20190202近鉄ハイキング「名所・旧跡めぐり お江の里と海の幸」へ(その1)……千里駅をスタートし、上野神社、円光寺へ
2月2日、2月に入って最初の土曜日。もちろん、ハイキング・ウォーキングであります。この日は、近鉄ハイキング「名所・旧跡めぐり お江の里と海の幸」に出かけてきました。この日は、好天の上、暖かく歩きやすい日でした。というよりも汗ばむくらいでした。
スタート受付は、近鉄名古屋線・千里駅。津市河芸町にあります。受付は、9時半からでした。千里駅には、普通電車しか止まりません。桑名駅を9時1分発の五十鈴川行き急行に乗車。白子駅に9時32分に到着。なのですが、途中、ちょっとしたハプニングで3分遅れ。9時36分発津新町生き普通に乗り換えて、9時42分着。¥560。
そのハプニングとは、桑名駅を出て、次の駅の益生駅の手前2つめの踏切で急停車したのです。益生駅は急行は通過します。私は、前から2両目の前方に乗っていました。確かに踏切内に普通乗用車が停止。私より年配の男性が運転者のようでした。近鉄とJRが並行して通っているところで、両者の踏切の間に押し出したようでした。他人事ではありません。気をつけましょう。写真はその踏切を通過するとき、ドア越しに撮ったもの。
さて、話を戻して、こちらは当日のコースマップ。千里駅から白塚駅まで、ほぼ国道23号線に沿って、ところどころは旧・伊勢街道(参宮街道)を歩くという企画。コースマップ上は、約7㎞ということでしたが、実際に歩いた距離を測ると、8.5㎞でした。今日は、自宅から桑名駅往復が、2.1㎞でしたから、歩いたのは合計10.6㎞。千里駅スタートして、上野神社、伊勢上野城跡、光勝寺、八雲神社を経て、北山水産と痔神社に立ち寄り、ゴールは近鉄名古屋線・白塚駅でした。スタートしたのは、9時50分。
こちらが当日の実測ルートマップ。このあたりを歩くのは、初めてですが、国道23号線は、鈴鹿で働いていた頃何度も通りましたし、今も家内の実家へ行くときによく通ります。それ故、多少は土地勘がありますが、この日訪ねたところは、いずれも初めて。
近鉄・千里駅を出たところが、旧・伊勢街道(予告編ではよく調べておらず、ここが伊勢街道とは思っていませんでした)。そこから西すぐのところに、
国道23号線が通っています。これを渡って、南西へ。右の写真は、国道23号を渡って旧・伊勢街道を歩いているところ。
田中川にかかる田中橋を渡って、いったん伊勢街道から離れます。川沿いを進んで、1㎞をすぎたあたりで左折。津市立上野小学校や上野幼稚園のところをさらに進んでいきます。写真はありませんが、上野小学校の敷地内には石碑が1つありました。戦争の慰霊碑(こちらの1-18-02)ではないかと思いますが、敷地内には入れず、未確認。
スタートから1.5㎞ほど、10時8分に上野神社に到着。創始年代は不詳ですが、伊勢の国司・北畠氏の祈願社として奉祀されたと伝えられていまする(建徳2(1371)年という説があります)。南北朝時代、北畠親房(きたばたけちかふさ)とその子孫は南朝方の支柱となっていますが、親房の子顕能が、建武2 (1335) 年、伊勢国司となって以来、その子孫は代々国司として南伊勢を支配しました。しかし、天正4 (1576) 年、具教が織田信長に殺され、滅亡しました。永禄年間、織田信長が、太刀鎧等を奉納したといいます。
應永13(1406)年の棟札があり、そこには、上野正八幡と記されているそ
うです。慶長6(1601)年、分部光嘉が社領5石を寄進、慶長16(1617)年、嗣子・光信は社殿を造営しています。元和5(1619)年、光信が近江国・大溝藩に移封された後は、紀州領となりましたが、社領5石は変らず、城主・領主の崇敬がありました。明治時代に八幡神社と称し、明治6(1873)年、村社に。明治41(1908)年、上野・久知野・中瀬の神社35社を合祀して、上野神社となっています。
主祭神は、誉田別尊(ほむたわけのみこと;応神天皇)。相殿神は、建速須佐之男命(たけはやのすさのおのみこと;伊奘諾尊・伊奘冉尊の子。高天原から追放され、出雲に降り、八岐大蛇を退治)、稲田比売命(いなだひめのみこと;八岐大蛇のいけにえとなるところを、建速須佐之男命によって助けられ、その妻となった)、天児屋根命(まのこやねのみこと;天照大神が天の岩屋に隠れたとき、祝詞を奏した神。藤原氏の祖神)、宇迦御魂神(うかのみたまのかみ;穀物の神。稲荷神(お稲荷さん)として広く信仰される)、市寸島比売命(いちきしまひめのみこと;天照大神と素戔嗚尊との誓約の時に生まれた三女神の一)、伊邪那岐命(いざなぎのみこと;国生みと神生みを行った男神)、伊邪那美命(いざなみのみこと;国生みと神生みを行った女神。火神を生んで死に、黄泉国を支配する黄泉大神となった)、金山比古神(かやまびこのかみ;鉱山の男神)、火産霊神(ほむすびのかみ;伊弉諾尊・伊弉冉尊の子。火の神)、大山津見神(おおやつみのかみ;山をつかさどる神)。
境内には、橿原神宮遙拝所と、皇居・神宮遙拝所がありました。橿原神
宮遙拝所は、もちろん西を向いて建っていますが、皇居と神宮(伊勢神宮)遙拝所は東を向いています。皇居と神宮の遙拝所が一つになっているのは、初めて見ました。方角も、かなり違うと思うのですが、よく分かりません。昭和11(1936)年に建てられています。この年は、二・二六事件があった年。紀元2600年は、この4年後。
拝殿に向かって左手(西)には、石碑が4つ。このうち向かって右にある2
つは、拝殿や本殿の造営記念碑でした。向かって左の2つは、「神饌田」と「奉納神饌田」とありました。神饌田は、神に属し祭祀に供せられる稲を作る田ということですが、単にこの上野神社の神饌田なのか、伊勢神宮などに関わりがあるのか不明。伊勢神宮の領地などであれば、「御厨」とありそうです。
上野神社の参拝を終えて、南側の参道から鳥居を出て
振り返ったら、朱い鳥居が並んでいました。八幡稲荷神社です。
お稲荷様ですから、御祭神は、宇迦御魂神。しかし、眷属のキツネの姿
はどこにも見当たりません。お社の中には、奥之向かって右には、「若宮八幡社」「宇気比神社」と、左には、「春日社」「菅原社」と書かれた扁額がかかっています。若宮八幡社は、名古屋にある神社? 宇気比神社(うきひじんじゃ)は、志摩の方に同じ名前の神社がいくつかありますが(志摩市阿児町、志摩市浜島など)それを勧請したもの? ネットでは八幡稲荷神社についての情報がありませんので、不明。
上野神社から道路に降りて100mほど行ったところに、こういう看板がありました。コースマップでは立ち寄り先になってはいませんが、「江姫ゆかりの寺」とあっては立ち寄らざるを得ません。早速寄り道(微笑)。
萬松山円光寺、臨済宗東福寺派のお寺です。ご本尊は、釈迦牟尼。延文3(1358)年、栗真庄中山(現在の津市徳川秀忠の正室となったお江にゆかりのある寺として有名栗真中山町)に後光厳天皇の勅願寺として開創されたと伝えられています。応永4(1397)には将軍・足利義満から
祈願所とされ、義持・義教・義政の三祖公のご教書を拝領するなど、足利将軍家の帰依を受けました。分部光嘉が中山から、元亀年間(1570~73)、現在の上野の地に居城と寺を移し、分部氏の菩提寺としました。2代藩主・分部光信が、近江・大溝藩主に転封となり、円光寺も同時に近江に移りましたが、残った堂宇をもとに円光寺は現在地にも存続しています。ちなみに、近江に移った円光寺は滋賀県高島市に存続し、大溝藩主・分部氏の菩提寺となっています。
境内の墓所には、分部光嘉公、分部光勝公(光嘉の息)、分部光嘉公室(万(まん))、分部光高公の墓が並んでいます。
また、境内には、お稲荷様もありました。が、鳥居のとこ
ろにあった幟には、「玉宝吨枳尼尊天」とあります。不思議に思って、調べたら、吨枳尼天王は、仏教の鬼神で、密教では、胎蔵界曼陀羅外院にあって、大黒天に所属する夜叉(やしゃ)神。自在の通力をもって6か月前に人の死を知り、その心臓を食うといわれる。日本では狐の精とされ、稲荷信仰と混同されている。ということですから、お稲荷さんと混同され、同じに扱われているということのようです。
こちらは山門の写真。厳粛な風情が漂っています。秋の紅葉の時期には、山門にそびえる紅葉が一斉に色づく様はまさに圧巻だそうですから、その頃訪ねるとよいのでしょう。
ところで、円光寺入り口にあった看板には、「江姫ゆかりの寺」とありましたが、上に載せた、教育委員会が設置した案内板にも言及がありません。あた、このあと訪れた伊勢上野城跡にある資料館でもらったパンフレットにはその詳細な情報はありませんでした。津市観光協会の公式サイトにある円光寺のページにも何も書かれていません。本堂の中をよく拝見してこなかったのですがこちらによれば、そこに展示されている江姫関係の資料は、某公営放送の大河ドラマに関わるものがほとんどだそうです(こちら)。大河ドラマはほとんど見ませんので、2011年に放送された「江~姫たちの戦国~」も私は見ていません。この大河ドラマについては「史実と異なる展開」という批判がかなりあったそうです。こういうこともあって、「江姫ゆかりの寺」という具体的な資料は不明。
今回はここでキリがよいので、ここまで。円光寺から伊勢上野城跡・本城山青少年公園は300mほど先。次は、伊勢上野城跡から。
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