お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2024年8月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2019年1月以降の記事を残し、2018年12月以前の記事は削除しました(2019年1月1日から2024年8月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

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2019年12月21日 (土)

20191221JRさわやかウォーキング「歴史や文化が見える市政資料館と輝く金のシャチホコ 名古屋城を歩こう」へ(予告編)……年内最後のハイキング/ウォーキング【カモの名前を付記(12/22)】

Img_3837c_20191221164201 仕事も一区切り付けられましたし、天気もよくて暖かそうでしたので、予定通り、JRさわやかウォーキング「歴史や文化が見えImg_3841c_20191221164301 る市政資料館と輝く金のシャチホコ 名古屋城を歩こう」に行ってきました。JR名古屋駅・タワーズガーデンで受付が、8時半から11時。桑名駅を8時38分に出るJR関西線の普通電車・名古屋行きに乗車。名古屋駅には9時9分に到着。¥350。タワーズガーデンは、JR名古屋駅・JR名古屋タカシマヤの桜通口にあるテラス。左の写真のように、ミッドランドスクエアの向かい側が、今日の受付、スタート、ゴール。コースマップは右の写真の通り。ここをスタートして、那古野神社、名古屋東照宮、市政資料館、名古屋城、円頓寺商店街と約8㎞のコース。

191221jrwalking0nagoya

 こちらが実際に歩いたルートマップ。スタートしたのは、9時20分。桜通を歩いて、丸之内で北へ。名古屋東照宮、那古野神社にお参り。外堀通りを東へ行き、市政資料館南交差点で北へ。市政資料館を見て、清水橋東交差点を渡って左折。西へ。名古屋医療センターの前から名古屋城へ。名古屋城の東から北、西と回って正門から城内へ。天守閣の周りと本丸御殿を外から見て、中区三の丸一丁目交差点を左折して、伏見通りを南下。景雲橋を越えて、円頓寺商店街、円頓寺本町を通り抜けて、那古野からタワーズガーデンに戻ってきました。10.5㎞+α。ゴールは、名古屋城に1時間もいたこともあって、13時40分。

Img_3882c  今回は、予告編ということで、コースに設定された立ち寄り先を中心に。堀川を超えて、スタートから1㎞あまりのところに白山神社がありました。御祭神は、菊理媛命(くくりひめのみこと)。創建は明らかではありませんが、加賀国の白山比咩(しらやまひめ)神社を勧請したのが始まりといわれます。

Img_3894c  ここで目を引いたのが、狛犬でした。今までに見たことがないタイプ。左の写真は向かって左に立つ狛犬、Img_3902c_20191221165501 右は向かって右に立つもの。無角の獅子と有角の狛犬とが一対になっていたり、阿吽の一対になっているのが普通ですが、そうではありません。また、手にしているものが、左は、銭をヒモに通したようなもの、右は、雅楽に使う楽器のようなものでした。いや、面白い。詳細は、全く不明(説明書きにもありませんし、まだ調べてはいません)。

Img_3922c  スタートから1.9㎞、9時50分を回って名古屋東照宮に到着。ここと、次の那古野神社は、一度来てみたかったところ。東照Img_3946c 宮ですから、ご祭神は、徳川家康公。創建は、元和5(1619)年9月。家康公が亡くなられて3年後、尾張徳川家初代・義直公が、日光山鎮座の式に準じて、城内三の丸に社殿を創建したことに始まります。明治9(1876)年10月、藩校明倫堂跡地である現在地に遷座しています。名古屋で開催されるJRさわやかウォーキングは、参加者が多いのですが、ここで御朱印をいただく方の行列が数10メートルにもなっていました。

Img_4024c  名古屋東照宮のすぐ東隣が、那古野(なごの)神社。延喜11(911)年に現在の中区丸の内に鎮座され、城の総鎮守、名古屋の氏神として祭らてれいましたが、廃藩置県により明治9(1876)年に現在地に移されました。ご祭神は、須佐之男命(すさのおのみこと)、奇稲田姫神(くしいなだひめのかみ)、兵主神(ひょうすのかみ;兵主神社にまつられる神。弓矢をつかさどる軍神とされるが、実際にまつられているのは大己貴命(おおむなちのみこと、大国主神)や素戔嗚尊(すさのおのみこと)など)、八柱神。東照宮、那古野神社ともに桜の名所だそうです。

Img_4088c_20191221172501  外堀通り、市政資料館南交差点を経て、スタートから3.4㎞、10時40分頃に名古屋市市政資料館に到着。この向かいにあるウィルあいちに研修会で何度も来ていますが、市政資料館にもたびたび来ています。この建物は何度見てもいいところ。ここで出会った、同じウォーキング参加者の女性が、「名古屋にもこんなによいところがあるんですね」とおっしゃっていましたが、まさにその通りと思います。大正11(1922)年に建てられたネオ・バロック様式のレンガ造建築物で、昭和54(1979)年まで裁判所として使用されました。昭和59(1984)年5月、国の重要文化財に指定されました。

Img_4101c_20191221172501  何度も来ましたので、内部は、ステンドグラスと、留置場と2個所を見てきたのみ。ここへは、3月16日のJRさわやかウォーImg_4120c キング「早咲きの『桜みちまつり』を抜け『旅まつり名古屋2019』へ」でも来ましたし(2019年3月16日:20190316JRさわやかウォーキング「早咲きの「桜みちまつり」を抜け「旅まつり名古屋2019」へ」へ(予告編))、2月24日の支援員講座のときにも訪ねています(2019年2月24日:今日は、支援員養成講座で名古屋へ)。詳細は、そちらをご覧くだされば、幸いです。

Img_4159c_20191221173501  市政資料館からは、名古屋拘置所を眺めながら、清水橋東交差点を渡って左折し、西へ。名Img_4157c 古屋医療センターを過ぎて、名古屋城へ。市役所交差点で北へ。市役所駅出口のそばに金シャチ横丁宗春ゾーン。このあたりは、インスタ映えするスポットのようで、皆さんが写真を撮っています。ちなみに、金シャチ横丁は、見ただけ。

Img_4181c  ここから北へ向かい、愛知学院大学名状キャンパスの手前で左折。名古屋城の周りを歩いてImg_4197c 行きます。遙か西に天守閣が見えます。名古屋城の北側は歩いたことがなかったのですが、堀にはたくさんの水鳥が来ていました。右の写真は、オナガガモ。すぐ目の前にやって来て、逃げません。ちょっと感動したのですが、エサをもらうのに慣れているためでしょう。

Img_4208c_20191221173501  マガモも見えました。他には、ホシハジロ、オオバン、キンクロハジロ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、カワImg_4237c_20191221173501 ウ、ユリカモメなども。ウォーキングに来て、これだけのバードウォッチングができるとは、まさに望外の喜び(微笑)。

Img_4306c_20191221173501  それに、何とコブハクチョウまで1羽いるではありませんか。ビックリ。全長約150cm。悠Img_4341c 然と泳いでいたというか、漂っていたというか。さらに、右の写真のカモ。ヒドリガモのメスらしきかもと一緒に泳いでいたのですが、何でしょう? ハイブリッドかも知れません。もう少し調べることにします。

Img_4365c  そして、いよいよ名古屋城の正門へ。スタートから6.3㎞、11時50分に到着。大きな石柱には、「恩賜元離Img_4372c 宮名古屋城」とあります。織田信長誕生の城とされる今川氏築城の那古野城(なごやじょう)の跡周辺に、徳川家康が天下普請によって築城したのが始まり。明治維新後の明治3(1870)年、徳川慶勝は新政府に対して、名古屋城の破却と金鯱の献上を申し出たのですが、明治12(1879)年、山縣有朋が保存を決定。天守は本丸御殿とともに保存されました。明治5(1872)年、東京鎮台第三分営が城内に置かれたのち、明治6(1873)年に名古屋鎮台、明治21(1888)年に第三師団に改組され、終戦まで続きました。明治26(1893)年、本丸は陸軍省から宮内省に移管され、名古屋離宮と称しましたが、昭和5(1930)年に廃止され、名古屋市に下賜されました。昭和6(1931)年、恩賜元離宮として名古屋城が一般公開されています。ここで若干、迷ったのですが、せっかくだからと入場料金¥500を払って、中へ。

Img_4471c  現在は、天守閣には上がれませんが、周りを歩いてきました。18年ぶり(笑)。大きくて立派。名古屋市長の河村たかしさんImg_4464c_20191221175201 が木造にすると頑張っていますが、石垣の保全など課題は多いようです。今のままでもよいような気がします。

Img_4466c_20191221175201  それに何といっても、金の鯱。慶長17(1612)年、名古屋城天守が竣工した当時の金鯱はImg_4462c 一対で慶長大判1940枚分、純金にして215.3㎏の金が使用されたといわれ、高さは約2.74mありました。現在の金鯱は復元されたもので、再建天守建造の時、日本国内に数えるほどしか残っていなかった鎚金師であった大阪造幣局職員の手により製造されました。一対に使用された金の重量は88㎏、鯱の大きさは、雄2.62m、雌2.57m。左の写真が雌、右の写真が雄(のはず)。

Img_4478c_20191221175201  本丸御殿は、平成30(2018)年に、徳川家光の宿泊のために建造された最も格式が高い「上洛殿」や「湯殿書院」が復元されています。もとは、尾張藩主の住居かつ藩の政庁として慶長20(1615)年に完成。御殿の内部は障壁画や飾金具などで絢爛豪華に飾られ、江戸時代の先端技術を注いだ近世城郭御殿の最高傑作とたたえられたといいます。昭和5(1930)年には、城郭では天守閣とともに国宝第一号に指定されたのですが、昭和20(1945)年の空襲により焼失してしまったのです。内部の拝観には、かなりの行列(苦笑)。行列は大嫌いですので、パスして、外観のみ見てきました。

Img_4533c_20191221175201  西南櫓にも行ったものの、こちらも行列で、引き返してきました。主なところは見ましたので、次へ進もうかと思って、正門Img_4525c_20191221175201 (追手門)へ向かっていたら、「きしめん」という看板が目に入り、ついつい、フラフラとこのお店へ(苦笑)。名古屋城きしめん亭。熱田神宮でのリベンジということではありませんが、12時半を回ってお腹も空いていましたので、きしめんを食べることにしました。もっともシンプルなきしめん、¥600。実は、さほど期待はしなかったのですが、けっこういけました。結局、名古屋城には1時間も滞在。

Img_4564c_20191221190701  円頓寺商店街に向かいます。中区三の丸一丁目交差点を左折。ここの角には、KKRホテル名古屋がありますが、ここは実は思Img_4570c い出深いところ(微笑)。南へ向かいます。中日新聞の本社の前を通って、新御薗橋交差点で右折。慶雲橋を越えて右折し、南下。

Img_4597c_20191221190701  円頓寺(えんどうじ)商店街に入ります。ここで9.1㎞ほど。13時10分を過ぎた頃。円頓寺商店街は、たぶImg_4617c_20191221190701 ん3回目くらい(2018年10月27日:20181027JRさわやかウォーキング「来てちょ~だゃ~名古屋の産業をめぐって 秀吉生誕の地 中村へ!!」へ(予告編);2010年12月14日:名古屋、四間道を散歩)。去年来たときは、金刀比羅神社で名古屋弁みくじを引きました。今日は、右の写真のような幟旗があちこちに立っていました。国府宮の裸祭に、今年はこのあたりの方たちが大鏡餅を奉納するようです。

Img_4629c_20191221190701  円頓寺商店街から江川線を渡ると、円頓寺本町商店街。このあたりは、名古屋でも最も古い商店街として、また大須と同様に円頓寺の門前町として庶民に親しまれた街です。 歴史は江戸時代までさかのぼり、「清洲越」によって城下町が造成され、明治20年代に円頓寺に商店街が形成されました。今も名古屋下町の人柄と昭和時代の懐かしい雰囲気が残っています。

Img_4671c  円頓寺本町商店街を抜けると、9.7㎞。本末商店街を抜けて、左折すると、名駅前の高層ビル群が見えてきます。ゴールも間近。この写真は、那古野交差点の手前で撮影。

Img_4709c  13時40分、スタートしたタワーズガーデンに戻ってきまImg_4726c_20191221192201 した。10.5㎞+αを歩いて、4時間20分。名古屋城で1時間を費やしています。JRさわやかウォーキングのスタンプは、更新してから2つめ。向こう1年間で10個をゲットするのが目標。

Img_4711c  恒例により、ゴール看板を撮影。これを撮らないと、JRさわやかウォーキングでゴールした気がしません(苦笑)。思っていたより暖かくて、汗を掻いたくらいです。このタワーズガーデンのゴール受付、実は、JR名古屋駅の関西線ホームに行くより、近鉄名古屋駅地下改札の方がかなり近いのです。ということで、JRさわやかウォーキングに来たのに、帰りは、近鉄名古屋線を利用することにしました(苦笑)。この少し南から階段を降りたら、先日の近鉄ハイキングで地上に出て来た階段があり、すぐに近鉄名古屋駅の地下改札に行けるのです。14時1分に松阪行きの急行があり、それに乗車。桑名駅には14時22分着。¥450。近鉄の方が、JRよりも¥100高いのですが、いささかお疲れでしたので、この際、気にしないことに。

Img_4721c  本日のALKOOのデータ。23,250歩でした。歩いたのは、JRさわやかウォーキングで10.5㎞、自宅から桑名駅往復が1.8㎞で、合計12.3㎞。よく歩きました。当初は、12時にはゴールだなと思っていたのですが、名古屋城に立ち寄ったので、プラス1時間半あまり。

 本編は、週が明けたら、12月15日の近鉄ハイキングの記事に続いて、年内には書き終えたいと思っています。明日は、岐阜大学で東海地区K-ABC研究会

【付記(12/22)】 ハイブリッドか?と書いたカモは、pnさんのご教示でヨシガモと判明しました。一緒にいたカモも、ヒドリガモのように見えたのですが、ヨシガモの雌かも知れません。

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コメント

ひらいさん、こんばんは。

昨日はJRさわやかウォーキング、今日は、岐阜で研修会の講師と、で歩いています。

JRさわやかウォーキングで行った名古屋城、18年ぶりでした。
堀にコブハクチョウが悠然と泳いでいたのには、ビックリでした。
カモもいましたし、その中にはヨシガモも。
ひらいさん流にいうと、「鳥図鑑プラス1」です。

天守閣を木造にするのもよいのですが、石垣の保全など課題も多々ありますね。

いよいよ「おじいさまデビュー」までカウントダウンですね。
無事にお生まれになることをお祈りしています。

mamekichiさん、こんにちは!

今週は名古屋ウォーキングでしたか、自分の元地元、自転車で良く走っておりましたが、名古屋城はスルーでしたね。(笑)  名古屋城の堀にカモが居るのは知っておりましたが、まさかのコブハクチョウまで!!、自分も行ってみようと思います。
名古屋城を忠実に再現するのも良いですが、野鳥とかもっと公園に来てもらえるよう、周辺環境整備の方が良い気もします。
来週日曜日から、いよいよE県遠征です!

pnさん、こんばんは。

名古屋城の堀、思いの外、たくさんの水鳥がいました。
堀端に「名城公園で見られる鳥」を示した看板があり、そこには、21種類の名前とイラストがありました。
ただし、かなり以前のものですから、今と状況が変わっているかも知れません。

きしめん600円は、観光地の店なので仕方ないかも知れません。

カモはヨシガモですか、ありがとうございます。
初見ですので、「鳥図鑑プラス1」です。
一度、これまでに見た鳥をきちんと整理しないといけません。

週明けには、時間の余裕ができますので、M公園や、いなべのR池の様子を見たいと思っています。

mamekichiさん、こんばんは。
名古屋城の寄り道バードウォッチング、良いですね。
きしめん600円はちょっとお高いでしょうか。
謎カモさんはヨシガモ♂ですね。
マガモとはまた違った美しい緑ですね。

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  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)

  • 関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)

    関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)
    タイトルに惹かれて手に入れたものの、序章の記述が私にとっては退屈でしばらく放っておいたり、読み直そうと思ってくじけたりしていました。しかし、そこを乗り越えるとこの本はとても面白くなり、ほとんど一気読みしました。スサノヲ(素戔嗚尊)の正体を探るプロセスでアマテラス(天照大神)の謎も明らかにされて行き、それもとても興味深いものがあるのです。アマテラスは皇祖神とされますが、実在の初代王と言われる崇神天皇はアマテラスを伊勢に追いやっています。また、伊勢神宮を整備した持統天皇だけは伊勢に参ったものの、それ以降明治になるまで、1,000年以上も歴代天皇は伊勢神宮を訪れていません。明治天皇が東京に遷御したあと武蔵国の鎮守勅祭の社に定めたのは、スサノヲの祀られる氷川神社(現さいたま市)です。明治天皇は氷川神社を訪れた翌年に、伊勢神宮を訪れています。そもそも伊勢にいる神はアマテラスなのかという疑問にも立ち向かっている、古代史や神に関心がある方にはお勧め。 (★★★★★)

  • 安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)

    安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)
    時代小説をよく読みます。捕物帖、市井の人たちの生活、侍の物語、大名の話などいろいろとあります。庶民の生活については、これまでもいろいろな本でかなり知っていますが、大名の生活については分からないところの方が多いと思っていました。タイトルに惹かれて買ったのですが、大名やその家族の生活が詳しく書かれているのではなく、勤番侍の生活、大名屋敷の庭園、御用達商人や豪農、幕末の動乱と大名屋敷などの話が中心でした。それはそれで知らなかったことが多々あり、興味深く読みました。 (★★★)

  • 服部環ほか: 指導と評価2023年10月号(図書文化社)
    「指導と評価」は、日本教育評価研究会の機関誌であるとともに、日本で数少ない教育評価に関する月刊誌です。この号では、教育・心理検査の意義と活用という特集が組まれています。「教育・心理検査の意義」に始まり、WISC-Ⅴ、KABC-Ⅱなどの個別検査の使い方、解釈の仕方、指導への活かし方がそれぞれの専門の先生によってわかりやすく解説されています。特別支援教育の現場でも、きちんとした心理アセスメント所見に基づいた支援を展開することが望ましいのですが、現場の先生方には敷居が高いようです。ご関心がおありの方には、どのように使えるか、どのように考えたらよいかについて基本的なことがらを理解するのに適しています。出版社のWebサイトからバックナンバーとして購入できます。 (★★★★)
  • 石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑

    石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑
    野鳥図鑑はすでに何冊も持っていますが、この野鳥図鑑は、2015年の刊行で、なぜ今までこの存在に気づかなかったと反省するほど便利そうなもの。掲載されているのは324種ですが、それぞれの特徴や、見わけのポイントがパッとわかるようになっています。その鳥の生活型や生息地、食性や羽色、形態などのほか、雌雄、夏羽冬羽、幼鳥などで特徴が異なる場合は、それらについても説明されています。観察したい行動から、おもしろい生態、探し方までもが載っていますし、鳥の鳴き声が聴けるQRコードも付いています。私自身、野鳥の特定がけっこうアヤシいので、しっかり活用しましょう。 (★★★★★)

  • 千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)

    千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)
    「東海の街道」シリーズの第4巻です。「街道歩きのお供に最適の1冊」といううたい文句。内容は、三重の主な街道、近世三重の城郭図・城下図を読み解く、お伊勢参り小咄、伊勢をめぐる〈参詣〉をデジタル化するの4章構成で、まさに三重の街道歩きの参考書としてよいと思います。私自身も県内の東海道、伊勢街道、美濃街道、濃州街道はほとんど歩き、ほかの街道も部分的に歩いていますし、城もここに載っているところはかなり訪ねています。デジタル化も、ブログに写真・記事を載せていますから、出来不出来はともかく、私も取り組んでいます。県内の街道はさらに歩こうと思っていますし、デジタル化にももっと取り組みたいと考えていますので、十分活用できるでしょう。 (★★★★★)

  • 唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)

    唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)
    都市にもたくさんの野鳥がいることを知る人は少ないかも知れません。私がいつも散歩している地方都市の公園では、これまで10年あまりで70種類近くの野鳥を観察しています。都会は自然の少ない人工的な環境にあふれていますが、野鳥たちはもともとの生態を活かしつつこれらにしたたかに適応してい生きています。この本では、カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽を取り上げ、その都会における生態や、活動の変化、人間と鳥との関係とその変化などについて多くの実例や、調査結果をもとに、豊富な写真を使って楽しく読めるようにまとめられています。 (★★★★★)

  • 堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)

    堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)
    「ショックドクトリン」とは、テロや大災害など、恐怖でこくみんが思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことです。アメリカでの3.11以来、日本でも大地震やコロナ禍の裏で知らない間に個人情報や資産が奪われようとしているというのがこの本のテーマ。パンデミックで製薬企業は空前の利益を得、マイナンバーカード普及の先には政府のよからぬ思惑があるなどよくよく注意し、自分の生命・財産を守らないといけないというのが著者の主張。「今だけ、自分だけ、お金だけ」という強欲資本主義に負けないようにするには、ちょっとした違和感を大事にし、お金の流れがその裏にないか、また、それで大もうけして回転ドアをくぐって逃げる輩がいないかをチェックすることです。また、政府が何か、大急ぎで導入しようとしたり、既存の制度を急拡大しようとするときは、要注意だそうです。 (★★★★)

  •  奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)

    奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)
    いわゆる「高須四兄弟」である徳川慶勝、松平容保、松平定敬、徳川茂栄は、幕末維新の激動期に、結局のところ官軍と幕府とに分かれて戦う運命になったのですが、この四兄弟を取り上げて埋もれた歴史を活写した小説。私自身は、桑名藩主であった松平定敬が取り上げられているので興味を持って手に取った次第。幕末維新は、次々に色々な出来事が起きて、さまざまな人たちの思惑も複雑に入り組んでいるので、小説にするのは難しいと思っていたのですが、隠れた主人公ともいえる高須四兄弟の視点からとても躍動感のある読み物になっています。また、この時期の歴史をより一層深く理解できたという感想も持っています。 (★★★★)

  • 國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

    國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    ほぼ隠居状態ですから、暇と退屈には困りません(微笑)。それ故にこの本を手に取ったといっても、誤りではありません。著者がいうには、「暇」とは何か、人間はいつから「退屈」しているのだろうかといったなかなか答えにたどりつけない問いに立ち向かうとき、哲学が役に立つというのが著者のスタンス。哲学書なのに、読みやすいのです。スピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど、その昔学生時代に取り組んで挫折した哲学者たちの論考を参照しつつ、現代の消費社会における気晴らしと退屈について鋭い指摘がされ、まさに蒙を啓かれます。 (★★★★)