20220924笠寺ウォーキング(その3)……法性寺、笠寺公園で見晴台考古資料館、住居跡観察舎、笠寺高射砲陣地跡、きんさん桜・ぎんさん桜、笠寺一里塚跡、七所神社を巡る(完)
9月24日に行ってきた「笠寺ウォーキング」の本編その3です。その2では、長楽寺から少しだけ東海道を歩いて笠寺観音へお参りしました。実際に歩いたルートマップその2の途中です。その3では、法性寺から笠寺公園に向かいます。笠寺公園では、まず、見晴台考古資料館、住居跡を見て、笠寺高射砲陣地跡ときんさん桜・ぎんさん桜と廻り、東海道に残る笠寺一里塚跡へ。ここからルートマップはその3になります。
笠寺観音を出て笠寺公園に向かいます。いったん坂を下ってまた登ります。下り坂の途中に法性寺。真宗高田派のお寺。調べたら、ご本尊は「善光寺式阿弥陀三尊」とありました。浄土真宗のご本尊が阿弥陀如来であることは知っているのですが、不勉強にしてこれはよく知らず。日本最古の仏像と伝承される、信州善光寺の本尊を模した一光三尊形式の阿弥陀如来像のことで、善光寺式如来とも呼ばれるそうです。鎌倉時代以降に日本各地で盛んに制作されたといいます。
笠寺観音のあたりと同じく、笠寺公園は、標高15mほどの高台になっています。上述のように笠寺観音からいったん下って、また登るとそこに名古屋市見晴台考古資料館があります。ここは、見晴台遺跡(みはらしだいいせき)と呼ばれ、弥生時代後期を中心とした環濠集落の跡です。資料館には、見晴台遺跡に関する史料の展示や、調査研究を行っています。
資料館の南に「住居跡観察舎」という建物がありました。弥生時代の竪穴住居跡を見ることができます。この建物が建っている場所を発掘調査した際にみつかった遺構を、特殊な樹脂で固めて剥ぎ取り、遺構に砂をかけ埋めもどした後に、ほぼ同じ場所にかぶせたものだそうです。
住居跡観察舎を出て、笠寺公園内を歩くと、資料館や観察舎の裏手(東から南東)にかけて、「笠寺公園高射砲砲座(かさでらこうえんこうしゃほうほうざ)」があります。太平洋戦争中、ここには高射砲陣地があり、これは高射砲を据えていた砲台の跡です。6基あったもののうち、2基が残っています。
少し離れたところには、砲側弾薬庫(ほうそくだんやくこ)の跡があるのですが、雑草が生い茂ってほとんど見えなくなっていました。
これは、以前訪ねたときに撮った写真(2019年2月17日:20190203JRさわやかウォーキング「節分の尾張四観音・笠寺観音と旧東海道めぐり」へ(その2)……笠寺観音、名古屋市見晴台考古資料館、笠寺公園、きんさん桜・ぎんさん桜)。愛知県は軍需工場と熱田神宮があるため、いくつかの高射砲陣地が造られ、また、本土防空は陸軍の担当なので、笠寺陣地は陸軍の施設であったといいます。なお、見晴台考古資料館には、この陣地から見つかったという、アメリカ軍爆撃機B29のジュラルミン破片が常設展示されていました。
笠寺公園の東側エリアには、「きんさん桜・ぎんさん桜」が移植されています。「きんさん・ぎんさん」は、あの100歳ご長寿で有名な、双子の長寿姉妹、故成田きんさん(享年107)、故蟹江ぎんさん(享年108)。お二人は生前南区にお住まいで、この長寿桜(岐阜県根尾村(現本巣市)から植樹された、樹齢1,500年といわれる淡墨桜)の若木植樹されたのです。以前は、南区役所にあったものが、平成25(2013)年にここ笠寺公園に移されたのです。が、しかし、ここも雑草に埋もれてしまっていて、かなり残念。左の写真がきんさん桜、右の写真がぎんさん桜。
笠寺公園から南に下りますと、旧東海道に行き当たります。スタートから4㎞の少し手前に笠寺一里塚跡があります。 名古屋市内には、かつて9ヶ所の一里塚があったそうですが、現在残っているのはここのみ。ここも、かつては、一対の塚で、道を隔てた南側に大正時代まで塚があったそうです。江戸・日本橋からは、88里にあたります。この一里塚の上にはエノキが植えられています。また、塚にはたくさんのヒガンバナが咲いていました。写真は、南側から撮っています。塚に向かって左の道が、旧・東海道。
続いて、この日最後の目的地である七所神社(ななしょじんじゃ)に向かいます。笠寺一里塚跡からは1㎞弱。笠寺精治療病院のところからぐるっと住宅街を回っていきます。御祭神は、日本武尊、須佐之男尊(すさのおのみこと)、宇賀魂命(うがみたまのみこと)、天穂日尊(あめのほひのみこと;天照大神の子。天孫降臨に先立って、葦原の中つ国に遣わされたものの、大国主命に味方して復命しなかった)、天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと;瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の父。天照大神と素戔嗚尊が誓約(うけい)をしたときに生まれた神)、乎止与尊(おとよのみこと;天火明命の子孫で尾張氏の十一世。尾張国造となった)、宮簀比売尊(みやずひめのみこと;日本武尊の妃。尾張の豪族の娘)の七柱。そのため、七所神社と呼ばれます。
天慶3(940)年に、平将門の乱を鎮める祈願のため、熱田の宮の神々を勧請したと伝わっています。確かに、御祭神は、熱田神宮に関わりが深い神様が多くなっています。将門の乱は、平安中期、関東に起こった内乱です。平将門は、天慶2(939)年、常陸・下野・上野の国府を占領し、一時関東を支配下において新皇を称したのですが、天慶3(940)年、平貞盛・藤原秀郷らに討たれています。同時期に瀬戸内海で起こった藤原純友の乱とともに承平・天慶の乱といいます。
境内には熱田神楽の正統を継承してきた「神楽師の碑」があります。熱田神楽は、愛知県の尾張・西三河地方に伝わる巫女神楽の一種で、熱田神宮内で行われていたものがこの地域全体に広まったのだそうです。碑表には、「熱田神楽師 宗家 荒川関三郎師 稲熊代三郎師 壽碑」とあります。昭和27(1952)年の建之。この年、荒川関三郎氏は56歳、稲熊代三郎氏は58歳でした。碑にある荒川関三郎(あらかわせきさぶろう、明治30年生まれ)は、4代目宗家を名乗り、多くの弟子を育てたそうです。碑陰の文章は、次のリンク先にあります:神楽師の碑。
ちなみに、ここの境内にも秋葉社がありました。「新町秋葉社」とあります。
これで、この日の目的地は、コンプリート。環状線を越え、名鉄名古屋本線本笠寺駅に向かいます。ほとんど意味をなしませんが、実際に歩いたルートマップはその4。マップを見るとよく分かりますが、本笠寺駅は、笠寺観音からすぐ近く。駅の東の方をぐるっと一回りしてきたという感じです。
本笠寺駅前に着いたのは12時半頃。例によって昼食ということで店を探しました。まず目についたのはうなぎ屋さんでしたが、これが小丼のうな丼でも¥1,980。手が出ません(苦笑)。その先の「珈琲ミハル」へ。創業60年を超えている、まさに昭和風の喫茶店。昭和のオッサンであるわれわれにはこちらの方がぴったり(苦笑)。和風ハンバーグランチ、コーヒー付きで¥850。
食事を済ませ本笠寺駅に着いたのは、13時20分過ぎ。現地で歩いたのは5.7㎞。本笠寺駅を13時30分に発車する犬山行き普通に乗車し、名鉄名古屋駅には13時46分着。14時1分の松阪行きの近鉄急行に乗り換え、近鉄桑名駅には、14時22分着。電車賃、名鉄は往きと同じく¥300。桜と本笠寺は隣の駅。今日は1駅分を歩いたのみなのです。近鉄の名古屋~桑名の料金は¥450。
帰りに柿安シティホールに立ち寄って、ご近所の方が関わっておられる全日写連桑名支部の写真展を見てきましたので、自宅から桑名駅往復、この日は2.8㎞。今日歩いたのはトータルで8.5㎞、歩数は16,636歩でした。次回は、10月に入ってから桑名市内のウォーキングを計画中。
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コメント
Mライトさん、こんばんは。
散歩は今の時期、2時間半くらいです。
そのうち1時間ほどは、いつも行く九華公園で鳥を見ています。
秋になってきましたので、見られる鳥も増えています。
本格的なバーダーさんにいわせると「普通種」といわれる鳥がほとんどですが……。
年間のトータルの散歩距離は1,500㎞を超えます。
普段、平地を歩いていますから、たまに9階まで階段を上りますと、さすがに息が切れます(笑)。
投稿: mamekichi | 2022年9月30日 (金) 18時05分
こんばんわ ご無沙汰してました~
これだけの鳥を撮るのは 簡単じゃ
ないのでしょうね 足を 時間を使って
探さないと、宝物の健脚ですよ
9階まで階段だなんて。
投稿: Mライト | 2022年9月30日 (金) 17時38分