学問・資格

2009年11月 4日 (水)

背伸びしていた若かりし頃を思い出す……レヴィ・ストロース氏死去

 朝は、冷え込みましたが、日中は天気も良く、暖かくなりました。最近、習慣になりつつありますが、昼食後、13時過ぎから、プチ散歩に出かけてきました。研究室は、何となく冷えている感じが夕方まで続いていたのですが、外の方が暖かくて、心地よい感じでした。

 今日のプチ散歩は、勤務先の大学からは、西南の方へ出かけてみました。「市大病院南」の交差点を渡り、市立大学の滝子のキャンパスへ向かう方角です。天むすの多香野などの前から、しばらく西に向かい、駒場町あたりをブラブラして帰ってきました。ほぼ1㎞、30分弱です。散歩というよりも、気分転換のためにぶらついてきたという程度です。このあたりは、以前とあまり変わりない光景でした。あまり変わりがないと、何となく安心します。

 さて、仕事中、ネットのニュースを見ていましたら、フランスの思想家で、文化人類学者のレヴィ・ストロース氏が、100歳で亡くなったということが報道されていました。ここに、アサヒ・コムの記事へのリンクを張りました。新聞などでは、「レビストロース」と表記されていますが、私自身は、やはり「レヴィ・ストロース」と書いてあった方がしっくり来ます。原語では、Lévi-Straussですから。以下に、アサヒ・コムの記事の一部を引用させてもらいます:

20世紀を代表する思想家で文化人類学者のクロード・レビストロース氏が死去したと、AFP通信が3日、出版社の情報として伝えた。100歳。今月28日には101歳の誕生日を迎えるはずだった。

<中略>

レビストロース氏は構造主義の父といわれ、55年に発表した「悲しき熱帯」が人文社会科学全般に大きな影響を与えた。日本文化の愛好者としても知られる。

レビストロースさんは1908年、ベルギー生まれ。パリ大学で法学と哲学を学ぶ。35年、サンパウロ大学の社会学教授として赴任したブラジルで現地のイ ンディオ社会を調査する。その後アメリカでも教えるが、戦後フランスに戻り、59年、コレージュ・ド・フランス社会人類学講座の初代教授となった。

ソシュールの言語学などの影響を受けながら、世界各地の民族誌データや神話などの分析を踏まえ「親族の基本構造」(49年)、「構造人類 学」(58年)、「野生の思考」(62年)などの著作を次々と発表。未開社会の婚姻形態の比較などをもとに、人類の社会、文化には共通する不変の基本構造 があるとする「構造主義」は、学界に大きな衝撃を与えた。

 私も、学生時代に「野生の思考」などを読んだ記憶があります。野生や未開の中に現代文明の原型を求めるという立場でしたので、進歩主義的で、人間の理性を重視する立場にあった、実存主義の重鎮であったサルトルとは、対立していました。

 また、ボーヴォ・ワールや、メルロ・ポンティとは、哲学教授試験の同期だったといいます。ちなみに、サルトルは、この試験を1回落第したそうで、1期あとになるようです。

 内田樹さんのブログでも、「追悼・レヴィ=ストロース」というエントリーが書かれています。内田さんは、構造主義には造詣の深い方ですので、是非ご一読ください。

 それにしても、まったく手垢の付いた表現しか思いつかない自分の知性がイヤになりますが、“巨星落つ”という感じです。これで、サルトルをはじめ、ボーヴォ・ワール、メルロ・ポンティ、ジャック・ラカン、ミッシェル・フーコーなど、20世紀のフランスを代表する知性といわれた人たちは、すべていなくなってしまいました。

 学生時代、よく分からないまま、これら知的巨人の書いた書物を買い(もちろん、みすず書房から出ていた翻訳です)、ページをめくっていた日々を思い出します。今から思えば、理解できていた部分は、ほとんどないと思うのですが、当時の同世代の人文系の学生達は、皆こうした本を読んでいたような気がします。徐々に思い出してきましたが、仲間内で、これまた今の世の中からは絶滅してしまっていますが、これらの著者の本をテクストにして、「読書会」を続けていました。

 アタマの中身自体は、今の学生達と変わらないと思いますが、甘く見られないようにというか、舐められないようにというか、そういうために、かなり無理して、背伸びして、大人というよりも、一人前に見られるように精一杯振る舞っていたような気がします。こういうところは、今の学生達と異なっている点であるように思います。

 それにしても、今も研究室の書棚の下の奥の方に、メルロ・ポンティ他の著作があるはずですが、今なら、読みこなせるでしょうか?何となく、あの頃からすると、ずいぶん遠くへ来てしまったような気がします。

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2009年10月 5日 (月)

笑わせてもらいました

 何だか久しぶりに大学に出勤するような気がしていましたが、それもそのはずです。先週金曜日には、休みを取って、内視鏡検査を受けに行っていました。土日を挟んだら、検査を受けたことがずいぶん前のような気がしていました。

 さて、午前中は、明日の授業の資料の最終確認をし、学生達に配るパワーポイントの資料を印刷していました。学生達や、世間の皆様は、「本当か?」と思われるかも知れませんが、誰か他の人に命じて印刷してもらっているのではありません。私自身が、「リソグラフ」という、現代風謄写版印刷機(かつて、年賀状作成で大活躍したプリントゴッコを作っていた理想科学の製品です)で、自ら印刷をしております。学部発足当初、医学部から着任された先生が、「こういうことを自分でするのは、初めてだ」とおっしゃっていましたが、むしろこちらが驚いた記憶があります。助教の先生に依頼しておられる方もあるかも知れませんが、超零細企業になれきった私は、今でも、自分で印刷して、ステープラーで80数人分を綴じています。

 それでも、以前は、コレーターという帳合をしてくれる機械はありませんでしたので、ずいぶん便利になっています。まぁ、こういう風に「自家製」ですので、授業後、余ったプリントがその辺に散らかっていると、ちょっと腹立たしくなります。

 ところで、今日は、午後から、後期課程のSさんが来てくれました。D3ですので、明後日までの間に、「博士論文審査願」を提出しなければなりません。今日、そのため大学に来たついでに立ち寄ってくれたものです。本来は、私が主査を務めなければならないのですが、休職していましたので、主査も、実際の論文指導も替わってもらっています。

 この「願」には、論文概要を添付しなければなりません。今日は、その写しをもらって、おおよその説明を聞いた訳ですが、論文の構成も筋が通っており、何とか提出できるだろうと思います。年明け早々の提出締切に向かって、これから大車輪でやってもらうことになるでしょう。

 そのSさんと、ついでにいろいろと世間話などをしていました。彼女も私も、どうもおしゃべりが大好きで、ついつい長くなってしまいます。1時間半ほど、積もる話しをしていました。その中で、彼女のパソコンや、CD、DVD、ハードディスク、USBメモリなどの知識が、数年前のレベルに留まっていることが分かり、二人で大笑いをしていました。

 今では、CD-Rや、DVD-Rを「スピンドル買い」するというのは、半ば常識だと思うのですが、Sさんは、どうやらそういう形で売っているということ自体を知らないようでした。こっちが驚いてしまいました。ハードディスクも、数万円位の価格だと思い込んでいたようですし、USBメモリも、未だに256MBや、512MBを使っているという話しでした。USBメモリは、メーカ品でも、2GBのものが、今なら1,580円くらいで十分に買えます。

 ついでに、パソコンのメンテナンスの話しもして、「ディスク・クリーンナップ」や、「デフラグ」をすると、余分なゴミファイルが消え、使用できるハードディスク領域が増えたり、ハードディスクへのアクセスが速くなるということも説明しました。ものすごく感動されてしまいました。どちらも、Windowsには、標準で添付されているソフトですが、案外知られていないものなんですね。こちらが、感動してしまいます。

 ちなみに、「Windowsスタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」とたどっていくと、どちらも出て来ます。もしご存じない方がいらっしゃれば、お試しください。

 彼女は、「帰りに、スピンドル買いしそうです」と言いながら、帰って行きました(苦笑)。Sさんが来てくれると、いつもこちらが楽しませてもらいますし、ブログネタをたくさん提供してくれます(Sさん、失礼)。

 明日は、2回目の授業。午後からは、これまた1年半ぶり以上の教授会です。うつの人にとっては、複数の人との話し合いや、こういう会議は、鬼門というか、難関です。17時までの勤務にさせてもらっていて贅沢を言ってはいけませんが、人と話すとか、会議は疲れてしまう可能性が大なのです。もちろん、明日は出席して、復職の挨拶をさせてもらい、17時まで出席のつもりです。が、そっと、密かに出席していようと思っています。

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2009年9月10日 (木)

見事に「鼻をへし折られました」

 今朝も涼しいというより、寒いくらいの風が吹き抜けています。今日は、このあと、午前中に受診してきます。この2週間は、とくに体調の変化もなく、お陰様でまあまあ元気に過ごしていますし、リハビリ出勤も順調にこなしてきています。ちょうど、来週の木曜日、17日は、正式に復職の辞令をいただく予定になっています。

 「復職の辞令」と書くと、「?」と思われる方がいらっしゃるかも知れません。勤務先の大学は、法人化されましたが、完全に民営化されたのではなく、まぁ、「準公務員」という感じですので、公務員に準じている制度が多々残っています。身分保障もその一つで、これまでの給食も、理事長(学長)の名前で、「休職を命じる」という辞令をもらって、つまり、「学長の命令で休職」していた、ということなのです。したがって、今回の復職も、まずは、産業医の先生が確認してくださり、それを踏まえて学部教授会で承認され、さらにそれを承けて、理事長から「復職してよろしい、復職しなさい」という辞令が出る、という仕組みなのです。

 さて、今日のタイトルですが、これだけをご覧になっても、やはり「?」かと思います。これは、「越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文(ディスカヴァー携書)」に取り組んだ結果のことをいっております。この本は、「ダ・ヴィンチ・コード」などの翻訳で知られる、翻訳家の越前敏弥さんが、翻訳学校などでの教授経験を踏まえて、書かれたものです。ご存じの方も多いかも知れません。

 そのオビに「英語自慢の鼻をへし折る!」とゴチック体で大書してあるのです。英語は、中学生以来、好きな科目でしたし、それなりに勉強してきました。高校時代の実力テストでは、当時、愛知県西三河地区の高校で行われていた、通称「西三<せいさん>テスト」で、1桁台の順位の成績だったこともあり、「得意だ!」と思っていました。

 ずいぶん前に入手し、通勤電車(ほとんどは、出勤の時で、座れたときに)で取り組んでいたのです。一言で総括すると、「結構やられたなぁ」ということでした。惨憺たる結果ではないと思いますが(思いたいの間違いかも知れませんが……)、思い違いしていたり、しっかり区別していなかったりしたことがかなりありました。

 辞書をまったく引かずにやったせいもあるということと、単文もしくは、2~3文からなる例題で、文脈が読めないということも影響しているとは思うのですが、言い訳の域を出ないでしょうから、それは、ここではこれ以上は書きません。見事に、「鼻をへし折られた」次第です。

 専門分野の英文であれば、ほぼ間違いなく読み取れていると思いますが、それにして、日々是精進が必要なことはいうまでもありません。さらに修行を重ねたいと思います。

 ところで、学問として、ある分野に取り組む上では、英語論文の内容を正確に読み取ることが必要不可欠になります。この点ができるようになるには何が必要かということについて、越前さんは、この本の中で、構文解析のような地道な勉強をある程度の期間、地道にしっかりやることの必要性を説いています。たとえば、大学受験のための勉強のように、ある一定の期間、徹底的に勉強することが必要だといいます。

 それと、これは私自身の個人的見解を裏付けてもらったことにもなるのですが、きちんと読めるためには、英会話学校でやる内容では太刀打ちできないというか、別物と考えた方が良いことや、アメリカやイギリスなどの英語を母国語とする国に、単に語学留学をしていただけではダメだ、ということも書いておられました。会話主体の学習から抜けて、上述のように、きちんとした勉強が必要だということです。

 もう一つは、英語以上に、日本語の能力も磨き、日本語にも敏感になることも重要だということを言っておられます。これも、私自身、十分首肯できることです。越前さんが、翻訳学校で10年間教えてこられた経験からは、99%の人にとって、日本語の運用能力と英語の読解能力とは、完璧に比例するとまで書いていらっしゃいます。

 さらに、学習教材としては、各種の大学受験用の参考書がもっとも適しているとも述べておられます。私自身は、見たことはなかったのですが、駿台予備校で教えておられた伊藤和夫先生の「英語構文詳解」や、「英文解釈教室」「英文法頻出問題演習」が有用であったと振り返っておられます。伊藤和夫先生の参考書が役立ったというのは、最近、売り出している京大教授の鎌田浩毅さんも、著書の中で述べていました。

 ということで、まだまだ修行が足らないようです。トホホ。地道な努力あるのみ、ですね。

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2009年8月26日 (水)

精神疾患の血液検査による診断……日本心理学会での発表

 今日から、立命館大学で日本心理学会第73回大会が開催されています。私は、主治医の指示により、出張禁止ですので、参加できませんが、明日のプログラムで、タイトルのように、統合失調症やうつ病などの精神疾患を判定できる血液中の分子が発見され、血液検査によって判定できる方法が確立されたという発表があります。

 今朝の毎日新聞に掲載されていますし、毎日.jpにも「精神疾患 血液で診断」という記事がアップされています。

大阪市大大学院医学研究科の関山敦生・客員准教授(43)=心身医学、分子病態学=が兵庫医科大と共同で、うつ病や統合失調症などの精神疾患を判定できる 血液中の分子を発見、血液検査に基づく判定法を確立した。問診や行動観察が主流だった精神科診療で、客観的な数値指標を診断に取り入れることができる。疾 患の判定だけではなくストレスの強度や回復程度もわかるという。関山准教授は27日午後、京都市の立命館大学で開かれる日本心理学会で発表する。

 記事によれば、関山准教授のグループは、ストレスや感染などを受けて、生成し分泌されるたんぱく質「サイトカイン」の血中濃度データの差異を積み上げて分析し、そのデータを パターン化することで、心身の変調やうつ病、統合失調症などを判定できることを明らかにしています。実際に、うつ病や統合失調症について、3,000人近くのデータから疾患のh判別式を作成し、それを別の400人の診断に用いた結果、うつ病の正診率は95%、統合失調症では、同じく96%に達したそうです。

 他の研究施設などでの追試実験が行われ、同様の結果が得られれば、科学的な事実として認められますが、この報告が正しければ、画期的な知見だと言えます。

 関山准教授たちは、さらに、精神疾患の判定だけではなく、健常者に対するストレスの強度、疲労からの回復スピードも数値化したようです。80名の男女を対象に、計算作業で精神的スト レス、エアロバイクなどで身体的ストレスを加える実験を実施したようで、これについても、どのストレスを受けたか、100%判別することに成功し、ストレスの強度を数値で評価でき る方法もつくり出したといいます。

 最初の引用にありますように、精神疾患の診断は、問診、行動観察の他に、心理検査の所見を参考にすることもありますが、こうした数値指標で客観的な診断が可能であれば、治療法の選択やその効果判定も、客観的、科学的に行うことができる道筋を拓いたことになります。

 こうした大きなかつ、画期的な研究成果が心理学会で発表されることは珍しいことです。私も、現実にその場にいて、この成果を聴きたかったものです。論文として発表されたら、是非、すぐにでも読みたいものです。

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2009年6月24日 (水)

データ分析

 夕方になって、涼しい風が吹き抜けていきます。昼の間も、思ったほど蒸し暑くはなかったように思います。

 さて、このところ、ときどきブログにも書いていますが、院生OGの方の修論データの再検討を、少しずつ進めています。ここ10年近くは、前半は多忙を極め、また、後半は、院生を指導して、各自にデータ分析をしてもらっていたのと、病休・休職がちでしたので、自分でデータの分析を手がけるという経験は、久しぶりです。

 当初は、手際が悪く、なかなか「昔取った杵柄」とは行きませんでしたが、次第に勘が戻りつつあります。理系のアタマで、数学が得意な方であれば、フリーソフトや、市販のパッケージソフトでも、簡単なsyntaxを書いて、さっさと分析を済ませてしまえるのかも知れませんが、私の場合は、どうもそうは行きません。

 人文・社会科学の分野で使われ始め、看護学領域でも多用されているSPSS(現在のバージョン17では、名前が変わり、PASWというようですが)を使っています。現在、所有しているのは、SPSSのバージョン16.0JのBase systemです。その他、オプションが多数ありますが、これがまたけっこうなお値段ですので、アカデミックプライスを利用しても、なかなかそろえることは難しいのです。Base systemも、アカデミックプライスで\102,900です。今の16.0Jからのバージョンアップ価格は、\31,500となっています。通常価格は、ほぼ倍近いものです。

 このSPSSは、普通のWindowsのソフトと同様にプルダウンのメニューから使うことができますし、ダイアログでいろいろと指定して使うことができます。値段は高いのですが、人文系の私にも使いやすくなっています。大学では、アプリケーション・サーバに最新バージョンがインストールしてありますが、自宅や出先でも使いたいと思い、研究費の残額で購入したもので、重宝しています。以前のバージョンとは異なり、グラフもまあまあきれいに書いてくれるようになりましたので、10万円払った価値はあると思います。

 ところで、こうやって、データをあれこれと分析しているのは、苦になりません。というよりも、むしろ楽しんでやっているのです。学生時代は、実験心理学を専攻していましたが、そのときの恩師の教えで、データは、さまざまな角度から分析し、データに語らせることが重要だということをたたき込まれたからです。その当時もSPSSはあるにはありましたが、大型計算機センターへ行って、パンチカードにデータを打ち込んで、Fortranか何か、プログラミング言語でプログラムを記述する必要があったと記憶しています。まさに隔世の感があります。と同時に、年をとったものだという気もしています。

 卒業論文を書いた頃、カシオ計算機だったかから、平均値や標準偏差といった統計量が、まさに「答え一発」で求められる電卓が発売され、「文明の利器だなぁ」と感激した記憶もあります。

 ということで、昔を思い出しつつ、データ分析にシコシコと取り組みつつ、その楽しさを思い出しているというところです。明日は、今週2回目のリハビリ出勤の予定です。梅雨の中休みのようでありがたいのですが、真夏のように暑いという予報もあり、良し悪しです。

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2009年5月15日 (金)

定期試験と実力試験の成績に影響する要因

 昨晩、就寝が23時過ぎと遅かったせいか、朝も、目覚ましが鳴るまで起きられませんでしたし、今日1日、何となく“お疲れモード”でした。湿疹ができてしまいましたので、午前中、時折お世話になる皮膚科を受診したのですが、これがまた、ちょうど混雑する時間帯に行ってしまったようで、調剤薬局で薬をもらうまでに、1時間15分ほどもかかってしまい、余計に疲れてしまいました。ということで、散歩は駅前の皮膚科往復でオシマイとなってしまいました。

 さて、帰宅したら、日本心理学会の学会誌、“心理学研究”の最新号(80巻1号)が届いていました。学会誌は、ご存じの方も多いかと思いますが、研究論文が、レフリーの査読を経て、パスしたものが掲載されています。その中に、なかなか実際的で、興味深い論文がありました。題して、“英語の定期テスト高成績者が実力テストで成績が振るわないのはなぜか?”というものです。早稲田大学の松沼光泰先生の書かれた論文です。以下に概要を示します:

高校英語では、定期テストでは比較的成績がよいのに、実力テストではそれが振るわない生徒が散見されるのですが、それは、生徒が適切な勉強方法を選択していない可能性があると考え、学習動機と学習行動の観点から検討しています。

まずは、英語学習方略尺度という、英語の学習スタイルを測定する質問紙を作成し、それを東京の私立高校2年生男子に実施した結果から、“学習動機・学習行動とテスト成績の関連性”についてのモデルを提案しています。この高校では、ほとんどの卒業生が、4年生大学に進学するところだということです。

研究に当たっては、多変量解析という統計手法を用いていますが、それは省略し、上述のモデルから、主要な結論だけを取り出して見てみます。中間テストの成績に影響している要因は、「暗記方略」と「テスト前学習時間」が強く、「文法・構文方略」も多少の影響を持っていました。これに対して、実力テストの成績に影響したのは、「文法・構文方略」と「日常の学習時間」の2つでした。ここでは「学習の動機」は、テストの成績には直接的な影響は認められていません。

定期テストの成績が高いのに、実力テストが低い生徒では、定期テストも、実力テストも成績の良い生徒に比べ、「文法・構文方略」と「日常の学習時間」の2つを遂行する頻度が、統計学的に少ないことが示されています。

興味深いことに、教師が生徒たちに望んでいるであろう日常生活での学習時間は、定期テストには反映せず、直前の暗記学習しか影響していませんでした。また、学習のスタイルとしては、より深い学習が必要と考えられる「文法・構文方略」は、両テストに有効ですが、範囲が限定される定期テストでは、「暗記方略」も有効性が認められる、という結果であると考えられます。

 ある意味で、常識的な結論といえるかも知れませんが、常識にはけっこう、実証的な裏付けがない場合があります。また、学問的には、常識を実証的に確認するということは、十分意義のある研究成果であると考えられます。この結果を一般化するには、さらに検討が必要ですが、興味深い成果だと思います。

 わが息子に確認してみたら、「俺は、定期テストでは、暗記をあまりしていないからできが今ひとつなのか。今度からは、暗記をしてみよう」と、感想を述べていました。中間テストは、今日で終わってしまいましたので、期末テストの成果が期待できるでしょうか??

【出典】 松沼光泰(2009):英語の定期テスト高成績者が実力テストで成績が振るわないのはなぜか?,心理学研究,89,9-16.

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2009年4月12日 (日)

漢検三題噺

P4120029 好天続きです。ただ、新聞や、テレビの報道によれば、空気は乾燥していP4120025 るようで、あちこちで山火事や、住宅などの火事が多いようで、注意しなければなりません。体調は悪くはないのですが、何となく疲れているような気もして、今日も、散歩は近所で済ませてしまいました。サークルKへ行ってから、惣構堀を回ってというコースです。万歩計を付け忘れていましたが、2㎞ほどでしょう。

P4120001_2  桜の花もかなり散ってしまってきています。少し風がありましたので、花吹P4120005 雪というか、桜吹雪でもうまく撮れないか、とちょっと粘ってはみたのですが、“吹雪”と形容できるほどの写真は撮れませんでした。何事も、それほど簡単に思い通りにはならないものです。右の写真でも少しだけ、花びらが舞ってはいるのですが、保存して拡大していただかないと分からないくらいでしょう。

P4120020  さて、2月に娘が漢字検定を受けた話は、書いたと思います。その結果を、4月10日(金)に学校を通して、もらってきました。中1の終わりに4級を受けたわけですが、見事というわけではなく、普通に、合格ということでした。高い検定料を払っただけあってか、立派な合格証書、合格証明書(2通)、検定結果通知、問題用紙、標準解答と、合計5種類もの書類がありました。検定結果通知には、予備校の模試のように、領域別の正答数、得点、全受験者の平均点、正解率レーダーチャート、コメント、今後の勉強方法が書かれています。

 ちなみに、合格証書の発行者名は、多額利益問題等で、文科省による立ち入り検査で抜本的改善策をこの15日(水)までに示すよう指導され、マスコミでもさんざん叩かれたあの、大久保昇理事長名でした。

 ところで、その合格証書をもらってきた、まさに4月10日(金)の新聞には、「漢検理事長が辞意」「6月から検定料値下げ」というニュースが載っていました。夕方、合格証書を持って帰ってきた娘に、「理事長が辞めるらしいから、この合格証書は、無効になるんじゃないのか?」とからかってみました。娘は、一瞬、「えっ、まさか!?ホント?」と絶句しましたが、どうやらすぐに、からかわれたと気づいたようでした。

 たぶん、最初は、これほど儲かるとは思わなかったのでしょうね。それが思わぬ人気となり、脳トレブームに乗っかってしまい、さらには、この頃では、テレビのクイズ番組などとも相まって、儲かりすぎて、調子に乗ってしまったのでしょう。検定料は値下げされ、すでに払った受験者には差額を返金するようです。

 この漢検、すなわち漢字検定について、中国文学者にしてエッセイストの高島俊男先生が、月刊“文藝春秋”2009年4月号に、“あぁ、漢字検定のアホらしさ-こんなパズルじゃ、美しい日本語を書くのに役になぞ立たぬ-”(212~221ページ)をいう文章を寄稿しておられます。

 高島先生は、週刊文春にも、かつて“お言葉ですが……”という、コラムを連載しておられ、言葉の誤用などにピリッと辛い内容に、私は魅了されていました。また、文春新書の1冊として、“漢字と日本人”という名著を上梓していらっしゃいます。

 高島先生がおっしゃるには、「アヤシゲな『検定』」だということです。何がアヤシゲかというと、“人の「漢字能力」を「検定」してやろうというのが、正常な感覚から見るとアヤシゲだからである”ということです。2級までは、常用漢字表字体(高島先生流の表現では、略字)でなければ正答と見なされないということで、ここも変だと指摘されています。たとえば、丸谷才一さんなどは、旧字体(正字)、旧仮名遣いで文章を書いていらっしゃいますが、2級までは不合格間違いなし、という状況に陥ります。何しろ、「文藝(文芸)」、「保證(保証)」と書かれますから。

 このアヤシサの出発点は、第2次世界大戦後、漢字をなくすという施策に沿って作成された常用漢字表示体を正しいものとしているところにある、というのが、高島先生の主張です。

 高島先生は、調べられることは徹底的に調べるという方で、実際に問題集を購入し、編集者といっしょにやってみられたそうです。その結果、「あきれかえるほどのひどい問題揃い」で、「ただのパズル」であり、「実用的意義は全くなく」、「美しく端正な日本語の文章を書くために何の役にも立たない。かえって、へんてこりんな文章を書いて失笑されるのがオチだろう」と断じておられます。

 高島先生の挙げておられる例を2、3、引いておきます(以下は、いずれも下線部の読みを示せ、あるいは、漢字で書けという問題です):

  1. 彼は古代史の碩学だ。
  2. 読者を眩暈の彼方へ誘いこむ。
  3. 著書を恩師に謹呈した。
  4. 旅寝の埴生の宿を思い出す。
  5. 飲み過ぎて路上でスイタイをさらした。

 読み仮名を示すとか、漢字を書くというだけであればまだしも、こういう文章となる変ですね。1.は、「せきがく」と読みますが、「学識が広く深い人」で、「彼」という同輩や後輩に使う言葉とは釣り合いません。

 2.「げんうん」、つまり「めまい」なのですが、「本を読んでめまいがする」というのはどういうことか?「めまいのかなた」って、どこ?ということです。大きな声では言えませんが、私自身は、時々、学生や院生諸嬢が書いた文章を読んで、めまいがすることはありますが……(加筆修正すべき箇所が、あまりにも多くて)。

 3.「きんてい」ですが、普通はあまり用いない言葉でしょう。自分の書いた本をどなたかに差し上げる場合、「謹呈 著者」と印刷した、細長い紙片を挟んだり、同じく、学術雑誌に掲載された論文の別刷を贈呈する場合に、表紙に書くくらいです(もっとも、この頃は、pdfファイルでメールに添付、ということも増えました。高島先生によれば、「ものものしい外見のわりには軽いことば」だということです。

 4.「はにゅう」と読みます。昔の唱歌か何かに「埴生の宿」というものがありましたが、「おんぼろの家」ということで、「主として自分の家を謙遜していう場合に用いる。また、親しい友人が、貧しくてみすぼらしい家に住んでいるのを同情して言うばあいに用いることもあった」ということですが、いずれにしても、「古いことばであって現在は使わない」ということです。

 5.「酔態」でしょうが、「飲み過ぎて酔態」では、「女の婦人」「腹を切って切腹」と同じです(これらの例は、高島先生の文章によります)。「馬から落ちて、落馬した」というのもあります。高島先生が指摘されるように、「飲み過ぎて、路上で醜態<しゅうたい>をさらした」からの誤用ではないでしょうか?

 等々、限りはありません。詳細は、文藝春秋4月号を是非ご覧ください。高島先生の結論は、「タチの悪いパズル」で、「こんなパズルを文部科学省が、何か学術的意義があるかと思って社会にむかって推薦しているのだとすれば、その見識が問われる」ということです。

 「検定」流行ですが、「検定の検定」が必要かも知れません。などと皮肉っていますが、実は、心理学の世界にも、「心理学検定」があり、実施されています。こちらは、日本心理学諸学会連合という、心理学の学会が集まった団体が実施していますので、アヤシゲな検定ではありません。次回は、2009年8月23日に実施される予定です。

 なお、高島先生は、美しく端正な日本語を書くために意義があるかという観点から、この漢字検定について論じておられますので、誤解のなきように。

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2009年4月 2日 (木)

臨床心理士資格登録証

 晴れましたが、北風が1日中強く、家内が「こんな日に出かけたら、風邪を引く!」と言いましたので、散歩はサボりです(他人のせいにしてはいけませんが、あまり生真面目にやらない方がよいということもあります……これも言い訳ですね)。

 さて、今日は、ようやく、臨床心理士資格の登録証が届きました。国家資格ではありませんが、文科省認可の財団法人日本臨床心理士資格認定協会が、認定している資格です。まあ、準国家資格といって良いかも知れません。1月末には、「更新は認可されます」という連絡があったのですが、登録証(クレジットカードのようになっています)が、実際に届き、安心しました。

 臨床心理士なのに、うつ病?というのもヘンですが、お医者さんでも病気になりますから、まぁ、仕方ありません。5年間有効で、その間に定められた研修を受けるとか、論文や本を書くとかして、15ポイントをためておく必要があります。本年度から、教員免許も10年で資格更新になるようですが、その先例とも言うべき制度です。

 15ポイントは、普通に学会や、研修会に参加したり、私のように大学の教員をしていれば、論文や本を書く機会がありますから、さほど懸命にならずとも、普通にやっていれば、無理なく貯めることができます。

 むしろ、対人援助に当たっては、常に研鑽に励んでおくことはとても重要なことですので、ある意味で、当然のことがらだという気がしています。次回は、2014年度末が更新となりますので、また、それに向けて、研鑽を続けていくことになります。

 国家資格化の動きもあるのですが、例の郵政解散前に、医療心理師との抱き合わせで、2資格1法案として上程直前にまで行っていたのですが、その後の政局に翻弄されて、波間に漂ったままです。広く認知され、スクールカウンセラーなど、国民生活の中でも実際にケアに当たる場面、機会も増えていますから、質的な最低保障を行うという点では、国家資格にしてもらいたいと強く願っています。

 さて、明日は、また暖かく、春らしくなるようですから、散歩に出かけたいと思います。市内の、わが家に近いところでは九華公園がそろそろ桜の見頃を迎えていると思います。走井山の桜や、麓の庚申塔の見ざる・言わざる・聞かざるの三猿の像も久しく見ていませんので、行ってみたいのですが、こちらは体力的には、ちょっと無理かも知れません。

 博物館の帆山花乃舎展も覗いてきたいと思いますので、明日は、博物館と九華公園にでもと思っています。

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2009年3月26日 (木)

新刊PR……業務連絡【付記あり 3/30】

 恐縮ですが、分担執筆で新刊が刊行されましたので、PRをさせていただきます。

藤田主一・山崎晴美(編著):新 医療と看護のための心理学福村出版

担当部分:第10章 患者心理のメカニズム(137-154ページ)

主な内容:まず、患者の心理を理解するための基本的な視点について解説し,その後、不安や死の心理,年代別にみた患者の心理的特徴について概観しています。ここには、看護学生が実習で出遭うであろう事例についても少しずつ言及しています。その後、現代医療において、重要なテーマである医療職者と患者・家族との間のコミュニケーション、インフォームド・コンセントについての正しい理解、悲嘆のケアについても考察しています。

 教科書ではありますが、私としては、患者さんやご家族のおかれた状況、そういう状況における心理の理解を深め、援助の手がかりを得ることができるよう,また、医療職者との間の相互の信頼感を深めることができる医療・看護が実践できる手がかりを得られることを願って書いたものです。

 出版社の新刊案内には載っていますが、Amazonの検索ではまだ出て来ませんでしたので、書店への配本は、これからだと思います。

【付記…3/30】

 Amazonで予約可能となりました。よろしければ、当ブログ、左のコラムにあります“著書”から、お願い致しますm(_ _)m。


 なお、昨年12月には、次のものもでていますので、ご関心のおありの方は、ぜひご検討ください。

浅倉次男(監修):子どもを理解する-「こころ」「からだ」「行動」へのアプローチ、ヘルス出版

担当部分:Ⅳ章 難治性・進行性疾患を病んでいる児のこころ:喪失体験をどう克服するか 臨床心理士の立場から(127-134ページ)

主な内容:病気の子どもの基本的な心理・行動の特徴をいかに理解するかについて触れたあと、難治性・進行性疾患の典型として、進行性筋ジストロフィーの例を挙げてその心理特性を紹介しています。さらに、こうした子ども達にとっての喪失体験がどのような意味を持つかを考え、これらを承けて、家族との連携や、生活援助機器、情報機器の利用も含め、どのように援助し、自己実現を図るかについての基本的な方法を提案しています。

 こちらは、ブログの左側のコラムにある“著書”から、Amazonで購入していただけます。

 以上、恐縮ながら、拙著のPRでした。

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2009年2月17日 (火)

特別支援教育におけるWISC-Ⅲの利用について(資料掲載のお知らせ)

 2月10日(火)のエントリー“特別支援教育の最前線……NHKクローズアップ現代から”の最後の方の部分でお約束しましたように、自作の関連資料を、Ogasawara's Laboratoryの方に掲載しました(このリンクは、トップページに貼ってあります。その新着情報の欄をご覧ください)。

 これまでにも少しだけ、“心理教育アセスメントのページ”の中に、参考資料を載せてありましたが、今回は、WISC-Ⅲを用いて心理教育アセスメントを実施し、また、実際の子どもの指導にどのように利用できるかに関して、3種類の資料を載せました。著作権は放棄しませんので、出典は明記していただいたいと思いますが、必要な皆様にはぜひご利用ください。

 WISC-Ⅲにつきましては、小中学校、特別支援学校の先生方ご自身で検査を実施なさらなくとも、児童相談所や、医療機関で実施された結果(記録用紙の表紙)があれば、そこに記されたデータを用いて、担当の子どもさんの認知的な特徴について分析し、その仮説が得られるよう、基本的な手法、スキルを説明した資料となっています。

 詳細につきましては、それぞれに掲げました参考文献もご覧いただいたり、スーパーヴァイズをお受けになることをお勧めしますが、心理教育アセスメントの結果という、いわばEvidence(証拠)に基づいた支援や、介入の計画を立案するのに有用な方法ですので、ぜひ、先生方に習得していただきたい内容のエッセンスをまとめてあります。

 なお、資料中でも強調していますが、心理検査の結果や、それを分析して得られる、子どもさんの特徴は、あくまでも心理検査の結果を通して、考えられる、その子どもさんの特徴についての“仮説”という位置づけをしています。仮説ですので、実際の日常生活や、学校教育の場面での行動特徴と照らし合わせて、確認をしてください。心理アセスメントの結果と、行動観察所見や、学業成績の特徴が一致すれば、それは、その子どもさんの特徴と見なすことができる可能性がとても高いことになります。

 こうして得られた子ども達の特徴のうち、優れた部分、長所をうまく活用して、支援、介入の計画や具体的な教材、教育方法を工夫してくださることが肝心です。これを、長所活用型指導(strength oriented approach)と呼びます。長所活用型指導についての参考文献も、上記の資料に掲げてありますので、ご参照ください。

 念のため、冗談のようなことも書かせていただきますが、ここで活用すべきは、あくまでも“子どもの長所”です。間違っても、先生方ご自身の長所を活用していただいてはいけません。それでは、子ども中心ではなく、先生中心の教え方に陥ってしまい、とても効果は見込めなくなります。

 今後、他の認知能力検査である、K-ABCや、DN-CASなどについても、資料を整理して、Ogasawara's Laboの方に掲載していく予定でいます。

 ただし、WISC-Ⅲ、K-ABCの各日本語版は、現在、改訂版の標準化が行われていますので、遠くない将来、WISC-Ⅳ、K-ABCⅡとして、改訂、出版されると思います。また、幼児用の知能検査である、WPPSIについても、改訂作業が進められており、一気にWPPSI-Ⅲとして刊行される予定です。Wechslerの検査と、DN-CASについては、日本文化科学社のWebサイトをご覧ください。また、K-ABCにつきましては、丸善出版部・K-ABCセンターのサイトをご覧ください。なお、K-ABCについては、日本K-ABCアセスメント学会があり、各地の地域研究会とも連携して、活発な活動をしています。ご関心がおありの方は、そちらのサイトもご覧ください。

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2009年2月16日 (月)

学者としてのあり方

 1日で、2ヶ月ほど季節が逆戻りしたような気候と、夕方の天気予報のキャスターが言っていました。明日は、さらに寒いそうです。今日は、2㎞ほど散歩というか、買い物に行ったのですが、明日は、亀さんのように、首をすくめて過ごすしかない、と思っています。

 さて、今日は、多少は本を読み、多少は勉強をするという1日を送っていました。定期購読をしている、専門誌・心理学評論という雑誌が届いたのですが、そこに載っていたある論文、というか、その著者の先生のあり方に、ちょっとばかり感動しました。とてもとても、私などでは足元にも及びません。

 心理学評論という専門誌は、京大の文学部心理学教室が中心となって発行している雑誌で、英文名は、Japanese Journal of Psychological Reviewといいます。特集論文と一般論文とを、原則として、隔号に掲載しています。

 今日届いた、最新号(2008年の51巻3号)に、S女子大学名誉教授のNz先生のご論文が掲載されていました。Nz先生は、私が学部の学生時代に、すでに知覚心理学の大家でいらして、当時、すでに50代でいらしたと思います。Nz先生は、昭和22年(1947年)に、北大の助手になっておられるような年代の先生でいらっしゃいます。私が学部学生であった昭和50年前後に現役バリバリの教授をしていらした世代の研究者なのです。もちろん、私などの若輩者が直接存じ上げる訳ではなく、我々の直接の恩師と張り合っていらした世代の研究者で,私たちはそのご論文を拝読し、学会の会場では遠くからご発表を承るという立場でした。

 ずっと知覚心理学のご研究を続けてこられ、図形残効という、先行して提示された視覚刺激が、後から提示される視覚刺激の見え方に影響を及ぼす効果についての研究に携わっておられました。そのNz先生が、最新号の専門誌に新しい論文を発表していらっしゃるのです。引用されている論文は、確かに、いささか古いものが多く、論拠となっている実験もせいぜい1980年代までに実施されたものなのですが、引用文献については、2005年くらいまでのものをフォローしていらっしゃっており、神経生理学的な知見も踏まえ、過去の研究の誤りの指摘や、今後の研究の方向についての示唆を考察していらっしゃいます。

 私自身は、届いたばかりの雑誌を開いて、しばし呆然としてしまいました。そして、次第に頭の下がる思いが沸々と沸いてくるのを感じた次第です。これぞ、研究者と言うよりも、学者としてあるべき姿の一つであると思わされました。

 自らの研究疑問について、飽きることのない探求を,おそらく80歳代になっても続けていらっしゃるというのは、簡単な言葉では言い尽くせませんが、それだけで尊敬できる一つの生き方であろうと思います。

 先だってのノーベル賞・化学賞を受賞された下村先生も、ご高齢でありながら、現在もご自宅の地下に設けられた研究室で実験を続けていらっしゃるというニュースに接したばかりでした。まったく、頭の下がる思いです。学問的な誠実さを追求された結果なのでしょう。とてもマネができることではありませんが、若き日にご自分が設定された課題を未だに追求していらっしゃるというのは、驚きとともに、感動を与えていただくものでした。

 私などは、研究テーマも院生時代のものから、就職に伴い、臨床的、とくに発達臨床や心理アセスメントに変わってきていることを顧みますと、このNz先生は,まったく、チョモランマか、モンブランかという存在でいらっしゃり、仰ぎ見ることはできるもののとても、同じように登ることはできない存在のように思われます。 

 私も、その時々の状況や体調に応じてではありますが、着実に歩を進めたいという思いを新たにすることができました。

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2009年2月10日 (火)

特別支援教育の最前線……NHKクローズアップ現代から

 節分から1週間です。暖かかったのですが、午前中は、北風がやや冷たい感じでした。小生自身は、このところ、どうも今ひとつ、という状況でtensionがあがりませんでした。今日の散歩は、縮小バージョンで、駅前あたりを一回りということで、2.2㎞ほどでした。午後からは、リビングの日だまりで午睡、という状況でした。

 さて、今日(2月10日、火)は、19:30からのNHK総合テレビ「クローズアップ現代」において、「特別支援教育」が取り上げられていました。我が国の第一人者のお一人でいらっしゃる、上野一彦・東京学芸大学教授もご出演でした。上野先生ご自身、「LDパパ」と自称され、LDであったことをカミング・アウトされています。余談ですが、番組の担当である、国谷祐子さんは、なかなか鋭いジャーナリストであるとも、密かに思っています。

 特別支援教育は、発達障害のある子ども達を主な対象として、日本では平成18年度から開始されたものです。私も、大学の研究プロジェクトとして、平成19年度に「支援プログラム開発及びその実践適用に関する研究」を行いました。上野先生にも、ご来名を仰ぎ、講演会も実施しました。

 ただ、残念なことに、私自身の健康問題で、大学の設置者たる名古屋市の関連諸機関との連携プログラムや、私自身が住んでいる桑名市への貢献が中途半端な状況になってしまっています。大変申し訳なく思っています。

 発達障害(軽度発達障害と呼ばれる子ども達も含め)の子ども達は、文科省の調査では、6.3%存在するとされています。これまでは、各種の援助対象から外れていたのですが、平成18年度からの特別支援教育制度の開始などに伴い、公的な援助の対象となったのですが、現状は、とても十分な状況からは遠いといえましょう。

 私自身は、前職の時代から、障害のある子ども達の研究と支援の実践に携わってきた関係もあり、上述のように、現在の本務先の大学の設置者たる名古屋市や、居住地の桑名市で多少とも貢献したいと考え、いくらかの仕事をさせてもらっていました。

 新しい制度が開始され、それが十分定着するには、時間がかかります。特別支援教育制度の場合についても、私の個人的な見通しでは、10~15年ほどは必要と考えています。個人的なことを言えば、私は、3月で54歳になります。このまま定年まで働くことができれば、11年ありますので、その間に、最終的なライフ・ワークとして努力をすれば、少しは道筋がつけられると思っていました。

 元々が心理畑の出身で、心理アセスメント、知的特性、神経心理学的な研究をしてきましたし、前職では、小児科外来などで、子どもとその親御さんの発達相談に携わっていました。したがって、主としてそういった面での貢献を考えていたのです。

 このところ、体調を崩してしまい、中断していましたが、今日のクローズアップ現代を見て、やはり、このライフ・ワークをそれなりの形で完成させたいという気持ちが強くなってきました。とはいえ、現状は、休職期間中という我が身で何ができるか、ということを考える必要があります。特別支援教育においても、そういったニーズのある子どもの秀でた部分、長所をうまく伸ばし、それを活用することが肝要となります。

 これは、番組中でも何度か言及されていましたが、発達障害のない、いわゆる謙譲な子どもでも同様のことです。たぶん、大人の場合でも同じでしょう。まだまだアタマの回転が元には戻っていませんが、平成19年度の、大学の特別研究奨励費をもらった、研究・実践の取り組みをまとめた報告書が作成してあります。これを、pdfファイルにして、ホームページに掲載して、たくさんの方に見ていただければ、現時点で、私としてできる貢献になる可能性がある、という風に考えつきました。

 早速、明日から、ファイルを確認して、pdfにして、私のホームページの「心理教育アセスメント」のところに順次掲載していこう、と思います。まずは、自分がまとめたところから始めようと思っています。他の先生方の分も、ご了解がいただけるようであれば、同様に掲載したいと思います。ファイルを掲載し始めましたら、このブログでも御報告しますので、
お待ちくだされば、ありがたいと思います。

 こういう仕事をすることは、いつぞや、このブログで、「うつ病養生のコツ」というエントリーを書きましたが、そこに書いた、次のような内容に該当するものと思います:

少し休養が取れたら、わずかに仕事をしてみて、そのときの回復の程度にあった“気持ちがよい”仕事を見つけることが、養生のコツになります。この仕事は、 “生業”としての仕事ということではなく、誰かのためになる、周りの人々の思いやりへの感謝、お礼の意味を持つものがよい

 ということで、ブラブラ散歩で、自分のことばかり思っていてはいけませんので、たまにはマジメに考えてみました。

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2009年1月20日 (火)

臨床心理士資格更新認定【付記あり】

P1200081 もう少しご紹介したい鳥の写真もありますので、別のエントリーとして書いてP1200042 おきます。最初の写真は、九華公園(旧・桑名城趾)で見かけた白梅です。蕾が多少ふくらみ始めているものもありました。右は、ユリカモメたちと、たぶんウミウだと思います。クビのあたりがずいぶん白いように思いますが、ウミウだとすると、初めて撮影できたことになります。

P1200033  さて、タイトルの件ですが、1週間前の1月13日(火)に書類を送付したばかりなのですが、今日、「資格更新受付票」が届きました。夕方、暗くなっP1200103 てから1階にあるポストに郵便物を取りに行きましたし、近眼用の眼鏡をかけていましたので、文面がよく見えなかったのですが、下の方に赤い、細かい文字で何か印刷してあったのです。普通、赤字で書いてあるというのは、よほど重要なことです。一寸ドッキリしたのですが、エレベーターに乗って、明るいところに来てから、眼鏡を外してよくよく見てみましたら、次のように書かれていて、安心しました。

更新のお手続きに不備はございませんでした。3月下旬までに新しい資格登録証明書(IDカード)をお送り致します。

P1200034  8ポイントか、7ポイントくらいの細かい活字でした。これで一安心です。前回更新の折には、早めに書類を提出したにもかかわらず、締切間際まで、この受付票が届かず、やきもきし、問い合わせた記憶があります。それに比べると、認定協会のサービスも向上したものです。

P1200151  例のゴイサギ・コロニーは、ヒヨドリの餌場と化してしまっていました。結構背の高い木で、赤い、小さい実がたくさんなっていますので、モチノキでしょうか?ヒヨドリたちは、結構賑やかですから、五月蠅いと思ったのでしょうか、ゴイサギの数が少なくなっていました。

 ところで、前から気になっていたのですが、昨今の社会・経済状況を反映してか、今日、散歩して回った3カ所の公園のいずれにも、ホームレスとおぼしき男性がいました。いずれも、公園のベンチや、東屋で毛布にくるまって寝転がっていました。同じ方が、同じ公園にいるようです。家内の話では、桑名駅やアピタあたりを移動している、別のホームレスらしき方もあるようです。桑名市でも市営住宅の入居募集をしていますが、こういう方達にはそういう知らせも届かないのではないかと思います。セーフティネットの整備ももちろん重要ですが、本当に必要な人に、必要な情報や、サービスがきちんと届くシステムの構築も大切です。

【付記(1/21)】 2枚目の写真に写った鵜を、ウミウと思いましたが、oneshotさんのご指摘もあり、調べてみました。婚姻色の出方、冠羽があることから、カワウの成鳥で婚姻色が明確に出ているものと判断しました。カワウに訂正しますm(_ _)m。

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2009年1月 8日 (木)

臨床心理士資格の更新

 今日も名古屋地方は、暖かでした。最高気温は、12度という予報でしたし、風もほとんどありませんでした。

 今年最初の受診日でしたが、おそらく混んでいるであろうと考え、病院に行く前に、資源ゴミをリサイクル工房に運び、BOOKOFFと、カインズホームに立ち寄って、11時前に到着したのですが、予想通り、かなりたくさんの患者さんが待っていました。結局、1時間待ちで、12時少し前の診察となりました。

 結論からいえば、大きな変化なしということで、現在の処方が継続されたということです。生活習慣などについても、とくに新しい指示はありませんでしたので、少しずつ、散歩の距離を延ばして、体力回復に努めたいと思っています。また、2週間に1度の受診になります。

 さて、医者の不養生のような話なので、お恥ずかしいのですが、臨床心理士の資格を持っています。ただし、専門として対象としているのは、発達障害の子ども達とその家族への支援と、最近では、特別支援教育の関係で、それらに携わる先生方への研修や事例指導などのコンサルテーションです。しばらく前は、学生相談もしていましたが、現在は携わってはいません。

 臨床心理士の資格は、臨床心理系の修士修了を条件にした、文科省管轄の財団法人日本臨床心理士資格認定協会の試験に合格したものに与えられています。医師や看護師のように国家資格ではありませんが、それに準ずる位置づけといって良いかと思います。この臨床心理士資格は、一度取得すれば生涯にわたって有効ではなく、5年おきに更新が義務づけられています。

 私自身は、今年度で、前回更新以来5年目になりますので、今月中にその手続きをしなければなりません。ただし、更新のためには、定められた研修を受けるなどして、「更新ポイント」15ポイントを満たしている必要があります。このポイントは、上記の認定協会や、臨床心理士会主催の研修会で発表したり、それらを受講する、関連学会で発表したり、そこに参加する、本や論文を書くなど、決められた6つの領域の3つ以上にわたることとされています。研修会や学会への参加は、2ポイント、本や原著論文は10ポイント(共著の場合は、著者数で割り算)などとなっています。

 5年間で15ポイントですから、さほどクリアが難しい条件ではありません。大学の教員をしていれば、学会出席や、本・論文を書くのは仕事の重要な一部分でもありますから。しかし、今回は、少々苦労しました。4年前にうつ病と診断されましたので、なかなか学会や研修会に参加できにくい状況だったからです。病気の場合は、特例で、更新期限も延長されるのですが、幸い、この間に著書3冊、関連学会の学会誌に掲載した論文が3本ありましたので、何とか事なきを得られそうです。

 今月末が手続きの締切ですので、今週末には書類を書いて、来週早々にでも送付しようと思っています。ちなみに、更新料は\20,00です。さらに、受験した際には、受験料¥30,000、登録料\50,000でした。国家資格ではありませんので、資格を取得した当時(15年前)には、家元制度みたいだな、などと不埒な感想を持ったものでした。

 国家資格にする法案は、国会議員の議連ができて、2005年に上程寸前までいったのですが、例の“郵政解散”の影響をもろに受けてしまい、未だにそのまま店ざらし状態です。規制緩和の時代ではあるのですが、ニードは時代の変化に伴って高まっていますので、やはり、一定以上のレベル保証をするという意味では、国家資格化は必要であると、私自身も考えています。

 明日は、天気が良くないようですから、いただいた年賀状の整理と、この臨床心理士資格更新のための手続き書類の準備でもしようかと考えています。大学の方では、修士、博士の論文提出期間になります。指導を他の先生にお願いしている教え子がいますので、きちんとできあがっているか気になるところです。しかし、変にプレッシャーをかけてもいけないと思いますし、指導をお願いし、お任せしている立場ですので、陰ながら応援するということにします。

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2008年12月17日 (水)

一安心

 日中は雨模様という予報でしたが、さほどでもありませんでした。9時頃からは、ほとんどあがっていました。

 今朝は、4時半くらいから起きてしまったのですが、博士後期課程のSbさんから、うれしいメールが届いていました。昨日、博士予備審査論文の審査会だったのですが、無事に終了したという報告でした。

 日程や、審査委員の先生は、事前に届いていた教授会資料で知っていたのですが、ヘンなプレッシャーをかけてもいけないと思って、じっと待っていたのです。というのも、ここでバラしてしまってはいけないのですが、Sbさんは、見かけや、文体、作成する資料の分量の割に、プレッシャーに弱い方なのです(失礼!)。

 審査会は、30分程度のプレゼンテーションと、ディスカッションとで、おおむね1時間半程度の時間をかけるのが通例となっています。一部、理論的な部分で説明がややこしいところがあったようですが、私の代わりに指導をお願いしている、N大学のTk先生のご助力で何とか切り抜けられたようです。正式には、1月の教授会を経て、合否が決まりますが、報告を読んだ限りでは、ゴーサインが出ると思います。

 このメールを読んで、本来の指導教授である私自身も、一安心というか、かなり気分的に楽になったのを感じました。自分が休職してしまっていて、直接進み具合を見ていないこともあって、あまり意識はしていなかったのですが、やはり相当気になっていたようです。ことわざで言えば、医者の不養生というか、紺屋の白袴というか、案外自分のことは、分かっているようで、そうではないことを実感しました。

 ということで、1日のスタートから、安心できることがありましたので、あまり天気も良さそうではなかったのですが、散歩がてら、市立博物館でやっている展覧会でも見てこようという気持ちになれました。距離的にはたいしたことはありません。往復2㎞ほどです。

 現在は、“詩情の画家 小林研三の世界~のはら・そら・とり~”という企画展が開催されています(2009年2月1日(日)まで)。小林研三は、1924(大正13)年2月に四日市市に生まれ、幼少時に父親を亡くしたため、桑名市外堀の伊藤家の養子になっています。現在の立教小学校や、精義小学校に在籍し、1942(昭和17)年、二科展に初入選したといいます。徴兵から復員後、、画家として本格的な道を進み始め、二紀会で活躍しました。若い頃はゴッホ風の作品を書いていたようですが、その後は、油彩でありながら、水彩をイメージさせるような詩情あふれる作品を残し、2001(平成13)年4月に没しています。地元、桑名の画家ということです。

 “詩情あふれる”という表現がぴったりする印象の作品が多く出品されており、師走の忙しい中でも、穏やかな気分に浸ることができると思います。多少とも、ご関心がおありの方には、お勧めします。

 明日、18日は、2週に1度の定例受診日です。この2週間、小波はありましたが、体調には、大きな変動はなかったように感じています。ほぼ毎日、散歩に出かけていましたから、まあまあということだと思います。前半は、安定剤の効きすぎかと思う状態もありましたが、後半は、とくに気にならなくなっています。

 諸戸氏庭園前の惣構堀に、珍しく、サギがいましたが、カメラを構えたとたんに飛び去って行ってしまいました。アオサギのようでしたが、写真には、飛んでいく、後ろ姿しか写っておらず、確認できませんでした。

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2008年12月 9日 (火)

H・M氏の死去

 世間では、ノーベル賞の受賞講演や、授与式のニュースが飛び交って、盛り上がっていますが、その陰に隠れて、私には、感慨深いニュースがありました。昨日(2008年12月7日)の朝日コムに掲載されていた、“「海馬」切除後、脳研究に協力 米男性「H・M」氏死去”というニュースです。

 一般的には、たぶんほとんど知られていませんが、心理学、中でも神経心理学や生理心理学、認知心理学の領域、また、医学領域では、神経生理学や脳科学分野では、とても有名な人物です。以下は、朝日コムからの引用です:

 【ワシントン=勝田敏彦】脳の一部を切除する実験的治療を受けて新たな記憶ができなくなったあと、脳機能の研究に積極的に協力し、学習や記憶の仕組みの 解明に多大な貢献をした米国の男性患者が82歳で亡くなった。ニューヨーク・タイムズなど米主要メディアが5日、報じた。

 この男性はヘンリー・モレゾンさん。米コネティカット州の老人ホームで2日、呼吸不全のため亡くなった。研究論文などではプライバシー保護のために「H・M」という名前で呼ばれ、脳研究分野では世界的に知られていた。

 モレゾンさんは9歳のときに自転車とぶつかって頭を強く打ち、原因不明のけいれん発作に悩まされるようになった。18年後の1953年、脳の「海 馬」などを切除する手術を受けたあと、昔のことは鮮明に覚えているのに、新たな記憶がほとんどできなくなる「超記憶喪失」になった。

 その後認知科学や脳科学の研究に進んで協力。当時はほとんどわかっていなかった脳機能の解明に貢献した。現在、海馬は学習や記憶で重要な役割を担っていることがわかっている。

 神経心理学領域では、教科書にも掲載される方なのです。たとえば、手元にある、「心理学(東京大学出版会、鹿取廣人・杉本敏夫〔編〕、初版、p.92)」や、「心理学(有斐閣、無藤・森・遠藤・玉瀬〔著〕、p.53)」にも、トピックや、コラムとして紹介されています。また、「ピネル バイオサイコロジー 脳-心と行動の神経科学-(佐藤・若林・泉井・飛鳥井〔訳〕、西村書店、pp.205~208)」では、ご覧のように、4ページにわたって詳細に紹介されています。

 H・M氏の例は、個人的には悲劇的な物語なのですが、その後の記憶の神経心理学的な研究の発展には、計り知れないほどの貢献をしてくれたものです。脳の“海馬”や、“内側頭葉”が、記憶に重要な役割を果たしていることを示してくれ、これらの部位の果たしている機能、役割に関する膨大な研究を生み出しています。海馬についての専門的な知見については、こちらに詳しく、というかきわめて膨大な、とても読み切れないほどの記載があります。

 私自身は、よく調べもせず、H・M氏は、すでに過去の人物だと思い込んでいたのですが、自分の両親と同世代の人物であり、ある意味で、同時代を生きていた方であることを知って、不明を恥じるとともに、心と脳科学が、これだけの隆盛を迎えた今、ある種の感慨を抱いたものです。

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2008年11月27日 (木)

よくしたもので……

 何となく肌寒い1日でした。

 今朝は、5時過ぎに目が覚めてしまいましたので、そのままエイヤッと起きてしまいました。この頃では珍しいことです。午前中、その勢いで、ということではありませんが、Sbさんの博士論文予備審査論文に目を通して、気づいた点を若干、コメントして、メールで送りました。これで、当面は、手持ちのto do 仕事はなくなってしまった訳です(まぁ、休職&療養中ですので、これで普通なのですが……)。

 と思っていたのですが、早速、夕方には、追加した分析についての報告がメールでありました。何ともよくしたものです。サボらないようにできているようです。ロジスティック回帰分析という、2値データに適用できる、いわば重回帰分析が実施してありました。結果の見方は、おおよそわかったのですが、明日にでも、統計学のテキストを見て、ロジスティック回帰分析については再確認のお勉強をしようと思います。

 肌寒い日でしたので、散歩をどうしようかと迷っていたのですが、家内が、リサイクルゴミを運ぶといいましたので、例の“クルクル工房”まで、手伝いがてらついて行き、白揚桑名店に行き、雑誌2冊、文庫本1冊、新書2冊、パソコンのMOOK1冊を買ってきました。これでまた、ちょっと積ん読が増えてしまいました。

 その他、午後からは、統合失調症の作業療法についてや、教育論についての小論を読むなど、久しぶりに、勉強をしてみました。論文を読みながら、ノートを取って勉強したという次第です。

 ところで、先ほど書いたように、Sbさんからはすぐにメールの返事が来たわけですが、「先生のメールの『熟読した』、『一読してほぼ内容を把握できた』という文言を見て、あぁ、本当に体調もよくなりつつあるんだなぁと思いました。以前、私の論文は『読む体力(気力)がない』とおっしゃっていましたので(笑)」というようなことが書いてありました。う~ん、そうかも知れません。さすがに、精神保健看護学専攻です。

 明日は、朝には雨が上がるという予報ですから、散歩に出ることにしましょう。特に、今日はサボってしまいましたから。それに、少しずつ“お勉強”をしよう、という気持ちにもなってきましたし、積ん読も少しずつ片付けたいと考えています。

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2008年11月26日 (水)

校正終了

Pb260016  小春日和というよりもさらに暖かい感じの1日でした。

 先週末に届いていた、福○出版から刊行予定の「新 医療と看護のための心理学」の、校正の第1回(初校)を済ませ、早速、11時前に、散歩がてらに外出し、投函してきました。

 この頃、こういう原稿は、すべて電子ファイルで入稿しますので、ミスがあるとすれば、自分のタイプミスか、変換ミスかのいずれかが主なものです。それ以外にミスがあるとすれば、出版社で作り直してもらうorトレースしてもらう図や、表のたぐいです。今日の校正も、ほとんどは、自分の犯したミスを確認するというものでした。

 そのほかには、「てにをは」や、主語に「は」と「が」のどちらをつけるか、という点を確認Pb260021 する必要があります。場合によっては、編集者から、コメントや指摘がついていることもあります。優秀な編集者の場合、さまざまなこちらの勘違いを指摘してくれます。

 今回は、ほとんど自分の変換ミスや、「てにをは」や、主語につける「は」と「が」の修正がほとんどです。校正の際に文章を大幅に修正するのは、原則的には、ルール違反ですので、提出前には、かなり推敲をします。対価をいただいて書く文章や、対価はなくとも、論文を書く場合にも、推敲はかなり行います。

Pb260040  初校では、こうしたミスの確認のほかに、多くの場合、索引とする人物名や、項目名を指示します。今回も、この作業を行い、念のための写しを取って送付してきました。校正は、2校を行うこともありますが、今回は初校のみです。したがってあとは、本ができあがるのを待つだけという状況です。

 これで、当面抱えているto do 仕事は、Sbさんの博論予備審査論文のチェックだけになりました。これは明日にでも行う予定です。

Pb260047  郵便局に投函に行ったついでに、1時間弱の散歩をしてきました。八間通郵便局から、田町、本町、七里の渡し跡から住吉神社、惣構堀という、いつもとは逆のコースで、調べてはいませんが、2㎞くらいでしょう。

 午後は、Linux系のOSである、UbuntuをインストールしたLet's Noteで遊びつつ、Linuxの勉強をしていました。ほとんどは、Windowsと同じく、GUI(Graphical User Interface)で操作できますので、さして違和感はありません。むしろ、基本のOSをインスPb260050 トールすると、オフィスソフトや、音楽、映像、ブラウザなど、普通使うソフトのほとんどが付属してきます。しかも、これらはすべてフリーソフトですので、当節流行の格安パソコンにインストールすれば、パソコンおよび周辺機器にお金を使うだけで、Windowsとも互換性の高いパソコンができあがってしまいます。

 無線LAN、プリンタ、スキャナがうまく動きませんので、明日の午後にでも、また、その続きをする予定です。明日は、天気が悪そうですから、散歩は難しいかも知れません。

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2008年10月 8日 (水)

祝!ノーベル賞&パソコンほぼ回復

Pa070001  夏のように暑い日となりました。昼間は、半袖のTシャツ1枚でも過ごせるくらいでした。体調は、引き続き悪くありません。このペースでいきたいと思います。写真は、昨日、掲載できなかった、朝焼けの様子です。実際の光景の方が、神々しい感じでした。何もテクニックを使っていませんので(正確には、使えませんので)、それは伝わりにくいかもしれません。

 さて、昨日からのビッグ・ニュースといえば、ノーベル物理学賞に3名の日本人物理学者が決まったということでしょう。都市部では、新聞の号外もでたようです。余りよいことのなかったこのごろでは、久しぶりの明るいニュースです。実際に体験はしていませんが、敗戦後の混乱期に湯川博士がノーベル賞を受賞されたのと同様の雰囲気かなという気がします。

 さらに私にとって、うれしかったのは、小林・益川の両先生は、私と同じ出身大学であったということです。もちろん、年齢も、学部も違いますから、キャンパスでお会いしたのでも何でもありません。「ノーベル賞が取れる」研究者だという何かの記事でお名前を拝見した記憶があるだけです。数年前の野依教授も、我が母校の教員でいらしたのですが、ご出身は京大でした。国立N大学出身の方としては、最初のノーベル賞受賞者ということになりました。なんだか、それだけでうれしくなります。当然、ご専門の研究内容は理解できませんが、その偉業には、感服します。心からお祝いを申し上げたいと思います。

 ところで、とてもとても、ノーベル賞と並べて書くほどの内容ではありませんが、我がメインマシンである、VAIOのリカバリも、順調です。ドライブCには、基本ソフトの他、よく使っていたCDのうち、自宅に保管してあったものをインストールして、ほぼ90%などの回復水準にしたと思います。後は、大学においてあるソフトのインストール用CDを持ち帰らないといけます。ソフトの設定や、ソフトベンダーから改めて認証を受けたりする作業はほぼ終わりましたが、あとは、最重要課題のバックアップが残っています。

 しかし、昨日書きましたようなソフトはほとんど自宅に保管していましたので、大変面倒なことなのですが、後は、決まったソフトのインストールや、アップデートなどがありますが、こういう作業をする上では、マニュアルをきちんと読むなどによって、知識と、スキルが必要なことはいうまでもありません。

 その後は、各種の設定のやり直しや、登録にいそしんでいます。まだいくつかありますので、残りは、また明日、ということになりそうです。昨日は、結局11時半近くまでかかりましたので、今日は早めに寝ようと思います。ソフトの回復、設定などすべてが終了したら、バックアップを外付けハードディスクに取っておかなければと考えています。

 ATOKも、ぶっ飛ばしてしまいましたので、日本語変換について学習させた内容が、ゼロになってしまったのも、被害大です。変換ミスを頻発しています。これも、バックアップがとれるようにしておかないといけません。

〔追記〕化学賞も、アメリカ在住の日本人研究者・下村脩さんが受賞されるというニュースが流れています。

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2008年9月22日 (月)

体調は、比較的良好

 昨日の日曜日の分が抜けてしまいましたが、体調は比較的良好ですsmile。他のことをしていたため、ブログを書く時間がなくなってしまっただけです。

 処方変更から1週間あまり経った先週金曜くらいから、心身とも、調子は比較的落ち着き、変な緊張や頭重感はかなり軽減されました。元気も少し回復してきたような気がしますし、気分的にも良好です。“調子に乗った”という訳ではありませんが、査読をしてコメントを書くといったデスクワーク&ブレインワークは、さほど負担になりませんでしたので、週末にかけて、その作業を済ませてしまうことができました。

 さて、査読の方は、引き続き、よく読み込んでいくと、9月20日に書いたことの他に、Discussionで導かれている結論の根拠が明確でなかったり、弱かったりするところも見えてきました。結局、投稿論文そのものにかなりコメントを入れることとなり、“修正再査読”という判定を下しました(院生達の原稿ほどではありませんが、毎ページに朱筆が入りました)。

 この領域の研究論文では、結果の読み取り、とくに統計学的な検定の適用とその結果の解釈や、得られた結果に基づいて考察を進め、結論を導くという論理的思考、論旨の展開という点がやや甘い、というのが、これまでの経験から得られた印象です。もちろんかなり限られた経験に基づくものですから、そうでないものも多いと思っています。ちなみに、“この領域”とは、心理学プロパーの領域ではありません。

 ということで、査読は、締切まで2週間も残して、終えてしまいましたので、今日、午前中に郵送してくるつもりです。しかし、締切2週間前に仕事が仕上がってしまったというのは、さすがにこれまでには経験がありません。ただし、これをお読みになって、文章を書いたり、添削したりする仕事は、依頼されませんようにお願いします。何といっても、休職期間で、療養に専念するのが、現在の本業ですので。m(_)m

 ところで、ネットで雨雲の様子を見ますと、東海地方はすでに雲は取れていますので、今日は晴れそうです。ちょっとデスクワークをしすぎという日が続きましたから、散歩を兼ねて、歩いて郵便局まで出かけてこようと思います。散歩もあまり、一度に欲張ってはいけませんから、ブラブラと、例によってデジカメをぶら下げてという程度にしておきましょう。

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2008年9月20日 (土)

台風一過で気分スッキリ

 台風13号は、幸い、このあたりにはとくに被害ももたらさずに通り過ぎてくれました。昨日のブログに書いていたよりも、早い時間に通過してしまったようで、そろそろ寝ようかと思った22時前には、空は晴れてきていました。

 さて、今日は、4週間に1度の内科受診でした。高血圧の薬をもらいに行くのです。午前の診察開始、10分あまり前に受付をしたのですが、1番でした。というのも、たぶん、今日は、地元の小学校の運動会が開催されるからだろうと思います。診察では、最近の、自宅での血圧測定記録を見てもらい、聴診と、血圧測定をして、世間話というのがお定まりのコースです。それこそ3分診療くらいですが、支障はありません。近くの調剤薬局で投薬してもらい、9時5分くらいには、すべて終了でした。血圧の方は、きちんと薬を飲んでいるためか、おおむね120~80前後で推移しています。

 コンビニに立ち寄って新聞などを買って帰ってきましたが、家内は用事、子どもたちは2人とも部活ということで、午前中は、1人で留守番です。どうも、精神科の処方変更のためか、このところ午前中に眠くなることが多く、今日も、1時間弱、午睡をしてしまいました。

 ところで、午後からは、珍しく、気分も良く、体調も悪くありませんでしたので、例の査読をしていました。かなり長時間にわたって作業をしたのですが、とくに疲れも感じないで済みました。結果や考察をデータと照らし合わせて読み直し、また、AbstractからMethodも読み直しました。基本的な部分で、Abstractと本文(結果)、表の記述に矛盾があるのを見いだしてしまいました。結論についても、相関が有意であっただけですが、因果関係を示唆する記述もありました。また、統計的手法があやしいところも、いくつか見つけてしまいました。ざっと眺めただけでは、気づきませんでしたが、メモをとったり、表を図に書き直したりして読みますと、いろいろと不十分な点が見えてきてしまいます。

 採択不可とかまではいきませんが、メインの部分を含め、結構、書き直しをしてもらわなければなりません。執筆要領に合わない部分もいくつかあります。明日、最終的な評価とコメントを書いて、返信してしまおうと思います。

 ということで、予定外に、熱心に仕事をしてしまいましたが、今のところ、疲れもありません。統計学的検定のところについては、研究室に置いてある“ノンパラメトリック検定”の本を確認したいところもあるのですが、どうしたものでしょう?元気があれば、明日か、秋分の日にでも一度、久しぶりに研究室に行ってこようかという気もします。

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2008年8月31日 (日)

気分よく,原稿も進む

P8310004 8月31日です。いよいよ子どもたちの夏休みも終了です。娘は,24時間テレビを見なP8310005が ら,宿題の仕上げに勤しんでいます。今日中には,間に合うだろうと思いますが,どうでしょう?息子は,朝6時半出発で,鈴鹿サーキットで開催されている“第25回シマノ鈴鹿ロード”という,自転車競技関係のイベントに出かけていきました。よほど楽しかったようで,興奮気味で帰ってきました。夏休み最後の,よい思い出なのでしょう。

P83100012  さて,久しぶりに青空,それも,まだ夏という感じの青空がみられました。こういう天P8310014_2 気 がよく,久しぶりに乾燥していましたので,お陰様で気分もよく過ごせました。1枚目,2枚目はおなじみの光景ですが,わが家の玄関先から撮影したものです。両方とも夏の雲,という感じです。2枚目は,多度山がよく見えています。3枚目のように多度山は,頂上の鉄塔までよく見えます(手前の低い山<標高403メートル>が多度山です。奥は,養老山地の庭田山頂公園のあたりではないかと思います<標高560メートル>)。多度山の麓には,4枚目の写真のように,多度大社の鳥居が見えます(トリミングしてありませんが,中央部分をよくみていただくとお分かりでしょう)。

P8310006  名駅前の高層ビル群もよく見えます。セントラルタワーズ,ミッドランドスクエアの他,P8310019_2 そ れらの右の方には,スパイラルタワー,また,左の方には名古屋ルーセントタワーも見えています。最後の写真は,なばなの里と,展望台のアイランド富士です。川は長良川で,そのすぐ奥の塔や,森のあたりがなばなの里です。

 というように,とても気持ちの佳い日でしたので,朝から,気分も比較的佳く過ごせました。午前中には,例のF村出版の原稿も,分量でいえば,完成度130%くらいに達しました。つまり,いつものように,分量制限よりも多めに書いて,その後,推敲を重ねて,質・量ともに(主観的には),完成度100%にする予定です。あとは,事例のところを修正して,その後,推敲をしますが,これは明日の課題とします。早ければ,明日中に,遅くとも明後日には完成させ,もう1日熟成させて,最終確認を行った上で,送る積もりです。

 原稿が提出できれば,当面のdutyはすべて果たせますので,その後は,いよいよ体力回復ステージに入ろうと思っています。本の方は,順調に作業が進めば,来年(2009年)2月には刊行予定です。

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2008年8月13日 (水)

たまにはacademicに

 月遅れのお盆です。予定では、家内の実家でしたが、どうも体調がイマイチでしたので、留守番を命じられ、おとなしくしていました。ナガシマスパーランドでは、今日から、お盆期間中は、また花火大会です。午前中は、我慢していましたが、昼過ぎになってどうにも耐えられなくなり、午後からは、1人だけでしたが、エアコンを付けて過ごしています。

 さて、たまには“研究室日記”らしく、academicな内容でも、と思います。先日届きました、日本心理臨床学会の“心理臨床学研究”26巻2号を見ていましたら、次のような論文が載っていました:

古田雅明・八城 薫・乾 吉佑(2008):臨床心理士の専門性に関する基礎的研究.心理臨床学研究,26,218-223.

 細かいデータに興味がおありの方は、原典をご参照いただきたいと思いますが、以下に要約しておきます:

 臨床心理士の専門性を,他の対人援助専門職と比較するため、共感性尺度、自己意識尺度、セルフモニタリング尺度を用い、臨床心理士54名、臨床心理士第一種指定大学院修士課程学生73名、私立大学学生176名、看護学生72名、看護師125名と比較した。その結果、臨床心理士は,「視点取得(他者の気持ちの想像と、認知度を測定)」、「私的自己意識(自分の内面に注意を向ける)」が他の群に比べ高く、「個人的苦悩(緊張事態での不安や動揺を測定する)」は低かった。また、共感性の下位概念である「視点取得」、「共感的配慮(不幸な他者への同情や関心度を測る)」、「個人的苦悩」の間に関連がなく、共感性が分化していた。つまり、他者にホドホドに同情し配慮しているが、その同情が他と同じように、「個人的苦悩」に繋がっていない、すなわち情緒的に巻き込まれないという結果が得られた。

 これに対して、看護師は、臨床心理士に比べ、「個人的苦悩」が高く、「私的自己意識」が低いことが明らかになっていた。また、「視点取得」、「共感的配慮」、「個人的苦悩」,「私的自己意識」、「公的自己意識(自分の外的な側面に注意を向ける)」の間に相互の関連性が認められており、他者に対する同情が強く、その同情が「個人的苦悩」に繋がりやすく、情緒的に巻き込まれがちな傾向が見られた。

 以上のように、職種により異なる職業像が得られました。性別、年齢、経験年数を完全にはマッチングしていないデータですので、あくまでも参考資料の位置づけになりますが、興味深い報告です。臨床心理士では、周囲の状況や他者の期待を敏感にキャッチし,それにあわせて臨機応変に対応するセルフ・モニタリングに繋がると考えられる結果だと、著者たちは述べています。臨床心理士自身による研究成果ですので、多少は割り引いて考える必要があるかも知れませんが、実証的な量的研究による知見ですので、一概には否定できません。

 看護職とは求められる役割が異なりますので、単純な比較はできませんが、職種としての教育内容や、卒後の研修などにこうした知見が活かせるかも知れません。

 ところで、明日は、定例受診日です。このところ、やや不調が続いていますが、主観的には,夏バテ気味ということと関連しているように思います.実態はどうなのでしょう?もう2週間もすれば,8月も終わりに近づき、秋風も吹き始めるのではないかと期待しています。多少涼しくなり、体調がよくなれば、体力回復ステージに移りたいところです。

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2008年7月28日 (月)

A Little Work

 今日の東海地方は、終日、不安定な天候でした。天気予報では、三重県地方は、1日、曇りとなっていましたが、午前中から、断続的に雷雨に見舞われていました。昼少し前には、北からの強風とも相まって、玄関前の通路や、玄関ドアまでびっしょり濡れるほど、吹き込んできていました。愚息は、「電車で行くより早い」と、自転車で出かけたのですが、帰宅は、雨の止み間を待っていたら、15時過ぎでした。

 北陸方面などでは、豪雨となり、川の氾濫で被害が出ているようです。お見舞い申し上げます。

 さて、今日は、タイトルの通り、わずかに仕事をしてみました。今月10日に締切のあった、原稿の加筆・修正以来のことです。

 1つは、心理アセスメント結果についてのコメント依頼でした。WISC-Ⅲという子ども用の知能検査を実施した結果について、分析のみを実施したデータを預かり、その解釈についてA4サイズで、2枚余り書いたものです。1時間半ほどで仕上げました。こうした、言わばレポートは、ブログの文章とは異なり、きちんとした根拠を示し、論理的に、また、明快に書く必要があります。そういう文章はしばらく書いていませんでしたので、少し手間取りましたが、現在の体調や、アタマの働きでは、まあまあでしょう(自己評価ですから、相当甘いかも知れません)。

 午後からは、もう1つ。9月はじめに締切の教科書原稿を書く準備をしてみました。これは、ほぼ10年前に出版したものの改訂版を作る、という趣旨のものです。したがって、まったく、ゼロの状態から、つまり、構想から始める必要はないものです。

 午前中には、ブレイン・ワークをしましたので、午後もそうすると、また、オーバーヒートし、飽和してしまいます。マッスル・ワークに近いことだけに限ろうと、もとのバージョンの教科書の担当箇所をスキャナで読み込んで、Wordファイルに変換することだけを済ませました。後は、編集の趣旨を確認して、今日の分はオシマイ、ということにしました。

 担当箇所は、“患者心理のメカニズム”というところですので、最近の動向をチェックしたり、当初の原稿のミスやわかりにくいところの確認から、ぼつぼつと取りかかる予定です。ただ、毎日、根を詰めてやれるほど回復してはいませんので、せいぜい1日おきくらいに、気が向いたときに作業をすることにしました。

 今週はまた、木曜日に定期受診です。前回以降、心身ともに、体調はさほど変動はしていません。何度か書いていますように、暑い日が続いていますので、体力低下を来して、バテてしまわないということを目標に生活しています。日中は、必要なとき以外には、外出は控えていますし、午睡(と書くと、多少聞こえはよいのですが、もちろん、昼寝です)も、少しずつ取るようにしています。8月末までは、現在の体調、体力を維持したいと考えています。

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2008年7月17日 (木)

師匠不在でも

 今夜から明日にかけては、久しぶりに雨が降るようです。夕方の天気予報では、19日(土)には、梅雨明け宣言がでる見込みだ、といっていました。ただ、台風もやってくるようですので、油断はできません。

 さて、定例の受診でした。主治医は、病棟で緊急対応しているということで、1時間ほど待ち時間がありましたが、苦痛ではありません。人間観察をしていると、退屈にはなりません。それに、どういう訳か、私は結構、他の患者さん達から話しかけられるという特技(?)をもっています。親和性が高いのでしょう。

 主治医には、勝手に減薬したことを正直に申告し、その量で調子がよいのなら、処方を変えて、2週間、様子を見ましょうということにしてもらえました。パキシルが、40㎜から30㎜に減量です。今日は、昨日も書きましたように、息子が、ランチを狙って、受診についてきて、しかも、診察にも同席しました。どう思ったかは聞いていませんが、多少の社会勉強にはなったのではないかと思います。

 受診を終えてから、息子が部活のことで用事がありましたので、高校へ寄って、ランチを食べて13時過ぎに帰宅しました。さすがにあちこちと移動して用事をしてくると疲れます。午後からは、1時間ほど昼寝です。

 ところで、外出中にケータイメールが入って、D3のKtさんから、修論を加筆修正して投稿していた論文が、受理されたという連絡がありました。日本看護科学学会誌に掲載される予定です。師匠(と威張れるほどのことはしておらず、不肖の弟子ならぬ、不肖の師匠ですが……)は不在でも、院生の皆さんは、それぞれに努力して、必要なことを進めてくれているようで、ありがたいことです。

 お陰様で、これで論文は68編、著書・訳書は17冊、学会報告は156、報告書等は92編、合計333ということになりました。もちろん、私1人の力ではなく、恩師、同僚、院生・研究員の皆さん方のお陰です。停年(65歳)までに、論文100編に達しないかなというのが、ささやかな希望なのですが、どうでしょう?ここ10年近くは、雑用超多忙と、体調不良とで、個人的には、“失われた10年”という気持ちもあったり、復帰は難しいかなと思ったりもしていたのですが、教え子や共同研究者の方たちを放っておいて、勝手なこともできないなと思い直しています。

 昨日の記事のように、せっかく休職期間の延長を認めていただきましたので、十分に療養し、体力を回復して、復帰に向けて少しずつでも進もうという気持ちを新たにできた感じがします。慌てず、焦らず、心静かにを自らに言い聞かせて、スローペースでやることにします。

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2008年7月 7日 (月)

アタマは使っていないと

 いよいよサミットが始まりました。福田総理は、テレビニュースで見る限り、ずいぶんご機嫌のようで、ご同慶の至り(?)です。親子2代にわたる念願(サミットの議長を務めること)を果たしたからでしょうか?足取りも軽く、小走りしている場面もあったようですが、大丈夫でしょうか。もっとも、基本的には、事前の交渉で、結論はほぼ決まってはいるのでしょうが……。

 さて、相も変わらず蒸し暑い日でした。午前中に、へるす出版の原稿を送るのと、大学宛に本を送るために、郵便局やコンビニを廻ってきました。ついでに本屋と文房具屋も覗いてきたのですが、屋外にいると、本当に暑いですね。外出には、ずいぶん久しぶりにCopenに乗って出かけたのですが、やはり自分のクルマは、いいものです。早くも、今月、車検を迎えるのですが、購入当初と変わらずに、快調な走りです。

 ということで、へるす出版の原稿は、無事、送付しました。指定枚数には収まっていますし、CD-Rにも何とか焼くことができました。7月10日が締切ですから、これで楽勝!と行きたいところです。

 ところで、今日は、昨年度、大学からもらった特別研究奨励費の成果報告書の締切でした。朝9時前から手を付けたのですが、どうも調子が出ず、何となく眠かったものですから、若干、朝寝をしてスッキリしてから、ということにしました(職務に精励されている皆様方には、大変申し訳ありません。体調が今ひとつということで、ご容赦ください)。小1時間寝てから、先に、上に書いたように、原稿などの発送を済ませてきましたので、結局、午後から手がけたことになります。

 省エネルギーのため、日中は、よほどのことがなければ、エアコンは使っていません。さすがにこのところ、それではキツイ状況で、とくに、回転の悪くなったアタマでは、ブレイン・ワークができるようになるのに、結構な時間がかかります。結果的には、例によって、4時から男という状態でした。それでも、夕食前までに一通り仕上げました。私の場合、“一通り”というのは、推敲をしていない状態で、とにかく、指定の分量を満たして余りある量の原稿を書き上げた、という意味です。内容は、もちろん、書き始める前に考えて、ポイントは落とさないように、また、順序も話しが通るようにはしてあるつもりです。

 そして、夕食後、エイヤッと推敲をして、ちょっとインチキですが、1ページの行数をわずかに増やして、指定枚数に収めた原稿を仕上げ、先ほどメールで送って、できあがりとしました。

 しかし、今日の報告書を書くに当たっては、自分が実施した実践や、研究をまとめた訳ですが、やはり、コンスタントにアタマを使っていないと、ずいぶんさび付いてしまっているということを再確認しました。Wordの使い方も、細かいところでは、「どうするんだったっけ?」というところもありました。調子の悪いときは、そんな余裕はもちろんありませんが、体調が回復してきたら、少しずつアタマを使うこともした方がよいな、と再認識しました。 

 しばらく前から流行している“脳トレ”がよいのかどうかは、分かりませんが、それなりにアカデミックな内容も、飽和しない程度に少しずつ取り入れた方がよいのでしょう。いずれにしても、これで、当面、仕事に関わるようなduty、締切はなくなりました。体力の回復と、体調の改善に向けて、淡々と療養に専念することにします。

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2008年6月11日 (水)

インターネット依存とメンタルヘルス

 雨は降りませんでしたが、梅雨空に戻りました。しかし、余りうっとうしいという感じはせず、南北の窓を開けていますと、比較的心地よい風が通っていきます。揖斐・長良川からすぐであり、古くからの町の中にあるとともに、諸戸氏邸など緑の多い庭園に面していることのメリットでしょう。ありがたいことです。

 さて、今日は、大学の事務室の方が、郵便物や、会議資料などを転送してくださいましたので、その整理をしていました。儀礼的な手紙や、出版社のPRなどもありますが、中には、学会費の請求、学会誌の送付など大切なものもあります。おおむね整理し終えてから、学会誌数冊の目次をパラパラ見ていました。まだ、内容を仔細に読むほどの元気はありません。アタマが飽和していて、専門的な内容を拒否しているようです。

 そうした中で、ちょっと関心を引いた論文がありました。“心理臨床学研究”誌の26巻1号に掲載されている、“インターネット依存傾向と日常的精神健康に関する実証的研究(鄭艶花・著)”です。タイトル通り、インターネット依存傾向と日常的な精神健康との関連や、インターネット依存傾向のタイプ分けを、調査データに基づいて検討したものです。360名ほどの文系の大学生を対象にしています。対象者の大半は、女子学生のようですから、結果を一般化するにはさらに検討が必要でしょう。

 結果の概要を見ますと、まず、日常的な精神健康は、生活充実感、神経質傾向、体調不良、ストレス性、怒り性の5つの因子からなっていました。これらの因子とインターネット依存傾向との間には、因果関係が認められ、とくに依存傾向と、神経質傾向及びストレス性とは、相互に影響し合うということです。

 また、インターネット依存傾向については、非肯定型依存傾向、コントロール型依存傾向、生活支障型依存傾向、不適応型依存傾向の4つのタイプに分類でき、あとの方のタイプほど依存傾向が強いという結果が得られています。コントロール型依存傾向タイプでは、インターネットの使用を適切にコントロールすることで、生活充実感も高まり、精神的健康状態も保てているのに対して、不適応型依存傾向タイプでは、実生活での充実感が低下し、精神的にも不健康状態であることが明らかにされています。さらに、この不適応依存傾向では、体調不良が多い傾向もあるようですが、それは必ずしも明確な関連性が確認できるまでの結果ではなかったということです。

 「当たり前の結果じゃないの?」とか、「たぶんそうだろうねぇ」、「やっぱりね」という反応が多いかも知れません。心理学の研究においては、こうした常識を、再確認するという結果が報告されることがあります。しかし、私たちが日常的に感じている問題点については、実証的に確かめることが必要なのです。“実証的に確かめる”というのは、この研究のように、実際に調査を行ったり、実験を行ったりして、データで確かめるということです。

 なぜこうした実証的な研究データが必要かと言いますと、議論が、具体性を欠く、単なる“べき論(客観的な根拠なしに、~すべきと主張する議論)”に陥ってしまったり、“昔はよかった”という、これまた単純な“懐古論”になってしまったりすることを防ぐことができるからです。“べき論”や、“懐古論”は、安倍内閣の時の“教育再生会議”の議論のように、どうしようもない議論を経て、これまた中身のない結論を導くことになるからです。

 蛇足になりますが、行政では、こういった実証的な調査研究を行うことを余り好まない傾向にあるようです。それは、実証的な調査を行った結果、問題点が明らかになってしまうと、それに対する対応を施策として企画立案しなければならなくなる、と考える傾向があるためのようです。つまり、単純化して言えば、事実として明らかでなければ、その現象は存在しないという思考様式なのでしょう。

 長くなりましたが、インターネットにのめり込んでしまっている人では、実生活での充実感も低く、精神的にも不健康であり、それらは悪循環すると見ることができるということです。秋葉原事件の犯人も、こうした悪循環のスパイラルに落ち込んでしまい、彼の世界は、その中だけで閉鎖システムを形成してしまっていたという側面がかなり強いのではないかと思います。現実の生活や、対人関係、他者の存在が、そういう閉鎖システムの中で、ある種の記号となってしまうのでしょう。それが、この事件のバックグラウンドにあると考えられます。記号化してしまったものには、もはや生命は感じられないでしょうし、当然、個別性も喪失してしまっているのでしょう。だからこそ、“誰でもよかった”となるように思えてなりません。

 実証の重要性を主張しながら、最後の部分は、かなり話しを広げすぎていますから、実証的ではありません。しかし、まぁ、それを自覚していますので、決して私の妄想でもないと思います(言い訳ですが……)。

 

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2008年5月30日 (金)

脳トレならぬ、脳リハビリ

P5300001  梅雨に入ったかのような天候です。今日は、晴れ間もあるという予報ですが、確かに晴れ間は見えるものの、曇りがちで、太陽は見えません。ただし、気分的には、昨日よりもよい感じです。

 さて、昨日書きましたように、視覚障害の方用の試験の代替問題を作成することになりました。これに関連して、この頃、アカデミックなことには一切手を付けていませんでした。専門に関わるような本も、論文も読んでいません(自宅に届いた学会誌の目次くらいは目を通していましたが……)。書き物もしていませんでした。

P5300004  そういうこともあって、今週に入ったくらいから、“そろそろ頭を使うようにした方が良P5300005 いかな”と考えていました。何を考えていたのか、今になると自分でも笑えるのですが、ニンテンドーDSのソフトを検索して、やっぱり“川島教授監修の脳トレ”かなぁ、それとも“ナントカ検定”の勉強でもした方が良いのかなぁと、かなりマジに調べていました。DSライト自体も、自分用を買った方が良いよな、とも思ったりしていました。しかし、ネットでソフトを調べたり、ソフトのレビューを見たりしているうちに、どうもイマイチで、ピンと来ないなという判断に傾いていました(まったく主観的なものです)。

 そうこうしているうちに、この“代替問題作成”の期限が迫ってきたのです。脳トレをしている暇もなくなりましたが、昨日は今ひとつ気分が乗りませんでしたので、今日に延ばしていました。午前中、気分もよいので、やるか!ということで、注意点を確認した上で、自分の書いたテキストを読み返しつつ、合計2題の原案を、小一時間で仕上げることができました。もう少し、苦労して、時間もかかるかと予想していたのですが、まさに、“案ずるより産むが易し”でした。

P5300008  上述のように、しばらくアカデミックなものから遠ざかっていたものですから、午前中は、脳のリハビリテーションでもするか、という気分だったのですが、ソッコー本番のようになってしまいました。昼食後、一休みしてから、再確認し、タイプミスを直して、先ほどメールで送っておきました。主任講師の先生のチェックが入ると思いますが、自分としては、一応、“これにて一件落着”です。

 落ち着いて考えてみれば、自分が書き、何度も推敲し、放送用の録音まで済ませた内容ですから、あれこれ迷っているよりも、手を付けた方が早いということでした。調子が余りよくないと、そういうこと自体、どこかに飛んでいってしまっています。認知的な枠組みは、まだまだ固いようです。

 ところで、今日の写真は、ベランダの盆栽たちです。1枚目のものは、近くで採取してきた苔を貼り付けたものです。苔の種類は、まだ同定していません。2枚目は、研究室から連れ帰ってきたポトスです。ナントカ生き延びています。3枚目は、楓ですが、枯れてしまい、ダメになったかと思っていたのですが、葉が出てきてくれて、一安心しています。4枚目は、一時は、瀕死状態に陥っていたニジノタマです。よく見ると、手前側に別物が生えてきているのに気づきました。

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2008年5月29日 (木)

試験問題のバリア・フリー化……たまにはアカデミックに

 今朝方は、かなり強い雨が降っていましたが、この時間には、かなり小降りになって来ています。

 さて、身辺雑記ばかりではなく、たまにはアカデミックなことも取り上げてみます。放送大学の本年度からのラジオ講座の1つである、“心理学研究法”に関わらせていただいていることは何度か、ブログにも書いてきました。テキストも出版されましたし、試験用の問題も提出と、そのチェックを5月の連休で終えて、これであとは、もう何もないと思っていました。

 ところが、先日、「視覚障害者の方が受験されることになり、音声問題を作成する必要が生じました」という連絡が、主任講師の先生を経て届きました。全くお恥ずかしい、かつ、失礼な話で、自らの考えの至らなさを痛感した次第ですが、正直に告白しますと、“想定外”のことでした。考えてみれば、ラジオの講座ですから、そういうことも十分あり得る訳です。テキストの原稿作成から、放送の録音の段階では、主任講師のKh先生から、「くれぐれも分かりやすく」と念を押されたこともあり、それなりに配慮したつもりでした。とくに、放送では、テキストなしでも分かるようにと、テクニカル・タームの使用や、その他の用語、ことばの使い方にも誤解が生じないように努力した積もりです。

 しかし、試験問題を作成するときは、本務先などで通常、留意しているように、その内容や、回答に誤りがないこと、テキストの範囲内から出題すること、等に重点を置いていました。その結果、音声化して試験を実施しようと思うと、確かに、不都合が生じうるものになっていました。

 ことが試験問題やその実施に関わりますので、余り具体的、詳細に書くわけにはいきませんが、これから、同一の難易度になるように、また、音声化しても、余分な説明などが必要でないようにという点を配慮して、別問題を作成します。

 生涯教育、バリア・フリー、超高齢社会など、いろいろなことを考えますと、高等教育を受けようとする方の年齢や、心身の状態などもこれまで以上にバラエティに富んでくることでしょう。これからの大学や、大学教員にとって、教材や教育方法のバリア・フリー化を進めるということも、大切な使命の1つになるのではないかと、考えさせられました。

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2008年4月25日 (金)

査読?添削?

 天気がよくなったためか、気分も、昨日までに比べ、多少よくなっています。そこで、休職申請用に依頼しておいた診断書を取りに、いつものかかりつけの病院まで、自分一人で行ってきました。片道、約9㎞です。火曜日に受診したときには、クルマに乗っていても、注意散漫、集中力低下が自覚できましたが、今日は、一時的にかも知れませんが、かなり改善されていました。

 外来受付で診断書を受け取って、そのまま、コンビニだけに立ち寄って帰ってきました。この病院は、前にも書きましたが、主治医をはじめ、外来の看護師さん、受付の方、薬剤師さん皆さんが、親切で、気持ちよく対応してくださいます。また、外来の待合室を通って行かれる病棟の看護師さんや、精神保健福祉士の方なども、声に出して挨拶をしてくださったり、軽く会釈をして通り過ぎて行かれたりと、いわゆる接遇は、きちんとしています。

 気分はよかったのですが、さすがに1人でクルマを運転して往復すると、まだまだ疲れが出やすいようです。もうしばらく、運転は控えておいた方がよいのでしょう。

 午後からは、とある学会誌の投稿論文の2回目の査読をしていました。「そんなコトしている場合かよぉ?」とか、「仕事なんかしてて大丈夫か?」というツッコミは覚悟していますが、リハビリ期間中に届いたもので、23日が締切でしたから、サッサと片付けた方がメンタル・ヘルスには良いと思ってのことです。しかし、相当の加筆修正をしてもらってあったのですが、結論からいうと、再査読以前に、「書き直し」ということにしました。判定は、「保留」です。その理由は、当方が指摘した処しか修正がしてなかったこと(関連して修正が必要なところには手が着いていなかったり、同一の用語を修正すべき点が見逃されていたりしていました)や、却って論旨が不明確になって、内容が読み取りにくくなってしまったところが多々あること、当方の指摘した事項の意味や内容を理解しないで、しかも、字面だけにとらわれて直したため、本当の意味で修正になっていないところがやはり、かなりあること、などなどです。意地悪く理解すれば、「いわれたところを直せばいいだろう」と思っているか、統計的検定や、日本語の読み書きについての知識や、スキルが不足していると考えられるものでした。

 ということでたいへん厳しい判断になってしまったのです。きわめてテキトーに評価して、パスさせてもよいのですが、小生が査読をした論文なのに……と思われるのもいやですし、その学会誌全体の評価にも関わってきますので、厳しく判断させてもらいました。ちょっとだけ本音を言いますと、「査読は、添削ではありません」というレベルの内容です。リサーチ・クエスチョンそのものは、適切ですし、得られた結果自体は、意味のあるものなのですが、結果からいえるレベルを超えた考察がしてありますので、厳しく判定したのです。

 もうちょっと向上した内容になっているかと思っていたのですが、期待はずれでした。まぁ、心理学者に査読をさせると、論点の整理や、論理的な記述、日本語表現、統計学の適用と解釈などについて、割に細かくチェックし、対案やコメントをたくさん書きますので、査読をされた方は、叶わないなぁとか、面倒だなぁと思うのかも知れません。

 しかし、いずれにしても、明日の朝投函して、取りあえずはキリがつく、ということになります。そして、週末は、大人しく、心静かに過ごしたいものです。

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2008年4月11日 (金)

博士後期課程の授業

 やっとの思いで、今週も金曜日に辿り着きました。普通であれば、水曜日に自宅研修を入れるつもりですが、今週は、学部のオリエンテーションがありましたので、月曜から今日まで、5日間連続で働いてしまいました。などというと、とても不謹慎な表現かも知れませんが、現状では、精一杯の労働です。

 さて、今日は、午前も午後も、博士後期課程の授業でした。この頃は、博士前期課程≒修士課程まで進む人は多いだろうと思います。大学院の授業は、通常であれば、学部までのゼミ、それも人数が比較的少なめのゼミのような授業が、普通です。博士後期課程≒博士課程ともなりますと、かなり趣が異なってきます.というのも、通常、一対一か、一対二くらいになるのです。少人数教育も、ここに極まり、という授業です。まぁ、授業というよりも、個別指導です(その昔、個人教授等という映画がありましたが、関連があるのかどうか、ちょっと怪しいところです)。

 今日、午前中は、博士後期課程の支持科目である、“心理学研究特講”という授業でした。受講者は、新D1のお二人です。ところが、今日は、そのうち1人が都合が悪く、来週は、もう1人が都合が悪いということでしたので、きちんとした授業として成立するのは、4月25日以降です。したがって、今日と、来週とは、個別オリエンテーションになってしまいました。シラバスは、一応用意したのですが、受講者が、このように限られますので、実際のところは、“どうしましょうか?”と、相談して、内容や進め方を、その年度ごとに決めています。

 今年度は、性・生殖看護学分野の院生、2名ですので、母子関係やアタッチメントをテーマにした、最近の専門書をテクストにして、レポート&プレゼンで進めることにしました。そうは言っても、受講者が2名ですので、普通に行けば、2週間に1回というか、1週間おきにレポーターが廻ってくるという、院生の立場にすれば、恐ろしい授業になります。現在は、今日、都合の悪かった院生の方も含め、「これでよろしいか?」とメールで確認中です。

 午後は、うちの研究室の後期課程2年の院生である、Sbさんの研究指導でした。うちの研究室では、唯一の後期課程の院生ですので、毎週レポートという、結構辛い状況です。が、しかし、これもご本人が望んできたことですのでやむを得ません。論文の添削や、データの分析、文献の報告などが週替わりで続いていきます。毎週一対一ですから、この1年間で相当実力も付いたことと思います。今日は、最後に、“来週に乞うご期待です”と、Sbさんは帰っていきましたので、「来週、期待しています」といったら、「えぇ、まぁ」という曖昧な返事をしつつ帰って行きました。どうなりますか?論文原稿が、すべて揃った状態で出てくるとか、そういうことであれば、喜ばしいのですが……。

 Sbさんも、あっという間にD2になってしまいました。今年の秋には、予備論文の口述試験があります。この試験にパスしないと、博士論文を書けないことになります。

 私の方も、研究費の申請書書きや、そのチェック、また、院生室パソコンの登録変更のチェックなどをしてきました。パソコン管理まで、指導教授が、自らすべきことになってしまっていますので、結構大変です。来週は、いよいよ学部の授業も始まります。

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2008年3月21日 (金)

投稿前に修正指示

 今日は、20度近くになったのでしょう。とても暖かでした。久しぶりに、D1のSbさんの研究指導日でした。Sbさんも、とある大学の講師ですので、年度末で忙しいようです。来年度の実習要項づくりや、オープン・キャンパスで使う説明パネルなど、大学でよくいう“雑用”でこき使われているようです。

 久しぶりでしたので、進捗状況を聞いて、来年度D2の学事日程を説明し、そのあとで先日来預かっている原稿の添削についての話をしました。進捗状況と、学事日程は、私のところの博士後期課程では、2年次(D2)に、予備審査があり、それをパスしないと博士論文を書くことができないという仕組みになっていますので、その点を確認し、準備するようにと申し渡すという、重要な課題があったのです。後期早々に、予備審査論文を提出し、11月後半から12月にかけて、口述試験があります。

 進捗状況に関連して、博士論文のテーマで、彼女の本務先の大学から特別研究費、\560,000(2年間で)がもらえることになったようです。半年ほど、十分に指導をしていませんでしたので、これからネジを巻かねばなりません。作家の森博嗣さんの定義によれば、修士や、博士とは、次のようなものだといいます。そして、問題(リサーチクエスチョン)を発見し、自分で模索し、解決するというプロセスを、独断と偏見に陥らないでやれるようにするというのが、指導教員の役割です。

仕事を与えられたとき,手法を自分で模索し,方向を見定めながら問題を解決できるのが,修士.
そもそも,そのような問題を与えることができるのが,博士.

 これに関連して、先日来、1編、投稿用の原稿を預かっていますが、なかなか私の方が読み進められずにいて、あれこれ考えたのですが、結局、今日、「書き直し」を命じました。彼女曰く、「投稿して審査を受ける前に、教授のチェックで、修正になってしまった」のです。気合いや、力<りき>が入っているのはよく分かるのですが、ちょっとそれらが入りすぎで、メリハリがなく、何をメインストーリーにしているのかわかりにくいものになっていましたので、やむを得ません。どうやら、ご本人も、「教授のチェックで、reject(却下)だな」と覚悟して、やってきたようです。まぁ、ご期待に添えたというのは、ご同慶の至り(?)です。

 Sbさんも久しぶりに来ましたが、そこへI助教や、准教授のKtさんも顔を出してくれましたので、一挙にもろもろの話が盛り上がり、Sbさんもすごい勢いで、喋りまくっていきました。ストレス解消もできたのではないかと思います(苦笑)。

 ということで、13時から16時半まで、Sbさんその他で、研究室は大変賑やかでした。特別研究奨励費の報告書も、原稿を仕上げ、事務室の会計担当の方にお願いをしてきました。Sbさんの原稿と、報告書の原稿と、2つが、一応見通しが立ちましたので、気分的にもかなり楽になった感じで、週末を迎えられます。

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2008年3月18日 (火)

新訂心理学研究法-放送大学印刷教材

 夕方からは雲が広がってきました。明日は、天気が崩れるのでしょうか?

 午後から会議が2つ予定されていましたので、どうしようかとやや迷ったのですが、13時からの自己点検・評価委員会には出席し、17時からの学部運営委員会は失礼させてもらいました。ということで、昨日とほぼ同じく、8時過ぎに家を出ました。帰りは、若干早く15時過ぎに帰宅の途につきました。

 朝から、特別研究奨励費の報告書の原稿を仕上げようと、清書印刷、ページ数の印刷と作業をしていたのですが、これが、我ながら情けないほど、失敗が多く、また能率が悪かったのです。大学で自分が使用しているパソコンに接続したレーザープリンタが、半年ほど使わなかったせいか、印字がイマイチ不鮮明でしたので、院生用PC+レーザープリンタで、すべてやり直しました。ところが、用紙の入れ方が、やや斜めになっていたようで、出てきたプリントアウトは、本文が傾いてしまっていたのです。

 いい加減、イヤになりそうでしたが、「ここは、一つムキにならないように」と自分自身によく言い聞かせて、再度、清書印刷を行い、ここまでは無事に済みました。が、かなりの時間を消費してしまい、途中に、昼食と、会議(1時間半近く)を挟んで、ようやく3時前に終了できました。

 ページ印刷まで済ませようかとも思ったのですが、ややお疲れ気味でしたので、明日の仕事として残して帰ってきました。帰宅後、報告書の分担執筆をお願いしたI秘書さんから、「修正させてください」というメールがありました。ケガの功名というべきか、非効率・失敗のお陰で修正が間に合うこととなりました。

 さて、一昨年から手がけてきました、放送大学の2008年度からの開講科目“心理学研究法”(ラジオで、5年間放送の予定だそうです)のテキストができあがってきました。“新訂 心理学研究法”というタイトルで、出版社は放送大学教育振興会というところです。定価は、\2,300+消費税で、市販もされます。

 小生は、事例介入研究法と、心理検査法の2章を分担して、執筆させていただきました。分かりやすい説明をするとか、文章を書くということには、少々は自信があったのですが、主任講師のKh先生(実践応用認知心理学専攻)から、厳しいコメントや修正意見をいただく結果となりました。Kh先生は、分かりやすいマニュアルや、説明書の作成についての本も数冊出していらっしゃるだけあって、コメントは実に的確で、改めて勉強させていただくことができました。

 本は売れて欲しいと思いますので、ご興味がありましたら、是非お願いいたします。放送大学の印刷教材は、価格は若干高めかも知れませんが、重要な点が分かりやすく、読みやすく作られています。放送の方は、ラジオ放送ということで、関東地区のFM放送と、スカイパーフェクトTVのラジオチャンネルでも聴取できるようです。照れくさいので、ラジオ聴取については、あえてお勧めするのは、控えさせていただきます。そういえば、テキストには、私のような分担執筆者も、顔写真入りで紹介されています。困ったことです。だんだんと悪いことができなくなっていきます(苦笑)。

 今週は、木曜日が春分の日ですので、明日も出勤です。午前中に修士OGで、研究員のMnさんが来訪の予定です。明日こそ、報告書の印刷・製本を生協に依頼しようと思っています。

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2008年2月 4日 (月)

予定オーバー

 立春です。もちろん、暦の上ではということですから、実感とは異なります。

 さて、今日は、終日、居職でした。そうなのです、例の査読を終えてしまおうと決めましたので、それが終わるまでは、他のことはしなかったのです。今日は、いつもよりもさらに早く、早朝4時に目が覚めましたので、そのまま起床し、5時前くらいから、まずは原稿中に朱書きで、コメントを入れるという作業を始めたのです。もちろん、途中、朝食、着替え、洗面、トイレなどは済ませます。

 そして、何といっても、NHKの連ドラである“ちりとてちん”は、内緒で見ているBSで、7時半と7時45分と2回も見るのです。細部まできちんと見ようと思うと、1回だけの視聴では、不十分だということに最近気づきました。しっかり見ているつもりでも、どうしても、15分間フルに注意を向けて、すべてを見尽くすことは不可能に近いことを悟ったのです。

 その後、途中にかかってきた電話に1度出たのみで、散歩にも出掛けずに、脇目もふらずにコメントを書き続けて、結局、原稿中にコメントを書き入れるという作業が終わったのは、昼過ぎでした。「いったいどれだけの分量、コメントを書いたのだ?」と詰問されそうですが、図表込み、表紙込みで14ページある原稿中、コメントを入れなかったのは、表が書かれていた1ページのみで、他は、相当の分量、朱筆が入ったという結果になりました。

 さすがに昼食後は、疲れてしまい、しばし呆然と、ミステリードラマを眺めていたくらいです。「それなら、そんなにコメントを書かなければいいのに」といわれそうですが、いやぁ、ホントにそうです。我ながらやり過ぎか、と思うのですが、“自分が査読した論文で、あとから評価が甘いとか、ポイントを見落としている”などといわれるのが、イヤなのです。それでついつい力が入ってしまう、という傾向があります。これは、自分の性格のなせる技で、仕方ないと自分では思うのですが、投稿者には、相当のプレッシャーをかけてしまうことは、自覚しているのです。自覚しているのに、治らないというのは、困った問題です。しかし、そういう傾向があることは、編集委員長は承知の上で、依頼してくるのだと勝手に理解して、改めようという努力は、したことがありません。全く困った査読委員です(苦笑)。

 3時頃になって、気を取り直して、今度は、“査読用紙”に一定の観点から評価を書き込み、さらに、“査読意見”を、フルに5ページ書いてしまいました。査読意見は、原稿中に朱書きしたコメントと重なる部分がありますが、著者に対して、とくに検討してもらいたいことを記述してあります。

 というような始末で、半日くらいで査読は終えようという心づもりからは、見事に外れていました。

 査読用紙、査読意見、原稿(朱筆入り)は、編集委員会で確認された上で、著者(投稿者)に返却され、意見に沿って、修正がなされることになります。しかし、これだけ指摘事項があると、投稿者は、めげてしまうかも知れません。とは思うのですが、最初から、評価を甘くしてしまうと、結局は、投稿者のためにはなりませんし、その学会誌に掲載される論文のレヴェルが下がってしまいますので、小生としては、ここは、心を鬼にしてでも、本当に必要なコメントはしなくてはならないと考えています。つまり、わざと意地悪を書いている、ということでは、決してありません。

 つまり、心を鬼にして、“愛の鞭”をふるっていると、自分では思っているのですが、投稿者の方に通じているかどうかは、分かりません。ひょっとしたら、あちこちで、恨みを買っているという可能性が大です。この点は、院生や、研究員の皆さんに対する研究指導、論文添削も同様です。“mamekichi研究室の出身なのに、大したことがない”などといわれないよう、つまり、“製造物責任を問われないよう”、品質管理を厳しくしているのです(ニヤリ)。

 “ホントかいな?”という、陰の声が聞こえてきそうですが、開店休業状態の研究室業務には、来月から復帰するつもりですので、院生、研究員諸氏には、いっそうの奮励努力を期待したいと、はやる気持ちを抑えつつ、考えている今日この頃です(苦笑)。

 と書いて、読み直してみたら、虚血性心疾患の危険因子であるタイプA行動というか、うつ病に親和性の高い、メランコリータイプの行動パターンが、丸出しになった性格傾向が、明々白々なことが丸分かりでした。う~ん、ホントに反省しているのか?と、どなたか突っ込んでください。

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2008年2月 1日 (金)

査読……アカデミック・ボランティア

P2010009  2月に入りました。朝の冷え込みは、さほどではありませんでしたが、日中は、気温が上がらず、風も冷たい一日でした。今日も、全くレギュラーな、代わり映えのしない日でした。1つの例外は、今日も愚息の入試日であったということです。昨日同様、朝5時前から起きて、活動開始!でした。自分の頃は、滑り止めの私立高校1校と、公立高校1校を受験するだけでしたが、今は、公立と併願の場合、私立2~3校と、公立1校を受験することが普通のようです。16時頃、元気に帰ってきましたので、まぁ、一安心です。公立高校の入試は、3月13日だということです。

P2010016  さて、3日ほど前から取り組んでいた、某看護系学会誌の査読論文の査読をほぼ終えることができました。後は、査読結果報告と、コメントを書く作業が残っています。この学会の場合、投稿論文1編の査読をすると、謝礼として図書カード¥1,000分をもらえますが、ほとんどの学会の場合は、ボランティアです。数年前、別の学会から査読を依頼されたときの文書に、“Academic vounteer”として、お願いするという文書がついていました。また、“若い研究者の投稿論文も多く、アカデミック・キャリア形成上も、重要だから、期限内にきちんと返事をして欲しい”旨の依頼も書かれていました。このところ、ほとんどの学会誌の査読は、一定期間で返ってくるようになりましたが、小生の過去の経験では、1年以上棚晒しとか、2年近く放っておかれ、請求してようやく返事が来たということもあります。

 今回査読をした論文それ自体がどうだこうだということは、もちろん書くことができませんので、これまでの経験をまとめて、書いてみることにします。

P2010026  投稿されてくる論文のレベルは、その専門分野や、学会誌のレベルにもよりますが、さまざまです。これはつまり、投稿者も院生クラスの方から、中堅以上のすでに経験のある研究者まで、さまざまであることを示しているでしょう。ウチの院生達に、冗談半分、本気半分で“査読は、添削ではありません”といっていますが、そういうレベルの論文も散見されます。

 添削をしているように思える論文の特徴は、一言でいえば、アイデア、書きたいこと、報告したいことが、整理されていないということになります。整理されていないということは、考えが足りないということです。そうすると、書きながら考えたような文章になってしまったり、得られたデータに基づいて考察がなされておらず、“結果は結果として、考察は考察でそれとは別”となってしまっていることもあります。こういうことは、一通り読んでみて、内容がすっと頭に入ってくるか来ないかという点で、区別できます。

 さっと頭に入ってこない論文というのは、上述のように、内容が整理されておらず、論旨もスッキリしません。そうすると、書かれている文章が長くなっていたり、主語-述語とか、修飾語-被修飾語の関係などが分かりにくいものがほとんどです。その分野の基礎知識は、ある程度持っているのに、読んでもちっとも分からないという論文は、自分のアタマが悪いというよりも、書き手の書き方というか、アタマの中身の整理がされていない、と思った方がよいというのが、小生の経験則です。

 難しい内容を取り扱っていたとしても、あるいは、十分に基礎知識がない分野の論文であっても、書き手が十分に考え、内容を整理して書いてくれていれば、かなりの程度は理解可能です。

 ところで、査読をする場合、小生は、文章の出来に関わらず、最低3回は原稿を読み込みます。パッと見で、まぁまぁかなと思った論文でも、2回、3回と読み込んでいくと、論理の甘いところや、根拠が示されていないところ、結果からは言えないことが書いてあるところなどが、徐々に見えてきます。そして、アタマにスッキリ入ってこない論文の場合、自分で納得のいくように、図表を書き直してみたり、論文の構造や、研究パラダイムを図示してみます。

 こういう作業をして、論文の評価を行い、コメントや、原稿への修正案などを書き込みます。経験の少ない研究者が書いたと思われる論文では、私が査読したものは、真っ赤っかになり、キツ~イコメントが記入されて(キツイというのは、たいていの場合、本当のことが、遠慮なく指摘されているということです)、返送されます。別々の学会誌の編集委員から、「mamekichi先生の査読は、真っ赤っかになって返ってきますが、対案も示してもらってありますし、返事が早いので助かります」といわれています。こういうことをよく知っている編集委員長が、小生を選んで査読を依頼してくるということは、たぶん、ある種の期待を持ってのことでしょうから、これからも、その期待を裏切らないように努力することにします。

 写真は、今日の散歩写真です。六華苑の建物には、足場が組まれていましたので、修理や、化粧直しかが施されるのでしょう。いつものように、昼前に小1時間出掛け、散歩の距離は、2㎞ほどでした。

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2008年1月23日 (水)

久々に専門の論文を読む

 関東地方では、午前中、雪が降って、2~3㎝ほど積もったところがあったようです。午前中のニュース・ショーでは、キャスターの方たち、とくに女性キャスターの皆さんが、なぜかはしゃいでいるように見えました。名古屋あたりは、雪ではなく、雨でした。

 昨日に引き続き、今日も、Amazo.comから、本が届きました。今日も、今のところは、家内には、知られていないようです。とはいえ、いずれ、バレますから、それが早いか、遅いかだけの問題ですが……。

 dutyの仕事は、特にありませんでしたので、午前中は、久しぶりに専門的な、学術論文を読み、要点は、きちんとノートにまとめていました。自閉症の乳児期の発達的なメルクマールについてのものを、3本ほど読み終えました。2時間半ほど、集中して、読み書きができましたので、集中力、思考力なども、かなりの程度、回復してきたのだと実感できました。

 昼食後は、しばしリラックスしたあと、読みかけでずっと放っておいた“IQってホントは何なんだ?”(村上宣寛著、日経BP社)を読み終え、さらに、昨日からの続きで、“数学でつまずくのはなぜか”もほぼ半分くらいまで進みました。こちらも、2時間余りでしょうか?

 風呂から出てきてこれを書いていますが、やや疲れたかなという程度で済んでいます。体調そのものは、かなり安定してきていると思います。人に会うとか、会議に出るということは別として、専門的なものを読み書きするという仕事であれば、半日くらいはできるかなという感じです。ただ、体力的には、相当落ちてしまっているでしょうから、片道1時間をかけて、職場まで通勤するというところを、クリアしないと復職はできません。今週は、寒いとか、雨だとかで散歩をサボっていますので、余計にいけません。もちろん、主治医と相談しないといけませんが、来週に入ったら、“電車に乗って出掛ける”ことがどれくらいできるか、どの程度の負担になるかを確認してみたいと考えています。去年の10月半ば以来、電車には乗っていません。

 今回、不調に陥ったのは、昨年8月頃からで、ほぼ6ヶ月になります。体調も安定してきましたので、自分としても、そろそろ仕事を再開したいと思うようになってきました。しかし、まぁ、いずれにしても、明日の診察で、主治医とよく相談しなければなりません。急いては事をし損じる、ですし。

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2008年1月12日 (土)

連続講義最終回

 今日は、大学の特別支援教育プロジェクトによる「心理アセスメントと指導」と題した連続講義の最終回を開催しました。プロジェクト代表となっていますし、院生の修論締切前でしたので、午前中から、研究室に出掛けて来ました。もちろん、休養加療中ですので、内々にということですし、自分としては、ほぼ1日、働いたらどうなるかを試したい、と思ったのです。

 午前中に、M2のOkさんと修論提出についての話を行い、M1のNkさんとは、彼女の研究の枠組みと、文献リサーチについてディスカッションを済ませました。2人で、1時間ほどです。個別に、さほど込み入った話でない相談を、それぞれ30分程度というのは、さほど負担にはなりません。

 修論の話の前には、午後の講義の準備と、I助教が、いつもメール・ボックスから研究室に届けておいてくれる書類、郵便物のチェックを行い、不要書類、リサイクル用紙などを整理してきました。整理したとはいえ、学会誌や雑誌は、ワーキングテーブルに山積みにしたままです。

 そうそう、研究室のポトスは、前回、12月15日に自分でも水を換えてきたのですが、I助教も世話をしてくれているようで、元気で過ごしていました。これまででもっとも長持ちしているグリーンです。

 午後の講義は、人間文化研究科のTk先生による、ソーシャルスキルトレーニングの話と、医学研究科のHd先生によるラットの脳内ドーパミンの変動と、生育環境の関連についての2つのテーマについてでした。今日は、これまでの最高である、55名ほどの参加がありました。主催者としては、大変ありがたいことです。これで、今年度計画した行事(講演、研修など)は、すべて終了しましたので、取り纏めと来年度のプランニングに入らなければなりません。

 さて、今日の負担の程度や疲労度ですが、Copenで往復しましたが、移動というのは、やはりかなりエネルギーを消費するようです。長島(または、桑名東)~吹上東の間は、高速道路を利用して、片道40分ほどですが、結構、上下肢に倦怠感を覚えました。講義の準備や、司会などはさほど負担には思いませんでしたが、たくさんの人と会って、話をするのは、結構疲れます。今日のように多数集まっていただくのは大変ありがたいのですが、何人もの方と挨拶したり、「調子はよいのですか?」というような会話をするのは、それなりに気を遣いますので、後になって疲れが出てくる感じです。

 あとは、明日、明後日くらいまで、今日の疲労が残ったり、別の形で何か、影響が出てくるかどうかについても、よく見てみなければなりません。今のところは、“やっぱり、結構疲れたなぁ”というところですね。

 まあ、今のところ、修論チェックなど、急ぐ必要のあるdutyはありませんので、明日はゆっくり過ごし、疲れをとるよう心がけることにします。

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2008年1月 8日 (火)

データ入力

 三重県内の学校は、今日からというところが多かったようです。桑名市の小中学校は、2学期制ですので、今日のところは、全校集会はあったものの、いきなり給食もあり、フルに授業でした。

 さて、昨日から手がけていたデータ入力は、予定通り、午前中に終了できました。ただし、昨日書きましたように、“昔取った杵柄”と威張れるほどの能率は、発揮できませんでした。老化のせいか、はたまた体調のせいかは、定かではありません。結局162名の方のアンケートが回収できていました。こういう単純作業を行うときは、なるべく余分なことを考えずに、淡々と、入力マシンの役割に徹することが肝心です。まちがっても、「全項目、回答してよぉ」とか、「好き勝手な意見ばかりで困るなぁ」などということを考え始めてはいけません。

 午後からは、単純集計だけでもしようと思っていたのですが、どうも今ひとつ気分が乗らずに、ダラダラとしてしまいました。一つには、いつも使用する統計パッケージソフトのSPSSを自宅のPCには入れてないこと(Excelで集計するか、使い慣れないソフトでするかということになるのです)、もう一つは、軽作業とはいえ、合計4時間ほど集中して取り組んだこと、さらに、先日の風邪引き以来、身体的にもやや低調状態が続いていることなどが影響したように思います。つまり、少々お疲れで、億劫な状態に陥っていた、ということです。

 というようなことで、データ入力は済んだものの、そこから先へは進みませんでした。修論のチェックも、スピードが低下しています。いずれも、明日へ持ち越しですので、それぞれの関係の皆さんには、申し訳ありません。

 元来、こういうデータの入力や、あれこれ分析をしてみるという仕事は、私の好むところです。恩師からも、データは一通り分析すればそれで良しというものではないと叩き込まれた事とも関連しますし、視点や指標を変えてみると、違うものが見えてこないかとか、仮説通りのデータかなどを考えるのが、楽しいのです。

 話が少しそれますが、自分が学部や、博士前期課程の院生だった頃、恩師のお一人は、学生が卒論や、修論で提出したデータをご自分で分析し直し、グラフも描き直した上で、「こういう結論にはなりませんか?」と、それも口述試験の場で議論を始められるという厳しい方でした。この先生は、大学院の演習で、外書講読をしていた際にも、「こういうストーリーに書き直した方が、著者が言っているよりも、スマートな結論になると思います」とおっしゃるくらい徹底して、結果やデータをしっかりみてこられる先生でした。ある意味で、キョーフでしたが、そこまで徹底してやることが必要かという、指示的指導法の極致を見せられた思いがしたものでした。私は、もちろんというか、いうまでもなく、不肖の弟子ですので、そこまで徹底できていません(と威張ってはいけません)。

 今日は、年明けの本格稼働を受けてか、仕事関係のメールが、一気に10数通押し寄せてきました。体調を崩す以前であれば、次から次へと、ほとんどのものについては、その場で方針や対応を決めて、返事をしていましたが、今はそういう芸当は出来なくなっています。目だけは一通り通させてもらいましたので、明日にかけて、順番にお返事という予定です。添削や、査読に対するコメント・修正なども、締切等を勘案して、順次、返事をしていきます。

 今頃、こんな調子でやっていて、2月とかから復帰できるのか?という気もしないではありませんし、院生や研究員の皆さんの指導が大幅に遅れてしまっていますので、どのように回復しようか、気が揉め始めてきていますが、まぁ、あれこれ考えすぎずに、1つずつ順番に、淡々と進めることにします。今週は、木曜日に主治医の診察を受ける予定です。

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2008年1月 7日 (月)

作業療法?

 余り気温も上がらず、小雨も降って、寒い感じの一日でした。午前中の早い時間は、調子が出なかったのですが、昼前くらいから何とか、エンジンが回り始めたという感じです。ニュースによれば、今日から、新学期という小中学校も結構あったようです。

 大学関係も今日から、本格的に動き始めているようで、本務先からもいくつかのメールでの連絡をいただいています。また、昨年、取り組んでいました放送大学の授業に関わる連絡もありました。M2の院生さんからも、修士論文についてのメールも来ました。

 ということで、当方も、半冬眠状態から、やや覚醒して、頭を使い始めなければならないなと思って、今日から、1つ軽作業を始めました。本当は、今頃やっていてはいけないのですが、昨年秋に開催しました、特別支援教育関係の講演会でのアンケートの整理です。本来は、データ入力専門業者に依頼しよう、と思っていたのですが、特別研究奨励費の残額も限られていますので、自分で入力することにしました。昔は、こういうデータの入力は、すべて自分でやっていましたので、まぁ、“昔取った杵柄”です。

 データの量は、最大で200名分、1名分あたり、6の質問項目で、下位質問項目を入れても、計16項目でそのほとんどは選択肢形式にしてあります。Excelで集計表を作り、テンキーから数字を打ち込み、エンターキーを押すことの繰り返しで、まったくの軽作業です。今までの1時間半ほどで、50名分は入力を終えられました。

 今回のアンケート結果の特徴は、自由記述欄にかなりの方が、熱心なコメント、希望などを書いて下さったということです。こうしたコメントも、取りあえずは、書いていただいたままで入力しています。中には、「もっときちんとPRして欲しい」「教員など、実際に携わる方々には、もっとたくさん参加して欲しい」という、お叱りや、励ましなども多数寄せられています。

 残りの枚数をざっと見積もってみますと、100枚+αくらいかと思えます。明日午前中くらいに入力を終え、午後からは、まず、単純集計に着手したいと考えています。今週の土曜日、12日が、この特別支援教育プロジェクトの今年度の連続講演の最終回となります。それまでには、分析を終え、メンバーに見ていただこうと考えています。連続講演については、リンクを貼りましたので、ご関心がある方は、是非ご参加ください。

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2007年11月26日 (月)

添削万来

 今日も暖かな日でしたが、散歩に出掛けるきっかけを失ってしまい、結果的に室内で過ごすことになってしまいました。

 というのも、昨日までに院生のSbさんと、Okさんの添削その他を済ませたのですが、今日は、朝と、午後、それぞれ添削依頼が、メールで送られてきてしまい、その印刷やら、確認で時間を取られてしまったのです。

 午前中には、研究員のMkさんから、久しぶりのメールがあり、某心理系の学会誌に投稿し、査読が帰ってきたものの、修正版を作成したので、チェックをということでした。修正の締切が、12月ですので、その期日が迫ってきたこともあるのでしょう。3名の査読者が、それぞれに、非常に丁寧に、また、しっかりと査読意見をつけて下さり、それに対しての修正に専念していたものです。心理学系と、看護学系とを比較しますと、心理学系の査読の方が親切のように思えます。かなりの場合、具体的に指摘がありますし、対案を示して下さるレフリーも多いからです。ちょっと分量が多いので、今週いっぱいくらい、かかりそうです。

 午後になってから、M1のUzさんから、論文抄読のレポートが送られてきました。3編分あります。これは、Mkさんの原稿と並行してチェックすることが出来るでしょう。過不足なく要約ができるということが、文献がきちんと読めることの前提条件となります。多くの研究室で、抄読会や、ジャーナル・クラブの場合、A4で2枚に要約を書きなさいという指導をしていると思いますが、基本の基本だからです。Uzさんも、相当努力してくれていますが、まだ、めいっぱい詰め込んでようやくA4で2枚というところですので、もう少し、ポイントとそうではないところとの区別をつけられるようになると、さらによいでしょう。

 ということで、オヤジギャグ風のタイトルですが、千客万来ならぬ、添削万来なのです。余り気合いを入れすぎず、体力と相談しつつ取り組もうと思います。復帰に向けてのリハビリの一環として、どれくらいずつ仕事が出来そうかについて、様子を見ながらやろうということです。

 明日は、午後からちょっとした用事があって、3時間ほど出掛けなければなりません。どのくらい負担になるか、どれくらい疲れが出るかについて、確認する機会となりそうです。そして、今週、木曜日は定例の受診日となります。

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2007年11月23日 (金)

統計ソフトに手こずる

Dsc06263  昨日の分です。北日本は、大雪になっているようです。大雪には慣れていらっしゃるのでしょうが、余りにも早くからこれほどの雪になっては、冬支度も間に合わないで、大変かと思います。

 さて、一昨日のSbさんのデータを、何とか分析してみようと思って、いろいろと努力をしてみたものの、上手くいかないという情けない有様でした。人文・社会科学系では、統計パッケージソフトとしては、SPSSがもっともポピュラーです。しかし、このソフトは、値段もとてもすばらしいものなのです。Base systemという基本のパッケージだけで、\166,950もします。アカデミック・プライスでさえ、\102,900もします。最新バージョンは、16.0Jですが、バージョンアップでも、\54,000~\84,000なのです。とても買えません(大学では、ライセンスを導入しています)。しかも、バージョンアップがかなり頻繁に行われ、懐具合を考えると、とても追いついて行きません。

 ということで、ネットを探して、SPSSに似たフリーソフト(英語版OpenStat)を見つけ、それで分析しようとしてみたのですが、データをExcelからコピー&ペーストして、変数名などもつけて、保存するところまでは無事に終了しました。ところが、いったん保存したファイルを開くと、変数がずれてしまってどうしようもない、という事態を繰り返してしまい、いっこうに分析に入れませんでした。

 午前中、格闘したのですが、二進も三進もいかないという状態で、さすがに諦めました。昔でしたら、ムキになって、意地になってやったのですが、さすがにそこまでの元気はありませんし、行動パターンを変えないと、元の木阿弥でビョーキが再度悪化しそうでしたので、“止~めた”ということにしました。

 英語版のソフトですが、統計用語が分かれば十分使えるはずですし、操作もSPSSに似せてあるのですが、ダメです。データは、テキストファイルで保存されますので、それをテキスト・エディタで開いて、怪しいところを修正したりして、何度かトライしたのですが、やはり上手くいきません。

Dsc06266  午後からは、疲れてしまい、リビングでボンヤリと(いつものこと、といわれれば、そうなのですが)過ごしていました。今日掲げた2枚の写真は、昨日の午後の空を撮影したものです。とくに最初のものは、物思いに耽らせる効果が抜群の光景でした。とくに何かに集中して考えるということではありませんが、あれやこれやボンヤリといろお色な考えなどが、浮かんでは消えるに任せ、頭の中がリフレッシュできたように思います。

 そこで、今日は、別のフリーソフト(R)でやってみようと思っています。Rであれば、かなり日本語化されており、フリーソフトなのですが、日本語の解説本や、統計解析のテキストも出ていますので、何とかなるかと期待してのことです。Sbさんはからは、“ファイトが出てきました。統計の本も図書館で借りたり、丸善で買ったりしてきましたので、これから挑戦します!”というメールが届きました。彼女の方にももちろん期待しますが、多少は自分でもと思います。

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2007年11月21日 (水)

統計的解析は、難しい?

 寒い一日でした。贅肉はあるのですが、体力がないので、主観的にはかなり寒く感じます。心身のエネルギーが、まだ低下したままなのでしょう。2年前の1月に、最初に倒れたときのように、体の芯から冷え切ってしまっているような感じではないので、まだ助かりますが、暖房を入れようかどうか、迷っています。

 さて、曇りがちでしたので、散歩には出ませんでした。朝一番に、後期課程の院生のSbさんから、現在とりまとめている論文に使うデータのオリジナルが届きました。この間から、統計的解析の1つの方法である、因子分析が上手くいかないと連絡のあったものです。

 因子分析は、多変量解析法の1つであり、いくつかの変数(質問項目など)を、相関関係を元に、少数の“因子”にグルーピングする方法です。20世紀の初頭以来、心理学の分野で発展してきた分析方法の1つです。もともとは、知能の因子構造を検討する方法として、開発されたものです。因子分析が適用できるデータは、量的データに限られます。量的データというのは、人数や件数などを数え上げたり、何らかの測定装置など尺度(ものさし)で数的に測定したりすることで得られるデータを言います。これに対して、質的変数というものもあり、それは、性別や、品質の松・竹・梅のようにカテゴリーで分類されているものです。

 話を元に戻しますが、Sbさんからのデータを一目見るなり、なぜ因子分析が上手くいかないか、たちどころに理解できました。“すっごい!”と思った方がおありかも知れませんが、残念ながら、全然すごくありません。量的データでなければならないのに、質的データに対して因子分析を適用していたから、上手くいかないのです。つまり、当然の帰結なのです。

 これで、私のいだいていた疑問が、すべて氷解しました。というのは、平均や、標準偏差はどうなっているのかとか、天井効果や、床効果はないのか(天井効果とは、平均+標準偏差1つ分が、評定値の最大値を超えてしまう現象で、床効果は、逆に、平均-標準偏差1つ分が、評定値の最小値を下回る現象)、線形の相関をしているのか(線形=linearで、要するに相関図がy=ax+bのような、一次方程式の回帰直線の周りに分布しているか、ということ)という質問に対しての回答が、要領を得なかったのです。

 Sbさんは、休養加療以前のブログにもたびたび登場させていましたので、ご記憶の方もあろうかと思いますが、優秀なのですが、時々、エアポケットか、落とし穴にはまってしまうことがあります。今回も、データが質的か、量的かという基本的なポイントをすっ飛ばして、質問項目のグルーピング=因子分析と固く信じ込んでいたためのミスだったようです。

 この場合には、難しい話になりますが、クラスター分析を適用しなければなりません。たぶん、知識としては知っていたのでしょうが、誤った信念が邪魔をしてしまったのでしょう。早速、メールでやり直し!と通告しました。が、まだ返事が来ませんので、ドーッと落ち込んでしまっているか、ひっくり返ってしまって起き上がれないか、のどちらかでしょう。あるいは、笑うしかない、と思って、大笑いしているのかも知れません。

 と笑い話にしてしまい、彼女には申し訳ありませんが、指導教授としては、まだまだ指導することがあって、良かったと安堵している面もあるのです(苦笑)。

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2007年11月15日 (木)

嬉しい知らせ

 今日は、2週間に一度の受診日でした。外来は空いていましたので、診察券を出してから、薬をもらうまで1時間足らずで済みました。外来で待っている間に、珍しく、2名の入院患者さんから別々にですが、声をかけられました。いずれも、「外来ですか?」というようなことで、「以前、入院していなかったか?」とか、「割と元気そうで、良いですね」というような世間話をしてきました。

 体調は、お陰様で、先週末の講演会が無事に終わりましたので、大きなストレッサーがなくなったためか、マァマァという感じです。処方も、前回と同じもので、2週間後に受診ということになりました。主治医からは、「12月もまだ休養した方がよろしいかとは思いますが、まだ、今日は11月も半分過ぎたところですから、診断書は次回に」という話がありました。今回は、学部の授業も肩代わりをしてもらっていますので、同僚や学生の皆さんには、大変申し訳ないとは思うのですが、しっかりと休養させてもらってから、復帰したいと考えています。

 外出したついでにと思って、エイデンでデジタルカメラのカタログをもらい、本屋も覗いてきました。午後からは、博士後期課程のSbさんからのデータ分析結果を眺めていましたが、どうも今ひとつ上手くいっていないという感じでした。こちらの予測通りの分析結果ではないということですが、データはデータですから、もう少しあれこれ検討してみたいと思います。

 ところで、夜になって、以前の同僚であったSrさんから、博士の学位論文が審査をパスしたという、嬉しい知らせがありました。教員をする傍ら、ある大学院の博士課程に通い、後期課程進学から確か7年目での学位取得です。本務先が短大当時、助手をしており、その頃には、英語論文の読み方をコーチし、修士論文を書くに当たっては、指導教授には内緒で支援し,それを学会誌に投稿したときも,相談に乗ったりしていました。本人には、嫌がられるかも知れませんが、私は、勝手に“弟子第一号”と思っています。

 短大当時、他の助手の方などにも英語の読み方の指導をしたりしましたが、途中で棒を折ってしまった方も多かったのですが、彼女だけは、いくら厳しくしても、決して諦めず,食いついてきました。それだけ、根性とやる気があったので、しごき甲斐がありました。継続は力なり,といいますが、彼女の場合、まさにそうで、良くやってきたと思っています。今後も活躍してくれると期待しています。

 彼女の今回の成果には、私の方も励まされた感じです。しかし、まぁ、急いては事をし損じるといいますので、慌てず,しっかり休養をして復職に向かいたいところです。

 

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2007年10月26日 (金)

特別支援教育に関する公開講演会

 たまには、PRをさせてもらいます。

 11月10日(土)午後から、名古屋市教育センター講堂にて、特別支援教育に関する公開講演会を開催します。これは、名古屋市立大学の特別研究奨励費による研究プロジェクトである「『特別支援教育』支援プログラム開発研究プロジェクト」の一環として行うものです。対象の方は、一般市民の方、教職員、関係の専門職の方、保護者、障害のある方ご自身など、を考えています。

 本年度から、特別支援教育がスタートしていますが、まだまだ十分なご理解を得ているとはいいがたい状況です。そこで、上記のように、さまざまな方々を対象として、特別支援教育とは何か、どういう方が対象となるか、どういう支援が考えられるかなど、基本的なことがらについてのご理解をいただき、それぞれのお立場で特別支援教育を支えていただけることを目的とした講演会を企画した次第です。  

 ここに pdfで作成した案内が掲載してあります(Ogasawara Laboのホームページにリンクしています)。

日   時 11月10日(土)15:00開場、15:30開始、17:30終了予定
会   場 名古屋市教育センター講堂(名古屋市熱田区神宮3丁目6番14号)
テ  ー マ 『みんなで支える特別支援教育』
講   師 東京学芸大学教授・日本LD学会会長
         上野一彦先生
入場無料
定   員 800名
 *名古屋市教職員の方は、名古屋市教育センター特別支援教育研究室へ。
 *上記以外の方は、上記リンクにある「案内」に掲載された名古屋市立大学看護学部・小笠原研究室へ往復はがきで申し込むか、電子メールで申込みしてください。
 *締め切り日は、過ぎていますが、定員に余裕がかなりありますので、お申し込みをお 待ちします。
 *なお、当日も、席に余裕があれば、入場できます。

交通案内 JR東海道線熱田駅、名鉄名古屋本線神宮前駅、地下鉄名城線伝馬町駅下車<公共交通機関をご利用ください>

 この講演会には、名古屋市教育委員会のご後援をいただいています。また、公立大学法人・名古屋市立大学の特別研究奨励費によって開催します。ぜひ、たくさんの方が、参加してくださるよう願っています。

 問い合わせ:ogasawar@med.nagoya-cu.ac.jpまで。メールアドレスは、迷惑メール防止のため、@は全角サイズにしてあります。@を半角に変更して、お使いください。

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2007年10月 8日 (月)

玉手箱、その後

 体育の日ですが、天気はスッキリせず、雨模様の1日でした。主治医からは、10月中は、自宅でも極力仕事をしないように、といわれてはいますが、先日の“開けてビックリ、玉手箱”の始末をつけなければなりません。

 ということで、実は、昨日から、英語論文の査読の続きをやっていたのですが、なかなか思うようには、はかどらず、やっと今日の午後になって仕上がったという次第です。英語自体は、前回も書きましたように、読みやすいものでしたが、こういう査読は、繰り返し読んで、“原稿を読み込む”ということが必要です。それは、詳しく読み込むことによって、論理的にストーリーが展開されているか、適切な方法が用いられているか、考察はきちんとなされているかが、徐々に見えてくるからです。1、2度だけ読んで、評価をするという態度では、表面的なところしか見えません。そうしますと、重要なポイントを見落としたりしてしまいますし、著者が苦労を重ねて投稿論文に仕上げて来たものですから、素っ気なく扱っては申し訳ないと思うのです。

 査読は、決して容易な仕事ではなく、なかなかハードな仕事なのです。さらに、たいていは、“査読結果報告用紙”に指定された観点から評価(妥当か否か、などの選択肢による評価)を行い、それを踏まえた結論を下します。すなわち、投稿論文の種類に関しての評価、判断(原著、資料など、オリジナルな論文かどうかの区別)、修正が必要かどうか、修正の程度、分量はどうか、修正後、再度査読を行うかどうかなどについて判断を示すのです。その他、具体的に修正すべき部分、著者のミスの指摘、説明の過不足についての指摘などを、“査読意見”として、添付します。私は、かなり細かく指摘する傾向がありますので、これを書くのにもかなりの時間を費やします。

 後で投函してこようと思いますが、結構、疲れる仕事でした。しかし、査読者は、以上のものを査読者の意見として提出すればよいのですが、編集委員や、とくに委員長をしていると、複数の査読者の意見を読んで、著者に対して修正などの依頼をしたり、時には、対極的となる評価の調整を行うなど、その苦労は人並みではありません。

 よく冗談で、“査読は、添削ではありません”と書いていますが、本当にそうなのです。論文投稿を考えていらっしゃる方々には、推敲に推敲を重ね、その後、きちんと指導教員や、共同研究者にチェックしてもらって欲しいものです。

 これで、暫時休憩とすることができます。取りあえず、ではありますが、目出度し、目出度し……。

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2007年10月 2日 (火)

開けてビックリ、玉手箱

 日中は、よく晴れてきて、気持ちの良い日でした。夜になって、先ほど、7時頃から、この辺りは、土砂降りでした。“雨雲の様子”をネットで見てみますと、ちょうど桑名市の上空だけ、かなり強い雨雲が発生していました。30分ほどで小やみになってきています。

 さて、今日は、天気は良かったのですが、調子はイマイチで、少々お疲れ、というところです。午後になってからは、爆睡していました。

 その爆睡の遠因にもなったのが、開けてみた玉手箱でした。玉手箱とはいえ、宝物が出てきたのではなく、今回の休養期間のはじめ頃に届いた、とある学会誌からの原稿査読依頼です。10月9日が締切でしたので、そろそろやらねばと、今日、封筒の中身を確認してみたのです。それが、開けてビックリ、だったのです。英文原稿でした。イヤァ~、そう分かっていたら、もっと早くから手をつけたのに、と思います。

 まぁ、しかし、本文が、A4で8ページ、図表が8枚でしたので、何とかなるな、と思います。実際、午前中に、本文は、ほぼ6ページまで目を通すことができました。英語自体は、難しくなく、たぶん専門家の校閲も得ているのでしょう、文法等のミスや、タイプミスなども少ないようでしたので、ホッとしています。むしろ、全然なっていない日本語の投稿論文よりも、頭にはスッと入ってくる英語でした。

 今は、表に示された結果から、自分で図を描いて、その確認をしています。それができあがったら(たぶん、明日の午前中の仕事になりますが)、考察と照らし合わせながら、著者の結論を確認しようと思っています。今の見込みでは、今週末には十分に査読を終えられ、期限までには十分に間に合うでしょう。

 前にも書いたと思いますが、こういう査読など、学会の仕事は、academic volunteerだと思って、なるべく引き受けています。が、やはり、今の状態からすると、英語を読むのは、やや負担だったようです。それが、午後の爆睡につながったのだと思います。

 したがって、明日も、午前中は、この査読の続きの仕事をする予定です。

 ところで、査読をするというくらいの仕事で(といっても、気分的には楽ではなく、責任感を伴うものです)、これくらいの負担になるようでは、まだまだですね。まぁ、仕方ありません。なるようになる、です。この際、♪そのうち何とか、なるでしょう~♪♪でいくことにします。

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2007年9月 9日 (日)

嬉しい知らせ……学会デビューの顛末

 日曜日です。例の学会が2日目で、研究員のFkさんが、学会デビューを迎えるという、記念すべき日でした。発表時間前に、“落ち着いてやりなさい”とメールは送っておいたのですが、何もしないでいると、そわそわしそうだと思ったものですから、あえて、この日のためにとっておいた、あるものを作ることに熱中することにしました。

 そのあるものは、もう少しのところで、まだ最終的に完成していませんので、明日、ブログに書くことにしたいと思います。気を持たせるようで、恐縮です。

 先ほど、夜8時過ぎになってから、Fkさん本人と、D1のSbさんから相次いでメールが届きました。無事終了したようですし、発表時間も、「ご静聴ありがとうございました」というところで、ちょうど、与えられた15分になったという、初めてにしては上出来の結果だったようです。Sbさんによれば、「私よりも落ち着いていて、説明も過不足なく、よく分かりました」「質問にも落ち着いて、応えていました」ということでした。

 これで、昨日ポスター発表をしたFjさんともども、無事に発表が終了ということで、指導教員としても、責任が果たせたかな、と思い、肩の荷が若干は下りたかなというところです。お二人とも、今日は、ゆっくり休むことが出来るでしょう。

 さて、私自身は、終日、もの作りに熱中していました。とあるもののキットを買い込んで、作っていました。致命的なミスは、犯してはいないと思っています。上述のごとく、明日、完成予定です。詳細はそれから、ということですが、今日は、それにが完成したら、使うのに必要なケーブル類を買おう、という気もあって、家内のショッピングについて、アピタまで出かけてきました。ショッピングセンターなどというところへ行くのは、ずいぶん久しぶりのことです。

 結局、アピタ桑名店は、電気製品や、ケーブル、などの売り場は、開店以来ずっと縮小傾向にあったのですが、この前行ったときよりもさらに縮小されていて、前回は売っていたはずのケーブルは取り扱わなくなってしまっていました。ガッカリです。ガッカリしたせいもあるのか、人出の多いところへ来たせいか、疲れました。

 ところでアピタの西側の出入り口を出たところで、中学生か、高校生くらいの少年2人が、お巡りさんから、何やら事情を聞かれているようでした。が、突然、1人は止めていた自転車で、もう1人は、走って、それぞれバラバラの方向に逃げていきました。お巡りさんは、1人でしたので、走った少年を追いかけていったのですが、どうやら取り逃がしたようです。自転車に2人乗りをしていたか何かで、止められていたのでしょう。まぁ、しかし、お巡りさんも大変です。私は、事情が良く飲み込めなかったこともあって、お巡りさんがおいていったバインダーその他が、盗まれないように見張っていてあげました(別段、頼まれたわけではありませんが、お巡りさんがとっさにそれらをおいて走り出したからです)。隣にいたオバチャンは、「いったい何事でしょうね?」と不思議がっていましたが、途中からしか見ていませんので、実際に何が起こっていたのかについては、分かりませんでした。

 明日からは、休養加療も2週間目に入りますし、子どもたちの中学校は、前期の期末試験です(2学期制なのです)。こっちは、まさに親の心子知らずで、勉強しているのやら、していないのやら、実態は不明です。下手に刺激をすると、ダブル反抗期で、何倍返しかになりますので、気をつけてものをいわないといけません。まったくぅ~。

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2007年9月 8日 (土)

ドキドキの……親心?

 今日から、実は、本務先の大学で、日本ヒューマンケア心理学会第9回大会が開催されます。本当であれば、小生は、本部に陣取っていなければならないのですが、この体調で、ドクター・ストップのため、自宅でドキドキしています。

Image0058  というのも、うちの研究室の大学院OGが、2人、修論をまとめ直したものを発表してくれるからです。1人は、ポスター発表で、もう1人は、口頭発表です。ポスターは、この写真(先ほど、ケータイの写メで送られてきました)のように、プロにお願いした結果、もっとも目立つポスターとなって、会場に掲示されています。元の写真には、この左側に本人(Fjさん)が写っていますが、そこは、個人情報保護の観点から、カットしてあります。“最優秀ポスター賞”のようなものがあれば、間違いなく優勝でしょう。

 口頭発表は、明日の午前です。こちらは、Fkさんですが、ずいぶん前から緊張していたようですが、研究室で2回、練習し、発表原稿も徹底的に検討し、「これで、やりなさい」と指示してありますので、大丈夫だと思っています。

 あとは、報告を楽しみにしていればよいと、大船に乗った気分でいます。

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2007年8月27日 (月)

事例検討会

 この文字を見るのもイヤでしょうが、暑いです。いい加減にならないものか、と思います。

 午前中に、大学で、M2のOkさんの中間発表会用のプレゼン資料のチェックと、修正を指示してきました。午後は、桑名市の特別支援教育推進コーディネーターの先生方との事例検討会を行ってきました。メンバーのIs先生が提供して下さった、WISC-Ⅲの事例に基づく、アセスメント結果と支援方針が、検討のテーマでした。前半は、まず、Is先生が事例の説明をして下さり、その後質疑応答を行い、後半は、私がこれまでの研修内容を振り返りながら、アセスメントの方法や留意点について、また、事例の子どもの特徴などについて一通り解説を行ってきました。

 Is先生は、WISC-Ⅲを実施されたのは初めての経験でしたが、アセスメントまで実に丁寧にして下さってありました。日頃から、子どもたちの様子をよく観察していらっしゃることと、よく考えて指導を行っていらっしゃることが想像されました。

 大変暑い中、先生方はとても熱心に討論してくださり、ある側面では、充実した夏休みにしていただけたのではないかと思います。次回は、運動会シーズンを外して、10月末に事例検討の予定です。その他、Kb先生からも、検査を実施したので、スーパーヴィジョンをして欲しいというご依頼を受けてきました。

 さて、明日は、午前中に教授会です。が、その前に、これから、某大学評価機関の報告書のコメントを送らなければなりません。slow but steadyにやることにしましょう。

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2007年8月26日 (日)

認知行動療法(続き)

 昨日の分です。

 先日に引き続いて、認知行動療法の初級セミナーのDVDをみていました。認知行動療法は、イギリスやアメリカで主流派の心理療法です。evidence-basedがかなり徹底していること、認知心理学や社会心理学、異常心理学などに基礎をおいた心理療法であることなどが、その特徴です。うつ病や、パニック障害にかなり効果があることは、メタ分析による報告の結果から、以前より知られていました。最近は、これら以外の精神障害や、さらには発達障害にも適用されるようになっており、イギリスでは、統合失調症の治療にも効果を上げている、といいます。

 以前から興味があり、文献なども集めていたのですが、ここに来て、合間の時間に実際的に勉強してみようということで、今年の初めに買っておいたDVDシリーズを見ています。認知療法は、認知の歪みを修整することに、また、行動療法は、学習理論に基づいて再学習をすることに特徴がありますので、かなり構造化され、指示的(directive)に関わると思ったのですが、そうではなく、かなり対話的に、また、セラピストとクライエントは、一種の協働作業チームとして、治療に当たるものだ、ということが実感できました。

 日本の心理療法というと、Rogers, C.R.のクライエント中心療法で、非指示的療法が、メインストリームをなしており、カウンセリングというのは、クライエントの話を徹底的に聴き、洞察に寄り添っていくというイメージですが、かなり異なっています。 クライエントにもよりますが、このタイプの洞察療法ですと、“カウンセラーが何もしてくれなかった”と理解する方もあるようですし、セラピスト自身も、クライエントに質問をしたりしてはいけないという、誤った信念をいだいている方が多いようです。Rogers自身の著書には、セラピストから質問をしたり、話の主導権を取ったりしてはいけないということは書いてないようですが、どうもこの誤信念は、日米とも広まっているようです。

 今日は、日曜ですから、仕事からは離れたことをしようと思っています。夕方、涼しくなったら、久しぶりに近所を散歩してこようかと思っています。昼の間は、家の中の涼しいところで、楽しみのための読書でも、と思います。先日買った、東海道分間延絵図もまだしっかり見ていませんし……。

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2007年8月24日 (金)

初めての学会発表

 8月も24日となりました。処暑を過ぎましたが、今日は、またまた厳しい残暑で、36度という予報でした。

 3日ぶりに出勤しましたが、午後の予定のSbさんは、体調不良でキャンセルでした。冷房にあたりすぎて、体調を崩したようです。ということで、今日のアポは、午前中のOkさんと、午後のFk研究員の2つとなりました。

 Okさんは、9月はじめにある、精神保健看護学分野の修論発表会のプレゼン資料の確認でした。若干の加筆修正と、スライドの追加を指示しました。今度の月曜には、新しいバージョンが出てくる予定です。

 もう一人、研究員のFkさんは、9月8,9日の学会を前にして、既に、緊張した毎日を送っているようです。というのも、学会発表を行うが、初めての体験だからでしょう。小生のように、共同発表も含め、200数十回も発表をしていれば、少々のことでは、大丈夫なのですが……。しかし、今から緊張して、ドキドキしてもらっていても、メンタル・ヘルス上よくありません(苦笑)。

 今日は、ほとんどぶっつけ本番という状態で、練習してもらったのですが、15分制限のところ、25分ほどかかっていましたし、説明がスッキリとは、頭に入っては来ませんでした。また、最近でいう“かみまくる”という状態でした。

 上手に学会発表をするには、次のような留意点があります。

①発表内容は、ポイントを絞ることです。
 修士論文が元になっていますが、それをすべて発表しようとすると、全く訳が分からなくなります。つまり、あれもこれもと欲張らず、1,2つのポイントに絞って詳しく説明し、それ以外の点は、端折ってしまって構わないということです。
 せっかく研究したのでと、あれもこれも詰め込みたくなりますが、内容が多すぎると、聴衆は理解できません。発表するポイントを絞り、論理的に整合した形で発表できるよう練習を重ねることが大切です。

②初めのうちは、原稿を書いて、説明に過不足がないようにする。
 慣れないうちは、10分なら10分、15分なら15分用の原稿を書いて、説明に過不足が生じないようすることが大切です。スライドに発表する内容は書いてあるとはいえ、すべて書き込むわけにも行きませんので、原稿を書くということと、それを暗記をしてしまうくらい練習をするということが大切です。

③原稿を読むのではなく、スライドを説明するように発表を進める。
 ②と関連します。スライドを確認しながら、最低限必要なところは、ポインタで示しつつ発表をすることが大切です。したがって、原稿ばかりを見ていてはいけません。少なくとも、これから話をしようとするスライドがでていることを確認して下さい。そして、時々は、どこを話しているか、ポインタで示して下さい。そうすることによって、説明しようとするスライドが間違いなくでていることを確認でき、また、聴衆にはどこを話しているかがよく伝わります。
 もっともよくないのは、出ているスライドの説明ではないところを、“読み上げている”ということになってしまうことです。極度に緊張していると、スライドの確認をしている余裕がなくなり、スライドを進めることを忘れた上に、話だけはその続きをするべく、先に進んでしまうということもあります。

④緊張することを全体にして、準備をする。
 緊張しないに越したことはありませんが、そうなるには、かなりの場数を踏む必要があります。むしろ、緊張しても大丈夫なように、その準備をすることが大切です。上記の点について、忘れずに準備し、発表の練習を繰り返しておくことが肝心です。

⑤スライドは、言葉だけでなく、図や、図解を上手に使う。
 言葉ががたくさん書いてあるスライドは、誰も読んでくれません。細かい文字でたくさんの内容が詰め込んであれば、そもそも読めません。内容を吟味して、整理し、それらの内容同士がどういう関連になっているかを、図解の形で明示すると、説明もしやすく、聴衆にも伝わりやすくなります。

 細かいことをいえば、キリがありませんが、おおよそ以上のようなことに留意すれば、学会発表も上手く行くと思います。Fkさんについては、来週の2回目の練習に期待したいと思います。

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2007年8月23日 (木)

認知行動療法

 朝方の雨も、いつまでも降っておらず、直に晴れてきました。さすがに、今日は、暦の上では処暑ということで、暑さは収まっていました。明日からは、また、暑さが戻るという予報です。

 さて、ずっと以前に買っておいた、認知行動療法カウンセリング(CBTカウンセリング)のDVDをみながら、テキストを読みつつ、勉強することが出来ました。星和書店から出版されている、“認知療法・認知行動療法カウンセリング(CBTカウンセリング)初級ワークショップ“という者で、大変分かりやすく説明がなされていました。これで、認知行動療法が出来る!というものではありませんが、初級ベルの技法については、よく分かりました。

 後は、事例編をみるのみです。この上級編のビデオも買ってありますので、この週末にでも、持ち帰って見てみようと思っています。

 この間書いた、認知療法と、身体症状との関係については、個人内の相互作用として、認知、行動、身体、気分・感情という要素を想定して、それらの間の相互作用として見ていく、ということでした。これらの4つは、どれが先に生じてくるかについては、個人差があるということでしたから、身体的な現象が最初に生じるということも十分あるようです。多少、疑問の解消にはなりましたが、まだ十分に、というところまでは、行っていません。もう少し勉強することにしましょう。

 ところで、明日は、既に週末ですが、D1のSbさんは、体調が悪いので、お休みという連絡がありました。I助教も、休みという連絡です。午前中、M2のOkさんが、修論中華発表用のプレゼンのチェックにやってきます。午後は、Fk研究員さんが、学会用のプレゼンのチェックです。

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2007年7月 1日 (日)

校正

 1日遅れになってしまっています。これも、昨日の分です。

 連休となりましたので、ゆっくり過ごしています。午前中に所用で出かけたのみで、あとは扇風機を押し入れから出してきて、組み立てたくらいで、これといったことはしていません。ここ3週間分くらいの疲れが出てきた感じです。

 さて、今日は、放送大学教育振興会から、“心理学研究法”のテキスト(正式には、印刷教材、といいます)の初校(最初の校正)が、送られてきました。今は、ほとんどすべての原稿は、電子ファイルで入稿していますので、著者がミスさえしていなければ、校正をする必要はないはずです。しかし、そこは人間がやることですので、何度も読み直したはずなのに、ミスが発見されます。

 原稿は、編集者の手によって、レイアウトなどを含め、綺麗に仕上げていただいてあります。最終的に出版される際には、著者紹介に、写真も載せるということです(恐)。ラジオだから、顔は出ないな、と安心していたのですが、ちょっとヤバイですね。このブログみたいに、信楽のたぬきを載せる訳にも行きませんし……。う~ん、20代くらいの時の写真でごまかす……ということも難しいでしょう。放送大学の事務局の担当者の方にも、編集者の方にも、何といっても他の著者の先生方とも、直接お会いして、打合せなどをしていますので……。

 2週間ほどの余裕を頂きましたので、これは、今週中にでもと思います。自分の目だけではアヤシイので、秘書さんにもお願いしようと思います。

 今日は、このあたりは、天気は良さそうです。たまには、気分を変えてと思って、マイ○ル桑名にでも、買い物に行こうということになっています。レポートのチェックは、帰って来てからにでも済ませることにしましょう。

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2007年6月11日 (月)

初級講習会講師認定証

 6月11日(月)です。梅雨入りは、週末だという予報です。

 さて、今日は、私も役員(理事、編集委員)をしている日本K-ABCアセスメント研究会から、郵便が届いていました。開けてみましたら、「講師資格認定証発行について」という文書とともに、「初級講習会講師認定証」が入っていました。すでに、9年ほど前から、実際には、初級講習会で講師を務めていますので、その実態にやっとお墨付きが得られた、ということです。封筒は、クロネコのメール便で届いたのですが、表に“折らない まげない”というシールが貼ってあったので、一体何事か?と思った次第です。

001_3  しかし、こういう風に公的にauthorizeされると、講習会が開催される度に、動員されるのではないかという心配もあり、喜んでばかりはいられないかなぁ、と思っています。スキャナで取り込んでみましたので、画像をご覧ください。日付は、きちんと、最初に講習会の案内に名前が載った日付の前日にしてありました。かくのごとく、芸が細かいので、上記の心配が、余計に現実的であるように思えて仕方ありません。

 もう1通は、LD学会からの入会許可証他でした。LDは、ご承知の方も多いとは思いますが、学習障害です。今までこの学会に興味はあったのですが、入会はためらっていました。というのも、この学会の認定資格で、“特別支援教育士(SENS)”というものがあり、しかも、その上級資格として、SENSSVつまり、特別支援教育士スーパーヴァイザーというものがあるのです。ひょっとしたら、このSENSSVに任じられるかも知れないと、思っていたのです。最近では、それもやむを得ないかと思い始め、今回入会ということになりました。

 名古屋市などを対象に特別支援教育の運営に携わって行くと思われますので、そういう点でもしょうがないかと思い直した次第です。まぁ、あまりご託を並べていても行けませんので、アカデミック・ボランティアとして、関わってみようかと思いはじめたところです。

 さて、今日は、午前中は、Ah研究員さんが、認知症のデータを持ってきました。これから検定を実施し、学会に発表したのち、投稿論文にしようと思っています。Ahさんも、仕事が進んでいないので、ドキドキしながら来たようですが、早速、次回のアポを指定し、やらざるを得ない状況にしてしまいました。

 午後は、来年度に向け、大学院前期課程に入学希望の方の面接でした。なかなかマジメで、しかし、はきはきしていて、好感の持てる方でした。この春に、前期課程を修了したFk研究員さんと似たテーマを考えているようでした。

 午後は、また、Is秘書さんが出勤してくれ、細々としたことなどを整理してくれました。Ahさんが、Morozoffのチョコレートをくださいましたので、ありがたく頂戴しました。I助教は、実習中でしたので、17:00前に登場しました。「2つ、たべても良いよ」といったら、大喜びでした。

 明日は、午前中に臨床心理学の授業、午後は、臨時に教授会が開催されることになっています。今日から、“試運転”という名目で、冷房が入るようになりました。ちょっと楽ちんです。

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2007年6月 7日 (木)

卒倒!は、しませんでしたが……

 5月30日(水)に、放送大学まで出かけて、平成20年度開講の“心理学研究法”のラジオ放送、2回分の収録をしてきたことは、既に当日、書きました。そのとき、ディレクターのMさんが、明日にも、整音が済み、編集も終わりますので、カセットに入れてお送りしますから、お聞きください、とおっしゃっていました。そのテープは、4日の月曜に届きました。

 が、しかし、何ということか!身の回りに、カセットテープを聴くことができるプレーヤーも、ラジカセもありません。ラジカセというのは、すでに死語かも知れません。今は、CD&MD+ラジオか、CD&MD&HD+ラジオプレーヤーになってきていますから。

 聴くべきか、聴かざるべきか、それが問題だ等と、気取った訳ではありませんが、一応、思案した結果、ウチのマイ・カーである、トヨタ・エスティマが、ちょうど10年くらい前のタイプなのですが、それにカセットがついていることに思い当たりました。

 しかし、駐車場に止めたクルマに乗って、密かにラジカセを聴いているというのも、あまりにもアヤシイ光景だと思い直しました。そこで、今日、定例の病院受診に行くのに、いつものCopenをやめて、エスティマで出かけ、往復で聴いてみようということにしました。

 さて、どうだったでしょう?少なくとも、卒倒するとか、ひっくり返って運転不能に陥る、ということは、幸か不幸かありませんでした。“自分の声を録音して聴いてみると、これが自分の声!?”と思うことがありますが、それは、既に小中学校の時代に経験していますので、大丈夫でした。まぁ、最初にしては、合格ラインに達しているか、と自分で思った次第です。時々、原稿を繰る音がわずかに入っていたり、とちったところがそのままだったりしますが、まぁ、こんなものでしょう、というところでした。

 診察を終え、薬をもらって、再びクルマに乗ろうとして、エンジンをかけたら、どこかで聴いたような声が聞こえてくるのです。幻聴ではありません。“なかなか良い声をしてるなぁ”などと、思ったのですが、カセットを入れたままにしておいたため、放送大学の録音が聞こえてきたのです。全くボンヤリしているというか、幸せというか、そういう有様でした。

 ところで、ラジオ(FM)による放送は、東京か前橋に限られるようです。それ以外の地域では、どうやらケーブルテレビで、ラジオも、再送信によって聞くことができるようです。リンクを貼っておきました。幸か不幸か、地元・桑名のケーブルテレビ(勢慶映像ネットワーク)では、ラジオの再送信は、今のところは、ないようです。スカイパーフェクTVでは、どうやらCS500Chでラジオも聴けるようです。

 う~ん、知人、友人、教え子の皆さんにも聴いて欲しいような、聴かれると恥ずかしいような、複雑な心境です。しかし、今頃に限って、予告しておけば、来年度の開講時期には、すっかり記憶から消えてしまっているかも知れません。そう思い直して、放送大学やケーブルテレビなどにリンクを貼っておきました。

 ご記憶でいらしたら、またお聞きください。第10回と第11回、事例介入研究法と、心理検査法が担当です。印刷教材も、よくよく調べてみたら、印税は、4%と書いてありました。印刷教材が売れると、多少、儲かるようになっているようです。こちらもよろしくお願いします。ただし、今日現在、まだ、校正も行っていません。

 何だか、有名希望なのか、匿名希望なのか、自分でもよく分かりません(爆)。

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2007年6月 1日 (金)

ポスター発表のための10のルール

 いつも拝読している“5号館のつぶやき”さんのブログで、興味深いエントリーがありました。こちら をご覧ください。“ポスター発表のための10の簡単なルール”というものです。

 オリジナルは、Plos Computational BiologyのEditorialに掲載された、“Ten Simple Rules for a Good Poster Presentation”という論説(Editorial)です。オリジナルの雑誌のWeb Siteの方は、うまくリンクが張れませんでしたので、“5号館のつぶやき”さんのブログから、リンクをたどって下さい。原文は英語です。“5号館のつぶやき”さんのブログには、和訳が載せていただいてあります。

 早速、私も見てみましたが、なるほどと言うところと、そんなprivateな事までposterにして良いの?と思えるようなところまでありました。今日、うちの研究室の院生さんや、スタッフに紹介したところ、皆、興味を持っていました。

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2007年5月30日 (水)

恙なく終了

 本日は、お日柄もよろしく、恙なく終了することができました。ちなみに、本当に、今日は、天気はよくありませんでしたが、大安吉日でした。

070530_120601  とはいえ、藤原紀香の結婚披露宴ではありません。放送大学での、心理学研究法のラジオ収録のことです。43分ほどの講義を2回分です。放送大学の収録スタジオにいたのは、2時間ほどでした。往復は、往きが名古屋駅9時54分ののぞみで、最寄り駅の海浜幕張到着が、12時23分でした。帰りは、海浜幕張を15時40分の普通電車で、名古屋へは、18時26分着ののぞみ120号でした。家を8時10分に出て、帰宅は19時15分でした。時間の長さからすると、JRに乗りに行ったという感じです。

Dsc05550  最初の写真は、ケータイ写真ですが、夢の島にできている運動公園の様子です。雨が降り始めそうな空模様ですので、あまりきれいに写ってはいません。この左の写真は、舞浜駅あたりから撮影した、ディズニー・ランドです。他にも撮ったのですが、動いている電車からでしたので、ぼけてしまいました。

Dsc05555  そして、これが、行きに東京駅から海浜幕張駅まで乗った、外房線特急Dsc05554 の“わかしお9号”です。空いていました。指定席を取ったのですが、1輛には、14,5人しか乗っていませんでした。車輌は、まだ新しく、気持ちのよい電車でした。東京駅で、“健康30品目バランス弁当”なる、680キロカロリーほどの弁当を買って、食べながら行きました。

Dsc05553  “放送の収録に行く”などとあまり身構えると緊張するかも知れないと思って、“今日は、わかしお9号に乗るんだ”と、自分に言い聞かせて出かけました。

 ところで、千葉に行く、というのは初めてでしたので、知らない、気づいていないことが多々ありました。海浜幕張駅は、幕張メッセの最寄り駅というのは知っていたのですが、千葉マリンスタジアムの最寄り駅でもあるんですね。駅には、マリンズの選手達の写真も飾ってありました。駅の廻りは、巨大なショッピングモールや、ビジネスビル、ホテルなどが立ち並んでいて、何となく人工的な街、という印象でした。ずいぶん前に出かけたつくば市のような印象です。

 さて、目指す放送大学は、駅から近くでしたが、雨が降り始めていましたので、タクシーに乗ってしまいました。放送大学は、同じ構内に、メディア教育開発研究センターや、国立学校財務センター、総合研究大学院大学もありました。

 ディレクターのMさんに玄関まで迎えに来てもらい、制作部3階のラジオBスタジオに案内されました。雑誌やテレビで見るラジオスタジオと全く同じでした(当たり前か?)。調整室と、ガラスで区切られたスタジオが対になっています。スタッフは、ディレクターのMさんと、技術係の方1名でした。少し雑談をしたのち、スタジオの説明をしてもらって、「じゃぁ、早速行きましょうか?」と言うことで、まずは、第10回の事例研究法の講義を録音しました。完全プログラム形式と言うことで、イントロの音楽や、ナレーションに続いて、43分前後で終了して下さいという指示の元に、話をしました。さほど緊張した積もりはありませんでしたが、やはり少々早口になったようです。が、無事に、オーケーが出ました。

 10分ほど休憩したのち、もう1本の、第11回心理検査法についても録音をしました。今回は、多少慣れて余裕ができたのですが、却って、何回かとちってしまいました。とちった部分は、言い直せば、そこは、編集作業で縮めていただけるということでしたので、安心して、言い直しをして、今度は、おおむね予定の時間通りに録音が済みました。15時前です。

 旅費の書類などに印鑑を押して、Mさんに帰り道を案内してもらって、サッサと帰途につきました。録音の方は、早速明日にでも、編集が終わり、カセットテープに入れて、届けていただけるということでした。自分の声を録音で聞くというのは、小学生くらいにオヤジが買ってきたリール式のテープレコーダーで遊んだときと、前の職場で行きがかり上、NHKテレビの番組に出演してしまった時以来です。何となく、気恥ずかしいことです。

 「気に入らないところがあれば、撮り直しします」とMさんは言って下さいましたが、たぶんそれはしないでしょう。というより、カセットも、ひょっとしたら聞かないかも知れないな、等と思ったりしています。

 さすがに疲れたのか、帰りの京葉線の電車では、30分ほど爆睡していました。東京駅では、I助教と、ウチの娘とのリクエストで、“東京ばな奈”を買ってきました。

 今日も、朝は、修学旅行の中学生達がたくさんいて、名古屋駅のホームも、東京駅のホーム、コンコースも賑やかでした。京葉線に行く通路の“動く歩道”では、中学生達が大騒ぎをしながら、駆け回っていました。

 今日の録音は、実は、ずいぶん前から気にかかっていたのですが、無事に終えられて、ホッと一息つくことができました。あとは、印刷教材の校正や、来年度、開講してからの試験問題作成などが残された仕事です。

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2007年5月13日 (日)

研修2日目

 日曜日ですが、今日は、臨床心理士会の研修、2日目でした。

 朝、9時半から11時半まで、全体講義ということで、駒澤大学の勝俣先生による不登校児の記憶療法というお話しでした。大変愉快な先生で、昨日の、認定協会専務理事の大塚先生とどちらがすごいか、というくらいのユーモアと、脱線ぶりでした。脱帽です。

 この記憶療法というのは、心理学におけるコンピタンス(有能感)、の概念を中心において、記憶技法の訓練を通して、そのコンピテンス不全状態に陥っているクライエントの、コンピタンスを回復するというものです。

 昨日の夕食会でおっしゃっていたことですが、記憶療法の他に、近いうちに“ありがとう療法研究会”を立ち上げる、というようなことも言われていました。細部は、アルコールが入っていましたので、失念してしまいましたが、不登校だったかの青年に、「一日のうちで自分に何かしてくれた人全部に感謝するように」と勧めるだけで、治ってしまったというのです。

 研究や、臨床活動もなかなかアクティブでいらっしゃるようです。ご本人自身「ビョーキだ」とおっしゃっていましたが、推測するに、ADHD系統だろうと思います。あの話の、見事な脱線ぶりや、多領域に渡る活動性の高さから、そう思われます(失礼!)。

 ということで、無事、2日目も終えられ、12時20分には帰宅することができました。これほど楽ちんな研修会はありません。内容ややり方ではなく、往復の近さのことを言っています。

 さて、5月も早くも半月が過ぎようとしています。毎月、毎月同じようなことを言っていますが、老化現象のなせる技でしょう、ご容赦ください。自分に言い聞かせているだけです。特別研究費のことや、放送大学での録音、あちこちの特別支援関係のWISC-Ⅲの研修資料の作成などなど、励まなくてはなりません。そうか、今週前半には、たぶん研究倫理委員会の下調べということで、申請資料読みが入ってくることでしょう。

 研修会という、ある種、“非日常的な時空間”から、“日常の時空間”へと戻らねばなりません。ちょっと残念な気がしますが、日常があってこそ、非日常があり、その非日常が、人生に意味をもってくるのです。

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2007年5月12日 (土)

研修会 in 四日市 初日

 無事に、四日市都ホテルで開催された、第54回臨床心理士研修会に行ってきました。“無事に”とは、大げさな、と思われるかも知れませんが、体調を崩して以来、こういう場に行くのは、初めてですし、去年あたりは申込みはしたものの、当日になって、行けないという事態もあったからです。

 四日市ですから、桑名からは、普通電車でも20分くらい、急行なら12分くらいです。また、自宅から通えますので、宿泊しなくても大丈夫、ということで、申し込んだものです。

 全国から、218名の臨床心理士の皆さんが集まり、今日は、2つの分科会に分かれて、事例検討会が、それぞれ2事例についてありました。その後は、財団法人臨床心理士資格認定協会の専務理事の大塚先生のご講話(とはいえ、いつもの事ながら、漫談に近いもので、大いに笑わせてもらえました)がありました。その後は、全体での夕食会が、約2時間というプログラムでした。明日は、午前中に2時間の講演があります。

 個人的には、こういう研修会に、久々にではありましたが、参加できましたし、もっと疲れるかと思ったのですが、案外そうでもなかったということで、ちょっと体力的にも自信が戻った感じです。

 さて、事例検討会では、本来は、“大人しく聞いていよう”と思っていたのですが、2事例目には、ちょっとなぁ、と思い、我慢ができませんでしたので、発言してしまいました。20歳代後半の軽度発達障害を疑われた事例ですが、メインのアセスメントがロールシャッハでしたし、WAIS-Rも使ってあったのですが、事例提供者の先生も、司会の先生も、WAIS-R知能検査の結果には、あまり触れられませんでした。その上、小声で言っておきますが、解釈がちょっとねぇと思えましたので、プロフィール分析をするなり、因子分析的見方をした方が、実り多いというようなことを言ってしまいました。そのセッションが終了した後で、まえからよく知っていて、発達障害をやっている心理士仲間の方からは、よく言ってくれたという反応が得られましたので、発言してよかったと思って、気分よく帰ってきました。

 どうも、この頃、“黙っていよう”と思っても、我慢しきれないところがあるようです。自分では、衝動性優位のADHD(注意欠陥多動性障害)か?と思ったりしています(笑)。

 ところで、大塚先生のお話にもあったのですが、文部科学省のスクールカウンセラー事業では、スクールカウンセラーとして派遣されている人材の95%弱が臨床心理士であるということでした。しかし、発達障害の心理臨床をやっており、昨今の特別支援教育に携わっている立場からしますと、ほとんどのスクールカウンセラーは使えない、と思わされます。もちろん、一定かそれ以上の成果は上がっていると思うのですが、こと発達障害になりますと、多くの臨床心理士は対応する知識、スキルともとても十分とは言えません。アセスメントも、知能検査や認知能力検査が必要になるのですが、そのあたりも心許ない限りです。

 私自身としては、認定協会や、心理士会なども、もっと(軽度)発達障害や、知能、認知能力のアセスメントに力を入れてもらいたいと考えています。

 

 それは、さておき、このところ、県の心理士会の研修会もサボっていますので、久しぶりにお会いする方が結構たくさんいらっしゃり、旧交を温めることもできましたし、よその県から参加して下さった若い心理士の方とも知り合いになれましたし、参加してよかったと思えました。

 とくに、同級生で(大学は違いますが、年齢的にはです)、開業心理士と、大学の非常勤などをしているNnさんとも久しぶり会うことができ、帰りには、スタバでコーヒーを飲みながら、いろいろと話をすることができ、これが最大の収穫だったと思います。

 まだ、明日、午前中の半日がありますので、すべて参加するまで、あまり気を抜いてはいけませんが、この調子を維持して、明日も行ってきたいと思っています。

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2007年5月 4日 (金)

うつ病マウス?

 @niftyのニュースを眺めていましたら、“うつ病、統合失調症のマウス=遺伝子操作で開発-理研など”というニュースが載っていました。

うつ病や統合失調症によく似た症状のマウスを遺伝子操作で生み出すことに成功したと、理化学研究所とカナダのマウントサイナイ病院研究所、英エディンバラ 大の研究チームが4日、米科学誌ニューロンの電子版に発表した。発症の仕組みの解明や新しい薬・治療法の開発に役立つと期待される。

 記事の中にある、“よく似た症状”というのが、気になります。モデル・マウスですし、人間とは系統発生上の位置づけが全く異なり、心理・行動の特徴も、当然、違いますから、“同じ症状”というのはあり得ませんが、一体どういう症状なのでしょう。

 うつ病の方は、おそらく、外界への関心や、活動性が極端に低下してしまうのだろうと思いますが、統合失調症によく似た症状というのは、どうなのでしょう?詳しいニュースを探してみたいところです。

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2007年5月 3日 (木)

教養とは……、授業とは……

Dsc05350 ゴールデンウィークも後半です。天気がよいのは、今日・明日といいます。高速道路は、30㎞、40㎞の渋滞が常識になっているようです。休みなのに、と思うのですが、ちょっとマジメに考えさせられました。

 東京大学出版会のPR雑誌、UPの2007年5月号(通算415号)に、東大教授(表象文化論)の松浦寿輝さんが、“かつて授業は体験であった”というエッセイを書いておられます。松浦先生は、1954年生まれですので、私とほぼ同級生と思われます。

 顧みてみますと、私が大学生であった、昭和48年から昭和52年(1973年~1977年)の頃は、旧帝国大学ご出身の先生方が、現役の教授クラスでいらした時代でした。私たちは、1、2年生は、教養部に所属し、2年生後半から学部の専門の授業が始まりました。専門の心理学概論の授業に初めて出席したときに驚いたのは、当時の主任教授でいらしたYk先生は、授業に来られると、教卓でおもむろにノートを広げられ、ゆっくりとしたスピードでそれを読み上げられたのでした。当初は、とまどったのですが、先輩の3、4年生の皆さんは、懸命にそれを筆記していたのです。

Dsc05351  そうなのです、当時はまだ、帝国大学の名残のようなスタイルの授業が行われていたのです。その後、あれこれと文献を読んでみて分かったことです。とくに戦前、もちろん第二次世界大戦の前ですが、戦前の帝国大学の授業は、教授が読み上げるノートをひたすら書き写す、というスタイルであったようです。その当時は、今のように、文献もたくさんあるわけでもなかったので、致し方ない、ある意味で、当然の授業スタイルだったのでしょう。板書もほとんどなく、また、個々の概念や理論の説明もほとんどなく、ひたすら90分間筆記作業に勤しんだのです。

 授業のあと、筆記しきれなかった部分のノートを互いに見せ合って、完全な筆記録を仕上げることが、まずは、大切な復習だったのです。内容の理解は、ともかく、というところです。読み返しても、内容は、かなり高度で、学部の2年生では歯が立たないものでした。

 今日、読んでいた松浦先生のエッセイでは、同じ頃、東大のギリシャ哲学のIn教授の講義風景が描写されていたのですが、私が受けた心理学概論の授業とよく似ていました。異なっていたのは、In教授は、ノートも見ずに朗々と、雄弁に語り続けられたということです。

 松浦先生も書いておられるのですが、当時、一流といわれた先生方の授業は、日本語で語られてはいるのですが、われわれ学生には、それが理解できないという、尋常ならざる出来事を体験する時間であり、場だったのです。松浦先生同様、無知、無学の故に私たちには、それが理解できず、理解したことのほとんどひとつは、“それらを理解するには、無限とも言えるほどの本を読んで、想像を超えたほど考えなければならないのだ”ということです。これも松浦先生がおっしゃるように、まさに、恐ろしくも、さわやかな“体験”だったと、今になって思えます。

 これも松浦先生のエッセイからの引用ですが、現在の大学からは、畏怖も尊敬も消えてDsc05352 しまっています。教養とは何か、教養教育はいかにあるべきかという議論が繰り返されていますが、この畏怖や、恐怖を感じさせる、感じることが、教養なのです。私のことばでいえば、圧倒的な力量の違いを見せつけられること、それを感じられることが、教養教育の真髄だと思います。こういうことは、おそらく今の大学では体験する機会は、限りなくゼロに近いのではないかと思います。

 FD、授業評価、分かりやすい授業などは、はっきりいって“くそ食らえ”と、本音では思います。とは思いながらも、自らの学部の授業では、分かりやすく、具体例も取り入れて、質問を書かせて、それについて回答し、と当方にすれば、かなり手取り足取り、頭取りの授業をしてしまっています。学生達は、必要なものはすべて、自分たちが分かるように与えてもらえるもの、と信じ込んでいるように見えます。松浦先生曰く、“教室は、こぎれいにパッケージされた口当たりのよい知識を要領よく伝達する、能率的な教習会場のごときものになりつつある”のです。

 すぐ役に立つもの、すぐに分かるものは、すぐに役に立たなくなるものだと、個人的には思っています。しかるに、現在の大学教育で求められているのは、そのすぐに役に立つものであり、すぐに分かるものなのです。何となく、うすうす意識していたことを、この松浦先生のエッセイで、はっきりと突きつけられた気がします。

 “In先生の授業に出たことが役に立ったかといとわれるなら、何の役にも立たなかったと胸を張って断言しよう。何の役にも立たなかったその授業は、しかしわたしの人生に手渡された、本当にすばらしい、貴重この上もない贈り物であった”と、松浦先生は書きます。私のような、田舎大学の教授では、これほど立派なことを、あのように格好良くは言えませんが、似たようなことを考えています。

Dsc05353  折しも、世は、大学全入時代ですし、大学は学問をするところではなく、免許・資格を得るための職業訓練の場になっています。学生達の授業評価を受けなくてはなりません。しかし、松浦さんが言われるように、あのときのYk先生の授業を評価しろ、といわれたら、「畏れ多くて、そんなことはできません」と、いうと思います。たかだか20歳前後の、無知、無学でありながら、何も恐ろしいものはないと思っているような学生達に“評価”できてしまうような授業であるなら、松浦先生ならぬ、私などでも、最初から出席したいとは思わないでしょう。

 つまり、そんなことなら、本に書いてあるのです。あるいは、その辺のカルチャーセンターの、分かりやすい授業で十分なのです。30年前のことを思い出して、あれこれ、またもや妄想を書き連ねたのですが、自分の授業が、今の学生達が30年後に思い出してくれるかどうか分かりません。が、幸か不幸か、たぶん30年も経てば、この世には存在しないでしょうから、「後は野となれ山となれ」です。そう思うと、たいそう愉快にもなります。アッハッハ。

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2007年4月24日 (火)

WISC-Ⅲ研修会

 朝から曇りがちの天気です。今日は、2時間目の臨床心理学の授業を済ませたら、トンボ返りで、13時30分から、桑名市教育研究所でのWISC-Ⅲの研修会の講師を務めて来ました。

 今日の臨床心理学の授業のテーマは、臨床心理学の対象ということで、中でも、“正常と異常”について考える、というものでした。あまり具体的ではなく、当たり前といえば当たり前のことを考え直してみる、というテーマですので、学生諸君の中には、“お休みタイム”にしてしまっている強者もいましたし、一般公開の市民の方には、さらに取っつきにくいテーマだったようで、大変恐縮ながら、船を漕いでいらっしゃる方もありました。

 授業は、分かりやすくて、面白い方がよいというのはその通りなのですが、1つの学問体系に沿って話を展開しようとすると、やむを得ず、今日のような、あまり面白くない、やや抽象的なテーマも取り上げざるを得ないので、苦しいところです。

 さて、授業を12時10分におえて、一息ついたら、直ちに地下鉄で近鉄名古屋駅へ移動し、12時50分の電車に乗って、桑名に戻り、駅からは徒歩で、教育研究所まで行きます。10分前に到着できます。

 今日の研修会は、先週に続いて、2回目で、こちらは、児童用の日本版WISC-Ⅲ知能診断検査のうち、言語性下位検査の実施方法が今日のテーマで、具体的に検査をどのように実施するかとか、どういう注意点があるかという話でした。特別支援教育推進コーディネーターの先生方7名と、教育研究所の先生が受講していらっしゃいます。

 少人数ですし、お互いにかなり慣れてきたこともありますし、和気藹々と、楽しく研修をしてきました。「子ども用なのに、難しい」とか、「6年生なら、これはできるよね」と、先生方も半ば童心に帰って楽しんで下さいました。

 昨年度まで、コーディネーターの研修会や、モデル校の研修で、このWISC-Ⅲを使ったアセスメントや指導の話をしてきたのですが、やはり、どのような検査かが具体的に分からないと、イメージも今ひとつはっきりしなかったようです。今回の推進コーディネーターの先生方7名が、まずは、中心となって、知能検査結果に基づくアセスメントに習熟していただいて、それを市全体に波及させたいという、教育研究所のねらいも、たぶん上手くいくのではないかと思えてきました。

 短時間で移動し、ほぼ1日中喋るというのは、確かにラクではありませんが、このように、熱心に取り組んでいただくのと同時に、十分に成果が上がりそうだという、先の見通しが持てると苦労も吹っ飛びます。次回は、連休明けの、5月8日に動作性の下位検査の実施方法についてお話しする予定です。

 名古屋市の教育センターさんとの間でも、同様の事業を計画していますが、こちらも何とか、うまく運びたいと思います。特別支援教育は、今月から本格実施になってはいますが、現場レベルではいろいろと解決すべき課題もたくさんあります。しかし、一気に進むことはできませんので、やはりこうした、着実な取り組みを積み重ね、それが各自治体内の他の学校に広まっていくような活動が重要だと、思いを新たにさせられました。

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2007年4月21日 (土)

仕事な週末でした

 土曜日ですが、今日は、東海地区K-ABC研究会の定例研究会でした。11時頃から出かけ、18時に帰ってきました。研究会そのものは、14時から16時です。今日は、かなり以前から会員の方々からご希望のあった、WISC-Ⅲによるアセスメントについて、私が話をしてきました。約30名の参加者でした。

 当初は、気晴らしにCopenで行こうか、と思っていたのですが、朝から、調子がイマイチでしたので、いつも通り電車で出勤に変更しました。少々疲れ気味でしたが、2時間の話を終えてからは、気分的には普段並になってきたと思います。

 今週は、月曜日に保健行動論の授業があったり、火曜午後には、授業を終えてトンボ返りで桑名市教育研究所の研修をしたりと、けっこうハードでした。木曜には、大学院の授業が夜ありましたし、金曜は、後期課程の特講が夕方でした。週の終わりにかけて、夜のお仕事は、疲れ気味に駄目を押されるような感じです。木、金は、前期中、こういうスケジュールですから、朝の出勤をゆっくりにするなりの工夫をしないと、体力がもたないかも知れません。

 実際、昨日は、帰宅したところで、かなりのお疲れ状態でした。今日の朝の状態は、そのafter effectだったかも知れません。

 ところで、この週末は、天気がよくないようですが、明日は、仕事は、完全オフにしたいと思います。こういうことはよく書いているのですが、実際には、少々気になって仕事に手をつけたりしてしまうことがあります。中途半端に仕事をすると、精神的にも却ってよくないようです。オフにするときは思い切って、オフにしないといけませんね。 

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2007年4月10日 (火)

検索についての2題

 決して暇で困っているわけではありません。このエントリーは、自分が忘れないために、というのと、おそらく他の方にも有用だろうということで……。

 1つは、昨日、“5号館のつぶやき”さんのブログで読んだことです。

「国立情報学研究所(NII)は4月9日、大学などに提供してきた学術論文データをGoogleによるクロールの対象としたことを発表した」とのことです。
 確かに Google Scholar で検索してみると、日本語で日本の論文が検索できるのみならず、英語で検索しても日本語論文も出てきます。
 また、原著論文だけではなく学会発表要旨などもガンガン引っかかってきます。
 今回NIIが公開したデータは、学術論文情報を検索対象とする論文データベースサービス「CiiNii」(サイニィ)に格納されている国内の主要学術論文300万件だそうです。

 これは、ちょっと画期的なニュースだと言えるでしょう。“5号館のつぶやき”さんも、「学問の世界では、勝ち負けはとりあえずどうでもよくて、安く(無料で)便利になるのはうれしいことです」と書いておられます。本当にそうだと思います。私自身も使いたいと思いますし、院生や研究員達にも使うように勧めたいと思います。

 もう1つは、今月号の“科学”(岩波書店、77巻4号)の特集が、“<検索>の未来”というものです。その中の“検索から連想へ”という、国立情報学研究所の高野明彦さんの論文に紹介されていたものです。それは、「想・IMAGINE」という技術を用いた情報サービスとして、「想・IMAGINE Book Search」が公開されたというものです。論文によれば、現在のところは、Webcat Plus、新書マップ、Book Townじんぼう、文化遺産オンライン、ウィキペディアなどを対象に、連想検索で一気に情報収集が可能となる、というものです。

 どちらもトライしてみる価値は十分あると思われます。

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2007年4月 6日 (金)

査読

 新年度が始まって、実質的に2日目です。今日のアポイントは、16時までありませんでした。こういうときは、内緒で出勤前に、三省堂や東急ハンズに立ち寄ることも多いのですが、年度初めからサボっていてはいけませんので、今日のところは控えました。

 朝、8時29分の準急に空席がありませんでしたので、39分の普通電車で出勤しました。名古屋駅まで約40分です。特急なら16分、急行では20分ほどですが、普通電車は、あちこちで特急や急行に追い越されますので、これくらいの時間がかかります。前半は新聞を読んで、後半は寝ているか、添削原稿などを読んで行きます。大学着は、だいたい9時40分か45分です。名古屋駅で乗れる地下鉄によって変わります。

 さて、今日は、まずは、4月9日締切の、とある学会誌の査読を午前中に済ませました。昨日、途中まで目を通していたものなのですが、割とよく書けている原稿でしたので、まずは、コメントや修正箇所について、原稿に朱書きを入れて、その後、査読に当たってのコメントをA4で2ページの用紙に書き込んで終了です。

 学会誌や、Nature、Scienceなどの有名雑誌も、いずれもpeer reviewを経て、論文を掲載しています。そのreviewを、日本語では査読と呼びます。査読をする人は、refereeです。こちらの日本語は、査読者、査読委員ということになります。編集委員会から依頼を受けて、自分の専門分野に関する論文の査読をすることになります。いわば、academic volunteerです(この表現は、過去に、心理学研究の査読をしたときの依頼文書に使われていたものです)。

 mamekichiのように、既に教授になってしまった立場(成り上がったのか、成り下がったのか、よく分からないと、自分では思います)では、一定のペースでコンスタントに研究業績が出ていればよいのですが、准教授以下の若手の先生達には、いくつ論文が出ているかによって、昇任についてのチャンスが異なりますので、まさに死活問題です。したがって、学会誌によっては、こういう状況を指摘した上で、可及的速やかに(これも、昨日のように歴史的用語、かも知れません)、査読結果を返却するよう求められます。

 mamekichiは、自分自身が、比較的早く教授になれたと自覚していますので、査読については、期限までにきちんと返すよう心がけています。

 ということで、今日の査読も、午前中にコメントや修正の指摘を朱書きで書き入れ、査読結果(修正なしで掲載かとか、修正の上で採択、あるいは、却下などの判断も含め)も書き上げ、昼食後には投函してきました。

 今では、このように、査読する側も経験していますし、自分の論文以外に、院生や研究員の皆さんの論文の共著者として、査読を受ける側も経験する立場にあります。両方の立場を経験して言えることは、比較的公平な立場で査読するレフリーもあれば、かなり、ユニークというか、独断と偏見で査読に当たるレフリーもいる、ということです。

 たいていの場合、レフリーは、2~3名ですので、これだけの人数の研究者を説得できれば、学会誌に論文が掲載される、ということなのですが、コメントによっては、舞い上がってしまったり(これはかなり少ないのです)、凹んでしまったりします。

 まぁ、2,3人のレフリーを説得できればよいのですから、たとえば“修正採択”や、“修正再査読”と判定されても、そこで諦めずに、もっともだと思えるところは修正に応じ、そうではないところは、説明ないしは説得をして、了解してもらえばよい、ということになります。しかし、私自身も、若いときには、それこそ“人格否定”をされたように受け取って、相当に気分が沈んだこともありましたが、この年齢になりますと、さすがにそれなりに経験を積みますので、院生や研究員の皆さんにも、「査読通りに直しましょう」とか、「ここは説明をつけてそのまま行きましょう」という判断を示すことができるようになりました。

 このように、査読を巡っては、投稿者と査読者とでは、立場や考え方がかなり異なってしまうのですが、mamekichi自身は、査読者になった場合には、より良い論文になるように、コメントや修正意見をつける場合には、なるべく対案を示すようにしています。

 ホームページの“不滅の研究室用語集”には、「査読は、添削ではありません」などと書いてありますが、添削とまでは行かないまでも、内容や質の向上ということを頭に置いて、査読に当たるよう心がけています。

 今日は、後期課程に進学したS前研究員さんから、「査読結果が来ました」というメールが来ていましたが、ここに書いたような方針で対応したい、と考えています。

 

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2007年3月17日 (土)

分かり方研究会

 週末土曜日ですが,奇数月の第3土曜日,午前中は,津市まで出かけて,“子どもの分かり方研究会”という,小中,養護学校の先生方有志の勉強会に助言者として参加しています.昨年11月から行くようになったのですが,前回,1月は私の体調が優れず,サボってしまいましたので,今日が,2回目の参加でした.

 会場は,津駅の西,県立美術館や,総合教育センターからほど近い津市の集会所です.駅から往きの時には,ダラダラ坂を登る必要がありますので,3区ほどですが,バスに乗っていきます.帰りは,10分あまり,歩いてきました.美術館のあたりは,津の高級住宅街ですし,会場の集会所は,津商業高校や,津東高校に近い,新興住宅地のハズレにあります.

 今日は,14,5名の参加者で,小学校高学年の学校に行けない女の子の事例でした.適応指導教室や,教育研究所の先生の個別相談・支援を受けているということでした.WISC-Ⅲや,K-ABCによる心理アセスメントもしてありました.認知能力の低下や歪みというよりも,情緒面の不安定さやアンバランスが主たる問題と思われる子どもさんです.ただ,心理アセスメントが丁寧になされていましたので,その結果から,認知能力が主たる問題ではないことが,ほぼ確認でき,むしろ,心理・行動上の特徴から,情緒的な問題に対する支援が必要と判断できた事例,といえるでしょう.

 最近は,医療機関などでも,これらの心理アセスメントを実施してくれるところが増えてきているようですが,検査を実施するだけということも多いようで,それが逆に,小中学校の先生方,とくに,特別支援教育や,言語指導の通級指導などに当たっていらっしゃる先生方の悩みになっているようでした.もう半月もすれば,特別支援教育がスタートするわけですが,なかなか厳しい状況です.

 助言者としての私の役割は,心理アセスメントの実施や,その結果の解釈について,理論的,体系的な視点から,助言するということです.WISC-ⅢやK-ABCのアセスメントや解釈は,体系化されていますので,それに沿って,まずは,IQや群指数,総合尺度の結果をきちんと解釈し,それを支持する証拠があるかどうかの確認をすることから始まります.今日は,まず,WISC-Ⅲと,K-ABCのそれぞれの結果の解釈についてお話しし,さらに,両検査の結果の関連性や異同,また,相違点についてはどのように考えていくかをお話ししました.

 学校の先生方が直接検査をなさることもありますし,医療機関や児童相談所などの福祉機関から検査結果だけを入手されることもありますが,いずれにしても,子どもたちを担任され,学校での生活や,学業の様子をよく見ていらっしゃるので,先生方がアセスメントや解釈ができる力をつけていただくことが,特別支援教育がきちんとした形で普及していく上では,大きなポイントになります.先生方は,それぞれ子どもたちの様子をよく見ていらっしゃいますし,子どもたちが困難を感じている点を何とかしたいという強い思いをもっていらっしゃいます.その際の強力な支援手段の1つが,心理アセスメントです.

 従来,学校の現場では,こういった知能検査や認知能力検査を実施することや,その結果であるIQ,評価点,標準得点によって,子どもの特徴を理解することは,あまり主流の方法ではありませんでした.差別につながる,単なるレッテル張りに終わる,数値だけでは分からないなど,さまざまな考え方があったと思いますが,確かに,IQ,評価点,標準得点といった数値だけをみているとそういう危険性もあります.しかし,心理アセスメントは,子どもたちの状態を,比較的客観的に捉えることを可能にするツール(tool)の1つなのです.ツール,すなわち,道具なのです.

 他のいろいろな道具も使いようでは,有用であり,下手に使うと有害にもなります.心理アセスメントも同じと捉えることができます.きちんとした使い方を習得していただくことで,先生方の指導・援助にとっての,有力な支援道具になるものです.

 今日のような事例検討を通して,私自身は,その子どもさんにとって少しでも学習や生活に取り組みやすくなってもらえるような助言やアイデアを提供したいと思いますし,同時に,心理アセスメントがどのように使えるか,どういう点に留意が必要かなども,先生方に分かっていただきたいと考えて,こういう場所に参加しています.

 この頃は,大学の仕事が忙しいことや,体調が安定しなかったことなどもあって,直接臨床活動を行うことが難しいのですが,子どもたちの事例に接することや,現場の先生方とお話しすることは,まぁ,間接的にはなりますが,臨床活動の1つにもなりますし,楽しい,元気を回復できる仕事になっています.

 明日,日曜日はoffですが,持ち帰り仕事の原稿書きの目処はつけたいと思っています.

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2007年2月28日 (水)

フロイト生誕150周年だったそうです

 今日は,自宅研修にさせてもらっています.

 ところで,今となっては,旧聞に属する話題ですが,“精神療法”という雑誌の2006年12月号(32巻6号)の特集“臨床の知-21世紀への提言-”を読んでいたら,「今年(2006年)はフロイトの生誕150周年」という話題が出ていて,気づいた次第です.それは,西園昌久,山中康裕,増野肇の3先生方による対談記録にありました.

 臨床心理士&心理学者にしては,不勉強といわれるかも知れませんが,何となく歴史上の人物というイメージを持っていたからなのでしょう.

 その,3人の先生方の対談記事によれば,生誕150周年をきっかけに,ワシントンDCで,これまで互いに話したりすることがほとんどなかった,アメリカの精神分析4団体,すなわちアメリカ精神分析団体,アメリカン・アカデミー,アメリカ心理学会,ソーシャル・ワーカーの各団体の代表を集めて精神分析,フロイト論をやる(やった)ということです.さらに,興味深いことに,それを主催したのが,オーストラリア大使館だというのです.

 一神教文化の精神療法ですから,同じ精神分析の中にもさまざまな対立があったことを考えると,驚くべきことです.

 もっとも,同じ特集の中で,成瀬悟策先生は,“私の脱精神分析の旅”を書いていらっしゃるし,同様に,福島章先生は“精神分析から多次元的医療へ”という論文を書いておられます.福島先生の記述によれば,先生が1986年にホノルルのイースト・ウェスト・センターで在外研究に当たっておられたときに,さる若い文化人類学者K氏が,アメリカ本土の精神分析の現況として,「もう,アメリカの医者は,精神分析をすっかり捨ててしまいました.私の父(高名な精神分析医だそうです)も,クリニックの開業は続けていますが,医者として病気や症状を治すと言うより,ユダヤ人仲間の人生相談の相手をしているようなものです」というのに,ショックを受けたというのです.ちょっと笑ってしまいましたが,DSMやICDなどの操作的定義,効能のある向精神薬の出現,保険会社による治療短期化への圧力などによって,本格的な精神分析治療は衰退してしまったようです.

 一時期,アメリカなどでは,「私にはかかりつけの精神分析医がいる」とか,「精神分析を受けている」というのは,一種のステータス・シンボルであったという話があるのですが,今は昔,ということのようです.

 確かに,フロイトの創始した精神分析は,フロイト亡き後,さまざまな立場に分裂したり,新しい視点を導入したりして,その理論的体系は,複雑・膨大なものになってしまっています.私などは,興味を持って,いくつかの立場から書かれた書物を読もうと思ったものの,とても手に負えなかった記憶があります.

 現在では,医学や精神医学はもちろん,臨床心理学にも,エビデンス・ベイスト(evidence-based )の流れがかなり浸透してきて,精神分析そのものや,精神力動的パーソナリティ理論に依拠する投影法の諸検査には,いろいろな立場からの批判がなされるようになっています.一般向けの文庫本にも,“フロイト先生のウソ”(文春文庫)なるものが出版されていますし,アメリカではロールシャッハ法については,信頼性,妥当性がきわめて疑わしいとする主張がかなり多くの心理学者から提出されています.日本でも,“投影法テスト”というよりも,“主観的テスト”といった方がよいという批判もあります.

 最初の話題に戻りますが,最近,岩波書店から,新たにフロイト全集の刊行が始まったのですが,私自身,その理由がよく分からなかったのですが,このフロイト生誕150周年にちなむ事業ということなのですね.よく分かりました.

 私自身は,このところの研究室の整理整頓の一環として,ほとんどの精神分析関係の本は,図書館に返すか,私物は処分してしまいました.“お話しとしては良くできている”と思うのですが,実証できませんし,反証できませんので,今の心理学の立場からすると,科学的とはいえないと考えるのです.“講釈師,見てきたような……”に陥りかねないという気がします.とある知人の心理学者は,私などより過激で,“宗教のような心理学”といっているくらいです.

 以上,自宅研修の合間のちょっとした“妄想”でした.

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2007年2月13日 (火)

いよいよ,ここまで来たか??

 2月13日(火)です.ハッピー・マンデーはよいのですが,どうも調子が狂ってしまいます.曜日感覚的にも,体調的にも,です.

 今日の朝日新聞夕刊(名古屋本社版)の文化欄に,明治学院大学の稲葉振一郎先生の“ブログ解読”というコラムが載っていました.“質の低い情報にも需要”というタイトルで,関西大学の辻大介先生のブログを引用して,書いておられます.とある大学生タレントが,卒論をテーマを募集したという話しから始まり,

パソコンとネットの普及に伴う,リポート・卒論における盗作の安易化は,大学教師の頭痛の種だ.

という記事です.卒論などの代作を行うというサイトがあることは,以前,このブログでも紹介しましたが,

いまやこの手の稚拙なリポート・論文を集めて利用しやすくしたサイトまで出てきている以上,……(後略)

ということらしいのです.

マウスひとつで他人の文章・データを切り貼り(「コピー〔写す〕」アンド「ペースト〔貼る〕」,略して「コピペ」)したリポートが量産される.

という時代のようです.以前であれば,パクリの元は,プロの論文であったのですが,もしそうであれば,経験のある大学教員なら,かなりの確率で怪しい,と見破ぶることができました.しかし,“稚拙なリポート”となると,見破るのも難しいかも知れません.Googleで検索しようと思っても,それなりの努力をしないと,見破れないという状況に陥るのが関の山,のようです.“なんだかねぇ~”という気もしますし,いやはやここまで来たか,という気もします.

 ご興味のおありの方には,朝日新聞名古屋本社版夕刊〔2月13日付〕8面をご覧になることをお勧めします.

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2007年1月29日 (月)

とうとうダウンした電子辞書

 もう1つエントリーを.

070129_124801  このところ紙の辞書よりも,電子辞書をよく使うようになっていました.が,先週末以来,電子辞書が不調で,とうとうダウンしてしまいました.愛用していたのは,SONYのDD-IC5000という機種です.この頃,SONYからは新製品が出ていませんので,この分野からは撤退してしまったのでしょう.平成14年に購入したものですので,5年弱使用していました.研究社のリーダーズ英和辞典の他,Oxfordの英英辞典も入っていて,重宝したものです.

 ダウンしてしまったのは,おそらく液晶です.液晶は,消耗品と思わなければなりませんので,致し方ないところです.週末,自宅に持ち帰って,あれやこれや試してみた結果,液晶が悪くなったと,結論づけました.以前,院生用の電子辞書も同様の症状に陥り,修理見積もりをしてもらったところ,2万円以上ということでしたので,今回も修理よりは,新品を購入するという選択にしました.

 何とももったいないところですが,予算の効率的執行という観点からは,やむを得ません.新しく購入することにしたのは,SIIのSRG-10000という最新機種です.生協さんのカタログでは,\68,000の値段がついていました.SIIの最高級モデルで,英語系のコンテンツが充実しているほか,ブリタニカの百科事典,Oxfordの英英辞典も搭載されています.日本語も,明鏡国語辞典,デジタル大辞泉,日本語大シソーラスなども載っています.広辞苑は,あまり好みませんので,ちょうど良いと思っています.

 電子辞書がベストだとは思っていないのですが,携帯性と,文字の見やすさを考えると,手放せません.紙の辞書も,もちろん使用するのですが,ここ最近,一段と老眼が進行してしまったため,細かい文字を見るのが苦痛になっています.それに,250グラムほどで,あれだけのコンテンツが載っているというのは,何とも魅力です.

 ただ,英語の初学者の方には,電子辞書はあまりお薦めしません.ウチの院生達にも,そう申し渡してありますが,辞書は,紙のものでしっかりと引くというか,読む必要があります.つまり,それらしい日本語を見つけるために用いるのではなく,英語の学習自体には,ある単語についての説明を最後まで目を通して,どのようなニュアンスなのか,どういう熟語や,言い回しがあるのかまで,確認してもらいたいと思っています.そのためには,電子辞書のように小さな画面でこと足れり,とするのではなく,紙の辞書で,きちんと最後まで目を通すことが重要なのです.

 もちろん初学者でも,授業に持ってくるというような場合には,形態の利便性を考え,電子辞書禁止としているわけではありません.自宅や院生室の机で勉強する際には,紙の辞書をきちんと読む,という風にしてもらいたいところです.

 ついでに英語の文献が読めるようにする方法についても簡単に.大学受験用の単語集で構わないので,2,000語前後の単語を徹底的にアタマにたたき込むことと,英文法の参考書1冊を何度か読み通して,熟語や言い回しをアタマに,これもたたき込むことが,まず大切です.その上で,ある一定量の文献を読むことが大切です.そのようにして,一定のレベルまで達することができれば,しばらく英文から遠ざかっても,力が落ちないようになります.ラクしてトクする,ということは決してありません.戦略的に(ゴールとそれに到達するストラテジーを立てて)勉強することが重要です.

 ちなみに,中国からの留学生のLkさんが日本語を勉強したときも,あらかじめ,ゴールを決め,それに達するストラテジーを立て,multi-sensory methodを用いて勉強したようです.mluti-sensoryとは,音読,聞く,書く,見るなど,さまざまな感覚やアウトプットチャンネルを駆使して,勉強する方法を指します.

 いずれにしても学問にも,語学にも王道はありません.

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2006年12月26日 (火)

DN-CAS認知評価システム

 他の用事で,日本文化科学社のホームページを見ていましたら,DN-CAS認知評価システムが,来年4月に発売になる,という情報が載っていました.正式名称は,Das-Naglieri Cognitive Assessment Systemです.Dasは,カナダの神経心理学者です.日本版は,筑波大学の前川久男先生他の先生方が,標準化をしていらっしゃいます.以前から,標準化作業に入ったというお話は聞いていたのですが,具体的にどの程度進んでいるのかについての情報はありませんでした.

 原著者のDasとNaglieriは,Luriaの神経心理学モデルから導かれた“PASS”モデルという認知機能モデルを基礎とし,そのモデルに沿って,子どもたち(5~17才)の認知機能を測定するものです.PASSは,Plannning,Attention,Simultaneous and Successiveの略です.プランニング,注意・覚醒,符号化(同時処理・掲示処理)は,Luriaの神経心理学による高次認知過程のモデルなのです.

 認知処理過程を測定する検査は,K-ABCや,その改訂版であるKABC-Ⅱなど,最近はいくつか発行されていますが,Luriaの神経心理学モデルのすべての3つの部分を測定できる検査は,今のところは,このDN-CAS認知評価システムに限られるのではないかと思います.

 来年4月の刊行が楽しみですが,お値段は,\84,000(検査器具)となっています.K-ABCやWISC-Ⅲなどよりは,低価格ですが,決して安い買い物ではありません.しかし,これで,子どもたちの認知処理プロセスがしっかり測定できるようになれば,来年度から導入される特別支援教育に関わっての,子どもたちの心理アセスメントに強力な道具(tool)が1つ加わったことになります.

 心理学や臨床心理学,心理アセスメントは,欧米ではかなり以前から,evidence-based の流れになっています.日本では,まだまだ,精神分析,分析心理学,クライエント中心療法など,歴史的な心理療法がメインですし,心理アセスメントにおいても,臨床心理士の多くがいわゆる投影法(投映法)を重視するアプローチを取っています.世界的な臨床心理学の方向性からは,かなり特殊な立場にあるといえます.

 私自身,実験心理学で基礎的なトレーニングを受けましたので,精神分析や投影法は,はっきりいえば,「見てきたようなお話し」であり,実証的な証明ができない点が,最大の弱点だと思っています.その点では,これまた,クレームがつくのを覚悟でいえば,「家元制度」のような臨床心理的アプローチでは良くないと思っています.

 臨床心理士の国家資格化などが,実現しそうな状況になりつつありますが,他の領域の専門家を説得し,きちんと対等な立場で仕事ができるようにするには,こうしたevidence-basedなアプローチを主流に据え,自らの仕事の意義についても,きちんとevidenceを示すことができなければならないと考えています.

 DN-CAS認知評価システムの話しから,かなり風呂敷が広がってしまいましたが,その発売ということを契機に,日頃考えていることのいったんを書いてみました.ある程度専門的な知識がないと,お分かりいただけないエントリーですが,ご容赦を.

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2006年12月 9日 (土)

変な若者言葉をTVが増幅する

 昨日,平成18年12月8日(金)の中日新聞夕刊の人物欄に,日本語学者である北原保雄先生のインタビューが掲載されていました.北原先生は,筑波大の学長も務められた高名な日本語学者で,「明鏡国語辞典」の編纂に携わられました.われわれにとって,もっとも馴染みがあるのは,「問題な日本語 正・続」を編集しておられることです.

 なかでも,おもしろかったのは,「あなたに伝えたい」というところに載っていました,次のことです.

 昔のテレビ番組は正しい日本語で話そうとしていました.今は,言葉に無頓着な人が出てきてペラペラしゃべる.これが「問題な日本語」を氾濫させる大きな原因になっている.

 テレビが末期的症状を呈していることは,コラムニストの小田嶋隆さんが,“テレビ標本箱”でも具体的に指摘しています.北原先生は,「芸能タレントが楽屋でするような話を放送に乗せちゃう」と評しておられますが,全くもって同感です.

 北原先生は,また,われわれのように,学生を指導してレポートを書かせたり,院生に研究をさせ,それを論文にするべく添削や指導に励んでいる者にとっては,他にも,“そうだ”と頷けることをたくさん仰っています.日本語のプロが仰ることですから,小生が愚考していたことも,あながち的外れではなかったな,とも感じています.

 今はしゃべるように書くからね.話し言葉そのままに書くからだめなんです.あれはテレビよりももっと悪い面がありますね.話し言葉だけで過ごしていると,日本語が貧弱になってくる.いい日本語というのは,論理的に整合性を持って展開し,そこに適切な言葉が当てはまっていくという,それに尽きると思うんです.

             <中略>

 言葉は単なる言葉じゃなくて内容を表現するものですから.だから読書しなきゃ.読書して内容も深め,適切な表現の仕方も身に付ける.自覚ですよ.人と話していて「知らない言葉だな」と思ったら,家に帰ってすぐ辞書で調べたりね.そういうことの積み重ねが,その人の言葉の力を向上させるんです.

 学生,院生に向けて言い聞かせることもさることながら,隗より始めよではありませんが,まずは自分自身ももう一度,確認して範を示さなければなりません.

 これに関連して,私の研究室を訪ねてくる人や学生がよくいうことがあります.「先生は,辞書マニアですか?こんなにたくさんの辞典を集めて……」とか,「先生は,辞書がお好きですか?」ということです.私自身は,研究者であれば,辞典や事典はある程度持っているのが当たり前と思っていますし,人文系の研究者としては,普通程度の量しかないと思っていたのですが,どうもそれは世間の常識ではないようです.

 うちの院生達は,演習などをしていると,私がすぐに,「ハイ,辞書を調べなさい」というものですから,かなり習慣化してきましたが,それでもまだまだ足りないと思っています.というのも,英語などでは,ある単語の最初の方をちょろちょろと見て,それらしき日本語の単語を見つけて喜んでいるのです.「その項目の最後まで調べなさい」「研究室では,携帯性を考えると,電子辞書を使っても良いが,自宅で勉強するときは,まずは紙の辞書を引きなさい.その方が,項目を最後まで,一目で見ることができるから」と言い渡してあります.

 時に,「辞書を引くと,こういうことが書いてあるはずだ」とか,「3つ目か,4つ目くらいの訳語に,こういう意味のことが書いてないか?」といって,驚かせたりもします.が,年季の入れ具合が段違いです.話が横道にそれてしまいましたが,労をいとわず,自分で苦労して調べること.これが勉強の近道ですね.

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添削三昧

 週末,土曜日ですがほぼ終日,雨です.それも,冷たい雨といってよいでしょう.こういう日は,“お持ち帰り仕事日和”です,まったく.午前中に,コンビニに新聞を買いに行ったくらいで,あとは,ひたすらパソコンに向かって,あるいは,プリントアウトに向かって,添削に邁進できました.M2の院生3名分のうち,2名分について,これまでにできあがっているところを,ほとんど見直し,朱を入れました.パソコンのファイルがあったものは,Wordのチェック・コメント機能で添削を入れ,すでに院生達にメール添付で送ってあります.プリントアウトに添削したものは,月曜日に渡して,説明という予定です.

 今日,一生懸命添削をしたのは,実は意味があります.というのも,指導する方が全体を見渡せていないと,適切な指導ができないためです.これまでは,部分ごとにチェックをしていましたので,全体を見て,必要なことが過不足なく書かれているかを,今のうちに見ておかないと,提出間際にチェックして,修正しなくてはならなくなってしまい,“時間切れ,アウト”という事態も考えられるからです.

 ということで,朝8時過ぎから,夕方5時頃まで,しっかりと働きました.もう1つ,後期課程のKtさんの発表用原稿がありますが,これは,明日か,明後日に見ることにします.今から,明日にかけては,off timeモードに切り替えです.明日は,天気が回復するという予報ですから,何をおいても散歩と行きたいところです.

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2006年10月28日 (土)

ようやくたどり着けました

 こういう思いになったのは,かなり久しぶりです.“ようやく,休みになったぁ!”というものです.今月は,週末出勤&週末出張で,実数5日の休みがつぶれています.以前は,こういうことは日常茶飯事だったのですが,現実にこうなったのは,2年ぶりくらいでしょうか?思えば,2年前に比べると,かなり体調は改善されています.ありがたいことです.2年前は,確か,長野県の南信地区のK-ABC講習会に出かけた頃だったと思います.すでに相当疲れていて,お世話になったYz先生が,「温泉つきホテルがよろしいでしょうか?」といって下さった言葉に,飛びついた記憶があります.オヤジの調子も,いよいよ悪くという頃でしたので,週末の度に見舞いに行き,時に家内が病院に泊まり込んでくれていたことを思い出します.

 さて,今日は,午後からK-ABC研究会でした.事務局長のDg先生は,教育委員会から派遣の海外研修から帰国された直後ということで,お休みでした.出席者は,20名弱でしたが,ディスカッションを深めるには,ちょうどよい人数だったかも知れません.久しぶりに前会長のKg先生も出席して下さり,盛んにディスカッションをリードしていただきました.

 そのKg先生も,国立N大学の停年を来年3月に控えていらっしゃいます.停年とはいえ,63歳ですから,今の世の中では,まだまだ活躍される余地は大,と思っています.来年度のN大学の非常勤のお話しもいただきました.隔年に開講しているK-ABCの授業です.体力的に見ても,おそらくもう大丈夫だと思いますので,喜んでお引き受けしました.私としては,早く,この地方でも私の後を引き継いでくれるようなK-ABCに通暁した人材が出てくれないか,と思っています.そうでないと,いつまでも引退できません.

 さて,今夜から,雨だという予報になっています.明日は,雨もあがっていくようですから,久しぶりに(本当に,2週間ぶりか,それ以上です),散歩に出たいと思っています.依存症ではありませんが,やはりそれなりに体を動かしたいという気持ちはあるようです.また,Copenも,ずっと家内専用車になっていますので,自分で走らせたいと思います.本もこの間買っただけで読んでいないものが溜まってきています.多少は,積ん読の山を解消したいとも思います.

 まぁ,いずれにしても,明日は,英気を養い,気分転換を図り,来週に備えたいと思います.来週は,金曜が休みですから,3連休です.

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2006年10月14日 (土)

占春園

 昨日も書きましたが,今日も日帰り東京出張でした.前泊しようかとも思ったのですが,昨日の夜は,研究指導がありましたし,朝一番ののぞみに乗れば,十分間に合うと思い,日帰りにしたのです.そのおかげ(?)で,今朝は,4時45分起床でした.このところ,早起きができなくなっていて,6時起床になっていましたので,ちょっと辛いところです.まだ暗い,5時半に駅まで車で送ってもらい,桑名駅の三番電車,5時53分発・名古屋行き普通に乗り込みました.そのまま行けば,名古屋着は,6時28分でしたが,途中,富吉で準急に乗り換えられましたので,6時19分着です.結構たくさんの人が降ります.

 名古屋発6時52分ののぞみ100号です.時間がありましたので,サンドイッチを買って,朝食にしました.のぞみの車中は,もっぱら睡眠時間でした.しっかりと睡眠が取れましたので,東京に着く頃には,すっきりしています.大塚の筑波大学東京地区キャンパスまでは,東京駅から丸ノ内線で10分あまり,茗荷谷を降りてすぐです.9時ちょうどに会場に到着しました.

061014_122701  今日は,もちろん新しい心理検査である,KABC-Ⅱの予備調査のための研修会出席が主目的です.もう一つは,久しぶりに筑波大学のKg先生にお会いするというものあります.この検査の日本版著者のお一人です.さらに(欲張りですが),前回来たときに,今度は,文京の森で弁当を食べ,辺りを散歩しようと決めていたのです.最初の写真は,前回も載せましたが,何となく葉っぱがかなり色づいてきたように思います(今日は,デジカメではなく,ケータイ写真です).

 今日の出席者は,10数人でした.Kg先生が,新しい検査の概要と,各下位検査の実施方法を説明してくださって,その確認をしながら,研修会が進みました.一応,テスターリーダー向けの説明会でしたが,テスターの方々も出席しておられました.これから,予備調査として,本格的な標準化の調査に入る前の段階のデータを収集するのです.

061014_123101  昼休みに入り,他の方々は,茗荷谷駅方面に食事行かれたのですが,私は,朝,名古屋駅で駅弁をゲットしておきましたので,文京の森の入り口061014_123301 当たりのベンチに座り,ゆっくりと昼ご飯としました.雲がやや多く,青空の下とは行きませんでしたが,美味しくいただけました.左の写真は,公園からやや入ったところにあるグラウンドです.奥の建物は,文京スポーツセンターです.この右手には,筑波大学付属小学校があります.右の写真は,散歩に行く途中で見かけたカラスです.何か餌を加えて移動中です.最初は,見ていても平然としていたのですが,あまりにもまじまじと見ていたら,移動し始めました.

061014_124501  筑波大学と放送大学学習センターの建物の北側には,“占春園”という061014_123801_1 庭園があります.守山藩の上屋敷のあとのようです.水戸徳川家2代光圀の弟・松平頼元が,1659年にここに屋敷を構え,その子・頼貞は陸奥国守山藩主として2万石を領し,大学頭になったのですが,その松平家の屋敷内の庭園の名残だということです.ケータイの写真ではきれいに撮れなくて残念でした.“名残”とあるように,池を巡るかたちの回遊式の庭園と思われるのですが,手入れがされていないようで,木々や草が生い茂り,まさに“名残”という雰囲気でした.ヒヨドリの声がしたり,メジロのつがいを見かけたりしました.

061014_123701_1 この写真は,木々の間から,筑波大の校舎が見えたところを撮影したの061014_123903ですが,校舎はあまりはっきり写りませんでした.園内には,嘉納治五郎の銅像があります.いわずと知れた柔道の講道館の創始者です.嘉納は, 学習院教頭他,東京高等師範学校(現・筑波大),旧制第五高等学校(現・熊本大)などの校長も務めています.その関係で,ここに銅像があるのでしょう.

061014_123902_1  園内には,こうした池と川も設けられています.庭園については,知識が061014_123901_1 あまりありませんが,回遊式になっていると思われます.一周すると,結構,アップ・ダウンがあります.途中で,犬の散歩をしている方,2組に出合いました.また,占春園の回遊する道の入り口近くには,昭和天皇の行幸記念碑も061014_124502 あります.昭和7(1932)年に,東京高等師範学校を訪ねられたときの記念のようです.昼食後の30分弱,この占春園をゆっくりと廻って来ました.帰宅後,家族に話をしたら,「出張先でも散歩なのか?」とあきれられてしまいましたが,私にとっては,気分転換にもなったひとときでした.午後からの研修も,睡魔に襲われずに,きちんと話を聞くことができたのです.


 その研修ですが,Kg先生の要点を押さえつつ,要領を得たご説明のおかげで,予定よりかなり早く,2時半には終了できました.サポートしてくださったHs先生やYm先生のご貢献もあったと思います.例によって,“用事が済んだら,サッサと帰る“という基本方針で,終了後は,直ちに東京駅に向かい,指定券の変更をして,15時13分発の博多行きののぞみで帰宅の途につきました.名古屋着は,16時55分で,自宅には,17時40分頃には戻ることができました.

 昼休みの残り時間には,Kg先生と久しぶりにゆっくり,いくつかお話しできて,楽しい時間でした.法人化以降,大学教員はどこも多忙を極めているようで,Kg先生も,今年度の初めには,しばらく体調が思わしくなく,お休みを取っていらしたようでした.教員の仕事も,ここまでやればよしという限度があるようでないものですから,ついついやりすぎてしまうことも多くなります.“何をしないか”という選択をきちんとしてやりたいものだ,と思いますし,変なことに振り回されないようにしたいという思いを新たにしてきました.

 ということで,多少早く帰宅できました.先週分の仕事がすべて完了していませんので,明日,少しやらなければなりません.ただ,来週の土日は,大学院入試でつぶれてしまいますので,明日は,多少はゆっくりと過ごし,休養&気分転換につとめたいと思います.

 とくに,このところCopenの出番がありませんでしたので,走らせたいと思います.昨日,教育研究所へ行ったときに少しだけ乗ったのですが,それ以外は,家内専用になっていました.ちなみに,教育研究所のHt先生からは,「先生の愛車ですか?」と,驚かれてしまいました.私のイメージからは,とうてい想像できないタイプのクルマなのでしょう(苦笑). 

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2006年10月 8日 (日)

何年ぶりかの東京出張

 日曜日,北日本は相変わらず荒れ模様の天気のようでしたが,太平洋岸は,風は強かったものの,よい天候に恵まれました.

 久しぶりの東京出張でした.というより,出張そのものが何年ぶりかですし,新幹線に乗ったのも同様です.少なくとも,一昨年(2004年)の11月頃以降は,どこへも行っていませんでした.記憶の限りでは,10月末か11月はじめに,K-ABC研究会でお世話になっている,伊那のYs先生のご依頼で,飯田へK-ABCの講習に行ったのが,最後だったように思います.2004年夏には,日本K-ABCアセスメント研究会の大会で,神戸へ行ったと思いますので,それ以来,新幹線には乗ったことがありませんでした.

Dsc04075  JR名古屋駅の新幹線改札口も,若干模様替えがされていましたし,東京Dsc04077駅では,新幹線乗り換え口を出たら,お巡りさんが台の上に乗って,警戒 に当たっていました.いやぁ,ちょっとした浦島太郎状態でした.10時10分ののぞみに乗って,東京着が11時53分と少し早かったものですから,丸の内口で,わざわざ外へ出て,東京駅の建物を見上げてしまったくらいです.それにしてもよい天気で,抜けるような青空とはこのことでしょう.

 地下へ入って,丸ノ内線で,茗荷谷まで10分あまりです.今度の土曜も同じところへ行きますので,パスネットカード(\3,000)を買って乗りました.丸ノ内線の駅も,すべて綺麗になっていました.本当に,“お上りさん”みたいですが,致し方ありません.

Dsc04081  茗荷谷でおりて,目的地の筑波大学東京地区キャンパスは,徒歩3分でDsc04082 す.もともとこのキャンパスは,旧・東京教育大学の跡地です.さらに歴史を遡れば,水戸光圀公の弟である,徳川頼元公の屋敷跡のようです.明治36(1903)年に,東京高等師範学校が移転し,戦後,東京教育大学を経て,筑波大学のキャンパスになったということです.

Dsc04078  現在は,教育の森公園と,筑波大学キャンパス(放送大学文教学習センDsc04079 ターなども敷地内にあります)となっています.公園は,これらの写真のように,なかなかよい雰囲気で,家族連れや,カップルが,遊んだり,ベンチで休んだりしていました.私も,まだ時間に余裕がありましたので,しばし,木陰のベンチに腰をかけて,休んでいました.

Dsc04080  公園からは,筑波大学の建物も見えます.大学院教育研究科,リハビリDsc04083 テーションコース,理療科教員養成コースなどが入っているところです.私は,心身障害学系の先生方にお会いするために,あるいは,小さな学会のために,何度か来たことがあります.右は,正門を入ったところにある案内表示です.奥に写っている玄関のところには,“筑波大学”と書かれた木製の看板が掲げられていますが,今日は,左手にある“放送大学東京文京学習センター”が,目的地です.

Dsc04084  建物に向かって,左手の入り口が,放送大学東京文京学習センターです.今日は,平成20年度から4年間にわたって放送される“心理学研究法(’08)”の科目別教材作成部会の会議のために,出張してきたのです.会議は,13時から15時過ぎにわたって開催されました.主任講師は,以前,筑波大学の教授でいらっしゃったKh先生,福井大学のOn先生,同志社大学のOk先生の3名です.私は,協力者ということで,名古屋大学のHr先生,関西大学のHr先生とともに会議に出席した次第です.

 放送大学の教材作成については,また,別に記事を書こうと思っています.Kh先生は,日本心理学会で何度かお顔は,拝見していました.現在は,筑波大学を停年でご退官になり,東京成徳大学に移っていらっしゃいます.お若い頃は,なかなか厳しそうなイメージを受けたのですが,今日は,非常にソフトで親しみやすい感じでした.また,名古屋大学は,mamekichiの母校で,Hr先生は,教えを受けたわけではありませんが,以前から存じ上げています.福井大学のOn先生は,確か名古屋大学の教育学部のご出身ですし,以前,北大路書房から出ている心理学マニュアル実験計画法でお世話になっています.打合せには,そのほかに放送大学の事務官の方や,ディレクターの方,印刷教材の編集担当者も出席しておられましたが,Kh先生のおかげで大変和やかな雰囲気の会議でした.

 帰途に,丸ノ内線が停電のため,しばらく止まっていましたが,それ以外は予定通りで,19時過ぎには,帰宅できました.朝,8時45分くらいに出かけましたので,10時間あまりの出張ということです.さほど疲れることもなく,無事に終えられ,ホッとしています.これで調子に乗ってはいけませんが,ちょっぴり自信がついたような気がしています.

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2006年9月27日 (水)

おまえは幼稚園児か

 今日の中日新聞・夕刊の1面のコラム“紙つぶて”に,“おまえは幼稚園児か”という,作家・海月ルイさんのエッセイが載っています.“プロ作家養成教室や,文章講座に出かけると,プロを目指すという人は大勢いるものの,いずれも認識が甘く,置かれた立場や状況を分かっていない”という書き出しで始まっているのですが,痛快ですし,ほとんど同感です.

 “彼らに共通しているのは,過大な自己評価と,世間に対する過剰な期待”だということだが,“後者については見当違いもはなはだしいとしか言いようがない”と断じてあるのは,気持ちが良いくらいです.“いい大人が「僕は褒められて伸びるタイプなんです」と言っているのを聞くと,「おまえは幼稚園児か」と怒鳴りつけたくなる”と書いています.

 さらに,“「褒めて育てる」というのは,あくまでも幼稚園児か小学生,せいぜいが中高生までの子供に対するしつけや教育の方法である.いい大人がそんなことを他人や世間に期待するものではない”と,結ばれています.

 mamekichiも,試験前には,学部学生には,“頑張ってやって褒められるのは,小学生まで.大学生は大人ですから,きちんと成果を見せてください”といっています.学部ができた2年目に,発達心理学の試験で20名くらい落としたところ,“頑張って勉強しました”とか,“あんなに頑張って,たくさん書いたのに,どうして不合格なのか?”,“落ちたなんて,お母さんにいえません.エ~ん”と泣き落としに来たり,泣きながら廊下を歩いていたら,当時の学部長のK先生に「どうしましたか?」と聞かれて,“mamekichi先生の試験で,落とされました”と答えたとか,トンだ目に遭遇したことがあります.それ以来,試験前には,“頑張って,褒められるのは,小学生まで”と宣言するようにしています.また,“落とされた”のではなく,“勝手に落ちた”なのです.

 院生達にも,ときどき,同じことをいっているようで(あまり自覚していませんが……),論文指導中に,先手を打たれて,“頑張って褒められるのは,小学生まで,でしたよね?”といわれてしまうことがあります.これには苦笑せざるを得ません.

 海月さんは,今日のエッセイの中で,“「プロを目指す」という者の修養の場においては「社交辞令」などは存在しないし,必要のないものである”と書いておられます.学部学生は,プロの看護職を目指して,勉強のために大学に来ています.大学院生は,看護学の研究者や教育者を目指して,あるいは,自らの専門性を高めるために大学院に通ってきています.したがって,変なところで褒めたり,甘やかしたり,手をかけすぎたりするのは,よくないと思っています.必要最低限のことは教え,あとは,実際にやらせてみて,一定水準の成果が現れているかをチェックするということが大切だと考えています.

 作家の森博嗣さんも,エッセイの中で(大学の話をしましょうか,中公新書ラクレ),教員の学生に対する役割として,“圧倒的な力の差を見せつける”ことだ,という趣旨のことを書いておられたと記憶していますが,同様のことでしょう.

 大学でいえば,同世代のほぼ半数が大学に進学してきますし,希望者が進学先を選ばなければ,全員が入学できるという“希望者全入時代”が来ているともいわれます.そういう時代背景の中では,私のような考え方ややり方は合わないのかも知れませんが,大人は少々頑固で,物わかりが悪い方がよいのではないかと思っています.

 以上,海月ルイさんのエッセイから,連想したことです.明日は,午前中は年休で,定例の受診.午後は,カリキュラム関係の会議のあと,M1のOk院生さんのサマー・セミナーです(これも,最後になりました.10月からは後期の授業に,そのままボーダーレスに移行していきます).夕方は,統計関係のコンサルが1名の予定です.長かった夏休みも,いよいよ数日を残すだけになりました.そろそろ新学期モードに,ギアチェンジが必要です.

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2006年8月30日 (水)

特別支援教育研修会

 日中は,まだまだ残暑が厳しいですが,朝夕に吹く風は,だいぶ秋めいてきました.今日は,自宅研修日でしたが,午後からは,市内のJ小学校の特別支援教育に関する研修会に出かけてきました.教育研究所のHy先生とHt先生も同行してくださいました.2時から5時までの3時間,みっちりでした.J小学校は,市の特別支援教育のモデル校になっています.先方からの依頼は,1)支援計画の必要性・意義,2)WISC-ⅢやK式発達検査などのデータの簡単な把握方法,数値や結果を学校現場でどのように活かすか,3)J小学校の計画の書式などについての助言,ということでした.

 先生方は,この夏休み期間中,今日を含めて4回の研修会を開催しておられるそうです.しかも,今日は,職員会議,運営委員会を午前中に行われた後ということで,小学校の先生方も結構大変です.しかし,校長先生以下,20数名の先生方が熱心に聞いて下さり,感謝しています. 

 依頼を受けた内容を中心に,パワーポイントで50枚あまりのプレゼン資料をつくって行ったのですが,先生方の頭の中は,少々混乱状態のようでした.まずは,“個別の教育支援計画”と,“個別の指導計画”の概念的な区別と,実際に作る上での計画案の区別で混乱されたようです.上位概念は,個別の教育支援計画”で,“個別の指導計画”は,それに含まれるものです.市の教育研究所からは,“個別の教育支援計画”のひな形が出されていますので,学校としてはそれに沿ったものを作ろうとされていたようです.個別の教育支援計画は,障害のある子どものニーズを把握し,教育の視点から適切に対応するため,保護者,教育・医療・福祉スタッフが連携し,長期的視点で一貫した支援を提供するためのものです.“個別の指導計画”は,その中で,とくに学校における教育課程に絡んだ,目標,指導内容,評価の視点を具体的に示したものなのです.

 私は,最初に概念的な区別をお話しし,個別の指導計画という観点から,その後の話を展開したのですが,そのあたりで混乱されたようです.“教育支援計画”から入っても,“個別指導計画”から入っても構わないと思うのですが,どうも先生方はそのあたりもきっちり区別をしたいと思っておられるようでした.

 また,Plan-do-seeサイクルということや,実態把握にもとづいて,目標を設定し,具体的な指導計画を立て,指導を展開し,評価を行うということはご理解のようでしたが,主訴や課題を絞って,指導を行うという点や,評価を行うということについては,ずいぶん慎重な態度をお持ちのようでした.また,目標や評価を,具体的な行動レベルに還元して行うということや,可能であれば数量的な目標を用いるという点も,頭では分かっても,十分腑に落ちた訳ではないようでした.

 これまでの,とくに普通教育の価値観や視点,発想からすれば,かなりドラスティックな変化を成し遂げないといけませんので,そういった点から,慎重になってしまわれるようでした.集団での一斉授業というところから,一人ひとりの子どものニーズに応じて,という視点の転換がなかなか困難なのかも知れません.私の発想では,とにかくやってみて,上手くいかなければ修正すればいい,と考えるのですが,異なった行動原理をお持ちのようです.このあたりは,事の是非という問題ではなく,価値観,発想の問題だろうと思いますので,時間をかけて修正していくことが必要なのでしょう.

 さて,午前中は,プリンタのインクがなくなっていましたの