お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2026年9月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2021年1月以降の記事を残し、2020年12月以前の記事は削除しました。2021年1月1日以降の記事は、両方にあります。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

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2023年5月 5日 (金)

20230505JRさわやかウォーキング「参宮線130周年記念 大和と伊勢神宮を結ぶ最古の道・伊勢本街道を歩いて」(予告編)

230505jrwalkingtakic  薄曇りで、桑名では最高気温24.3℃でした。予定通りにJRさわやかウォーキング「参宮線130周年記念 大和と伊勢神宮を結ぶ最古の道・伊勢本街道を歩いて」に行ってきました。JR紀勢線多気駅から参宮線田丸駅まで、コースマップ上約9.6㎞。私には、伊勢本街道を歩けるということと、田丸城跡を訪ねられるというのが魅力。田丸城跡には以前から一度は訪ねてみたいと思っていたのです。今日のところは、いつものように予告編。

Img_3624c_20230505173901 Img_3612c_20230505173901  JRさわやかウォーキングですが、今日もまた松阪までは近鉄を利用。7時32分発松阪行き急行に乗車。ところがこの電車、伊勢中川駅で9分間も停車し、発車するのは8時38分。その間、大阪線から五十鈴川行き急行が来て、これが8時30分発というので乗り換え。松阪駅には8時37分着。いったん改札を出てJRの切符を購入。9時1分発の快速みえ51号に乗車。多気駅には9時8分に到着。ちなみに多気まで来たのは2回目(2019年11月10日:20191110JRさわやかウォーキング「晩秋の田園風景と伊勢本街道を訪ね、『おいないまつり』で多気の文化と食を楽しもう!」へ(予告編))。

230505jrwalking0  9時15分頃にスタートします。これが今日実際に歩いたルートマップ。現地では、11㎞以上を歩いてきました。立ち寄り先は、しあわせの宮、七度狐の森、伏拝坂の切り通しと石燈籠、正念僧・即身仏供養碑塚、上田辺羽根遙拝場、玉城まちかど博物館伊勢美夜之窯、田丸神社、田丸城跡。田丸城跡がゴール。さらにJR参宮線田丸駅まで約10分を歩いたという次第。

Img_3673c_20230505173901  スタートして1㎞ほどのところにJR紀勢線の第四東池上踏切のところで撮り鉄の方が数人、待機しておられました。これはひょっとして特急南紀が来るなと思ったら、大当たり。現在は、キハ85系ワイドビュー車両で運行されていますが、今年7月1日から新型車両HC85系に置き換えられます(こちら)。故に俄撮り鉄。たぶん本当は、車両の全景を入れた方がよいのでしょうが、とっさのことでこんな写真。

Img_3720c_20230505173901 Img_3744c_20230505173901  今日歩いた伊勢本街道は、上のルートマップに付記しましたが、JR参宮線の池辺踏切のところから、玉城町立玉城小学校あたりまででした(このあたりはイベントの関係で伊勢本街道から微妙にはズレたりしています)。歩いたコースのあちこちに「伊勢本街道」というサインが掲げられていました。右の写真のように、いかにも江戸時代の街道を歩いているという気分がしっかりと味わえます。

 スタートから3.5㎞ほどでしあわせの宮。Img_3755c_20230505173901主祭神は地母神。ご神体は、付近のマイラ遺跡で昭和37(1962)年12月に出土した縄文時代中期の石棒。長さ29cm、幅14cmという、大きくずんぐりとした有頭石棒といいます。この石棒は男根を象ったものとされ、「マイラ」という遺跡名(地名)も男根を意味する「マラ」に由来するそうです。このほか天鈿女命、猿田彦命などを祀り、長寿、金運、出世、縁結びという4つ合わせの霊験ありと謳っています。昭和38(1963)年4月1日に創祀しています。社名は往時の流行歌『しあわせの歌』から僧の小林慈海が、広く人々をお守りするようにとの願いを込めて命名しました。ここで水分補給。歩いているとけっこう暑かったのです。

Img_3824c_20230505173901 Img_3838c_20230505173901  しあわせの宮から1㎞あまり歩くと、七度狐の森。七度狐は、上方落語の演目の一つである『七度狐』(しちどぎつね/ななたびきつね)または『七度狐庵寺潰し』(しちどぎつねあんでらつぶし)に由来します。その原話は、寛政10(1798)年に出版された笑話本・「無事志有意」の一遍である『野狐』。道中噺『東の旅』(本題『伊勢参宮神乃賑』)の一編。喜六と清八のコンビが、伊勢参りの途中でとある煮売屋(昔の簡易食堂)に立ち寄ったところ、変な酒を飲まされ、頭にきた二人は手近にあった「イカの木の芽和え」を失敬し茶店を逃げ出しました。このイカの木の芽和えは売り物ではなく、村の寄合いから注文を受けた品でした。それが入っていたすり鉢を向こうの草むらへ放ったところ、そこで寝ていた狐の頭に当たったのですが、この狐、二つ名を『七度狐』といい、一度ひどい目に合わされたら、その相手を七度続けて化かすという執念深い狐だったという話。くわばらくわばら。2代目桂枝雀、3代目笑福亭仁鶴、桂文珍などが演じているそうです。

 さらに0.6㎞ほど行ったあたりが、伏拝坂の切り通し。Img_3870c_20230505173901伊勢本街道は東池上から土羽茶屋を経て、当時の面影を残す切通しの古道を伊勢へ向かうのですが、その左手の丘に「両宮遥拝所 伏拝み」の石柱が建っています。昔、伊勢まいりの旅人がここまできて、村人に神宮までの道のりを尋ねたところ、「三里山道 五里畷(なわて)」と聞き、まだ八里もあるかと驚いて、ここから神宮を伏し拝んで残念そうに帰っていったというのです。近くには、両宮遙拝所献灯があるそうです。

Img_3882c_20230505174001 Img_3888c_20230505174001  「両宮遙拝所 伏拝み」の石碑は、切り通しの上にあります。ネットで調べていたら、ここを登って石碑を間際でご覧に行かれた方もあるようですが、さすがにこれは登れません。写真を撮っただけ。

Img_3954c_20230505174001 Img_3941c_20230505174001  続いて正念僧・即身仏供養碑塚。今から200数十年前、この地で重い病にかかり、街道を往来する旅人の安全を祈って人柱に立ったといわれる僧・正念の供養のために建てられたと伝えられます。正念がこの街道の上田辺(かみたぬい)の茶屋(ちゃや:地名)にさしかかった時、長旅の疲れが出て倒れてしまいました。村人の家で休ませてもらい元気を回復した正念は、村人の親切にお礼をするため街道を往き来する旅人たちの安全を祈って、人柱に立つことを決心したそうです。それからの伊勢本街道は、正念の信念が通じたかのように、軽い足取りで旅をする風景がみられるようになったといいます。

Img_3966c_20230505174001  こちらは上田辺羽根遙拝場。もちろん伊勢神宮を遙拝するところでしょうが、ネット検索でも、「みえの歴史街道」にも詳しいことは載っていません。鳥居と常夜灯があります。普通の遙拝所では、石碑が建っているだけということが多いので、鳥居と常夜灯があるのはなぜなのか、気になります。

Img_3985c_20230505174001 Img_3999c_20230505174001  玉城まちかど博物館伊勢美夜之窯も立ち寄り先になっていましたが、スルーさせていただきました。その先にある玉城町中央公民館の敷地を通過して、次に進みます。玉城町では、今日は「しろあとマルシェ」が行われるとともに、今日から「玉城町まちあるき謎解きゲーム 織田信雄からの挑戦状」が始まりました(こちら)。

Img_4044c_20230505174001 Img_4066c_20230505174001  ゲームには参加せず、田丸神社へ。元禄15(1702)年2月、京都北野天満宮より勧請し、天神社として祀ったのが創始とされます。それ以前は、大榎の大木を御神体とする天神様に「降雨止雨」を祈願する農耕神的性格を有していたと伝わっています。宝永6(1709)年以降、18世紀には田丸はほぼ20年ごとに大火があったため、天神社に祈願を行い、八心思兼神、忌部神を合祀して以来、大火がないといわれています。明治41(1908)年1月、近隣の神社を合祀し、大字下田辺天神山天神社へ合祀し田丸神社と単称。菅原道真公を主祭神として19柱を祀っています。

Img_4185c_20230505174001 Img_4198c_20230505174001  そして、いよいよ田丸城跡へ。北畠親房・顕信父子が延元元(1336)年、玉丸山に城塞を築き、南朝の拠点としたといいます。天正3(1575)年、織田信長の次男・信雄により平山城の田丸城が築かれ、その後稲葉氏、藤堂氏、久野氏と城主が変わり、明治2(1869)年に廃城。春には桜、夏には大賀蓮、秋には紅葉、冬にはライトアップと、一年を通じて、景観が楽しめます。野面積みの石垣が美しい南北朝時代の城址で、南伊勢随一の名城といわれます。平成29(2017)年、「続日本100名城」に選出されました。

Img_4202c Img_4205c_20230505174001  今日は、この田丸城跡がさわやかウォーキングのゴール。ここまででルートマップ上、10㎞を歩いてきました。ゴールしたのは、11時45分頃でしたから、2時間半で10㎞を歩くというかなりのハイペースでした(笑)。

Img_4208c_20230505174001 Img_4562c_20230505174101  ゴールではさわやかウォーキングのポイントをいただいたほか、「神領 玉城水」(500mlペットボトル)と、「参宮線130周年記念さわやかウォーキング参加証」をいただきました。この参加証、写真ではわかりにくいのですが、昔の硬券の切符のようになっています。

Img_4292c_20230505174001  田丸駅から伊勢市駅に行く列車は、12時33分発でしたので、田丸城の本丸跡で昼食。上述のように、今日は「しろあとマルシェ」が行われているのは知っていましたが、一応、コンビニ弁当(助六寿司)を手に入れていました。

Img_4483c_20230505174001 Img_4488c_20230505174001  昼食を食べ、12時10分過ぎにJR参宮線田丸駅へ向かいました。明治26(1893)年12月31日、参宮鉄道が津~相可(現・多気)~宮川間で開業した際に設置されました。この駅舎は、大正元(1912)年頃に完成した木造平屋のもの。老朽化が進み、駅舎を改修した上で保存することも検討されたのですが、耐震診断の結果、保存は困難であることが分かり、2023年4月以降の取り壊しが決まったそうです。駅舎は、日本映画の巨匠・小津安二郎監督の映画「浮草」(1959年)のラストシーンの撮影でも使われたことがあります。

Img_4495c_20230505174001 Img_4538c_20230505174001  12時33分発鳥羽行きの普通に乗って、伊勢市駅へ。12時44分着。伊勢市駅には何度も来ています。ここからまた近鉄で帰ろうという算段。名古屋行き急行は、13時18分までありません。特急に乗るのはもったいないですし、伊勢中川まで普通に行って乗り換えるのもどうかということで、いったん駅の外へ。

Img_4541c_20230505174001 Img_4593c_20230505174101  こちらへ行って、へんば餅を土産に買ってきました。伊勢市駅前の信号を渡って、外宮の方向に少し行ったところにへんば屋さんの店があるのです。5個入り¥450をお買い上げ。

Screenshot_20230505150254c  伊勢市駅発13時18分の名古屋行き急行に乗ったものの、途中から電車が遅れ始めました。名古屋線の伏屋駅構内で14時過ぎに線路安全確認が発生し、名古屋~富吉間の下り線で運転を見合わせ、塩浜~名古屋間の上り線でも大幅な遅れが生じているという事態に巻き込まれてしまいました。本来であれば、桑名には14時40分着。この間、緊急地震速報まで鳴って、大変でした。石川県能登地方での震度6強の地震(こちら)。ちなみに今朝の中日新聞によれば、近鉄のトラブルは運転士さんの誤操作によるとか。

Img_4569c_20230505174101 Img_4583c_20230505174101  15時頃運転再開ということでしたが、益生駅に止まったまま20数分が経ちました。近鉄桑名駅の上り方向には7・8番線があるのですが、これも塞がってしまったということです。しばらくすると(15時5分頃)、益生駅で下車できるということになり、「エイヤッ」と降りることに。先頭車両の運転席のドアから下ろしてもらいました。このように、運転席のドアから乗り降りしたのは、初めて。家内にクルマで迎えに来てもらうようLINEしました。

Img_4580c_20230505174101  余談であります。江戸橋方面への通勤に使っている「オフピークチケット」が、有効期限内に1回分余ってしまうので、帰りに伊勢市駅で乗車するとき、これを使って乗車。回数券カードで乗っても乗り越し精算ができるのをあらかじめ確認したのです。値上げ前に買いましたので、700円の頃の回数券。現在は、830円区間に仕えます。精算額は¥620。

Screenshot_20230505152342c  という次第で、ウォーキングそのものはしっかりと楽しめ、最後には、電車が遅れ、急行が止まらない益生駅で運転席ドアから降ろしてもらうという珍体験までさせてもらい、忘れられないJRさわやかウォーキングとなりました。帰宅して確認したら、Google Fitでは15.5㎞も歩いたことになっています。歩数は、23,012歩。15㎞も歩いたのは、久しぶりではないかと思います。本編の記事は、また明日以降、ゆらゆらと書いていきます。

 

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    松田圭太: 腰痛は医者には治せない ~2人に1人が「筋肉」「関節」が原因!理学療法士の神ワザ治療~
    1つ前に紹介した「大学病院「背骨外来」の名医が教える 脊柱管狭窄症 自力で克服! 一生役立つ痛みほぐし地図大全」と一緒に入手しました。この本の著者は、腰痛治療に特化した施術院を経営する理学療法士。これは、たぶん好みの問題も関わるのでしょうが、私個人としては、1つ前に紹介した本の方が、読みやすく、実際にも役立つと思いました。この本も運動療法を重視しています。ただ、その説明や、説明に至るプロセスで呈示される根拠の説明が弱い気がします。また、具体的な運動療法の仕方については、必ずしも体系的には説明されていません。著者の書いている「痛みは悪いものではなく、体を守るための相棒」「自分の体は自分で治すという気概を持つと、治りが早い」「とにかく食べて とにかく動く」「痛みに負けない根気を持つ」「やりたいことがみつかれば、体が動く」「日常で笑顔になることをたくさん見つける」など、本書のあちこちにちりばめられた著者の言葉は、大切だと思います。 (★★★★)

  • 猪瀬弘之: 大学病院「背骨外来」の名医が教える 脊柱管狭窄症 自力で克服! 一生役立つ痛みほぐし地図大全

    猪瀬弘之: 大学病院「背骨外来」の名医が教える 脊柱管狭窄症 自力で克服! 一生役立つ痛みほぐし地図大全
    2月末に脊柱管狭窄症と診断され、服薬とリハビリを続けていますが、ここで一度、きちんとした知識を得て、これら以外の治療法はないか調べた方がよいと思っていたところにこの本を見つけました。著者は脊椎脊髄外科が専門の整形外科医。タイトルのように大学病院で「背骨外来」を開いています。脊柱管狭窄症についての総合的なガイドブックであり、狭窄した脊柱管、椎間孔を広げる、各種の運動療法を体系的に紹介しています。「体系的に」というところが味噌で、症状に応じてどのような運動療法を行うと、脊柱管や、椎間孔を広げられるか、分かりやすく(写真、図示を用いて)説明されています。私は一通り熟読し、まずは脊柱管を広げる運動療法を試し始めました。まだその評価をする段階ではありませんが、もうしばらく続けてみて、また追記したいと思っています。医学用語や、背骨、神経の図など専門的な内容も出て来ますが、めげずに読むと、その運動療法をする意味が分かってきます。意味を分かった上で取り組むことが大切だと、私は思います。ちなみに、運動療法は、いわゆる筋トレではありません。正しい体の動かし方を習得することです。 (★★★★★)

  • 古荘純一: 境界知能の人たち (講談社現代新書)

    古荘純一: 境界知能の人たち (講談社現代新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家以外の人たちにはほとんど馴染みがないものでしょう。専門家であってもその支援については、見落とされてきており、支援が必要であるのに、その谷間に陥ってしまった人たちということもができます。境界知能というのは、IQ(知能指数)でいえば、70以上80未満(誤差を考慮して、85未満とする考え方もあります)の人たちとなります。ただし、知的水準だけでなく、適応行動が取れているかも、考慮する必要があります。たとえば、言語化が苦手、段取りを覚えられない、行動がワンテンポ遅い、対人関係の距離感が極端、金銭管理ができない、ダマされやすいといった特徴があると著者は指摘します(もちろん、これらは境界知能の人たちに限るということではありません。ほかの障害でも見られる可能性があります)。本書は、定義など学問的な内容から、事例、支援についての提案、さらには用語解説、境界知能の所見リストなど、多方面から境界知能の人たちの困難と、その支援について述べています。医療、心理、教育、福祉に関わる方たちには、ぜひ手に取っていただきたい本です。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 真の保守とは何か 近代日本の地下水脈 (文春新書)

    保阪 正康: 真の保守とは何か 近代日本の地下水脈 (文春新書)
    著者は昭和史研究家。約5,000人もの方に取材してきました。この本は、高市政権圧勝、参政党躍進を受けて書かれたもので、「日本人の選択をいま問う」と帯にあります。著者は、高市政権を「国家主義的右派」と位置づけており、「保守」ではないとします。著者のいう「真の保守」である10ヵ条とは、①常に歴史を読め、歴史の中の声を聞け、②師たる政治家を持て、③甘言、巧言は敵とせよ、④誤りから学べ、⑤良きブレーンを持て、⑥精錬の徳を持て、⑦討論、対話を厭うな、⑧典故、先例に通じよ、⑨読書に勝る良薬はない、⑩氷山のごとき人格たれです。これらは、著者の歴史の教訓を政治の現場に伝えなければならないという危機感から来ています。これに照らすと、今の高市政権の中枢をなす政治家は、極めてアヤシいと思われてなりません。私には、とくに、勉強していない(=本を読んで、考えていない)と思えるのです。ほかにこの本で気になったのは、鶴見俊輔さんがいったという「民主主義の後をファシズムが影絵のようについてくる」ということばです。石橋湛山、池田勇人や、後藤田正晴といった政治家たちの足跡をもう一度ふり返り、良識派の保守の姿を取り戻すことが大切と思います。また、石橋湛山が掲げた①小日本主義(帝国主義否定)、②非軍事志向(軍事で物事を解決しようとしない)、③論理的基盤(共同体的な情緒を克服し、個の意志を明確に示す)といったこともとても重要で、意味があると思います。今の時代に違和感を覚える方には是非ともお勧めします。 (★★★★★)

  • 日浦 勇: 自然観察入門: 草木虫魚とのつきあい (中公新書 389)

    日浦 勇: 自然観察入門: 草木虫魚とのつきあい (中公新書 389)
    1975年出版という古い本です。若い頃持っていたのですが、その後は所在不明。最近になって、もう一度読みたいと思って、古本で入手しました。この本に載っているレベルをきちんとおさえれば自然観察の基礎は身につくと思ったからです。著者は大阪市立自然史博物館の学芸員などを務めています。子どもたちを対象として、自然観察教室を開いたり、授業でエコロジー/生態学を教えたりするときの手引きとして書かれたものです。 春の草花を調べる、川の生物を観察する、トンボを捕まえて分類するなど、いくつかのテーマを立て、種の見分け方、水辺の危険への注意、採集法、学習のポイントなどが示されています。著者の経験に基づいて書かれていて、かなり実用的ですが、読んでおもしろいとはいいがたいところが難点。 (★★★★)

  • 伊藤氏貴: 読む技法 詩から法律まで、論理的に正しく理解する (中公新書)

    伊藤氏貴: 読む技法 詩から法律まで、論理的に正しく理解する (中公新書)
    評判の本のようでしたので、読んでみました。本の帯に「『読めたつもり』が危ない!」とありますが、それはまさにその通り。30歳代半ばから教職にありましたので、それは実感しています。とくに60歳を過ぎてから短大の非常勤講師になってから、学生たちの読解力がアヤシいと思うようになっていました。読解力そのものも低下しているとともに、集中力が続かないことも影響しているように思っていました。きちんと読めて、書き手の意図することを正しく理解できないと、議論も思索も成り立ちません。この本は、解釈学、構造主義、ナラトロジーなどさまざまな読む技法を具体例に則して紹介しています。世の中、コスパ、タイパが重視される時代ですが、敢えて深く、論理的にじっくりと読み、考えることも大切と思います。 (★★★★)

  • 滝口 正哉: 江戸町奉行所 与力・同心の世界 (岩波新書)

    滝口 正哉: 江戸町奉行所 与力・同心の世界 (岩波新書)
    時代小説が好きでよく読みますので、町奉行所の与力や同心がどのように仕事し、いかに暮らしていたかには、とても興味があります。この本の帯には、「時代劇でおなじみ 江戸の町を守る『八丁堀の旦那』、その本当の姿 くらし、仕事、文化活動」とありますので、割と気楽に読めるかと思ったら、学術的に書かれていました。与力・同心の仕事は、治安維持が主なものではなく、もっと幅広い仕事をしていました。さらに、深い教養を身につけ、豊かな人脈に裏打ちされた文化活動を行う人たちもいたということには驚きました。さらに、明治維新以降の新しい時代と格闘しつつ、江戸を語り継いだ彼らの実像が明らかにされています。寝転がって読むのは、ちょっと難しいかなと思います。 (★★★★)

  • 森 章司: 仏教的ものの見方: 仏教の原点を探る

    森 章司: 仏教的ものの見方: 仏教の原点を探る
    仏教のものの見方の基本は「あるがまま」を「あるがまま」に見ることにあるとして、仏教の人間観、仏・菩薩観、世界観、人生観、見方、生き方を体系的に説いています。著者は、仏教学者で、東洋大学名誉教授。専門はインド仏教。元浄土真宗本願寺派僧侶です。大学時代の同級生に真宗本願寺派のお寺の住職を務めていた友人がいます。私が体調を崩していたとき、「仏教の勉強をするとよい」といわれ、それがずっと記憶に残っていました。いろいろ本を読んだり、テレビ番組を見たりしましたが、どうも今ひとつピンときませんでした.そういう中でこの本を知り、ようやく入手して、やっと読み終えました。初めに書きましたように、「あるがまま」を「あるがまま」に見ることは、簡単そうで難しい。 「あるがまま」を「あるがまま」に見ることが知ることだといいます。哲学も見ることだそうです。「小欲知足」が、仏教のもっとも基本的な生活態度であり、これが「戒」を導くといいますし、自己中心的な思いも減り、慈悲につながるそうです。これらが、つまらないことにこだわることもなくなり、行動の根源となる意思も、考えも、言葉も、行為も生活も正しいものとなり、偏見や固定観念、先入観が消え去って、「あるがまま」を「あるがまま」に見ることができるようになると説かれていました。読みやすい本とはいえませんが、ここに書いたエッセンスを頭に置いて読むと、いくらか分かりやすい気がします。私自身、今は分かったような気がしていますが、たびたび思い出して、振り返る必要があります。 (★★★★)

  • 林望: リンボウ先生 老いてのたのしみ (祥伝社新書)

    林望: リンボウ先生 老いてのたのしみ (祥伝社新書)
    リンボウ先生こと林望さんが実践する「令和老人生活要領」を説いた本です。リンボウ先生は、ちょっと変人で、群れない、威張らない、信念は曲げないという人。初めての老い(誰でも、自分にとってはそうですが)に対して、先手先手でいろいろと考え、対策、対応を考え、実行しています。その第一は危機管理。たとえばどこに行くのにも「誤嚥防止ボード」を持って行き、外食の際でもそれを目の前に立てながら食事をするそうです。他人がどう思おうが構わないとか。見ならいたいことはたくさん書かれていますが、ごく普通の老人には「それはちょっとなぁ」と思うことも多いでしょう。「流行には迎合しない」というのが、リンボウ先生のモットーの1つでもあります。老後の趣味の心得などについても触れられていて、参考になることもあるかと思います。 (★★★★)

  • 平凡社: 街道アトラス

    平凡社: 街道アトラス
    旧街道に興味があります。ただし、あまりあちこちの街道を歩いたわけではありません。この本では、東海道と中山道は各宿場も紹介されるなど、詳しく載っていますが、その他の街道はダイジェスト。いわば、旧街道のカタログ本といったところ。現代の道と比べたり、旧街道がどのようにつながっていたかを知るにはよい本です。ただし、この本だけを頼りに旧街道を歩くことは、ほぼ不可能でしょう。 (★★★)

  • 保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

    保阪正康: なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)
    今年は、昭和100年であり、戦後80年でもあるということで、新聞などでも特集記事が掲載されています。太平洋戦争は、日本という国を滅亡の一歩手前まで追い込みました。昭和という時代もそれが終わってから35年以上経ちますから、これからは歴史として語られるようになっていくはずです。この本は、二・二六事件、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇など、時代を大きく変えた8つの事象を取り上げ、当事者たちの感情や思惑排して見つめ直すことを通して、これまでの通説、定説とは異なるそれらの真相を浮かび上がらせようとしています。読後感としては、私なども、何となくそうなのかと思っていたことがひっくり返されたような感じを抱いています。目的と手段を取り違えている、事実や科学的知見から目をそらしている、希望的観測を事実と思い込む、妙な精神論に陥るなど、今も続く認知、思考は、太平洋戦争のときの軍指導者から始まっているのかも知れません。いろいろな意味で「戦後」という概念については、根本的に再検討が必要ですし、日清戦争から太平洋戦争に至る数十年の戦争の時代は、何に由来し、そこから何を学ぶか、よくよく考えてみる必要があると思いました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)

    保阪 正康: 保阪正康と昭和史を学ぼう (文春新書)
    保阪正康さんは、一貫して近現代史を検証し続け、5,000人もの歴史の証人を取材してきています。この本は、月刊『文藝春秋』に掲載されたものから15編を選んでまとめられています。読み応えがあるのに、分かりやすい内容で、昭和史の証人として瀬島龍三、後藤田正晴などインタビューが、また、昭和の戦争7つの謎として無謀な開戦を決意した理由などが載せられています。その後、あの戦争と昭和史を語ろうということで、半藤一利さんなどとの対談が載っています。最後に、歴史をどう引き継ぐかということで、講演録があります。この講演では、江戸時代まで遡らなければ日本人は理解できない、江戸時代の260年を通じて、戦争をしなかったという事実から教訓、知恵を学ぶ必要があるなど、江戸時代に築かれた財産をもう一度取り戻すことの重要性が語られています。明治維新という、薩長の下級武士の暴力革命を経て、帝国主義国家が作られていく過程で、江戸自在の財産は放棄されたと著者はいいます。知識、技術は学び、取り入れたのに、哲学までには思いが至らなかったため、そうなっています。また、もう一つ、著者が強調するのは、天皇制の捉え方、論じ方です。天皇制は、本質的に戦争を嫌う制度だと著者はとらえています。これは、私には目から鱗の見方でした。さらに、天皇は何らかの形で京都にお住まいになって、政治の中心は東京にあってという江戸時代の知恵をもう一度取り戻すのもよいという提案は、真摯に検討する価値があると思います。 (★★★★★)

  • 芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)

    芝村 裕吏: 関数電卓がすごい (ハヤカワ新書)
    関数電卓は持っていますし、その昔は、プログラム電卓で平均値、標準偏差などの計算をする簡単なプログラムを組んで使っていたこともあります。タイトルに惹かれて買ったのですが、ウ~ン、期待はずれでした。計算例が平方根以外にはほとんどありませんでした。関数電卓を片手に、その使い方や、どのような応用ができるかを知りたいと思ったのですが、そういう内容はあまりなくて残念でした。ただこの本を読んでよかったのは、数学の力と計算力とは別物であることが分かったこと。また、計算については、関数電卓などを駆使すればよいということでした。私自身、数学には自信がないのですが、「エェ!?、そうだったっけ?」と思う内容もありました(つまり、間違っているんじゃないの、と思える内容)。 (★)

  • 今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)

    今尾 恵介: 地名散歩 地図に隠された歴史をたどる (角川新書)
    地名の由来については興味がありますから、この本を手に取ったのですが、読み始めたものの、すぐに「放置」していました。テーマごとに、それに関連する地名が列挙され、その由来について多少の説明(蘊蓄?)が書かれているのですが、列挙されている(例示されている)地名が煩雑で、読むのが面倒になってしまったのです。「地名マニア」の方であれば、これくらい何のそので読み進めたのでしょうが、私にはちょっと難行でした。2年くらい経って、気を取り直して、少々無理矢理に読み進めました。が、「不思議な名称には物語がある」という、帯の謳い文句には、いささか無理があるかなという気がします。物語というのであれば、個々の地名についてもうすこし物語って欲しい気がするのです。ただし、以上は、極めて個人的な感想です。 (★★)

  • piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)

    piro piro piccolo: 意外と知らない鳥の生活 (コミックエッセイ)
    本の帯に「あなたが毎日スルーしている鳥たちの素顔」「カラスも本当は人が怖い」とあります。ほとんど知っている内容でしたが、このように改めて、まとめてあると、いっそうよく分かりました。野鳥観察を始めたばかりの方、野鳥に興味を持ち始めた方には、最適な参考書の1つと思います。身近にいる鳥ばかりが取り上げられていますが、それだけに身近な鳥の行動や、特徴がよく分かって、野鳥がもっと好きになること請け合いです。タイトル通り、まさに「意外と知らない」です。自分では知っているつもりでも、意外と知らないことは多々ありそうです。 (★★★★★)

  • 五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)

    五味 洋治: 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン (文春新書)
    高容姫という女性を知る人は多くはないかも知れませんが、本のサブタイトルにあるように、金正恩の母となった在日コリアンの女性です。北朝鮮では、日本から帰国した人間の社会的地位は低いため、その存在は公的には明らかにされていませんし、「国母」として崇拝されることもありません。これは、金正恩の弱点でもあり、コンプレックスにもなっているかも知れません。大阪の鶴橋で生まれ育った少女の数奇な運命をたどった、力作です。よくぞここまで取材したものだと思います。高容姫の人生をたどることで、北朝鮮の体制、社会、歴史にまで理解が及びます。ほとんど一気読みをしてしまいました。ちなみに、現在も大阪には、金正恩の伯父を始め、親戚が50名以上も暮らしているといいます。このことは、日朝関係の改善や、拉致問題の解決の手がかりになるのではないかという気がします。 (★★★★★)

  • 本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)

    本郷 和人: 東大生に教える日本史 (文春新書)
    別に「東大生に教える」でなくてもよいのですが、この本の元になったのが、東京大学教養学部の学生たちに「暗記不要、歴史を考えるおもしろさを伝えたい」ということで行った連続講義ですから、そういうタイトルになっています。歴史、とくに高校時代に学んだ歴史は、やはり暗記科目でした。あれから50年以上経った今でも、そこから抜けきっていない気がします。そういう意味では暗記ではなく、時代を動かす原動力は何か、誰が時代を変えていくのかという視点から歴史を見て、考えるのは、新鮮です。史実は変わりませんが、それを材料に、自分の視点から、自分の見方で論理を組み立て、自分なりの歴史像を造ってみることを愉しめばよいという著者の考え方をしっかりと身につけられたらよいなというのが、読後感です。 (★★★★★)

  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)