お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2025年4月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2020年1月以降の記事を残し、2019年12月以前の記事は削除しました(2020年1月1日から2025年4月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

2025年5月15日 (木)

今日もまたまたシジュウカラ・ファミリー

Dsc01917c_20250515140101  薄曇りという感じですが、今日も夏日になっています。最高気温は、26.2℃。明日から天気は下り坂という予報です。今朝も、7時20分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町と6.3㎞。鳥はやはりあまりいませんので、2時間あまりで帰宅。冒頭の写真は、蟠龍櫓

Dsc01838c_20250515140101  散歩に出て、七里の渡跡、三之丸公園あたりまでには、スズメが少しいたのみ。写真は、七里の渡跡で撮ったもの。三の丸水門のところでホオジロのオスの鳴き声が聞こえたのですが、葉っぱが邪魔で写真は撮れず、ウロウロしていたら逃げられました。同じあたりで、揚げ雲雀も見られたのですが、これも撮影できず。

Dsc02179c_20250515140101 Dsc02320c_20250515140201  ちょっとガッカリしながら、柿安コミュニティパークを歩いていたら、シジュウカラ・ファミリーに遭遇。左の写真はヒナ、右は大人のメス。胸元の黒いネクタイが細いのです。相変わらず賑やかにあちこち移動しながら、ヒナはエサをもらっていました。

Dsc02063c_20250515140101  シジュウカラを一所懸命に撮影していたら、違う鳥も混じっていました。ムシクイの仲間です。このあたりで見るのは、ほとんどセンダイムシクイですから、これもそうだろうと思います。しかし、鳴いてくれませんし、頭も上からは見えませんので、「ムシクイの仲間」としておきます。

Dsc02380c_20250515140201  九華公園は、今日もかなり静かです。スズメ、カラスなどを少し見ただけで、ムクドリ、ヒヨドリはほとんどいません。カワラヒワも少し鳴き声を聞いただけ。このスズメのヒナは、二の丸跡にて。鳥がいませんから、鳥待ちはせず、歩きながら探したのみ。

Dsc02544c_20250515140201Dsc02580c_20250515140301  鎮国守国神社の境内から、またシジュウカラ・ファミリーの鳴き声が聞こえてきました。柿安コミュニティパークからここに移動したと思われます。ヒナが青虫のようなものを足で押さえつけていました。まだ自分で捉えるのは難しいでしょうから、親からもらったと思います。写真にはありませんが、一人前に食べる前には、青虫を振り回して、枝に打ち付けていました。

Dsc02584c_20250515140301 Dsc02606c_20250515140301  飲み込むまでのシーンを目撃できました。これだけの大きさがありますと、ヒナもお腹がふくれたのではないでしょうか。

Dsc02644c  今日は、シジュウカラ・ファミリー・デーです(微笑)。野鳥が少ない中、堪能できました。これで、いい写真がもっと撮れていれば、大満足でしたが、贅沢をいうとキリがありません。

Dsc02868c_20250515140101  ほかの公園には、スズメ、ムクドリがいたくらいで、京町へ。ツバメの巣チェックです。お宅にある巣には、今日はツバメはいませんでした。昨日は、巣の縁にまだ穴があったのですが、それが塞がれたように見えます。

Dsc02897c  こちらは、商店にある巣。オスの親ツバメが、巣の中から白い、小さなものをくわえだし、このあと飲み込んでいました。ヒナの糞か?とも思ったのですが、ヒナの姿も見えませんし、鳴き声もしていませんので、まだ孵っていないのでしょう。

Dsc03055c_20250515140001  寺町通商店街を抜けて、住吉入江まで来たら、上空をダイサギが通過。イマイチですから、証拠写真。入江には、ツバメがやって来て、水面をかすめるように飛んでいきます。水を飲んでいるのでしょうが、今日は写真は撮れず、残念。

Dsc01903c_20250515140101  鳥がいませんから、昆虫でもと思うのですが、チョウなどは案外少なくて、撮影のチャンスはあまりありません。アオスジアゲハは、七里の渡跡にあるセンダンの花に来ていました。

Dsc02731c_20250515140301 Dsc02353c_20250515140201  青モミジ。紅葉もいいのですが、青モミジもなかなかよいと思います。翼果を撮ったら、テントウムシも写っていました。「黒地に赤2紋」タイプのナミテントウかと思いますが、テントウムシの分類も難しそうですから、自信はありません。

Dsc03095c_20250515140001  あちこちでサツキが満開になっています。これは、拙宅マンションのエントランスにて撮影。先週の土曜、天候がはっきりせず、近鉄ハイキングに行けませんでしたので、ムラムラしてきています(苦笑)。代わりにどこかに行きたいと思っています。候補はいくつかあるのですが、いずれも松阪あたりより先。時間も、運賃も、労力もかかりますので、思案中。

2025年5月14日 (水)

今日もシジュウカラ・ファミリーに遭遇

Dsc01783c_20250514135901  朝のうちは、薄曇りでしたが、9時頃からよく晴れて来ました。最高気温は、25.0℃と、今日も夏日。7時20分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町と6.2㎞。2時間半弱。

 Dsc01508c_20250514140101 Dsc01475c_20250514140101 今日も鳥は少なく、どこへ行っても、スズメかムクドリくらいしかいません(苦笑)。これらの写真は、内堀公園で撮影。

Dsc00890c_20250514135901  住吉神社で、全身のかなりの部分が白いドバト。これはかなり目立ちますから、敵がいるとヤバそうです。今日も、揖斐長良川の中州からは、オオヨシキリの鳴き声が聞こえてきます。

 Dsc00942c_20250514135901三之丸公園でスズメのヒナの鳴き声がしましたので、探しました。さすがに見つかりにくいところにいます。親がエサを運んでくるのを待っているようでした。

Dsc01024c_20250514135901  九華公園に着いても静かでした。散歩友達で鳥見の大先輩のSさんに久しぶりに遭遇。御年90歳手前にして、毎日のように歩いておられます。散歩&鳥見友達のYさんは、「今日は、ハトとムクドリしか見ていない」とおっしゃいます。

Dsc01075c_20250514140001 Dsc01285c  ほとんど坊主か、と思ったら、吉之丸堀を本丸に渡ったところで、あのシジュウカラ・ファミリーに出会えました。柳の木からシダレザクラの並木へと、賑やかでよく動きますので、なかなか撮影させてもらえません。ヒナは、3羽くらいいると思うのですが、確認するのは難しい。

Dsc01367c  貝塚公園では、スズメの親子。

Dsc01551c_20250514140101 Dsc01619c_20250514140101  京町にある2ヶ所のツバメの巣も見てきました。お宅にある巣では、ツバメが何かしているようでしたので、じっと見ていたら、ツバメが飛び出してきました(左の写真)。まだ巣を直しているような気がします。右の写真は、商店にある巣。今日もツバメが巣に就いていました。今日のバードウォッチングは、残念ながら、以上。

Dsc01315c_20250514140101 Dsc01355c  九華公園と貝塚公園にアツバキミガヨランがあります。最近気にしていたのですが、今日、やっと花が咲いてきていました。漢字では「厚葉君が代蘭」。キミガヨランは学名の種小名「グロリオサ(栄光のある)」という意味を「君が代は栄える」という風に解釈して名付けられたそうです。アツバは葉っぱ厚いという意味。北アメリカ原産の常緑低木で、高さは1~2m。

Dsc01435c_20250514140101 Dsc01307c_20250514142501  貝塚公園の近くで、柿の木をよく見たら、実ができてきていました。何だかおもしろい形をしています。そういえば、ビワの木にも実がなっていました。これは、鎮国守国神社の社務所の裏手で撮りました。

Dsc01736c_20250514140101 Dsc01754c_20250514135901  寺町では、御坊さん(桑名別院本統寺)に立ち寄ってきました。目的はまずは、菩提樹の様子見(左の写真)。つぼみが付いてきていますので、今月後半になると、花が咲くでしょう。境内にある池では、スイレンの花。

Dsc01147c_20250514140001  という次第で、今日も、野鳥は少なく、2時間半弱で帰宅。シジュウカラ以外に、スズメのヒナはよく見ますが、カワラヒワのヒナはあまり見ません。夏の鳥は、この間のムシクイの仲間(たぶんセンダイムシクイ)のみですが、その後、見られていません。キビタキもまだ見ていません。暇がありますから、月曜日に受講してきた市民大学郷土史学科について、今年もまた、講義内容や資料をもとに、勝手に調べて、自己流のまとめをつくっています。

2025年5月13日 (火)

今日は、シジュウカラのヒナが親からエサをもらうシーン

Dsc09573c  今日も好天で、予報通りに夏日になっています。最高気温は、26.2℃。散歩している途中からすでに、「ちょっと暑いかも」と思ったくらい。7時20分から住吉神社、九華公園、貝塚公園、九華公園、内堀公園、京町、寺町、南魚町、田町、三崎通と5.0㎞。

Dsc09617c_20250513142801  住吉神社のあたりでは、揚げ雲雀が見られましたが、ほかにいたのはスズメくらい。七里の渡跡には、今日もカルガモが1羽。渡し場の奥の堀の方で休んでいます。散歩に好適な気候なのですが、歩いている方はむしろ少なくなっています。年配の方は、もっと早い時間に歩いているのかも知れません。そういう話を聞いたことがあります。

Dsc09665c_20250513142801 Dsc09769c_20250513142801  九華公園でも、歩いているのは、毎日出会う方ばかり。奥平屋敷跡近くの花菖蒲園ではハクセキレイ。奥平屋敷跡には、珍しく、真ん中当たりまでイソシギが入ってきていました。

Dsc09964c_20250513142701 Dsc00193c_20250513142701  昨日、九華公園の外周遊歩道の東あたりでシジュウカラのファミリーに出会いましたが、今日は、ここ奥平屋敷跡に来ていました。ヒナも2~3羽はいる感じでした。右の写真は、ヒナが親からエサをもらうところ。グッドタイミングでした。

 それにしても、Dsc00371c_20250513142701ヒナのかわいいこと。何枚写真を撮ったことか(笑)。しかし、ほかにもいないか、特に昨日であったムシクイを探したのですが、今日は見当たりません。スズメ、ドバト、キジバト、ムクドリ、カラス、カワラヒワがいたのみ。スズメのヒナの鳴き声があちこちで聞こえるのですが、木々の葉っぱが生い茂っていることもあって、なかなか見つけられません。

Dsc00624c_20250513142701  貝塚公園で、ようやくスズメのヒナを見つけました。親からエサをもらうところも2~3回見たのですが、残念ながら、枝や葉っぱの陰で、写真は撮れず。

 Dsc00707c_20250513142601 京町でツバメの巣を巡回。左の写真は、あるお宅の巣。修復をしていたところです。直したところの泥はかなり乾いてきました。よく見ると、まだ欠けているようですが、今日は、近くにもツバメの姿はありませんでした。

Dsc00744c_20250513142601  こちらは、京町の商店にある巣。今日はオスがいました。巣の中を見た後、巣に就いていました。ここは、上手く行けばもうじきヒナが孵るはず。博物館にも、巣が3つくらいありますが、最近はツバメは来ません。田町、では、去年までツバメの巣があった商店が解体され、現在更地になっています。三崎通にも2つ、古い巣があるのですが、見ている限り、今年はツバメは来ていません。今年、散歩コースで営巣しているのは、京町の2ヶ所のみ。バードウォッチングは、以上。

Dsc00489c_20250513142601  九華公園に隣接している鎮国守国神社では、今日は、当日祭と献茶式(松尾流)があります。以前伺ったところでは、この当日祭が、鎮国さんのメインのお祭りだそうです。当日祭は、正しくは、例大祭当日祭。ちなみに、5月・3日の金魚まつりは、例大祭前期祭(こちら)。以前は、桑名藩最後の藩主であった久松松平家のご子孫の方もいらしていたようです。大奥様は、このご子孫を「お殿様」と呼んでおられ、ちょっと驚いた記憶があります。

Dsc09062c_20250513145001  ツツジはほぼ終わり、花しょうぶが待たれる季節になっていますが、花菖蒲園は、まだこんな感じ。小声でいいますが、最近、花菖蒲園の手入れが十分には行われていませんので、どのくらい咲くか、かなりアヤシいのではないかと疑っています。

Dsc00390c_20250513142701 Dsc00530c_20250513142601  奥平屋敷跡で、これはセンダンの花と思います。淡紫色の5弁の花がたくさん円錐状についています。九華公園の外周遊歩道の南では、カラーが咲いています。

 Dsc00808c_20250513142601毎年見ているのに、名前は知りませんでしたし、調べもしていませんでした。シャリンバイというようです。大気汚染や暑さに強いうえ、潮風にも強い常緑性の花木だそうです。緑地帯や公園などによく植えられている訳です。

2025年5月12日 (月)

シジュウカラのヒナと、ムシクイの仲間……相当久しぶりの祝 ご当選も!!

Dsc09559c  雨は未明に上がりました。7時20分から、いつものように散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園と回ったところで、家内に迎えに来てもらい、買い物へ。ワークマン、Triailと回って帰宅。午後からは、くわな市民大学郷土史学科の講座へ。往きは家内にクルマで送ってもらい、帰りは徒歩で帰宅。歩いたのは、あわせて6.0㎞。最高気温は24.3℃で、風は弱かったので、暖かいから暑いの中間くらいの陽気でした。

Dsc08981c_20250512183401 Dsc09020c_20250512183401  住吉神社前で、スズメのヒナ。住吉神社のあたりで毎日のようにスズメのヒナを見ます。今日は、親は近くには見当たりませんでした。揖斐川にはカワウがいたくらい。揖斐長良川の中州からは、今日もオオヨシキリの鳴き声がよく聞こえてきます。七里の渡跡に来たら、今日もカルガモ。ただし1羽だけ。

Dsc09180c_20250512183401 雨上がりということもあってか、散歩する人もあまりいません。九華公園でも、出会った散歩友達はお一人だけ。鳥もいません。スズメ、ドバトくらい。ヒヨドリはゼロ。ムクドリ、カラスはわずかというふう。公園内を半周し、鎮国守国神社の境内から本丸跡に戻ったら、筏橋あたりから鳥の鳴き声。イソヒヨドリのメスのオスでした。近くには、ハクセキレイもいたのですが、きれいには撮れず。野球場には、ドバトの大集団。

Dsc09387c_20250512183501 Dsc09436c_20250512183501  九華公園の外周遊歩道の東で、シジュウカラたち。複数のファミリーのように思われました。というのも、10数羽がいたのです。幼鳥もかなり混じっていました。たくさん撮った中から、それなりに写ったものをここに載せています。ヒナといえば、二の丸跡、朝日丸跡でもスズメのヒナの鳴き声が、何ヶ所からか聞こえていましたが、今日は、写真は撮れず。

Dsc09472c_20250512183401  シジュウカラたちがいたのと同じあたりに、ムシクイの仲間。少なくとも2羽はいました。九華公園でもっともよく見られるムシクイの仲間は、センダイムシクイですから、それであろうと思いますが、鳴き声は聞きませんでしたし、詳細は不明。複数いたということは、ここにやって来たばかりかという気がします。貝塚公園では、スズメ、シジュウカラ、カワラヒワなど。

250512124358399c 250512124547523c  買い物に連れて行かれたあと、午後からは、予定通りにくわな市民大学郷土史学科の講座へ。今日が第1回。昨日も書きましたように、「桑名藩から見た戊辰戦争」がテーマ。定員50名のところに90名以上の応募があったそうですが、講師の先生が「座席がある限り受け入れましょう」とおっしゃったそうで、全員受講可となったそうです。パブリックセンターの大研修室がいっぱいになるくらいの受講者でした。

250512162728911c  講座のあとは、同級生K氏と喫茶店へ。気づいたら、1時間半近くしゃべっていました(オッサンなのによくそれだけ話すことがあるな、という突っ込みは十分以上にあります)。ここで旧知の心理士さんに遭遇。ちょっとだけお話ししてきました。彼女は、仕事をしていた様子。

 散歩中は、天気は今ひとつで、花はあまり撮って来ませDsc09042c Dsc09530c_20250512183401 んでした。左の写真は、サツキ。九華公園の管理事務所近くにて。右は、アジサイ。九華公園の外周遊歩道の南にて。気づかないうちに、花が咲く準備が進んでいます。

 ところで、余談ではありますが、久しぶりに「祝 ご当選!!」が出ました。250512170131188cブックオフの2025年3月買取ブッくじ祭!で、「C賞 ブックオフお買い物券500円分」が当たりました。懸賞に当たるのは、いつ以来かと思うくらい久しぶり。中日新聞のクロスワードには、毎週律儀に応募しているものの、ここ10年近く当たったことがありません。まぁ、バチも当たってないようですから、良しとしましょう。

2025年5月11日 (日)

長良川河口堰でコアジサシ

Dsc07551c_20250511135401 Dsc08545c_20250511135401  天気は良くなったものの、4~5m/sの風が吹いています。そのためか、気温は、24.6℃まで上がりましたが、暑くは感じません。風が気になったものの、長良川河口堰その他へ行ってきました。河口堰では、吹き流し代わりの「アユのぼり」は、元気よくはためいています。クルマで出かけましたので、歩いたのは4.3㎞。

 河口堰で、この季節、気になるのは、コアジサシです。Dsc07695c Dsc08229c_20250511135401今日見たのは、6羽。姿を現し始めた頃には、比較的よく飛び回っていましたので、久しぶりにコアジサシの飛翔シーンが撮れました。

 Dsc07594c_20250511135401 長良川左岸の魚道あたりでは、上流、下流ともに遠いところにコサギが数羽いただけでした。管理橋を右岸まで渡ったところ、堰の下流側にある中州の木にサギが集まっているところがありました。

Dsc07599c_20250511135401 Dsc07606c  ダイサギや、コサギがほとんどのようでしたが、アオサギも混じっています。左の写真が下流側のところ、右は上流側(堰に近い方)の様子。

Dsc07638c_20250511135501 Dsc07658c_20250511135501  長良川右岸の魚道あたりには、コサギ、ダイサギなどがいます。左の写真はコサギ、右の写真はダイサギ。

Dsc07671c_20250511135501  魚道の別のところにもダイサギ。アオサギもいたのですが、逃げられました。本当に警戒心が強く、逃げ足が速いものです。

Dsc08148c_20250511135401 Dsc08193c_20250511135401  親水広場まで降りて行く途中から、中州の葭原でオオヨシキリの声が聞こえます。ゆっくり、じっくり見て回ったのですが、今日は、姿は見つけられませんでした。すぐそこで鳴いているように思うのですが、風も強いので葦の根元の方にいるのかも知れません。代わりにということではありませんが、ホオジロのオス。左右の写真は、同じ個体。親水広場では、今日はハクセキレイや、コチドリは見られませんでした。

Dsc08508c_20250511135401  管理橋を戻って、再び、左岸まで戻ってきたら、下流側の魚道でコサギ。

Dsc08583c_20250511135401 Dsc08678c_20250511135401  このあと、長島町内を巡視してきました。南の某所では、コチドリが1羽。東の某所には、何もおらず。北の某所でヒバリのオス1羽を見つけました。ブロ友のひらいさん情報では、ケリなどが営巣しているところもあるということでしたが、今日は、これら某所では、ケリは見ませんでした。

Dsc08891c_20250511135401 Dsc08862c_20250511135401  いつものパターンで、上之輪新田にも立ち寄ってきました。田植えはまだ行われていませんでしたが、ほぼすべての水田に水が入っていました。いつもなら、ここにもケリがいることが多いのですが、今日は、見た限りではゼロ。カラスがあちこちに点在していたのと、スズメが少し見られたのみ。ということで、早々に撤収してきました。

Dsc08931c_20250511141301  今週は、明日月曜の午後から市民大学郷土史学科の講座が始まります。月に1回、8月は休みで、12月までの7回。今年度のテーマは、「桑名藩から見た戊辰戦争」。次の日曜には、内輪の勉強会を予定しています。月1回ペースで知能検査を用いた心理アセスメントについてお話ししています。写真は、近鉄特急「ひのとり」。上之輪新田で撮影。1枚前の写真にも写っています。

2025年5月10日 (土)

午後から散歩で、カルガモとスズメのヒナ、ツバメの巣チェック

250510081527173c Screenshot_20250510074114c  近鉄ハイキング「【JR東海合同企画】鵜飼と地酒を愉しむウォーキング」に行って、「木曽川鵜飼in蟹江川2025」で鵜飼いパフォーマンスを見たいと思っていたのですが、結局、午前中は雨模様。雨雲レーダーには雨雲は映っていないにもかかわらず、小雨が昼近くまで降り続きました。この企画、去年も確か、同じようなものがあったのですが、縁がないのかも知れません(笑)。

Dsc07166c_20250510153501 Dsc07176c  午後になって、空も少し明るくなりましたので、13時半過ぎから散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町、寺町と5.3㎞。しかし、この時間帯では、野鳥はいません。これらのカルガモは、七里の渡跡にいたもの。

Dsc07219c_20250510153501  散歩する人はチラホラ。九華公園にいた野鳥は、スズメ、ドバト、ムクドリ、カワウくらい。ほかにはコゲラが飛ぶのをチラッと見ました。スズメは、割とよくいました。

Dsc07242c Dsc07358c  そのスズメのうち、かなりのものがヒナを連れてきています。これらは、二の丸跡で見たスズメのヒナ。別の個体です。ほかにも何組か、ヒナをつれたスズメを見ていますが、なかなか上手く撮れません。

Dsc07421c_20250510153501  京町では、民家と商店との2ヶ所でツバメの巣を確認。左の写真は、あるお宅にある巣。昨日も修復中と書きましたが(2025年5月9日:京町のお宅でツバメが巣を修繕中)、修理はさらに進んだように見えます。

 Dsc07462c_20250510153501 こちらは、京町のお店にあるツバメの巣。今日も、親ツバメはちゃんと巣に就いていました。これは、ヒナの誕生が期待できそうです。気づいた限りでは、4月28日から親ツバメが巣に就き始めました(2025年4月28日:京町のお店でツバメが巣に就き始めました)。ツバメの抱卵期間は、13~17日だそうですから、来週半ばには、ヒナが孵るのではないでしょうか。

Dsc07394c_20250510153501  ところで、午前中は、近鉄あみま倶楽部のハイキングコースを調べて、いくつか選び、コースマップ作りに励んでいました。通常の近鉄ハイキングや、JRさわやかウォーキングについては、行き尽くした感がありますし、JRさわやかウォーキングですと、遠方まで行くのは難しいところがあります。あみま倶楽部のハイキングコースを歩くか、自分で計画して歩くかを選択せざるを得ないという考えによります。ボチボチ準備して、そのうち、一昨日のように歩きに行くつもりです(2025年5月8日:20250508近鉄あみま倶楽部ハイキング「津・一身田寺内町コース」へ(一回完結))。

2025年5月 9日 (金)

京町のお宅でツバメが巣を修繕中

Dsc07130c  朝7時過ぎに通り雨があった以外、午前中はほぼ曇り。午後は、雨の予報です。通り雨が止むのを待って、7時50分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町、南魚町、田町、三崎通と5.2㎞。もう少し歩いた気もします。

Dsc06215c_20250509132501 01cf576e  単なる風景写真なのですが、これは揖斐長良川の中州。ここから、オオヨシキリの声が聞こえるようになりました。「ギョギョシ ギョギョシ ギョギョシ」あるいは「ケケス ケケス カイカイシ」などと聞こえてきます。右の写真は、去年、長良川河口堰で撮影したオオヨシキリ(2024年6月1日:長良川河口堰と三ツ又池公園でオオヨシキリ……カイツブリのヒナはまだ)。このあたりですと、長良川河口堰か、弥富の三ツ又池公園に来ますので、また見に行くことにしましょう。

 Dsc06240c_20250509132501 Dsc06292c_20250509132501 柿安コミュニティパークでは、カワラヒワのヒナが出て来ました。左右の写真は、同じ個体。近くには、親のカワラヒワがいました。ヒナはこれ1羽のようでした。

Dsc06388c_20250509132501 Dsc06433c_20250509132501  天気も良くなく、風もありましたので、九華公園には野鳥はあまりいませんでした。証拠写真で恐縮ですが、左の写真は、奥平屋敷跡にいたカワラヒワ。右は、朝日丸跡で見つけた、スズメのヒナ。朝日丸跡には、シジュウカラのファミリーらしき集団もいましたから、ヒナが含まれていたかも知れません。

Dsc06579c_20250509132501  こちらは、九華公園の外周遊歩道の南で見かけたスズメのヒナ。嘴がまさに黄色で、巣立ってきたばかりかと思えます。すぐそばには親スズメ。親スズメはエサを探しては、ときどきこのヒナに与えていました。

Dsc06743c_20250509132501 Dsc06902c_20250509132501  貝塚公園で見たカワラヒワ。今日は、カワラヒワをよく見ました。右の写真は、外堀にいたイソヒヨドリのメス。このあたりを行き来して、エサを探していたようです。何となくスマートに見えます。

Dsc06918c_20250509132501  Dsc06951c_20250509132501 京町のお宅にあるツバメの巣を久しぶりに見に行ったら、巣の修繕中でした。ここのお宅の巣にも毎年、ツバメが来ます。今年はダメかと思っていたのですが、これで散歩コースで営巣している/しそうな巣は、2ヶ所となりました。そばの電線ではツバメが1羽、休んでいました。

Dsc07029c  京町の商店にある巣では、親ツバメが巣に就いています。オス、メスどちらかが必ずいますから、卵があるのは間違いないでしょう。田町、三崎通あたりにも、ツバメがつくった巣がありますが、巣のあった商店は解体されてしまいました。ほかに2ヶ所、古い巣があるのですが、そこにはツバメが来ている様子はありません。

 Dsc06513c_20250509132501鎮国守国神社の境内にある豊後梅。実がかなり大きくなってきました。豊後梅の実は、特に大きくなるようです。

 Dsc07096c_20250509132501 寺町の常信寺にあるヤマボウシ。よく咲いてきました。華やかさは少ないのですが、何となく好きな花です。明日は、近鉄ハイキングで「【JR東海合同企画】鵜飼と地酒を愉しむウォーキング」という企画があります。「鵜飼」とありますように、明日は、「木曽川鵜飼in蟹江川2025」が開催されますので、これを見てみたいのです。鵜飼いパフォーマンスは、9時30分、11時10分、12時55分の3回。天気予報は、昼くらいまで雨とか。微妙ですねぇ。

2025年5月 8日 (木)

20250508近鉄あみま倶楽部ハイキング「津・一身田寺内町コース」へ(一回完結)

Img_1022c_20250508154301  好天で風も弱いという予報でしたので、近鉄あみま倶楽部が常設コースとして設定している「津・一身田寺内町コース」を歩いてきました。このコースあたりは、何度でも歩いたところですが、1つには、三重県総合博物館で開催されている「トピック 展『伊勢路がみたい 伊勢参宮名所図屏風の世界』 」を見たいと思ったのと、高田本山専修寺(せんじゅじ)に最近、お参りしていないなと思ったからです(2024年1月14日:20230114近鉄ハイキング「高田本山専修寺『お七夜』と新春の寺内町散策」へ(一回完結))。それならば、この2ヶ所がコースに設定されている「津・一身田寺内町コース」を歩こうという次第。近鉄桑名駅を8時23分に発車する松阪行き急行に乗車。津駅には9時5分に到着。¥830。桑名では、最高気温は24.1℃。

 こちらが今日歩いてきたルートマップ。250508ishindenmap津駅をスタートし、三重県総合博物館(MieMu)、一身田寺内町、高田本山専修寺、高田本山駅と、コースマップ上は7.2㎞。アプリ連動ハイキングで、ここにあげたところが、チェックポイントでした。今回も、記事は一回完結で、一人旅でした。

Img_1037c  津駅西の交差点のところに津偕楽公園があります。もとは「下部田山(しもべたやま)」あるいは「御殿山」と呼ばれ、藩主の鷹狩り場の休憩所の御殿が建てられていました。貞応年間(1652~1655)には藩士に労をねぎらうために、遊息の地として分け与えられたという記録があるそうです。以前、近鉄ハイキングで訪ね、中を歩き回りましたので(2019年5月23日:20190519近鉄ハイキング「谷川士清旧宅と県立美術館・総合博物館春の専修寺を訪ねて」へ(その2)……津偕楽公園と、三重県立美術館「没後200年記念 増山雪斎展」)、今回はパス。詳しいことは、リンク先の記事をご覧ください。

Img_1052c  三重県総合博物館は緩い坂道を1.5㎞ほど登っていきます。ここも何度も来ています。平日で、とても空いていました。

Img_1162c Img_1075c_20250508154401  今回の目当ては、初めにも書きましたように、「トピック展『伊勢路がみたい 伊勢参宮名所図屏風の世界』」です。写真撮影可でしたので、伊勢参宮名所図屏風の左隻の写真のみを載せておきます。「伊勢参宮名所図屏風」を中心に、全国から多くの人びとがやってきた伊勢参宮について、三重県総合博物館が所蔵する資料で紹介します。江戸時代の参宮の風景が描かれた浮世絵や名所図会が展示されています。この「伊勢参宮名所図屏風」は、幕末から明治にかけて作られたとみられ、今回初めて展示されています。5月18日までで、入場は無料です。私のほかに観客はお一人で、ほぼ独占状態で見てきました。

Img_1059c  Img_1166c 三重県総合博物館へ行くと、必ず見てくるものが2つあります。その1つは、ミエゾウの骨格標本。企画展示室の前にあります。もう1つは、サンショウウオのさんちゃん。ミュージアム・ショップの隣にいます。三重県総合博物館の収蔵資料のうち、唯一生きている標本です。

Img_1205c_20250508154401  三重県総合博物館から一身田寺内町まで、立ち寄るところはありません。三重県総合文化センターのところから、田園地帯を歩いて行きます。こちらは、2.5㎞ほどのところで、高田本山専修寺方面を撮った写真。中央に高田本山専修寺が小さく写っています。

Img_1248c_20250508154401  Img_1254c JR紀勢線の踏切を越え、4㎞地点あたりでいったん伊勢別街道に出ます。関宿東追分で東海道から分かれ、江戸橋で伊勢街道に合流します。この伊勢別街道も1度は歩き通したい街道です。この街道沿いに伊勢木綿を製造している臼井織布があります。この臼井織布のところを右に曲がって一身田寺内町に向かいます。

Img_1269c Img_1297c_20250508154401  一身田寺内町の入口にある常盤橋。環濠となっている毛無川(けなしがわ)にかかっています。一身田寺内町は、東西500m、南北450mの環濠に囲まれています。ここにはかつて黒門という門がありました。寺内町への南の出入り口で、番小屋と門があり、夜間は通れませんでした。黒門の先、百五銀行支店のところに道標があります。「右 江戸みち 左 御堂并京道」とあります。ちなみに、一身田寺内町、高田本山専修寺については、こちらの記事(2022年1月10日:20220110勝手にハイキング「高田本山専修寺のお七夜」へ(予告編))に詳しくあります。

Img_1308c_20250508154401  一身田寺内町の商店街。高田本山専修寺を中心に広がる「寺内町商店街」は、江戸期以来から続く伝統ある店が軒を連ねています。こちらにも詳しく載っています。今日は、目当ての和菓子屋さんが、ガス工事でお休みだったりして、ちょっと残念でした。

Img_1331c  スタートから5㎞あまりで、高田本山専修寺へ。真宗高田派の本山です。写真は、山門。ここは、家内の方の宗旨であり、私も気に入っているお寺。我が家は真宗大谷派ですが、個人的にはこちらに宗旨替えしてもよいと思うくらいです。

 Img_1342c Img_1346c_20250508154401左の写真が御影堂。開祖である親鸞上人の木像が安置されています。右の写真は、如来堂。「証拠の如来」と呼ばれる阿弥陀如来立像(快慶作 国指定重要文化財)を本尊とし、教義上この堂が伽藍の本堂。室町時代中期、天台宗の延暦寺は、浄土真宗本願寺派と対立していました。延暦寺は同じ浄土真宗である高田派も同一視して敵視して来たため、真慧が比叡山に赴き、高田派は本願寺派とは全く別であることを陳述しました。さらに7日間にわたって親鸞の教えである浄土真宗の教義を講義したところ、延暦寺の僧侶等は感動し、高田派こそ真宗の教えを正しく受け継ぐ教団であると認めたのです。その証拠にと、真慧は延暦寺から第3代天台座主円仁(慈覚大師)が一刀三礼で彫り上げた阿弥陀如来立像を譲り受けました。それ以来、この阿弥陀如来立像は「証拠の如来」と呼ばれ専修寺の本尊となっています。

Img_1365c  ここには家内の父のお骨が納めてありますので、訪ねるたびに納骨堂にもお参りしてきます。今日は、平日で、境内も、納骨堂も空いており、ゆっくりとお参りしてきました。

Img_1381c_20250508154401 Img_1384c_20250508154401  専修寺を出て、東側に回り、太鼓門のところから、一御田神社へ。太鼓門は、専修寺の東入口となる門で、平屋建ての長屋門の上に三層の櫓をのせ、その最上階に大太鼓を吊っています。明治5(1872)年の暦制改正によって時刻が西洋式となるまで、ここの太鼓が町の人々に時刻を知らせていたそうです。一御田神社の創立は不詳ですが、棟礼に嘉吉元(1441)年のものがありますで、これ以前と思われます。今日は、御田植え祭(5月11日だそうです)の準備をしておられました。

Img_1391c  一御田神社から赤門跡へ回りました。ここは、一身田寺内町の北東部にあたります。江戸方面への出入り口で、朱塗りの門と橋があり、赤門と呼ばれていたのです。ここから再び、黒門跡方面に向かいます。

1746671610079c  一身田寺内町を離れる前に、土産に買ってくるようにといわれた、京林堂さんへ。ところが、開店時刻の11時を過ぎても、シャッターが閉まったまま。ここの名物であるカレー焼きが食べたかったのに、残念。どんなものかは、リンク先をご覧ください(食べログのサイトです)。今日は、土産はなし。

Img_1420c_20250508154401 Img_1435c  やむなくそのままゴールの近鉄高田本山駅を目指します。残りは1㎞あまり。伊勢鉄道の高架をくぐり、田園地帯を歩きます。しかし、それにしても、今日は好天で、絶好のハイキング日和です。

Img_1459c_20250508154401  高田本山駅には、11時50分を過ぎた頃到着。この駅も何度も利用しています。12時7分に出る名古屋行き普通に乗車。白子駅に12時22分着。ここで12時28分発の名古屋行き急行に乗り換えて、桑名駅には13時3分に到着。江戸橋方面へ非常勤講師に行っていた頃、よく利用した電車でした。白子駅で、途中下車しましたので、料金は¥360+¥590=¥950。

Screenshot_20250508132619c  今日のGoogle Fitのデータ。11.03㎞、18,322歩でした。マップ上は、7.2㎞でしたが、三重県総合博物館や、専修寺で中を歩き回ったからです。自宅から桑名駅往復は、2.5㎞もありません。

Screenshot_20250508121203c Screenshot_20250508121136c  今日のハイキングは、アプリ連動ハイキングで、チェックポイントでチェックインしますと、デジタルスタンプがもらえます(左の画像)。さらにすべてのチェックポイントをクリアすると、踏破賞が付与されます(右の画像で、もっとも左上のもの)。

 Screenshot_20250508122421c 白子駅で途中下車したと書きました。乗り換えに時間がありましたので、エキタグのデジタルスタンプをゲットしに行ってきたのです。以前は、白子駅をスタート、ゴールにする近鉄ハイキングがよく企画されていたのですが、最近はあまりなくなってしまい、ここに来る機会がありませんので、ちょっと余分な出費をすることになったのですが、せっかくだからという次第。

2025年5月 7日 (水)

今日は、ヒナ・デー……スズメ、シジュウカラのヒナに遭遇

Dsc05335c_20250507142001  よく晴れたのですが、最大風速8.0m/sと強い、北風が吹いています。最高気温は、22.1℃ですが、体感的にはやや寒いくらい。7時20分から散歩に出かけたのですが、途中で、「帰宅するように」という指令が届き、結局、住吉神社、九華公園から田町、三崎通を経て5.2㎞を歩いただけ。帰宅せざるを得なかったのは、依頼していたトイレの修理業者の方が、思ったより早く来てもらえることになったからでした。

Dsc04946c_20250507141901  Dsc05057c_20250507141901 拙宅マンションの玄関を出たところで、スズメのヒナが鳴いているのに気づきました。一昨日見たヒナと同じかも知れません(2025年5月5日:スズメのヒナが登場)。親からエサをもらうシーンは後ろ姿しか撮れませんでしたが、右の写真にあるように、並んだところもなかなかではないかと自画自賛しています。

Dsc05289c_20250507142001  冒頭の写真は、七里の渡跡ですが、ここの護岸の上に、ツバメのペアが降りてきていました。手前のツバメは燕尾が短いのでメス、奥はそれが長いのでオス。

 Dsc05379c_20250507142001 柿安コミュニティパークでは、カワラヒワ。2羽いたうちの1羽。

Dsc05549c_20250507142001  九華公園は今日も静かでしたが、奥平屋敷跡にはコゲラが来ました。写真を撮っているときには分からなかったのですが、頭部に赤い羽毛が見えますので、これはオス。

Dsc05701c_20250507142001  同じく、奥平屋敷跡にはカワラヒワ。何羽かが現れました。ほかには、ハクセキレイ1羽、スズメ、ドバト、ハシボソガラスなど。ツバメも飛び交っていました。ムクドリやヒヨドリは、今日は来ませんでした。

Dsc05910c Dsc05982c_20250507142201  さらに、朝日丸跡では、シジュウカラのヒナを見つけました。ヒナは2羽いました。2羽一緒のところも撮ったのですが、残念ながらピンぼけ。これらの写真に写っているヒナが同じ個体かどうかは、不明。

Dsc06046c_20250507142201  こちらは、シジュウカラの親。虫のようなものを捕まえていましたが、これは、ヒナに与えるエサとなるのでしょう。子育て中の親は、エサ取りに大変でしょう。ヒナの食欲はすごいですから。

Dsc05804c_20250507142001  神戸櫓跡の松の木にあるカワウの巣。写真の中央に巣があり、親カワウが座っています。これはずっと前からあるもの。今日は、その下に巣材をくわえてカワウが行くのが見えました。小さめの巣のようなものが見えます。こちらは、以前も巣を作りかけたものの、強風で吹き飛ばされていました。再建中のようですが、どうなるでしょう?

Dsc06169c_20250507142201  というところで、帰宅指令が出て、今日の散歩は、強制終了(苦笑)。トイレは、自動で水が流れる機能が動いたり、動かなかったりしていました。トイレのリノベーションをしてほぼ5年です。見ていただいた結果、リモコン関係は異常はなく、モーターがときどき機能不全になっているかも知れないということで、水栓を動かすモーターを交換してもらい、様子を見ることになりました。しかし、自分がしていることを強制終了されると、緊張感が残ります。講釈を垂れますと、心理学で「ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)」という現象があることが知られています(古くに明らかにされたことですから、現在の教科書には載っていないでしょう)。これは、「完了したことよりも、途中で中断したり、達成できなかったことの方が記憶に残る」という心理現象です。未完了のタスクに対する緊張感が残りやすく、それが達成されることで緊張が解消されるという心理学的なメカニズムに基づいているとされています。今日の散歩は、いつも以上に記憶に残るかも知れません(笑)。

2025年5月 6日 (火)

「雨読の日」も苦労するよ(苦笑)

0506amedas  みどりの日の振替休日で、ゴールデンウィークも最終日となりましたが、あいにくの雨。未明に降り始め、14時頃までは断続的に雨でした。止み間もあったのですが、レーダー画像を見ますと、次の雲が待ち構えていましたので、散歩には出ず、「雨読の日」。最高気温は、夜中に記録した18.1℃。15時現在は、15.1℃。

250506080823271c  「晴耕雨読」をもじって、「晴歩雨読」というモットーを掲げてはいますが、「雨読の日」にすることは限られます。文字通り、本を読むことはもちろん、パソコンや自筆で書き物をしたり、録りためておいたテレビ番組のビデオを見たり(ちなみに、YouTube、Netflixその他は、ほとんど見ません。キリがなくなることを恐れています)、勉強している郷土史の資料をチェックしたりなどをします。が、これらはいずれも目に負担がかかります。その上にモチベーションが持続する時間は短くなり、体力、気力も続かず、長い時間にわたって1つの作業に取り組むのは、だんだんと難しくなってきています。

250506080835697c  ちなみに、今日の午前中は、ずっと放りっぱなしにしていた過去の写真データの整理に取りかかったのですが、これもブログの過去記事に載せた写真をチェックしながら、外付けハードディスクに保存した画像データから不要なもの、不出来な写真を削除するのですが、かなり面倒で、続きません(苦笑)。今日も、10数年前のある年について、これをしていたのですが、2時間近くかかって、2ヶ月分を終えられたのみ。空いたハードディスクの容量は2GBほどで、ガックリします。外付けハードディスクは、8TBの容量を2つに分け、RAIDを組んでいます。とはいえ、RAID 1ですから、同じデータを複製して、2つのディスクに書き込む方式で、「ミラーリング」と同じです。どちらかのHDDが故障したとしても、すべてのファイルが残る信頼性の高さがメリット。しかしながら、同じデータを2台のHDDに書き込みますので、容量コストは倍になります。I/O DATAのHDS2-UTX8.0を使っています。容量は4TB×2ですが、現在、3.08TBを使用し、空き容量は565GBとなっています。昔は、写真データは何としてもぶっ飛ばしてはならないと思っていたのですが、最近は、ブログにリサイズしたものとはいえ、載せてあるから、それほど神経質にならなくてもいいかという気もし始めています。

Dsc04812c  明日は天気は回復するという予報ですから、また散歩に励みましょう。散歩をしてきますと、運動にもなりますし、写真も撮ってきますから、その整理もしなければなりません。この年になりますと、やることは自分でつくり出さないといけません。暇つぶしは、他人頼みではダメです。ヤブデマリは、寺町の常信寺で昨日、撮影。

Dsc04689c_20250506154501  やることをつくり出すといえば、5月3日から三重県総合博物館で始まった「トピック 展『伊勢路がみたい 伊勢参宮名所図屏風の世界』 」を見たいと思っています。期間が短く、5月18日までです。これに引っかけて、近鉄あみま倶楽部のハイキングコース「津・一身田寺内町」を歩くとよいかと考えています。週末には、近鉄ハイキングで「【JR東海合同企画】鵜飼と地酒を愉しむウォーキング」があります(5月10日)。鵜飼いイベントがあるというのが、魅力的。ただ、天気予報があまりよくないのが、心配。写真は、ハゴロモジャスミンのようですが、昨日、京町で撮りました。

«スズメのヒナが登場

2025年5月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ

マイブックス

  • 木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)

    木村幹: 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ (ちくま新書)
    未だにこういう本を手にするということは、過去の仕事に未練があるのか、と思われそうです。確かに、健康問題がためとはいえ、定年のはるか前にリタイアせざるを得ませんでしたので、未練がまったくないとはいえません。部局長になったことはありませんでしたが、副学部長に相当する立場や、大学の評議員、セクハラマニュアル作成や、セクハラ実態調査を実施する責任者にはなりました。故に、1つの部局内だけではなく、全学的な立場での仕事も経験しました。ごく小さな研究会の会長をしたこともありますし、いくつかの学会で査読委員も依頼されたこともあります。自慢を書いているのではなく、この本の著者の経験と似たような経験もしてきたということです。世間でもたれている大学の教員のイメージは、著者が書いておられるように、実態に即したものというより、先入観がかなり先行したものと思います。現実には、多岐にわたり、大量の仕事、それも本来の業務である教育研究以外の仕事が占める比率が、年々高まっています。われわれが学生だった頃は、まさに古き良き時代でした。独法化されて以降は、教員受難時代といえるかも知れません。日本人は、大学に限らず、小中校ともに、教員に過剰に期待し、酷使していると私は考えています。専門性を尊重し、それが発揮できるような環境条件を整えてこそ、国も民も栄えるような気がします。大学の教員がどのような人達で、どのように働いているかを理解するには、好著と思います。 (★★★★)

  • デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]

    デジタルカメラマガジン編集部: デジタルカメラマガジン 2025年5月号[雑誌]
    ブロ友さんから教えていただきました。昔は、書店でよく立ち読みしていた雑誌です。2025年5月号の特集は、「野鳥撮影超入門ガイド」。内容はもちろん参考になることがたくさんありますが、載っている野鳥の写真がどれもきれいで、驚くくらい。これを眺めているだけでも楽しめるかも知れません。これで¥1,200なら、安い買い物といえるでしょう。 (★★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 3か月でマスターする 江戸時代 2025年 1月~3月 [雑誌] (NHKテキスト)
    NHKのEテレで放送された、同名の番組のテキストです。今年の大河ドラマ「べらぼう」の関連番組ともいえます。放送を見なくとも、このテキストを通読することによって、江戸時代の概要をおさらいし、さらに、学生時代に学んだ知識をアップデートすることができます。とくに私のように、学生時代から50年近く過ぎたものにとって、昔、教科書で学んだことが、今やまったく書き替えられていることもよくあります。図表、写真も多用されていて、とても分かりやすいものです。 (★★★★)

  • 田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)

    田中 優子: 蔦屋重三郎 江戸を編集した男 (文春新書)
    今年の大河ドラマの主人公である蔦屋重三郎について書かれた本ですが、読み終えるのに難儀しました(苦笑)。蔦屋重三郎は、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、歌麿、写楽を売り出した人物です。江戸最大のプロデューサーというか、編集者というか。大河ドラマの主人公になるくらいなら読んでみるかと思って、気楽に手に取ったものの、専門書ではないかと思えるような内容、記述で読むのに苦労しました。著者の田中優子さんは、法政大学総長も務めた日本近世文学、江戸文化の大家。 (★★★)

  • 岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)

    岩波 明: 高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生 (文春新書)
    高学歴、高機能の発達障害の方たちの人生は、かなり激しいアップダウンを示すことがよくあります。ダウンした、長いつらい時期を過ごさざるを得ない人達であっても、そこから這い上がり、復活して、成功をつかむことが可能な人達も多くいます。その一方で、長きにわたって低迷した状態から抜け出せない人や、失敗、挫折を何度もくり返してしまう人もいます。高学歴、高機能の人達は、理解がよく、必要な情報に容易にアクセスする能力を持っているのですが、この点がマイナスに作用することもあります。知識量が多くて混乱したり、自分の考えに固執して医師と対立関係になったりすることがあるからです。私自身は、発達障害のある人には、自覚と工夫が必要と考えていますが、この本を読み終えた現在も、その考えに大きな間違いはないと思っています。さらに、発達障害の特性があったとしても、広い意味での環境要因を整えることはとても重要です。専門家による専門的な援助はもちろん、学校、職場の環境調整、家族の適切なサポートなどがそれです。「工夫」をする際には、とくに力量のある専門家からの援助は不可欠です。ASDについては、中核的症状に対する、有効な薬剤がない現状では、心理教育や、認知行動療法、SSTが有用です。ADHDの諸症状には、有効な薬剤が複数ありますし、心理教育や、認知行動療法のアプローチも有用でしょう。苦手なことについてがんばろうとしないことや、自分の得意な事が上手く発揮できたり、活かせたりすることを考えることもとても大切です。この本は、当事者の方やご家族、関わりを持つ教師などの皆さんにとても参考になるでしょう。 (★★★★)

  • 外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)

    外山滋比古: 人生の整理学 読まれる自分史を書く (イースト新書Q)
    著者は、私の出身高校が旧制中学であった時代の大先輩。『思考の整理学』ほか、多数のベストセラーを書いておられます。この本は、ほかの本を探しに書店に行ったときに見つけて、即買い。自分史を書こうとは思っていませんが、これまでの人生を振り返るのに、何か参考になるかも知れないと思って、買ってきました。「サクセスストーリーのほとんどが退屈」「言いたくてむずむずするところは抑える」「『私』をおさえて『間接話法」で書いてみる」「お手本の文章をみつけて、軟度も読む」「内田百閒『戦後日記』のようにさらっと書いてみる」などなど、首肯するところ多々ありました。 (★★★★)

  • 小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)

    小松 正: なぜヒトは心を病むようになったのか? (文春新書)
    進化心理学とは、ヒトの心のはたらきを「自然淘汰による進化」という考え方によって統一的に説明しようとする分野です。私が現役の頃から発展してきた、新しい心理学の分野です。この本は、ヒトが陥る自己否定的な状態、他人に対する攻撃性、人間同士の対立や分断など、ネガティブな性質がなぜ進化の過程で残ったのかを考察しています。一言でいうと、それは生存や繁殖と深い関係があるというのです。進化心理学から捉えることで、これら、心のダークサイドがよりよく見えてきます。 (★★★★)

  • 林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)

    林 望: 節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由 (朝日新書)
    林望こと、リンボウ先生の本は、昔々、よく読みました。「イギリスはおいしい」などのエッセイは楽しみました。この本のタイトルをネットで見たとき、まさかあのリンボウ先生だとは思ってもみませんでした。リンボウ先生と節約というのが結びつかなかったのです。しかし、読んでみると、まがいもなくあのリンボウ先生の文章でした。ただの節約術の本ではなく、高齢になったときのライフスタイル、生き方について、リンボウ先生の考え方が展開されていました。筋金入りのへそ曲がりにして、頑固者のリンボウ先生らしい生き方です。キーワードを拾っただけでも、その一端が分かります。「銀行は信用してはいけません」「(お金を)知らない人に預ける危険性を考える」「高齢者は見栄を張らない」「冠婚葬祭は義理を欠く」「自然の調整機能に任せる」などなど。私はリンボウ先生ほど変人でも頑固でもないと思っていますが(多少は変人で、融通が利かないという自覚はあります)、なるほどと思ったことは参考にして行きます。 (★★★★)

  • 関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)

    関裕二: アマテラスの正体(新潮新書)
    著者の前著『スサノヲの正体』も、興味深く読みました。斬新な着眼点と発想で、思いもかけない結論に至っています。読み物としてはとてもおもしろいという点で、☆を5つとしました。ネタバレになりますから、詳しいことを書くのは控えておきますが、著者は、伊勢神宮に祀られているのは、いわゆる「天照大神」ではなく、別の霊威の強い(祟る)、二柱の神だとしています。祟るが故に、伊勢に放逐されたのだと主張するのです。ただ、著者の肩書きは、歴史作家にして、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェローであり、仏教美術に関心をもち、奈良に通ううち、独学で日本古代史を研究したということですから、現在の歴史学や考古学が明らかにした内容と整合性がとれている主張なのかどうかは、私には判断はできかねます。それ故、「読み物としてはおもしろい」と評価しています。 (★★★★★)

  • 小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)

    小塩真司: 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学 (ちくま新書)
    タイトルに惹かれて読みました。ただし、初めにお断りしておきますが、図表こそないものの、心理学の専門書といっても良いくらいの、分厚い記述になっていますので、馴染みのない方にとっては読みやすいものではありません。「性格が悪い」ことについて、最近研究が進んできた「ダークな性格」を中心にまとめられています。ダークな性格とは、マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4つの特性です。これらの特性とリーダーシップ、社会的成功との関連、身近な人間関係中でのダークな性格、ダークな人物の内面、ダークな性格の遺伝、ダークさとは何かについて、文献を引用しつつ論じられています。その上で、性格の良し悪しは、その内容ではなく、どのような結果に結びつくかで判断されるというのが、著者の結論でした。 (★★★★)

  • 和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)

    和田 秀樹: 老いるが勝ち! (文春新書)
    和田秀樹さんは、もともと高齢者専門の精神科医です。浴風会病院というところで35年間勤務され、6,000人以上の高齢者の方を診てこられました。その臨床経験から、高齢者については、理屈通りに行かないと思うことがたくさんあるといっておられます。タバコをたくさん吸っていても100歳まで生きる人もいれば、検査データはすべて正常なのにガンで亡くなる人もいるのだそうです。医者にいわれて血圧その他に注意していたのに、脳卒中を起こす人もいます。和田さんはこの本で80歳を過ぎたら我慢せず、好きな物を食べ、行きたいように生きることを勧めています。また、医療に関わらない方が長生きできる共書いています。不摂生を勧めておられるわけではありませんが、常識にとらわれず、自由に生きた方が楽しみも見つかってよいのではないかと思います。養老孟司先生流にいえば「なるようになる」のですから。 (★★★★★)

  • 彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

    彬子女王: 赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
    彬子女王殿下の英国留学記です。彬子女王は、ヒゲの寛仁親王のご長女。殿下は、女性皇族として初めての博士号をオックスフォード大学で取得されました。この留学記は、ネットで話題になっていましたので、ぜひとも読んでみたいと思っていました。今上天皇の「テムズとともに」も読んだことがありますが、皇族の皆様は、どなたも誠実で朗らかで、それでいてユーモア溢れるお人柄をお持ちのようですが、殿下も同様でいらっしゃり、それがよく感じられる文章で楽しく拝読し、爽やかな読後感を持ちました。 (★★★★★)

  • 石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す

    石井光太: ルポ スマホ育児が子どもを壊す
    タイトルに惹かれて買ったのですが、帯にあるように「衝撃の現場報告」でした。この本に書かれているエピソードのうち、いくつかはこれまでにもマスコミ報道などで接していましたが、これだけのことがらが一度に示されると圧倒されます。現代の子どもたちは、まさに私たちが知っている(知っていた)子どもではなくなっているといえるようです。たとえば、「2歳児のネット利用率は58.8%」「子守歌はアプリで聞く赤ちゃん」「ヘッドガードの制服化」「教室の『アツ』に怯える小学生」「褒められ中毒はエスカレートする」などなど。スマホが登場して16年でその影響は大ですが、子どもたちの特徴に影響しているのはスマホだけではなく、現代社会や、大人達のありようも大きく影響しているといえます。「『将来の夢は交通整理のバイト』と言う女子高生」などはその例でしょう。私が教えている学生も、「『アツ』がすごい」ということがあり、いったい何だ?と思っていましたが、よく分かりました。すでに若い先生方は、デジタル・ネイティブ世代になっていますし、この本に登場する若者達が社会に出て、その中核を担うのも遠い将来のことではありません。これらの若者は、高い情報処理能力を持ち、周囲に適応する力もあり、コンプライアンス能力も高いのですが、それらを認めた上で、彼らが自立した大人になるために何が必要か見極め、それを提供することが必要とされるのでしょう。その意味では、大人の世代にも彼らを適切に理解し、必要な支援を提供する責任があります。 (★★★★)

  • 養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く

    養老 孟司, 中川 恵一: 養老先生、再び病院へ行く
    『養老先生、病院へ行く』の続編です。医療とは距離をとっておられる養老先生が、再診のため1年3ヶ月ぶりに東大病院に行かれました。大病から復活された今だからこそ語ることができる老い、医療、健康、死との付き合い方について、養老先生ご自身と、教え子にして主治医の中川恵一先生がお書きになっています。養老先生のスタイルをそのまままねすることは、凡人には不可能であり、よろしくはありません。しかし、健康についての考え方や、死についてのとらえ方などはとても参考になります。私が啓蒙されたことがらは、「健康法は人の数だけ存在する」「養老先生は抜け道の天才」「不連続な体調の変化に気をつける」「具合が悪いときは一週間様子を見ると医者に行くべきかどうか分かる」「お酒はもはや百薬の長ではないが飲む飲まないは自分で決めてよい」などでした。 (★★★★★)

  • 宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)

    宮口幸治: 歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―(新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」シリーズの3冊目です。本の帯には「『幸せを求めて不幸を招く人』の戦慄ロジック」とあります。「みんな幸せになりたい」という動機は万人がもつものでしょう。しかし、幸せの形は人それぞれですし、幸せになりたいと強く願うものの、かえって生きづらさや苦悩を抱える人たちもたくさんいます。著者は、人は幸せになりたいが故に、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうといいます。さらに、幸せになりたいのだけれど、そのやり方がよくない」と考える、結果的に他人を不幸にする人たちを理解できるともいいます。著者が長年関わってきた非行少年達にもそれは共通するそうです。歪んだ幸せを求める人たちの背景にある要因として、著者は、怒りの歪み、嫉妬の歪み、自己愛の歪み、所有欲の歪み、判断の歪みの5つの歪みを取り上げ、事例も含めて考察しています。これを読むと、こうした5つの歪みは、ごく普通の人びとも多少とももっているものといえます。最終章では、自分と他者の「ストーリー」という概念を用いて、歪んだ幸せを求める事についてどう向き合えばよいか、提案されています。 (★★★★)

  • 森永 卓郎: 書いてはいけない

    森永 卓郎: 書いてはいけない
    他の本を買いに行った時、書店で平積みになっていましたので、思わず買ってしまいました。メディアのタブーに触れつつ、現在の日本が凋落している要因を3つ指摘しています。サブタイトルは、「日本経済墜落の真相」となっています。3つは、ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。この3つについては、関係者は皆知っているものの、触れてはいけない、本当のことをいってはいけないタブーになっているといいます。メディアで触れたら、瞬時にメディアには2度と出られなくなるそうです。ジャニーズ問題は、BBCの報道のためにオープンになってしまいましたが、著者の森永さんは、ご自身が病を得られたこともあって、現状を打破するためにこの本を書かれました。財務省による必要以上の財政緊縮政策と、日航123便の事故のお陰で日本がアメリカに対してどんどん主権を失っていったことが、日本経済の衰退の主たる要因と主張しています。たぶんそれは本当だろうなというのが、私の読後感。 (★★★★)

  • 立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)

    立木 康介: フロイト『夢判断』 2024年4月 (NHKテキスト)
    何を今さら勉強しているのか? と思われるかも知れませんが、ちょっと前に流行った言葉でいえば、リスキリングに相当するかも知れません。学生時代に読みましたが、しっかり理解したかといえば、アヤシいのです。学生時代からは50年近い月日が経っていますので、その後の研究成果も含め、新しいことがあるだろうと思ったのです。100分de名著というNHK Eテレの番組のテキストです。講師の立木先生は、パリ第8大学で精神分析の博士号を取得され、京大人文科学研究所の教授。精神分析は「昨日までとは違う自分を手に入れるために行う」とおっしゃっていました。この番組でもっとも印象に残ったのは、あの有名な「エディプス・コンプレックス」よりも、今日、重要なフロイトが提案した概念は、「両性性」であるということでした。これは、いかなる個人も与えられた解剖学的性にしばられないセクシュアリティの自由を持つことをうたうものです。この視点に立てば、同性愛も、トランスジェンダーもいわば当たり前の存在であるということになります。これらを踏まえると120年間に書かれた「夢判断」の内容は、きわめて今日的な意義を持ってくると再認識する必要があります。 (★★★★★)

  • 諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧

    諸富 祥彦: NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧
    フランクルのこの本は、改めて紹介するまでもないほど、有名な本です。私も学生時代、霜山徳爾先生の翻訳で読みましたが、ことばでは書き尽くせないほどの衝撃を受けたことを、いまでもよく覚えています。第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された経験をもとに、精神医学者・フランクルが、人生の目的を明確にし、その実現に向けて没頭する心理療法を紹介する本です。原題を直訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。実存心理学の名著であり、極限の環境におかれたとしても、何かが、あるいは、誰かがあなたを待っているということを主張しています。絶望して終わるのではなく、人生が何をわれわれに期待しているのかが問題であり、私たちはそれを学ぶことが重要だとしています。何度か読み直すことによって、人生への理解が深まる気がします。 (★★★★★)

  • 松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉

    松田 忠徳, 増田 晋作: 枕草子の日本三名泉 榊原温泉
    榊原温泉は、全国的に有名とはいえないかも知れませんが、名湯です。それは、枕草子に「湯は七栗の湯 有馬の湯 玉造の湯」にある、七栗の湯が榊原温泉と考えられるからです。最近、日本三名泉といえば、有馬温泉/兵庫県、草津温泉/群馬県、下呂温泉/岐阜県とされますが、枕草子に取り上げられたのはそれよりも古く、「元祖日本三名泉」といえます。榊原温泉の湯は、肌がきれいになる「美人の湯」というだけでなく、抗酸化作用もある健康の湯でもあります。この本は、日本一の温泉教授・松田先生と、地元を知り尽くした増田さんの共著で、「何もない」といわれていた榊原温泉の魅力を語り尽くしています。ちなみに、私にとっては家内の実家を知る上で格好のガイドブックです。 (★★★★)

  • 文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)

    文藝春秋: 定年後に読む不滅の名著200選 (文春新書)
    この本の帯には「これが定年後の知の道しるべ!」とありますが、私自身はさほど大上段に構えたつもりで読んではいません。どのような本が選ばれているかにももちろん興味はあったのですが、それらがどのように紹介されているかといった方面に興味があって読みました。本を紹介している方々はいろいろな分野で功なり、名を挙げた方ばかり。それらの方がどんな本を読み、どのように唱歌していらっしゃるかが知りたかったのです。ちょっと邪道な読み方ではありましたが、しっかりと楽しめました。 (★★★★)

  • 石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)

    石田泰弘(編著): 街道今昔 佐屋路をゆく (東海の街道2) (爽BOOKS 東海の街道 2)
    さほど本格的に取り組んでいるわけではありませんが、昔の街道を歩くのは好きです。この本のテーマである佐屋路(佐屋街道)も歩きたいと思って調べています。佐屋路は、東海道佐屋廻りとも呼ばれたように、東海道の迂回路でした。江戸時代に東海道宮宿と桑名宿の間を、陸路万場宿、佐屋宿の陸路を経て、佐屋から桑名宿への水路三里の渡しによって結んでいた街道です。実際に歩いて書かれたと考えられますが、旅人目線で書かれたウォーキングガイドです。津島街道、高須道も取り上げられています。部分的には歩いたところがありますが、佐屋路はいずれ、歩いてみたいと思い、計画中ですので、とても参考になりました。実際に歩かなくとも、歴史読み物としても楽しめます。 (★★★★★)

  • 柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)

    柳瀬博一: カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)
    東京都心にたくさんのカワセミが棲んでいるというのは、最近割とよく知られるようになっています。清流の鳥というイメージがあるかも知れませんが、東京の「野生」環境をうまく利用して繁殖もしています。そのカワセミが暮らす街は東京屈指の高級住宅街ばかりだそうです。すなわちカワセミも、人間も好む環境は同じというのです。カワセミが暮らす街は、人間にとってもよい街ということです。カワセミの存在に気付いたことから、「小流域源流」をキーワードに「新しい野生」と「古い野生」の繋がりを論じています。カワセミの生態も詳しく観察されていますので、私も今までよく知らなかったことが多々書かれていて、興味深く読みました。 (★★★★)

  • 内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)

    内田 樹: コモンの再生 (文春文庫)
    私は、内田樹先生の評論が好きで割とよく読みます。「コモン(common)」とは、形容詞としては「共通の、共同の、公共の、ふつうの、ありふれた」という意味ですし、名詞としては「町や村の共有地、公有地、囲いのない草地や荒れ地」を意味します。昔は、ヨーロッパでも日本でも村落共同体はそういう「共有地」を持っていました。コモンを管理するには「みんなが、いつでも、いつまでも使えるように」という気配りが必要になるのですが、近代になって怒った「囲い込み」によって「コモンの私有化」が起こり、村落共同体が消え、集団的に維持されていた儀礼、祭祀、伝統芸能、生活文化が消えてしまったのです。著者は、このコモンを再生することが市民の原子化、砂粒化、血縁、地域共同体の瓦解、相互扶助システムの不在という索漠たる現状を何とかするために必要と考えています。ちなみに、マルクスとエンゲルスによるコミュニズムは、著者によれば「共同体主義」と訳した方がよく、彼らは「コモンの再生」が必要と提言したといいます。「共産主義」と訳されてしまったがため、なんだかよく分からないことになっているのです。「共有主義」あるいは「共同体主義」と意訳してくれていたら、もろもろが変わっていたかも知れないという話には、膝を打ちました。 (★★★★★)

  • 本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)

    本田 秀夫: 知的障害と発達障害の子どもたち (SB新書)
    児童精神科医の本田先生の最新刊です。今回は知的障害が取り上げられています。これまでの本田先生の御著書では、発達障害が主に取り上げられてきたのですが、実は知的障害を持つ子どもたちも一定数存在していますし、発達障害と知的障害を合わせ持つ子どもたちもいます。その意味で、発達に困難のある子どもたちのことをきちんと理解して、適切な支援をする上では、両者を視野に入れることが重要です。著者は、知的障害の支援では、「早く」と「ゆっくり」がキーワードになると書いておられます。これは私もそうだと思います。可能な限り早期から支援を受けた方がよく、一方で、発達のスピードに合わせて「ゆっくり」としたペースで支援をすることが大切になります。発達障害の子どもたちにも「本児のペースに遭わせた支援が必要」とおっしゃる方がありますが、発達障害の子どもたちの理解/支援の上でのキーワードは「アンバランス」です。この本は、発達が気になるお子さんをお持ちの保護者の方、特別支援教育に携わる教員の方々にとって、基本的なテキストといえます。 (★★★★★)

  • BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)

    BIRDER編集部: お手本でわかる!野鳥撮影術 (BIRDER SPECIAL)
    バードウォッチングや野鳥撮影を趣味にしています。とはいえ珍鳥を追うのではなく、主に自宅近くを散歩しながら、いわば「定点観測」のように野鳥を見ています。自分の写真の撮り方を振り返ると、図鑑的に撮ることがほとんどです。なぜそうなのかを考えてみると、研究者の端くれであったことが関わっている気がします。つまり、写真を撮ることを、観察した記録やデータと見ているからではないかということに思い当たりました。野鳥撮影の「幅を広げたい」と思っていたら、この本が出版されました。ざっと目を通したところ、「色とりどりの花と鳥」「木の実レストラン」「やわらかい表情を追う」などさまざまなテーマで鳥とその周辺を撮る方法が載っています。これを参考に、自分の野鳥写真の世界を広げられたらいいなと思える本です。 (★★★★★)

  • 磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)

    磯田 道史: 磯田道史と日本史を語ろう (文春新書)
    磯田道史さんが、さまざまな分野の達人と歴史についての論賛をしたのをまとめた本です。論纂とは、①人の徳行や業績などを論じたたえること、②史伝の終わりに著者が書き記した史実に対する論評のこと。異分野の専門家同士が議論をすることによって生まれるものは、別次元となり、大変興味深いものとなります。この本がその論より証拠。養老孟司さんとの論賛からは「脳化社会は江戸時代から始まった」という話が出て来ています。忠、孝、身分などは、シンボリズムであり、それらは見たり、触れたりできません。また、関東大震災に遭遇したことは、被害に対する鈍感さをもたらし、それが太平洋戦争につながったという指摘には、なるほどそういう面も確かにありそうだと思わされました。その他、歴史や人間について、実にさまざまな、新しい見方が示され、大変おもしろく読み終えました。 (★★★★★)

  • 保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)

    保阪 正康: 近代日本の地下水脈 I 哲学なき軍事国家の悲劇 (文春新書 1440)
    本の帯に「『水脈史観』で日本の失敗を読み解く」とあります。「水脈史観」という概念には初めて接しましたが、「攘夷のエネルギーは、いまも日本社会の根底に流れている」という見方です。明治維新後、日本がとりえた国家像は、欧米型帝国主義国家、道義的帝国主義国家、自由民権国家、米国型連邦制国家、攘夷を貫く小日本国家の5つであったが、哲学なきまま欧米型帝国主義国家の道を突き進み、軍事中心の国家作りを推し進めたことが、戦前の日本の失敗の原因であったというのが著者の主張です。それは確かにそうだと思いますが、私には、ほんのサブタイトルにある「哲学なき国家」ということが、現代日本の様々な問題の背景にあるような気がしてなりません。 (★★★★)

  • 佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)

    佐伯 泰英: 陰流苗木(かげりゅうなえき)~芋洗河岸(1)~ (光文社文庫)
    今回も特別に時代小説を取り上げます。この2つ前の本に佐伯泰英さんの「恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)」を取り上げ、これは佐伯さんの300冊目の「文庫書き下ろし小説」だと書きました。今回のこの本は、301冊目です。しかも、80歳を越えて、さらに新しいシリーズを始められたのです。美濃を食い詰めた浪人・小此木善治郎が、職なし、金なし、住むあてなしながら、剣の達人にしてとぼけた侍であるものの、なんとも頼りになる存在で、親切な住人や大家によって受け入れられた長屋の秘密と謎の渦に巻き込まれるという設定。これまたおもしろそうなシリーズです。毎月刊行で、全3巻の予定とか。第2巻が待ち遠しい内容です。 (★★★★★)

  • 養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)

    養老孟司, 鵜飼哲夫: なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた(中央公論新社)
    養老先生の新刊が出たというので早速入手し、ほぼ一気に読み終えました。「はじめての自伝!」といううたい文句で、帯には「虫と猫と、バカの壁。考え続けた86年」ともあります。養老先生は、かなりしつこい性格でいらっしゃるようで、疑問に思ったことは「まぁいいか」などと思わず、考え続けてこられたそうです。その結果が、これまでのユニークな著作に結実しています。それはさておき、考え続けた結果、「なるようになる。」というのが、養老先生の現時点での結論だそうです。「なるようにしかならない」ではなく、「なるようになる。」のです。物事は、はっきりとした目的意識があって進むのではないので、「なるようになる。」なのです。忘れてしまったような些事がその後の人生を動かしてきたかもしれないともあります。なるほどと、この本を読み、養老先生の来し方をいささか知ると、納得できます。というか、納得した気になっているだけかも知れませんが…… (★★★★★)

  • 佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)

    佐伯 泰英: 恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六) (文春文庫)
    佐伯泰英さんは、この本で「文庫書き下ろし小説」というジャンルで300冊刊行を達成されました。佐伯さんの時代小説はすべて読んでいます。まさにストーリー・テラーといえる作家で、実に読み応えのある時代小説をたくさん書いておられます。このシリーズは、いったん完結となったかと思ったのですが、この「恋か隠居か」で復活しました(と理解しています)。隠居を考える小籐次ですが、小籐次親子に挑戦状が届くところから始まる物語。今回も楽しめました。 (★★★★★)

  • 安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)

    安藤優一郎: 15の街道からよむ日本史 (日経ビジネス人文庫)
    街道歩きを少ししています。三重県内では、東海道のほとんど、伊勢参宮街道、美濃街道・養老街道などを歩きました。もっとあちこちの街道を歩きたいと思っていますが、そのときにこの本が出版されましたので、早速入手して読みました。芭蕉の奥州街道、伊勢参宮街道のお伊勢参り、武士の旅日記などの章をとくに興味深く読みました。主要な街道を取り上げることで読みやすい歴史物語となっています。 (★★★★)

  • 大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)

    大芦治: 心理学をつくった実験30 (ちくま新書)
    「誰もが一度は耳にしたことがある有名実験の背景・内容・影響を紹介、新たな心理学像を呈示する」と帯にあります。心理学全般に関心を持つ社会人を読者に想定しているといいますが、私には心理学史のテキストとして、あるいは、入門段階の心理学を学んだ方がさらに学習を深める際に読む本としてもよいかも知れません。 私自身も、心理学の教科書を執筆したことが何度かありますが、そこに引用する理論や実験については、いわゆる「孫引き」をしてしまったこともよくありました。この本の著者は、可能な限り原典にあたって執筆していらっしゃり、その意味では参考になったところが多々あります。 ところで、著者は心理学の未来にあまり明るい展望を持てないようです。臨床心理士、公認心理師の資格が人気を集め、心理学部などもたくさん設けられました。私自身の勝手な個人的意見を書けば、資格ができると、レベルは下がると思っています。根拠はありません。個人的な印象によるものです。私は実験心理学でトレーニングを受け、臨床心理の分野に進みました。心理学の基本は実験心理学と個人差測定心理学にあると思っています。学部段階からいきなり臨床心理学プロパーに進むのは、相当よろしくないと思います。臨床実践にあたってはその基礎となる確かな、科学的な学問(知見、理論なども含む)が必要です。また、仮説演繹法などのものの見方もきちんと身に付ける必要があります。これらは実験心理学と個人差測定心理学から養われると思っています。 この本は、基礎的知識がない方がいきなり読むのは難しいでしょうが、科学的心理学を学びたいと思う方にはよい参考書となります。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)

    磯田 道史: 家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊 (PHP新書)
    磯田先生の書く本はどれもとても面白く読めます。といっても、私が読むのは研究書ではなく、新書だからなのかも知れません。この本は、家康がなぜ幕藩体制を創ることができたのか、江戸時代、誰が神君の仕組みを崩わしたのか、幕末、かくして神君の仕組みは崩壊した、神君の仕組みを破壊した人々が創った近代日本とは、家康から考える日本人というものという5つの章からなっています。家康は天下を取ったあとこの国を支配するのに巧妙な仕掛けをつくり、平和な時代が続いたのですが、誤算が生じて、徳川政権が変質し、崩壊に至ったと著者は考え、そのプロセスを俯瞰しています。いろいろな時点で「神君の仕組み」を骨抜きにする人物や政策が表れたといいます。組織が弱体化する姿を見ておくと、自分たちの劣化を防ぐ力が養われると磯田先生は述べています。徳川時代が現在にあたえている影響も多く、その分析も興味深く読めます。 (★★★★★)

  • 多井 学: 大学教授こそこそ日記

    多井 学: 大学教授こそこそ日記
    文庫本を買いに本屋に行ったら、平積みしてあるのを見つけて思わず買ってしまいました。私もその昔、ご同業だったことがあったからです。帯に「いくらでも手抜きのできる仕事」とありますが、私の経験でもそういう人もそれなりにいました。ちなみに私自身は、こき使われたと思っています。さらに「現役教授が打ち明けるちっとも優雅じゃない生活」とも書かれていますが、これはまさに私の体験と同じ。本に書かれていることがらも、ことごとく納得できます。私は、「そうそう!」といいながら読み終えました。大学教授で儲けている人はごく一部などなど。まぁ大学教授の仕事や生活に興味をお持ちの方は、さほど多くはいらっしゃらないとは思いますが、お暇な方にはどうぞ。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)

    宮口 幸治: 境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満」の生きづらさ (SB新書)
    「境界知能」という言葉は、専門家はよく知っていると思いますが、一般のご父兄や、小中学校の先生方にはあまりなじみがないかも知れません。IQという指標でいえば、多くの場合70以上85未満の子どもたちがこれに該当する可能性があります。一見したところでは普通の子どもたちと変わりはなく、なかなか気づかれません。しかし、理論的には約14%の子どもたちが含まれますから、本の帯にあるように「日本人の7人に1人」となります。平均と知的障害のはざまにあり、気づかれにくいものの、授業について行けなかったり、友だちと上手くつきあえなかったり、感情のコントロールが苦手であったりして、当事者の子どもたちは苦戦し、辛い思いをしています。発達障害はよく知られるようになりましたが、境界知能の子どもたちにもしっかり目を向け、必要な支援を提供することは喫緊の課題といえます。この本では、境界知能とはどのような状態なのか、教科学習の前に認知機能を向上することの重要性、子どもの可能性をいかに伸ばしたら良いかについて具体的に、分かりやすく解説されています。 (★★★★)