神社、金妙寺跡、千人塚1号古墳、大菩提寺、浄誓寺へ
月替わりの頃、台風2号が来襲しましたが、週末は好天に恵まれました。6月4日、美濃街道ウォーキングの続きに行ってきました。前回、養老鉄道の美濃津屋駅から養老駅まで歩きましたので(2023年5月22日:20230522美濃街道ウォーキング「美濃津屋~養老」(予告編))、この日は養老駅から1駅、美濃高田駅まで。当初つくったコースマップでは4.8㎞となっていたのですが、あちこち立ち寄ったためと、桑名では29℃以上になり、けっこう暑かったので、疲れました。年を取って、体力も低下してきたのかも知れません。今回も同級生K氏と二人旅。
桑名駅を8時9分に出る養老鉄道大垣行きに乗車。養老駅には9時1分着。桑名駅では普通に養老駅までの切符を買ったのですが(¥580)、改札で係の方から「今なら、『養老公園県営100周年記念 往復割引切符』を買うと、養老まで1,000円で往復できる。帰りは美濃高田から養老まで1駅分¥210の切符を買うと、合計¥1,210となって、桑名~養老¥580+美濃高田~桑名¥700=¥1,280より¥70安くなる」と教えてもらい、それにしたがって左の写真の往復割引切符を購入。右は養老駅の改札口あたりの様子。名物のひょうたんがたくさん吊り下げられています。
こちらが今日歩いてきたルート全体のマップ。ほぼ養老鉄道の路線に沿って歩いています。途中、石畑の大桑神社あたりまでは美濃街道をたどっていきましたが、この神社のところから美濃街道は関ヶ原に向かいます。この先、関ヶ原まで鉄道はありませんので、ここから養老街道に入って大垣を目指します。それ故、今日のウォーキングは、正確には「美濃街道・養老街道ウォーキング」になります。養老街道は、大垣の美濃路追分から養老に至る脇街道ということです。
詳しいルートマップその1です。養老駅すぐのところに立川勇次郎君之碑。さらに養老神明神社、マップには金妙寺があるとなっていますが、廃寺になったようです。養老公園東の交差点の西で、美濃街道からはいったん離れ、千人塚1号古墳、久保寺寶円、大悲閣(現在は、養老山大菩提寺に改称)へ寄り道。このあたりは、2018年の近鉄ハイキングでインチキをして(苦笑)、歩いたところ(2018年11月10日:20181110近鉄ハイキング「親孝行のふるさと『養老フェスタ』」へ……予告編)。このときは、養老公園内でコースミスをしでかし、2㎞ほど余分に歩いてから養老の滝へのぼりましたので、疲れてしまい、本来のゴールである美濃高田駅には向かわず、スタートの養老駅に戻って、勝手にゴールしたのです。それはさておき、美濃街道に戻って、養老古道いせ道の看板や、境松(傘松)跡、常夜灯から浄誓寺へ向かいます。
養老駅を9時5分にスタート。駅前には「孝子源丞内の像」があります。老父を敬い大切にしていた源丞内は、毎日山に登り薪をとって売りながら老父を養っていましたが、貧しいがゆえに老父が好む酒を十分に買うことができませんでした。そんな源丞内が山奥で酒の湧き出ている泉を見つたという話が伝わっています(こちら)。源丞内の腰にはひょうたんが下げられています。このひょうたんに酒を入れて持ち帰ったというので、ひょうたんは養老名物になっています。
養老駅のすぐそばに「立川勇次郎君之碑」。立川勇次郎(文久2(1862)~大正14(1925)年)は、岐阜県大垣市に生まれ、24歳のときに東京で代言人(弁護士)になりましたが、わずか3年で時代の流れを読み、実業家に転身。京浜急行電鉄の前進となる大師鉄道(現在の京急大師線)の専務取締役に就任した後、故郷の西濃地域を開発するため、養老鉄道株式会社(現在の養老鉄道とは、別の会社)を設立し、西濃地方の発展に貢献した人物です。地元の皆さんは、この鉄道の誕生を相当喜んだように思われます。というのも、この碑はかなり大きなものなのです。
県道56号線に向かう途中、民家の間の細い道を上っていったところに養老神明神社があります。大正9(1920)年に養老神風講社(しんぷうこうしゃ)が伊勢神宮などの神符を受け、民家の屋根に奉斎したことに始まり、昭和29(1954)年にここに遷ったそうです。ちなみに、神風講社は、明治になって始まった神道の普及活動に関わるもので、伊勢にある祖霊社が大きな関わりを持っていたようです(こちら)。
神明神社の先に、ルートマップを描くのに用いている「キョリ測」によれば、上多度橋の手前に金妙寺があるとなっているのですが、実際には、この写真のように更地になっている上に「売物件」の看板がありました。金妙寺は、金峰山修験本宗の寺だったということですが、廃寺になったようです。
養老公園東の交差点を渡ったところに安田ひょうたん店が、さらにもう少し行ったところにひょうたん会館があります。養老駅前に「孝子源丞内の像」がありますが、この孝子源丞内の逸話から、ひょうたんは養老の名物になっているのです。工芸品もいろいろあるのですが、何も買ってはいません。
ひょうたん会館の先で美濃街道をいったん外れます。ここは千人塚1号古墳。5世紀末~6世紀初頭につくられた全長35mの円墳。このあたりに日本武尊が滞在したという伝承があります。養老の滝に2㎞ともっとも近い古墳で、埋葬されたのはかなりの有力者だと推定できるといいいます。古墳は、今年度中に史跡に指定する予定だという掲示がありました。このあたりずっと登り坂で、けっこう大変でした。
その先に久保寺實円(くぼじじつえん?)というお寺らしきところがあります。神社・寺院検索サイト八百万の神には天台宗とされています。建物や境内はきれいに整備されているのですが、人がいる雰囲気は感じられませんし、高級乗用車も何台も止まっているものの、ナンバープレートがなかったり、タイヤがパンクしていたりしています。ということでよく分からないところでした。
その西に養老山大菩提寺。(ルートマップに使ったキョリ測では、「大悲閣」となっています)。昭和3(1928)年の創建で、臨済宗。大悲閣は当初の名前で、昭和28(1953)年に大菩提寺に改めたといいます。5年前の11月に訪ねたときは、ちょうど紅葉の時期で大変良い雰囲気でした(2018年11月10日:20181110近鉄ハイキング「親孝行のふるさと『養老フェスタ』」へ……予告編)。西美濃三十三霊場の第24番札所になっています。
伊吹山で負傷した日本武尊がこのあたりへ来たとき足が痛み始めたといい、境内に史跡の石碑「日本武尊史跡 当芸野(たぎの)」があります。いささか余談めきますが、日本武尊は、古事記によれば、当芸から、杖衝坂、尾津、三重村(岐阜南部から三重北部)と進んで行き、能煩野(三重県亀山市)に到って亡くなるのですが、具体的にはどのルートをたどったのでしょう。歩いたのか、それとも船を利用したのか、いろいろと疑問が湧いてきます。
寄り道をしましたので、ひょうたん会館近くまで戻って、美濃街道を進みます。写真で2本の道路が並行していますが、この正面の道が美濃街道です。スタートから2㎞を過ぎ、細い川にかかる橋を渡ったところに「養老古道いせ道」の看板があります。ネットで調べたときには、ここの1本東の道を美濃街道とするサイトがあったのですが、この日歩いた方が美濃街道で間違いなさそうです。
2㎞半の手前で「境松(傘松)跡」の石碑。ここは、柏尾と白石と鷲巣(松栄町)の3村の境界で、それを確定していた松の跡地を示すものとして、平成17(2005)年9月に建てられました。ルートマップをよくご覧いただくと村の境であったことが窺われます。
その先の交差点の南西の角に道標がありました。ただし、これは平成27年に養老町教育委員会が建てたもの。北から来てここを右折すると養老の瀧方面に行け(たき道)、直進すると美濃街道(いせ道)なのです。ちなみに美濃街道は、美濃国(岐阜)では、「伊勢街道」「桑名街道」などと呼ばれていたようです。
ここを右折して下っていきます。下る途中、西側に小学校の跡地かと思われる避難場所があります。下りきったとことに常夜灯が1基。常夜灯の手前に小さな地蔵堂があるはずなのですが、見れど探せど見つかりません。Googleマップのストリートビューでも確認していたのですが、撤去されてしまったのかも知れません。
3㎞の手前で椿井(つばい)山浄誓寺。養老町石畑にあります。創建年代は不詳です。現在は真宗大谷派ですが、往古は天台宗で誓願寺と号しましたが、明応4(1495)年、浄円という僧が本願寺8世蓮如に帰依して真宗に改め、浄誓寺となりました。本堂は安政元(1854)年のもの。養老町指定天然記念物の「イヌマキ」が浄誓寺の正門を入ってすぐ右手にあります(左の写真に写っています)。根元の周囲3.0m、目通の幹2.05m、樹の高さ2.5m、樹齢は800年を超えるとか。また、同じく天然記念物の「侘助椿」が本堂の南側にあるというのですが、見つけられませんでした。リンク先をご覧ください。
境内には、「瑞泉寺桜」という説明が付いた桜の木もあります。ネットで調べると、瑞泉寺冬桜という冬に咲く桜があるというのですが、それかどうかは定かではありません。ほかにはアジサイもたくさん咲いていました。
さらに裏参道のところに「奈良時代 行基菩薩 本願寺第八代蓮如上人 有縁の寺」「長島一向一揆守縁の石地蔵 南北朝から室町時代の石佛と石塔群」と書かれた標柱が立っており、その傍らに石仏、石塔が並んでいました。こちらの説明によれば、浄誓寺やその周辺で見つかった多くの石仏や石塔が地蔵堂に納められているとあります。何か、説明があるとありがたかったところです。
その1はここまで。その2は、美濃街道と養老街道の追分から美濃高田の町へと進みます。
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