お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2024年3月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2019年1月以降の記事を残し、2018年12月以前の記事は削除しました(2019年1月1日から2024年3月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

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2019年6月13日 (木)

20190609JRさわやかウォーキング「~TOICAエリア拡大記念~ ~紀勢線全通60周年記念~ 亀山藩城下町と花しょうぶまつりを訪ねて」へ(その1)……亀山駅前で能褒野神社一の鳥居、松月地蔵を見て、倭姫命が鎮座され弟橘姫が生まれた忍山神社へ

Img_9434c_1  6月9日のJRさわやかウォーキング「~TOICAエリア拡大記念~ ~紀勢線全通60周年記念~ 亀山藩城下町と花しょうぶまつりを訪ねて」の本編、その1です。この日、桑名は朝から雨。どうしようかと迷っていました。朝からテレビの天気予報にかじりつき、かつ、ネットで雨雲レーダーを何度も確かめていました。7時過ぎから我が家あたりは雨が降ってきたのですが、四日市から南は大丈夫そうでした。そこで、エイヤッとばかりに、出かけました。四日市を過ぎると空は明るくなり、亀山ではわずかに青空も見えており、これはラッキーと思ったのですが、そうそううまい話はありません。結果的には、途中4㎞あたりから雨(涙)。4㎞過ぎでは引き返すとか、途中リタイアという選択肢はありません。何しろ、スタートもゴールもJR関西線・亀山駅ですから、そのままゴールまで行かざるを得ませんでした(苦笑)。

Img_9444c_1  この日のスタート&ゴールは、JR関西線・亀山駅。紀勢線の出発駅でもあります。受付は、8:20~11:10でしたが、空模様をImg_9438c_1 眺めていましたので、出かけるのはやや遅くなり、桑名駅を9時28分に発車する亀山行き快速に乗車。四日市から先は各駅停車になります。亀山駅着は、10時6分着。¥670。往きの電車で隣り合わせた男性は、浜松から今日のさわやかウォーキングにいらしたそうです。私よりも明らかにご年配。負けてはいられませんねぇ。実は、このあと訪ねた布気皇館太神社でも、浜松からいらした女性に遭遇。この方、親御さんの介護を終え、浜松駅近くに引っ越して、こういうウォーキングに参加していらっしゃるとか。人生、いろいろあります。

190609jrwalkingkameyamacoursemap_1  左が今日のコースマップ。亀山駅をスタートして、亀山の西部を時計回りに歩くというコース。松月地蔵、忍190609jrwalkingkameyama_1 山神社、布気皇館太神社、旧・東海道の野村一里塚、慈恩寺を経て、亀山市歴史博物館、亀山公園で花しょうぶまつりを見て、亀山城多門櫓、でころぼ坂という珍しい名前の坂を下って、亀山駅に戻るという、マップ上、約7.4㎞です。右は、実際に歩いたルートを示した実測ルートマップ。8.2㎞を歩いてきました。いつものように桑名駅往復が1.8㎞ですので、今日は10㎞+αということです。スタートしたのは、10時10分。

Img_9442c_1  スタート地点の亀山駅には、駅前に大鳥居があります。これは、けっこう珍しいように思います。亀山駅に降り立ったのは、鈴鹿に就職したときに1度遊びに来て以来ですから、40年ぶり。当時、鳥居があったかどうかは、忘却の彼方。これは、能褒野神社の一の鳥居です。能褒野神社は、亀山市田村町にあり、亀山駅からは北東に直線で5㎞離れています。能褒野の地は、明治12年(1879年)に「王塚」あるいは「丁字塚」と呼ばれていた前方後円墳(現在の能褒野王塚古墳)が、内務省によって「能褒野墓」に治定されたところ。すなわち、日本武尊が崩じた場所とされたのです。その後、地元の有志により日本武尊の遺徳をしのぶため能褒野陵周辺での神社の創建が企画され、明治28(1895)年に社殿が竣工され、御鎮座祭が行われています。能褒野神社も行ってみたいところの一つですが、それはまたの機会に。

190609jrwalkingkameyama1_1  こちらは、実際に歩いた実測ルートマップを少し詳しくしたものの、その1。亀山駅をスタートして西へ向かいます。亀山駅Img_9449c は、名古屋駅とJR難波駅(大阪市)を結ぶ関西本線と、ここを起点として紀伊半島を海沿いに走り和歌山市駅までを結ぶ紀勢本線の2路線の接続駅となっています。かつて国鉄の時代には、機関区や客貨車区などが置かれた三重県内でも有数の鉄道の要衝でした。名古屋方面・京都方面から来る多くの特急列車などが、ここを経由して伊勢・南紀方面に向かっていたのですが、四日市 - 津間は当駅経由では大きく迂回するルートでした。そこで、短絡ルートである国鉄伊勢線の建設が検討されるようになり、昭和48(1973)年に伊勢線が開通すると名古屋方面の特急など優等列車の大半は伊勢線経由となり、徐々にローカル輸送へとシフトして行かざるを得なくなりました。伊勢線開通後も寝台特急「紀伊」が運行されていましたが、昭和59(1984)年に廃止され、亀山駅に停車する特急列車はなくなりました。京都方面からの急行列車も、近鉄特急に客足を奪われ昭和62(19879年に消滅。平成18(2006)年3月のダイヤ改正で急行「かすが」が廃止され、亀山に停車する優等列車はすべてなくなりました。往時にの賑わいを示すのが駅構内の広さです。東西方向に1km以上に渡っているのです。構内には、小さい転車台も残っています。私が40年前に訪ねた頃は、まだ日本国有鉄道の時代で、駅ももっと栄えていた気がします。

Img_9457c  さて、亀山駅をスタートして西へ。線路沿いの細い道を抜けて、旧国道1号線に出ます。昔はバイパスになっていたところが今Img_9461c は正式な国道1号線になり、ここは、県道565号線に変わってます。これだけで「今は昔」という感じ。少し行くと、カメヤマローソクの直売所だった建物の前を通ります。カメヤマローソクは、神仏用ローソクだけでなく、キャンドルの製造、販売をしています。現在は、大阪市北区に本社を置いていますが、もともとは昭和2(1927)年、ここ亀山で谷川兵三郎(ひょうさぶろう)が創業した谷川蝋燭製造所が始まりです(こちら)。ろうそくを専門に取り扱っており、ろうそくの国内シェアは約5割。ちなみに、今は結婚式で定番となったキャンドルサービスを昭和34(1959)年に生み出しています。

Img_9465c  亀山ローソクの直売所の先、亀山警察署のところを左折。JR関西線を潜り、鈴鹿川方面を目指します。亀山駅から西は、JR西Img_9469c 日本の管轄。少し行くと、右の写真のように関西線の下を潜るのです。関西線を潜るところには、「制限高1.7m」とあります。関西線を越え、鈴鹿川の手前で1㎞。その先に、松月地蔵(しょうげつじぞう)があります。

Img_9475c  こちらがその松月地蔵。松月地蔵(しょうげつじぞう)。五体のお地蔵様がいらっしゃいます。亀山市歴史博物館のサイトImg_9477c_1 よれば、亀山駅近くに住む方が中心になってお世話をしておられ、地蔵や五輪塔(部分)を「松月地蔵」と名づけたそうです。祠の後ろの松を植え替えたり、アジサイを植えたりなさっています。「川原の地蔵さん」というのが昔からの呼び名のようです(こちら)。詳しい由緒などは、検索しても不明ですし、亀山市歴史博物館のサイトにもありません。

Img_9484c_1  例によって(微笑)、田園地帯を進みます。鈴鹿川や、JR関西線の線路沿いです。稲はすでにかなり伸びてきていて、青々とImg_9498c_1 しています。このあたり(JR関西線を越えて、松月地蔵に出るところから500m以上にわたって)、関西線と鈴鹿川の間にメガソーラーの太陽光発電パネルが並んでいます。まさにその名の通り「メガ」です。右の写真は、メガソーラーの西側にある忍山大橋の上から東を向いて撮ったもの。これだけの規模のものは初めて見ます。

Img_9511c_2  スタートから2㎞ほどで、忍山神社(おしやまじんじゃ)に到着。「延喜式」神名帳に登録された式内社です。第10代崇神天皇7年(紀元前91年)、伊香我色雄命(いかがしこめのみこと;孝元天皇の妃となり、彦太忍信命(ひこふつおしのまことのみこと)を生みますが、天皇の死後、その子・第9代開化天皇の皇后となり、崇神天皇を生んだと伝わっています)に猿田彦を鎮座せしめられ、その子・大水口宿禰(おおみなくちのすくね)の子孫(80代)が相継いで神主となって明治に至ったとされます。垂仁天皇の御代に倭姫命(ヤマトヒメノミコト)が御杖代となって天照大御神の鎮座の地を求めて、大和の国から忍山に御遷幸になり、ここに半年御鎮座されたといいます。また、第12代景行天皇の御代には、日本武尊が東征に際し、忍山神社に立ち寄られ、神主・忍山宿禰の長女・弟橘媛(おとたちばなひめ)を妃とされ、媛は東征に従われ、相模の海が海神の怒りで荒れたため、入水してその怒りを鎮められたと伝承されています。余談ですが、倭姫命が赴かれたところや、日本武尊がいらしたところについては、少なくとも近くにあるところはすべて訪ねてみたい気がしています。

Img_9525c_1  明治41(1908)年、村社能牟良(のむら)神社他、近隣の20社を合祀しています。主祭神は、猿田彦命と、天照皇大神。相殿神は、天児屋根命(アマノコヤネノミコト;天照大神が天の岩屋に隠れたとき、祝詞を奏した神)、天布刃玉命(アマノフトダマノミコト;高皇産霊神(たかみむすびのかみ)の子。天照大神が天の岩屋に隠れた際、天児屋命とその出現を祈請)、倭姫命、天照大御神荒御魂(天照大御神の荒御魂(あらみたま);神様の御魂のおだやかな働きを、「和御魂(にぎみたま)」というのに対して、荒々しく格別に顕著な神威を表す魂の働きを「荒御魂」と呼びます)、大比古命(おおひこのみこと;日本書紀によれば孝Img_9517c_1 元天皇の皇子)、大若子命(おおわくごのみこと;伝承上の伊勢神宮の初代大神主。天日別命の子孫。度会(わたらい)氏の祖先神。倭姫命が天照大神を伊勢神宮にまつったとき、南伊勢の豪族として協力したため、神国造(かみのくにのみやつこ)と神宮の大神主に任じられた)、乙若子命(おとわくごのみこと;伝承上の伊勢神宮の神職。大若子命の弟。景行天皇、成務天皇、仲哀天皇の3代にわたって豊受大神宮の大神主としてつかえたという)、天宇受売命(アマノウズメノミコト;天照大神が天の岩屋に隠れた際、その前で踊り、大神を誘い出した女神)、大山津見命(オオヤマツミノカミ;山をつかさどる神)、豊宇賀乃売命(トヨウケビメノミコト;豊受大神の異称)、木花佐久夜姫命(コノハナノサクヤビメノミコト;日本神話にみえる女神。大山祇神の娘。天孫瓊瓊杵尊の妃。富士山の神)、饒速日命(ニギハヤヒノミコト;天孫降臨に先だち、天磐船(あまのいわふね)に乗って天下ったという神)、大水口宿禰穂積命、忍山宿禰(Wikipediaによれば、古事記では建忍山垂根(たけおしやまたりね)。日本書紀に現れる穂積忍山宿彌と同じという。古事記には、成務天皇の妃である弟財郎女の父として登場する。また日本書紀に記される、日本武尊の妃・弟橘媛の父である穂積忍山宿禰も同一人物とされる。穂積神社、忍山神社の祭神)、建速須佐之男命(タケハヤノスサノオノミコト;天照大神の弟。多くの乱暴を行ったため、天照大神が怒って天の岩屋にこもり、高天原から追放された。出雲に降り、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治し、奇稲田姫(くしなだひめ)を救い、大蛇の尾から得た天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ;三種の神器の一。のちに、熱田神宮に祭られる。別称、草薙剣(くさなぎのつるぎ))、大名牟遅命(おおなむちのみこと)、伊邪那岐大神(イザナギノオオカミ;伊弉冉尊とともに天つ神の命で磤馭慮島(おのころじま)をつくって天降り、国生みと神生みを行った男神)、伊邪那美大神(イザナミノミコト;伊弉諾尊と結婚し、国生みと神生みを行った女神)、市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト;天照大神と素戔嗚尊との誓約の時に生まれた三女神の一。福岡県の宗像大社の辺津宮の祭神)、火産霊神(ホムスビノカミ;迦具土神(かぐつちのかみ;伊弉諾尊・伊弉冉尊の子。火の神))、菅原道真公、保食神(ウケモチノカミ;五穀をつかさどる神。食物の神)、伊香我子雄命(いかがしこめのみこと)。いやぁ、調べてリンクを張るのも大変です(微笑)。20社を合祀したが故にこれほど多くの神様がいらっしゃるのでしょうが、関連図でも書いてみないといけません。

Img_9527c

 先に述べましたが、垂仁天皇14年(紀元前16年)、倭姫命(ヤマトヒメノミコト)が御杖代となって天照大御神の鎮座の地を求めて、大和Img_9529c_2 の国から忍山に御遷幸になり、ここに半年御鎮座されたといいます。拝殿前にはそれを記した柱が立っています。神社でいただいた由緒にはこれを貸し込んで天照大神を奉祀したとあります。ここ忍山神社の神事には、「傘鉾」というものがあるそうです。素戔嗚尊の荒魂を鎮めるため古くから行われています。毎年10月の例祭日に傘鉾が町内巡行されます。傘鉾は、傘状の山車で毎年、新たに造られるそうです。リンク先で動画が見られます。もとは、能牟良(のむら)神社の祭礼で、忍山神社に合祀されたため、忍山神社の祭りになっています。こちらに亀山市教育委員会がつくった「忍山神社の歴史」という資料があります。倭姫命は、「河曲鈴鹿小山宮」に鎮座されたといいますが、この小山宮がここ忍山神社とされています。倭姫命が「ここはどこか」と聞いたところ、大比古命が「味酒鈴鹿国(ウマサケスズカノクニ」と答えたといいます。

Img_9542c_1  拝殿の東側には、山の神、庚申塚などが、8基集められていました。向かって右から2基目には、「辯才天」と彫られています。歴史のある神社で、なかなかよい雰囲気というか、それなりに厳粛でありつつ、落ち着ける感じがします。

Img_9537c_2  参拝を終えたところで、氏子の代表の方が由緒を書いたパンフレットをくださり、さらに、「いただいていってもらわないと困るんです」と、御神酒を強く勧めてくださいました。お断りするのもどうかと思い、素直に頂戴してきました(微笑)。辛口で、なかなかいける「御神酒」でしたなどと書いていると、罰が当たるかも知れません(苦笑)。いや、お断りすると罰が当たったということにしておきましょう。忍山神社でちょうど2㎞、時刻は10時45分頃。

190609jrwalkingkameyama2  実測ルートマップは、その2の範囲に進みます。忍山神社から再びJR関西線沿いを進みます。布気町に入って、昔の国道1号Img_9553c_2 線を渡り、布気皇館太神社を目指します。右の写真では、「どんなところ?」と思われそうですが、田園地帯です。草が生い茂っている向こうは、水田。

Img_9568c  旧・国道1号線(現在は県道)を布気東交差点で渡ります。この交差点の東南に「亀八食堂」という、このあたりでは焼き肉・ホルモンで有名な食堂があります。鈴鹿で働いていたImg_9569c 頃、何度も来たことがあります。最近は、B級グルメの「亀山みそ焼きうどん」でも有名な店。ここのみそ焼きうどんは、自分で鉄板で焼いて食べます。この店、お勧めです。今回のウォーキングでも、ルートを調べていて、すぐ近くを通るなら立ち寄りたいと思ったくらい。皆様も、近くにいらっしゃる機会がおありでしたら、ぜひお立ち寄りください(微笑)。

 というところで、その1はここまで。その2は、布気皇館太神社から。

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    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

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    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)

  • 関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)

    関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)
    タイトルに惹かれて手に入れたものの、序章の記述が私にとっては退屈でしばらく放っておいたり、読み直そうと思ってくじけたりしていました。しかし、そこを乗り越えるとこの本はとても面白くなり、ほとんど一気読みしました。スサノヲ(素戔嗚尊)の正体を探るプロセスでアマテラス(天照大神)の謎も明らかにされて行き、それもとても興味深いものがあるのです。アマテラスは皇祖神とされますが、実在の初代王と言われる崇神天皇はアマテラスを伊勢に追いやっています。また、伊勢神宮を整備した持統天皇だけは伊勢に参ったものの、それ以降明治になるまで、1,000年以上も歴代天皇は伊勢神宮を訪れていません。明治天皇が東京に遷御したあと武蔵国の鎮守勅祭の社に定めたのは、スサノヲの祀られる氷川神社(現さいたま市)です。明治天皇は氷川神社を訪れた翌年に、伊勢神宮を訪れています。そもそも伊勢にいる神はアマテラスなのかという疑問にも立ち向かっている、古代史や神に関心がある方にはお勧め。 (★★★★★)

  • 安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)

    安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)
    時代小説をよく読みます。捕物帖、市井の人たちの生活、侍の物語、大名の話などいろいろとあります。庶民の生活については、これまでもいろいろな本でかなり知っていますが、大名の生活については分からないところの方が多いと思っていました。タイトルに惹かれて買ったのですが、大名やその家族の生活が詳しく書かれているのではなく、勤番侍の生活、大名屋敷の庭園、御用達商人や豪農、幕末の動乱と大名屋敷などの話が中心でした。それはそれで知らなかったことが多々あり、興味深く読みました。 (★★★)

  • 服部環ほか: 指導と評価2023年10月号(図書文化社)
    「指導と評価」は、日本教育評価研究会の機関誌であるとともに、日本で数少ない教育評価に関する月刊誌です。この号では、教育・心理検査の意義と活用という特集が組まれています。「教育・心理検査の意義」に始まり、WISC-Ⅴ、KABC-Ⅱなどの個別検査の使い方、解釈の仕方、指導への活かし方がそれぞれの専門の先生によってわかりやすく解説されています。特別支援教育の現場でも、きちんとした心理アセスメント所見に基づいた支援を展開することが望ましいのですが、現場の先生方には敷居が高いようです。ご関心がおありの方には、どのように使えるか、どのように考えたらよいかについて基本的なことがらを理解するのに適しています。出版社のWebサイトからバックナンバーとして購入できます。 (★★★★)
  • 石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑

    石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑
    野鳥図鑑はすでに何冊も持っていますが、この野鳥図鑑は、2015年の刊行で、なぜ今までこの存在に気づかなかったと反省するほど便利そうなもの。掲載されているのは324種ですが、それぞれの特徴や、見わけのポイントがパッとわかるようになっています。その鳥の生活型や生息地、食性や羽色、形態などのほか、雌雄、夏羽冬羽、幼鳥などで特徴が異なる場合は、それらについても説明されています。観察したい行動から、おもしろい生態、探し方までもが載っていますし、鳥の鳴き声が聴けるQRコードも付いています。私自身、野鳥の特定がけっこうアヤシいので、しっかり活用しましょう。 (★★★★★)

  • 千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)

    千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)
    「東海の街道」シリーズの第4巻です。「街道歩きのお供に最適の1冊」といううたい文句。内容は、三重の主な街道、近世三重の城郭図・城下図を読み解く、お伊勢参り小咄、伊勢をめぐる〈参詣〉をデジタル化するの4章構成で、まさに三重の街道歩きの参考書としてよいと思います。私自身も県内の東海道、伊勢街道、美濃街道、濃州街道はほとんど歩き、ほかの街道も部分的に歩いていますし、城もここに載っているところはかなり訪ねています。デジタル化も、ブログに写真・記事を載せていますから、出来不出来はともかく、私も取り組んでいます。県内の街道はさらに歩こうと思っていますし、デジタル化にももっと取り組みたいと考えていますので、十分活用できるでしょう。 (★★★★★)

  • 唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)

    唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)
    都市にもたくさんの野鳥がいることを知る人は少ないかも知れません。私がいつも散歩している地方都市の公園では、これまで10年あまりで70種類近くの野鳥を観察しています。都会は自然の少ない人工的な環境にあふれていますが、野鳥たちはもともとの生態を活かしつつこれらにしたたかに適応してい生きています。この本では、カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽を取り上げ、その都会における生態や、活動の変化、人間と鳥との関係とその変化などについて多くの実例や、調査結果をもとに、豊富な写真を使って楽しく読めるようにまとめられています。 (★★★★★)

  • 堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)

    堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)
    「ショックドクトリン」とは、テロや大災害など、恐怖でこくみんが思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことです。アメリカでの3.11以来、日本でも大地震やコロナ禍の裏で知らない間に個人情報や資産が奪われようとしているというのがこの本のテーマ。パンデミックで製薬企業は空前の利益を得、マイナンバーカード普及の先には政府のよからぬ思惑があるなどよくよく注意し、自分の生命・財産を守らないといけないというのが著者の主張。「今だけ、自分だけ、お金だけ」という強欲資本主義に負けないようにするには、ちょっとした違和感を大事にし、お金の流れがその裏にないか、また、それで大もうけして回転ドアをくぐって逃げる輩がいないかをチェックすることです。また、政府が何か、大急ぎで導入しようとしたり、既存の制度を急拡大しようとするときは、要注意だそうです。 (★★★★)

  •  奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)

    奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)
    いわゆる「高須四兄弟」である徳川慶勝、松平容保、松平定敬、徳川茂栄は、幕末維新の激動期に、結局のところ官軍と幕府とに分かれて戦う運命になったのですが、この四兄弟を取り上げて埋もれた歴史を活写した小説。私自身は、桑名藩主であった松平定敬が取り上げられているので興味を持って手に取った次第。幕末維新は、次々に色々な出来事が起きて、さまざまな人たちの思惑も複雑に入り組んでいるので、小説にするのは難しいと思っていたのですが、隠れた主人公ともいえる高須四兄弟の視点からとても躍動感のある読み物になっています。また、この時期の歴史をより一層深く理解できたという感想も持っています。 (★★★★)

  • 國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

    國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    ほぼ隠居状態ですから、暇と退屈には困りません(微笑)。それ故にこの本を手に取ったといっても、誤りではありません。著者がいうには、「暇」とは何か、人間はいつから「退屈」しているのだろうかといったなかなか答えにたどりつけない問いに立ち向かうとき、哲学が役に立つというのが著者のスタンス。哲学書なのに、読みやすいのです。スピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど、その昔学生時代に取り組んで挫折した哲学者たちの論考を参照しつつ、現代の消費社会における気晴らしと退屈について鋭い指摘がされ、まさに蒙を啓かれます。 (★★★★)

  • 逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)

    逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)
    今さら、なぜこういう統計ソフトの本を読むのか? と訝られると思うのですが、その昔、現役の頃には統計パッケージソフトIBM SPSSを使ってデータを分析して論文を書いていました。ただ、SPSSを始め、統計パッケージソフトは、値段がバカ高いのです。退職する前からこのRというフリーの統計処理ソフトが出て来て、ずっと興味を持っていました。先日、文庫本を買おうと思って本屋に行ったらこの本を見つけてしまいました(微笑)。今さらこれを使ってバリバリやる訳ではありません。むしろボケ防止かも知れませんが、昔のデータはそのままパソコンにありますから、これを使って、昔はやらなかった分析をしてみようと思っています。何か成果が出るかどうかは極めてアヤシいのですが、まぁゆるりといろいろやってみることにします。 (★★★★)

  • 林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)

    林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)
    たまにはこういう本も読まないと、認知機能が退化するかもしれないと思って(微苦笑)。というよりも、もともと神経心理学に興味がありましたので、本屋の店頭で見つけ、これは面白そうだと思って購入しました。うつ、自閉スペクトラム障害、ADHD、統合失調症、双極性障害など、現代人を悩ませる心の病について、脳にどのような変化が起きているか、最新の知見がまとめられています。最前線の研究者たちがわかりやすく説明しているのですが、知識ゼロで読むのはかなりキツいかも知れません。私は現役をリタイアして10年以上になりますが、その間にこれほど研究が進んだのかというのが正直な感想。心の病の原因は、1つとは限りません。心の病は「症候群」と見た方がよいと考えます。私自身が関わる自閉スペクトラム障害、ADHDなどの発達障害でもそうです。脳機能と心の病との関連について最新の知見を知りたい方にはおすすめ。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)

    磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)
    本の帯に「大河より面白い!」とありますが、本当にそうでした。午前中の散歩のついでに買ってきて、夕食までに一気に読み終えてしまいました。もったいない気がするくらい。松平元康がいかにして徳川家康になったか、さらに徳川将軍家がいかに続くよう礎を築いたかが、よく分かりますし、戦国時代から徳川幕府創世記までの歴史を見る目が養われる本です。それというのも、著者の磯田さんが古文書の権威で、一次史料を読みこなすだけでなく、場合によっては価値が怪しい資料まで傍証に用いて(怪しい資料でも使い道があるというのも良く分かりました)、ご自身の頭で考えた結果を実に分かりやすく解いてくれてあります。徳川家康の弱者の戦略のキーワードは、「武威」と「信頼」ということです。また、情報の取得、解読にも意を尽くしたことがよく分かります。混迷を深める世界情勢を読み解いて、我が国が進む方向を考える上でも役に立つ一冊。 (★★★★★)

  • 井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)

    井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)
    発達障害、とくに自閉スペクトラム症(ASD)の方では、感覚過敏や感覚鈍磨をよく伴います。「照明で目がチカチカする」「皆が話している教室では。音が鳴り響き絶えられない」「ケガをしてるのに、痛みを感じない」などさまざまな状況を呈します。著者は実験心理学や、認知神経科学を専門とし、ASDの方に見られる感覚過敏、感覚鈍磨は、脳機能の特性から来ていることを明らかにしてきています。ASDなど発達障害のあるご本人はもちろん、親御さん、教師など関わりを持つ方々は、このことをよく理解して支援にあたることがとても重要です。ASDを始めとして発達障害について、「わがまま」「自分勝手」「やる気がない」などと捉えてしまうと、支援どころか、理解もできなくなります。脳の働きによってさまざまなことが生じてきているという視点が必要不可欠です。この本は、感覚過敏・感覚鈍磨を手がかりにそういう視点について理解を深められます。 (★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)
    2022年12月のNHKのEテレ「100分de名著 中井久夫スペシャル」のテキストです。今頃(2023年2月)これをリストアップしているのはどうかという気もしますが、録っておいたビデオをみたのが最近なのです。中井久夫さんは、2022年8月にお亡くりになりましたが、日本を代表する精神科医のお一人であり、翻訳家、文筆家としても一流でした。現役の頃、中井さんの本はたくさん読みました。臨床心理学の分野でも「風景構成法」を導入した方として知られています。Eテレの講師である齋藤環さんは、中井さんを評して「義と歓待と箴言知の人」と書いておられますが、まさにそういう気がします。『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』が紹介されています。現在もウクライナで戦争が続いていますが、中井は「戦争は過程、平和は状態」とし、戦争は物語として語りやすく、とにかくかっこよくて美しい、それが問題だといいます。一方、平和は分かりにくく、見えにくいため、心に訴える力が弱いとします。「状態を維持する努力はみえにくい」のですが、戦争と平和に限りません。普段通りの日常生活を維持していくのも同じような気がします。戦争を経験していない人間が指導者層の多くを占めるようになると戦争に対する心理的抵抗が低くなるともいいます。「戦争には自己収束性がない」とも中井さんはいっています。われわれはやっかいな時代に生きていると痛感します。中井さんの本を多くの方が読むと、時代も変わるかも知れません。 (★★★★★)

  • 桑名三郎: 七里の渡しを渡った人達(久波奈工房)
    桑名と名古屋の宮を結んだ東海道唯一の海路「七里の渡し」をテーマにした歴史本です。船頭が旅人を案内しながら、七里の渡しを渡った歴史上の24人を紹介する内容。やさしい話し言葉で紹介されており、読みやすい本です。徳川家光、松尾芭蕉、明治天皇などが取り上げられています。著者は、桑名で歴史案内人をしながら、街の歴史を研究している、街道好きの方です。本は、桑名市内の書店とメルカリで¥1,200で販売。 (★★★★)
  • 磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)

    磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)
    磯田さんの本は面白い。というのも、話のもとには古文書があるからだと思う。その古文書も磯田さん自身が、古書店などで発掘してきたものがほとんどで、それ故、内容もオリジナリティが高くなる。この本は、戦国時代から幕末あたりを中心にさまざまな古文書の内容をもとに、例えば忍者の悲惨な死に方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、赤穂浪士が吉良の首で行った奇妙な儀式などなど、興味深いエピソードを浮かび上がらせている。面白いので一気読みしてしまった。 (★★★★★)

  •  佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)

    佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)
    史跡や、寺社、町並み、城、美術工芸品等の見方がやさしく解説されている本です。「事典」となっていますが、いわゆる辞書とは違って、普通の本のスタイルです。索引が充実していますので、事典としても十分に使えます。最初の版をもっていますが、40年ぶりに改訂され、写真、図版も多く、歴史散歩の最強の味方です。 (★★★★★)

  • 日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)

    日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)
    今年1年、何の因果か(などと書くとお叱りを受けること必至ですが)、住んでいるマンションの管理組合の理事長を仰せつかっています。今年は、エレベーターリニューアル工事が最大のイベントで、それは無事に済んだのですが、前理事長から8年後に迫った第3回大規模修繕に向けて、修繕積立金が不足する見込みと申し送られました。確かにかなりの金額が不足しそうで、頭を悩ませていました。マンションに住みながら、そもそも基本的な知識が不足しており、管理会社のフロントマンの方の協力を得ながらシミュレーションなどをしていました。ネットであれこれ調べてはいたものの、それで得られる知識は体系的なものではありませんでした。この本は、事例を元にマンション管理について必要な知識が得られるように書かれており、まだすべて読み終えてはいないものの、とても役に立っています。任期残り2ヶ月半となって付け焼き刃ではあるものの、次の理事会に具体的に課題を申し送ることができるよう勉強中(笑)。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)

    宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」や「どうしても頑張れない人たち」の著者である宮口幸治さんの新刊です。前2著の内容をよりよく理解できるよう、「ドキュメント小説」として書かれたものです。主人公は、精神科医の六麦克彦。医局から派遣されて要鹿乃原少年院に勤務して5年。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちでした。この内容は、前の2冊のように普通の新書では書き尽くせるものではなく、物語の形を借りざるを得なかったのでしょう。ただし、普通の小説として読むのには少し苦労するかも知れません。特別支援教育が普及して、知的障害や、発達障害のある子どもへの教育や支援は、以前に比べれば改善されてはいますが、最近は、家族の養護能力が十分でなかったり、親など家族自身に支援が必要なケースもたくさんあります。こうした中には、この本で取り上げられたような結末に至ることがあっても不思議ではないという気がします。極端な事例が集められていると思われるかも知れませんが、社会全体として真剣に取り組むべき課題が突きつけられています。 (★★★★)