お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2023年4月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2018年1月以降の記事を残し、2017年12月以前の記事は削除しました(2018年1月1日から2023年4月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

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2019年11月 9日 (土)

20191109近鉄ハイキング「近鉄名古屋線改軌60周年記念ハイキング 近畿日本鉄道発展の礎を歩く(近鉄弥富駅~近鉄長島駅)」へ(超予告編)

Img_6967c  絶好のハイキング日和でした。今日は、計画通り、近鉄ハイキング「近鉄名古屋線改軌60周年記念ハイキング 近畿日本鉄道発展の礎を歩く(近鉄弥富駅~近鉄長島駅)」に行ってきました。昨日の記事に書いたように、このあたりの近鉄名古屋線は、伊勢湾台風で甚大な被害を受けました。しかし、それを契機に、準備中であった狭軌(1,067mm)から標準軌(1,435mm)への改軌工事を一気に行ったのです。それ以前、名古屋線は狭軌であり、大阪線・山田線などは標準軌でしたから、名古屋~大阪間の直Img_6992c_20191109205101 通客は、途中の伊勢中川駅で乗り換えを強いられていました。名古屋線改軌はかねてから計画され、橋梁架け替えに伴う線路移設などと併せて準備工事が徐々に進んでいたのです。昭和34(1959)年9月の伊勢湾台風による被災を機に、当時の社長・佐伯勇の判断で改軌工事が復旧工事と同時進行で当初の計画を前倒しして実施されたのです。もっとも手間のかかる枕木の交換作業などの準備が前もってかなり進んでいたこと、また、架け替え工事中であった揖斐川・長良川・木曽川の各新橋梁は当日落成した上、台風で致命的な被害を受けずに済んだという幸運もあって、被災からわずか2か月後の昭和34(1959)年11月27日に名古屋線および神戸線(現在の鈴鹿線)の工事が完了したのです。今日のハイキングでは、近鉄弥富駅~木曽川橋りょう間にある、当時の国鉄関西本線(現在は、JR関西線)をクロスオーバーしていた橋の遺構と、桑名市長島町内にある国鉄関西本線を乗り越えるための築堤の一部やそこにあった架道橋の橋台、木曽川に残る旧橋梁橋脚跡などを見て回って来ました。右は、今日のコースマップ。

 もろもろ用事があり、時間的な制約がありますので、今日のところは「超予告編」。明日以降、順次、本編を書きますが、マジメに取り組めば2回くらいで終えられる気がしています。

Img_6990c  今日の受付は、近鉄名古屋線・弥富駅で10時から11時。朝は、少し仕事をしてから、桑名駅を9時36分に出る名古屋行き普通Img_6999c 電車に乗車。弥富は2駅目で、9時44分に到着。¥260。コンコースは大賑わい。今日のハイキングは、名鉄タイアップ企画ということでしたから、参加者が多かったのでしょう。受付も早めに始まり、コースマップを受け取ってスタートしたのは、9時58分。

191109kintetsuhikingyatomi  コースの全体像は、こちら。近鉄弥富駅をスタートして、JR関西線・弥富駅に出て、関西線沿いに木曽川まで進みます。ここまでで3ヶ所の鉄道遺構を見て、尾張大橋を渡るのです。今年は、伊勢大橋も徒歩で渡りましたので、これで、両方の橋を徒歩にて制覇できます(微笑)。尾張大橋を渡ると、桑名市長島町。愛知県と三重県を歩いたことになります。長島運動公園から線路沿いに歩いて、近鉄長島駅へ。長島町内でも3ヶ所を見てきます。近鉄ハイキングのサイトでは約8キロとありましたが、コースマップには約5㎞となっていました。実測しても、ほぼ5㎞。毎日の散歩くらいの距離。

Kintetsuold  伊勢湾台風以前の近鉄名古屋線の路線図。適切なものが今のところ見つかりませんので、「近鉄の廃線を歩く(徳田耕一、2006年、JTBパブリッシング)」から借りました。拡大していますので、不鮮明です。実測ルートマップ中、①②は弥富跨線橋、③④は近鉄旧橋梁、⑤は長島跨線橋のところとなります。

Img_7006c_20191109210101  近鉄弥富駅から北へほぼ100mでJR弥富駅前に出ます。JR弥富駅には、名鉄尾西線が乗り入れていますが、ホームは単線で折Img_7015c り返し運転をしています。ここからはJR関西線にそって南西へ。700mあまり進んだところで、第1の遺構に来ます。実測ルートマップには、①と示してあります。

Img_7024c  それがこちら。弥富駅から長島方向にあ ります。旧線は、築堤上を走るのですが、そこに残Img_7052c っている架道橋の跡です。さらにその先、スタートから900mほどのところには、旧国鉄関西本線(現在のJR関西線)の上をまたぐ弥富跨線橋のコンクリート製の橋の残骸があります。これらは、現在の近鉄名古屋線の電車からもよく見えます。

Img_7094c  1㎞を過ぎて、尾張大橋東詰交差点から来る道路の小島新田交差点で右折し、近鉄、JRと高架をくぐって左折。JR関西線の木Img_7121c_20191109212501 曽川橋梁のすぐ上流側にある木曽川堤防に出ます。ここからは、近鉄の旧木曽川橋梁の橋脚跡が残っているのが見えます。ケーソン沈下点を示す古いレールを利用した杭が一直線に並んでいるのです。これは、昭和4(1939)年に旧・鉄道省から伊勢電軌鉄道に払い下げられた木曽川橋梁の跡。伊勢電鉄は、この前年に桑名~名古屋間の免許を取得したものの、昭和初期の大不況のため、経営が苦しく、この払い下げによって開通できたという逸話が残っています。

Img_7142cc  小島新田の交差点まで戻って来たのが、10時25分頃。ここで思い出したのが、近鉄特急「しまかぜ」。名古屋発が10時25分ですから、もうじきここを通過するはずと見込んで、しばし待機。10時38分頃、やって来ました。ただ、いつもハイキング/ウォーキングの時は、超望遠コンデジ(Canon powershot sh60xs)を保っていきますので、動くものを撮るのはちょっと苦手。シャッターのタイミングがうまく合いませんでした。

Img_7171c_20191109213501  スタートからほぼ2㎞、10時40分過ぎから尾張大橋を渡ります。愛知県弥富市と三重県桑名市の木曽川にかかる国道1号線のImg_7180c_20191109213501 橋です。橋ができるまでは、「ふたつやの渡し」と呼ばれる渡し船がありました。これは明治5(1873)年、新東海道(明治の東海道)が設定された際に設けられたもので、大正10(1921)年以降は、愛知県営の無料渡船として運行されていました。現在の尾張大橋は、昭和8(1933)年にかけられたものです。

Img_7189c  この尾張大橋の途中で、愛知/三重の県境を越えます。左の写真は、弥富側から桑名・長島側を見たもの。Img_7225c 全長は、約879m。渡り終えたのは、10時55分。ほぼ15分かかりました(途中、何度も立ち止まって写真を撮っていました)。このあと、国道1号線の下を潜って、長島運動公園に行きます。

Img_7266c_20191109214601  ④の地点から弥富方面を眺めると、先ほども見た近鉄の旧木曽川橋梁の橋脚跡が、再び見えImg_7280c ます。ここで時刻は11時5分。歩き始めてから1時間あまりでしたので、小休止。他の参加者の方もたくさん休憩中。お茶を飲んだり、おにぎりを食べたりしておられます。私は、コンビニで買ってきた「つぶあん&マーガリンのコッペパン」。10分弱、休憩して再スタート。

Img_7312c  長島町内を歩き続けます。長島運動公園を出てすぐの写真。右下にある草むらも、近鉄の旧線跡の築堤の一部ではないかといImg_7330c_20191109214801 う気がします。さらに進んで、スタートから4.1㎞のところにあるのが、右の写真。長島跨線橋跡です。実測ルートマップでは⑤の地点。相当草木が生い茂っていますが、築堤と架道橋の橋台跡がよく分かります。

Img_7357c  その後、4.4㎞あたりで小さな川を渡ります。これが⑥地点。川にかかっていたと思われる橋の橋台らしきものが残っています。これで、今日の見学個所はほぼすべて見ました。近鉄長島駅に向かいます。

Img_7407c_20191109215501  11時35分、スタートからほぼ5㎞を歩いて、近鉄長島駅に到着。ウッカリして確認を忘れImg_7413c るところでしたが、駅前に「伊勢湾台風水位標」があります。 当時の桑名郡長島町地内では、堤防が15ヶ所も決壊し、1ヶ月間は水没したままであったそうです。

Img_7415c  こちらが近鉄長島駅。普段は準急と普通電車が止まりますが、なばなの里のイルミネーション開催期間中は、急行も臨時停車し、ここからなばなの里行きの三重交通のバスが発着します。11時48分に四日市行き準急がありましたので、それに乗って帰宅。桑名には11時52分に到着。¥210。今日の近鉄料金は、往復合計で¥470(微笑)。

Img_7471c_20191110043601  ALKOOによる記録は、こちら。12,060歩。歩いたのがハイキングで5㎞、我が家から桑名駅往復が1.8㎞Img_7301c で、合計6.8㎞。普段の散歩に毛が生えたくらいですから、こんなもの。あみま倶楽部のスタンプはこれで30個を達成しました。

Img_7455c  オマケ。桑名市内に入って、上之輪新田の様子。去年、コスモス畑のあったところはご覧のような様子。これは今年は、コスモスの種は蒔いてないようで、去年の名残ではないかという気がします。

191110jr  ところで、明日は、JRさわやかウォーキングがJR紀勢線・多気駅であります(晩秋の田園風景と伊勢本街道を訪ね、「おいないまつり」で多気の文化と食を楽しもう!)。できれば行ってこようと思っています。行動範囲を広げたいのと、明日、参加できるとスタンプが10個になり、めでたく賞品がもらえるのです(笑)。それだけでなく、伊勢本街道を歩けるのも、魅力的。多気は松阪のさらに向こう。特急・南紀や快速・みえで1時間を要します。

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コメント

TAKUさん、こんにちは。

私は鉄ちゃんとはとてもいえませんが、鉄道関係、嫌いではありません。
そのため、このハイキングの企画を見たとき、「これは行くしかない!」と思い、他の予定を入れないようにしました(微笑)。
去年の3月には、江戸橋あたりの旧・伊勢電鉄の廃線跡を訪ねるハイキングにも行きました。

この日見てきた遺構のいくつかは、電車からも見えますので、以前からきになっていたところで楽しんできました。

しまかぜは、10分くらい待つとやって来る時間でしたので、撮影にトライ。
ただし、超望遠コンデジでしたので、タイミングがうまく合わず、トリミングして誤魔化してあります。
撮影場所としては、悪くはないポイントというきがしました。

なかなか興味深いタイトルのハイキングです(^^)

なんといっても旧線の遺構!
子供のころから名古屋へ行くときに気になっていて、のちに廃線跡の本で読んで知った時はオーッ!と思ったものです(笑)

そして、改軌については2年位前にMieMuの三重の鉄道展示で「伸びゆく近鉄」という改軌の記録映像をずっと見ていたので非常に興味があります。

しまかぜも青空の下で映えますね~!

ひらいさん、おはようございます。

近鉄の遺構があるのは以前から知っていましたし、電車からも見えていましたので、これは行かなくては、ということで行ってきました。

伊勢大橋につづいて、尾張大橋も徒歩で渡ってきました(微笑)。

江戸橋の旧・伊勢電鉄遺構は、去年3月のハイキングで訪ねています。
https://ogasawara.cocolog-nifty.com/ogasawara_blog/2018/03/post-2480.html
非常勤先の東を通る道路も、元は線路だったそうです。

長島町内は、河口堰、なばなの里、県道周囲と、木曽川大橋近く、伊曽島神社くらいしか知りませんでした。
電車からは眺めていますが、実際に歩くのも面白かったですね。

近鉄長島駅前は、普通/準急しか止まらない駅にしては立派です(失礼)。
商店などがあまりないので、ちょっと淋しいですね。

こころんさん、おはようございます。

いつもありがとうございます。

近鉄ハイキングのホームページでは約8キロとなっていたのですが、実際には5キロで、いつもの散歩くらいでした。

ひらいさんの方がはるかに詳しくていらっしゃるのですが、この区間は、伊勢湾台風までは単線で、お古の鉄橋を利用していたそうです。
標準軌への改軌、複線化で、それまで関西線をまたいでいた鉄橋などがが残ったそうです。

②の跨線橋の下は、通行量が多い道路ですので、今でも手入れがされていました。

今年は、伊勢大橋も歩いて渡り、これで尾張大橋共々徒歩で制覇できました(微笑)。
もう歩いて渡ることはないと思いますが……。
この日は、風もあまりなく、気持ちよく歩けましたが、強風の日はいけませんね。
ただ、トラックやダンプが通ると、橋が揺れるのは何とも気持ち悪いでした.

mamekichiさん、こんばんは!

川を挟んでの爽やかなハイキングコースですね、自分は自転車では時々行ってたコースですが、さすがに徒歩は今まで無しです。このコースも木曽川の工事が終わらないので、それ以来行って無いです。(もう2~3年工事やってる気がします)
鉄道の遺構、邪魔にならないからでしょうか、ずっと壊さずに残っていますね、近鉄沿線で有名な旧穴川線とか、mamekichiさんが良く知っている江戸橋駅の北側にも有るそうです。
そして長島町内、バリ地元です。(笑) 鉄道撮影してた頃は良く行ってましたが、最近は全く行かずです、鉄道撮影も嫌いでは無いのですが、結局野鳥を見ると追いかけてしまいます。(笑) 長島駅も、以前はイルミ期間中に電飾してたのですが、最近はコストダウンなのか、何もしなくなりました。期間&時間限定とは言えど、急行が停車するのは便利で良いですね。(と言いつつイルミネーション臨時停車急行は一度も乗った事が無いです(笑))

こんばんは
ゴールおめでとうございます
1区間の間に遺構が残ってるんですね。
草木で覆われて少し残念ですが
月日の流れや歴史を感じられますね。
木曽川の尾張大橋をなかなか歩いて渡ることはないと思いますが
ハイキングならではですね。
風が強い日は怖そうですね^^;

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  • 日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)

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    今年1年、何の因果か(などと書くとお叱りを受けること必至ですが)、住んでいるマンションの管理組合の理事長を仰せつかっています。今年は、エレベーターリニューアル工事が最大のイベントで、それは無事に済んだのですが、前理事長から8年後に迫った第3回大規模修繕に向けて、修繕積立金が不足する見込みと申し送られました。確かにかなりの金額が不足しそうで、頭を悩ませていました。マンションに住みながら、そもそも基本的な知識が不足しており、管理会社のフロントマンの方の協力を得ながらシミュレーションなどをしていました。ネットであれこれ調べてはいたものの、それで得られる知識は体系的なものではありませんでした。この本は、事例を元にマンション管理について必要な知識が得られるように書かれており、まだすべて読み終えてはいないものの、とても役に立っています。任期残り2ヶ月半となって付け焼き刃ではあるものの、次の理事会に具体的に課題を申し送ることができるよう勉強中(笑)。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)

    宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」や「どうしても頑張れない人たち」の著者である宮口幸治さんの新刊です。前2著の内容をよりよく理解できるよう、「ドキュメント小説」として書かれたものです。主人公は、精神科医の六麦克彦。医局から派遣されて要鹿乃原少年院に勤務して5年。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちでした。この内容は、前の2冊のように普通の新書では書き尽くせるものではなく、物語の形を借りざるを得なかったのでしょう。ただし、普通の小説として読むのには少し苦労するかも知れません。特別支援教育が普及して、知的障害や、発達障害のある子どもへの教育や支援は、以前に比べれば改善されてはいますが、最近は、家族の養護能力が十分でなかったり、親など家族自身に支援が必要なケースもたくさんあります。こうした中には、この本で取り上げられたような結末に至ることがあっても不思議ではないという気がします。極端な事例が集められていると思われるかも知れませんが、社会全体として真剣に取り組むべき課題が突きつけられています。 (★★★★)

  • 本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)

    本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)
    本田秀夫先生によるこのSB新書の4冊目のシリーズ。今回は、発達障害のあるお子さんの学校選び、学級選び、友達関係、学習や学力の悩み、不登校など、発達障害のあるお子さんの学校生活全般にわたって、どのような考え方に基づいてサポートしたら良いかについてまとめられています。それぞれ、親と先生とが、どのように取り組むことが基本となるか、解説されています。対策よりも予防的な工夫をコミュニケーション(要求ではなく)に基づいて行う、「学校の標準」を緩める、登校や成績を気にしすぎず、社会に出るための土台作りを考える、発達の特性には寛容になる、学びを大切にするが学力にこだわりすぎない、親と先生とが気づきを伝え合い相談、調整する、子どものモチベーションを重視するなど、具体的に書かれていて、分かりやすくなっています。発達障害のあるお子さんが小中学校で充実した学習が進められるための基本的な考え方やヒントが詰まっていますので、親御さんにも、先生方にもお勧めできます。 (★★★★★)

  • 佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?

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    サンドウィッチマン&芦田愛菜ちゃんMCの「博士ちゃん」に「三国志博士ちゃん」、「日本の神様博士ちゃん」として2回出演した佐々木秀斗君の自由研究を本にしたもの。何故これをここに取り上げたかというと、私のブログに載せた立坂神社の緑色の鳥居について、写真を提供して欲しという依頼が出版社からあったのです。私が提供した写真は、本書の162ページに「提供:猫の欠伸研究室」として載っています。ざっと読みましたが、大人でも、古事記や神社についてよく知らない方が、最初に手に取って基本的なことがらを知るには、わかりやすくて良い本だと思います。 (★★★★★)

  • 森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)

    森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)
    ネットで見つけ、新刊かと思って購入したのですが、4年前の本でした(微苦笑)。 若い頃に森博嗣さんの小説をすべて読んでいました。いつの頃からか、小説は読まず、森さんのエッセイだけを読むようになっています。「読書の極意を教える」と帯にはあります。もちろんそれについて書かれているのですが、私にはある種の知的生産の技術について著者の方法を開示していると読めます。「何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある」というのは、よく首肯できます。また、「教養とは保留できる能力をいう」というのも確かにそうだと思います。自分の問題として抱続けられ、また、考え続けられるのは、容易ではありませんから。 (★★★★★)

  • 井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)

    井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)
    愛媛県新居浜市にあった別子銅山は、元禄3(1690)年、伝説の切上り長兵衛によって発見されてから、昭和48(1973)年の閉山まで、283年間にわたり、累計65万トンの銅を産出しました。これは、世界の銅の産出量の1/6にも達するといいます。巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献したのがこの別子銅山です。江戸時代には貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、そこに関わった人達を鮮やかに描いた、本当の意味での大河小説です。徳間時代小説文庫で読みました。  (★★★★)

  • 養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

    養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    養老孟司先生と池田清彦先生の対談であれば、外れはありません。サブタイトルのように、「はみ出し日本論」ではありません。ど真ん中の日本論といってもよい本で、楽しみながら読めます。しかし、それは、自分のアタマできちんと考えているからこそ論じられる内容だと思います。常識や、マスコミで報道されることがらだけをフォローしていては、こういう風に考えることはできません。きちんとした理論、知識、データに基づかなければなりません。さらには、物事を捉える大きな枠組み、私の世代にとっては「パラダイム」といえるものが必要。それも、確固たるパラダイムが必要です。私にとってそれはある種の理想なのですが、なかなか難しい。しかし、まぁ、年寄りになったからこそ見えるものや、年寄りなりの知恵も働くようになるということもありますから、養老・池田の「怖いものなし」コンビを1つの目安として、言うべきこともいえるようになりたいものです。 (★★★★★)

  • 土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)

    土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)
    先に同じく土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を挙げましたが、入手したのはこちらが先。「一汁一菜でよい」というスタイルに至るまでの土井さんの修行、出会い、発見、迷いなどなどが書かれています。「家庭料理に失敗なんて、ない」、「すべては人を幸せにする料理に繋がる」というのが基本。具だくさんの味噌汁はおかずの1つになる。余裕があれば、食べたいものや、食べさせたいものをその都度調べてつくればよい。一汁一菜を入り口にして、一つ一つおかずをつくってみて、10種類ほどでもできるようになれば、それで幸せに一生やっていける。といった話があり、へぇーと感心させられました。これだけで健康に健やかに自足できるとも述べられています。一汁一菜なら、私にもできる、でしょうか?? (★★★★★)

  • 土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)

    土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)
    著者の土井善晴先生は、私と同世代。そして、私の世代にとってはあの土井勝さんの息子というイメージが強くあります。テレビなどにもよく出ておられ、なかなか面白い視点でものを見る人だなと思っていました。この本は,出版された当時(2016年秋)から知っていたのですが、手に取ったのはごく最近。文庫本を探していたのですがなかなか遭遇しなかったのです。「一汁一菜でよい」というのは、ご飯と具だくさんの味噌汁があればよいということです。家庭料理についての提案なのですが、実は、この本はもっと奥深いことを述べています。一言で言えば、日本文化や日本人の哲学について述べる中で、食や生活、生き方などについても論じられています。解説を書いておられる養老孟司先生は、それを「自足の思想」と表現していらっしゃいます。優しい、わかりやすい本ですが、実は奥が深い。著者の端正さもよく表れています (★★★★★)

  • 奥山 景布子: 流転の中将

    奥山 景布子: 流転の中将
    幕末の桑名藩主・松平定敬を描いた歴史小説。定敬は、実の兄で会津藩主である容保とともに徳川家のために尽くそうとしたものの、最後の将軍・徳川慶喜に振り回され、裏切られてしまいます。定敬は、それでも抗おうとしたのですが、国元の家臣たちはいち早く恭順を決め、藩主の座も追われてしまいます。朝敵といわれ、越後、箱館から上海まで流浪した定敬の波乱に満ちた人生と、秘めたる思いが生き生きと書かれています。定敬については、歴史講座で学んだり、本で読んだりしてきましたが、小説家の手にかかるとこのように立体的に、活き活きと動き出すものなのだと実感します。 (★★★★★)

  • サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)

    サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)
    たまには専門のアカデミックな本も取り上げます(微笑)。本屋でみつけ、購入。この本は、同じ著者が東大出版会から昨年刊行した「臨床心理学史」で果たせなかったことを果たそうと構想されたもの。果たせなかったのは、日本の臨床心理学史に触れることと、コンパクトな歴史記述だそうです。東大出版会の本は、読んでみたい気もしますが、¥7,000もしますし、内容もハードそうです。こうして臨床心理学の歴史を俯瞰してみますと、やはり実験心理学を抜きにしては臨床心理学も語れないといえます。私個人の考えでも、臨床心理学を学び、実践するには、実験心理学を学び、実験・調査などの方法で研究をした経験が必須です。臨床心理士、公認心理師の資格に関わり、心理学を志す人は多く、また、大学でも臨床心理学部や臨床心理学科もあります。しかし、私は、自分自身の経験からもやはり、実験心理学などの基礎心理学を抜きにして、臨床心理学は成り立たないと考えますし、学生も実験心理学を含めた基礎心理学を、少なくとも学部段階ではきちんと修得した方がよいと思います。本書を読んで、その考えはいっそう強くなりました。 (★★★★★)

  • 昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ

    昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ
    本屋に別の本を買いに行って見つけ、即買い(微苦笑)。私の好むタイプの本です。三重県の地形や地質、歴史、文化、産業などを、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント本。地図も歴史も文化も好きなのです。地図で読み解く三重の大地、三重を駆ける充実の交通網、三重の歴史を深読み!の3部構成。2017年11月にたまたまみつけたJRさわやかウォーキング「~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き」に行って以来、JRさわやか、近鉄ハイキング、勝手にハイキングで県内や近郊のあちこちに電車で行って電車で帰るハイキング/ウォーキングをしています。それによって訪ねたあちこちのことが改めてまとめられていて、とても楽しめます。各県のバージョンが出ているようです (★★★★★)

  • 磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)

    磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)
    歴史家・磯田道史さんが、鎌倉女学院高校で行った特別授業の記録と、ビリギャルの小林さやかさんなどとの対談を収めてあります。基本的には、「歴史の見方」についての本なのですが、それに留まりません。ものの見方、考え方を説いた内容です。むしろ、ものの見方、考え方を学びたい方にお勧めしたいと思うくらいです。ちなみに、タイトルは、「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世の中を歩くためのむしろ実用品である」という意味です。これは、歴史の見方について、あまりよく理解されていないポイントと思います。講義録ですから、読みやすく、しかも大変おもしろい本です。 (★★★★★)

  • 久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)

    久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)
    この著者の前著「三河吉田藩・お国入り道中記」で読んだ、三河吉田藩(豊橋)の参勤交代の話も大変おもしろく読めましたし、江戸時代の藩邸の様子、殿様や家臣の仕事、暮らしなどに興味があったので、読んでみました。三河吉田藩に残る「江戸日記」などの古文書から、江戸の大名屋敷がどのようなところであったか、江戸で働く武士の状況、江戸の藩邸で起きた事件のいろいろ、藩邸の奥向きの様子、さらには、明治維新後の藩邸から子爵邸への変化について、リアルな武士の暮らしのもろもろがまとまっていて、とても興味深く読めました。三河吉田藩は、現在の愛知県豊橋市にあり、松平伊豆守家が長く藩主を務めています。松平伊豆守家は、「知恵伊豆」の異名を持つ松平伊豆守信綱を初代とし、忍藩、川越藩、古河藩、吉田藩、浜松藩と国替えを繰り返した後、寛延2(1749)年から明治維新まで三河吉田を治めています。 (★★★★)

  • 安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)

    安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)
    サブタイトルに「大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ」とあり、さらに、オビには「300年前は えっ!? 今よりもっと愉快な旅行天国」ともあります。ただし、旅行を心から楽しめたのは、庶民に限られていたようです。参詣者を増やしたい各地の寺社、温泉、宿泊業者が積極的に営業したからです。一方、武士や大名は、トラブルメーカーだったといいます。公用で旅行したり、参勤交代したりなのですが、宿泊料のダンピング、備品の破壊などなどトラブルをまき散らしながらの旅であったり、権威を笠に着たりで、あまり歓迎されなかったようです。江戸時代の旅のエピソード満載で、楽しめる本です。 (★★★★)

  • 藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック

    藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック
    この本は、WISC-ⅣやKABC-Ⅱなどの知能検査の結果(アセスメント情報)を「子どもの自立と社会参加」により役立つものにしていくには、どのように伝えたらよいか(フィードバック)についてまとめられています。過去には、保護者、学校の担任、子どもたち自身に知能検査の結果を伝えることはされていませんでした。しかし、現在では、苦戦している子どもたちが、自分のことを理解し、自分なりにも工夫して、学習や生活スキルを向上させ、将来の自立と社会参加につなげるために、知能検査の結果(アセスメント情報)を子どもたち自身にも伝えるようになってきています。私も、相談では、お子さんに直接、フィードバックを行い、子どもたち自身が自己理解を深め、意欲的、積極的に取り組めるようにしています。この本は、子どもと支援をつなぐ、支援者をつなぐという視点から、心理検査のフィードバックについて基礎から応用、事例を含んでその全体像を把握できる、優れたものとなっています。 (★★★★★)

  • 新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)

    新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)
    藤沢周平の作品案内、小説に見られる名言集、映像化された作品の出演者や、関係者による評伝などによって藤沢周平の作品についてすべてとはいいませんが、かなりが分かります。私は、藤沢周平の小説が好きで、たぶんほとんど読んだと思います。ただそれは、15~6年以上前のことで、リストアップもしていませんから、すべて読んだかどうかについては、不確か。こういう本を読むと、もう一度読もうかという気になります。この本では、娘の遠藤展子さんの「父にとっての家族」がもっとも興味深く読めました。また、藤沢周平の言葉で私が気に入っているのは、「普通が一番」です。ほかにも、「挨拶は基本」「いつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れない」「謝るときは素直に非を認めて潔く謝る」「派手なことは嫌い、目立つことはしない」「自慢はしない」という言葉が、遠藤さんが父から言われて心に深く残っていることばだそうです。 (★★★★)

  • 千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)

    千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)
    新型コロナのまん延にともなって、政治的な判断や、もろもろの政策は、迷走したといってもよいと思います。突然の全国一斉休校要請、いわゆるアベノマスクの配布や、閣議決定をやり直した一律給付金など、なぜああいうドタバタになるのか、国民の信頼が得られなかったというか、失ったというのか、ずっと疑問を抱いていました。著者は、元厚生官僚で、社会保障・労働分野で仕事をし、現在はコンサルティング会社を経営。この本では、最近のコロナ禍での出来事の背景を記述する中から、官僚主導から官邸主導への変化に、政治の仕組みの変化がついて行けていないからだとしています。これに関して、政治家、官僚ともに仕事のやり方を変えることが必要であるとともに、国民の側にも良い政策をつくるためには望まれることがあるといいます。 (★★★★)

  • 嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい

    嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい
    「観察するのが面白くなる! ガンカモ類のひみつ」というキャッチコピーです。私がほぼ毎日散歩に行く九華公園の堀には、秋が深まるとカモたちがやってきます。キンクロハジロが最も多く、次いでハシビロガモ。他にはヒドリガモやホシハジロも数少ないものの来ています。カルガモ、カイツブリ、オオバンなども来ることがあります。これらカモやその仲間、近縁種についてもっとよく知り、観察のポイントを増やしたいと思って、この本を読んだ次第。著者は、宮城県の伊豆沼・内沼をフィールドとする専門の研究者。形態的な特徴と行動との関連性、渡り、繁殖地での暮らし、越冬地での生活など、ガン・カモ類について、ちょっと専門的な部分も多いものの、一通りの知識を得られ、また、行動観察などの方法についても知ることができました。 (★★★★)

  • 田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)

    田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)
    「江戸学の第一人者による「遊郭入門」の決定版!」と帯に書かれていて、ついつい手に取ってしまいました。遊郭にはとても興味があります。などと書くと「好色な人物か」と思われるかも知れません(苦笑)。遊郭や遊女は、今日の人権やジェンダーの観点からすると、許されない存在です。これは間違いのないことですが、一方で、たとえば、江戸時代の吉原遊郭の花魁と呼ばれたようなハイクラスの遊女は、高い教養を持ち、芸事や生け花、茶道にも通じていました。ある意味で日本文化の守り手でもあったという面も持っているのです。こうした観点から著者は、「遊郭は二度とこの世に出現すべきではなく、造ることができない場所であり制度である」と述べています。ちなみに、「好色」ということばの意味は、平安時代以来、和歌や琴、舞などの風流、風雅を好む人を「色好み」と呼んでいたことによります。「色」には恋愛や性愛という意味もありますが、もともとは恋愛と文化的美意識が組み合わさったものだそうです。 (★★★★)

  • 養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ

    養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ
    養老先生が、コロナ禍の2年間でお考えになったことの集大成です。新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた頃、NHKのBSの番組「まいにち 養老先生、ときどき まる」だったかで、「老人は、もともと不要不急の存在だ」とおっしゃった気がしますが、この本は「人生は不要不急か」という章から始まっています。これがたぶんコロナ禍や、養老先生ご自身のご病気(心筋梗塞)を経験し、お考えになった結論の1つ。さらに、不要不急の人生ではあるものの、それでも生きる価値はどこにあるか様々な視点から考察されています。「人生とはそんなもの」と思いつつ、自分に居心地の良い場所をつくりながら、万事テキトーに終わるのが良さそうです。 (★★★★★)

  • 松原,始: カラスの教科書

    松原,始: カラスの教科書
    ちょっとマニアックな本と思われるかも知れません。そもそもカラスに好意を抱いている方は少ないでしょうし(微笑)。カラスには、「賢い」というイメージもありますが、ゴミをあさって、カアカアとうるさい、真っ黒で気持ち悪いなど「嫌われ者」といってよいかも知れません。私もバードウォッチングをしますが、カラスの写真はほとんど撮っていません。しかし、九華公園などでは、カラスがいるとついついその行動を見てしまいます。よくよく見るとやっていることは、結構おもしろいのです。本書に引用されていますが、ある鳥類学者のことばによれば、「小心者でお調子者」だそうですが、頷けます。ところで、カラスとひと言で言っていますが、何種類もいるのはご存じでしょうか? 街中でよく見るカラスでさえ、ハシボソガラスとハシブトガラスの2種類がいます。同じカラスといっても、この2種類だけでも行動パターンはかなり違います。さらに、記紀に登場するカラスもいます。八咫烏(ヤタガラス)です。このカラスは、神武天皇一行が熊野山中で道に迷った際、道案内として遣わされています。そのため、熊野本宮大社などのシンボルになっています。カラスの迷宮に入り込んでしまうと、おもしろいことがたくさんあって、出て来たくなるかも知れません。すべての方にお勧めする本ではありませんが、物好きの方にはよいかも(微笑)。 (★★★★★)

  • 竹内政明 : 「編集手帳」の文章術 (文春新書)

    竹内政明 : 「編集手帳」の文章術 (文春新書)
    何を今さら「文章術」なのか? と訝られる向きもおありでしょう(微笑)。どこで読んだか忘れてしまったのですが、ある方の文章で文章術の本としては、これがベストと書いてあったので、気になったのです。いろいろと反省するところ多々あり、でした。しかし、その一方で「耳で書く」など、ずっと以前から心がけていて、学生にもレポートを書く際に注意事項として伝えていることもありました。私は、音読すると、論旨があいまいなところや、日本語がヘンなところがよく分かると考えていましたが、著者も同様のことを書いておられます。自分の文章術(などという大げさなものはありませんが)も、あながち独断と偏見ではなかったと安心したところもあります。その他、明示されてはいませんが、ひとまず書いた上で読み直し、推敲して、削っていくというのもありのようです。文章の書き方にかなりご関心がおありの方には、お読みになるとよいでしょう。 (★★★★)

  • BIRDER編集部: BIRDER (バーダー) 2021年 11月号 [雑誌]

    BIRDER編集部: BIRDER (バーダー) 2021年 11月号 [雑誌]
    この号の特集は、「お散歩バードウォッチングのススメ」。まさに、私が毎日実践していること。表紙がいつもとは違って、今風のイラストなのはちょっと気になりますが、それはともかくとして、冬にオススメのアウトドア、身近な鳥見スポットを探せ、あなたの鳥見散歩教えてください-鳥見散歩のすすめ-といったテーマが並んでいます。かねてからバードウォッチングは、いつ、どこでも楽しめる趣味と考えています。散歩しながらのバードウォッチングは、まさに一石二鳥どころか、一石何鳥にもなります(微笑)。今日(2021/10/24)も2ヶ所で、13鳥。うまく行けば2~3時間近所を歩いているだけでもっとたくさんの鳥に出逢えます。是非とも同好の士を増やしたいと思っています。ご関心がおありの方は、ご一読をオススメします。 (★★★★★)

  • 本田秀夫: 子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと (SB新書)

    本田秀夫: 子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと (SB新書)
    本田秀夫先生の発達障害3部作の最新刊。これを書いている時点では、発売日前なのですが、本屋に立ち寄ったら売っていたので、買ってきて一気読みしました。私も発達障害のあるお子さんの相談に携わっていますが、これまでの助言と一致していたところもたくさんありますし、なるほどそういう風に考えればよいのかと思うところも多々ありました。発達障害についての解説本はたくさん出ていますが、その育て方、しかも、子どもを主役にした育て方の本はほとんどなかったでしょう。この本は、子どもを主役にした、幼児期から思春期に入る頃までの発達障害のあるお子さんの育て方、どのように育っていくかを丁寧に解説しています。発達障害のある子どもとはどういう子どもなのかからスタートしています。ポイントは、そのお子さんは、どんなお子さんなのか、また、そのお子さんがとっている行動は何に由来するのかをきちんと見て、捉えることからスタートするということ。親の都合で、「こういう子どもになって欲しい」という考え方から抜けることが必要と説いていますが、まさにその通りと思います。具体的な内容は多岐に渡っています。ほめ方・叱り方、暮らし方、発達障害の子の育て方といったないようになっています。載っている方法をそのまま使うのではなく、「うちの子のことだ」と思ったことを取り入れ、他は参考程度に読むとよいと著者が書いていますが、これも重要なポイント。発達障害のお子さんをもつ親御さんだけでなく、関わりのある方には是非ともご一読をお勧めします。 (★★★★★)

  • 本郷和人: 世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか (NHK出版新書)

    本郷和人: 世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか (NHK出版新書)
    この本の内容は、以前、マイブックスにあげた「 日本史の法則 (河出新書)」にも、「地位より人、血より家-世襲が強い-」として取り上げられています(出版は、今回の「世襲の日本史」の方が、2019年と先)。世襲というのは、今も、政治家、芸能人、医者、実業家などあちこちで見られます。「売り家と唐様で書く三代目」ということわざがあったり、「三代目が会社を潰す」という話があったりします。しかし、著者がいうには、日本では「地位より人」と考えられてきており、その「人」というのは、その人が受け継いでいる「血」であるといいます。より慎重に見ると「血よりも家」で、「家が肝心・要」というのが大原則だそうです。インドのカーストのように細かな具体性を備えていないので、人々の意識に浸透しやすく、そのため未だに世襲を黙認する社会意識を産み、さらにまたそれが、格差社会を容認する空気につながっていると著者は考えています。歴史上、世襲がなかったのは、明治維新。明治維新では能力主義が徹底され、いわゆる明治の元勲たちも、個人の財産は別として、地位などは世襲させませんでした。いわゆる「立身出世」がそれ。これは、画期的でしたが、続きませんでした。世襲という原則の方が勝ったのでしょう。著者は、「日本の歴史はぬるい-変わるときは外圧-」ともいっています。明治時代に立身出世となったのは、「黒船襲来」という外圧によるものでした。現代の外圧は、「人口減少」だと著者はいっています。江戸時代、地方で育った人材が、明治維新で根こそぎ東京に持って行かれましたが、もう一度、地方からやり直すということが必要とも著者はいいます。 (★★★★)

  • 本郷和人: 日本史の法則 (河出新書)

    本郷和人: 日本史の法則 (河出新書)
    著者の本郷和人さんは、東京大学史料編纂所教授。テレビにも出ておられますし、一般向けの歴史書もたくさん書いておられます。専門は日本中世史。この本は、日本の歴史がどのように動いてきたかを、本郷さん独自の視点(通説とは異なるとらえ方をなさっているところも多々あるようです)から説いたもの。「日本は西高東低」「歴史は一つではない」「日本の歴史はぬるい-変わるときは外圧-」「信じるものは救われない」「地位より人、血より家-世襲が強い-」「日本社会は平和を選んだ」という6つの論点から考察されていますが、これがなかなかおもしろい。「蒙を啓かれた」と書くと、ちょっと大げさかも知れませんが、なるほど、そういう風に見るとよく分かるということが多々ありました。いつ、どこで何があったということだけではなく、もうちょっと物語的に、どういう動機でそうなったかという視点を導入すると、歴史がもっとおもしろくなるんだと実感した本。 (★★★★★)

  • 吉田 友和: ご近所 半日旅 - いちばん気軽な「新しい旅」のスタイル - (ワニブックスPLUS新書)

    吉田 友和: ご近所 半日旅 - いちばん気軽な「新しい旅」のスタイル - (ワニブックスPLUS新書)
    本屋で偶然見つけてついつい買ってしまいました。タイトルを見たとき、「ご近所半日旅」なら、私自身が、近鉄ハイキングやJRさわやかウォーキングから派生して「勝手にハイキング」と名付けて歩いているのが、それに相当するのだろうと思いました。これで1冊、本が書けるのかというのが読む前の感想。勝手にハイキングや、普段の散歩に新たな視点、やり方、楽しみ方が導入できるかと思って読んだ次第。ご近所半日旅は「いちばん気軽な『新しい旅』のスタイル」と銘打っていますが、コロナ禍の現在、そうかも知れません。心得七ヵ条があげられていましたが、私としては、①お金をかけて楽しもう、④疲れることは基本的にしない、⑦予定を決めすぎないという3点に啓発されました。また、⑥スマホをうまく活用せよにあったグーグルマップの使い方などにも興味が持てました。長く続けていると、自分なりのスタイルができあがってきますが、別の見方をするとマンネリに陥っているともいえます。こういう本で刺激を与えると、私の中に新しいものが生まれてくるかも知れません。コロナで旅行に行けなくなったと嘆いておられる方、自分の住んでいる近所なんかにおもしろいところなんかあるのかと思っておられる方、一読なさると、新しい世界が開けます。 (★★★★)