九華公園でセンダイムシクイとオオルリのオス……ちょっと無理矢理ながら鳥図鑑プラス1
27.1℃と夏日になりました。これほど気温が上がったのはたぶん今年初めて。早くも5月。なぜか「目には青葉山ホトトギス初鰹」という俳句が浮かびます。調べてみたら、山口素堂という江戸時代前期の俳人によるもの。それはさておき、いつも通り、7時半から住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、内堀公園、京町、南魚町、田町、三崎通と5.7㎞の散歩。
天気も良くて、揖斐川沿いも気持ちよく歩けます。船津屋さんの裏手でホオジロのオスがいたものの、後ろ姿でしたから回り込んで撮ろうと思ったら、逃げられました。揖斐長良川の中州から、オオヨシキリの鳴き声が聞こえてきました。今シーズン初めて。去年は4月29日から(2022年4月29日:揖斐長良川の中洲からオオヨシキリの声)。
九華公園も相変わらず鳥は少なかったのですが、奥平屋敷跡ではセンダイムシクイの鳴き声が3ヶ所ほどから聞こえてきました。「チヨ チヨ ビィー」と聞こえる声でさえずりますが、「ツル チヨ ギミ―(鶴千代君)」と聞きなすことがあります。けっこう苦労してようやくその姿を捉えました。去年は5月2日に登場しています(2022年5月2日:センダイムシクイ、九華公園に登場……午後からは市民大学郷土史学科へ)。
さらにセンダイムシクイがいた近くで、さらに別の鳥が動くのが見えました。貝塚公園では目撃談を何回か聞いたので、一度は見たいと思っていたオオルリのオスでした。が、写真は上手く撮れず、証拠写真に終わってしまい、残念。しかし、まぁ鳥図鑑はこれでプラス1としてしまいます(トータル114のはず)。夏鳥で、山地沿いの渓流に多い鳥ですから、九華公園は通過するだけかなと思いますが、明日も探してみましょう。ほかに、先日も、今日も「ツキヒー」という鳴き声を聞いています。サンコウチョウの鳴き声のような感じもするのですが、正体は見極められていません。サンコウチョウは、九華公園と貝塚公園で見ています(2022年9月11日:サンコウチョウ、ヒガンバナ、アオサギ3連発(微笑)、2014年9月30日:9月28日(日)の散歩写真から……コサメビタキ、ヤマガラ、コゲラ、シジュウカラ、センダイムシクイ(?)、正体不明の鳥など)。いつものコース散歩でも、ときどき幸運が舞い込みます。
カワウのヒナはずいぶん成長してきています。この写真は、神戸櫓跡の東側の松の木にある巣。向かって左は親、右の3羽がヒナ。見ていると、親なのか、ヒナなのかよく区別がつかないこともあります。ハシビロガモのオスは今日も元気でした。今日も、吉之丸堀にかかる橋の橋脚にいたり、泳いでいたりで、今のところは元気そうです。
九華公園にはツツジを見に来られたと思われる方もいらっしゃいますが、昨日も書きましたように、もう遅いくらい。個人的には「今年は、もうオシマイ」という感じ。花菖蒲が気になりますが、今年、ほとんど「補植」といって、植え直しをしています。以前のように見事に咲くというのは、難しいかなという気がしています。
貝塚公園にはとくに鳥はいません。さすがにツグミも、シロハラもいなくなったようです。カワラヒワやメジロの声が聞こえたくらい。北門のところにシランが咲いています。
内堀公園では、ツツジがまだ見頃でした。ここの藤棚には白い藤の花が咲きます。これは、かなり見事。ずっと昔、野田藤、山藤などの区別を調べたことがありますが、蔓の巻き方が違ったはずと帰ってきてから思い出したくらいで、もう一度チェックしてこないといけません。
内堀公園では、やむなくムクドリとスズメを撮影。ムクドリは、よく見るとかわいいのです(微苦笑)。
ここからはツバメの巣チェック。今日は、博物館の巣にツバメが来ていました。ここには2つの巣がありますが、去年も使っていた北側の巣にです。2羽が来ていましたので、ペアでしょう。
京町の呉服屋さんの巣には、親ツバメがずっと就いています。このあと、三崎通にある巣でも親ツバメが巣に座っていたのですが、ちょっと近づいたら巣から飛び出して行ってしまいました。田町の商店にある巣は、今日は不在。うまくいくと散歩コースの4ヶ所の巣で営巣しそうで、楽しみです。
オマケは、またもやメダカの話。昨日も写真を載せていますが、この睡蓮鉢の風景、気に入っています(微苦笑)。自画自賛の類いですが、熱帯スイレンとリラエオプシス、ホテイソウがあって、その間をメダカが泳いでいるのを見ていると、時を忘れられます。
さらなるオマケ(長文につき、ご興味がおありの方のみどうぞ)。内田樹さんが「豊かな社会とは」という評論を書いておられます。「診療研究」という東京保険医協会が発行する雑誌の587号(2023年5月)に載ったものだそうです。たとえば、次の引用のような内容があります。
ある時期から日本人は「貧乏くさく」なった。「貧乏くさい」というのは経済状態のことではなくて、心の貧しさのことである。他人の富裕を羨むのもそうだし、自分のわずかばかりの財産をしっかり退蔵して、誰とも分かち合わないのもそうだ。何よりも「公共財」としてみんなが共有する富から自分の「割り前」をできるだけ多めに切り取ろうとするふるまいが最も「貧乏くさい」。
内田さんも書いておられますが(内田さんは、私より約5歳年長。学年でいえば4年違い)、われわれの子どもの頃は多くの人が貧乏でした。しかし、隣近所が助けあって暮らしており、それはそれで楽しく、心豊かに生活していたと記憶しています。それが高度経済成長以降、暮らしが豊かになるにつれ、皆が貧乏くさくなったと内田さんは書いておられます。
現代日本の際立った特徴は富裕層に属する人たちほど「貧乏くさい」ということである。富裕層に属し、権力の近くにいる人たちは、それをもっぱら「公共財を切り取って私有財産に付け替える」権利、「公権力を私用に流用する権利」を付与されたことだと解釈している。公的な事業に投じるべき税金を「中抜き」して、公金を私物化することに官民あげてこれほど熱心になったことは私の知る限り過去にない。
私はもうこの貧乏くささにうんざりしている。貧しくてもいい。「貧乏くさくない社会」に暮らしたい。
それなら、どういう社会が「貧乏くさく」ないのか。とりあえず私が敗戦後の日本で見聞した「共和的な町内」はそうだった。他人の富裕を羨まない、弱者を見捨てない、私財を退蔵せずに分かち合う、公共財ができるだけ豊かになるように努力する。言ってみればそれだけのことである。現に大人たちがそのようにふるまい、それが「ふつう」なのだと子どもたちが思うなら、その社会は、たとえ物質的に貧しくても、「貧乏くさく」はない。私はできるならそのような社会に暮らしたい。
わが家のお隣に諸戸氏庭園があります。ここは山林王・初代諸戸清六氏の邸宅でした。諸戸家は、清六の父親の代に事業に失敗し、莫大な負債を背負ったものの、安政7(1860)年、18歳で諸戸家を継いだ清六は(この時受け継いだのは、布団・衣類・道具と約20石積の船1隻、そして1,000両を超える莫大な借金であったといいます)、米の仲買いを行いながら、わずか2年(3年とするものもあります)ですべての借金を返済し、商売の基礎を着実に固めていきました。明治11(1878)年には大蔵省御用の米買付方となり、明治23(1890)年、三重県多気郡大台町三瀬谷山林を購入し、植林事業を開始しています(現在の諸戸林業、諸戸ホールディングスの出発点)。時間を無駄にすることと、無駄金を使うことを極端に嫌っていたといいますし、財をなしてからも「食事時には予め2杯の飯椀を用意しておかわりの時間を省いた」「人力車に飛び乗ると同時に走り出さないと不機嫌になった」などの話や、渋沢栄一が訪問した際に渋茶一杯しか出さなかったなどという話もあるそうです。その一方で、治水事業の一環として荒れた山林を購入して植林を行ったり、学生への学費援助などを行ったりしていますし、また、水道(諸戸水道)を敷設して桑名の水事情を改善したりもしています。明治期から戦前には、ほかにも全国各地にとてつもなく裕福だった方は多いでしょうが、諸戸清六氏のようにそれを自分のためのみに使ったり、自分だけがぜいたくをするのではなく、公共に資するお金の使い方をした人たちが多いような気がします。
貧乏は、経済状態のことで、心の持ちようとは別。貧乏くさいのが内田さんがいうように、「心の貧しさ」を現すとすれば、私自身は貧乏は構わないが(子どもの頃の状態に戻るだけですから)、貧乏くさいのは嫌だなと思います。以上、内田樹さんの文章から思いついた、長~い余談にて、失礼。余談の部分については、どうぞお構いなく。ご関心がおありの方は、内田さんのブログをお読みください。
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コメント
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ひらいさん、おはようございます。
昨日はラッキーでした。
鳥図鑑プラス1は、ちょっと強引ですが、念願のオオルリを少しでしたが、見られました。
写真は、写っていたくらいの証拠写真ですから、再チャレンジ必須です(笑)。
「ツキヒー」は、サンコウチョウかなとは思うのですが、姿を見ていません。
という次第で、今日、またじっくりと探してきます。
ツバメは今年も散歩コースで営巣してくれそうで、楽しみです。
こちらの印象では、けっこう町中にいる感じですが、そちらでも営巣場所が見つけられるといいですね。
ところでケリの営巣はやはり難しそうですね。
コアジサシもみたいので、連休中にまたお邪魔しようと思っています。
お孫さんの方が大事ですから、ブログの記事は気長に待たせていただきます。
投稿: mamekichi | 2023年5月 2日 (火) 03時04分
mamekichiさん、こんばんは!
九華公園には色々な野鳥が集まっていますね、センダイムシクイ・オオルリ・サンコウチョウ、素晴らしいです、久しく行ってないので、またお邪魔しなければと思っています。カワウも順調そうで良かったです、来年辺りアオサギも営巣してくれると更に楽しくなりそうですね。
ハシビロガモも元気そうで何よりです、今日も暑かったですがまだまだ本番の暑さではないので、これからが心配です。
ツバメもあちこちで子育てを始めそうですね、残念な事にこちら側では、飛んではいますが、どこに巣があるのかは判らずです。
毎度のケリ情報です、高野裏は威嚇もしなくなりました、こちらもダメだったようです、3羽ヒナがいたN里北は、新たに2羽が巣を作っているようですが、見る都度場所が変わっているので、まだ決めかねているのかもしれません、そして更に北東側にも巣があるようです、東はコチドリっぽい子が1羽居ます、もしかしたらイカルチドリかもしれません、この辺りは定期チェック場所なので、何か進展有れば報告します。
連休中、散歩は早朝に時間見つけて行ってるのですが、もうすぐ娘と孫がこちらに来る準備などで、ブログ更新まで手が回ってなくてゴメンナサイ、5月07日以降、纏めて更新予定です。
投稿: ひらい | 2023年5月 1日 (月) 20時08分