
コースはご覧の通り。「駅がスタート、駅がゴール」という宣伝文句の通り、JR四日市駅から四日市旧港を回る、約6.6㎞、2時間ほどのコース(あちこちウロウロしましたので、実際の距離は8㎞ほど歩きましたし、2時間45分ほどかかりました)。思案橋、稲葉翁記念公園(ここからは潮吹防波堤が見られます)、臨港橋、末広橋梁の他、みなと公園近くの桟橋では、「清掃船じんべい」やタグボート「ちとせ丸」見学会もあります。この辺りで見たいと思っていたところが網羅されていましたので、これは行くしかないという次第なのです。

桑名駅8時51分発に乗車。車内には、さわやかウォーキングに行くと思われ

る方多数。四日市駅着は、9時7分。ご覧のように降り立った人多数ですし、ウォーキングスタイルの方がほとんどに見えました。駅でコースマップや、スタンプラリーの用紙、「四日市旧港まちあるきMAPを受取、早速スタート。

皆さん歩くのがとても速いのでビックリ。そして、ほとんどの方は脇目も振

らずという風。小生は、500mも行かないところで寄り道。コースマップにはありませんが気になったので、不動寺(黄檗宗)へ。かつては、寺近くまで海であり四日市湊のそばにあったそうです。寛永16(1639)年、揖斐川の大洪水のとき、美濃国高須にある観音寺から不動明王像が流れだし、四日市南納屋の漁師の網にかかったといいます。この地に縁のある仏様だろうと、竜灯松(竜の形をした松に灯明をつけて、灯台代わりにしていたもの)の下にお堂を建立し、祀ったのが始まりと伝わっています。門の形がユニーク。境内はさほど広くありませんでした。由緒書きがなかったのは残念。

一人だけコースを外れていましたが、元に戻って、国道164号線新町交

差点を右折(東へ)。関西線の踏切を越えたところに
思案橋があります。天正10(1582)年6月、本能寺の変を避けた徳川家康は、泉州堺から三河岡崎に向かう途上、海路を進むか、陸路を進むかを思案にくれたという故事に因み、思案橋と呼ばれることになっています。昔は、このちかくに四日市湊があったのです。

国道23号線を越え、さらに東進。稲葉翁記念公園へ。稲葉翁とは、四日

市湊を修築して、近代港湾への基礎を築いた
稲葉三右衛門です。この公園の向かい側には、「
潮吹き防波堤」が残っています。稲葉翁の貢献によって、四日市港が近代港湾としての形を整えたのは、明治17(1884)年でしたが、不幸にもその5年後、台風で防波堤などの施設が大破してしまいました。それを改修したのが、木曽三川の明治改修にも携わったオランダ人土木技師デ・レーケらなのです。

潮吹き防波堤には、波の力を弱めるため、平行する大小2つの「こぶ」と水抜穴をもつという世界的にも珍しいユニークな構造が採用されているそうです。もっと近くまで行けるようでしたが、今日はまだ先が長いのでパス。

稲葉翁記念公園には、この「潮吹き防波堤」のレプリカがあり、実際に動

くようになっています。ここには、
四日市案内人協会の方がいらして、説明して下さいました。また、四日市のゆるキャラである「
こにゅうどうくん」もいて、カメラを向けるとポーズを撮ってくれ、和ませてもらいました。先日行われた
ゆるキャラグランプリでは、堂々4位入賞です。

プロムナードと呼ばれる、高潮護岸の防壁の平場を利用した遊歩道を通

り、太平洋セメントへの引き込み線を渡り、みなと公園の方へ進みます。途中、千歳運河にかかる
臨港橋 (可動橋)が上がるということで(今日のイベント用に特別)、そちらへ。このときは気づかなかったのですが、後で見学する「清掃船じんべい」が通過していきました。

臨港橋の300mほど北には、
末広橋梁があります。こちらも千歳運河にか

かる可動橋で、三岐鉄道三岐線東藤原駅から関西本線富田駅、四日市駅を経由して、四日市港の太平洋セメントへセメントや土砂を運ぶ貨物列車が通る橋です。1日5往復程度の運行です。小生がここへ来る直前(10時10分頃)、列車が行きましたので、列車通過は見られませんでした。通常、橋は上がった状態で、列車が通るときに下ろされます。向かって左が四日市駅側です。この末広橋梁、是非とも見たかったところでした。

千歳町の合同庁舎があるところへ。港のここには、公的な船がたくさん

係留されています。海上保安庁の船も3隻ありました。左は、巡視艇「
いせぎく」。右は、同じく「
さるびあ」。どちらも、20メートル型(汎用)だそうです。もちろん、巡視艇は、今日は見るだけ。

タグボートの見学会へ。「
ちとせ丸」であります。四日市港管理組合の所有。2003年に進水しています。全長33.8m、型幅9.6m、最

高速力14.3ノット(約26㎞)、総トン数196トン、3,600馬力、曳航力は、前進56.0トン、後進51トンだそうです。海面に流出した油の処理装置や、放水銃3基も備えています。

操舵室や、機関室を見せてもらえました(内部の写真

は、割愛します)。左は、操舵室から出たところで、前方を撮ったもの。右の写真は、降りてから操舵室とその上部にある放水中などを見たもの。

その後、戻ってきた清掃船「
じんべい」を見てきました。こ

ちらは乗船はできません。双胴船で、この下に網があり、ゴミを掬うということでした。その様子が、ジンベイザメが餌を食べるところに似ているため、この名前をつけたということでした。流木なども切断して、収集できるそうです。これでコース半ばを過ぎたあたりでしょうか。11時になりましたので、次へと急ぎます。

臨港橋を渡って、末広橋梁のところへ。ここでスタンプラリーはゴール。ク

リアファイルか、コーヒーをいただけるということで、スタバのコーヒー2袋をゲット。末広橋梁、次に列車が通過するのは、12時52分。2時間近く待つのは断念。列車通過を見るのは、また今度ということにしました。ちなみに、この橋は、橋梁技術史上貴重な存在だそうで、高名な橋梁技術者である山本卯太郎の設計によります。可動橋として、初の重要文化財に指定されています。橋梁上には、「構外側線」(JR関西線四日市駅~四日市港)が通っています。

ウォーキングコースは、北上して、南納屋町へ。ここでは、まず、
鯨船明神丸山車
を見学できました。蔵に保管されているのを見せていただいたので、飾りなどは施されてはいませんでしたが、全長約8m、幅約2mの船型の山車で、屋形があります。金箔張の彫刻と幕で飾り、船首部には大型の水押しと金糸の下がりを持つ豪華な意匠だそうです(写真が展示されていました。上のリンク先に画像があります)。ちなみに調べてみたところでは、富田地区の
鳥出神社の鯨船祭とは別のようでした。

鯨船明神丸山車蔵から200m足らずのところには、中納屋町の
大入道山車蔵。毎年10月に行なわれる諏訪神社の祭礼の四日市

祭、毎年8月の第1土・日曜日に開催される「大四日市まつり」で曳き出されます。高さ2.2mの山車の上に、身の丈3.9m、伸縮し前へ曲がる首の長さが2.2mという大入道が乗ります。舌を出したり目玉が変わる巨大なからくり人形です。右は、大入道の顔。手と比べるとその大きさがお分かりいただけるでしょう。実際の画像は、リンク先にあります。一度実際のものを見てみたいと思うのですが、大四日市まつりは、桑名の石取祭と重なるのです。

こちらは、蔵の前に置かれていた大入道のわらじ。これもまた、トンでも

なく大きなものでした。ちなみに、稲葉翁記念公園にいた、四日市市のゆるキャラ「こにゅうどうくん」は彼の息子という設定だそうです。このあとは、また国道23号線を越えて、スタート&ゴールのJR四日市駅へ向かいます。

途中、国道23号線脇(中納屋町側)に、このような石碑が建っていました。この辺りの旧町名が、「
桶之町」であったことを示すものです。説明によれば、延宝年間(1673~81)、海岸の州浜を開拓し、造成したところで、納屋地の一部でしたが、時代の変遷のなかで中納屋、南納屋とも呼ばれたものの、文化・文政年間(1804~1830)の頃、桶にちなみ、「桶之町」と呼ばれるようになったとあります。昭和38年の区画整理でその名は消えたということです。

JR関西線の踏切を越え、本町通り商店街を抜け、ゴールの四日市駅

へ。ほぼ12時に到着。参加カードと、今日の記念品(亀山運転区の運転士さん、車掌さん手作りの手形のようなもの)をいただき、無事終了。12時26分の快速みえ似て、桑名駅12時37分着。実際に歩いたのは8㎞+桑名駅往復が約2㎞で、10㎞!

今日のスタンプラリーの台紙。マップにもなっていて、なかなかのものでした。

まったくの余談(微笑)。四日市駅間近、本町通り商店街

の一角にこういう看板がありました。お笑いコンビ「ザブングル」の加藤歩さんの出生の地だそうです。加藤さんが四日市出身というのは知っていましたが、ここだとは。なんとなく疲れが吹っ飛びました。
ひらいさん、おはようございます。
朝、ネットで見て思い立って行ってきました。
以前、ひらいさんの記事で末広橋梁や、潮吹き防波堤などを拝見して、これは見なくてはと思っていたのです。
23日には、桑名で開催されていました。
電車賃だけで参加でき、スタンプラリーで賞品までいただけ、ラッキーでした(微笑)。
イベントで行くと、普段見られないものやところが見せてもらえ、楽しめました。
これはメリットかも知れません。
今日も、熱田駅で開催ということでしたが、さすがに連チャンはきつい(苦笑)。
今度は、12月17日に南四日市駅から日永方面のウォーキングがありますので、それを考えています。
大入道の頭部、なかなかのものでした(笑)。
こにゅうどうくんは、フレンドリーでポーズをとってくれました。
頼むと一緒に写真にも収まってくれるようでした。
グランプリ4位というのは、いささか驚きですが、いろいろPRの成果もあるのかも知れません。
「うーまちゃん」は、三重県のイベントか何かのキャラクターでしたよね。
投稿: mamekichi | 2017年11月26日 (日) 08時39分
mamekichiさん、こんばんは!
本日は四日市のさわやかウォーキングへお出掛けでしたか、先日桑名でも開催されておりましたね、一度も参加した事は有りませんが、結構人気が有るようですね、そして四日市方面、自分も見た事のある場所で、色々思い出しました。
イベントに合わせて船の見学や、可動橋作動、結構楽しめる内容なのですね、また機会が有れば参加してみたいですね。
ゆるキャラ、こにゅうどう君はかわいいですが、大入道はリアル過ぎて怖いです。(笑) そして、こにゅうどう君がグランプリ4位とは、結構知名度も有るようで、驚きですね。今年、ゆめはまちゃんは参加してなかったようですね、自分のお気に入りは「う~まちゃん」なのですが、平成26年で終わってしまったので、影も形も無いです。(笑)
投稿: ひらい | 2017年11月25日 (土) 22時26分