20230121美濃街道ウォーキング「多度から石津」(その3)……山除川沿いの地蔵尊、天白神社から国道258号線を渡って杉生神社にお参りし、石津駅にゴールで「完」
1月21日にってきた美濃街道ウォーキング「多度~石津」の本編その3です。その2では、願超寺まで来ました。その前に訪ねた御鍬神社は、標高約45mでしたが、一気に下って、願超寺あたりでは標高は8mほど。願超寺を過ぎると山除川に出ます。しばらくこの川沿いに北上して、途中、子安・延命地蔵尊と、天白神社に立ち寄ります。
こちらは、願超寺から山除川沿いに出たあたり。川の名前をなんと読むのか疑問だったのですが、表示板がありました。「やまよけがわ」でした。海津市南濃町太田から松山を経て、三重・岐阜県境をなし、県境付近でUターンして揖斐川に注ぐ川です。ネットで調べると、バス釣りのポイントがあると出て来ます。
護岸がコンクリートやブロックで固められているところも多いのですが、上流方向に進むにつれ、昔のままの土になっているところもありました。春や夏になると、いろいろな生き物が見られそうです。カルガモ、キンクロハジロ、オカヨシガモ(と思われる)などカモも何種類か見ましたし、同級生K氏はカワセミが飛んだといっていました。
スタートから5㎞のところ、山除川の右岸に地蔵堂があります。「子安・延命地蔵尊」で、傍らの石柱には「四國第十九番立江寺子安延命地蔵尊」と刻まれています。立江寺は、四国八十八箇所巡りの19番札所。ここから勧請したものなのだろうと思います。立江寺は、聖武天皇の勅願寺で、天平19(747)年に行基菩薩が光明皇后のご安産の念持仏として、勅命により「延命地蔵尊」を本尊として建立開基した寺です。
山除川沿いには立ち寄りポイントは少ないのですが、キョロキョロしているといろいろなものが目に入ります。「庭園都市 海津市」という看板があります。「庭園都市」とはなかなかのキャッチフレーズと思って調べたら、平成17(2005)年3月28日、海津町、平田町及び南濃町の3町が合併して「海津市」が誕生することに伴い、海津市の将来像に「光と風と水のふれあい庭園都市」を掲げたようでした(こちら)。
山除川には、こんな昔風の橋も残っていました。「石津橋」で、昭和28年12月竣工とありました。われわれが子どもの頃、故郷の小さな川にもこういう橋がたくさんかかっていました。ちなみに、この石津橋には、下流側にライブカメラが設置されています(こちら)。山除川、石津橋、さらにこの東にある三切池が見えます。
地蔵尊からさらに1㎞ほど歩くと、やはり山除川から少し西に入ったところに天白神社があります。ご祭神は、天白神。創立は不詳ですが、社殿にある棟札には「宝永4(1707)年6月22日奉造営天白大明神」とあり、これ以前に創立されたと考えられます。一説には、三重県員弁郡藤原から遷したといいます。天白神は、海や川を鎮める神様とされます。
天白神社の先で国道258号線を超えます。スタートから7㎞。ここからコースマップはその4へ。もうゴールは目と鼻の先ですが、石津駅の手前で杉生神社に立ち寄ります。
国道258号線太田交差点。交差点の手前の美濃街道沿いに、右の標識があります。「桑名16㎞ 大垣23㎞」と書かれています。大垣まではかなり距離があると思っていましたので、けっこう近いものなのだなというのが、この標識を見たときの印象。
最後の立ち寄り先である杉生(すぎお)神社。南側の参道が、社の正面ですから、こちらが表参道と思います。御祭神は、須佐之男命。創建年月は不詳ですが、この郷は元多芸郡河戸庄太田郷と称し、建久元(1190)年、当時上野河戸に居を構えた平家の士・河戸七郎が社殿を造営したといいます。ちなみに、河戸七郎については、次のようなエピソードがあります。海津市南濃町上野河戸にかつて、平治元(1159)年頃、河戸七郎によってつくられた河戸城(こうずじょう)という城がありました。河戸城は河の関所と呼ばれて、かなり重要視されていたそうです。その守りを任されていた河戸七郎は、平家の者でありながら平治の乱では、敗れて柴船に乗って落ちてゆく源義朝(源頼朝の父)を、調べもせずに見逃してやったといいます。そのため、建久4(1194)年、源頼朝が平氏の残党を追悼した際、河戸七郎は見逃されています。この話、どこかで聞いたぞと思ったら、去年11月5日に参加したJRさわやかウォーキング「地酒と文化に触れる蟹江町散策」で訪ねた源氏塚公園でのエピソードとつながりました(2022年11月5日:20221105JRさわやかウォーキング「地酒と文化に触れる蟹江町散策」(一回完結))。源氏塚公園のあたりは、平安時代の末期ころは海だったそうです。平治元(1159)年、平治の乱で平清盛に敗れた源義朝一行が、東国に落ちに延びる折、美濃の国⻘墓(現在の大垣市⻘墓)から養老、荷の上を通り、内海の庄野間へ船で向かう途中、ここにあった⼩島にしばし船を⽌め休息し、蟹江の漁⺠のもてなしを受け、漁船により内海に送り届けられたという話。
さらなる余談。河戸城は、海津市にある日本武尊の杖衝坂あたりにあったそうです。杖衝坂といえば、四日市市采女と思っていたのですが、このあたりにもそういう話があったとは、まったく知りませんでした。海津市南濃町上野河戸にも「日本武尊の杖衝坂」があると伝わっています。海津市のWebサイトの説明では、日本武尊の杖衝坂とは、日本最古の歴史書「古事記」に日本武尊が伊吹山で冷たい氷雨に合い重病になり、養老山地の東側にあった伊勢街道を通って故郷・大和国に帰る途中、このあたりが急な坂道だったので杖にすがりつきながらあえぎあえぎ進んだという言い伝えのある場所だとなっています。南濃町上野河戸は、養老鉄道美濃山崎駅の北西にあります。次のときにできれば立ち寄ることにしましょう。写真は、こちらからお借りしました。
杉生神社の話に戻ります。上述のように、平治元年頃、河戸七郎によってつくられたとされますが、元々は、太田郷総社と言われましたが、度重なる戦乱や水害等によって記録は少なく、わずかに残る棟札等に「元久元暦甲子卯月(1204年)」「永録元年戊午葵月(1558年)」等の年号が記されているといいます。
境内には、八幡神社(ご祭神:誉田別命(応神天皇))、春日神社(ご祭神:建御賀豆智神外三柱神)、住吉神社(ご祭神:上筒男神外二柱神)、津島神社(ご祭神:素盞男命)、山神神社(ご祭神:大山祇神)も祀られています。
こちらは、「柑橘翁伊藤東太夫碑」。明治10(1877)年、みかん苗木200本余りを和歌山より購入し、急斜面を開墾してミカン園をつくり、同村石津地区の特産となる南濃みかん栽培の基礎を作ったのが、伊藤東太夫(弘化3(1846)~大正6(1917)年、明治~大正時代の殖産家)。その業績を讃える石碑が、大正9(1920)年、地元有志により、杉生神社境内に建立されたものです。伊藤は、ここ美濃太田村の庄屋から太田戸長となりました。
東参道には、ケヤキの大木があり、ご神木になっています。岐阜県天然記念物にも指定されています。樹齢800年以上といい、樹高約25m、根元幹周囲約6.2m。このほか、海津市天然記念物のヒトツバタゴ(通称、ナンジャモンジャ)もあったのですが、見逃しました。余談ですが、東参道から杉生神社にお参りするには、養老鉄道の踏切を渡っていかなければなりません。養老鉄道沿線の寺社には、こういうところがたくさんあります。寺社があるところに鉄道を後から通したということです。
ゴールの養老鉄道石津駅には、12時半少し前に到着。多度駅からは2駅。7.8㎞を3時間あまりで歩いた計算(途中、八幡神社で小休止しましたから)。12時34分発の桑名行き普通に乗車。桑名には、12時58分着。¥420。
今日は途中、食堂も、コンビニも1軒もないルートでした。弁当を買っていってどこかで食べようかとも思ったのですが、寒風吹きすさぶ中、冷えた弁当を食べるのもどうかということで、結局、昼食は、桑名に着いてから。何回か行った目利きの銀次に行こうと思ったら、営業していません。そこで、桑名一番街にあるエンシュウヤで、日替わりランチ。¥750。昭和の雰囲気が残る店で、賑わっていました。
Google Fitによるこの日のトータルの歩行距離と歩数。11.9㎞は、過大評価のような気もします。歩数は、18,773歩ですが、「からだメイト」で見ると20,000歩を超えていました。今日のハイライトは、「ブッシュ・ウォーキング」だなぁと同級生K氏と話していました。
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