「心理検査のフィードバック(熊上崇・星井純子・熊上藤子著)」のご紹介
このたび、図書文化社から、藤田和弘・熊谷恵子両先生の監修で、「心理検査のフィードバック(熊上崇・星井純子・熊上藤子著)」(¥3,080)が刊行されました。過去には、保護者、学校の担任、子どもたち自身に知能検査の結果を伝えることはされていませんでした。当時は、それが「常識」だったのです。しかし、現在では、保護者の方や、学校の担任の先生にだけでなく、苦戦している子どもたち自身にも検査結果(アセスメント情報)をフィードバックするようになってきています。それは、子どもたちが、自分のことを理解し、大人の支援を受けながら、自分なりにも工夫して、学習や生活スキルを向上させ、将来の自立と社会参加につなげられるようにと考え方が変わってきたためです。私も、相談では、お子さんに直接フィードバックを行い、子どもたち自身が自己理解を深め、意欲的、積極的に取り組めるようにしています。
出版社のサイトには、本書の特色などが次のように紹介されています:
本書の特色
1)本書のねらいは,WISC-ⅣやKABC-Ⅱなどの知能検査の結果(アセスメント情報)を「子どもの自立と社会参加」により役立つものにしていくことです。
2)フィードバックシート(報告書)とフィードバック面接のモデルと事例を対象となる子どもの発達段階(乳幼児期・学齢期・青年期)に応じて提示しています。
3)検査の専門用語を,検査の非専門家である子ども・保護者・学校教員等に「誤解なく正確に」「役に立つように」表現することをめざしてアイデアを示しています。子どもと支援をつなぐ! 支援者がつながる!
「長所活用型指導」に基いて、子どもたち自身が、自分の強みがわかるようなフィードバックをしようという理念に基づいています。また、報告書作成に役立つ「専門用語の解説ページ」もあり、それは検査の入門ガイドにもなると謳われています。
章立ては、次のようになっています:
■序 章■ 保護者・教員等は検査結果に何を期待しているのか
■第Ⅰ部■ 基礎知識編
第1章 フィードバックの定義と倫理第2章 フィードバックの基礎知識
第3章 フィードバックとチーム支援
第4章 フィードバックの変遷と海外動向
■第Ⅱ部■ 実践編
第5章 検査前の相談(インテーク)と情報共有第6章 フィードバックの報告書と面接の基本
第7章 フィードバックの実際
*8事例が呈示されています
■第Ⅲ部■ 用語編
第8章 説明のための用語集■巻末資料■
1 フィードバックに関する研修プログラム
2 フィードバックQ&A
事例執筆をなさった後藤勝弘先生(三重K-ABCアセスメント研究会)からご恵贈頂きました。記して感謝を申し上げます。
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