20211030「東海道・伊勢街道歩いて伊勢参りツアー」第13回「松阪駅~櫛田」(その2)……荒神山稲荷、信楽寺、神戸神社、庚申堂、常夜燈、地蔵尊から徳和駅へ
10月30日に歩いてきた「東海道・伊勢街道歩いて伊勢参りツアー」の第13回「松阪駅~櫛田」編のその2です。その1では、松阪駅をスタートし、和歌山街道との追分、龍泉寺、管相寺と回って、三角公園まで来ましたが、まだ、1.7㎞ほどしか来ていません。今回は、2㎞をかなり過ぎて、名古須川を渡ったところから。垣鼻町で荒神山稲荷、信楽寺、神戸神社から、庚申堂を見て、下村町に入って常夜燈、地蔵尊を見て、JR紀勢本線徳和駅へ。
名古須川を渡ってすぐ左手(東)に鳥居があります。ここが荒神山稲荷。地図によっては荒神山稲荷教会とあります。右の写真で、鳥居に向かって右手に石碑があります。「伊勢の國司遺跡 荒神山稲荷 斎藤昇書」とありました。伊勢国司とは、南北朝時代、南伊勢五郡(一志・飯高・飯野・多気・度会)を中心に勢力を保ち、南朝方を支えた戦国大名・北畠家のことです。さらに、斎藤昇は、三重県出身の政治家。参議院議員を4期務め、運輸大臣、厚生大臣などを歴任しています。
近鉄ハイキングでも訪ねていますが(2019年10月29日:20191027近鉄ハイキング「昔も今もお伊勢参り~旅10日目~伊勢街道、旅人気分で松阪から王朝ロマンをたどる斎宮跡へ」(その1)……早々に松阪牛の弁当と土産を買い、和歌山街道の道標、信楽寺、荒神山稲荷神社から神戸神社へ)。鳥居をくぐった先には広場と、古い2階建てのアパート。かなり古びた朱い鳥居の下に百度石。鳥居を潜って、先を見るとこれまた、かなり傷んだお社が、伸び放題の草木の奥にありました。北畠家ゆかりの神社としては、ちょっと残念な雰囲気。
荒神山稲荷から道を挟んで西に普照山信楽寺(しんぎょうじ)。天台真盛宗の寺。山門の隣に閻魔堂があります。信楽寺・閻魔堂とも、由緒などは説明板もなく、ネット検索でもこれという情報はなく、「信楽寺 天台真盛宗の名刹」とあるだけでした。ただ、県立松阪高校の総合学習のサイト(こちら)に「もと、この位置に法延寺という寺があり、奈良の大仏建立の時に建てられたが、源平の争乱で焼失し、その後再建されて今の信楽寺となった(夕刊三重「松阪の伝説」より)」とあります。閻魔堂(右の写真)には、けっこう色鮮やかな閻魔様が御鎮座。
信楽寺の山門に向かって右手には、仏足石が建っています。天明5(1785)年のもので、広瀬栄正寺の名僧・天阿上人が建てたといいます。伊勢街道マップには「仏足石は都市に近い村里では珍しい」とありましたが、私には、このような石柱になっている仏足石は他で葉見ていません。ちなみに、ネットで検索すると、「愛染寺の初代住持・天阿上人」がヒットしますが、この僧は1598~1674年の方で、仏足石の建立年とは一致しません。
信楽寺からほぼ100m先に神戸神社(かんべじんじゃ)。創始は不明ですが、いにしえよりここ、垣鼻町字里中の旧参宮街道沿いにある築山の地にあります。この築山は、古墳という説があるそうです。右の写真は拝殿に向かって左のあたり。これは何となく、古墳のように思えます。明治41(1908)年3月、垣鼻町字世古出の八雲神社(須佐之男命)ほか12社を合祀し、神社名も香具土神社から神戸神社へと改称しています。
境内には、御乳母稲荷神社、たくさんの山の神・庚申塔、「八幡大菩薩/天照皇大神宮/春日大明神」と刻まれた石碑、「大正天皇遙拝所」、「明治天皇/神武天皇 遙拝所」、「皇大神宮遙拝所」もあります。以前、神社はワンダーランドと書いたことがありますが、まさにその通り。ここも近鉄ハイキングで来ていますので、詳細は割愛します(2019年10月29日:20191027近鉄ハイキング「昔も今もお伊勢参り~旅10日目~伊勢街道、旅人気分で松阪から王朝ロマンをたどる斎宮跡へ」(その1)……早々に松阪牛の弁当と土産を買い、和歌山街道の道標、信楽寺、荒神山稲荷神社から神戸神社へ)。
神戸神社の辺りは登り坂(徳和坂)。それを上り詰めた、住宅街の真ん中、小高いところに庚申堂があります。ここには青面金剛(しょうめんこんごう;庚申待の本尊)の石像が祀られています。
ここからまたしばらく、立ち寄りスポットはありません。左の写真は、この庚申堂の先の伊勢街道の様子。右は、その先にある金剛川にかかる金剛橋。
スタートから3.8㎞、九手川を越えたところ、西側に常夜燈が1基。文政12(1829)年の建立。江戸干鰯(ほしか)問屋などの寄進によるものといいます。嘉永2(1849)年に修理されています。金剛橋から極門橋のあたりは、江戸時代、「徳和畷」と呼ばれ、白酒を名物とする店が数軒立ち並んでいたそうです。
その先、4.3㎞ほどのところに神戸保育園がありました(2年前にはまだ存在していましたが、今回は取り壊されて更地になっていました)。そこに地蔵尊。陽刻地蔵尊とあるだけで、詳しいことは分かりません。お地蔵様はあちこちにありますが、詳しいことが分からないものもたくさんで、ちょっと残念な気がします。
JR紀勢本線・徳和駅です。同級生K氏が、「こういう田舎の駅は、見て行かなくっちゃ」というので立ち寄った次第。この伊勢参りツアーのシリーズでは、JR紀勢本線の高茶屋駅、六軒駅を利用しましたが、それらと同じような駅。
Wikipediaには、ちゃんと記述がありました(こちら)。明治26(1893)12月に参宮鉄道の津~相可(現・多気)~宮川間が開通しましたが、徳和駅はその1年後(明治27(1894)年12月に開業。昭和17(1942)年までは、廃止された関西急行鉄道伊勢線(旧・伊勢電気鉄道本線)との接続駅でした。相対式ホーム2面2線があります。平成初期(1994年以前)まで、大正4(1915)年3月改築の駅舎が存在していたそうです。旧駅舎に掲げられていた、駅鈴を模した駅名看板が駅の入り口にあります(上左の写真がそれ)。
ちなみにというか、余談というか、JR線の踏切には、すべて固有名詞がつけられています。徳和駅の北にある踏切は、「徳和踏切」。たとえば、JR関西線の桑名駅の北にある踏切は、「八丁畷踏切」(右の写真)。八丁畷は、美濃街道から照源寺に向かう道のことで、八丁畷踏切はその道にあります。近鉄では「駅名+番号」で踏切の名称がつけられています。駅から上り方向に順に番号がついているのです。サンプル写真を探したのですが、見つかりませんでした。
その2は、キリが良いのでここまで。その3は、徳和駅の先にある万人講常夜燈や、大日寺寺標から。
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