お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2023年5月31日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2018年1月以降の記事を残し、2017年12月以前の記事は削除しました(2018年1月1日から2023年5月31日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

2023年6月 5日 (月)

シジュウカラのヒナ2組に遭遇……ツバメのヒナについての悲報も

Dsc07537c_20230605162001  昼過ぎまでは割とよく晴れていましたが、13時頃からは曇り空。それでも気温は、29.3℃になり、暑く感じます。午前中は、いつも通り7時半から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町、春日さん(桑名宗社)、田町、三崎通、桑名七里の渡し公園と5.5㎞。冒頭の写真は、船津屋さんの裏手で見たホオジロのオス。最近、ここでよく見かけます。

Dsc07730c_20230605162001 Dsc07602c  柿安コミュニティパークでシジュウカラのファミリーに遭遇。ヒナが数羽いましたが、にぎやかでよく動くので、戸惑ってしまいました。シャッターチャンスにあまり恵まれず、この1枚のみ。近くでは、スズメのヒナ。親に連れられていました。

Dsc07919c  Dsc08077c_20230605162001 九華公園の奥平屋敷跡でも、シジュウカラの親1羽とヒナ2羽に遭遇。ちょっとどうかなとは思うのですが、親子揃ったところも、一応撮れました。クリアに写っていたらいうことがなかったのですが…。ヒナたちも、樹上や地上で自分でエサ探しをしていました。

Dsc08204c_20230605162001  二の丸跡のツツジの植え込みの上で、鳥の巣を見つけました。木の上から落ちてきたものと思います。これはたぶんカワラヒワの巣ではないかと思います(こちら)。カワラヒワの巣と思われるものは、九華公園で落ちているのを時々見かけます。

Dsc07828c  Dsc08113c カワウのヒナたちは、東西の巣で様子が異なってきました。西側の巣(左の写真)では、ひなはまだすのあたりにずっととどまっています。東側の巣では、ヒナが巣から離れている時間があるようになりました(右の写真)。散歩友達に確認すると、昨日からだそうです。

Dsc08184c  堀では、カワウのヒナたちが漁の練習をしていると思われる場面を見かけました。まだまだ熟練しておらず、太めの木の枝をくわえていて、笑えます。「頑張れよ」「早く覚えろよ」などと声をかけたくなってしまいます(微笑)。

Dsc08269c_20230605162001  ハシビロガモのオスは、今日は、野球場南のあたりにいましたが、近くではカワウが翼を広げて乾かしたりしていて、落ち着かない感じです。このあと、貝塚公園、内堀南公園では少数のスズメくらいしかいません。

Dsc08341c_20230605161901  田町の商店にあるツバメの巣では、何らかのアクシデントがあったようです。ちょっとグロいので苦手な方は、クリックなさらないでください。1羽のヒナの死骸と思われるものが、向かって左に見えます。5羽のヒナがいたのですが、ほかにヒナの姿はありませんし、しばらく待ったものの親ツバメも来ません。残念。

Dsc08522c_20230605163301 Dsc08456c  桑名七里の渡し公園には、この頃良く立ち寄ります。小型の野鳥が水浴びするのを見たいからです。今日も、カワラヒワとスズメが来ていました。ただし、今日はせせらぎに水は流れておらず、雨水がたまっていただけ。

Dsc08327c_20230605162001 Dsc08312c_20230605162001  春日さん(桑名宗社)にも立ち寄ってきましたが、インスタに石取祭の祭車の順番が決まったと投稿がありましたので、見てきたという次第。今年は、40台が参加するようです。今年は、8月5~6日に開催されます。以前は必ず写真を撮りにいったものですが、今年はどうしましょう? 大四日市まつり鯨船が勢揃いするというニュースもあって、それも見たい気がするのです(同じ日に開催)。

Dsc_0886c  午後からは、くわな市民大学郷土史学科の第2回の講義へ。今年は、「史跡・名勝・伝説に見る桑名」がテーマ。第2回目の今日は、多度を中心にした伝説のお話し。倭姫命、日本武尊、壬申の乱、うなぎと光田という内容でした。またいつものように、講義資料、講義内容をもとにあれこれ調べて、資料をつくるつもり。

Dsc08300c_20230605162001 Dsc_0877c  今週は、今日の市民大学のほか、水曜は江戸橋での非常勤、木曜午後は市役所での会議、土曜夜はマンションの管理組合理事会へのオブザーバー参加といろいろあります。私にしては予定が多い(苦笑)。まぁ、ボチボチとやりましょう。そうそう、載せるのを忘れていました。サギソウは、昨日の朝、もう1輪咲いて、1つの茎から2つの花となっています。

2023年6月 4日 (日)

20230604美濃街道ウォーキング「養老~美濃高田」(予告編)

Img_5599c_20230604181001  この週末は好天に恵まれました。今日は、美濃街道ウォーキング。前回、養老鉄道の美濃津屋駅から養老駅まで歩きましたので(2023年5月22日:20230522美濃街道ウォーキング「美濃津屋~養老」(予告編))、その続きで養老駅から1駅、美濃高田駅まで。当初つくったコースマップでは4.8㎞となっていたのですが、あちこち立ち寄ってきました。桑名では29℃以上になり、けっこう暑かったので、疲れました。年を取って、体力も低下してきたのかも知れません。今回も同級生K氏と二人旅。

Img_5602c_20230604181001 Img_5609c_20230604181001  桑名駅を8時9分に出る養老鉄道大垣行きに乗車。養老駅には9時1分着。桑名駅では普通に養老駅までの切符を買ったのですが(¥580)、改札で係の方から「今なら、『養老公園県営100周年記念 往復割引切符』を買うと、養老まで1,000円で往復できる。帰りは美濃高田から養老まで1駅分¥210の切符を買うと、合計¥1,210となって、桑名~養老¥580+美濃高田~桑名¥700=¥1,280より¥70安くなる」と教えてもらい、それにしたがって左の写真の往復割引切符を購入。

Yoro0  こちらが今日歩いてきたルート全体のマップ。ほぼ養老鉄道の路線に沿って歩いています。途中、石畑の大桑神社あたりまでは美濃街道をたどっていきましたが、この神社のところから美濃街道は関ヶ原に向かいます。この先、関ヶ原まで鉄道はありませんので、ここから養老街道に入って大垣を目指します。それ故、今日のウォーキングは、正確には「美濃街道・養老街道ウォーキング」になります。養老街道は、大垣の美濃路追分から養老に至る脇街道ということです。

Img_5614c_20230604182301Img_5623c_20230604181001  養老駅を9時5分にスタート。駅前には「孝子源丞内の像」があります。老父を敬い大切にしていた源丞内は、毎日山に登り薪をとって売りながら老父を養っていましたが、貧しいがゆえに老父が好む酒を十分に買うことができませんでした。そんな源丞内が山奥で酒の湧き出ている泉を見つたという話が伝わっています(こちら)。源丞内の腰にはひょうたんが下げられています。このひょうたんに酒を入れて持ち帰ったというので、ひょうたんは養老名物になっています。養老駅のすぐそばに「立川勇次郎君之碑」。立川勇次郎(文久2(1862)~大正14(1925)年)は、岐阜県大垣市に生まれ、24歳のときに東京で代言人(弁護士)になりましたが、わずか3年で時代の流れを読み、実業家に転身。京浜急行電鉄の前進となる大師鉄道の専務取締役に就任した後、故郷の西濃地域を開発するため、養老鉄道株式会社を設立し、西濃地方の発展に貢献した人物です。

Img_5646c_20230604181101 Img_5649c_20230604183801  その先で街道から少し入ったところに養老神明神社。大正9(1920)年に養老神風講社が伊勢神宮などの神符を受け、民家の屋根に奉斎したことに始まり、昭和29(1954)年にここに遷ったそうです。その先に「キョリ測」では金妙寺(金峯山修験本宗)があるとなっていますが、そこは更地で「売物件」の看板が立っています。廃寺になったと思われます。

Img_5684c_20230604181101  養老公園東の交差点をすぎると、「千人塚1号古墳」があります。5世紀末~6世紀初頭につくられた全長35mの円墳。日本武尊が滞在したという伝承があります。このあたりずっと登り坂で、けっこう大変でした。

Img_5719c_20230604181101 Img_5722c_20230604181101  養老山大菩提寺(ルートマップに使ったキョリ測では、「大悲閣」となっています)。昭和3(1928)年の創建で、臨済宗。大悲閣は当初の名前で、昭和28(1953)年に大菩提寺に改めたといいます。伊吹山で負傷した日本武尊がこのあたりへ来たとき足が痛み始めたといいます。境内に史跡の石碑「日本武尊史跡 当芸野(たぎの)」があります。

Img_5729c_20230604184501 Img_5742c_20230604181101  美濃街道からは少しはずれて大菩提寺まで来ていましたので、街道に戻ります。千人塚1号古墳の東から北上していき、2㎞を過ぎたあたり、小川を渡ったところに「養老古道いせ道」と書かれた木製の看板があります。説明はありませんでしたが、いかにも古い街道という感じのところです。

Img_5753c_20230604181101  Img_5765c_20230604181101 2㎞半の手前に「境松(傘松)跡」の石碑があります。ここは、柏尾と白石と鷲巣(松栄町)の3村の境界で、それを確定していた松の跡地を示すものとして、平成17(2005)年9月に建てられました。その先で道標。ただし、これは平成27年に養老町教育委員会が建てたもの。北から来てここを右折すると養老の瀧方面に行け(たき道)、直進すると美濃街道(いせ道)なのです。

Img_5792c_20230604181101  道標から右に逸れて、坂を下っていき、下りきったところに常夜灯。美濃街道の常夜灯は、かなり大きいものも見ましたが、養老町あたりでは、この写真のように割と小ぶりなものが多い気がします。

Img_5822c_20230604181101 Img_5829c_20230604181101  その先で椿井(つばい)山浄誓寺。真宗大谷派。もとは天台宗でしたが、蓮如上人の教化により明応4(1495)年に真宗に改宗し、浄誓寺と改称もしています。ここには町の天然記念物であるイヌマキの大木があります。

Img_5863c_20230604190101Img_5901c_20230604181201  美濃街道と養老街道の追分のところまできました。左の写真で向かって左の道が美濃街道。関ヶ原に続きます。養老街道は右手へ。ここに大桑神社。創建は不詳ですが、最古の棟札には寛文7(1667)年と記載されているそうです。

Img_5937c_20230604181201 Img_5976c_20230604181201 養老街道に入り、養老小学校の前を通っていくのですが、その前に北西に伊吹山らしき山が見えました。さすがにここまで来れば伊吹山もよく見えます。小学校の先の常夜灯。伊勢神宮の御札が掲げられています。ここから西福寺へ寄り道。

Img_5990c_20230604181201 Img_5995c_20230604181201  左の写真が西福寺。真宗大谷派。街道に戻って八幡神社へ。八幡神社の創始は不詳ですが、口伝によると貞治年中(1362~1367年)頃の創建といわれます。

 Img_6088c_20230604181301 事前に調べた範囲では、養老町押越から高田あたりでは、美濃街道は、不必要ではないかと思えるくらいクランクのルートをたどっていました。が、現地で相談して少しコースを修正しています。こちらは、真宗大谷派の専念寺。創建は不詳ですが、高田で最大の寺院だったといいます。しかし、文化11(1814)年に失火により焼失。明治初年に現在の本堂が再建されています。

Img_6122c_20230604181301 Img_6135c_20230604181301  続いて、キョリ測のマップには「即心寺」とありますが、現在は、即心山乾崇(けんそう)寺。平成22(2010)年に上石津の乾崇寺と、ここにあった即心寺が合併し、即心山乾崇寺になっています。臨済宗妙心寺派。境内に「蓑虫の音を聞きに来よ草庵」という句碑があるということでしたが、たぶん右の写真のもの

Img_6169c_20230604181301 Img_6184c_20230604181301  田代神社。創建年月は不詳ですが、加茂、春日、熊野、諏訪、八幡、白鬚、御鍬の7社を奉斎しており、1,000年以上の歴史があるといいます。

Img_6190c_20230604181301 Img_6227c_20230604181301  その先で神明神社と皇大神社(右の写真)とが続きます。神明神社の詳しいことはわかりません。皇大神社は、明治6(1873)年の創立です。

Img_6204c_20230604181301 Img_6253c_20230604181301  両神社の間、北側にはミズノテクニクス養老工場があります。ミズノ製品の製造を中心にさまざまな製品の製造に携わっていますが、バットの製造がとくに知られています(こちら)。これで今日の立ち寄り先は、コンプリート。昼食は、ミズノテクニクスに来た有名野球選手たちも食事に立ち寄ったという自由軒に行ったのですが、満員御礼でかなり待たなくてはならないということで、食事は断念。

Img_6268c_20230604181301 Img_6272c  養老鉄道美濃高田駅に到着したら、12時6分発の桑名行きがちょうど出てしまい、次は12時46分発。やむなく待合室で時間つぶし。朝、桑名駅で教えてもらったとおり、美濃高田から養老までの切符を購入、¥210。これで養老からは、往復切符で乗車。12時46分発桑名行きに乗車。桑名には13時38分着。

Img_6289c_20230604181001 Dsc_0879c  桑名に戻ってようやく昼食にありつけるのですが、以前何度か行ったエンシュウヤに行ったら、今日だけ臨時休業(苦笑)。昼食難民になりそうでしたが、すぐ近くのとんかつ銀座へ。ちょっと遅めの時間からとんかつはマズいかとは思ったのですが、ほかに選択肢はなし。味噌カツランチ、¥1,100なり。夕食を相当控えました(爆)。

Screenshot_20230604145016c  今日、帰宅した時点でのGoogle Fitのデータ。トータルで9.3㎞。現地では7㎞を歩いています。歩数は、18,264歩でした。本編は、また少しずつ書いていく予定です。

2023年6月 3日 (土)

アジサイとヒナたち

Dsc07477c Dsc06960c_20230603145501  正午現在、台風2号は関東の南にあるようですが、わが家あたりは、7~8m/sほどの強風となっているものの、天候は回復しました。大雨による被害や影響もたくさん出ています。被害に遭われた皆様にはお見舞い申し上げます。右の写真は、揖斐川で、向こうに長良川河口堰が見えていますが、水はかなり増えていて、雨量が多かったことを伺わせます。

Dsc06939c Dsc06954c  今朝は7時半から、住吉神社、風呂町、江戸町、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、京町、南魚町、田町、三崎通、桑名七里の渡し公園と歩いて、ちょうど6.0㎞。スズメは、拙宅マンションのプレイロットにいました。桑名七里の渡し公園、昨日は、臨時休園となったようです(右の写真)。

Dsc06972c_20230603145501 Dsc06979c  九華公園までに回り道をしたのはアジサイを見ていくためです。これらは、風呂町にある美容室のところのアジサイ。道沿いにたくさん咲いています。今年は、歌行燈本店の前よりも多くなっています。

Dsc07008c_20230603145501 Dsc07016c_20230603145501  その歌行燈本店の様子。例年に比べると数が少なく、ちょっと寂しく感じてしまいます。アジサイはきちんと手入れなさっていて楽しむことができます。

Dsc07127c_20230603145501  九華公園は相変わらず鳥は少なく、今日も散歩友達のYさん、前管理人のOさんとひとしきりぼやいてきました。スズメはよく見ましたし、何組かはヒナを連れてきていました。カワラヒワも数羽。Yさんはコゲラをご覧になったそうですが、私は鳴き声を聞いただけ。奥平屋敷跡で、シジュウカラのヒナらしき鳴き声が聞こえたものの、見つけられませんでした。

Dsc07155c_20230603145501  ハシビロガモのオス、今日は奥平屋敷跡の東にやって来ていました。公園の堀をけっこうあちこち移動しているのかも知れません。

Dsc07178c Dsc07028c_20230603145501  カワウのヒナたちは、まだ粘っています(微苦笑)。親に向かってやかましくエサを要求する様子はほとんど見えませんが、巣の近くに滞在しています。貝塚公園などでも、スズメ、ムクドリなどくらい。

Dsc07259c Dsc07378c_20230603145501  京町の呉服屋さんのツバメの巣を覗いてきたら、なんとここにもスズメが入り込んでいました(写真は撮れず)。こちらは、田町の商店にある巣。ヒナは元気そうで、親ツバメは懸命にエサを運んできていますが、たまに右の写真のように巣の近くで一休みしていきます。

Dsc07449c  桑名七里の渡し公園では、せせらぎに野鳥が水浴びにきていないか、見に行ったのですが、今日はあちこちにムクドリがいたくらいで、水浴びする野鳥はいませんでした。ここは、8年前の11月にオープンしたのですが(2015年11月3日:「桑名七里の渡し公園」オープニングセレモニー)、木々もそれなりに伸びて、落ち着いた公園になってきました。ここで写真を撮っていた、私より高齢の男性に声をかけられ、「お宅も諸戸氏庭園に花菖蒲を見に行くのか?」と聞かれました。が、開園時間の10時を過ぎても諸戸氏庭園、今日はオープンしていませんでした。昨日の大雨の影響かも知れません。去年、私は6月2日に見に行っていますから、そろそろです(2022年6月2日:20220602諸戸氏庭園花菖蒲)。

Dsc07222c_20230603145501  昨日、6回目のコロナワクチン接種を済ませてきましたが、副反応は今のところとくになく、いつものように接種部位が痛いくらいで済んでいます。明日は、美濃街道ウォーキング(養老~美濃高田)を予定していますが、この分なら行けそうです。

2023年6月 2日 (金)

大雨の中、内科受診とコロナワクチン接種

230602rader0602amedas  台風の影響で朝から雨になっています。線状降水帯が発生しているところもありますので、注意が必要です。桑名でも12時台には20mmも降っていますが、風は強くはありませんので、まだ助かります。レーダー画像は10時20分のもの。アメダスは、15時現在のものです。

Img_5472c_20230602150901  雨で散歩に行けませんので、ウロウロしていたかといえばそうではありません。一昨日の授業のQ&Aは、昨晩仕上げて、メールで送って印刷をお願いしました。今朝は、今月中使うレジメ以外の資料〈これが何種類かあるのです〉の印刷をお願いすべく、メールで追加送信。その後は、ご相談の資料を読んでいました。

Img_5398c_20230602150901  雨の日恒例(というか、それ以外にネタはなかなかありません)、ベランダ園芸とベランダ住人の話題。アサガオはいよいよ生長してきて、とくに向かって左の鉢の方は、葉っぱも大きくなり、芽も伸びてきています。そろそろ間引きをして、行燈仕立てにした方がよさそうです。

Img_5434c_20230602150901  サギソウは、昨日、開花しましたが、ほかにも2つ、つぼみが膨らんできています。例年であれば、7月にならないと咲かないのですが、なぜ早くも咲いたのでしょう? よく分かりません。手入れはごく普通にしています。水を切らさないようにしているのと、月初めに1回、液肥を与えているだけなのです。

Img_5528c_20230602150901 Img_5491c_20230602150901  こちらが昨日開花した花。右の写真は、下から撮ってみたもの。ヒガンバナやアジサイなどでよく遊んだパターン(苦笑)。ただし、撮ったものを上下逆さまに回転したものを載せています。

Img_5406c_20230602150901 Img_5422c_20230602150901  こちらはメダカの睡蓮鉢。ビオトープ風にしてありますが、熱帯スイレンも、リラエオプシスもさらに育ってきています。熱帯スイレンには、ここに入れた時にスイレン用の肥料を1個入れてあります(2023年4月24日:もう1箇所のカワウの巣でもヒナが孵りました……貝塚公園にはまだツグミが2羽)。ホテイソウは、買った時の10倍くらいに成長しています。熱帯スイレンやリラエオプシスも大きくなりましたので、ここには買った時くらいのサイズのホテイソウを1株だけにしました(かなり処分してしまいました)。

Img_5430c_20230602150901  メダカは、元気に泳ぎ回り、餌をよく食べます(こんなに食べるのか、と思うくらい)。食べ過ぎで太っているのかと思うメダカもいます(苦笑)。

Img_5541c_20230602150801 Img_5556c_20230602150801  メダカ保育園は、100均で買ってきた食品保存容器に2つ。数は、とてもではありませんが、数えられません。老眼のせいもありますし、あまりにも多いのです。ちょっと多すぎると思うくらいで、これからの世話を考えると、ちょっと失敗したと反省しています。

Img_5563c_20230602150801  ところで、午後からは内科へ定例受診と、新型コロナのワクチン接種に行ってきました。常用薬がなくなる頃に6回目のワクチン接種を予約すれば、一度に用事が済むと思ったのに、こんな天候になるとはとため息をついていました。が、幸いなことに、悪天候のせいで内科はガラガラ。診察は14時から、ワクチン接種は15時からなのですが、結局、診察前にワクチンを打ってもらえ、内科は20分ほどで終了。処方箋は薬局へファクスで送ってもらえますので、すぐに薬も出してもらえ、14時半にはすべて完了(微笑)。家を出て1時間足らずですべて終えられ、帰宅。内科受診の最速記録でした。

2023年6月 1日 (木)

サギソウが咲き始め、京町のツバメは巣立つ

Dsc06932c_20230601171401  今日、最大のトピックスは、こちら。サギソウが早くも1輪、咲いたのです。ちょっと早すぎます。そのためか、花は小さめです。朝見た時に、これは今日中に咲くかもしれないと思ったくらい、つぼみが膨らんでいたのですが、散歩から帰った11時頃に咲いているのを確認しました。

Dsc06260c_20230601171901 Dsc06426c_20230601171301  もう1つは、京町の呉服屋さんの巣からツバメが巣立っていたこと。見に行ったら、左の写真のように巣が空っぽでビックリしたのですが、近くの電線からツバメのヒナたちの鳴き声が聞こえてきたのです。4羽とも元気にしていました。曇天で、ここはけっこう交通量がある交差点に面していますので、写真を撮るのに苦労し、証拠写真で終わってしまったのはちょっと残念。雛が元気に巣立ったのは嬉しいのですが、巣が空っぽでちょっと残念。二番仔にも挑戦して欲しいと願っています。

Dsc06102c_20230601171201  さて、台風の余波でしょうか、晴れ間はあったものの、終日ほぼ曇り。気温は24.4℃。南からの湿った風が吹いていました。家事を済ませ、8時15分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、吉津屋町、新築公園、常盤町、京町、寺町、田町、三崎通、桑名七里の渡し公園と6.2㎞。

Dsc06138c  相変わらず鳥はいません。柿安コミュニティパークでハクセキレイを見たほかは、スズメ、ムクドリなどが少しずついただけです。散歩友達でバードウォッチングをするOさん、Yさんとぼやいています(苦笑)。

Dsc06217c Dsc06148c_20230601171301  九華公園のカワウたちは、まだまだ巣立っていません。巣からは出たものの、皆、巣の近くに滞在し、まだ親からエサをもらっているカワウもいます。4月下旬に孵りましたから、もうそろそろだと思うのですが……。

Dsc06224c  ハシビロガモのオス、今日は見当たりませんでした。公園の南西エリアには行っていませんので、そちらの堀にいたかも知れません。

Dsc06182c Dsc06192c_20230601171201  ハナショウブは、一応咲いてはいますが、あまり写真を撮ろうという気になりません(苦笑)。生育が悪く、そのせいか花の寿命も短いような印象があります。

Dsc06233c  貝塚公園でも鳥は少なく、このスズメのヒナを撮っただけ。足取りも重くなります(苦笑)。ほかの公園でも状況は同じ。

Dsc06564c_20230601171301 Dsc06679c  話はかなり飛んで、田町の商店にあるツバメの巣。5月30日の記事で3羽のヒナが孵ったと書きましたが(2023年5月30日:田町の商店にある巣でもツバメのヒナが3羽孵りました)、5羽いました。この巣は深いのでヒナが孵ったばかりの頃は、よく見えないのです。親はせっせとエサを運んできますが、まだ大きめの虫などはすぐには飲み込めないようで、やり直しをしたりしています。

Dsc06788c_20230601171401 Dsc06838c_20230601171401  桑名七里の渡し公園でスズメたちが水浴び。これらの2枚は、ヒナ。最初は水を飲んでいたのですが、そのうち、見た感じでは恐る恐る水浴びをしているようでした。親スズメのように派手に水しぶきを上げて水浴びは、まだできないようです。

Dsc06863c_20230601171401  こちらは成鳥のスズメ。ちょうどよいシーンは撮れませんでしたが、実に気持ちよさそうに水浴びをしていました。

Dsc06254c_20230601171301  朝早くと、散歩から帰ってから午後にかけて昨日の授業のQ&Aに大車輪で取り組みました(微苦笑)。16時前に一通り完成。あとで見直して、チェックするつもり。明日は、ないかの定例受診とコロナワクチンの6回目接種の予約が入れてありますが、台風の影響で大雨という予報。参りましたねぇ(苦笑)。

2023年5月31日 (水)

非常勤講師控え室前のコシアカツバメの巣でスズメが繁殖……サギソウ、いよいよ咲きそう

Dsc_7198c  5月も最終日。水曜ですから、江戸橋での非常勤の授業。今日で7回目。全15回ですから、ほぼ半分となりました。出勤の頃、桑名では雨は上がっていたのですが、江戸橋駅で電車を降りたら小雨に降られました。とはいえ、出勤コースのほぼ半分くらいまでで上がりました。気温は25℃ほどでしたが、ちょっと湿度が高めという感じです。

Dscn5966c  今日の講義は、理論的な話でしたが、なるべくかみ砕いて、いわば「アカデミック漫談」のような感じ(微苦笑)。理論的な話は来週まで続きます。前回は、欠席が多くて心配しましたが、今回は80%台に回復。ただ、どうしても途中から欠席気味になる学生が少数います。何らかの事情があるのか、単なるサボり癖なのかは、非常勤の立場ではよく分かりません。

Dscn5970c  Dscn5974c さて、非常勤講師控え室の前にコシアカツバメの巣があることは毎回のように書いています。今日、出勤したら、スズメのヒナらしき鳴き声が聞こえてくるのに気づきました。ドアに半分隠れてみていたら(不審人物そのものですが)、スズメがエサを加えてやって来ました。これはチャンスと思ったら、コンデジは電池切れ(爆)。巣に出入りするところは撮れず。助手の先生に伺ったところでは、昨日くらいから鳴き声が聞こえ始めたそうです。

Dscn5975cDscn5980c  今日は早めに終わりましたので、鳥はいないだろうとは思いつつ、志登茂川にも立ち寄ってきました。水鳥はいないのは覚悟していたのですが、サギも1羽も見当たりませんでした。いたのは、ハシボソガラス1羽のみ(苦笑)。早々に江戸橋駅に向かいました。

Dsc_7202c  帰宅して昼食を食べてから出欠チェック。Q&Aは、とりあえず、今日の補足説明の修正箇所や、出欠についての注意事項を書くところまで。Q&A本体はこれから着手します。

Dsc_7206c1  ところでサギソウのつぼみが膨らんできたと書きましたが(2023年5月29日:今日の散歩は、ホームセンターにて? ……早くも梅雨入りとは)、いよいよ咲くのも近いという雰囲気。「サギソウが咲きそう」などと、困ったオヤジギャグが頭に浮かんできますが、真面目なところは楽しみにしているというのと、ちょっと早すぎるんじゃないのかという心配と両方。

2023年5月30日 (火)

田町の商店にある巣でもツバメのヒナが3羽孵りました

Dsc06081c_20230530153101  梅雨入り2日目の今朝は6時台まで雨。その後、レーダーを見ていると、雨雲の端がかかっているようなのですが、ほとんど降っていませんでした。それ故、15分遅れの7時45分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、内堀公園、京町、寺町、殿町、田町、三崎通、桑名七里の渡し公園と6.1㎞。途中、少しだけ降られましたが、想定内。気温は28.8℃にもなり、蒸し暑くさえ感じます。

Dsc05743c_20230530153101 Dsc05934c_20230530153101  今日はまずツバメの話から。こちらは田町の商店にある巣。ヒナが3羽、孵っていました。まだ目が開いていませんし、ご覧のような状況ですから、たぶん孵ったばかり。親はせっせとやって来てエサを与えたり、様子を確認したりしています。ここの巣に着いたときには、親がおらず、しばらく待っていたら、ヒナが顔を覗かせていて、孵ったのに気づいた次第。

Dsc05442c_20230530153101  Dsc05545c_20230530153101 京町の呉服屋さんの巣のヒナはずいぶん成長してきました。4羽とも元気にしていて、巣からはみ出そうな雰囲気。押し合いへし合いをしています。これくらい大きくなりますと、右のような光景も見られます。そうなのです、糞をするときには、お尻を巣の外に突き出してことを済ませるのです。

Dsc05572c Dsc05612c  親がエサを運んでくると、大騒ぎになります。ここの巣で写真を撮ろうとしていると、親が巣に接近してくるのが後からとなりますので、それに気づきにくく、シャッターチャンスを逃すこともたびたび。しかし、今日はまあまあ。このときには、向かってもっとも左のヒナがエサをもらっていました。右の写真を拡大すると、口の中に何か入っているのが見えます。

Dsc05111c_20230530153201  さて、散歩の初めから。船津屋さんの裏手でホオジロのオス。ちょっと暗すぎました。このあと船津屋さんの裏庭の方へ飛び去って行きました。今日もよく見たのは、スズメ、ドバト、ムクドリなど。しかも、数はいずれも多くはありません。

Dsc05177c_20230530153201 Dsc05188c  九華公園のカワウたちは、まだ巣にとどまっています。左の写真が西側の、右の写真が東側の巣です。もう巣にいることはありませんが、巣の近くにいます。

Dsc05307c_20230530153101 Dsc05301c_20230530153101  ハシビロガモのオスは、土曜日は見かけなかったので(2023年5月27日:ハクセキレイの求愛行動か? ……御坊さんで菩提樹の花が咲き始めました)心配したのですが、吉之丸堀に突き出た松の木に上がっていました。

Dsc05214c_20230530153201  花菖蒲園の様子。3ヶ所花菖蒲園がありますが、これは管理事務所の南のところ。花はかなり咲いては来ましたが、生育状況はやはり今ひとつですし、その数も多くはありませんので、見栄えしません。一斉に咲きそろって、見事な景色というのは、ちょっと望めないと思います。

Dsc05224c Dsc05259c_20230530153101  部分的に見ると、これらのように、それなりの写真が撮れますが、ぜひご覧くださいとはとても書けません。奥平屋敷跡の入り口の菖蒲園も似たような状況。本丸跡の花菖蒲園は、もっと花が少なく、とても鑑賞には堪えられません。

Dsc05376c_20230530153101 Dsc05346c_20230530153101  貝塚公園、内堀南公園、内堀公園などでは、スズメやカワラヒワが少しいただけ。去年もこんなに鳥が少なかったのかと嘆きつつ歩いています(苦笑)。代わりに花。左の写真は、内堀の通りで見つけたタチアオイ。右は、九華公園の東のお宅に咲いていたアルストロメリア

Dsc05390c_20230530153101 Dsc05406c  アジサイもあちこちで見てきました。左の写真は内堀あたりで、右の写真は宮通の散歩友達のお宅にて。

Dsc05422c  カワラナデシコも、散歩友達のお宅にて。一昨日の日曜、松阪で「松阪撫子どんな花?祭り」があり(これにあわせてJRさわやかウォーキングも開催されていました)、それから思い出して、どこかで見たぞと探したのです。ちなみに、松阪撫子もJRさわやかウォーキングで見に行っています(2018年5月26日:20180526JRさわやかウォーキング「~松阪撫子どんな花?~新緑の松坂城跡から眺める御城番屋敷」へ、なぜか近鉄で(予告編))。

Dsc05436c_20230530153101  ところで、桑名市博物館の前を通ったら、次回の展覧会のポスターが出ていました。初夏の企画展「生誕200年 帆山花乃舎」です。帆山花乃舎(ほやまはなのや:1823~1894年)は桑名出身で、䑳崇寺の住職を務めながら復古大和絵派の絵師として活躍した画僧。そのかたわら、萬古焼の再興に挑んだ初代森有節(1808~1882年)に絵を教えるなど、地域文化と芸術の発展に大きな貢献を果たした人物でもあります。

2023年5月29日 (月)

今日の散歩は、ホームセンターにて? ……早くも梅雨入りとは

230529weather 230529rain  東海地方は、梅雨入りしたそうです(こちら)。梅雨入り宣言がされるかもしれないと、テレビの気象情報でいっていましたが、まさかまだだろうと思っていました。5月に梅雨に入ったのは、10年ぶりとか。美濃街道ウォーキング「養老~美濃高田」の予定でしたが、昨日の時点で、どの天気予報を見ても終日雨となっていましたので、早々に延期を決めました。今日は、これまでのところはあまり降っていません。散歩に行けたかという気もするのですが、こういう日に私が散歩に出るとたいてい降られます。さすがに多少は学習しましたので、散歩には行っていません。

Dsc_7190c   その代わりにではありませんが、カインズみえ川越インター店へ行ったついでに店内でなるべく歩いてきました(といってもトータルでせいぜい2㎞半くらい)。10年あまり昔は、天気が悪いとホームセンターに歩きに行っていましたが、最近は控えています。エアダスターと、散歩用に使っているコクヨの野帳を買い、メダカやエビなどを眺めてきました。

Dsc05027c  雨の日の恒例、ベランダ園芸とベランダの住人の様子。アサガオは2鉢つくっていますが、ご覧のような状況。向かって左の方が、葉っぱが大きく、元気があります。2つの鉢で使った土の種類が異なります。左側の方はたしか、肥料が混ぜ込んであったはず。ベランダ園芸ですから、土をたくさん買うわけにはいかず、いつも100均ショップで野菜の土とか、花の土と称して売っているもの(2~3リットル入り)を買ってきますが、あれは土とは呼べない代物のように思えます。「土もどき」です。

Dsc05031c_20230529122501  Dsc05071c サギソウはご覧の通りです。16本ありますが、そのうち1本は早くからつぼみというのか、花芽というのかが出て来ています(右の写真)。まだ咲いてはいません。5月に咲いてしまっては、いくら何でも早すぎます。茎がちょっとひょろ長いのが気になっています。もう1本、これと同じように、つぼみが出て来ている株があります。

Dsc05068c  このもう1本の方は、つぼみは1つ。茎も上右の写真のものに比べたら、少し太いと思います。

Dsc05038c_20230529122501  こちらはメダカの睡蓮鉢。現在、親メダカ15匹ほどが棲んでいます。ビオトープ風にしようと思って熱帯スイレンとリラエオプシスとを入れましたが、どちらも茂ってきています。ホテイソウはすごい勢いで増えて、買ったときの10倍近くになりました(途中で、処分したりしていますし、産卵したものは別のプラスティック容器に移しました)。メダカの赤ちゃんも無数に孵っています(まだ小さくて、何匹いるかはカウント不可能。多すぎて、ちょっと失敗したかと反省しています)。

Dsc05022c  1685146563210c ほとんど余談ですが、昨日、これを準備しました。梅酒造りです。梅は、実は鎮国守国神社のお下がり。というか、先日訪ねたときに拝殿前に右の写真のように「1袋200円 お金を賽銭箱に入れてください」とありましたので、2袋を400円を投入していただいてきたのです。さて、うまく行くかどうか。冷暗所で保存しなければなりませんので、家内の実家へ運び、キッチンの床下収納に入れようかと思案中。

2023年5月28日 (日)

河口堰でカワセミ、長島町内でコチドリのヒナ

Dsc03832c_20230528161801  昨日はいつもの散歩でしたし、明日から土曜までは走り梅雨のような天気だそうですから、今日はプチ遠征。長良川河口堰、長島町内そして上之輪新田へ。7時前に出発、10時半前に帰宅。気温は26.5℃、ちょっと湿った感じの南風でした。

Dsc03556c Dsc02888c_20230528161601  長良川河口堰でカワセミ。九華公園では、去年11月以来、カワセミをまったく見なくなりましたので(2022年11月15日:今日もカワセミ、しかもオスもメスも)、ずいぶん久しぶりにカワセミを見ました。親水広場の方で、です。前後2回、会わせて20分ほど見ていたのですが、その間に小魚を2回ほどゲットしていました。

Dsc03584c_20230528161701  ダイビングシーンは、なかなか難しい(苦笑)。一応写っていたのが、こちら。分かりにくいのですが、このときにもかなり小さな魚をくわえています。という次第で、今日はバードウォッチングの吉日。

Dsc02607c_20230528161601 Dsc02615c  さて、長良川河口堰の話の最初から。東の魚道では、上流側にダイサギとコサギが1羽ずついただけで、これは失敗したかと思ったくらい。管理橋を渡っている途中、コアジサシが飛ぶのを3回見かけました。

Dsc02670c_20230528161601 Dsc02960c_20230528161701  西側に着いて、親水広場に降りていく坂道の柵にアオサギ。この頃から、西側にはダイサギやコサギが少しずつ集まってきました。

Dsc02968c_20230528161701  イソシギも、ちょっと遠かったものの、計2羽を確認できました。カワセミは、親水広場への行き帰りに2回に分けて観察しています。

Dsc02985c_20230528161701 Dsc03148c_20230528161701  親水広場の東側、上流西の監視塔近くにコアジサシが計4羽。2羽ずつ、分かれて止まっています。小魚をくわえてくるシーンもあったものの、メスに渡すということはなかったようです。

Dsc03046c Dsc03317c  中州からオオヨシキリの鳴き声はよく聞こえてきますが、今日もその姿は見えませんでした。今日の目的の1つだったので、残念。親水広場を歩いていたら、ホオジロのオスが地上に降りていました。トビも見たものの、これはイマイチの写真。カラスがちょっかいを出す場面もありました。

Dsc03780c_20230528161801 Dsc03842c_20230528161801  閘門のところの橋にアオサギが2羽。奥のアオサギさんは、若者のようです。管理橋を渡って東側でも、魚道のところにアオサギさん。河口堰では、以上。

Dsc03906c_20230528161801 Dsc03924c_20230528161801  続いて、長島町内某所その1(数字は、これまでの記事と同じ)。前回と同じく、ケリ2羽から威嚇されました。しかし、卵もなく、ヒナもいないようでした。

Dsc03993c_20230528161801 Dsc04020c_20230528171901  ほかには、コチドリ。計3羽を見ましたが、うち2羽はペアで、もう1羽はそこへの侵入者と思われました。

Dsc04084c Dsc04504c  某所その2。前回来たときと同じあたりで、ケリが座っています。これは確実に卵を抱いていると考えられます。ほかにもう1羽のケリがいて、どうもコチドリと威嚇合戦をしているように見えました。

Dsc04445c Dsc04376c_20230528161801  よくよく見たら、コチドリのヒナが1羽だけいました。コチドリはこれを守ろうとし、ケリは卵を守ろうとしていたのでしょう。守りvs.守りが上記のバトルになっていたと思われます。

Dsc04626c  「ちなみに」扱いになってしまいますが、ここにもヒバリ。揚げ雲雀から降りてきたところを撮影したのが、この写真。

Dsc04677c  続いて長島町内を巡回。ブロ友のひらいさんがアマサギが登場したと書いておられましたので(久しぶりのネタ公開、お散歩週報)、ちょっとだけ、狭い範囲をチェック。はっきりと確認できたのは、この1羽のみでしたが、今シーズン初アマサギ。

Dsc04799c Dsc04734c_20230528161901 巡回のあと、某所その3~5を見てきました。前回はその4、その5でケリが座っていましたが、今日は確認できませんでした。ただし、その4でケリから威嚇されました。ケリの営巣や、威嚇についてはよく分からないところがあります。

Dsc04953c  このあとは、上之輪新田へ。どういう訳か、近鉄のひのとりが通過する時間帯になります。今日も撮り鉄の方がお二人ほどいらっしゃいました。上之輪新田は、田植えが行われたばかりのようです。

Dsc04860c_20230528161901 Dsc04905c_20230528161901  上之輪新田にいたのは、ケリ2羽×2組。ただし、辺りを見回しても巣はありませんでした。ほかにはハクセキレイやツバメ。ツバメは泥を取りに来ていました。

 

Dsc03836c_20230528183701 明日から土曜までは雨模様の天気という週間予報です。台風2号の余波もありそうですし、走り梅雨だともいいます。明日、美濃街道ウォーキング「養老~美濃高田」を計画していましたが、中止せざるを得ませんでした。6月4日に延期です。水曜は江戸橋での非常勤ですが、雨時々曇りの予報です。

2023年5月27日 (土)

20230527院生OG会

Dsc_7169c  その昔、教員をしていました(12年ほど前に退職しました)。当時、大学院も担当しており、ありがたいことにその時の教え子の皆さん四人の方から久しぶりに会いたいという連絡をいただき、夕方、名古屋まで行ってきました。久しぶりにというのは、実に11年ぶりです(2012年1月16日:院生OG会(1/15))。名古屋に行くのも久しぶり。去年5月24日以来ですから(2022年5月24日:予定通り、名古屋で講師)、ほぼ1年ぶり。すっかり田舎者になってしまっていて、我ながら笑えます。

Dsc_7166c  17時半からということでしたが、早めに着きましたので、会場近くにあるナナちゃんも見てきました(微笑)。この5月24日からは「BABY YELL 子育てナナちゃん」だそうです。ナナちゃんは、昭和48(1973)年に登場したのですが、この年、私は大学に入学しています。当時は、名鉄バスターミナル内には、メルサがありました。ちなみにメルサは造語で、「Meitetsu Elegance Ladies Shopping Avenue」の頭文字をとって名付けられています。このあたり、屁理屈、講釈好き故、ご容赦ください。

Dsc_7170c  それはさておき、会場は名鉄グランドホテルの四季という和食レストラン。OGの皆さんが院生の頃、私は体調が悪くなってきていて、十分なことができず、内心ではたいへん申し訳なかったと思っています。OGの皆さんには、院生時代には色々とあったと拝察しているのですが、とても良い時間を過ごしたと思ってもらっているようです。教員ー院生という関係も、当然人間関係の一つのあり方ですから、そこには社会的相互作用が生じています。したがって院生であった皆さんに私から一方的に影響したということはありません。OGの皆さんから私にも、さまざまな作用(働きかけ)があったからこそ、それなりの相互作用が生じたのです。OGの皆さんからは大変感謝していただいたのですが、私の方こそ感謝しなければならないと思うのです。

Dsc_7174c  屁理屈がすぎましたが、OGの皆さんにはたいへん良くしていただき、また、皆さんそれぞれに活躍している様子も聴くことができました。前期高齢者になってからは変化が少ない生活を送っていますが、最近なかったような楽しい時間を過ごさせてもらいました。とくに自分が知らない世界の話を聞かせてもらえることは、私にとってはとてもありがたい経験です。

Dsc_7181c Dsc_7177c  結局、2次会の喫茶店も含め4時間ほど、一緒させてもらいました。花束や記念品までいただいてしまい、恐縮至極です。そういえば、現職当時も3時になると「お茶の時間」と称して、教員と院生が集まって、放っておけば何時間でもしゃべっていそうな勢いがありました。当時からあまり進歩していないところもあるようです(微笑)。私自身は、これまで自分ではあまり自覚していませんが、周りの方に影響を及ぼすところがあるようです。散歩友達の方も何人かは、バードウォッチングをするようになっています(爆)。悪影響ではないことを願っています。

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  • 林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)

    林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)
    たまにはこういう本も読まないと、認知機能が退化するかもしれないと思って(微苦笑)。というよりも、もともと神経心理学に興味がありましたので、本屋の店頭で見つけ、これは面白そうだと思って購入しました。うつ、自閉スペクトラム障害、ADHD、統合失調症、双極性障害など、現代人を悩ませる心の病について、脳にどのような変化が起きているか、最新の知見がまとめられています。最前線の研究者たちがわかりやすく説明しているのですが、知識ゼロで読むのはかなりキツいかも知れません。私は現役をリタイアして10年以上になりますが、その間にこれほど研究が進んだのかというのが正直な感想。心の病の原因は、1つとは限りません。心の病は「症候群」と見た方がよいと考えます。私自身が関わる自閉スペクトラム障害、ADHDなどの発達障害でもそうです。脳機能と心の病との関連について最新の知見を知りたい方にはおすすめ。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)

    磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)
    本の帯に「大河より面白い!」とありますが、本当にそうでした。午前中の散歩のついでに買ってきて、夕食までに一気に読み終えてしまいました。もったいない気がするくらい。松平元康がいかにして徳川家康になったか、さらに徳川将軍家がいかに続くよう礎を築いたかが、よく分かりますし、戦国時代から徳川幕府創世記までの歴史を見る目が養われる本です。それというのも、著者の磯田さんが古文書の権威で、一次史料を読みこなすだけでなく、場合によっては価値が怪しい資料まで傍証に用いて(怪しい資料でも使い道があるというのも良く分かりました)、ご自身の頭で考えた結果を実に分かりやすく解いてくれてあります。徳川家康の弱者の戦略のキーワードは、「武威」と「信頼」ということです。また、情報の取得、解読にも意を尽くしたことがよく分かります。混迷を深める世界情勢を読み解いて、我が国が進む方向を考える上でも役に立つ一冊。 (★★★★★)

  • 井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)

    井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)
    発達障害、とくに自閉スペクトラム症(ASD)の方では、感覚過敏や感覚鈍磨をよく伴います。「照明で目がチカチカする」「皆が話している教室では。音が鳴り響き絶えられない」「ケガをしてるのに、痛みを感じない」などさまざまな状況を呈します。著者は実験心理学や、認知神経科学を専門とし、ASDの方に見られる感覚過敏、感覚鈍磨は、脳機能の特性から来ていることを明らかにしてきています。ASDなど発達障害のあるご本人はもちろん、親御さん、教師など関わりを持つ方々は、このことをよく理解して支援にあたることがとても重要です。ASDを始めとして発達障害について、「わがまま」「自分勝手」「やる気がない」などと捉えてしまうと、支援どころか、理解もできなくなります。脳の働きによってさまざまなことが生じてきているという視点が必要不可欠です。この本は、感覚過敏・感覚鈍磨を手がかりにそういう視点について理解を深められます。 (★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)
    2022年12月のNHKのEテレ「100分de名著 中井久夫スペシャル」のテキストです。今頃(2023年2月)これをリストアップしているのはどうかという気もしますが、録っておいたビデオをみたのが最近なのです。中井久夫さんは、2022年8月にお亡くりになりましたが、日本を代表する精神科医のお一人であり、翻訳家、文筆家としても一流でした。現役の頃、中井さんの本はたくさん読みました。臨床心理学の分野でも「風景構成法」を導入した方として知られています。Eテレの講師である齋藤環さんは、中井さんを評して「義と歓待と箴言知の人」と書いておられますが、まさにそういう気がします。『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』が紹介されています。現在もウクライナで戦争が続いていますが、中井は「戦争は過程、平和は状態」とし、戦争は物語として語りやすく、とにかくかっこよくて美しい、それが問題だといいます。一方、平和は分かりにくく、見えにくいため、心に訴える力が弱いとします。「状態を維持する努力はみえにくい」のですが、戦争と平和に限りません。普段通りの日常生活を維持していくのも同じような気がします。戦争を経験していない人間が指導者層の多くを占めるようになると戦争に対する心理的抵抗が低くなるともいいます。「戦争には自己収束性がない」とも中井さんはいっています。われわれはやっかいな時代に生きていると痛感します。中井さんの本を多くの方が読むと、時代も変わるかも知れません。 (★★★★★)

  • 桑名三郎: 七里の渡しを渡った人達(久波奈工房)
    桑名と名古屋の宮を結んだ東海道唯一の海路「七里の渡し」をテーマにした歴史本です。船頭が旅人を案内しながら、七里の渡しを渡った歴史上の24人を紹介する内容。やさしい話し言葉で紹介されており、読みやすい本です。徳川家光、松尾芭蕉、明治天皇などが取り上げられています。著者は、桑名で歴史案内人をしながら、街の歴史を研究している、街道好きの方です。本は、桑名市内の書店とメルカリで¥1,200で販売。 (★★★★)
  • 磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)

    磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)
    磯田さんの本は面白い。というのも、話のもとには古文書があるからだと思う。その古文書も磯田さん自身が、古書店などで発掘してきたものがほとんどで、それ故、内容もオリジナリティが高くなる。この本は、戦国時代から幕末あたりを中心にさまざまな古文書の内容をもとに、例えば忍者の悲惨な死に方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、赤穂浪士が吉良の首で行った奇妙な儀式などなど、興味深いエピソードを浮かび上がらせている。面白いので一気読みしてしまった。 (★★★★★)

  •  佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)

    佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)
    史跡や、寺社、町並み、城、美術工芸品等の見方がやさしく解説されている本です。「事典」となっていますが、いわゆる辞書とは違って、普通の本のスタイルです。索引が充実していますので、事典としても十分に使えます。最初の版をもっていますが、40年ぶりに改訂され、写真、図版も多く、歴史散歩の最強の味方です。 (★★★★★)

  • 日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)

    日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)
    今年1年、何の因果か(などと書くとお叱りを受けること必至ですが)、住んでいるマンションの管理組合の理事長を仰せつかっています。今年は、エレベーターリニューアル工事が最大のイベントで、それは無事に済んだのですが、前理事長から8年後に迫った第3回大規模修繕に向けて、修繕積立金が不足する見込みと申し送られました。確かにかなりの金額が不足しそうで、頭を悩ませていました。マンションに住みながら、そもそも基本的な知識が不足しており、管理会社のフロントマンの方の協力を得ながらシミュレーションなどをしていました。ネットであれこれ調べてはいたものの、それで得られる知識は体系的なものではありませんでした。この本は、事例を元にマンション管理について必要な知識が得られるように書かれており、まだすべて読み終えてはいないものの、とても役に立っています。任期残り2ヶ月半となって付け焼き刃ではあるものの、次の理事会に具体的に課題を申し送ることができるよう勉強中(笑)。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)

    宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」や「どうしても頑張れない人たち」の著者である宮口幸治さんの新刊です。前2著の内容をよりよく理解できるよう、「ドキュメント小説」として書かれたものです。主人公は、精神科医の六麦克彦。医局から派遣されて要鹿乃原少年院に勤務して5年。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちでした。この内容は、前の2冊のように普通の新書では書き尽くせるものではなく、物語の形を借りざるを得なかったのでしょう。ただし、普通の小説として読むのには少し苦労するかも知れません。特別支援教育が普及して、知的障害や、発達障害のある子どもへの教育や支援は、以前に比べれば改善されてはいますが、最近は、家族の養護能力が十分でなかったり、親など家族自身に支援が必要なケースもたくさんあります。こうした中には、この本で取り上げられたような結末に至ることがあっても不思議ではないという気がします。極端な事例が集められていると思われるかも知れませんが、社会全体として真剣に取り組むべき課題が突きつけられています。 (★★★★)

  • 本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)

    本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)
    本田秀夫先生によるこのSB新書の4冊目のシリーズ。今回は、発達障害のあるお子さんの学校選び、学級選び、友達関係、学習や学力の悩み、不登校など、発達障害のあるお子さんの学校生活全般にわたって、どのような考え方に基づいてサポートしたら良いかについてまとめられています。それぞれ、親と先生とが、どのように取り組むことが基本となるか、解説されています。対策よりも予防的な工夫をコミュニケーション(要求ではなく)に基づいて行う、「学校の標準」を緩める、登校や成績を気にしすぎず、社会に出るための土台作りを考える、発達の特性には寛容になる、学びを大切にするが学力にこだわりすぎない、親と先生とが気づきを伝え合い相談、調整する、子どものモチベーションを重視するなど、具体的に書かれていて、分かりやすくなっています。発達障害のあるお子さんが小中学校で充実した学習が進められるための基本的な考え方やヒントが詰まっていますので、親御さんにも、先生方にもお勧めできます。 (★★★★★)

  • 佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?

    佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?
    サンドウィッチマン&芦田愛菜ちゃんMCの「博士ちゃん」に「三国志博士ちゃん」、「日本の神様博士ちゃん」として2回出演した佐々木秀斗君の自由研究を本にしたもの。何故これをここに取り上げたかというと、私のブログに載せた立坂神社の緑色の鳥居について、写真を提供して欲しという依頼が出版社からあったのです。私が提供した写真は、本書の162ページに「提供:猫の欠伸研究室」として載っています。ざっと読みましたが、大人でも、古事記や神社についてよく知らない方が、最初に手に取って基本的なことがらを知るには、わかりやすくて良い本だと思います。 (★★★★★)

  • 森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)

    森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)
    ネットで見つけ、新刊かと思って購入したのですが、4年前の本でした(微苦笑)。 若い頃に森博嗣さんの小説をすべて読んでいました。いつの頃からか、小説は読まず、森さんのエッセイだけを読むようになっています。「読書の極意を教える」と帯にはあります。もちろんそれについて書かれているのですが、私にはある種の知的生産の技術について著者の方法を開示していると読めます。「何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある」というのは、よく首肯できます。また、「教養とは保留できる能力をいう」というのも確かにそうだと思います。自分の問題として抱続けられ、また、考え続けられるのは、容易ではありませんから。 (★★★★★)

  • 井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)

    井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)
    愛媛県新居浜市にあった別子銅山は、元禄3(1690)年、伝説の切上り長兵衛によって発見されてから、昭和48(1973)年の閉山まで、283年間にわたり、累計65万トンの銅を産出しました。これは、世界の銅の産出量の1/6にも達するといいます。巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献したのがこの別子銅山です。江戸時代には貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、そこに関わった人達を鮮やかに描いた、本当の意味での大河小説です。徳間時代小説文庫で読みました。  (★★★★)

  • 養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

    養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    養老孟司先生と池田清彦先生の対談であれば、外れはありません。サブタイトルのように、「はみ出し日本論」ではありません。ど真ん中の日本論といってもよい本で、楽しみながら読めます。しかし、それは、自分のアタマできちんと考えているからこそ論じられる内容だと思います。常識や、マスコミで報道されることがらだけをフォローしていては、こういう風に考えることはできません。きちんとした理論、知識、データに基づかなければなりません。さらには、物事を捉える大きな枠組み、私の世代にとっては「パラダイム」といえるものが必要。それも、確固たるパラダイムが必要です。私にとってそれはある種の理想なのですが、なかなか難しい。しかし、まぁ、年寄りになったからこそ見えるものや、年寄りなりの知恵も働くようになるということもありますから、養老・池田の「怖いものなし」コンビを1つの目安として、言うべきこともいえるようになりたいものです。 (★★★★★)

  • 土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)

    土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)
    先に同じく土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を挙げましたが、入手したのはこちらが先。「一汁一菜でよい」というスタイルに至るまでの土井さんの修行、出会い、発見、迷いなどなどが書かれています。「家庭料理に失敗なんて、ない」、「すべては人を幸せにする料理に繋がる」というのが基本。具だくさんの味噌汁はおかずの1つになる。余裕があれば、食べたいものや、食べさせたいものをその都度調べてつくればよい。一汁一菜を入り口にして、一つ一つおかずをつくってみて、10種類ほどでもできるようになれば、それで幸せに一生やっていける。といった話があり、へぇーと感心させられました。これだけで健康に健やかに自足できるとも述べられています。一汁一菜なら、私にもできる、でしょうか?? (★★★★★)

  • 土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)

    土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)
    著者の土井善晴先生は、私と同世代。そして、私の世代にとってはあの土井勝さんの息子というイメージが強くあります。テレビなどにもよく出ておられ、なかなか面白い視点でものを見る人だなと思っていました。この本は,出版された当時(2016年秋)から知っていたのですが、手に取ったのはごく最近。文庫本を探していたのですがなかなか遭遇しなかったのです。「一汁一菜でよい」というのは、ご飯と具だくさんの味噌汁があればよいということです。家庭料理についての提案なのですが、実は、この本はもっと奥深いことを述べています。一言で言えば、日本文化や日本人の哲学について述べる中で、食や生活、生き方などについても論じられています。解説を書いておられる養老孟司先生は、それを「自足の思想」と表現していらっしゃいます。優しい、わかりやすい本ですが、実は奥が深い。著者の端正さもよく表れています (★★★★★)

  • 奥山 景布子: 流転の中将

    奥山 景布子: 流転の中将
    幕末の桑名藩主・松平定敬を描いた歴史小説。定敬は、実の兄で会津藩主である容保とともに徳川家のために尽くそうとしたものの、最後の将軍・徳川慶喜に振り回され、裏切られてしまいます。定敬は、それでも抗おうとしたのですが、国元の家臣たちはいち早く恭順を決め、藩主の座も追われてしまいます。朝敵といわれ、越後、箱館から上海まで流浪した定敬の波乱に満ちた人生と、秘めたる思いが生き生きと書かれています。定敬については、歴史講座で学んだり、本で読んだりしてきましたが、小説家の手にかかるとこのように立体的に、活き活きと動き出すものなのだと実感します。 (★★★★★)

  • サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)

    サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)
    たまには専門のアカデミックな本も取り上げます(微笑)。本屋でみつけ、購入。この本は、同じ著者が東大出版会から昨年刊行した「臨床心理学史」で果たせなかったことを果たそうと構想されたもの。果たせなかったのは、日本の臨床心理学史に触れることと、コンパクトな歴史記述だそうです。東大出版会の本は、読んでみたい気もしますが、¥7,000もしますし、内容もハードそうです。こうして臨床心理学の歴史を俯瞰してみますと、やはり実験心理学を抜きにしては臨床心理学も語れないといえます。私個人の考えでも、臨床心理学を学び、実践するには、実験心理学を学び、実験・調査などの方法で研究をした経験が必須です。臨床心理士、公認心理師の資格に関わり、心理学を志す人は多く、また、大学でも臨床心理学部や臨床心理学科もあります。しかし、私は、自分自身の経験からもやはり、実験心理学などの基礎心理学を抜きにして、臨床心理学は成り立たないと考えますし、学生も実験心理学を含めた基礎心理学を、少なくとも学部段階ではきちんと修得した方がよいと思います。本書を読んで、その考えはいっそう強くなりました。 (★★★★★)

  • 昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ

    昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ
    本屋に別の本を買いに行って見つけ、即買い(微苦笑)。私の好むタイプの本です。三重県の地形や地質、歴史、文化、産業などを、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント本。地図も歴史も文化も好きなのです。地図で読み解く三重の大地、三重を駆ける充実の交通網、三重の歴史を深読み!の3部構成。2017年11月にたまたまみつけたJRさわやかウォーキング「~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き」に行って以来、JRさわやか、近鉄ハイキング、勝手にハイキングで県内や近郊のあちこちに電車で行って電車で帰るハイキング/ウォーキングをしています。それによって訪ねたあちこちのことが改めてまとめられていて、とても楽しめます。各県のバージョンが出ているようです (★★★★★)

  • 磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)

    磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)
    歴史家・磯田道史さんが、鎌倉女学院高校で行った特別授業の記録と、ビリギャルの小林さやかさんなどとの対談を収めてあります。基本的には、「歴史の見方」についての本なのですが、それに留まりません。ものの見方、考え方を説いた内容です。むしろ、ものの見方、考え方を学びたい方にお勧めしたいと思うくらいです。ちなみに、タイトルは、「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世の中を歩くためのむしろ実用品である」という意味です。これは、歴史の見方について、あまりよく理解されていないポイントと思います。講義録ですから、読みやすく、しかも大変おもしろい本です。 (★★★★★)

  • 久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)

    久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)
    この著者の前著「三河吉田藩・お国入り道中記」で読んだ、三河吉田藩(豊橋)の参勤交代の話も大変おもしろく読めましたし、江戸時代の藩邸の様子、殿様や家臣の仕事、暮らしなどに興味があったので、読んでみました。三河吉田藩に残る「江戸日記」などの古文書から、江戸の大名屋敷がどのようなところであったか、江戸で働く武士の状況、江戸の藩邸で起きた事件のいろいろ、藩邸の奥向きの様子、さらには、明治維新後の藩邸から子爵邸への変化について、リアルな武士の暮らしのもろもろがまとまっていて、とても興味深く読めました。三河吉田藩は、現在の愛知県豊橋市にあり、松平伊豆守家が長く藩主を務めています。松平伊豆守家は、「知恵伊豆」の異名を持つ松平伊豆守信綱を初代とし、忍藩、川越藩、古河藩、吉田藩、浜松藩と国替えを繰り返した後、寛延2(1749)年から明治維新まで三河吉田を治めています。 (★★★★)

  • 安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)

    安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)
    サブタイトルに「大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ」とあり、さらに、オビには「300年前は えっ!? 今よりもっと愉快な旅行天国」ともあります。ただし、旅行を心から楽しめたのは、庶民に限られていたようです。参詣者を増やしたい各地の寺社、温泉、宿泊業者が積極的に営業したからです。一方、武士や大名は、トラブルメーカーだったといいます。公用で旅行したり、参勤交代したりなのですが、宿泊料のダンピング、備品の破壊などなどトラブルをまき散らしながらの旅であったり、権威を笠に着たりで、あまり歓迎されなかったようです。江戸時代の旅のエピソード満載で、楽しめる本です。 (★★★★)

  • 藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック

    藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック
    この本は、WISC-ⅣやKABC-Ⅱなどの知能検査の結果(アセスメント情報)を「子どもの自立と社会参加」により役立つものにしていくには、どのように伝えたらよいか(フィードバック)についてまとめられています。過去には、保護者、学校の担任、子どもたち自身に知能検査の結果を伝えることはされていませんでした。しかし、現在では、苦戦している子どもたちが、自分のことを理解し、自分なりにも工夫して、学習や生活スキルを向上させ、将来の自立と社会参加につなげるために、知能検査の結果(アセスメント情報)を子どもたち自身にも伝えるようになってきています。私も、相談では、お子さんに直接、フィードバックを行い、子どもたち自身が自己理解を深め、意欲的、積極的に取り組めるようにしています。この本は、子どもと支援をつなぐ、支援者をつなぐという視点から、心理検査のフィードバックについて基礎から応用、事例を含んでその全体像を把握できる、優れたものとなっています。 (★★★★★)

  • 新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)

    新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)
    藤沢周平の作品案内、小説に見られる名言集、映像化された作品の出演者や、関係者による評伝などによって藤沢周平の作品についてすべてとはいいませんが、かなりが分かります。私は、藤沢周平の小説が好きで、たぶんほとんど読んだと思います。ただそれは、15~6年以上前のことで、リストアップもしていませんから、すべて読んだかどうかについては、不確か。こういう本を読むと、もう一度読もうかという気になります。この本では、娘の遠藤展子さんの「父にとっての家族」がもっとも興味深く読めました。また、藤沢周平の言葉で私が気に入っているのは、「普通が一番」です。ほかにも、「挨拶は基本」「いつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れない」「謝るときは素直に非を認めて潔く謝る」「派手なことは嫌い、目立つことはしない」「自慢はしない」という言葉が、遠藤さんが父から言われて心に深く残っていることばだそうです。 (★★★★)

  • 千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)

    千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)
    新型コロナのまん延にともなって、政治的な判断や、もろもろの政策は、迷走したといってもよいと思います。突然の全国一斉休校要請、いわゆるアベノマスクの配布や、閣議決定をやり直した一律給付金など、なぜああいうドタバタになるのか、国民の信頼が得られなかったというか、失ったというのか、ずっと疑問を抱いていました。著者は、元厚生官僚で、社会保障・労働分野で仕事をし、現在はコンサルティング会社を経営。この本では、最近のコロナ禍での出来事の背景を記述する中から、官僚主導から官邸主導への変化に、政治の仕組みの変化がついて行けていないからだとしています。これに関して、政治家、官僚ともに仕事のやり方を変えることが必要であるとともに、国民の側にも良い政策をつくるためには望まれることがあるといいます。 (★★★★)

  • 嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい

    嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい
    「観察するのが面白くなる! ガンカモ類のひみつ」というキャッチコピーです。私がほぼ毎日散歩に行く九華公園の堀には、秋が深まるとカモたちがやってきます。キンクロハジロが最も多く、次いでハシビロガモ。他にはヒドリガモやホシハジロも数少ないものの来ています。カルガモ、カイツブリ、オオバンなども来ることがあります。これらカモやその仲間、近縁種についてもっとよく知り、観察のポイントを増やしたいと思って、この本を読んだ次第。著者は、宮城県の伊豆沼・内沼をフィールドとする専門の研究者。形態的な特徴と行動との関連性、渡り、繁殖地での暮らし、越冬地での生活など、ガン・カモ類について、ちょっと専門的な部分も多いものの、一通りの知識を得られ、また、行動観察などの方法についても知ることができました。 (★★★★)

  • 田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)

    田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)
    「江戸学の第一人者による「遊郭入門」の決定版!」と帯に書かれていて、ついつい手に取ってしまいました。遊郭にはとても興味があります。などと書くと「好色な人物か」と思われるかも知れません(苦笑)。遊郭や遊女は、今日の人権やジェンダーの観点からすると、許されない存在です。これは間違いのないことですが、一方で、たとえば、江戸時代の吉原遊郭の花魁と呼ばれたようなハイクラスの遊女は、高い教養を持ち、芸事や生け花、茶道にも通じていました。ある意味で日本文化の守り手でもあったという面も持っているのです。こうした観点から著者は、「遊郭は二度とこの世に出現すべきではなく、造ることができない場所であり制度である」と述べています。ちなみに、「好色」ということばの意味は、平安時代以来、和歌や琴、舞などの風流、風雅を好む人を「色好み」と呼んでいたことによります。「色」には恋愛や性愛という意味もありますが、もともとは恋愛と文化的美意識が組み合わさったものだそうです。 (★★★★)

  • 養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ

    養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ
    養老先生が、コロナ禍の2年間でお考えになったことの集大成です。新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた頃、NHKのBSの番組「まいにち 養老先生、ときどき まる」だったかで、「老人は、もともと不要不急の存在だ」とおっしゃった気がしますが、この本は「人生は不要不急か」という章から始まっています。これがたぶんコロナ禍や、養老先生ご自身のご病気(心筋梗塞)を経験し、お考えになった結論の1つ。さらに、不要不急の人生ではあるものの、それでも生きる価値はどこにあるか様々な視点から考察されています。「人生とはそんなもの」と思いつつ、自分に居心地の良い場所をつくりながら、万事テキトーに終わるのが良さそうです。 (★★★★★)

  • 松原,始: カラスの教科書

    松原,始: カラスの教科書
    ちょっとマニアックな本と思われるかも知れません。そもそもカラスに好意を抱いている方は少ないでしょうし(微笑)。カラスには、「賢い」というイメージもありますが、ゴミをあさって、カアカアとうるさい、真っ黒で気持ち悪いなど「嫌われ者」といってよいかも知れません。私もバードウォッチングをしますが、カラスの写真はほとんど撮っていません。しかし、九華公園などでは、カラスがいるとついついその行動を見てしまいます。よくよく見るとやっていることは、結構おもしろいのです。本書に引用されていますが、ある鳥類学者のことばによれば、「小心者でお調子者」だそうですが、頷けます。ところで、カラスとひと言で言っていますが、何種類もいるのはご存じでしょうか? 街中でよく見るカラスでさえ、ハシボソガラスとハシブトガラスの2種類がいます。同じカラスといっても、この2種類だけでも行動パターンはかなり違います。さらに、記紀に登場するカラスもいます。八咫烏(ヤタガラス)です。このカラスは、神武天皇一行が熊野山中で道に迷った際、道案内として遣わされています。そのため、熊野本宮大社などのシンボルになっています。カラスの迷宮に入り込んでしまうと、おもしろいことがたくさんあって、出て来たくなるかも知れません。すべての方にお勧めする本ではありませんが、物好きの方にはよいかも(微笑)。 (★★★★★)

  • 竹内政明 : 「編集手帳」の文章術 (文春新書)

    竹内政明 : 「編集手帳」の文章術 (文春新書)
    何を今さら「文章術」なのか? と訝られる向きもおありでしょう(微笑)。どこで読んだか忘れてしまったのですが、ある方の文章で文章術の本としては、これがベストと書いてあったので、気になったのです。いろいろと反省するところ多々あり、でした。しかし、その一方で「耳で書く」など、ずっと以前から心がけていて、学生にもレポートを書く際に注意事項として伝えていることもありました。私は、音読すると、論旨があいまいなところや、日本語がヘンなところがよく分かると考えていましたが、著者も同様のことを書いておられます。自分の文章術(などという大げさなものはありませんが)も、あながち独断と偏見ではなかったと安心したところもあります。その他、明示されてはいませんが、ひとまず書いた上で読み直し、推敲して、削っていくというのもありのようです。文章の書き方にかなりご関心がおありの方には、お読みになるとよいでしょう。 (★★★★)

  • BIRDER編集部: BIRDER (バーダー) 2021年 11月号 [雑誌]

    BIRDER編集部: BIRDER (バーダー) 2021年 11月号 [雑誌]
    この号の特集は、「お散歩バードウォッチングのススメ」。まさに、私が毎日実践していること。表紙がいつもとは違って、今風のイラストなのはちょっと気になりますが、それはともかくとして、冬にオススメのアウトドア、身近な鳥見スポットを探せ、あなたの鳥見散歩教えてください-鳥見散歩のすすめ-といったテーマが並んでいます。かねてからバードウォッチングは、いつ、どこでも楽しめる趣味と考えています。散歩しながらのバードウォッチングは、まさに一石二鳥どころか、一石何鳥にもなります(微笑)。今日(2021/10/24)も2ヶ所で、13鳥。うまく行けば2~3時間近所を歩いているだけでもっとたくさんの鳥に出逢えます。是非とも同好の士を増やしたいと思っています。ご関心がおありの方は、ご一読をオススメします。 (★★★★★)

  • 本田秀夫: 子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと (SB新書)

    本田秀夫: 子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと (SB新書)
    本田秀夫先生の発達障害3部作の最新刊。これを書いている時点では、発売日前なのですが、本屋に立ち寄ったら売っていたので、買ってきて一気読みしました。私も発達障害のあるお子さんの相談に携わっていますが、これまでの助言と一致していたところもたくさんありますし、なるほどそういう風に考えればよいのかと思うところも多々ありました。発達障害についての解説本はたくさん出ていますが、その育て方、しかも、子どもを主役にした育て方の本はほとんどなかったでしょう。この本は、子どもを主役にした、幼児期から思春期に入る頃までの発達障害のあるお子さんの育て方、どのように育っていくかを丁寧に解説しています。発達障害のある子どもとはどういう子どもなのかからスタートしています。ポイントは、そのお子さんは、どんなお子さんなのか、また、そのお子さんがとっている行動は何に由来するのかをきちんと見て、捉えることからスタートするということ。親の都合で、「こういう子どもになって欲しい」という考え方から抜けることが必要と説いていますが、まさにその通りと思います。具体的な内容は多岐に渡っています。ほめ方・叱り方、暮らし方、発達障害の子の育て方といったないようになっています。載っている方法をそのまま使うのではなく、「うちの子のことだ」と思ったことを取り入れ、他は参考程度に読むとよいと著者が書いていますが、これも重要なポイント。発達障害のお子さんをもつ親御さんだけでなく、関わりのある方には是非ともご一読をお勧めします。 (★★★★★)

  • 本郷和人: 世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか (NHK出版新書)

    本郷和人: 世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか (NHK出版新書)
    この本の内容は、以前、マイブックスにあげた「 日本史の法則 (河出新書)」にも、「地位より人、血より家-世襲が強い-」として取り上げられています(出版は、今回の「世襲の日本史」の方が、2019年と先)。世襲というのは、今も、政治家、芸能人、医者、実業家などあちこちで見られます。「売り家と唐様で書く三代目」ということわざがあったり、「三代目が会社を潰す」という話があったりします。しかし、著者がいうには、日本では「地位より人」と考えられてきており、その「人」というのは、その人が受け継いでいる「血」であるといいます。より慎重に見ると「血よりも家」で、「家が肝心・要」というのが大原則だそうです。インドのカーストのように細かな具体性を備えていないので、人々の意識に浸透しやすく、そのため未だに世襲を黙認する社会意識を産み、さらにまたそれが、格差社会を容認する空気につながっていると著者は考えています。歴史上、世襲がなかったのは、明治維新。明治維新では能力主義が徹底され、いわゆる明治の元勲たちも、個人の財産は別として、地位などは世襲させませんでした。いわゆる「立身出世」がそれ。これは、画期的でしたが、続きませんでした。世襲という原則の方が勝ったのでしょう。著者は、「日本の歴史はぬるい-変わるときは外圧-」ともいっています。明治時代に立身出世となったのは、「黒船襲来」という外圧によるものでした。現代の外圧は、「人口減少」だと著者はいっています。江戸時代、地方で育った人材が、明治維新で根こそぎ東京に持って行かれましたが、もう一度、地方からやり直すということが必要とも著者はいいます。 (★★★★)

  • 本郷和人: 日本史の法則 (河出新書)

    本郷和人: 日本史の法則 (河出新書)
    著者の本郷和人さんは、東京大学史料編纂所教授。テレビにも出ておられますし、一般向けの歴史書もたくさん書いておられます。専門は日本中世史。この本は、日本の歴史がどのように動いてきたかを、本郷さん独自の視点(通説とは異なるとらえ方をなさっているところも多々あるようです)から説いたもの。「日本は西高東低」「歴史は一つではない」「日本の歴史はぬるい-変わるときは外圧-」「信じるものは救われない」「地位より人、血より家-世襲が強い-」「日本社会は平和を選んだ」という6つの論点から考察されていますが、これがなかなかおもしろい。「蒙を啓かれた」と書くと、ちょっと大げさかも知れませんが、なるほど、そういう風に見るとよく分かるということが多々ありました。いつ、どこで何があったということだけではなく、もうちょっと物語的に、どういう動機でそうなったかという視点を導入すると、歴史がもっとおもしろくなるんだと実感した本。 (★★★★★)

  • 吉田 友和: ご近所 半日旅 - いちばん気軽な「新しい旅」のスタイル - (ワニブックスPLUS新書)

    吉田 友和: ご近所 半日旅 - いちばん気軽な「新しい旅」のスタイル - (ワニブックスPLUS新書)
    本屋で偶然見つけてついつい買ってしまいました。タイトルを見たとき、「ご近所半日旅」なら、私自身が、近鉄ハイキングやJRさわやかウォーキングから派生して「勝手にハイキング」と名付けて歩いているのが、それに相当するのだろうと思いました。これで1冊、本が書けるのかというのが読む前の感想。勝手にハイキングや、普段の散歩に新たな視点、やり方、楽しみ方が導入できるかと思って読んだ次第。ご近所半日旅は「いちばん気軽な『新しい旅』のスタイル」と銘打っていますが、コロナ禍の現在、そうかも知れません。心得七ヵ条があげられていましたが、私としては、①お金をかけて楽しもう、④疲れることは基本的にしない、⑦予定を決めすぎないという3点に啓発されました。また、⑥スマホをうまく活用せよにあったグーグルマップの使い方などにも興味が持てました。長く続けていると、自分なりのスタイルができあがってきますが、別の見方をするとマンネリに陥っているともいえます。こういう本で刺激を与えると、私の中に新しいものが生まれてくるかも知れません。コロナで旅行に行けなくなったと嘆いておられる方、自分の住んでいる近所なんかにおもしろいところなんかあるのかと思っておられる方、一読なさると、新しい世界が開けます。 (★★★★)