20230505JRさわやかウォーキング「参宮線130周年記念 大和と伊勢神宮を結ぶ最古の道・伊勢本街道を歩いて」(その1)……多気駅をスタートし、坂倉遺跡から伊勢本街道に入り、しあわせの宮、七度狐の森、伏拝坂の切り通しへ
5月5日、こどもの日にJRさわやかウォーキング「参宮線130周年記念 大和と伊勢神宮を結ぶ最古の道・伊勢本街道を歩いて」に行ってきました。JR紀勢線多気駅から参宮線田丸駅まで、JR東海から配られたコースマップでは約9.6㎞。私には、伊勢本街道を歩けるということと、田丸城跡を訪ねられるというのが魅力。田丸城跡には以前から一度は訪ねてみたいと思っていたのです。薄曇りで、桑名では最高気温24.3℃でしたが、現地で歩いていると、やや暑いくらい。
JRさわやかウォーキングでしたが、この日もまた松阪までは近鉄を利用。7時32分発松阪行き急行に乗車。ところがこの電車、伊勢中川駅で9分間も停車し、発車するのは8時38分。その間、大阪線から五十鈴川行き急行が来て、これが8時30分発というので乗り換え。松阪駅には8時37分着。いったん改札を出てJRの切符を購入。9時1分発の快速みえ51号に乗車。多気駅には9時8分に到着。ちなみに多気まで来たのは2回目(2019年11月10日:20191110JRさわやかウォーキング「晩秋の田園風景と伊勢本街道を訪ね、『おいないまつり』で多気の文化と食を楽しもう!」へ(予告編))。
こちらがJR多気駅。多気駅は、JR紀勢線と参宮線が分岐する駅で、快速みえや、特急南紀も停車します。明治26(1893)年12月に参宮鉄道が津駅~宮川駅間で開通した時に相可駅(初代)として開業しています。紀勢線は大正12(1923)年3月に紀勢東線が栃原駅まで開通し、相可駅(2代目)が開業したことにより、相可口駅に改称。さらに、昭和34(1959)年7月、多気駅に改称しています。今回のさわやかウォーキングは、参宮線130周年記念と銘打たれています。
9時15分頃にスタートします。右がこの日実際に歩いたルートマップ。現地では、11㎞以上を歩いてきました。立ち寄り先は、しあわせの宮、七度狐の森、伏拝坂の切り通しと石燈籠、正念僧・即身仏供養碑塚、上田辺羽根遙拝場、玉城まちかど博物館伊勢美夜之窯、田丸神社、田丸城跡。田丸城跡がゴール。さらにJR参宮線田丸駅まで約10分を歩いたという次第。
さらに詳しいルートマップがこちら。多気駅から伊勢本街道に入るため、紀勢線沿いに南下。コース設定の意図がよく分かりませんが、ちょっと大回りして、参宮線の池辺踏切のところから伊勢本街道に入ります。しあわせの宮に立ち寄るところでは、伊勢本街道を少し外れています。
コースマップには載っていませんでしたが、多気駅から700mほどのところに坂倉遺跡という看板が見えましたので、見てきました。この遺跡は縄文時代早期(約8000年前)の集落跡とみられています。昭和49(1974)年の発掘調査で、食物を煮炊きする炉の跡、堅穴住居跡が発見され、ここには数軒ほどの集落があったと推定されています。現在は、その一部が「坂倉公園」として保存されています。
スタートして1㎞ほどのところににあるJR紀勢線の第四東池上踏切で撮り鉄の方が数人、待機しておられました。これはひょっとして特急南紀が来るなと思ったら、大当たり。現在は、キハ85系ワイドビュー車両で運行されていますが、今年7月1日から新型車両HC85系に置き換えられます(こちら)。故に俄撮り鉄。たぶん本当は、車両の全景を入れた方がよいのでしょうが、とっさのことでこんな写真。
参宮線に沿って南東へ行くのですが、今度は名古屋行きの快速みえがやって来ましたので、またまた撮り鉄。とはいえテキトーにシャッターを押すだけ(苦笑)。事前に立ち寄り先は調べたのですが、伊勢本街道については調べが及ばず。このJR参宮線池辺踏切のところからが伊勢本街道でした。
調べが不十分だったため、伊勢本街道に入ったあたりでは写真を撮りませんでした。いかにも不覚。ダイヘンの三重事業所の先でとったのがこれらの写真。ダイヘン三重事業所は、大型変圧器をつくっています。多気駅からは2.4㎞ほどのところです。
その先の伊勢本街道は、こんな感じ。三重県内の東海道や伊勢街道とは異なり、けっこう田舎の道という感じで(ここの「田舎」は、ポジティブな意味で用いています)、いかにも江戸時代からの街道を歩いていると実感させてくれます。しばらく立ち寄るところはありません。右の写真は、土羽茶屋公民館。なかなかしゃれた建物です。
最初の立ち寄り先は、しあわせの宮。多気駅からは3.5㎞のところにあります。主祭神は地母神。地母神は、大地の生命力・生産力を神格化した女神です。ご神体は、付近のマイラ遺跡で昭和37(1962)年12月に出土した縄文時代中期の石棒。長さ29cm、幅14cmという、大きくずんぐりとした有頭石棒といいます。この石棒は男根を象ったものとされ、「マイラ」という遺跡名(地名)も男根を意味する「マラ」に由来するそうです。長寿、金運、出世、縁結びという4つ合わせの霊験ありと謳っています。昭和38(1963)年4月1日に創祀しています。社名は往時の流行歌『しあわせの歌』から僧の小林慈海が、広く人々をお守りするようにとの願いを込めて命名しました。お参りしたときには気付かなかったのですが、右の写真に写っている白い布で覆われているものが、ご神体かと思います。
舞踊殿前に天鈿女命、猿田彦命、天手力男命、西に天照大神、大己貴命(おおなむちのみこと)、少名彦命(すくなひこなのみこと)、倭姫命などを祀っています。
ここは上記のように新しい神社で、左の写真のようにいろいろとあるようでした。みえの歴史街道の伊勢本街道のルートマップを見ますと、句碑が4つあるということでした。が、これまた予習不足により、見てきたのは上村点魚のもの1基だけです。「妹の齢 告げて幸乞う 春神事」とあります。
ここで水分補給&おやつ。歩いているとけっこう暑かったのです。朝ご飯が早かったので(5時過ぎ)、小腹も減っていたのです。おやつは、ファミマの「よもぎ餅」。税込み¥108。最近は、和菓子の方が好みです。しあわせの宮には10時頃着いて、10分ほど滞在。
参宮線沿いを歩いて、伊勢本街道に戻っていきます。伊勢本街道に戻る途中で、多気駅から4㎞を歩いています。右の写真は、ルートマップで4㎞と書いてあるところの少し先の様子。
その先で七度狐の森があります。七度狐の森。七度狐は、上方落語の演目の一つである『七度狐』(しちどぎつね/ななたびきつね)または『七度狐庵寺潰し』(しちどぎつねあんでらつぶし)に由来します。その原話は、寛政10(1798)年に出版された笑話本・「無事志有意」の一遍である『野狐』。道中噺『東の旅』(本題『伊勢参宮神乃賑』)の一編。「野狐(やこ)」は、一般的には、日本に伝わる狐の妖怪。普通の野生の狐、人間を化かしたりする狐、神格を持たない狐などを差して野狐といいます。
喜六と清八のコンビが、伊勢参りの途中でとある煮売屋(昔の簡易食堂)に立ち寄ったところ、変な酒を飲まされ、頭にきた二人は手近にあった「イカの木の芽和え」を失敬し茶店を逃げ出しました。このイカの木の芽和えは売り物ではなく、村の寄合いから注文を受けた品でした。それが入っていたすり鉢を向こうの草むらへ放ったところ、そこで寝ていた狐の頭に当たったのですが、この狐、二つ名を『七度狐』といい、一度ひどい目に合わされたら、その相手を七度続けて化かすという執念深い狐だったという話。くわばらくわばら。2代目桂枝雀、3代目笑福亭仁鶴、桂文珍などが演じているそうです。地元の方が待機していて、説明してくださいました。それにしても、このあたり何となく寂しいところで、狐に化かされるというのも十分ありそうな感じです。
スタートの多気駅から5㎞を過ぎたあたりに、伏拝坂の切り通し。伊勢本街道は東池上(多気町)から土羽茶屋を経て、当時の面影を残す切通しの古道を伊勢へ向かうのですが、その左手の丘に「両宮遥拝所 伏拝み」の石柱が建っています。昔、伊勢まいりの旅人がここまできて、村人に神宮までの道のりを尋ねたところ、「三里山道 五里畷(なわて)」と聞き、まだ八里もあるかと驚いて、ここから神宮を伏し拝んで残念そうに帰っていったというのです。近くには、両宮遙拝所献灯があるそうです。
「両宮遙拝所 伏拝み」の石碑は、切り通しの上にあります。ネットで調べていたら、ここを登って石碑を間際でご覧に行かれた方もあるようですが、さすがにこれは登れません。私は、写真を撮っただけ。年寄りは、無理をしてはいけないのです。
伏拝坂の切り通しを抜けると、ほぼ平らな道が続きます。北の方には、メガソーラーも見えます。しかし、このあたりは標高25m前後。伏拝坂の切り通しのところは、キョリ測で見ると、標高は47~48mほどで、この日のウォーキングで最高地点。伊勢本街道とはいえ、楽な道ではありません。伊勢参りの旅人がここで諦めたというのは、何となく分かります。
ルートマップその1はここまでですので、記事もここで区切りをつけましょう。その2は正念僧・即身仏供養碑塚から。
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