雨読の日は、博物館で工芸鑑賞と郷土史の勉強
予報通り、朝から雨になっています。モットーの通り「晴歩雨読」で、今日は、雨読の日。なのですが、桑名市博物館で開催されている“特別企画展「華ひらく近代工芸の美−板谷波山と香取秀真−」”を見てきました。会期が次の日曜日までと迫っていて、見逃しかねなかったからです。
この特別企画展で取り上げられている陶芸家・板谷波山(いたやはざん/明治5(1872)~昭和38(1963)年)と鋳金家・香取秀真(かとりほつま/明治7(1874)~昭和29(1954)年)は、日本の近代工芸界を牽引した第一人者で、昭和28(1953)年には工芸家として初の文化勲章を2人同時に受章した方たちだそうです。「だそうです」というのは、私は工芸にはほとんど詳しくないのです。というより、正直に書けば、工芸には絵画などほどの関心がありませんでした。板谷波山は、日本の近代陶芸の開拓者であり、香取秀真は、鋳金工芸作家、歌人であると同時に、学問としての金工史を確立し、研究者としても優れといいます。
この展覧会では、両者の珠玉の名品が見られるとともに、波山に師事した桑名の陶工・加賀月華(明治21(1888)~昭和12(1937)年)や、秀真と親交のあった多度の郷土史家・伊東富太郎(明治9(1876)~昭和33(1958)年)などの桑名地域との関わりも紹介されています。加賀月華は、大正11(1922)年より桑名の物産として知られていた万古窯の再興を図り、地元の赤須賀に築窯して古万古の作風を受け継ぎました。左の写真は、加賀月華の「葆光彩磁唐華文花瓶(ほこうさいじからはなもんかびん)」。「葆光彩磁」は、板谷波山が編み出した技法で、艶消しの効果によって霧が立ちこめたような幻想的な釉調が得られるといいます。伊藤富太郎は、七取郵便局長や村長を務めるなど公職を歴任するかたわら、郷土史・金工史の研究者として全国の研究者と交流するなど多度地域に留まらず、全国的にも知られる存在だったそうです。この特別企画展は、11月27日(日)まで。
博物館に出かけた以外は、先日の市民大学郷土史学科の講義内容のまとめを少しずつ行っています。先日は、長嶋一向一揆の話も含め、お寺の話でした。配付されたレジメとノート(左の写真)をもとに、「桑名市史 本編」(右の写真)などを参考にボチボチとやっているところ。
という次第で、雨読の日は、博物館で工芸鑑賞と、郷土史の勉強。諸戸氏庭園の紅葉は、雨に濡れて一段ときれいに見えます。秋の特別公開が12月4日(日)まで。こちらにも出かけて紅葉を見てきたいと思っています。
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