寺町寺めぐりの続き
寺町寺めぐりの続きです。桑名別院本統寺、西福寺、佛乗寺、覚専坊、常信寺、香林寺、京町毘沙門堂と回って来ました。もっとも御坊さんについては、詳しくは書いていません。こちらにホームページがありますので、ご覧ください。慶長元(1596)年、本願寺第12代教如(きょうにょ)上人によって、聞法の中心道場として開創されたのが始まりです。「久波奈名所図会」には、「寺町西側にあり 浄土真宗東本願寺掛所なり」「夫當山草創は元亀天正の間摂州石山本願寺十一世顕如上人織田家と戦争の時、勢州桑名郡は関東の虎口尾州濃州には門未移設ゆへ、一ヶ所の寄合所を構へ、御加勢の評議所とせり。<以下略>」とあります。
寳興山(ほうこうざん)仏眼院。天台宗のお寺。創建は不詳ですが、最澄によると伝わっています。江戸時代桑名藩藩士の寺で
あり、春日神社の別当もつとめ、神宮寺も兼ねていました。多くの寺宝があったのですが、建物とも戦災で全焼しています。現本堂は、平成元(1989)年の再建。銅鐘は、桑名市指定文化財です。明治初年まで春日神社の神宮寺にあったもので、明治元(1868)年3月の神仏混合廃止令により東金井の徳元寺に買収されていたものを、平成29(2017)年に仏眼院が買い戻しました。寛永15(1638)年、京都の冶工・近藤丹波、藤久の作で鐘銘は桑名藩三宅正堅の撰文だそうです。北勢地方最古の梵鐘です。
毘沙門天堂の前には宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。宝篋印塔は、宝篋印経にある陀羅尼という呪文を収めた塔で、のちに供養塔、墓碑塔として建てられるようになっています。これを礼拝することで罪障が消滅し、苦を免れ、長寿を得ると信仰されました。また、ここは精義小学校創立の地であり、境内に記念碑が立っています。
道を1本挟んで北側に墓地があります。桑名藩士の先祖代々の墓が残っている他、仏眼院は刀工千子村正の菩
提寺であったとする説もあり、その一族と思われる千子宗入禅定門(承応4(1655)年没)の墓(左の写真中央)や、桑名城の前身・東城の城主であった伊藤武左衛門実房(天正11(1583)年没、桑名東城主初代)・実倫(慶長8(1603)年、同2代)父子の墓もあります(右の写真、伊藤家累代の墓の左右。左の「自性院殿秋天観智居士」が実倫の、右の「常光院殿静斎蘭香大居士」が実房の墓)。墓所は、今回初めて訪ねてきました。
ちなみに、ここ仏眼院は、桑名宗社(春日神社)で行われている宝刀村正特別公開の村正史跡めぐりスタンプラリーの立ち寄りスポットになっています。17日(月)に回ろうと思っていますので、下調べ。本堂前にスタンプが置いてありました。
仏眼院の北西すぐのところに白蔵(はくぞう)稲荷があります。伏見稲荷から、春日神社の別当(神社を管理するために置かれた寺)である天台宗仏眼院の守護神として勧請されたということです。江戸時代、町衆の信仰が篤かったとありますから、それ以前にここに建立されたのでしょう。お稲荷さんに向かって右の建物は、南魚町の石取祭の祭車庫。ここに石取祭に使う祭車が保管されています。
八間通に出て、松嶽山長寿院。北寺町にあります。臨済宗妙心寺派のお寺で、元は陽向寺と称しました。元和4(1618)年、桑名藩主松平定行夫人(薩摩藩島津家久の養女)が没しました。実家の宗旨が臨済宗であったため、当寺に葬られました。夫人の院号により、以後、長寿院と称しています。今年年4月27日にも来ています(まだいたジョウビタキのメス)。
左の写真が墓地にある「長寿院墓」。墓所の門扉には、松平家の家紋である梅鉢紋が刻まれています。宝暦治水に関わった薩摩義士の墓3基も
あります(右の写真)。このほか、「鶯宿雑記」を書いた駒井鶯宿(弘化3(1846)年没)の墓もあるのですが、これはどれか分からず。
こちらが、寺町辺りのマップ。寺町寺めぐりで訪ねたところを描き入れたり、丸で囲んだり
してあります。
今さら感満載の余談。ニンテンドースイッチの「あつまれどうぶつの森セット」を当てた話を書きましたが、それと前後して、愚息がシャープのマスクを当てました。「今さら」という感じもしますが、記録まで。
外出して帰宅が遅くなりそうですから、寺町寺めぐりの記事を予約投稿しておきました。左の写真は、ツマグロヒョウモンのオス(8/14撮影)。
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