お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2024年5月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2019年1月以降の記事を残し、2018年12月以前の記事は削除しました(2019年1月1日から2024年5月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

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2019年3月20日 (水)

20190316JRさわやかウォーキング「早咲きの「桜みちまつり」を抜け「旅まつり名古屋2019」へ」へ(その1)……大曽根駅をスタートして、徳川園

Img_6532c

 3月16日に出かけたJRさわやかウォーキング「早咲きの「桜みちまつり」を抜け「旅まつり名古屋2019」へ」の本編(その1)です。この日は、風はあったものの、気温は14℃を超え、絶好のウォーキング日和でした。受付は、JR中央線・大曽根駅で8時半から11時。いよいよ、ハイキング/ウォーキングも、JR中央線に進出です(微笑)。
Img_6535c 桑名駅を8時38分発のJR関西線名古屋行き普通電車に乗車。名古屋着Img_6538c は、9時9分。いったん改札を出て、名古屋駅発9時16分の中央線・神領行きに乗り換え。大曽根駅には9時28分到着。料金は、¥350+¥200=¥500なり。左は、名古屋駅・中央線ホームに停車中の神領行き電車。右は、大曽根駅のホーム。名古屋で開催されるJRさわやかウォーキングは、参加者がたくさん。
Img_6543c JR大曽根駅の北口の改札を出たところで、コースマップが配布されていまImg_6552c した。右がそのコースマップ。この日のコースは、大曽根駅をスタートして、まずは徳川園へ。その後、三菱UFJ銀行貨幣資料館に立ち寄って、文化のみちエリアへ。二葉館、山吹谷公園、橦木館を経て、名古屋市市政資料館。そのあと、名古屋城外周、テレビ塔を見て、久屋大通公園がゴール。コースマップ上は約6.8㎞となっていました。
Img_6546c 大曽根駅をスタートしたのは、9時35分。大曽根駅は、現在、耐震補強工事Img_6550c と、リニューアル工事が行われていて(こちら)、外の駅名表示が確認できませんでした。
Img_6548c 実は、ここ大曽根駅あたりは、あまり来たことがありません。2016年3月29日にナゴヤドームで行われた中日ドラゴンズの開幕戦を見に行った帰りにこの駅からJRに乗って帰ったと思います(2016年中日ドラゴンズナゴヤドーム開幕戦)。左の写真は、駅の西側。大曽根といえば、「OZモール」とか、一時騒がれましたが、その後どうなったのでしょう? と思って調べたら、平成元(1989)年に竣工したのでした。さらにその後、私は知らなかったのですが、「オズガーデン」という地下街もつくられたようです。「今浦島太郎」です(苦笑)。
190316jrwalkingoozonec こちらが実際に歩いた、実測ルートマップ。実は、名古屋市市政資料館190316jrwalkingoozone1 を出た後、清水橋を越えたところで、曲がるべき矢印を見逃して、コースミスをしでかしてしまいました。そのお陰で、1.5㎞ほど余分に歩く羽目に。正しいルートは、朱い矢印を入れたものでした。徳川園で、庭園を見るのに歩き回ったこともあって、最終的に地下鉄・矢場町駅に着いたときには、11.7㎞ほど歩いていました(苦笑)。右は、大曽根駅から徳川園、三菱UFJ銀行貨幣資料館あたりの詳しい実測ルートマップ。
Img_6560c スタートの大曽根駅から南下、徳川園へ。スタートから1㎞足らず。北駐車場側のImg_6569c 入り口から入ります。ここは、いわば裏門。敷地内に徳川園徳川美術館蓬左(ほうさ)文庫があります。すべて一度来てみたかったところ(こういうところ、たくさんあります。いつも書いていますが、近くで知っているのに行ったことのないところがたくさんあります。こういう機会でもないと、自分ではなかなか出かけられません)。本来であれば、すべて見て回りたいところですが、ゴール受付時間も設定されていますので(15時まで)、今日は、庭園だけを拝観することに決めていました。
Img_6583c 徳川園は、徳川御三家筆頭である、尾張藩2代藩主・光友が、元禄Img_6574c 8(1695)年に自らの造営による隠居所である大曽根屋敷に移り住んだことを起源としています。当時の敷地は約13万坪(約44ha)の広大さで、庭園内の泉水には16挺立の舟を浮かべたといわれています。光友没後、この地は尾張藩家老職の成瀬、石河、渡邊三家に譲られましたが、明治22(1889)年からは尾張徳川家の邸宅となりました。
Img_6658c 池泉回遊式の日本庭園です。江戸時代の主な大名庭園と同じ様式となImg_6660c っています。清流が滝から渓谷を下り、海に見立てた池へと流れる様子は、日本の自然景観を象徴的に凝縮しているといわれます。さらに徳川園では、大きな高低差のある地形、既存のまま取り入れた樹林、立体的に迫る大きな岩組みが特徴で、変化に富んだ景観を大胆に切り替える構成を用いて大名庭園の「荘厳さ」を体感できるようになっています。
Sansaku_map 庭園を見るのは好きなのですが、いったいどのように見たらよいのかまではよく分かっていません。地泉回遊式ですから、池の周りを回りながら楽しめばよいかということで、とにかく一通り見て回ることにしました。左は徳川園のサイトからお借りした散策マップに歩いたコースを入れたもの。南勢にある出入口(黒門口)から入って、矢印のように回りました。瑞龍亭のところでは一回り。観仙楼では、その前で結婚式が催されていて通れませんでしたので、龍仙湖の西側を通って、観仙楼の東にある龍門の瀧を見てきたという次第。その順序にしたがって見ていきます。
Img_6579c 黒門口で料金¥300を払って庭園内へ。直進すると、この「虎仙橋(こせんImg_6581c きょう)」。檜造りの橋で、「虎の尾」に架かっています。5m下に虎の尾の渓流が見下ろせます。下流(向かって左)には、「龍仙湖」が望めます。右の写真は、龍仙湖の方を見下ろしたもの。
Img_6586c 虎仙橋を渡ってまっすぐ行くと、「四睡庵」の手前に梅の木が4本ほど植Img_6588c えられていて、ほぼ満開。写真を撮る方多数。梅の木の西、サンシュユの花が咲くそばに浅野梨郷(あさのりきょう)の歌碑。「宇つりつつ 静かに色をかへてゆく 登与波多雲の 空のたなび起」と変体仮名で刻まれています(うつりつつ 静かに色を かえていく 豊旗雲の 空のたなびき)。浅野梨郷は、名古屋出身の明治~昭和期の歌人で、「アララギ」の創刊にも関わったといいます(明治22(1889)年~昭和54(1979)年)。東京外国語学校卒後、日本交通公社主事、名古屋市観光課長などを歴任。歌碑は、昭和54(1979)年に浅野がなくなる直前に建立されています。
Img_6594c 「四睡庵(しすいあん)」。梅や桃の木に囲まれた休み処です。リーフレッImg_6601c トには、隠れ里のような風景の中にぽつりと立っています」とありますが、まさにその通り。「四睡」とは、豊干(ぶかん)・寒山(かんざん)・拾得(じつとく)の三人が虎とらと寄り合って眠っている図で、禅の境地を示すのだそうです(私のような凡人には残念ながら到達できないでしょう)。
Img_6597c 四睡庵の脇には、水琴窟がありました。手水鉢の前の地下に穴を開けたImg_6599c 常滑焼の甕を逆さにして埋め込んであります。その水琴窟のところをよく見たら、三ツ葉葵のご紋が入った、これは瓦なのでしょうか、焼き物が4つ置かれていました。こういうささいなというか、どうでもよいというか、そういうところに目が向いてしまうというのは、凡人の証明です(苦笑)。「四睡」の境地には到底到達しません。
Img_6607c 「大曽根の瀧(おおぞねのたき)」です。四睡庵の南にあります。「虎の尾」がここから発しています。落差6mの三段の瀧。段によって岩の組み方が異なるため、水しぶきの様子も違います。瀧の背後の山は徳川園の中でもっとも高く、龍仙湖の水面とは約11mの標高差があるといいます。ちなみに、大曽根というのは古くからの、このあたりの地名だったそうです。Wikipediaによれば、「曽根」という地名は城下町から一里離れた地点に付けられることが多く、ここがあと一里で名古屋城下に至る場所であったことによるとみられるといいます。また、河川(矢田川)の磯根・底根の意であるとの説もあるそうです。
Img_6614c 大曽根の瀧から龍仙湖に流れるのが、「虎の尾」。なかなか風流な景色を為しています。深山幽谷とリーフレットでは形容。初夏に訪れれば新緑が、また、秋には紅葉が楽しめそうです。流れる水が、虎の尾のような形をしているように見えます。また、「虎の尾を踏んではいけない」ことから、「川に足を踏み入れてはいけない」ことを連想させるとも、リーフレットにはありました。なるほど。
Img_6617c 虎の尾の途中に橋がかかり、その先、流れが広くなってImg_6621c 池のようになっているところがあります。まったく予想もしなかったのですが、ここにマガモの姿があり、驚きました。すぐ近くから見ているのに、逃げる様子はありません。思わぬところでバードウォッチングができました(微笑)。
Img_6633c 虎の尾に沿って進むと、最初に渡った虎仙橋をくぐって、「龍仙湖(りゅうせんこ)」に行けまImg_6643c_2 す。左の写真では、奥の方から手前に進んできています。右が、その龍仙湖。大曽根の瀧から、虎の尾を流れた水が、ここに注ぐわけですが(地下水を水源にしているようですが)、海に見立てられています。
Img_6646c 地泉回遊式庭園ですから、龍仙湖の水面の回りに見所が配置されていImg_6712c ることになります。「観仙楼(かんせんろう)」の北に松が植わった小島がありますが、これなどたぶん観るべきポイントの一つだろうと思います。
Img_6658c_2 龍仙湖の北側、大曽根口のところには、船小屋がある渡し場になっていImg_6675c ます(左の写真)。また、「瑞龍亭(ずいりゅうてい)」の下(東)には、砂州を模したと思われる通路が設けられています。広い池、周りは緑に囲まれ、市街地のビルなどもあまり見えないようになっていますし、この日のように晴れていると、ゆったり歩くのがとても気持ちの良いところです。
Img_6641c 龍仙湖の北東側には、「西湖堤(さいこてい)」があります。白楽天、蘇東坡など、古くからの文人の憧れの景勝地である中国杭州の西湖の湖面を直線的に分ける堤防を縮景したものだそうです。異国情緒を取り入れたものとされ、小石川後楽園(東京都)や、縮景園(広島県)など、現存する大名庭園にもある様式といいます。
Img_6680c 西湖堤を渡り、渡し場を通り、牡丹園の南から西側に渡ると、瑞龍亭に至ります。瑞龍亭には、南側から入れます。入って行くImg_6682cと、瑞龍亭の前にこれはたぶん休み処。休み処と瑞龍亭との間に、鹿威しや灯籠。鹿威し、何だか気になります。改めて調べてみたら、「添水(そうず)」ともいうようです。もとはその名の通り、田畑を荒らす鳥獣を音で脅す仕掛けだったものが、庭園などに設けられ、その音を楽しむようになったといいます。今回も、動画を撮ってきました(ココログが更新されて、動画の挿入方法がまだ分かりません)。
Img_6701c こちらが瑞龍亭。尾張徳川家2代藩主・光友公の諡號「瑞龍院」から名づけられた茶室。龍仙湖の西の高台にあり、龍仙湖の彼Img_6688c方に西湖堤を眺望できるところにあります。織田有楽斎を始祖とし、かつては尾張徳川家で重用された尾州有楽流に因み、有楽好みの様式を取り入れているそうです。織田有楽は、安土桃山・江戸前期の武将。織田信秀の11男。関ヶ原の戦では家康にしたがっています。晩年は茶道に親しみ、千利休の高弟の一人。

Img_6684c 鹿威しの手前には、「関守石(せきもりいし)」があります。私自身は、ここで見るまで知らなかったのですが、茶庭で路地
Img_6706c
の飛び石の岐路において、通行止めの標識とする石だそうです。蕨縄(わらびなわ)や、棕櫚縄(しゅろなわ)で十文字に結ぶものだといいます。瑞龍亭から、観仙楼の前を通って行きたかったのですが、この日は、観仙楼で結婚式が行われていて通れませんでした。
Img_6688c そこで瑞龍亭の東にある、おそらく砂州に見立てられたところを通って、牡丹園のところから、渡し場、再び西湖堤を渡りまImg_6671cした。ボタンはまだこれから。それにしても、この龍仙湖の回りの景色、なかなかのものです。私自身、こういう水があって広々とした空間が好きで、落ち着くのですが、ここはその中でもベストワンになるくらいと思います。
Img_6713c
 瑞龍亭を砂州のところから見上げた写真。なかなかの景色と思います。新緑の季節や、紅葉の季節にまた来て見たいと思わせられます。
Img_6717c
 龍仙湖の東側を戻り、観仙楼のそばへ。ここからは虎の尾の西と、「龍門の瀧(りゅうもんのたき)」からのImg_6719c流れの間の石段を登っていくことにしました。龍門爆ともいわれ、鯉が滝を登り切ってりゅうとなったという龍門伝説に基づく瀧の形式の一つだそうです。尾張家江戸下屋敷にあった瀧の石を使って再現したものです。尾張家江戸下屋敷は、戸山屋敷ともいわれ(現在の東京都新宿区戸山町あたり)、平成10(1998)年、早稲田大学の敷地内で江戸時代の大規模な石組みが見つかり、調査の結果、戸山屋敷にあった龍門の瀧の以降であることが確認されたといいます。伊豆石といわれる安山岩で、徳川園はこれを譲り受け、戸山屋敷の龍門の瀧を蘇らせたのだそうです。
Img_6724c これで庭園はほぼ一通り見て回りました。黒門口の南にある「徳川園ショップ葵」を覗いて、他へ回りました。このショップImg_6651cには、地元の名産品などのお土産の他、伝統工芸品、和菓子などいろいろなものを売っていましたが、今回はお買い上げなし。そうそう、龍仙湖にはたくさんの鯉がいました。中でも目だったのは、右の写真にあるような金色の鯉。さすが尾張徳川家などと思ってしまいました(微笑)。
Img_6726c
 左の写真、正面が徳川美術館。ここも見たいところでしたが、今回は、JRさわやかウォーキングでゴール時間に制限(15時)がありましたので、泣く泣く諦めました。4月7日までは「尾張徳川家の雛まつり」という展覧会が開催されています。その他、名品コレクション展示として、武家のシンボル(刀剣、武具)、大名の数寄(茶道具)、室礼(書院飾り)などの常設展示もありますから、また是非とも来て、見てみたいと思っています。
Img_6727c
 こちらは、名古屋市蓬左文庫。蓬左文庫は、尾張徳川家の旧蔵書を中心に和漢の優れた古典籍を所蔵しています。現在の蔵書Img_6728c数は、約11万点にものぼるといいます。書籍以外にも、尾張徳川家に伝わる絵図、2,000枚以上を所有しています。蓬左文庫は、尾張藩の御文庫に始まります。御文庫は、元和2(1616)年、徳川家康が亡くなったことにより、その遺品の多くが、尾張、紀伊、水戸の御三家に分譲され、後に駿河御譲本と呼ばれる家康の蔵書3,000冊が尾張徳川家に送られたことに始まるといいます。蔵書は拡大され、幕末期には約5万点になったと推定されています。
Img_6734c
 その他、徳川園内にあるものを見て回ってきました。この写真は、釣瓶井戸。黒門の内側、南にあります。石造の井戸で、木造切妻杉皮葺の屋形があります。明治33(1900)年頃につくられています。国の登録有形文化財です。井桁が1.95m角の花崗岩、釣瓶の高さが2.4mという大きなものです。
Img_6737c
 徳川園黒門。木造、瓦葺き。これも登録有形文化財。間口は3.6m。潜戸が付いています。明治32(1899)年に建てられています。黒塗りの旧徳川家大曽根堤の表門です。薬医門。2本の柱の背後に控え柱を立て、切妻屋根がかけてあります。三ツ葉葵の紋の瓦が載っています。装飾は謙虚ですが、いかにも大名屋敷の門という風格があります。
Img_6739c
 脇長屋。黒門に連続してその南側にあります。木造平屋建て、瓦葺き、建坪は127平方メートル。明治33(1900)年頃に建てられ、その後2回改修されています。桁行」19.6m、梁間6.6mで入母屋造。西側は、連続する塀に合わせて、腰を下見板張り、上部を白漆喰塗りとしてあります。武者窓もついています。ここは、徳川園の管理事務所になっているようです。
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 徳川園の塀。これは、黒門東の蘇山荘のところ。木造瓦葺き。総延長は84m。潜り戸があります。明治33(1900)年頃につBunka05くられ、平成16(2004)年に改修されています。この写真の辺りは、傾斜地になっていて、階段状の塀です。蘇山荘は、昭和12(1937)年に名古屋市が開催した「名古屋汎太平洋平和博覧会」の折りに迎賓館として建てられたもの。昭和22(1947)~平成8(1996)年までは名古屋市の公営結婚式場として使われ、その後、平成16(2004)年からは喫茶室として活用されています。写真は、徳川園のサイトからお借りしました。
Img_6759c
 これで徳川園の見学終了。時刻は10時40分。徳川園を出たところで、スタートから2.6㎞。徳川園内をよく歩きました。ちなみに、このあたりは名古屋市東区徳川町。徳川が地名になっているのです。ここから次は、三菱UFJ銀行貨幣資料館へ向かいますが、それはその2にて。ココログのメンテナンス、トラブルを経て、ようやくJRさわやかウォーキング(大曽根)の本編その1がアップロードできます。投稿画面がかなり変わり、まだ十分習熟していません。それに、今のところコピー&ペーストをどのようにするか不明で、ちょっと苦労しています。その2以降もなるべく早く投稿しようと思っています。

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コメント

おユキさん、こんばんは。

長い記事を読んでくださり、恐縮です。
徳川園、たぶん一日でもいられます(微笑)。

ある日思いついたら、お出かけください。
たぶんそれしかありません。

学生時代、牡丹園にいらしたんですね。
大曽根口からお入りになったのではないでしょうか。
学校行事ならば、学校で入場料を払ったとか。

ここは近ければ、四季それぞれに訪れたいと思いますが、たぶん近いと行かないでしょうね(爆)。

mamekichi先生、連投です。

徳川園、これだけ見所があると、半日くらい居座る覚悟が必要ですね。
この季節には、茶会なども催されているはずですが、これもなかなか行けません(苦笑)。
何かと理由をつけて、行けば良いのにと、我ながら思います。

学生のころ、牡丹園へスケッチに行きました。
が。お金を払ったのかどうか、牡丹以外のことを殆ど覚えていません。
徳川園の最果てにあるので、裏側(表通りではなく、という意味です)からこっそりお邪魔したのではないか、と思えてなりません(笑)。

秋にはまた、紅葉の話題でニュースでも取り上げられます。
先生がこれだけ気に入ったと仰るのですから、是非、行くべきですね。

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  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)

  • 関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)

    関裕二: スサノヲの正体(新潮新書)
    タイトルに惹かれて手に入れたものの、序章の記述が私にとっては退屈でしばらく放っておいたり、読み直そうと思ってくじけたりしていました。しかし、そこを乗り越えるとこの本はとても面白くなり、ほとんど一気読みしました。スサノヲ(素戔嗚尊)の正体を探るプロセスでアマテラス(天照大神)の謎も明らかにされて行き、それもとても興味深いものがあるのです。アマテラスは皇祖神とされますが、実在の初代王と言われる崇神天皇はアマテラスを伊勢に追いやっています。また、伊勢神宮を整備した持統天皇だけは伊勢に参ったものの、それ以降明治になるまで、1,000年以上も歴代天皇は伊勢神宮を訪れていません。明治天皇が東京に遷御したあと武蔵国の鎮守勅祭の社に定めたのは、スサノヲの祀られる氷川神社(現さいたま市)です。明治天皇は氷川神社を訪れた翌年に、伊勢神宮を訪れています。そもそも伊勢にいる神はアマテラスなのかという疑問にも立ち向かっている、古代史や神に関心がある方にはお勧め。 (★★★★★)

  • 安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)

    安藤 優一郎: 大名屋敷「謎」の生活 (PHP文庫)
    時代小説をよく読みます。捕物帖、市井の人たちの生活、侍の物語、大名の話などいろいろとあります。庶民の生活については、これまでもいろいろな本でかなり知っていますが、大名の生活については分からないところの方が多いと思っていました。タイトルに惹かれて買ったのですが、大名やその家族の生活が詳しく書かれているのではなく、勤番侍の生活、大名屋敷の庭園、御用達商人や豪農、幕末の動乱と大名屋敷などの話が中心でした。それはそれで知らなかったことが多々あり、興味深く読みました。 (★★★)

  • 服部環ほか: 指導と評価2023年10月号(図書文化社)
    「指導と評価」は、日本教育評価研究会の機関誌であるとともに、日本で数少ない教育評価に関する月刊誌です。この号では、教育・心理検査の意義と活用という特集が組まれています。「教育・心理検査の意義」に始まり、WISC-Ⅴ、KABC-Ⅱなどの個別検査の使い方、解釈の仕方、指導への活かし方がそれぞれの専門の先生によってわかりやすく解説されています。特別支援教育の現場でも、きちんとした心理アセスメント所見に基づいた支援を展開することが望ましいのですが、現場の先生方には敷居が高いようです。ご関心がおありの方には、どのように使えるか、どのように考えたらよいかについて基本的なことがらを理解するのに適しています。出版社のWebサイトからバックナンバーとして購入できます。 (★★★★)
  • 石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑

    石田 光史, 樋口 広芳(ナツメ社): ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑
    野鳥図鑑はすでに何冊も持っていますが、この野鳥図鑑は、2015年の刊行で、なぜ今までこの存在に気づかなかったと反省するほど便利そうなもの。掲載されているのは324種ですが、それぞれの特徴や、見わけのポイントがパッとわかるようになっています。その鳥の生活型や生息地、食性や羽色、形態などのほか、雌雄、夏羽冬羽、幼鳥などで特徴が異なる場合は、それらについても説明されています。観察したい行動から、おもしろい生態、探し方までもが載っていますし、鳥の鳴き声が聴けるQRコードも付いています。私自身、野鳥の特定がけっこうアヤシいので、しっかり活用しましょう。 (★★★★★)

  • 千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)

    千枝大志(風媒社): 街道今昔 三重の街道をゆく (爽BOOKS)
    「東海の街道」シリーズの第4巻です。「街道歩きのお供に最適の1冊」といううたい文句。内容は、三重の主な街道、近世三重の城郭図・城下図を読み解く、お伊勢参り小咄、伊勢をめぐる〈参詣〉をデジタル化するの4章構成で、まさに三重の街道歩きの参考書としてよいと思います。私自身も県内の東海道、伊勢街道、美濃街道、濃州街道はほとんど歩き、ほかの街道も部分的に歩いていますし、城もここに載っているところはかなり訪ねています。デジタル化も、ブログに写真・記事を載せていますから、出来不出来はともかく、私も取り組んでいます。県内の街道はさらに歩こうと思っていますし、デジタル化にももっと取り組みたいと考えていますので、十分活用できるでしょう。 (★★★★★)

  • 唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)

    唐沢孝一: 都会の鳥の生態学 カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰 (中公新書)
    都市にもたくさんの野鳥がいることを知る人は少ないかも知れません。私がいつも散歩している地方都市の公園では、これまで10年あまりで70種類近くの野鳥を観察しています。都会は自然の少ない人工的な環境にあふれていますが、野鳥たちはもともとの生態を活かしつつこれらにしたたかに適応してい生きています。この本では、カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽を取り上げ、その都会における生態や、活動の変化、人間と鳥との関係とその変化などについて多くの実例や、調査結果をもとに、豊富な写真を使って楽しく読めるようにまとめられています。 (★★★★★)

  • 堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)

    堤未果: 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (幻冬舎新書)
    「ショックドクトリン」とは、テロや大災害など、恐怖でこくみんが思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことです。アメリカでの3.11以来、日本でも大地震やコロナ禍の裏で知らない間に個人情報や資産が奪われようとしているというのがこの本のテーマ。パンデミックで製薬企業は空前の利益を得、マイナンバーカード普及の先には政府のよからぬ思惑があるなどよくよく注意し、自分の生命・財産を守らないといけないというのが著者の主張。「今だけ、自分だけ、お金だけ」という強欲資本主義に負けないようにするには、ちょっとした違和感を大事にし、お金の流れがその裏にないか、また、それで大もうけして回転ドアをくぐって逃げる輩がいないかをチェックすることです。また、政府が何か、大急ぎで導入しようとしたり、既存の制度を急拡大しようとするときは、要注意だそうです。 (★★★★)

  •  奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)

    奥山景布子: 葵の残葉 (文春文庫)
    いわゆる「高須四兄弟」である徳川慶勝、松平容保、松平定敬、徳川茂栄は、幕末維新の激動期に、結局のところ官軍と幕府とに分かれて戦う運命になったのですが、この四兄弟を取り上げて埋もれた歴史を活写した小説。私自身は、桑名藩主であった松平定敬が取り上げられているので興味を持って手に取った次第。幕末維新は、次々に色々な出来事が起きて、さまざまな人たちの思惑も複雑に入り組んでいるので、小説にするのは難しいと思っていたのですが、隠れた主人公ともいえる高須四兄弟の視点からとても躍動感のある読み物になっています。また、この時期の歴史をより一層深く理解できたという感想も持っています。 (★★★★)

  • 國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)

    國分功一郎: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
    ほぼ隠居状態ですから、暇と退屈には困りません(微笑)。それ故にこの本を手に取ったといっても、誤りではありません。著者がいうには、「暇」とは何か、人間はいつから「退屈」しているのだろうかといったなかなか答えにたどりつけない問いに立ち向かうとき、哲学が役に立つというのが著者のスタンス。哲学書なのに、読みやすいのです。スピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど、その昔学生時代に取り組んで挫折した哲学者たちの論考を参照しつつ、現代の消費社会における気晴らしと退屈について鋭い指摘がされ、まさに蒙を啓かれます。 (★★★★)

  • 逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)

    逸見功: 統計ソフト「R」超入門〈最新版〉 統計学とデータ処理の基礎が一度に身につく! (ブルーバックス)
    今さら、なぜこういう統計ソフトの本を読むのか? と訝られると思うのですが、その昔、現役の頃には統計パッケージソフトIBM SPSSを使ってデータを分析して論文を書いていました。ただ、SPSSを始め、統計パッケージソフトは、値段がバカ高いのです。退職する前からこのRというフリーの統計処理ソフトが出て来て、ずっと興味を持っていました。先日、文庫本を買おうと思って本屋に行ったらこの本を見つけてしまいました(微笑)。今さらこれを使ってバリバリやる訳ではありません。むしろボケ防止かも知れませんが、昔のデータはそのままパソコンにありますから、これを使って、昔はやらなかった分析をしてみようと思っています。何か成果が出るかどうかは極めてアヤシいのですが、まぁゆるりといろいろやってみることにします。 (★★★★)

  • 林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)

    林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)
    たまにはこういう本も読まないと、認知機能が退化するかもしれないと思って(微苦笑)。というよりも、もともと神経心理学に興味がありましたので、本屋の店頭で見つけ、これは面白そうだと思って購入しました。うつ、自閉スペクトラム障害、ADHD、統合失調症、双極性障害など、現代人を悩ませる心の病について、脳にどのような変化が起きているか、最新の知見がまとめられています。最前線の研究者たちがわかりやすく説明しているのですが、知識ゼロで読むのはかなりキツいかも知れません。私は現役をリタイアして10年以上になりますが、その間にこれほど研究が進んだのかというのが正直な感想。心の病の原因は、1つとは限りません。心の病は「症候群」と見た方がよいと考えます。私自身が関わる自閉スペクトラム障害、ADHDなどの発達障害でもそうです。脳機能と心の病との関連について最新の知見を知りたい方にはおすすめ。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)

    磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)
    本の帯に「大河より面白い!」とありますが、本当にそうでした。午前中の散歩のついでに買ってきて、夕食までに一気に読み終えてしまいました。もったいない気がするくらい。松平元康がいかにして徳川家康になったか、さらに徳川将軍家がいかに続くよう礎を築いたかが、よく分かりますし、戦国時代から徳川幕府創世記までの歴史を見る目が養われる本です。それというのも、著者の磯田さんが古文書の権威で、一次史料を読みこなすだけでなく、場合によっては価値が怪しい資料まで傍証に用いて(怪しい資料でも使い道があるというのも良く分かりました)、ご自身の頭で考えた結果を実に分かりやすく解いてくれてあります。徳川家康の弱者の戦略のキーワードは、「武威」と「信頼」ということです。また、情報の取得、解読にも意を尽くしたことがよく分かります。混迷を深める世界情勢を読み解いて、我が国が進む方向を考える上でも役に立つ一冊。 (★★★★★)

  • 井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)

    井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)
    発達障害、とくに自閉スペクトラム症(ASD)の方では、感覚過敏や感覚鈍磨をよく伴います。「照明で目がチカチカする」「皆が話している教室では。音が鳴り響き絶えられない」「ケガをしてるのに、痛みを感じない」などさまざまな状況を呈します。著者は実験心理学や、認知神経科学を専門とし、ASDの方に見られる感覚過敏、感覚鈍磨は、脳機能の特性から来ていることを明らかにしてきています。ASDなど発達障害のあるご本人はもちろん、親御さん、教師など関わりを持つ方々は、このことをよく理解して支援にあたることがとても重要です。ASDを始めとして発達障害について、「わがまま」「自分勝手」「やる気がない」などと捉えてしまうと、支援どころか、理解もできなくなります。脳の働きによってさまざまなことが生じてきているという視点が必要不可欠です。この本は、感覚過敏・感覚鈍磨を手がかりにそういう視点について理解を深められます。 (★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)
    2022年12月のNHKのEテレ「100分de名著 中井久夫スペシャル」のテキストです。今頃(2023年2月)これをリストアップしているのはどうかという気もしますが、録っておいたビデオをみたのが最近なのです。中井久夫さんは、2022年8月にお亡くりになりましたが、日本を代表する精神科医のお一人であり、翻訳家、文筆家としても一流でした。現役の頃、中井さんの本はたくさん読みました。臨床心理学の分野でも「風景構成法」を導入した方として知られています。Eテレの講師である齋藤環さんは、中井さんを評して「義と歓待と箴言知の人」と書いておられますが、まさにそういう気がします。『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』が紹介されています。現在もウクライナで戦争が続いていますが、中井は「戦争は過程、平和は状態」とし、戦争は物語として語りやすく、とにかくかっこよくて美しい、それが問題だといいます。一方、平和は分かりにくく、見えにくいため、心に訴える力が弱いとします。「状態を維持する努力はみえにくい」のですが、戦争と平和に限りません。普段通りの日常生活を維持していくのも同じような気がします。戦争を経験していない人間が指導者層の多くを占めるようになると戦争に対する心理的抵抗が低くなるともいいます。「戦争には自己収束性がない」とも中井さんはいっています。われわれはやっかいな時代に生きていると痛感します。中井さんの本を多くの方が読むと、時代も変わるかも知れません。 (★★★★★)

  • 桑名三郎: 七里の渡しを渡った人達(久波奈工房)
    桑名と名古屋の宮を結んだ東海道唯一の海路「七里の渡し」をテーマにした歴史本です。船頭が旅人を案内しながら、七里の渡しを渡った歴史上の24人を紹介する内容。やさしい話し言葉で紹介されており、読みやすい本です。徳川家光、松尾芭蕉、明治天皇などが取り上げられています。著者は、桑名で歴史案内人をしながら、街の歴史を研究している、街道好きの方です。本は、桑名市内の書店とメルカリで¥1,200で販売。 (★★★★)