20190411近鉄ハイキング「お伊勢さん参りハイキング 昔も今もお伊勢参り~旅3日目~東海道、旅人気分で四日市宿から伊勢路へ」(その4)……階段付きの常夜燈、神戸見附跡、神戸の札の辻などを経て、鈴鹿市駅にゴール(完)
4月11日の近鉄ハイキング「お伊勢さん参りハイキング 昔も今もお伊勢参り~旅3日目~東海道、旅人気分で四日市宿から伊勢路へ」も、改元をまたいでようやくゴールできそうになりました(微笑)。その3では、河原田神社と忘帰處を経て、ようやく鈴鹿市に入り、善誓寺に立ち寄りました。JR関西線にそって進み、高岡橋で鈴鹿川を渡っていきます。
善誓寺を過ぎ、県道四日市鈴鹿線を横切り、続いてJR関西本線の踏切を横切ると、右手に「大泉源之助翁彰功碑」がありま す。これについては調べたものの、詳細は不明。その先、JR関西線沿いに常夜燈が見えます。これは、寛政11(1799)年に建立されたもの。高岡橋の北詰にあったもののようで、江戸から寄進されたと伝わっています。
ハイキングは4月11日でしたので、まだ桜が満開。このソメイヨシノ、枝振りも なかなかよく、「隠れた名桜」といってもよいかなどと思ったくらい。この桜の近くに「陸軍歩兵伍長 勲七等功七級 稲田稔之碑」が建っていました。桑名でも、大貝須や、上之輪などでこういう個人名の碑が建っているのを見ます。家族や親族が建てたものと思いますが、これを管理していくのはなかなか大変だろうという気がします。
高岡橋で鈴鹿川を渡ります。往時の伊勢街道は、実測ルートマップで北高岡とあるあたりから斜めに川を横切る ようなルートが描かれています。橋の途中で、スタートから10㎞。振り返って見ると、高岡城跡が遠望できました。現在は公園になっています。築城年代は不明。歴代城主は、神戸城主神戸友盛の家老山路弾正や、小島兵部とされます。永禄10(1567)年と翌11(1568)年の二度にわたって、織田信長の武将、滝川一益の猛攻を受けたが落城しませんでした。しかし、こういう不利な戦況下で山路弾正と主君神戸友盛は最終的に信長の三男織田信孝を神戸家の養子にすることで講和を受け入れています。
鈴鹿川を渡って、南岸の堤防道路を300mほど行くと、階段付きの常夜燈があります。文化4(1807)年建立。石の階段は点 灯のために付けられているのです。「太神宮常夜燈」「國土安穏」「五穀成就」などと刻まれています。階段部分には、「平成十一年十月吉日修復 大泉源之」とありました。平成の世の中になっても、こういうものを修復してくださる奇特な方がいらっしゃるんですね。
実測ルートマップは、その4になります。高岡の町を南西に向けて、一直線の道路が続いています。「みえの
歴史街道」の伊勢街道のマップによれば、このあたりは古代条里制の面影が残り、そのために道が一直線になっていると説明されています。
田んぼの中の道を1㎞ほど歩いたところに、常夜燈があります。こちらは、文化14(1817)年に建てられたものですが、大正9(1920)年に再建されています。旧・十宮村三軒屋の入り口に当たります。
その先さらに300mあまりで、神戸(かんべ)見附跡が見えてきます。写真で橋の向こう、登り坂になったところに案内 板があり、その右手が現在は公園になっていますが、このあたりに見附があったといいます。両側に土塁と石垣を築き、町の治安を守るために番人がいて、夜遅くには、木戸を閉じて通行を禁じたといいます。両側の石垣には、木戸の柵を支えた溝が残っているのだそうですが、見つけられませんでした(後で調べたら、かなり細いもののようで、容易には気づかないようでした)。
左は、案内板に描かれた明治2(1869)年の絵図。上が神戸の町。石垣が両側にあり、両開きの木戸が描かれています。石垣 は今も残っています。右の写真は、東側の石垣。そこには、「式内阿自賀神社 距此凡三町」とありました。明治2(1869)年建立。阿自賀(あじか)神社は、鈴鹿市須賀一丁目に現在もあります。距離がありましたので、行ってはいませんが、主祭神は品陀和気命、創建は建暦2(1212)年3月以前と考えられています。この見附跡あたりで12㎞。時刻は13時15分を過ぎたくらい。
神戸見附跡を過ぎて、いよいよ神戸の町へ入っていきます。このあたりは昔の雰囲気がかなり残っていて、連子格子の建物も いくつか残っています。町の一角には、「旅館 賀美(かみ)亭」があります(右の写真)。調べますと、今も営業しているようで、1泊4,000円くらいのようです。神戸は、十日市町(現神戸2丁目)が中心で、本陣や問屋もそこに集中していたといいます。幕末には旅籠は19軒あり、常磐町(現神戸8丁目)に14軒もあったといいます。賀美亭は、当時は「紙屋」という屋号だったといいます。こちらに実際に泊まった方のブログ記事があります。
さらに進み、近鉄鈴鹿線の線路を越え、神戸小学校の手前で六郷川という小さい川を渡るのですが、ここに「大橋」という橋がかかっています。何気なく渡ってしまったのですが、よく調べてみたら、かつては神戸藩士の水練場であったといいます。こんなところで泳げたのか、という気がするくらいです。しかし、これは現代のわれわれの感想に過ぎません。ここはまた、蛍の名所でもあったそうです。
大橋の先の三叉路が、札の辻。札の辻は、高札場があったところ。あちこちに今でもこの地名が残ります。伊勢街道は、ここ で左に向かいます。三叉路の角には、「旅館あぶい」があります。ここも現在も営業しているようです。そのあぶいの前に「距離標」(右の写真)と、「神戸町道路元標」があります。距離標には、「大正三年拾壱月 三重縣」、「日永村へ 壱里貳拾町拾六間 白子町へ 壱里貳拾貳町四拾四間 神戸町」、「距 津市元標五里参拾四町拾七間」、「距 三重縣桑名郡長島村大字押付管轄境七里参拾壱町五拾間」とあります。
こちらが「神戸町道路元標」で、大正3(1914)年の建立。旅館あぶいの前を伊勢街道に沿って左折し、さらにその先の三叉路でさらに左折しますが、今回のハイキング、伊勢街道はここまで。ゴールの鈴鹿市駅に向かいます。
鈴鹿市駅に向かう途中、再び六郷川を渡ったところで、こんな像を発見してしまいました(笑)。見つけてしまったからには、見たくなります。しかし残念ながら、民家のすぐ側にあって、横や後ろを確認できませんでした。施主の名前が彫られたところだけは見えたのですが、野町、石薬師など市内の地名と氏名、それに一部の方には勲五等功七級などがついているだけで手がかりはありませんでした。
道の西側、六郷川の手前には、子安地蔵がありました(左の写真)。みえ歴史街道の伊勢街道のマップによれば、これは「宝珠山地蔵院」。ここは、「東海道中膝栗毛」の中で「安穏に火よけ地蔵の守るらん、夏のあつさも冬の神戸も」と詠まれているそうです。元は、街道の東側にあったといいます。さらに、道の西側、川を渡ったところ には、多聞天(右の写真)。これについて詳細は不明。
13時35分、ようやく近鉄鈴鹿線・鈴鹿市駅にゴール。スタートからは、13㎞。今回はゴール受付で、「お伊 勢さん参りハイキング」参加記念のマグネットをいただきました。これで旅1~3日目のもの、3個が揃っています。デザインは、日永の追分。13時40分に伊勢若松行きの電車があったのですが、駅前を探して、昼食を摂ることに。
駅のロータリーの南にある喫茶店「ロータリー」へ。ランチが美味しそうだったのですが、時間も時間で、売り切れ。カレーライスにしました。失礼ながら、あまり期待しなかったのですが、これがなかなかでした。ちなみに、鈴鹿にいた頃、鈴鹿市駅のあたりに何度か来た記憶があるのですが、その当時に比べるとかなり淋しくなった印象。14時10分の伊勢若松行き普通電車に乗車。伊勢若松には14時15分に到着。ここで名古屋線に乗り換えますが、名古屋行き急行が14時17分発でグッドタイミング。桑名着は、14時40分。¥490。
この日のALKOOによるデータは、左の写真の通り。24,796歩。19.0㎞はたぶん過大評価。GPSで測定していると思いますが、行っていないところをトレースされていることもありますから、何らかのミスでしょう。キョリ測では、ハイキングで13.0㎞(立ち寄り先でウロウロしていますから、実際にはこれに+α)、桑名駅までの往復が2.1㎞(帰りに用事を済ませてきました)で、合計15.1㎞。トータルでこれだけの距離になりますと、さすがにしっかり歩いた気がしますし、足にいささかの疲労感を覚えます。
あみま倶楽部のスタンプは、15個目。悪くないペースです。次の「お伊勢さん参りハイキング」は、5月4日(お伊勢さん参りハイキング 昔も今もお伊勢参り~旅4日目~伊勢街道、旅人気分で伊勢平野の鈴鹿から海運で栄えた白子へ)。今日のゴールである鈴鹿市駅から、神戸城跡、弥都加伎神社、江島若宮八幡神社、久住屋菓舗などを回って、名古屋線・白子駅まで9㎞のコース。
ところで、実際にハイキングに行ったのが4月11日でしたのに、ブログ記事の方は、改元をまたいで5月1日になってしまいました。記憶があやしいところも出て来ますので、早めに書かねばなりません。4月20日のJRさわやかウォーキング「旧東海道 石薬師宿と鈴鹿『植木まつり』を訪ねて」と、4月28日の近鉄ハイキング「『阿漕』砂浜ハイキングと津グルメ散策』もあります。記憶が薄れるだけでなく、季節感も変わってしまいますから、ボチボチとやります。
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