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2018年3月 8日 (木)

JRさわやかウォーキング「老舗造り酒屋で利き酒と蟹江のまちを散策」へ(その3)……日吉神社で「蕃塀」を見て、いよいよ山田酒造へ(続く)

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 3月4日に出かけたJRさわやかウォーキング「老舗造り酒屋で利き酒と蟹江のまちを散策」のその3です。調べながら書いていますが、調べてもよく分からないとか、情報がスッキリ整理できないとかけっこうあります。たとえば、神社について、三重県内の神社については「神社検索(三重)」というサイトがあり、大変参考になります。皇學館大学現代日本社会学部神社検索システム研究会と三重県神社庁教化ホームページ委員会とが共同で制作しているサイトです。神社庁に所属している、三重県内の神社の基本的な情報が載っていて、御祭神、由緒などが分かります。ここから、各県の神社のリストにリンクがあるものの、蟹江町のある愛知県については、神社名、住所しかリストアップされていないのです。
Img_2481c  さて、その3は、こちら、日吉神社からとなります。地図でお分かりのように、コースもほぼ半ばまで来Img_2483c_2 ています。ただし、今回のウォーキングでは立ち寄りスポットにはなっていません。蟹江新町にあります。
Img_2486c 由緒書によれば、江戸時代の天和2(1682)年以前に創建されたと伝えられ、祭神は大山咋命(オオヤマクイノミコト、別名 山末之大主神(ヤマスエノオオヌシノカミ))です。「大山に杭(咋)を打つ神」、つまり大きな山の所有者を意味する山の神といいます。この日吉神社は、江戸時代には「山王社」と呼ばれ、明治時代に「村社日吉社」と改められています。明治時代の神仏分離令により、本社である「日吉山王(滋賀県大津市)」が、「日吉神社」に改めたのに倣っています。平成6(1994)年に蟹江第二学戸土地区画整理事業に伴い、蟹江新町字村西にあった神社を現在地に移し、本殿・祭文殿・拝殿・神楽庫を再建、社務所を造営したといいます。
 なお、明治時代に地区内の地蔵寺の鎮守神であった白山社とともに、秋葉社も合祀されています。それにしても、このあたり秋葉社の多いこと。何か理由があるかも知れません。
Img_2489c ここ日吉神社で目を引いたのは、拝殿前にある幅2m半ほど、高さ2mあまりの石造の塀のようなものでした。これまでにこういうものを見た記憶はありません。調べてみますと、「蕃塀(ばんぺい)」というものでした。分かりやすく言えば、「神社の拝殿の前にある衝立状の塀」ということです。
Img_2501c 「蕃塀マニア」というブログによれば、伊勢神宮にもあるようですし、愛知県尾張地域にかなりたくさんあるそうです(特有といっても良さそうです)。このブログの説明によれば、“「不浄除け」、「透垣」、「籬」などとも呼ばれる。正殿を直視しない(できない)ようにするとか、不浄なものの侵入を防ぐために造られたと思われるが、正確な目的は不明である”ということでした。この日吉神社の蕃塀についても、蕃塀マニアさんのブログのここに説明があります。
Img_2493c 拝殿前の狛犬は、かなり古いものと思われました。台座には大正時代のImg_2496c 文字が見えましたが、狛犬の方はもっと以前のもののように見えます。
Img_2490c_2 この日吉神社には、日吉社の神使である猿が本殿に保存されていて、魔除けの猿といわれていることや、文政年間に作られた神楽屋形があり、また、これらが日吉神楽とあわせて蟹江町無形民俗文化財に指定されているのですが、事前のリサーチが不十分で、この時点ではつゆ知らず。そのまま次へ向かってしまいました。
Img_2512c次のポイントは、ポンレベック(Pont-l'Eveque)というココット料理とパンで有名なお店。家内は行ったことがあるそうですが、普段から大人気、大賑わいの店と聞いていました。今回は、JRさわやかウォーキングの立ち寄りポイントにもなっていて、店からお客さんがあふれていました(笑)。やむなく写真を撮っただけでここも通過。「カフェを併設したパン屋です。多い日には1日に400本近く焼く1本100円(外税)のバゲットとそのバゲットを使った明太バゲットが一番人気です」ということですから、また別の機会に是非とも来てみたいと思います。
Img_2517c 「漬け物 若菜」もあった県道29号線を渡り、北へ。JR関西線の線路沿いImg_2520c を歩きます。途中で踏切を渡って、関西線の北側へ。水田などもあるところを歩きます。5km地点あたりで線路脇にアオサギがいるのを見つけました(微笑)。
Img_2525c 5km地点を過ぎて、右手にお寺や神社らしきものが見えました。が、山田酒造さんが近いようなので、そちらへ急ごうというモチベーションが強すぎて、パス(苦笑)。ちなみにお寺は、八幡山松秀寺(曹洞宗)。寺伝によれば、天文23(1554)年草創の古刹です。以来幾多の易地におよび、困窮、試練に遭遇し、平成15(2003)年4月、約430年ぶりに草創の地である現在地に移転したといいます。神社は、八幡神社。
Img_2530c 5km半ほどのところ、須西小学校の東で、再び蟹江川を渡ります。この橋Img_2528c は、「飾橋」となっていて、右の写真のような飾りが、親柱にありました。須成祭の時、飾られた祭船に役者や供の者が全員乗船し、ここから天王橋に向けて出発します。祭船を飾ったことから飾橋の名が付けられたといわれています(こちらを参照)。
Img_2534c 飾橋を渡ると、山田酒造さんの建物が見えてきます。ようやくここまでやImg_2535c って来ました(微笑)。いよいよ「老舗造り酒屋での利き酒」です。ちなみに、蟹江川は木曽川や庄内川の分流で、酒造りに適した伏流水が湧き出ていたため、江戸時代から明治にかけて酒造りが盛んで、明治の初めころ、蟹江町内には十数件もの造り酒屋があったそうです(現在は、ここ山田酒造さんと甘強酒造さんのみ)。
Img_2536c 屁理屈、講釈はさておき、試飲コーナーへ。ところが、ここで若干迷う羽目に陥りました。無料の試飲と、純米大吟醸一杯300円の試飲と2ヶ所あるのです。純米大吟醸の方は、係の方が呼び込みを掛けていて、「とても300円とは思えないくらい美味しいお酒ですよ」などと誘うのです(苦笑)。迷わされますねぇ。こういうのを心理学では、「接近-接近型コンフリクト(葛藤)」といいます。つまり、両方とも好ましいものから1つ選べといわれて、迷う事態。
Img_2541c ちょっと考えた末、取り敢えずは無料でいただける試飲を1杯。のどごしもよく、軽くて美味しいお酒でした。酒飲みではありませんから、小生には十分なお酒です(微笑)。
Img_2551c 余談めきますが、この山田酒造さん、明治4(1871)年に創業しておられImg_2554c ます。けっこう立派なお庭があったり、玄関先にには錦鯉が飼われていたりと、なかなかの風情でした。このお庭あたりで試飲のお酒をいただきました。叶うことならば、ゆっくりと味わえる機会が欲しいものです。
Img_2556c さらに余談は続きますが、今回はこのように歓迎していただきましたImg_2559c (爆)。「酔泉」と「最愛」というのが、山田酒造さんのブランド。このあと、甘酒の振る舞いをいただきました。熱々、なかなか冷めません。今までに振る舞っていただいた甘酒の中でも好みの部類に属します。
Img_2681c このあと、土産を探しに即売所へ。今回の試飲のお
Img_2685c 酒ではないと思いますが、この「酔泉 しぼりたて 生原酒」(720ml ¥1,000)。をお買い上げ。季節限定商品であります(限定に弱いのです)。「やや甘い感じで、濃いめ」でした。先だっての近鉄ハイキングの酒蔵みてある記で試飲した「早川酒造部」の「天一 蔵出し 生原酒」に似た感じでした(こちら)。どちらも川の伏流水を用いていますが、河口部に近いという共通点があります。
Img_2565c 山田酒造さんの東で、JRさわやかウォーキングにあわせてイベントが開催されていました。小生が行ったとき、ちょうど「戸山流居合道美濃羽会」の演武が始まるところでした。「戸山流居合道」は、「戦時中陸軍戸山学校にて創設された日本に於ける実戦を想定且つ経験した最新にして最後の居合道」だそうです。
Img_2571c 真剣で真竹を試し切りする演武も行われました(こちらの戸山流居合道のサイトにも画像があります)。蟹江町PR隊によるイベントの一つでした。「新選組 蟹江に見参!!!」という文字も見えました。尾張国海部郡須成村(現在の蟹江町須成)出身の佐野七五三之助(天保5(1834)年生まれ)が江戸で北辰一刀流を学んだ後、元治元(1864)年、30歳のとき新選組の隊士となり京へ行ったのです。
Img_2593c 真剣による試し切りの演武を見た後、どうしても気になり、もう一度山田Img_2599c 酒造さんに戻りました(苦笑)。気になったのは、もちろんこちら。純米大吟醸の試飲です。いい年をしているのに、欲求には勝てません。まだまだ修行が足りません。こちら、山田錦を使っています。普通に買えば、720mlで¥2,500という良いお値段(こちら)。
Img_2597c
 「清水の舞台から飛び降りる」気持ちで、という大げさなほどではありませんが、ものは試しと思って、¥300と引き替えに試飲をしてきました。こちらの試飲、メジャーカップできちんと分量を量って飲ませてもらいました。上品な感じでしたし、さすがに大吟醸でした。飲み比べもできましたので、これで心置きなく次へ進むことができます。11時半に山田酒造を出発。
 このあと、神社がもう一ヶ所あります。その4で完結予定です。

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コメント

こころんさん、こんにちは。

「蕃塀」だそうです。
私はたぶん初めて見ました。
「ナンジャ、これ!?」状態でした。
石造のものだけでなく、木造のものもあるようです。

津島神社のサイトを見ましたら、載っていました。
「切妻造 檜皮葺」で、県の重要文化財とあります。
これは、一度見に行かないといけません(微笑)。

係の方の誘いがどうも気になったので、戻って¥300を支払い、試飲させてもらいました(笑)。
お陰で、隣のお寺を見忘れましたが……。
「後悔先に立たず」と申します(爆)。

大吟醸酒、さすがにあの値段ではおいそれと手が出ません。
「どんでん返し」は、残念ながらありません。

投稿: mamekichi | 2018年3月 9日 (金) 15時21分

こんばんは
蕃塀というんですね。
津島神社にあるのも蕃塀なのかどうかわかりませんが
門をくぐったら真っ直ぐ社に進めず
塀があって廻って進まなければなりません。

戻って大吟醸酒を飲まれたのを読んでて笑えてきました(失礼)
こういう機会しかなかなか試飲できませんもんね。
帰宅してから後悔するより飲むべきです(笑)
まさかとは思いますけど、ゴールされてから
大吟醸酒を買い求めに戻ってらっしゃることはないですよね^^;
続きを楽しみにしてます(^^)

投稿: こころん | 2018年3月 8日 (木) 21時25分

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