お知らせ

  • データの移行について
    2005年10月26日のブログ開始当初から、2023年9月30日までの記事は、「猫の欠伸研究室(アーカイブ)」に移行しました(http://blog.livedoor.jp/taichimaru151/)。 このココログの「猫の欠伸研究室」には、2018年1月以降の記事を残し、2017年12月以前の記事は削除しました(2018年1月1日から2023年9月30日までの記事は、両方にあります)。

レンズを通した自然観察

  • この「レンズを通した自然観察」ということばは、恩師のお一人が、私の趣味を形容しておっしゃったものです。2023年2月7日のブログに書きましたが、実はときどき思い出していることばです。お世話になった先生方はたくさんいらっしゃいますが、この恩師は、就職のことから学位論文の執筆、審査に至るまで本当にお世話になった先生です。「写真の撮り方を指南してもらいたい」ともおっしゃったのですが、これはお世辞と理解しています。私はほぼ隠居状態となって10年以上になりますが、今、改めてこのことばをかみしめています。この先生には結婚式の際に「理論と臨床をつなぐ仕事をするように」ということばをいただきました。体調を崩してそれには十分に応えられませんでしたので、せめてこの「レンズを通した自然観察」については、極めるとまでは行かないにしても、もう少し精進したいと考えています。

ブログ名の由来

  • ブログ名の「猫の欠伸研究室」は、中日新聞の夕刊に連載されている「紙つぶて」というコラム(平成22(2010)年1月13日)に、元新党さきがけ代表の武村正義さんが書いていらっしゃった「人生は猫の欠伸である」というコラムによります。武村さんは、“チベットで鳥葬を取り仕切る僧侶が、「人の生涯は猫の欠伸のようなもの」と語った”と書いていらっしゃいます。「猫の欠伸のようなもの研究室」としたかったのですが、ちょっと間延びしますので、「猫の欠伸研究室」とした次第です。「研究室」とつけたのは、過去、大学に勤めていたことがあるということやら、知らないこと、分からないことがあると何でも調べずにはいられない性分であること、屁理屈、講釈が大好きであることからであります。しかし、「人生の研究をしている」のではありません。「大所高所」からのご高説を開陳できるほどの力量はないが故、「小所低所」からの戯れ言をつぶやくのが精一杯(苦笑)。身の程に合わせ、勝手なことを書き綴っていますので、御用とお急ぎでない皆様には、今後ともご交誼のほど、お願いいたします。是非ともコメントを頂戴し、少しでも世間を広げたいと熱望しております。

モットー

  • 座右の銘というほど立派なものはありませんが、過去に体調を崩し、療養生活を送った経験から、私なりのモットーをつくっています。その一つは、「淡々と飽きもせず……」です。自分では、「……」と余韻を残しているところが気に入っています。こだわりすぎや、やり過ぎはよくありません。若い頃はムキになってやったこともありますが、今はこのように「淡々と飽きもせず……」が自分に合っていると思っています。もう一つは「晴耕雨読」ならぬ「晴歩雨読」です。マンション暮らし故、耕すところはありません。代わりに歩いています。そして、最近(令和3(2021)年に入った頃から)追加したのが、「散歩生活、ときどき仕事」。NHKのテレビ番組に「晴れ、ときどきファーム!」というものがあります。これのもじり。浅学非才の身ですので、ご交誼の上、いろいろとご教示をお願いします。

2023年10月 1日 (日)

木曽川でマガモとヒドリガモ

Dsc07388c_20231001141201  10月に入りました。予報では雨のち晴れでしたが、今のところ、曇りときどき雨という天気。これまでのところ、最高気温は25.2℃で、一気に涼しくなっています。朝早くも、どんより曇っていたのですが、エイヤッとプチ遠征へ。降られるのは覚悟で、行き先は木曽川、長良川河口堰、九華公園と最近の定番スポット。現地で歩いたのは、合計5㎞。冒頭の写真は、国道23号線木曽川大橋。

Dsc07392c Dsc07400c  その木曽川へ6時55分に着いて、びっくり。今日も満潮。しかも水制が隠れるくらいの水量。四日市港潮汐表では、6時53分が満潮。途中、小雨も降り、またもや失敗したかと思ったのですが、せっかく来たのですから、いつも通りここから上流方向へ水制3つ分を見て回りました。最初の水制には、アオサギ。

Dsc07460c_20231001141201 Dsc07470c_20231001141201  2つめの水制にある照明灯にトビとカラス(たぶんハシボソガラス)。この2羽、このあと同時に飛び立って、牽制し合っていました。ここにもアオサギさん。右岸の堤防にいたのですが、ここへ移動しました。

Dsc07505c_20231001143001 Dsc07526c  3つめの水制には、遠目にもカモたちがたくさん見えました。これは期待できそうです。カモのほとんどは、前回同様、カルガモでしたが、別の種類も混じっていました。

Dsc07883c_20231001141301 Dsc07875c  確認できたのは、マガモとヒドリガモの2種類でした。左の写真は、マガモ。右のそれは、ヒドリガモ。先週、ブロ友のひらいさんが「ウェルカモ」と書いておられました(2023.09.23~24 お散歩週報)が、私も確認できました。

Dsc07906c Dsc07914c_20231001141201  ほかにここ3つめの水制では、アオサギ。カルガモがそばで休んでいます。ダイサギも水制の中程にいました。

Dsc07921c Dsc08014c_20231001141101  もう1種類、コサギ。こちらも、カルガモに囲まれています。さらに、車を止めたところに戻る途中、イソシギ。2羽を見たのですが、このイソシギさんは逃げずにいたので、割と近くで撮ることができました。

Dsc08056c Dsc08107c_20231001141101  続いて、長良川河口堰へ。7時半到着。Yahoo!天気をチェックすると、「8時から雨」とあり、急いで西側まで管理橋を往復。東側には、サギはいませんでした。管理橋で、イソヒヨドリのメスと、ハクセキレイ。

Dsc08153c  西側では、閘門の下流側にアオサギ9羽、ダイサギ1羽、コサギ1羽が見えたものの、皆遠くにいます。このアオサギは、閘門の上流側にやって来たもの。空が暗くなってきましたので、今日は親水広場へは行っていません。東へ戻る途中から雨が落ちてきてしまいました。

Dsc08245c Dsc08207c  しかし、伊勢大橋を渡っている途中からはほとんど止んできましたので、九華公園へ。8時過ぎで、雨はほとんど降っていませんでしたが、今日もまた鳥はいません。きちんと見たのは、アオサギとハシビロガモのオスのみ。ほかには、少数のスズメ、カラスと、それなりの数のドバトだけ。散歩友達も、帰りがけに前管理人のOさんに会ったくらい。

Dsc08270c  今日は、美濃街道ウォーキングオプショナルツアーとして、行基寺ウォーキングのつもりでしたが、都合により延期しています。そのほか、今週は明日午後に市民大学郷土史学科の講義があります。先月のまとめが完了していません(苦笑)。水曜は、非常勤の講義、2回目。写真は、九華公園の外周遊歩道の南あたり。ソメイヨシノの葉はかなり色が変わってきていて、葉もすでにたくさん落ちてきています。

2023年9月30日 (土)

シロバナヒガンバナ

Dsc07380c_20230930130001  朝は20.5℃と涼しかったのですが、日中は今日も真夏日(13時現在、最高気温は30.1℃)。昨日午後、新型コロナのワクチンの第7回目の接種をしてもらってきましたが、今のところ、副反応はこれまでと同じく、接種部位の痛みのみです。家族からは、いい年だから、今日は散歩も控えめにといわれ、7時から住吉神社、九華公園、歴史を語る公園、宮通、油町、南魚町、田町、船場町と歩いて8時半過ぎに帰宅。控えたつもりが、距離は5.6㎞ほど(苦笑)。時間は控えられましたが……。

Dsc06944c Dsc06985c_20230930130101  住吉神社前から揖斐川の下流方向を眺めたら、川口水門の下流側にアオサギとダイサギが見えました。七里の渡し跡のところです。水門の上流側のところまで行ったところ、アオサギのみが近くで見られました。

Dsc07061c_20230930130101  三之丸公園からモズのけたたましい鳴き声。西側のソメイヨシノの木のてっぺんで鳴いていました。いわゆる「高鳴き」で、縄張り宣言をしているのでしょう。モズも割と近くで見られ、幸先がいい。

Dsc07100c Dsc07126c_20230930130101  九華公園には7時半に到着。モズを見て上機嫌になったのですが、結局、ガッカリ(苦笑)。サギの仲間はいませんし、スズメ、ムクドリなどもほとんどいません。奥平屋敷跡では、ハシブトガラスと、ヒヨドリ。

Dsc07163c  ハシビロガモのオスは、今日も辰巳櫓跡と神戸櫓跡の間の松の木のところにいます。このあと、九華公園の外周遊歩道の東でメジロの鳴き声を聞いたものの、姿は見られず。バードウォッチングは、これまで。

Dsc07250c_20230930130101  田町から船場町の間、春日町近くでシロバナヒガンバナがようやく咲いてきていました。今日のところは、2ヶ所に1本ずつ。

Dsc07284c_20230930130101  あまり成果がありませんでしたので、諸戸氏庭園前に戻ってきて、ヒガンバナ。ここ2~3日の間に桜並木のところにたくさん出て来ました。

Dsc07357c_20230930130101 Dsc07290c_20230930131501  あまり工夫がありませんが、上から、下から撮ってみました。バリエーションをつけるのは、なかなか難しい。ワクチンの副反応がこのまま、たいしたことがなければ、明日はプチ遠征と行きたいところです。

2023年9月29日 (金)

20230929中秋の名月

230929182037333c  今日は、中秋の名月。旧暦8月15日の夜に見える月が、中秋の名月です。また、今年の中秋の名月は満月と同じ日ですが、実は、中秋の名月と満月の日付がずれることは、しばしば起こるのだそうです。例えば、来年・2024年は、中秋の名月が9月17日、満月が9月18日と日付がずれます。17時半過ぎに空を見上げたら薄い雲がかかっていたのですが、18時15分頃、再度見たら、東の空に月が昇ってきていました。

Dsc06891c_20230929183501 Dsc06890c_20230929183501  今回も、ソニーDSCーRX10M4を使い、f/8、SS1/125秒、ISO感度250、オートホワイトバランス、600mmズームです。左の写真は、この条件で撮って、トリミングをしています。右の写真は、ノートリミング。冒頭の写真は、スマホ写真(SHARP aquos sense7)。AIを指定して、倍率1倍で撮影。

今日も平穏というか、鳥はおらず

Dsc06884c_20230929135901  今日も真夏日になっていますが(33.2℃)、空気が変わったようで、昨日のような蒸した感じはありません。今朝も家事を済ませ、8時15分から散歩へ。住吉神社、九華公園、内堀公園、紺屋町、新築公園、常盤町、常信寺、御坊さんと5.5㎞。結論的には、今日も鳥はいませんでした(爆)。

Dsc06667c_20230929135901  住吉神社から見る揖斐長良川の中州には、光ってよく分かりませんが、アオサギかダイサギが1羽。ここで久しぶりに出会った、新しい知人としばしおしゃべり。

Dsc06822c_20230929135901  ずっとこれという鳥はいません。九華公園は、今日も静かで、スズメ、ムクドリ、ドバトもほとんどいません。ヒヨドリは20~30羽くらいの集団が見えました。奥平屋敷跡でもしばらく待ったものの、鳥小屋のインコの鳴き声がよく聞こえるのみ。しばらく見ませんでしたが、ダイサギが吉之丸堀に来ていました。

Dsc06802c_20230929135901 Dsc06839c_20230929135901  ハシビロガモのオスは、今日もまた、辰巳櫓跡と神戸櫓跡の間の松の木のところで身繕い中。外周遊歩道の東を歩いていたら、カワウが魚をゲットしていました。ギマという魚ではないかと思います。

Dsc06746c_20230929135901  今日はこのあと、新型コロナのワクチン接種を予約しています。7回目です。もういいかなぁという気もしたのですが、コロナもインフルもけっこう流行しているといいますので、念のためということです。ヒガンバナは、鎮国守国神社の境内にて。

2023年9月28日 (木)

今日は(も?)、野鳥の少ない日……桑名では史上もっとも遅い猛暑日

Dsc06635c  真夏のように暑くなるという予報でしたが、その通り、最高気温は35.3℃にもなりました。午後からは、久しぶりにエアコンの世話になっています。今朝は、家事を済ませ、8時15分から散歩へ。住吉神社、九華公園、内堀南公園、外堀、京町、南魚町、田町、船場町と6.2㎞。かなり汗を掻きました。ちなみに、今日の35.3℃は、桑名だけではなく東海3県で、史上もっとも遅い猛暑日だったそうです(こちら)。また、この35.3度は、全国4位だったとか。

Dsc06436c_20230928152601  住吉神社から見える、揖斐長良川の中州。例の木のところにアオサギが3羽にカワウが1羽いました。アオサギの内1羽は、木の上にいます。

Dsc06480c_20230928152601  九華公園には8時半過ぎに到着したのですが、割と静かです。コゲラの鳴き声は聞こえたものの、スズメやドバトも少ないのです。ムクドリはほとんど見ません。アオサギは、九華橋のすぐ近くの樹上にいました。ここがほぼ定位置です。

Dsc06507c  管理事務所南の花菖蒲園の西側にダイサギが来ていました。Yさんに伺うと、ここに来る前には野球場のフェンスの上にいたそうです。しばらく時間をおいてみたら、すでにいなくなっていました。魚が捕れなかったのでしょうか。

Dsc06548c Dsc06595c_20230928152601  奥平屋敷跡では、YさんとOさんが木を見上げておられました。メジロがいるということで探して撮った写真。他にはカワラヒワの鳴き声がしたものの、姿は見えません。去年の今頃のブログ記事を見ると、野鳥は、日によってたくさん来たり、ほとんどいなかったりでした。今年も同じ傾向です。また、明日ということです(微笑)。ハシビロガモのオスは、二の丸堀から吉之丸堀へとかなり広い範囲を泳ぎ回ったあと、辰巳櫓跡と神戸櫓跡の間の松の木のところに来て身繕いをしています。

Dsc06411c_20230928152601  帰り道、田町から船場町あたりの道沿いでシロバナヒガンバナを探したのですが、見つかりません。このヒガンバナは、諸戸氏庭園の前の桜並木のところのものです。昨日の第1回授業の補足説明(通称、Q&A)は、昼過ぎに完成。一眠りしてから、チェックして仕上げ、すでにメールで助手の先生に送り、印刷をお願いしました。

2023年9月27日 (水)

後期の講義が始まりました

230927093044019c230927121646793c  9月27日、今日から江戸橋での後期の講義が始まりました。全15回+試験1回の合計16回です。朝は涼しかったのですが、桑名での最高気温は32.0℃。蒸し暑くなるという予報通り、駅から歩いて往復すると多少汗ばみました。朝は、前期と同じく桑名駅を8時40分に出る五十鈴川行き急行で出勤。これで行くと、授業開始ほぼ1時間前に着きます。着いてから授業までゆっくりしたいので、早めに行くのです。

230927102340763c たまには教室風景を。大教室を割り当ててもらったのですが、今日の出席者は30名を下回っていました。一昨年までは50数名でしたが、去年は40名台半ば。逓減傾向にありますが、その理由は定かではありません。少人数の方が、学生達の様子にも目が届きますから、私としては別に少なくても構いません。給料も同じですし……。

230927135431363c 230927190402497c  帰りは江戸橋駅12時19分発の名古屋行き急行。四日市駅で途中下車して近鉄百貨店四日市店に立ち寄り。9月13日から恵那寿や栗きんとんを売っているのです。今の時期、わが家の恒例行事です。先日は、津松菱百貨店で川上屋さんの栗きんとんを買ってきてもらったのですが、わが家の好みは寿やさんの方なのです。ついでに地下1階にある丸善にも行って、文庫本も1冊ゲットしてきました。

230927135443609c  四日市駅からは13時10分発の名古屋行き急行で、桑名には13時22分着。来週からの通勤用回数券カードを買い、さらに切符売り場で三重県総合博物館の「第35回企画展 鳥のひみつ調べ隊! みて・きいて・ふれて」の前売り券も買ってきました。当日¥800のところ、2割引の¥640。2割引はかなり大きい(微笑)。

230927134343150c  14時前に帰宅し、昼食。その後は、出欠チェックと、今日実施した質問紙の結果を集計。さらにエクセルで出欠などの集約表を作成しています。後期もまた、質問や感想について補足説明をつくりますが、それはこれから取りかかります。幸い受講者数が少ないので、さほど時間はかからない見込み。フヨウの花は桑名駅から帰宅途中のあるお宅にて。

2023年9月26日 (火)

今日はメジロとカワラヒワくらい

Dsc06405c  朝の天気予報の通り、昼前くらいから少し蒸し暑くなっています。気温は、昨日と同じくらいですが、今日は30.5℃と真夏日。いったん涼しくなってからまた蒸し暑いと、調子が狂います。今朝も、7時10分から散歩へ。住吉神社、九華公園、貝塚公園、内堀南公園、外堀、京町から、少しコースを変えて、南魚町、田町、船場町、七里の渡し公園と6.3㎞。今日は、野鳥があまりおらず、残念。

230926072623598c  七里の渡し跡。ここにモズがいたのですが、その前にハクセキレイを撮影していたら、カメラに不具合が生じてしまい、モズは撮れず。その不具合は、SDカードの管理ファイルに異常が起き、修復を余儀なくされたのです。15分ほどかかり、回復。ごくたまにこの管理ファイル異常があります。ちなみに、七里の渡し跡、昨日、造園業者さんが入って、雑草などを刈ってきれいになりました。

Dsc06133c_20230926155101 Dsc06315c  九華公園も、昨日とは打って変わって静かでした。奥平屋敷跡に着いたときは、ドバト天国。30羽以上集まっていました。ハシボソガラス、ムクドリ、ハクセキレイもやって来ましたが、長くはいません。しばらくいて、写真が撮れたのは、メジロとカワラヒワ。

Dsc06119c Dsc06356c  それにステージの裏にいたカワウ。1時間以上、ウロウロして鳥を待ったのですが、スズメも来ませんでした。昨日が恵まれすぎた反動かも知れません。ハシビロガモのオスは、今日もまた辰巳櫓跡と神戸櫓跡の間の松の木のところにいます。翼は羽が抜けたようになっていましたが、生え替わりで、新しくきれいな羽が生えてきていました。このあとは、鳥はほとんど見ずに帰宅(苦笑)。

Dsc06056c_20230926155101 Dsc06398c  ヒガンバナでまた少し遊んでみました。とはいえ、なかなか変わったパターンは難しい。左の写真は鎮国守国神社の境内にて、右は、田町を過ぎたあたり。このあたりには、去年、シロバナヒガンバナが咲きましたので、探したのですが、見つけられませんでした。

230926055639544c  明日は、江戸橋での後期の講義がスタートします。毎年、後期の授業の方が受講者が多い傾向にあります。去年は40名台半ばでしたが、それまでは55名前後。さて、今回はいかに? アサガオは、まだ咲きます。今朝はこの1輪。ちょっとしょぼいのですが、明日はまた3つつぼみがあります。

【付記】 今日は、伊勢湾台風が襲来した日です。昭和34(1959)年のことでした。どういう風か、今年はマスコミではあまり取り上げられていないような印象があります。当時4歳だった私には断片的な記憶しかありませんが、夜になって急に暴風雨が強くなり、とても怖かった記憶があります。この経験があるためか、今でも台風接近となると、気になります。GDP比被害額は阪神・淡路大震災の数倍、関東大震災に匹敵するといいます。人的・経済的被害の規模の大きさからは、明治維新以後で最大級の自然災害の一つとされます。寺田寅彦のことばに「天災は忘れた頃にやってくる」というものがありますが、油断しないことが肝心なのでしょう。

2023年9月25日 (月)

カワセミにかなり接近……コサメビタキもいます

Dsc05988c  今日も昨日と同じような陽気で過ごしやすくなっています。朝は20.7℃、最高気温は29.6℃。湿気が少ないのでさわやか。7時から、いつもとは逆回りで散歩へ。寺町、京町、吉津屋町、外堀、内堀南公園、貝塚公園、九華公園、住吉神社と回ってきました。その後、先日の特定健診のときにお願いした大腸ガン検診の検体(要するに検便ですが……)を内科に持参、さらに駅前で用事を1つ。歩いたのは、合計で7.7㎞。

Dsc05410c_20230925145201  今日も九華公園までに見た野鳥は、スズメくらい。それもあって、こちらから。カワセミのオス。九華公園の鎮国守国神社の社務所裏のあたりで。カワセミの鳴き声がしましたから、辺りを見回して見つけ、木の陰を伝ってそばへ。たぶん10m前後のところにまで行けました。この写真を撮っているときには、肉眼では気づきませんでしたが、小魚をくわえていました。

Dsc05519c Dsc05601c  その後、もう少し近い木の陰に移動。幸い気づかれませんでした。左の写真を撮った後、ダイビング。ダイブしたところは陰になって見えませんでしたが、エビをくわえて同じところに戻ってきてくれました。ラッキーです。これほど近くでカワセミを見たのは、1年ぶりでしょう(2022年9月15日:九華公園で目の前にカワセミ!!)。

Dsc05304c  もう1つは、コサメビタキ。カワセミに遭遇する前、奥平屋敷跡にて。最近見ていたところでは、たいてい同じ辺りにまずは登場します。その後、奥平屋敷跡を時計回りに移動していくことが多いように思います。もうしばらくはいて欲しいと思っています。

Dsc04975c_20230925145301  さて、話を戻して。ハシビロガモのオスは、今日も辰巳櫓跡と神戸櫓跡の間の松の木のところで身繕い中でした。もう1ヶ月から1ヶ月半もすると、仲間達が渡ってくると思います。ブロ友のひらいさんは、昨日、木曽川でカモが渡ってきているのを確認しておられます(2023.09.23~24 お散歩週報)。私も昨日、同じ辺りにいったのですが、もう少し後の時間だったようです。

Dsc05072c_20230925145301Dsc05329c 奥平屋敷跡では、今日は、いろいろとやって来ました。見た順に列挙しますと、ドバト、ハシボソガラス、ハシブトガラス(左の写真)、ハクセキレイ、カワラヒワ(右の写真)、ヒヨドリ、シジュウカラ、ムクドリ、メジロ、コサメビタキ、コゲラ(鳴き声のみ)でした。

Dsc05385c_20230925145301  辰巳櫓跡に近いしだれ桜にハクセキレイ。虫のようなものを捕まえてきて、ここで食べていました。今日は、カワセミ、コサメビタキをはじめ、いろいろと野鳥が見られ、ニコニコでした。これからさらに増えてくると思います。

Dsc05927c Dsc05909c_20230925145101  帰宅途中、川口水門のところや、揖斐長良川の中州にも遠くですが、アオサギが見えました。右の中州の写真では3羽が写っています。

Dsc05003c Dsc04942c_20230925145301  ところで、鎮国守国神社の境内では、今日もまたヒガンバナを撮影。あまり代わり映えしません。何か別パターンを考えないと行けません。柿は、九華公園の外周遊歩道の南にあるお宅にて。かなり色づいてきています。

2023年9月24日 (日)

木曽川でモズのオス

Dsc04896c 今朝は20℃を切って寒く感じるくらいでした。日中も、29.6℃でようやく真夏日から抜けました。昨日行けませんでしたので、今日はプチ遠征へ。木曽川、長良川河口堰、九華公園と3ヶ所。朝6時半前に出発、9時過ぎに帰宅。歩いたのは、5.9㎞。結論としては、涼しくて散歩日和でしたが、どこも鳥は少なくて、ちょっと期待はずれ。

Dsc04149c Dsc04168c_20230924154601  まずは、木曽川。国道23号線の木曽川大橋のすぐ上流。今日は、干潮でした(四日市港で6時42分。やはり調べてから行かないといけません)。水制のところは干潟のようになっていました。上流側1つめの水制と2つめの間にカルガモが16羽。ほかの種類のカモは近くには見当たりません。

Dsc04220c_20230924154601 Dsc04268c  アオサギを合計3羽見たのですが、皆、逃げ足の速いこと。私は遠くにいるのすぐ逃げます。ほかに木曽川にいたのは、ダイサギ1羽、ハクセキレイ1羽のみ。クルマに戻ってきたら、電線にモズのオスがいました。

Dsc04605c Dsc04336c_20230924154601  続いて、長良川河口堰には7時に到着。東側の魚道にいたのは、アオサギさんのみ。堰の下流側のところ。このアオサギは、管理橋から覗き込んでも、逃げることはありません。上流側、水資源公団の巡視用モーターボートが係留しているあたりにコサギとダイサギが1羽ずつ見えていました。

Dsc04390c Dsc04447c_20230924154701  堰の西側に着いて、下流方向、中州の切れ目にあるオレンジの柱にはミサゴが見えました。ただし、いかにも遠い。左足で獲物を押さえて、食べているようでした。この柱は、管理橋からは200mあまり先にあります。閘門の上流側の通路には、アオサギ。これもかなり接近できました。

Dsc04507c  親水広場に行く途中、上流の魚道でダイサギ。このあたりでイソシギや、ハクセキレイが飛ぶのが見え、また、カワセミらしき鳴き声を聞いたのですが、カワセミは見つけられず。親水広場では、今日見られたのは、ヒヨドリのみ。

Dsc04655c  7時50分に九華公園。ここも静かで、苦笑せざるを得ません。管理事務所近くでカワラヒワを見たものの、奥平屋敷ではドバト集団以外に何も来ず。二の丸跡、朝日丸跡でも同様。鳥たちも、涼しくなってどこかに行楽に行ったのか? とつまらない冗談が浮かぶくらい。

Dsc04677c_20230924154601 Dsc04720c_20230924154501  ハシビロガモのオスは、今日も辰巳櫓跡と神戸櫓跡の間の松の木のところ。最近は、ここがお気に入り。公園の外周遊歩道を歩いてた、アオサギが南東方向から飛んできたのですが、九華公園は通過し、揖斐川の方へ行ってしまいました。ということで、3ヶ所を回った割に、モズに出会ったくらいで、ちょっと残念な結果。

Dsc04795c  鎮国守国神社の境内では、ヒガンバナがよく咲いてきています。あちこちのヒガンバナの名所でもイベントが行われているようですが、私にはここで十分。今日は、アゲハが来ているシーンです。

Dsc04788c  ところで、早くも9月最終週を迎えます。水曜日からはいよいよ江戸橋での後期の講義が始まります。夏休み気分は、返上せねばなりません。授業の準備はかなりしてあります。金曜午後は、コロナワクチン接種7回目の予約が入れてあります。次の日曜は、美濃街道ウォーキングオプショナルツアーその2で、行基寺に行くつもり。養老鉄道美濃山崎駅から往復します。養老の滝ほどではありませんが、120mほどの高低差があります。

Dsc04629c_20230924172301  余談。鈴鹿で開催されているF1、決勝の今日13時20分から13時40分までブルーインパルスの展示飛行があるのを知りました。小牧基地から飛来するというので、ひょっとしたらわが家からも鈴鹿へ往復するのが見えるかと期待して、出発予定という13時前からと、展示飛行終了の13時40分からチェックしていました。往きの時間帯は北東の空、帰りの時間帯は南東の空を見ていたものの、結局、見つけられずじまい。いきなり、準備もなしではうまく行かないものです。ネットで見ると、四日市の方が「小さく見えた」と動画をアップロードしていましたが、私はサッパリ。こちらに今日の展示飛行の情報があります。アオサギは、長良川河口堰にて。

2023年9月23日 (土)

今シーズン初のモズ……コサメビタキも愛想よし

Dsc04108c_20230923143801 Dsc03353c_20230923143901  一気に秋らしくなりました。今朝の最低気温は、22.5℃。さすがに涼しく感じます。日中は32.0℃になっていますが、この間までのように暑いとはあまり感じないで済みます。プチ遠征をしようと思っていたのですが、珍しく朝寝坊。それ故、7時から、いつものコースへ。ただし、逆回りで寺町、京町、吉津屋町、外堀、内堀南公園、貝塚公園、九華公園、住吉神社と6.3㎞。いったん戻ってから、三洋堂書店桑名店と桑名市博物館へ。寺町では、今日がお彼岸の中日ですから、また御坊さんへお参り。

Dsc03382c_20230923143901  九華公園まで、これという鳥には会いませんでした。今日は、逆回りですので、立教小学校の体育館のところから入りました。外周遊歩道には鳥はおらず、「失敗したか!? やはりプチ遠征に行った方がよかったか」と思ったのですが、ここまで来ていては、今さらどうしようもありません。吉之丸堀をハシビロガモのオスが泳いでいました。最近、早い時間帯はあちこち泳ぎ回っています。

Dsc03678c_20230923143801  奥平屋敷跡では、今日はコサメビタキ・デーでした。実によく姿を見せてくれたのです。2羽いるという情報もあります。散歩友達のYさんが、二の丸跡で、2羽同時に見たそうです。

Dsc03540c Dsc03608c  さらにシジュウカラ。奥平屋敷跡に来たのは1羽のみでしたが、管理事務所近くでは数羽を見ました。奥平屋敷跡では、以前、コゲラが営巣しかけた穴が気になったのか、しばらく覗いたり、調べていました。シジュウカラは、コゲラの使った巣穴に営巣することもあります。

Dsc03896c_20230923143801 Dsc03941c_20230923143801  奥平屋敷跡には、ヒヨドリや、カワラヒワもやって来ています。写真は撮れませんでしたが、メジロも数羽が来ていました。だんだんと野鳥が戻りつつあることが実感できました。

Dsc03971c Dsc04031c_20230923143801  さて、次へ行こうと思ったら、南東の方からダイサギが飛んでくるのが見えました。ダイサギは、いったん鎮国守国神社の社務所裏の堀に降りたのですが、また北の方へ飛んで行ってしまいました。が、このあと行った柿安コミュニティパーク西の堀にいました。

Dsc04056c  ここでダイサギを撮影していたら、頭上からモズの鳴き声が聞こえてきました。なかなか見つけられなかったのですが、三之丸公園の南を通っている電線にいるのが見えました。ちょっと遠くて、証拠写真ではありますが、今シーズン、初モズです。去年は、9月27日に初めて見ています(2022年9月27日:やっとモズがやって来ました)ので、今年はやや早め。

Dsc04098c  住吉神社から揖斐長良川の中州を見たら、いつものところに今日はアオサギが3羽。いい感じです。もっと増えてほしいと思っています。

230923104849446c 230923111106028c  ところで、初めに書きましたように、帰宅してから三洋堂書店桑名店と桑名市博物館へ。三洋堂ではパソコン雑誌1冊、文庫本1冊を買ってきました。アピタ桑名店の新光堂書店が閉店してしまい、不便です。桑名市博物館では、10月15日まで秋期企画展「絵の心はさらなり —額装で見る絵画―」が開催されています。絵を見るのに額装について知ると更に絵を見直せます、という意味を込めた展示です。額に入れて飾られる絵画や書などを「額装」、床の間などに飾られて巻いてしまっておける書画を「軸装」と言いますが、「装」という文字には「よそおう」「かざる」の意味があり、これは、書画が描かれている「本紙」を飾るという意図があるということです。日本画も洋画もフレームごと楽しめるのだそうです。お客さんは少なく、ゆっくりと見てこられました。

230923110744677c  こちらは、毎回の展覧会で1枚のみある、写真撮影可のもの。「短刀 銘 村正」です。刃長20.3cm、反り0cm。村正についてはもはや説明の要はありませんが、15~16世紀にかけ数代、桑名で活躍した刀工です。この短刀には、「平造、庵棟。ふくら枯れた鋭い姿に、茎は魚のお腹に似ているたなご腹。地鉄はやや荒れた柾目肌で白けが見受けられる。刃文は互の目乱れ」という説明がついていました。

Dsc03395c  これから夜は、マンションの管理組合の理事会にオブザーバーで参加する予定。前理事長として、今期理事会に引き継いだ課題はほぼすべて解決していただきましたので、気がかなり楽になりました。これからの最大の課題は、長期修繕。数年後に予定していますが、何をどれだけ修繕するのかが重要なポイントです。建築資材などもかなり高騰していますし、人材も不足しているそうですから、見通しはよくありません。修繕積立金も、先を見込んで値上げする方向で検討されています。難しい時代です。ヒガンバナは、鎮国守国神社の境内にて。

«相も変わらず(苦笑)

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    今さら、なぜこういう統計ソフトの本を読むのか? と訝られると思うのですが、その昔、現役の頃には統計パッケージソフトIBM SPSSを使ってデータを分析して論文を書いていました。ただ、SPSSを始め、統計パッケージソフトは、値段がバカ高いのです。退職する前からこのRというフリーの統計処理ソフトが出て来て、ずっと興味を持っていました。先日、文庫本を買おうと思って本屋に行ったらこの本を見つけてしまいました(微笑)。今さらこれを使ってバリバリやる訳ではありません。むしろボケ防止かも知れませんが、昔のデータはそのままパソコンにありますから、これを使って、昔はやらなかった分析をしてみようと思っています。何か成果が出るかどうかは極めてアヤシいのですが、まぁゆるりといろいろやってみることにします。 (★★★★)

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    林(高木)朗子, 加藤忠史, 林(高木)朗子, 加藤忠史: 「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか (ブルーバックス)
    たまにはこういう本も読まないと、認知機能が退化するかもしれないと思って(微苦笑)。というよりも、もともと神経心理学に興味がありましたので、本屋の店頭で見つけ、これは面白そうだと思って購入しました。うつ、自閉スペクトラム障害、ADHD、統合失調症、双極性障害など、現代人を悩ませる心の病について、脳にどのような変化が起きているか、最新の知見がまとめられています。最前線の研究者たちがわかりやすく説明しているのですが、知識ゼロで読むのはかなりキツいかも知れません。私は現役をリタイアして10年以上になりますが、その間にこれほど研究が進んだのかというのが正直な感想。心の病の原因は、1つとは限りません。心の病は「症候群」と見た方がよいと考えます。私自身が関わる自閉スペクトラム障害、ADHDなどの発達障害でもそうです。脳機能と心の病との関連について最新の知見を知りたい方にはおすすめ。 (★★★★)

  • 磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)

    磯田 道史: 徳川家康 弱者の戦略 (文春新書)
    本の帯に「大河より面白い!」とありますが、本当にそうでした。午前中の散歩のついでに買ってきて、夕食までに一気に読み終えてしまいました。もったいない気がするくらい。松平元康がいかにして徳川家康になったか、さらに徳川将軍家がいかに続くよう礎を築いたかが、よく分かりますし、戦国時代から徳川幕府創世記までの歴史を見る目が養われる本です。それというのも、著者の磯田さんが古文書の権威で、一次史料を読みこなすだけでなく、場合によっては価値が怪しい資料まで傍証に用いて(怪しい資料でも使い道があるというのも良く分かりました)、ご自身の頭で考えた結果を実に分かりやすく解いてくれてあります。徳川家康の弱者の戦略のキーワードは、「武威」と「信頼」ということです。また、情報の取得、解読にも意を尽くしたことがよく分かります。混迷を深める世界情勢を読み解いて、我が国が進む方向を考える上でも役に立つ一冊。 (★★★★★)

  • 井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)

    井手 正和: 発達障害の人には世界がどう見えるのか (SB新書)
    発達障害、とくに自閉スペクトラム症(ASD)の方では、感覚過敏や感覚鈍磨をよく伴います。「照明で目がチカチカする」「皆が話している教室では。音が鳴り響き絶えられない」「ケガをしてるのに、痛みを感じない」などさまざまな状況を呈します。著者は実験心理学や、認知神経科学を専門とし、ASDの方に見られる感覚過敏、感覚鈍磨は、脳機能の特性から来ていることを明らかにしてきています。ASDなど発達障害のあるご本人はもちろん、親御さん、教師など関わりを持つ方々は、このことをよく理解して支援にあたることがとても重要です。ASDを始めとして発達障害について、「わがまま」「自分勝手」「やる気がない」などと捉えてしまうと、支援どころか、理解もできなくなります。脳の働きによってさまざまなことが生じてきているという視点が必要不可欠です。この本は、感覚過敏・感覚鈍磨を手がかりにそういう視点について理解を深められます。 (★★★★)

  • 日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)

    日本放送協会,NHK出版: NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト)
    2022年12月のNHKのEテレ「100分de名著 中井久夫スペシャル」のテキストです。今頃(2023年2月)これをリストアップしているのはどうかという気もしますが、録っておいたビデオをみたのが最近なのです。中井久夫さんは、2022年8月にお亡くりになりましたが、日本を代表する精神科医のお一人であり、翻訳家、文筆家としても一流でした。現役の頃、中井さんの本はたくさん読みました。臨床心理学の分野でも「風景構成法」を導入した方として知られています。Eテレの講師である齋藤環さんは、中井さんを評して「義と歓待と箴言知の人」と書いておられますが、まさにそういう気がします。『最終講義』『分裂病と人類』『治療文化論』『「昭和」を送る』『戦争と平和 ある観察』が紹介されています。現在もウクライナで戦争が続いていますが、中井は「戦争は過程、平和は状態」とし、戦争は物語として語りやすく、とにかくかっこよくて美しい、それが問題だといいます。一方、平和は分かりにくく、見えにくいため、心に訴える力が弱いとします。「状態を維持する努力はみえにくい」のですが、戦争と平和に限りません。普段通りの日常生活を維持していくのも同じような気がします。戦争を経験していない人間が指導者層の多くを占めるようになると戦争に対する心理的抵抗が低くなるともいいます。「戦争には自己収束性がない」とも中井さんはいっています。われわれはやっかいな時代に生きていると痛感します。中井さんの本を多くの方が読むと、時代も変わるかも知れません。 (★★★★★)

  • 桑名三郎: 七里の渡しを渡った人達(久波奈工房)
    桑名と名古屋の宮を結んだ東海道唯一の海路「七里の渡し」をテーマにした歴史本です。船頭が旅人を案内しながら、七里の渡しを渡った歴史上の24人を紹介する内容。やさしい話し言葉で紹介されており、読みやすい本です。徳川家光、松尾芭蕉、明治天皇などが取り上げられています。著者は、桑名で歴史案内人をしながら、街の歴史を研究している、街道好きの方です。本は、桑名市内の書店とメルカリで¥1,200で販売。 (★★★★)
  • 磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)

    磯田 道史: 日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書 2729)
    磯田さんの本は面白い。というのも、話のもとには古文書があるからだと思う。その古文書も磯田さん自身が、古書店などで発掘してきたものがほとんどで、それ故、内容もオリジナリティが高くなる。この本は、戦国時代から幕末あたりを中心にさまざまな古文書の内容をもとに、例えば忍者の悲惨な死に方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、赤穂浪士が吉良の首で行った奇妙な儀式などなど、興味深いエピソードを浮かび上がらせている。面白いので一気読みしてしまった。 (★★★★★)

  •  佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)

    佐藤信(編): 新版 図説歴史散歩事典(山川出版社)
    史跡や、寺社、町並み、城、美術工芸品等の見方がやさしく解説されている本です。「事典」となっていますが、いわゆる辞書とは違って、普通の本のスタイルです。索引が充実していますので、事典としても十分に使えます。最初の版をもっていますが、40年ぶりに改訂され、写真、図版も多く、歴史散歩の最強の味方です。 (★★★★★)

  • 日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)

    日下部理絵: 60歳からのマンション学 (講談社+α新書)
    今年1年、何の因果か(などと書くとお叱りを受けること必至ですが)、住んでいるマンションの管理組合の理事長を仰せつかっています。今年は、エレベーターリニューアル工事が最大のイベントで、それは無事に済んだのですが、前理事長から8年後に迫った第3回大規模修繕に向けて、修繕積立金が不足する見込みと申し送られました。確かにかなりの金額が不足しそうで、頭を悩ませていました。マンションに住みながら、そもそも基本的な知識が不足しており、管理会社のフロントマンの方の協力を得ながらシミュレーションなどをしていました。ネットであれこれ調べてはいたものの、それで得られる知識は体系的なものではありませんでした。この本は、事例を元にマンション管理について必要な知識が得られるように書かれており、まだすべて読み終えてはいないものの、とても役に立っています。任期残り2ヶ月半となって付け焼き刃ではあるものの、次の理事会に具体的に課題を申し送ることができるよう勉強中(笑)。 (★★★★)

  • 宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)

    宮口 幸治: ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ (新潮新書)
    「ケーキの切れない非行少年たち」や「どうしても頑張れない人たち」の著者である宮口幸治さんの新刊です。前2著の内容をよりよく理解できるよう、「ドキュメント小説」として書かれたものです。主人公は、精神科医の六麦克彦。医局から派遣されて要鹿乃原少年院に勤務して5年。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちでした。この内容は、前の2冊のように普通の新書では書き尽くせるものではなく、物語の形を借りざるを得なかったのでしょう。ただし、普通の小説として読むのには少し苦労するかも知れません。特別支援教育が普及して、知的障害や、発達障害のある子どもへの教育や支援は、以前に比べれば改善されてはいますが、最近は、家族の養護能力が十分でなかったり、親など家族自身に支援が必要なケースもたくさんあります。こうした中には、この本で取り上げられたような結末に至ることがあっても不思議ではないという気がします。極端な事例が集められていると思われるかも知れませんが、社会全体として真剣に取り組むべき課題が突きつけられています。 (★★★★)

  • 本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)

    本田秀夫: 学校の中の発達障害 「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち (SB新書)
    本田秀夫先生によるこのSB新書の4冊目のシリーズ。今回は、発達障害のあるお子さんの学校選び、学級選び、友達関係、学習や学力の悩み、不登校など、発達障害のあるお子さんの学校生活全般にわたって、どのような考え方に基づいてサポートしたら良いかについてまとめられています。それぞれ、親と先生とが、どのように取り組むことが基本となるか、解説されています。対策よりも予防的な工夫をコミュニケーション(要求ではなく)に基づいて行う、「学校の標準」を緩める、登校や成績を気にしすぎず、社会に出るための土台作りを考える、発達の特性には寛容になる、学びを大切にするが学力にこだわりすぎない、親と先生とが気づきを伝え合い相談、調整する、子どものモチベーションを重視するなど、具体的に書かれていて、分かりやすくなっています。発達障害のあるお子さんが小中学校で充実した学習が進められるための基本的な考え方やヒントが詰まっていますので、親御さんにも、先生方にもお勧めできます。 (★★★★★)

  • 佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?

    佐々木秀斗: 小学生博士の神社図鑑 ぼくの近くにはどんな神さまがいるの?
    サンドウィッチマン&芦田愛菜ちゃんMCの「博士ちゃん」に「三国志博士ちゃん」、「日本の神様博士ちゃん」として2回出演した佐々木秀斗君の自由研究を本にしたもの。何故これをここに取り上げたかというと、私のブログに載せた立坂神社の緑色の鳥居について、写真を提供して欲しという依頼が出版社からあったのです。私が提供した写真は、本書の162ページに「提供:猫の欠伸研究室」として載っています。ざっと読みましたが、大人でも、古事記や神社についてよく知らない方が、最初に手に取って基本的なことがらを知るには、わかりやすくて良い本だと思います。 (★★★★★)

  • 森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)

    森 博嗣: 読書の価値 (NHK出版新書)
    ネットで見つけ、新刊かと思って購入したのですが、4年前の本でした(微苦笑)。 若い頃に森博嗣さんの小説をすべて読んでいました。いつの頃からか、小説は読まず、森さんのエッセイだけを読むようになっています。「読書の極意を教える」と帯にはあります。もちろんそれについて書かれているのですが、私にはある種の知的生産の技術について著者の方法を開示していると読めます。「何でも検索できる時代にも、本を読む意味がある」というのは、よく首肯できます。また、「教養とは保留できる能力をいう」というのも確かにそうだと思います。自分の問題として抱続けられ、また、考え続けられるのは、容易ではありませんから。 (★★★★★)

  • 井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)

    井川香四郎: 別子太平記 : 愛媛新居浜別子銅山物語 (文芸書)
    愛媛県新居浜市にあった別子銅山は、元禄3(1690)年、伝説の切上り長兵衛によって発見されてから、昭和48(1973)年の閉山まで、283年間にわたり、累計65万トンの銅を産出しました。これは、世界の銅の産出量の1/6にも達するといいます。巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献したのがこの別子銅山です。江戸時代には貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、そこに関わった人達を鮮やかに描いた、本当の意味での大河小説です。徳間時代小説文庫で読みました。  (★★★★)

  • 養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)

    養老孟司, 池田清彦: 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    養老孟司先生と池田清彦先生の対談であれば、外れはありません。サブタイトルのように、「はみ出し日本論」ではありません。ど真ん中の日本論といってもよい本で、楽しみながら読めます。しかし、それは、自分のアタマできちんと考えているからこそ論じられる内容だと思います。常識や、マスコミで報道されることがらだけをフォローしていては、こういう風に考えることはできません。きちんとした理論、知識、データに基づかなければなりません。さらには、物事を捉える大きな枠組み、私の世代にとっては「パラダイム」といえるものが必要。それも、確固たるパラダイムが必要です。私にとってそれはある種の理想なのですが、なかなか難しい。しかし、まぁ、年寄りになったからこそ見えるものや、年寄りなりの知恵も働くようになるということもありますから、養老・池田の「怖いものなし」コンビを1つの目安として、言うべきこともいえるようになりたいものです。 (★★★★★)

  • 土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)

    土井 善晴: 一汁一菜でよいと至るまで (新潮新書)
    先に同じく土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を挙げましたが、入手したのはこちらが先。「一汁一菜でよい」というスタイルに至るまでの土井さんの修行、出会い、発見、迷いなどなどが書かれています。「家庭料理に失敗なんて、ない」、「すべては人を幸せにする料理に繋がる」というのが基本。具だくさんの味噌汁はおかずの1つになる。余裕があれば、食べたいものや、食べさせたいものをその都度調べてつくればよい。一汁一菜を入り口にして、一つ一つおかずをつくってみて、10種類ほどでもできるようになれば、それで幸せに一生やっていける。といった話があり、へぇーと感心させられました。これだけで健康に健やかに自足できるとも述べられています。一汁一菜なら、私にもできる、でしょうか?? (★★★★★)

  • 土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)

    土井善晴: 一汁一菜でよいという提案(新潮文庫)
    著者の土井善晴先生は、私と同世代。そして、私の世代にとってはあの土井勝さんの息子というイメージが強くあります。テレビなどにもよく出ておられ、なかなか面白い視点でものを見る人だなと思っていました。この本は,出版された当時(2016年秋)から知っていたのですが、手に取ったのはごく最近。文庫本を探していたのですがなかなか遭遇しなかったのです。「一汁一菜でよい」というのは、ご飯と具だくさんの味噌汁があればよいということです。家庭料理についての提案なのですが、実は、この本はもっと奥深いことを述べています。一言で言えば、日本文化や日本人の哲学について述べる中で、食や生活、生き方などについても論じられています。解説を書いておられる養老孟司先生は、それを「自足の思想」と表現していらっしゃいます。優しい、わかりやすい本ですが、実は奥が深い。著者の端正さもよく表れています (★★★★★)

  • 奥山 景布子: 流転の中将

    奥山 景布子: 流転の中将
    幕末の桑名藩主・松平定敬を描いた歴史小説。定敬は、実の兄で会津藩主である容保とともに徳川家のために尽くそうとしたものの、最後の将軍・徳川慶喜に振り回され、裏切られてしまいます。定敬は、それでも抗おうとしたのですが、国元の家臣たちはいち早く恭順を決め、藩主の座も追われてしまいます。朝敵といわれ、越後、箱館から上海まで流浪した定敬の波乱に満ちた人生と、秘めたる思いが生き生きと書かれています。定敬については、歴史講座で学んだり、本で読んだりしてきましたが、小説家の手にかかるとこのように立体的に、活き活きと動き出すものなのだと実感します。 (★★★★★)

  • サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)

    サトウタツヤ: 臨床心理学小史 (ちくま新書)
    たまには専門のアカデミックな本も取り上げます(微笑)。本屋でみつけ、購入。この本は、同じ著者が東大出版会から昨年刊行した「臨床心理学史」で果たせなかったことを果たそうと構想されたもの。果たせなかったのは、日本の臨床心理学史に触れることと、コンパクトな歴史記述だそうです。東大出版会の本は、読んでみたい気もしますが、¥7,000もしますし、内容もハードそうです。こうして臨床心理学の歴史を俯瞰してみますと、やはり実験心理学を抜きにしては臨床心理学も語れないといえます。私個人の考えでも、臨床心理学を学び、実践するには、実験心理学を学び、実験・調査などの方法で研究をした経験が必須です。臨床心理士、公認心理師の資格に関わり、心理学を志す人は多く、また、大学でも臨床心理学部や臨床心理学科もあります。しかし、私は、自分自身の経験からもやはり、実験心理学などの基礎心理学を抜きにして、臨床心理学は成り立たないと考えますし、学生も実験心理学を含めた基礎心理学を、少なくとも学部段階ではきちんと修得した方がよいと思います。本書を読んで、その考えはいっそう強くなりました。 (★★★★★)

  • 昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ

    昭文社 旅行ガイドブック 編集部: 三重のトリセツ
    本屋に別の本を買いに行って見つけ、即買い(微苦笑)。私の好むタイプの本です。三重県の地形や地質、歴史、文化、産業などを、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント本。地図も歴史も文化も好きなのです。地図で読み解く三重の大地、三重を駆ける充実の交通網、三重の歴史を深読み!の3部構成。2017年11月にたまたまみつけたJRさわやかウォーキング「~四日市市制120周年記念~ 家族みんなで楽しめる四日市旧港街歩き」に行って以来、JRさわやか、近鉄ハイキング、勝手にハイキングで県内や近郊のあちこちに電車で行って電車で帰るハイキング/ウォーキングをしています。それによって訪ねたあちこちのことが改めてまとめられていて、とても楽しめます。各県のバージョンが出ているようです (★★★★★)

  • 磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)

    磯田道史: 歴史とは靴である (講談社文庫)
    歴史家・磯田道史さんが、鎌倉女学院高校で行った特別授業の記録と、ビリギャルの小林さやかさんなどとの対談を収めてあります。基本的には、「歴史の見方」についての本なのですが、それに留まりません。ものの見方、考え方を説いた内容です。むしろ、ものの見方、考え方を学びたい方にお勧めしたいと思うくらいです。ちなみに、タイトルは、「歴史は好きか嫌いかの嗜好品ではなく、安全に世の中を歩くためのむしろ実用品である」という意味です。これは、歴史の見方について、あまりよく理解されていないポイントと思います。講義録ですから、読みやすく、しかも大変おもしろい本です。 (★★★★★)

  • 久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)

    久住 祐一郎: 江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」 (インターナショナル新書)
    この著者の前著「三河吉田藩・お国入り道中記」で読んだ、三河吉田藩(豊橋)の参勤交代の話も大変おもしろく読めましたし、江戸時代の藩邸の様子、殿様や家臣の仕事、暮らしなどに興味があったので、読んでみました。三河吉田藩に残る「江戸日記」などの古文書から、江戸の大名屋敷がどのようなところであったか、江戸で働く武士の状況、江戸の藩邸で起きた事件のいろいろ、藩邸の奥向きの様子、さらには、明治維新後の藩邸から子爵邸への変化について、リアルな武士の暮らしのもろもろがまとまっていて、とても興味深く読めました。三河吉田藩は、現在の愛知県豊橋市にあり、松平伊豆守家が長く藩主を務めています。松平伊豆守家は、「知恵伊豆」の異名を持つ松平伊豆守信綱を初代とし、忍藩、川越藩、古河藩、吉田藩、浜松藩と国替えを繰り返した後、寛延2(1749)年から明治維新まで三河吉田を治めています。 (★★★★)

  • 安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)

    安藤 優一郎: 江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ (朝日新書)
    サブタイトルに「大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ」とあり、さらに、オビには「300年前は えっ!? 今よりもっと愉快な旅行天国」ともあります。ただし、旅行を心から楽しめたのは、庶民に限られていたようです。参詣者を増やしたい各地の寺社、温泉、宿泊業者が積極的に営業したからです。一方、武士や大名は、トラブルメーカーだったといいます。公用で旅行したり、参勤交代したりなのですが、宿泊料のダンピング、備品の破壊などなどトラブルをまき散らしながらの旅であったり、権威を笠に着たりで、あまり歓迎されなかったようです。江戸時代の旅のエピソード満載で、楽しめる本です。 (★★★★)

  • 藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック

    藤田 和弘, 熊谷 恵子, 熊上 崇, 星井 純子, 熊上 藤子: 心理検査のフィードバック
    この本は、WISC-ⅣやKABC-Ⅱなどの知能検査の結果(アセスメント情報)を「子どもの自立と社会参加」により役立つものにしていくには、どのように伝えたらよいか(フィードバック)についてまとめられています。過去には、保護者、学校の担任、子どもたち自身に知能検査の結果を伝えることはされていませんでした。しかし、現在では、苦戦している子どもたちが、自分のことを理解し、自分なりにも工夫して、学習や生活スキルを向上させ、将来の自立と社会参加につなげるために、知能検査の結果(アセスメント情報)を子どもたち自身にも伝えるようになってきています。私も、相談では、お子さんに直接、フィードバックを行い、子どもたち自身が自己理解を深め、意欲的、積極的に取り組めるようにしています。この本は、子どもと支援をつなぐ、支援者をつなぐという視点から、心理検査のフィードバックについて基礎から応用、事例を含んでその全体像を把握できる、優れたものとなっています。 (★★★★★)

  • 新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)

    新潮文庫: 文豪ナビ 藤沢周平 (新潮文庫)
    藤沢周平の作品案内、小説に見られる名言集、映像化された作品の出演者や、関係者による評伝などによって藤沢周平の作品についてすべてとはいいませんが、かなりが分かります。私は、藤沢周平の小説が好きで、たぶんほとんど読んだと思います。ただそれは、15~6年以上前のことで、リストアップもしていませんから、すべて読んだかどうかについては、不確か。こういう本を読むと、もう一度読もうかという気になります。この本では、娘の遠藤展子さんの「父にとっての家族」がもっとも興味深く読めました。また、藤沢周平の言葉で私が気に入っているのは、「普通が一番」です。ほかにも、「挨拶は基本」「いつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れない」「謝るときは素直に非を認めて潔く謝る」「派手なことは嫌い、目立つことはしない」「自慢はしない」という言葉が、遠藤さんが父から言われて心に深く残っていることばだそうです。 (★★★★)

  • 千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)

    千正康裕: 官邸は今日も間違える(新潮新書)
    新型コロナのまん延にともなって、政治的な判断や、もろもろの政策は、迷走したといってもよいと思います。突然の全国一斉休校要請、いわゆるアベノマスクの配布や、閣議決定をやり直した一律給付金など、なぜああいうドタバタになるのか、国民の信頼が得られなかったというか、失ったというのか、ずっと疑問を抱いていました。著者は、元厚生官僚で、社会保障・労働分野で仕事をし、現在はコンサルティング会社を経営。この本では、最近のコロナ禍での出来事の背景を記述する中から、官僚主導から官邸主導への変化に、政治の仕組みの変化がついて行けていないからだとしています。これに関して、政治家、官僚ともに仕事のやり方を変えることが必要であるとともに、国民の側にも良い政策をつくるためには望まれることがあるといいます。 (★★★★)

  • 嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい

    嶋田 哲郎, 森本 元: 知って楽しいカモ学講座 : カモ、ガン、ハクチョウのせかい
    「観察するのが面白くなる! ガンカモ類のひみつ」というキャッチコピーです。私がほぼ毎日散歩に行く九華公園の堀には、秋が深まるとカモたちがやってきます。キンクロハジロが最も多く、次いでハシビロガモ。他にはヒドリガモやホシハジロも数少ないものの来ています。カルガモ、カイツブリ、オオバンなども来ることがあります。これらカモやその仲間、近縁種についてもっとよく知り、観察のポイントを増やしたいと思って、この本を読んだ次第。著者は、宮城県の伊豆沼・内沼をフィールドとする専門の研究者。形態的な特徴と行動との関連性、渡り、繁殖地での暮らし、越冬地での生活など、ガン・カモ類について、ちょっと専門的な部分も多いものの、一通りの知識を得られ、また、行動観察などの方法についても知ることができました。 (★★★★)

  • 田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)

    田中優子: 遊廓と日本人 (講談社現代新書)
    「江戸学の第一人者による「遊郭入門」の決定版!」と帯に書かれていて、ついつい手に取ってしまいました。遊郭にはとても興味があります。などと書くと「好色な人物か」と思われるかも知れません(苦笑)。遊郭や遊女は、今日の人権やジェンダーの観点からすると、許されない存在です。これは間違いのないことですが、一方で、たとえば、江戸時代の吉原遊郭の花魁と呼ばれたようなハイクラスの遊女は、高い教養を持ち、芸事や生け花、茶道にも通じていました。ある意味で日本文化の守り手でもあったという面も持っているのです。こうした観点から著者は、「遊郭は二度とこの世に出現すべきではなく、造ることができない場所であり制度である」と述べています。ちなみに、「好色」ということばの意味は、平安時代以来、和歌や琴、舞などの風流、風雅を好む人を「色好み」と呼んでいたことによります。「色」には恋愛や性愛という意味もありますが、もともとは恋愛と文化的美意識が組み合わさったものだそうです。 (★★★★)

  • 養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ

    養老孟司: ヒトの壁(新潮新書) 「壁」シリーズ
    養老先生が、コロナ禍の2年間でお考えになったことの集大成です。新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた頃、NHKのBSの番組「まいにち 養老先生、ときどき まる」だったかで、「老人は、もともと不要不急の存在だ」とおっしゃった気がしますが、この本は「人生は不要不急か」という章から始まっています。これがたぶんコロナ禍や、養老先生ご自身のご病気(心筋梗塞)を経験し、お考えになった結論の1つ。さらに、不要不急の人生ではあるものの、それでも生きる価値はどこにあるか様々な視点から考察されています。「人生とはそんなもの」と思いつつ、自分に居心地の良い場所をつくりながら、万事テキトーに終わるのが良さそうです。 (★★★★★)