20221029JRさわやかウォーキング「伊勢鉄道線開業35周年記念 歴史と文化に触れる鈴鹿市を再発見!」(その2)……常夜灯2基、神戸の見附跡、観音寺、龍光寺、神戸宗社、神戸城跡を経て伊勢鉄道・鈴鹿駅にゴール(完) ……
10月29日のJRさわやかウォーキング「伊勢鉄道線開業35周年記念 歴史と文化に触れる鈴鹿市を再発見!」の本編その2です。その1では、河曲駅を出発して、高岡城跡まで来ました。ルートマップは、その2の途中です。高岡城跡を西に回って下り、関西線を超えて、鈴鹿川を高岡橋で渡ります。渡ったところに階段付きの常夜灯。
高岡橋を渡っている途中で見た、鈴鹿川の上流方向。良い天気で気持ちが良い景色が広がっています。橋の途中で振り返ると、先ほど訪ねた高岡城跡にある休憩所が高岡山の中腹に見えています。
橋を渡り終え、鈴鹿川に沿って少し上流方向に戻ると、階段付きの常夜灯があります。この常夜燈には、点火用の階段がついているのです。「太神宮常夜燈」「国土安穏」などと刻まれています。文化4(1807)年の建立。よほど高い常夜灯でないと、点火用の階段は付いていません。階段部分は傷んでしまったようで、平成11(1999)年に修復されています。「平成十一年十月吉日修復 大泉源之」とありました。
この先は高岡町内の旧伊勢街道を進んでいきます。水田地帯。「みえの歴史街道」の伊勢街道のマップの説明には、このあたりは「古代条里制の面影が残り、一直線に進んでいる」という説明があります。条里制とは、7~8世紀頃、全国的に平野部を区画した地割のこと。幅六町(約654メートル)の直交する条と里(り)によって、大区画を作り、これで囲まれた正方形の各辺を六等分した幅一町の線で面積を36等分します。この一辺一町の小区画が面積一町で、これをさらに長地形、半折形に10等分して一段になります。
この辺から実際に歩いたルートマップは、その3へ。7㎞を過ぎると、十宮(とみや)の常夜灯、さらにその先に神戸の見附跡。近鉄鈴鹿線を終えて行きます。
こちらが、十宮の常夜灯。文化14(1817)年に建立されたもの。大正9(1920)年に再建されています。十宮村三軒屋の入り口にあります。去年の「歩いて伊勢参りウォーキング」のとき、ここで、同行のK氏が、「常夜燈の内側はどうなっているんだろう?」と尋ねてきたのを覚えています(2021年7月19日:20210717「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第5回「日永の追分~鈴鹿・神戸」(その2)……鈴鹿市に入り、階段付常夜燈や神戸見附跡を訪ねる)。このときは、暑い中を歩いていましたっけ。
続いて、神戸の見附跡。草ボウボウで、ちょっと興ざめ。去年は、ここで小休止していました。伊勢街道の両側に土塁と石垣を築いたものが残っています。ここが神戸宿の入り口。町の治安を守るために番人がいて、夜間遅くには木戸を閉じて通行を禁じたといわれています。街道の両側の石垣には木戸の柵を支えた溝が今も残っています。右の写真にある神社の社号標は、阿自賀神社(あじか)のもの。ここから東へ300mほどのところにあります。
神戸の町には、まだ古い建物が残っており、城下町、宿場町の雰囲気が味わえます。卯建が上がった家もたくさん残っています。神戸見附跡のすぐ先に、創業250年以上の旅館加美(かみ)亭があるのですが、今回は気づかずに通過してしまいました。
ルートマップは、早くもその4へ。鈴鹿市駅の西で近鉄鈴鹿線を越え、神戸小学校のところで六郷川を渡ります。札の辻を経て、観音寺に寄り道をしてから、龍光寺へ。龍光寺の隣に神戸宗社がありましたので、ここにも立ち寄り、神戸城跡へ。神戸城跡が、この日の最終目的地。昼食を摂ってから、ゴールの伊勢鉄道・鈴鹿駅に向かいます。このあたりは、以前に来ていますので、それらの記事もご覧ください(2019年5月13日:20190504近鉄ハイキング「お伊勢さん参りハイキング 昔も今もお伊勢参り~旅4日目~伊勢街道、旅人気分で伊勢平野の鈴鹿から海運で栄えた白子へ」(その1)……近鉄鈴鹿市駅をスタート、2019年5月14日:20190504近鉄ハイキング「お伊勢さん参りハイキング 昔も今もお伊勢参り~旅4日目~伊勢街道、旅人気分で伊勢平野の鈴鹿から海運で栄えた白子へ」(その2)……ようやく神戸城跡にたど、2021年7月20日:20210717「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第5回「日永の追分~鈴鹿・神戸」(その3)……神戸の町を歩いて、鈴鹿市駅へゴール(完))
六郷川にかかる大橋。このあたりは、かつては神戸藩士の水練場であったといいます。今では、こんなところで泳げたのか、という気がするくらいの流れです。
大橋の先に札の辻。油伊(あぶい)旅館のところ。神戸藩の高札場がありました。油伊旅館の前には、里程標と道路元標があります。右の写真で背の高い石碑が里程標で、その根元にある小さいものが道路元標。どちらも大正3(1914)年の建立です。
次の目的地である龍光寺の手前に補陀落山長徳院観音寺があり、ちょっと気になりましたので、立ち寄り。浄土宗。開創は鎌倉時代で、真言宗でした(開創年は不明)。元亀元(1570)年、三蓮社休波観愚老和尚により浄土宗に改宗。神戸城主・本多候が神戸に就封以来、その菩提寺となり、本多氏歴代の位牌が納められています。境内には立派な松の木が2本。向かって左も、以前は大きな松の木だったようで、根元に写真が展示してありました。
境内には、本多家2代藩主・忠永公の徳をたたえた「思徳(しとく)の碑」があります。忠永公は、兵法と文学に長けた半面、情けの深い武士で領民の信頼を一身にあつめたといい、領民が慕い頼る様子を見た5代目忠升公が、文化14(1811)年、ここに建てたもの。右の写真は、境内にある位牌堂。
続いて、天澤山龍光寺(りょうこうじ)。臨済宗東福寺派別格地という寺格を持っています。ここは、「神戸の寝釈迦」で有名です。京都東福寺の画僧、吉山明兆(きっさんみんちょう)が描いたといわれる日本三幅の一つの大涅槃図(16畳敷きもあるそうです)が開帳されます。一度は拝観したいと思っているのですが、まだかなっていません。龍光寺を初めて尋ねたのは、近鉄ハイキングの「御伊勢さん参りハイキング」の時でしたが、そのときは、たまたまコースミスをしでかして、立ち寄ってしまったのです(2019年5月13日:20190504近鉄ハイキング「お伊勢さん参りハイキング 昔も今もお伊勢参り~旅4日目~伊勢街道、旅人気分で伊勢平野の鈴鹿から海運で栄えた白子へ」(その1)……近鉄鈴鹿市駅をスタート)。詳細は割愛しますので、詳しくはこのリンク先をご覧ください。
龍光寺の隣に神社がありました。その名は知っていたのですが、ここにあるとは思わず。神戸宗社でした。正式には、神館飯野高市本多神社(こうたついいのたかいちほんだじんじゃ)。ご祭神は、天照皇大御神。相殿神は、豊受皇大御神、高御産巣毘神大御神、本多忠統公など21柱(リンク先をご覧ください)。「鈴鹿市史」によれば、神館、飯野、高市の3社を合祀し、神館飯野高市神社と称し、俗に神戸宗社と呼んでいるといいます。垂仁天皇の御代、倭姫命が巡行された折、この地にしばらく滞在された宮所と伝わっています。そのため「神舘」という名前になっていると思われます。飯野神社、高市神社、本多神社を合祀していますので、ご祭神が多数いらっしゃるということでしょう。神戸宗社でも、石取祭が行われます。
神戸宗社で目立ったのは、ご神木。2本のムクノキ。樹齢は不詳ですが、かなり高くそびえています。令和2年に樹木保護事業の助成を受けて、樹勢回復事業が実施されたそうです。神戸宗社も興味があるところでしたので、尋ねられて良かった(微笑)。
さて、最終目的地は、神戸城跡。江戸時代には神戸藩の藩庁が置かれていました。神戸氏4代の神戸具盛が天文年間(1532~1555年)に築城したのが始まりです。永禄11(1566)年の滝川一益の侵攻に和睦し、養子にうけいれた織田信長の三男神戸信孝により、より強固に修築されます。その後、城主は度々代わり、関ヶ原の戦い以降は一柳氏(ひとつやなぎうじ)が5万石で入りました。天領となった時期もありましたが、慶安3(1650)年には石川総長(いしかわふさなが)が1万石で当地に封じられ、さらに、享保17(1732)年には本多忠統(ほんだただむね)が2万石で封じられ、城を修築し入城し、これ以降明治維新まで、本多氏7代が居城として用いました。現在城の中心部は神戸公園となり、二の丸跡には、三重県立神戸高等学校が建てられています(詳細については、20190504近鉄ハイキング「お伊勢さん参りハイキング 昔も今もお伊勢参り~旅4日目~伊勢街道、旅人気分で伊勢平野の鈴鹿から海運で栄えた白子へ」(その2)……ようやく神戸城跡にたどをお読みください)。
本丸には自然石をそのまま積み上げた野面積みの天守台があり、ここに神戸信孝により5重6階の天守が築かれました。北東に小天守と南西に付櫓がある複合連結式の天守であったといいます。しかし、天守は、文禄4(1595)年に解体され、桑名城に三重櫓として移築され、「神戸櫓」と呼ばれました。その後、江戸時代を通して、天守閣は造られませんでした。これでこの日の目的地は、コンプリート。ゴールの伊勢鉄道・鈴鹿駅に向かいます。
ちょうど12時を過ぎた頃。どこかで昼食をということですが、最初に行こうと思ったラーメン屋さんは、店の外まで行列。「並んでいるというのは美味しいのだろうけど、並んでまで食べるのはどうも」と思い、京都北白川 ラーメン 魁力屋 鈴鹿矢橋店へ。特製醤油味玉ラーメン、¥869也。京都背脂醤油を使っているということで、脂っこいかと思ったら、案外サッパリしていて、美味しくいただきました。
ゴールの伊勢鉄道・鈴鹿駅には13時過ぎに到着。ここまで、現地では11.3㎞を歩いてきました。JRさわやかウォーキングのスタンプカードを持っていたのですが、その期限が実は、2020年11月29日。コロナ禍で延長されたものの、この10月末で期限切れ(こちら)。スタンプは、今回を含め8つになったのですが、賞品をもらえる10個には至らず。やむなくWebアプリの会員申し込みをもらってきました。帰宅して、早速、新規登録を済ませました。次回からは、Webアプリで参加します。
ゴール受付で伊勢鉄道の「鉄カード」をいただきました。”JR東海さわやかウォーキング「伊勢鉄道線開業35周年記念 歴史と文化に触れる鈴鹿市を再発見!」のゴールとなる伊勢鉄道鈴鹿駅にて、同ウォーキングを踏破された方先着500名様に、伊勢鉄道開業35周年を記念した「鉄カード」を配布します”というレア・アイテムです。
鈴鹿駅発13時6分の四日市行き普通に乗車。窓口でJR桑名駅までの切符を買ったら、これが硬券でした(右の写真)。四日市駅に13時19分着。13時26分発の快速みえに乗り換えて、桑名駅には13時37分着。¥640。
14時に帰宅。この日の歩数は、左の写真のように、23,450歩。歩いた距離は、Google Fitによれば、15.16㎞ですが(右の写真)、キョリ測で計ると、現地では11.3㎞、自宅から桑名駅往復が2.2㎞ですから、13.5㎞。
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