20220205東海道ウォーキング(日永の追分~加佐登)(その1)……四日市あすなろう鉄道・追分駅から、三寺めぐりを済ませ、内部川へ
2月5日に行ってきた「東海道ウォーキング(日永の追分~加佐登)」の本編その1です。昨年は、同級生K氏と、17回に分けて桑名・七里の渡し跡から伊勢神宮・内宮まで歩いて参拝しました(2022年1月5日:2021年「東海道・伊勢街道歩いて伊勢参りツアー」のまとめ)。「今年はどうしようか?」と考えた結果、まずは、四日市の日永の追分から関宿あたりまで東海道を歩こうとなりました。私自身、部分的には歩いたことはあるものの、この区間を通して歩いたことはありませんでした。この東海道ウォーキングも、同級生K氏と二人旅。初回のこの日は、四日市・日永の追分から杖衝坂を上り、石薬師宿を通って、庄野宿の手前の鈴鹿・加佐登まで東海道を歩いてこられました。桑名のアメダスデータでは、最低気温は0.5℃、最高気温は7.0℃。時おりかなり雪が降っていたようですが、現地では、雪が北西の風によってたまに流れてきたくらいで、おおむね好天でした。冒頭の写真は、今回のコースのハイライトである「采女の杖衝坂」。日本武尊が、伊吹山の荒神を討伐しての帰途、疲れて杖をついて歩いたと伝えられるところ。右の画像は、今回のコース全体のマップ。
こちらが詳しいコースマップその1。四日市あすなろう鉄道・追分駅をスタートします。追分駅のすぐ北東に日永の追分があります。ここが、東海道と伊勢街道との追分。七里の渡し跡からここまでは、去年の「歩いて伊勢参りツアー」で来ています。追分駅からすぐ旧東海道に入り、1㎞あたりで大蓮寺、観音寺、願誓寺と寺めぐり。少し行くと小許曽(おごそ)神社がありますが、今回はパス。内部川を渡って、杖衝坂方面へ向かいます。
桑名駅を8時22分に出る伊勢中川行き急行に乗車。近鉄四日市駅で下車。¥300。四日市あすなろう鉄道の8時59分に出る普通・内部行きに乗り替え。追分駅には、9時12分に到着。¥270。写真が、追分駅。前にも載せましたが、だまし絵が書かれていて、こにゅうどうくんが飛び出して見えます。
ここまで乗ってきた電車。「シースルー電車」とあります。内部方向の1両目の車両の床の一部に縦約16cm×横約67cmの強化ガラス窓3枚が設置されていて、ここから枕木や道床、車輪が動く様子が見られるのです私は、3年前にも乗ったことがありました(2019年3月9日:20190302近鉄ハイキング「ふるさとの味と春風を感じて悲劇の千奈美姫に想いを馳せる 四日市うつべのヤマトタケル・芭蕉の足跡を体感!」へ(その3)……普賢菩薩、采女八幡社、内部地区市民センター、うつべ町かど博物館から杖衝坂、芭蕉句碑、血塚社を経て内部駅へゴール(完)【スタンプを追加(3/9)】)。
車両内部にも、いろいろとあります。座席に取り付けられた持ち手はハート型。「つり革」にもこにゅうどうくんのオリジナルプレートが飾られ、名前が書かれています。これは、「つり革のオーナー」であることを示すもの。去年の8月1日から今年7月31日までの1年間、個人は¥13,000。合計100本限定だそうです。
追分駅をスタートしたのは9時15分。駅を出てすぐ左手から旧東海道へ。本当なら、日永の追分まで戻ってスタートすべきでしょうが、そこはまあご愛敬。このすぐ北の道は、今は県道407号線になっていますが、もともとは国道1号線でした。
寺めぐりの第1弾は、真宗高田派の米田山大蓮寺(よねださんだいれんじ)。当町南面に土岐代康(しろやす)氏が居城し、その跡に八幡宮を勧請し、祈願所を米田山珠寳法鎮寺(しゅほうほうれんじ)と号しました。その後、末弟真蓮阿闍梨が、当町の北面に寺院を建立し、米田山大蓮寺と号しました。当初は真言宗でした。戦国時代、寺院は焼失し狩り堂のままでしたが、長禄年間(1457~1460)年、専修寺第十世真慧(しんね)上人の教化に帰依し、真宗に改宗。寛正元(1460)年、高田の大蓮寺として開基されています。その時、真慧上人から恵心僧都宸筆の阿弥陀尊像を賜ったといいます。現在の本堂は、文化10(1813)年の再建、快慶作の本尊阿弥陀如来立像を安置しています。
続いて、慈現山観音寺。黄檗宗のお寺。黄檗宗は、禅宗の一派。承応3(1654)年に来日した明僧(みんそう)隠元が開祖。一時、臨済宗に合併したこともあるようですが、明治9(1876)年、臨済宗から独立しています。明朝の念仏禅を伝えていまです。この観音寺は、戦国時代、織田信長の兵火により焼失しましたが、村人たちが観音堂を建て、本尊の千手観音像を祀っていました。その後、元文2(1737)年、黄檗宗の僧・鎮堂が旅の途中、四日市で一泊した際、夢枕に現れた老人のお告げにより、この地に新しく寺を建て、観音寺としたといいます。村人たちによって兵火から守られた千手観音像は、今でも本堂に安置されており、頭体幹部は11世紀頃の作であろうといわれています。
山門は、四脚門方式(2本の親柱の前後にそれぞれ2本、計4本の控え柱を設けた門)で、屋根の両端に異国風の「魔伽羅(マカラ)(サンスクリット語で鰐)」が飾られています。これは黄檗宗特有のもの。この魔伽羅は、棟札によると、寛正12(1800)年におかれたものだそうです。
本堂を覗いてみたら、畳敷きではなく、土間になっていて、イメージでは中国風のお寺という感じでした(写真はうまく撮れませんでしたが、こちらにあります)。千手観音像(像高96cm)を本尊に左壇上には厨子に入った達磨像が、右壇上には同様に厨子に入った関帝像が安置されていました。
観音寺を出たところに小許曽(おごそ)神社の社号標があります。この奥に小許曽神社があり、写真にも鳥居が小さく写っています。写真で向かって右が観音寺。小許曽神社は、以前、別のハイキングで行きましたので(2019年3月7日:20190302近鉄ハイキング「ふるさとの味と春風を感じて悲劇の千奈美姫に想いを馳せる 四日市うつべのヤマトタケル・芭蕉の足跡を体感!」へ(その1)……塩浜駅をスタート、観音寺と小許曽神社へ【小許曽神社の記述を加筆修正しました(3/7)】)、この日はパス。ちなみに、現在、このあたりの地名は「小古曽」と表記されますが、神社の名前は「小許曽神社」。これで「おごそじんじゃ」と読みます。
先に進み、もう1箇所のお寺へ。米田山願誓寺(がんせいじ)。真宗高田派のお寺。先に尋ねた大蓮寺と同じ山号ですが、それもそのはず。この願誓寺の縁起は、大蓮寺のもとの寺であった米田山珠寶法鎮寺に始まります。末弟法柳(ほうりゅう)が米田山願誓寺として、現在の地に建立し、当初は真言宗だったといいます。寛正年間(1460年代)、専修寺第十世真慧(しんね)上人の教化に帰依し、真宗に改宗しました。第十世義道(ぎどう)上人の時に火災にあったものの、同上人は建築、彫刻にも長じており、その手により現在の本堂と庫裏が寛政4(1729)年に再興されています。本尊は阿弥陀仏。寺伝では、聖徳太子の作といいます。顔は後世、補修を受けていますが、頭から下部は古い姿を留めているそうです。ちなみに、願誓寺の前に服部泰次郎による小さな道標が2基あるとガイドブックには書かれていたのですが、見当たりません。最近、道路の改修が行われたようで、見当たりませんでした。
山中胃腸科病院のところで県道407号線を越え、内部川に向かいます。「歩いて伊勢参りツアー」のときもこの内部川を渡っています。その時は、1.4㎞ほど下流にある河原田橋をわたっています(2021年7月18日:20210717「東海道・伊勢街道歩いて伊勢詣りツアー」第5回「日永の追分~鈴鹿・神戸」(その1)……四日市あすなろう鉄道追分駅をスタートし、内部川を越え、河原田へ)。このあたりは、2019年3月2日の近鉄ハイキングでも歩き、采女城跡にも登っています(20190302近鉄ハイキング「ふるさとの味と春風を感じて悲劇の千奈美姫に想いを馳せる 四日市うつべのヤマトタケル・芭蕉の足跡を体感!」へ(予告編)……歩きも歩いたり、15.6㎞)。
内部橋を渡り切ったところで、階段があり、そこに「東海道」の案内があります。昔の東海道は、内部川に突き当たったところに采女橋がかかっていたのですが、それは今はありません。この階段を降りて、国道1号線の下をくぐったあたりが、旧東海道の道筋なので、このような変則的なルートになっているのです。
さらに小さい緑色の橋を渡って、国道1号線から左(南)へ分かれていくのが、東海道。すでに詳しいコースマップは、その2に入っています(右の画像)。コースマップはその2に入ってしまいましたが、内容的にはここで区切りがよいので、その1はここまで。その2は、杖衝坂の登り口にある金刀比羅宮や、うつべ町かど博物館から。
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