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2019年11月 8日 (金)

20191102JRさわやかウォーキング「老舗酒造『甘強酒造』の蔵開きと蟹江うまいもの巡り」(その3)……観光交流センター・祭人、冨吉建速神社・八劔社、龍照院で秀吉御手植えの大イチョウを見て、ゴールのはつらつ公園へ(完)

191102jrwalkingkanie2  11月2日のJRさわやかウォーキング「老舗酒造『甘強酒造』の蔵開きと蟹江うまいもの巡り」、その3です。その2では、実測ルImg_6160c ートマップその2の中央あたりにある御葭橋(みよしばし)まで来ました。次の立ち寄り先は、観光交流センター・祭人(さいと)です。ここは、ユネスコ無形文化遺産に登録された「須成祭」をメインテーマに町の観光拠点として設けられています。スタートから約5.2㎞、11時少し前に到着。

Img_5869c_20191102180601  この日は、JRさわやかウォーキングにあわせて「蟹蟹フェア」が開催されると、その1で書きましたが、その会場がこちら。「蟹江町で蟹を食べる!」がテーマです。ちなみに、蟹江という町名の由来は、つぎのようなことだそうです:「カニエ」という地名が初めて文献に登場するのは、建保3(1215)年の「水野家文書」といわれます。当時の蟹江は海に囲まれた土地で、「蟹江郷」「富吉荘」という名称で呼ばれていました。海辺には柳の木が生え、水辺には多数の蟹が生息していたことからこの名がついたといいます。蟹蟹フェアでは、町内の飲食店が蟹を使ったグルメを販売しているのですが、限定数がかなり限られていました。さて、グルメにはありつけるのか?

Img_6162c  まず目に入ったのは、山田酒造の「最愛」の試飲(苦笑)。山田酒造は、去年3月4日のJRさわやかウォーキンImg_6165c_20191102194401 グ(今日は、JRさわやかウォーキング「老舗造り酒屋できき酒と蟹江のまちを散策」へ(予告編))で訪ねました。「酔泉」と「最愛」という日本酒で知られています。この日は、「最愛」が試飲できました。辛口で割とスッキリしたお酒。スタッフの方に、「PRしておくね」と約束しました(笑)。右の写真が、この最愛という酒。祭人のショップでも売っていましたが、甘強酒造ですでに「本醸造 名古屋正宗」を1本買っていましたので、この日は買わず。

Img_6168c_20191102194501  祭人の2階には、須成祭について紹介する展示があります。須成祭は、ここ祭人のすぐ近くにある冨吉建速神Img_6177c 社(とみよしたけはやじんじゃ)・八剱社(はっけんしゃ)両社の祭礼として行われる川祭で、8月第1土曜日に宵祭、翌日曜日に朝祭が行われます。祭は、「車楽船(だんじりぶね)の川祭」と「神葭(みよし)の神事」の2部から構成されていて、7月「稚児定め」から10月「棚下し」まで約100日間にかけて数々の祭事が行われますので、別名「100日祭」ともいわれています(国指定重要無形民俗文化財)。

Img_6187c  須成祭は、疫病退散を祈願する天王信仰(牛頭天王の信仰)の祭礼であり、須成天王祭(すなりてんのうまつり)とも呼ばれImg_6189c_20191106045201 るそうです。「神葭の神事」では、蟹江川の河岸に茂るヨシを刈って神体として冨吉建速神社に祀り、災厄をヨシに託して蟹江川に流し、ヨシを7日間にわたって蟹江川に浮かべた後、70日間、冨吉建速神社の神棚に祀り、燃やすのだそうです。この神事が100日間に及ぶ、これによって疫病退散を祈願します。同様の神事は、この近くでは、津島神社(津島市)の尾張津島天王祭があります。須成祭でも、提灯をともした巻藁船1艘が出るのですが、それも津島天王祭りと似ています。巻藁船の行事は見事ですから、一度見てみたいのですが、尾張津島天王祭は桑名水郷花火大会と、また、須成祭は石取祭と重なっているんですねぇ。

Img_6193c  2階の展示を一通り見て回り、祭人の前に戻って来ました。グルメが気になります。どのお店の方も熱心に売り込んで来らImg_6222c れるので、迷います。蟹蟹ラーメン(珈琲美楽さん、¥500)もあったのですが、ここでラーメンを1杯食べるとあと、歩くのがしんどそう。結局、「味彩もへの」のお姉さんの笑顔と強力な売り込みに惹かれ、蟹タクちらし(¥300)をお買い上げ。「小腹、空いていませんか?」といわれて、やられました(苦笑)。最近、この「小腹が空く」ということばに弱いのです。このあと立ち寄った冨吉建速神社・八劔社でいただくことになりました。

Img_6200c_20191106051001  祭人を出て、天王橋で蟹江川を渡るとすぐに、冨吉建速神社・八劔社があります(2社を合わせて須成神社ともいうそうでImg_6203c_20191106051001 す)。須成祭はここのお祭です。主祭神は、冨吉建速神社が素盞嗚尊(すさのおのみこと)、八劔社が草薙神霊(くさなぎのしんれい)で、相殿神は熱田五神(あつたごしん)となっています。天平5(733)年に行基の勧請によって創建されたとされ、寿永元(1182)年)には木曽義仲が再建したとされるますが、その真偽は定かではありません。中世以降にはこの神社が富吉荘(現在の蟹江町周辺)の総氏神でした。室町時代後期の天文17(1548)年には織田信長が社殿を修復したとされますが、これもまたその真偽は定かでありません。豊臣秀吉や徳川家康なども参拝し、この神社に寄進を行っているといいます。

 ちなみに、熱田五神は、熱田神宮の相殿神である天照大神素戔嗚尊日本武尊宮簀媛命(ミヤズヒメノミコト;日本武尊の妃)、建稲種命(タケイナタネノミコト;父は尾張国造乎止与命(オトヨノミコト)、母は眞敷刀婢命(マシキトベノミコト、尾張大印岐の女)で、宮簀媛命は妹。日本武尊東征の際、副将軍として軍を従え、軍功を挙げた)ではないかと思うのですが、そうすると、素戔嗚尊が重なってしまい、今ひとつよく分からず。分からないこと、たくさんあります。熱田神宮の主祭神は熱田大神、ご神体は草薙剣。

Img_6211c  かつて、冨吉建速神社は牛頭天王社(単に天王社、天王とも)と呼ばれており、八劔社は牛頭天王社の末社という扱いでしImg_6213c_20191106052701 た。しかし、明治期に国家神道を推し進める中で、仏教の天部神である牛頭天王は好ましくないとされ、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)を祭神として牛頭天王社から冨吉建速神社に改称しています。富吉建速神社本殿は一間社流造・桧皮葺、八劔社本殿は、三間社流見世棚造桧皮葺で、それぞれ室町時代の特色をもった建物で、いずれも重要文化財。

Img_6228c  冨吉建速神社・八劔社にまずはお参り。お参りを済ませましたので、境内の日陰を借りて腰を下ろし(あとでよく見たら、隣Img_6281c_20191108132901 の龍照院の鐘楼でした)、先ほど購入してきた蟹タクちらしを食べることに。まさに小腹を満たすのにちょうどよいくらいの量でした。さっぱりとした味で、あっという間に平らげてしまいました。ついでに小休止。

Img_6235c  富吉建速神社・八剣社のとなりに蟹江Img_6242c_20191108131001山常楽寺龍照院というお寺があります。ここもコースには含まれていなかったのですが、珍しいものがあるということで、お参りがてら見に行くことにしました。真言宗智山派のお寺です。天平5(733)年に行基が創建したといいます。 その後、鎌倉時代の寿永元(1182)年、木曽義仲が七堂伽藍と十八坊を建立し、その中央に蟹江山常楽寺を置き、常楽寺には本尊として十一面観音菩薩を安置、栂尾(とがのお)の明恵上人を中興開山としたといいます。ただし、以上の由緒には、諸説があります。当時の常楽寺境内は24町歩(7万2000坪)、寺領は76町歩(30万坪)もあったのですが、天正12(1583)年に羽柴軍と織田・徳川軍が戦った蟹江城合戦の際に、龍照院と鎮守(冨吉建速神社・八剱社)を残し、兵火のために灰燼に帰しました。御本尊の十一面観世音菩薩像は、寿永元(1182)年、仏師僧教円によって造立されたといい、国の重要文化財です。

Img_6247c_20191102200401  こちらは大日如来堂。木曾義仲の菩提を弔うために巴御前(ともえごぜん)が安置したといわれる大日如来坐像が安置されてImg_6251c_20191108131401 います。巴御前は、木曾義仲とともに幼少のころから生涯をともにし、木曾義仲が平家追討の兵を上げたとき、義仲に従って上洛した女性です。藤原時代末期の作で、定朝(じょうちょう)様式といいます。国の重要文化財です。

Img_6261c_20191102200301  さて、珍しいものとは、龍照院の北西にあります。左の写真に写っているイチョウの木がそれです。樹齢はImg_6264c_20191108132001 400年以上(平成6(1994)年時点で)、町指定の天然記念物です。「龍照院の大イチョウ」と呼ばれ、町内で一、二の巨木であり、名木であるとして地域の人たちからも敬われているといいます。この大イチョウが、豊臣秀吉御手植えのイチョウなのだそうです(江戸時代の文献にも記載されているといいます)。平成6(1994)年時点で、樹高は23m、幹回り3.5m。秀吉御手植えのイチョウかどうかは、別にしても立派なイチョウの木でした。

Img_6268c_20191102200401  龍照院の南、道路に面して秋葉大権現のお堂がありました。火災などの災害がないことを願って、火焚き行Img_6277c 事が行われるようですが(こちら)、神社の詳細は不明。

Img_6288c  龍照院を11時25分頃に出て、再び蟹江川沿いに出て、今度は左岸を下ってImg_6292c いきます。往きに通った御葭橋まで来て(5.8㎞)、左折。蟹江駅の方向に向かいます。これでもうゴール地点までは立ち寄るところはありません。街中を進んでいくのです。

Img_6296c_20191108133601  途中、市場というところに広い空き地があり、「昭和二十一大師第十九番 松秀寺」という石柱と、「八幡山松秀寺 お稚児山募集」という看板がありました。帰って地図で見ると、ここには松秀寺というお寺があるはず。不思議に表調べてみると、以下のようなことでした。八幡山松秀寺は、蟹江町唯一の禅寺(曹洞宗)で、ご本尊は、聖観世音菩薩。天文23(1554)年、桂の廣済寺四世・天巌春暁和尚が草創したといいます。須成の荘に応神天皇を鎮座し、同時に一寺を建立し八幡山松秀寺と号しました。つまり、神宮寺として始まっています。その後、天正12(1584)年の蟹江合戦で焼失、万治3(1660)年、再興して祈願所となるのですが、暴風で潰れたり、濃尾大地震で破損したりするなどさまざまな困難を経た後、明治48(1915)年にここに移転しました。平成15(2003)年、約430年ぶりに草創の地である、須成西四丁目(東名阪蟹江インター近く)に移転しています。つまりここは、松秀寺の跡地でした。

Img_6301c  スタートから6㎞を過ぎ、6.3㎞地点に調整池があり、そこにカモの姿が(微笑)。この日は、ジョウビタキ2羽も見ましたし、JRさわやかウォーキングでバードウォッチングまでできるとは、ラッキーでした。カルガモとコガモが浮いています。さらに700mほどを歩くと、ゴールに。

Img_6331c  ゴールは、はつらつ公園。JR関西線・蟹江駅が工事中ですから、こちらがゴールになったものと思います。Img_6311c ヨシヅヤ蟹江店の南にある公園。11時40分に到着。ここまでで7.0㎞。

Img_6314c_20191102200401  さわやかウォーキングのスタンプを押してもらい、これで合計9個。微妙Img_6327c な個数です。というのも、スタンプ帳の有効期限は1年。私のものは、11月23日がその期限です。それまでにもう1回参加し、完歩しないと、賞品がもらえないのです。それまでには、11月10日(日)、JR紀勢線・多気駅でのウォーキングがありますが(晩秋の田園風景と伊勢本街道を訪ね、「おいないまつり」で多気の文化と食を楽しもう!)、どうしましょう?と思案中。これに行けばスタンプ10個は達成。しかし、JR関西線・桑名駅からJR紀勢線・多気駅まではちょっと遠い。特急・南紀や、快速みえでほぼ1時間。

Img_6323c_20191102203901  物販スペースも出ていたので、覗いてきました。コーヒーの他、蟹江町特産というイチジクを使ったお菓子などがあったのですが、結局、何も買わず。イチジクをそのまま食べた方が美味しそうな気がしたのです(微笑)。

Img_6337c_20191102200401  ここは、蟹江駅のすぐ北東側。蟹江駅に向かいます。駅までは300mほどということで、この日、ウォーキングで歩いたのは、合計7.3㎞。到着したのは、11時50分。12時ちょうどに四日市行き普通がありましたので、それに乗車、桑名駅には、12時16分着。¥240。蟹江駅でホームに出たら、私が「富田のオッちゃん」と呼んでいる知人に遭遇。この方、「よく遊び、よく学べ」の達人。密かに尊敬しています。きわめてフレンドリーで、誰とでも知人・友人になります。釣りバカ日誌の主人公「ハマちゃん」みたいな人。「おぉ、久しぶり」と手をあげて挨拶されました。私より一回り年上なのですが、元気です。

Img_6349c_20191102200401  この日の歩数は、ALKOOによれば、15,529歩。まぁまぁです。足らないこともなく、歩きすぎることもなくですから。

Img_6356c_20191108140501  土産の甘強酒造の「名古屋正宗」は、早速味わいましたが、私には、常温よりも冷やにした方がスッキリしImg_6358c て飲みやすく感じました。

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