お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2024年8月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2019年1月以降の記事を残し、2018年12月以前の記事は削除しました(2019年1月1日から2024年8月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

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2019年4月28日 (日)

20190428近鉄ハイキング「『阿漕』砂浜ハイキングと津グルメ散策』へ(予告編)

 明後日(4/30)のハイキングに行くつもりでしたが(特典満載!平成最後のハイキング!癒しの花景!かざはやの里2019藤まつり)、天気が悪いという予報でしたので、今日の「『阿漕』砂浜ハイキングと津グルメ散策」に行ってきました。ゴールデンウィークですから、ハイキングが終わったら家内の実家へ行って、義母に会ってこようということもあるのです。

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 今日のハイキングは、近鉄名古屋線・津新町駅が受付(9時半~10時半)。桑名駅を9時1分発の五十鈴川行き急行に乗車。9時49分に到着。¥750。ゴールデンウィークとあってか、電車はかなり混雑。座れません。いつも江戸橋へ仕事に行くときに乗る電車ですが、比較にならないくらい混んでいました。四日市から乗ってきた高齢の女性が話しかけてこられ、着くまでしゃべっていました。お一人で「平成最後の伊勢参り」に行くということでした。お元気です。

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 本日のコースマップ。津新町駅を出て、三重刑務所、市杵島姫神社(このあたりは旧伊勢街道)、阿漕町の神明神社、山二造酢190428kintetsuhikingtsushinmachi (酢の試飲あり)、結城神社(梅の名所)、阿漕浦海岸を歩いて、高虎ドッグ、T2菓子工房、ラーメンいたろうでグルメを楽しみ、津新町駅へ戻るという7.6㎞。なのですが、はじめに書いたように、家内の実家へ行くつもりでしたから、岩田橋で松菱百貨店に立ち寄ることにし、また、個人的にここをゴールに変更(笑)。実際に歩いたのは、右のマップの通り。松菱百貨店で7.1㎞。ここから三重交通のバスに乗って、家内の実家へ行ってきました。津新町駅をスタートしたのは、9時55分。

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 津新町駅北の踏切を渡って東へ。500mあまりで右折し、昭和橋を渡ります。スタートから1㎞弱で三重刑務所。どういう風か、Img_3459c_1 立ち寄り先になっていました(笑)。鈴鹿で働いていた若い頃から、ここに刑務所があるのは知っていました。男性受刑者に限り、執行刑期が10年未満で犯罪傾向が進んでいない人たちを収容しているそうです。見ていたら、古いレンガ組みの門が残っていました。大正5(1916)年に建築された監獄正門です。「安濃津監獄」の文字が右から左に書かれています。現在は塀の外にあり、門としての機能は果たしておらず、歴史的資料として保存されています。近くまで寄って見ていましたので、監視カメラでチェックされていたかも(笑)。

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 三重刑務所の先で左折し、国道23号線を越えます。この先しばらくは、旧・伊勢街道を通っていきます。スタートから2.3㎞Img_3485c_1 ほどのところに真教寺という、天台宗のお寺があります。地元では、「閻魔(えんま)堂」として知られています。津の守護として、慶長19(1607)年、津藩主・藤堂高次公により町の入り口に建立されました。閻魔王座像や円空作十一面観音立像などがあります。十一面観音立像は、円空の作としては屈指の大きさだそうです。真教寺は今も残る古い町並みの北端にあり、ここから南、伊勢街道沿いには往時の景観を今に伝える建物群があります。

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 真教寺のすぐ東にあるのが、市杵島姫(いちきしまひめ)神社。伊勢参宮街道沿いになります。津市のガイドブックを見て一度来て見たかったところです。大昔には庚申塚でした。市杵島姫は、南朝の重鎮であった北畠氏一族の守護神として北畠氏滅亡まで受け継がれました。そのご神体を、天正4(1576)年の岩田川の戦いで敗れたとき、北畠氏の家臣が岩田の清長院へ預けたものがこの土地に移ったということです。その後、この地の産土神様にっています。万物の生命をつかさどる水の神、音楽芸能、子孫繁栄の神様として崇敬され、付近の人々は、「弁財(べざい)さん」と親しみをもって呼んでいましたから、このあたりには弁財町の名がついています。

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 主祭神は、市杵島姫命。相殿神は、建速須佐之男命、宇迦之御魂命、大物主神、猿田毘古神、大山津見命、天照皇大御神、徳川家康、事比良神。この神社には、青銅製の「湯立釜」があります(市指定文化財)。釜屋町(現・北丸之内)の辻氏と並び称された中山村(現・津市栗真中山町)の鋳物師・阿保氏の作(元文5(1740年鋳造)。境内には樹齢が400年とも500年ともいわれる、大きなイチョウの御神木があります。周囲は約4m。昭和20(1945)年の津空襲の時、湯気のようにもうもうとしたものが出て御神殿をつつみこみ焼失を防ぎ、風の向きもかえ火の手を止めたといわれています。

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 市杵島姫神社を出てすぐのところには教圓寺(真宗高田派)があり、それを過ぎて130mほどで阿漕町の神明神社があります。Img_3563c_1 ここは一風変わった神社で街道脇に鳥居があるのですが、そのすぐ奥が拝殿となっています。鳥居も拝殿も小振り。江戸時代の絵図には「一万度祓納社」として描かれているそうです。説明板によると、悪病が流行して町中がとても苦しんだ時に、人々が相談して阿漕町の中心部に神社を祭り祈祷したところ、病が治まったことから、町の守護として信仰を集めるようになり、毎年4月8日に大祭が催されるようになったといいます。氏子の方がいて説明をしてくださいました。

Img_3571c_1  珍しいことに、御祭神(大日孁貴命(オオヒルメノムチノミコト;天照大神の異称)は屋根に作られた天窓の上に祭られています。写真撮影の許可をいただきましたので、拝殿前でかがみ込んで見上げて撮ってきました。このため、地元では「まんどさん」と呼ばれています。名古屋の四間道あたりで「屋根神様」というのは見たことがありますが、このように屋根の上に祀られ、それを天窓を通してお参りするというのは初めてでした。

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 神明神社からすぐ、街道の西側にあるのが、次の立ち寄り先である山二造酢。古い建物で、外には大きな看板などもありませImg_3588c_1 んので、危うく通り過ぎるところでした。明治20(1887)年創業。今日は、酢の試飲ができるということで、ショウガとゆずが入ったGin-Vine(ジンビネ)というものをいただきました。家内からは、冗談半分で「一升瓶に入った醸造酢を買ってきて」と所望されたのですが、残念ながら一升瓶に入ったものは売っておらず(笑)。義母への土産に900ml入りの醸造酢を買ってきました。昔ながらの酢です。

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 山二造酢さんからさらに伊勢街道を南下。昔風の連子格子の建物が残っていますし、卯建が上がっている建物もたくさんあります。スタートから3㎞地点で左折し、東に向かいます。次は、結城神社に行きます。ここは梅の名所で、前々から是非とも訪ねたかったところ。本来であれば、梅の季節がよいのはいうまでもありませんが、今年はその時期にハイキングもウォーキングもなかったのです。

Img_3661c_1 御祭神は、結城宗広。他に、結城親光以下殉難戦没将士が祀られています。結城宗広(?~延元3(1338)年)は、南北朝時Img_3668c_1 代の武将。元弘の乱では、初め鎌倉幕府軍に加わったのですが、のちに後醍醐天皇方に転じ、新田義貞とともに鎌倉を攻め、幕府を滅ぼすなど、「建武新政」の樹立に貢献しました。延元3(1338) 年、北畠親房らとともに陸奥経営に派遣されることになり、伊勢大湊から出航したのですが、暴風雨のため宗広は安濃津 (三重県津市の港の古称)に漂着。まもなく病死しました。ここは、古くから結城の森と伝えられ、結城塚とか結城明神とよばれてあがめられて来ました。結城宗広公の立派な墓碑があり、300本の華麗なしだれ梅でも有名です。結城神社に着いたのが11時15分、30分も境内を見て回っていました。

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 結城神社を出て東へ300mあまり行くと、阿漕浦の海岸に出ます。今日は、風が強くちょっと寒いくらいでしたが、見晴らしImg_3831c_1 は抜群。北にヨットハーバーがありますので、海にはヨットもたくさん出ていました。ここからは、1㎞あまり、海岸の砂浜を歩きます。ヨットハーバーの手前でちょうど昼になりました。高虎ドッグが目の前ですが、ここは超人気店で、休日など駐車場は一杯で、店に入る階段まで人が並んで待っています。たぶん入れないだろうと思って、いつも通り、コンビニ弁当を調達していましたので、砂浜の階段に座って、お昼にし、12時20分に再出発。

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 高虎ドッグ。案の定、満員御礼。となりにあるT2菓子工房は、パス。はじめに書きましたが、今日は、松菱百貨店の前(岩田Img_3854c_1 橋バス停)からバスに乗って、家内の実家へ行くつもり。時刻はチェックしていませんでしたが、久居駅が毎時15分頃ですから、逆算すると12時50分前後の発車のはず(昼間の時間帯は、1時間に1本)。岩田川沿いを急ぎました。右は、岩田橋。渡った先に松菱百貨店があります。左手に少し見えている大きなビルは、中部電力の津支店。ここで7㎞。12時40分。

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 松菱百貨店前に12時45分に到着。今日は、ここが個人的ゴール(笑)。7.1㎞。バスの時刻を見たら、12時55分発でした。Img_3955c 松菱で土産(平治煎餅と平治最中)を買って、バスに乗車。家内の実家へ(¥730)。家内の実家からは16時29分のバスで久居駅へ(17時2分着、¥530)。17時7分の名古屋行き急行に乗り換え、桑名には17時58分着(¥820)。平治煎餅は、阿漕平治の伝説に因む、津の銘菓。

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 あみま倶楽部のスタンプは16個目をゲット。ALKOOのデータは右の写真の通り。ハイキングで歩いたのが7.1Img_3959c_1 ㎞、桑名駅までの往復が1.8㎞ですから、合計8.9㎞のはず(キョリ測のデータ)。14.8㎞は歩いていません(バスがゆっくり走ったときなどをカウントしていると思います)。

 本編は、4月11日の近鉄ハイキングから滞っていますので、少し先になりそうです(微笑)。

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コメント

こころんさん、おはようございます。

前の記事が終わらないまま、ハイキング、ウォーキングに出かけています(苦笑)。
時間を見て本編を書いていきますので、気長にお待ちくださるようお願いします。

さて、平治煎餅は、ご推察の通り、かぶら煎餅と同じようなもので、「阿漕平治」の伝説に因み、笠の形をしたものになっています。

家内の母には、行くと走らせずに尋ねましたので、余計に喜んでくれました。
私と入れ替わりに、息子(孫)が行って、泊まっていますから、楽しんでいると思います。

金魚まつりでタニシは見た記憶がありません。
金魚屋さんも、2~3軒くらいしか出なくなりました(金魚すくいは別にして)。
昔は、三の丸のお濠の外まで露店が並んだそうですね。

おユキさん、おはようございます。

そうです、すし清さんです。
見るのはフリー、ワンコインでワインやらハマグリやらを食べられたはずですが、最近ブログの更新がされていません。

10連休中、相談会が入ったこともあり、その準備もあって、出かけるのも若干迷いがあります。
ハイキングは徒歩ですからおっしゃるように、天気は気になります。

高虎ドッグは、美味しいのですが、人気の店で、連休+ハイキング参加者でたぶん入れないだろうと思っていましたが、予測通りでした。
写真には、階段に人が並んでいるのが写っていますが、これは入店を待っている列なのです。
何年か前、平日に行って食べたことがありますが、ブログには書いてないと思います。

三重刑務所がなぜコースになっているのかはよく分かりませんが、たぶんこの「安濃津監獄」の正門を見るということなのでしょうね。
大正時代にできていますから、網走や他の有名な監獄の建物、門とは雰囲気が違うようです。
しかし、威厳はたっぷり。

神明神社は、天照大神が祀ってあるのがお約束です。
1枚まえの写真に写っているように、拝殿中央の天井の上の屋根に小さなお社が載っていて、それを天窓を通して拝むという風になっています。
お社には上がれませんでしたので、賽銭箱の前にしゃがんで見上げて、お社の写真を撮りました。
逆光になりますから、露出をマイナスに補正して(暗くして)撮った写真です。

荷物までご心配をおかけし、恐縮です。
ハイキングの時の弁当は、たいていおにぎりに少しおかずが付いたもの(値段でいえば、¥300台)の小さいものにしています。
しかし、瓶入りの酢は、900mlでも重かったですねぇ。
割れないよう気を使いますし。
まぁ、家内の母も「サプライズ」に喜んでくれましたから、よかったよかった(笑)。

ところで、カピバラさんの時計、断りもなくなくなってしまいました。
ココログは、管理画面の仕様も、メニュー内容もかなり変更され、オマケに不具合山積みで困っています。

こんばんは
また本編楽しみにします。
ゴールおめでとうございます。
平治煎餅はよくラジオでコマーシャルを聴いてて
どんなのだろうと思ったままです^^;
かぶらせんべいみたいな感じでしょうか?
節分?だったか縁起物を煎餅で包んでたのをテレビで見たことあります。
もうすぐ母の日ですからね。
お喜びになったでしょう。
金魚まつりってタニシて見掛けられたことありますか?^^;

mamekichi先生、こんにちは。

藤は「すし清」でしたね。了解です(笑)。

この月末、いろいろ迷っていらっしゃったようですが、徒歩の予定ですと、結局はお天気次第ということになりますよね。

津グルメは、ないのですか、残念(笑)。
冗談はさておき、「安濃津監獄」。
お写真を拡大して、「監獄」という字を見て、少し仰け反りました。
”監獄”って、日本語ですけれど、和訳した時に使われる言葉のような気がしていました。
それに、これが正門なんですね。
私の頭の中にある「門」とは、趣が違うので、戸惑ってしまいます。
さすが刑務所?

神明神社は、御祭神が天照大神と決まっているのですよね、確か。
それで、この天窓の手前(部屋側)に鳥居があって、その向こうに窓があり、その向こうの屋根の上に、御祭神が祀られているのですか。
「かがみこんで撮影」ということですから、仰ぎ見たのではなく、低めの位置に、この天窓もあるのでしょうか。

秘密っぽい感じがしますね。
「隠れ〇〇」みたいです。そんな訳ないでしょうけれども。

今回、途中からお荷物のことが気になってしまって、笑えました(失礼m(__)m)。
お弁当を仕入れて参加し、山二造酢で一升瓶の酢、ではなくて、900mlのお酢をご購入。
お弁当を召し上がって、少し身軽になられたかと思ったら、割れるリスクのあるお煎餅と最中。
それらを抱えて、親孝行へ向かうというのは、なかなか味わい深い光景かと思いました。

記事とは関係ありませんが、ココログのリニューアルのタイミングでしょうか、カピバラさんがいなくなってしまって、寂しいです。

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  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)

  • 関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)

    関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)
    タイトルに惹かれて手に入れたものの、序章の記述が私にとっては退屈でしばらく放っておいたり、読み直そうと思ってくじけたりしていました。しかし、そこを乗り越えるとこの本はとても面白くなり、ほとんど一気読みしました。スサノヲ(素戔嗚尊)の正体を探るプロセスでアマテラス(天照大神)の謎も明らかにされて行き、それもとても興味深いものがあるのです。アマテラスは皇祖神とされますが、実在の初代王と言われる崇神天皇はアマテラスを伊勢に追いやっています。また、伊勢神宮を整備した持統天皇だけは伊勢に参ったものの、それ以降明治になるまで、1,000年以上も歴代天皇は伊勢神宮を訪れていません。明治天皇が東京に遷御したあと武蔵国の鎮守勅祭の社に定めたのは、スサノヲの祀られる氷川神社(現さいたま市)です。明治天皇は氷川神社を訪れた翌年に、伊勢神宮を訪れています。そもそも伊勢にいる神はアマテラスなのかという疑問にも立ち向かっている、古代史や神に関心がある方にはお勧め。 (★★★★★)

  • 安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)

    安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)
    時代小説をよく読みます。捕物帖、市井の人たちの生活、侍の物語、大名の話などいろいろとあります。庶民の生活については、これまでもいろいろな本でかなり知っていますが、大名の生活については分からないところの方が多いと思っていました。タイトルに惹かれて買ったのですが、大名やその家族の生活が詳しく書かれているのではなく、勤番侍の生活、大名屋敷の庭園、御用達商人や豪農、幕末の動乱と大名屋敷などの話が中心でした。それはそれで知らなかったことが多々あり、興味深く読みました。 (★★★)

  • 服部環ほか: 指導と評価2023年10月号(図書文化社)
    「指導と評価」は、日本教育評価研究会の機関誌であるとともに、日本で数少ない教育評価に関する月刊誌です。この号では、教育・心理検査の意義と活用という特集が組まれています。「教育・心理検査の意義」に始まり、WISC-Ⅴ、KABC-Ⅱなどの個別検査の使い方、解釈の仕方、指導への活かし方がそれぞれの専門の先生によってわかりやすく解説されています。特別支援教育の現場でも、きちんとした心理アセスメント所見に基づいた支援を展開することが望ましいのですが、現場の先生方には敷居が高いようです。ご関心がおありの方には、どのように使えるか、どのように考えたらよいかについて基本的なことがらを理解するのに適しています。出版社のWebサイトからバックナンバーとして購入できます。 (★★★★)
  • 石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑

    石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑
    野鳥図鑑はすでに何冊も持っていますが、この野鳥図鑑は、2015年の刊行で、なぜ今までこの存在に気づかなかったと反省するほど便利そうなもの。掲載されているのは324種ですが、それぞれの特徴や、見わけのポイントがパッとわかるようになっています。その鳥の生活型や生息地、食性や羽色、形態などのほか、雌雄、夏羽冬羽、幼鳥などで特徴が異なる場合は、それらについても説明されています。観察したい行動から、おもしろい生態、探し方までもが載っていますし、鳥の鳴き声が聴けるQRコードも付いています。私自身、野鳥の特定がけっこうアヤシいので、しっかり活用しましょう。 (★★★★★)

  • 千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)

    千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)
    「東海の街道」シリーズの第4巻です。「街道歩きのお供に最適の1冊」といううたい文句。内容は、三重の主な街道、近世三重の城郭図・城下図を読み解く、お伊勢参り小咄、伊勢をめぐる〈参詣〉をデジタル化するの4章構成で、まさに三重の街道歩きの参考書としてよいと思います。私自身も県内の東海道、伊勢街道、美濃街道、濃州街道はほとんど歩き、ほかの街道も部分的に歩いていますし、城もここに載っているところはかなり訪ねています。デジタル化も、ブログに写真・記事を載せていますから、出来不出来はともかく、私も取り組んでいます。県内の街道はさらに歩こうと思っていますし、デジタル化にももっと取り組みたいと考えていますので、十分活用できるでしょう。 (★★★★★)

  • 唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)

    唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)
    都市にもたくさんの野鳥がいることを知る人は少ないかも知れません。私がいつも散歩している地方都市の公園では、これまで10年あまりで70種類近くの野鳥を観察しています。都会は自然の少ない人工的な環境にあふれていますが、野鳥たちはもともとの生態を活かしつつこれらにしたたかに適応してい生きています。この本では、カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽を取り上げ、その都会における生態や、活動の変化、人間と鳥との関係とその変化などについて多くの実例や、調査結果をもとに、豊富な写真を使って楽しく読めるようにまとめられています。 (★★★★★)

  • 堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)

    堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)
    「ショックドクトリン」とは、テロや大災害など、恐怖でこくみんが思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことです。アメリカでの3.11以来、日本でも大地震やコロナ禍の裏で知らない間に個人情報や資産が奪われようとしているというのがこの本のテーマ。パンデミックで製薬企業は空前の利益を得、マイナンバーカード普及の先には政府のよからぬ思惑があるなどよくよく注意し、自分の生命・財産を守らないといけないというのが著者の主張。「今だけ、自分だけ、お金だけ」という強欲資本主義に負けないようにするには、ちょっとした違和感を大事にし、お金の流れがその裏にないか、また、それで大もうけして回転ドアをくぐって逃げる輩がいないかをチェックすることです。また、政府が何か、大急ぎで導入しようとしたり、既存の制度を急拡大しようとするときは、要注意だそうです。 (★★★★)

  •  奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)

    奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)
    いわゆる「高須四兄弟」である徳川慶勝、松平容保、松平定敬、徳川茂栄は、幕末維新の激動期に、結局のところ官軍と幕府とに分かれて戦う運命になったのですが、この四兄弟を取り上げて埋もれた歴史を活写した小説。私自身は、桑名藩主であった松平定敬が取り上げられているので興味を持って手に取った次第。幕末維新は、次々に色々な出来事が起きて、さまざまな人たちの思惑も複雑に入り組んでいるので、小説にするのは難しいと思っていたのですが、隠れた主人公ともいえる高須四兄弟の視点からとても躍動感のある読み物になっています。また、この時期の歴史をより一層深く理解できたという感想も持っています。 (★★★★)

  • 國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

    國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    ほぼ隠居状態ですから、暇と退屈には困りません(微笑)。それ故にこの本を手に取ったといっても、誤りではありません。著者がいうには、「暇」とは何か、人間はいつから「退屈」しているのだろうかといったなかなか答えにたどりつけない問いに立ち向かうとき、哲学が役に立つというのが著者のスタンス。哲学書なのに、読みやすいのです。スピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど、その昔学生時代に取り組んで挫折した哲学者たちの論考を参照しつつ、現代の消費社会における気晴らしと退屈について鋭い指摘がされ、まさに蒙を啓かれます。 (★★★★)