20200111JRさわやかウォーキング「あいち・なごや生物多様性EXPOと宮の渡し跡から熱田神宮」(その2)……引き続き堀川沿いを下り、名古屋国際会議場、白鳥公園へ
その1では、堀川橋梁まで来ました。JR東海道線・中央線、名鉄名古屋本線の3路線が堀川を渡る橋ですが、その橋脚などには明治のものが使われています。堀川橋梁を過ぎた当たりから、実測ルートマップはその2。上部右手にあるのは、金山総合駅(メニューで隠れてしまいました)。このマップその2には、引き続き、堀川沿いを南下し、旗屋橋を渡って名古屋国際会議場までの範囲が含まれます。
スタートから2.1㎞のところにある尾頭(おとう)橋。「尾頭」という地名は、ここが熱田台地の尾根筋と尾張平野の南部を結ぶ接点で、長い坂道が鵜の首のようであったため、「烏頭(うとう)の里」と呼ばれていたものが、中世初期に「尾頭」に変化したという説があるそうです(諸説あります。こちら)。尾頭橋は、佐屋街道の橋としてかけられました。佐屋街道は寛永11(1634)年、3代将軍徳川家光公が通られた際に本格的に整備された街道で、東海道・七里の渡しを避ける脇往還(いわばバイパス)です。大正期の尾頭橋には、八幡園と呼ばれる花街もあったそうですが、昭和20年代後半から衰退してしまいました。
こちらは、2.3㎞地点、八熊(やぐま)通にかかる住吉橋。わざわざ通りの名前を書いたのは、この通りは昔の
勤務先近くに通じているからです。珍しい意匠だなと思ったら、昭和12(1937)年のもの。名古屋では珍しいラーメン橋台橋だそうです(ラーメンはドイツ語で、英語ではRigid frame bridgeだそうです)。三連アーチに見える外観はとても美しいと思います。このデザインは、関東大震災後の復興橋梁の標準形式としてよく採用されたといいます。親柱もなかなかよい感じです。
続いて、瓶屋(かめや)橋。スタートから 2.7㎞のところ。こちらは、かなり新しい感じですが、ネット検索では情報はとくに出て来ません。堀川が開削されたころからあった「堀川七橋(ほりかわななはし)」は、上流から五条橋、中橋、伝馬橋、納屋橋、日置橋、古渡橋、尾頭橋でした。それより下流には橋はなく、今の白鳥橋や大瀬子橋あたりにあった渡し船を利用したといいます。
名古屋国際会議場が近づいてきました。その手前にある旗屋橋を渡ります。地下鉄西高蔵駅から名古屋国際会議場へ行くにはこの橋を渡ります。珍しい地名ですが、5世紀後半に呉から2人の織女がやってきて、そのうちの1人が熱田神宮に留まったことが起源とされていて、機屋あるいは幡屋から変化したと考えられています。
この橋のところで、「名鉄のハイキング×さわやかウォーキング 2020.1.11共同開催記念」のカードが
配布されました。裏に番号が記されていて、名鉄のハイキングのゴール受付で抽選会があるのです。「ルート外を歩くと、ナンバーカードを配布できません」という注意書きがコースマップにありました。
名古屋国際会議場には10時半に到着。スタートからは3.3㎞。ここは、学会や研究会で何度も来ました。前
職の時代には、ここのセンチュリーホールが入学式・卒業式の会場でした。さらにプライベートでは、ポンキッキや、ユーミンなどのコンサートでもたびたび来ています。
最近は訪れる機会もなく、ちょっと懐かしかったので、中に入ってロビーあたりを一回り。せっかくだからと一休みもしてきました(微笑)。ちなみに、「あいち・なごや生物多様性EXPO」はスルー(苦笑)(当日の午後からイベントが行われ、さかなクンとかが来たようです)。前職の時代、大学の評議員をしていた時期がありました。評議員は、入学式・卒業式には必ず出席し、舞台の上の指定席に着席させられました。決して好き好んでではありません、セレモニーは大嫌いなのです(笑)。あくまでも立場上の役割、義務としてです。その頃は、冗談半分に「いらないことや、居眠りをしないで、おとなしく座っているのが仕事」といっていました。懐かしい思い出(微笑)。
名古屋国際会議場1号館の南側にスフォルツァ騎馬像があります。スフォルツァ騎馬像は、レオナルド・ダ・ヴィンチが製作に着手したものの、未完成に終わった騎馬像です。製作が中断したため現物は存在しないものの、平成元(1989)年に世界デザイン博覧会での展示を目指して、復元が試みられました。昭和42(1967)年にマドリードで発見された手稿やデッサンを元に全高2メートルの粘土像を製作し、その像をコンピュータで拡大したものを製作することになったのですが、ブロンズで製作した場合には脚部が重量に耐えられないことが判明し、材質を繊維強化プラスチック(FRP)に変更した上で完成しました。完成寸法は、全高8.3m・幅3.6m・全長8.8m。世界デザイン博の創造工房東海銀行館に展示され、博覧会の終了後に東海銀行から名古屋国際会議場に寄贈されました。南を向いていますから、建物の中からは後ろ姿になります。
名古屋国際会議場を過ぎると、白鳥公園。国際会議場とその南あたりは、昔は貯木場(白鳥貯木場)と国鉄白鳥駅でした。平
成元(1989)年のデザイン博の時はその会場となっています。昭和58(1983)年から平成3(1991)年までかけて整備した白鳥庭園が、この公園の中心です。白鳥庭園は、去年9月のJRさわやかウォーキングで訪ねましたので(20190928JRさわやかウォーキング「名古屋の二大庭園とてづくり朝市を訪ねて」へ(予告編))、今回は、パス。
貯木場の跡は、現在、「太夫堀」のところだけが、池として残っています(上左の写真)。ここには、ユリカモメやカモなどの水鳥が来ているだろうと期待して歩いてきました。白鳥貯木場は、江戸時代初頭の慶長10(1610)年に名古屋城築城のため設けられた材木置場が起源とされています。福島正則が、堀川沿いの白鳥地内に大池を掘らせ、これを太夫堀と呼んだと伝えられていて、これが初の木材置場となったといいます。福島正則の通称は、左衛門大夫だったそうですから、この名前は納得。
話が逸れました。太夫堀では期待通り、ユリカモメがフェンスに並んでいました。通り過ぎてから振り返って見ると、餌をやる人があったようで、乱舞シーンも見えました。
さらに、南側のエリアには、多数のカモ。キンクロハジロがほとんどでしたが、ホシハジロや、ハシビロガモもいましたし、カルガモの姿もありました。この日も、ウォーキングとバードウォッチングの両方が楽しめ、一石二鳥というか、一粒で二度美味しいというか(微笑)。
このあたりから東を見ますと、白鳥御陵(白鳥古墳)も見えます。12月15日の近鉄ハイキング「名古屋の繁華街に残る古墳めぐり」で訪ねました(20191215近鉄ハイキング「名古屋の繁華街に残る古墳めぐり」(予告編))。6世紀初頭に築造されたと考えられている前方後円墳です。熱田神宮社伝では、日本武尊の陵としています。これは、能褒野に葬られてのち白鳥となった日本武尊が当地に降り立ったという伝承に基づいています。
実測ルートマップがその3の範囲に入っていました。宮の渡し跡、熱田神宮なども近づいてきています。この先、白鳥橋の下を潜って、さらに堀川沿いを南下して、宮の渡し跡(マップでは、七里の渡し跡とあります)に向かいます。その3へ続く。
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