下載清風
下載清風。「あさいのせいふう」と読むそうです。フォローしている「示玄」というブログの記事にありました。「碧巌録(へきがんろく)」の四十五則にある「如今放擲西湖裏、下載清風付与誰」から来ているようです。読み下すと「如今放擲西湖の裏、下載の清風誰にか付与せん」。すなわち、「重荷下ろして、清風を味わおう」というということだとか。臨済禅黄檗禅の公式ネットによれば、「今はすべてのものを西湖に捨ててしまった。軽くなって浮かび上がった船に、一陣の清風が吹いてくる。この涼風を誰かに分けてやりたいものだ。悟りを得て、煩悩の煩わしさから完全に解放された人の、爽やかな心境を言う」ことだとあります。
ちなみに、碧巌録は、碧巌録は、中国宗代の禅文学の典籍。〈伝灯録〉の1,700則の公案の中から、雪竇重顕(せっちょうじゅうけん)が100則を選び、これに圜悟克勤(えんごこくごん)が垂示・評唱・著語を付したものだそうです。北宋の1125年に完成したものの、一時、顧みられなかったのですが、元代から臨済宗で重用されるようになりました。
また、こちらのサイトには、次のように書かれていました。
昔、中国では東南の風を上載といい、西北の風を下載といわれたと聞くが、また、荷物を積んで銭塘江を上がるを上載といい、荷物を下して江を下るを下載ともいわれるのだともいう。いづれにせよ荷を積み流れに逆らって船を走らせる苦労があればこそ、清風を受けて快適に下る心地よさがあるのだ。
徳川家康の格言として知られる「人の一生は重荷を負うて 遠き道を行くがごとし」のように人は皆いろいろなことを背負って生きていることである。
しかし、そんな俗界のしがらみも、迷いも囚われもすべて放擲してしまったときにこそ新しい人生、別天地が開けてくるらしいのだというのが、「下載の清風」の語の意図である。ところが、自らもそうだが、人様には無駄なもの余計なものは捨てなさいと言いながら、また拾って歩く自らがある。
修行して悟りを得れば悟りにとらわれて、後生大事に持ち歩く御仁もおられる。下載の清風を感じられる人生でありたいものである。
示玄さんは、「積み荷を降ろし軽くなった船は清風に乗って軽やかに進む。空を飛ぶならグライダー、年金暮らしはプロペラを回して進む燃料はない、そう降ろすのは心の荷物。いい風を待とう・・・そんな一日がまた暮れた」と書いておられます。これは、一つの心境だと感じ入った次第。まったく個人的には、私のモットーの一つである「淡々として飽きもせず……」に通じるものがあるか、と勝手に思っています。
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コメント
Mライトさん、こんにちは。
ツバメのヒナ、あっという間に大きくなりました。
親は公平にエサを与えているのかどうか、分かりませんが、皆ほぼ同じくらいの大きさに見えます。
もう1週間くらいで巣立つと思いますが、巣立ちのシーンはなかなか見られません。
ずっと見ていてもいいのですが、「不審人物」になりかねませんし(笑)。
投稿: mamekichi | 2022年5月28日 (土) 16時36分
こんにちわ~
いいのが撮れましたね ツバメの雛さんたち
大きな口あけて ここでもう生存競争始まってる
のでしょう 成長度合いに関わりますから。
兄弟だからと 餌も平等にとはならない
その雛のお腹が満腹になれば別でしょうけど。
無時 巣だってくれたらいいですね。
可愛い~~~です。
投稿: Mライト | 2022年5月28日 (土) 15時57分