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mamekichi研究室日記~淡々と飽きもせず……~

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  • 片山洋次郎: 身体にきく(文藝春秋)
    “骨盤にきく”の続編。野口整体の「体癖」を活かす整体術ということで、現代人に最適な「身体の読み方、ゆるめ方」が、実例に則して具体的に説明されている。整体とはいえ、身体や骨の歪みを直接矯正しようというものではない。いくつかの方法を試しているが、身体の緊張が取れて、呼吸が深まるのが実感できる。 (★★★★★)
  • 曾野綾子: うつを見つめる言葉(イースト・プレス)
    先日紹介した“うつを文学的に解きほぐす”の著者、三浦朱門の夫人である作家の“自分の心とのつきあい方”についての言葉集。曾野綾子自身、うつ病であり、作家である。数多くのエッセイに綴ったものから選ばれている。私自身は、こういう“言葉集”のようなものは、余り好まない。へそ曲がりというか、天の邪鬼というか、武者小路実篤や、相田みつをのものなども、どうも胡散臭く感じてしまう人間である。この本も、曾野綾子自身の体験に基づくものではあるが、必ずしも、すべてが頷けるものではない。何か一つでも、手がかりになれば、と思って購入したものである。時に触れて、読み進めてみたいと思う。 (★★★)
  • 加藤忠史: 躁うつ病とつきあう(第2版)(日本評論社)
    理化学研究所の精神疾患・老化研究グループや、精神疾患動態研究チームのディレクター、リーダーを務める精神科医による。10年ほど前に出版された同名の本の改訂版である。今は、研究がメインの仕事になっているが、臨床経験も豊かであり、本書の前半は、躁うつ病の事例が多数掲載されており、躁うつ病の病態などが分かりやすい。また、最後には、医学的な躁うつ病研究、治療の実情、現状が分かりやすく説明されている。サイエンスの立場から、エビデンスを抑え、なおかつ豊富な臨床経験を活かした好著となっている。躁うつ病、うつ病とも、参考になる本といってよい。とくに、付録の“躁うつ病を知ろう”の部分は、コンパクトに、活用点を押さえた分かりやすい説明である。 (★★★★)
  • 一色伸幸: うつから帰って参りました(アスコム)
    人気脚本家である著者のうつ病からの脱出記。私自身は、この脚本家の映画やドラマは余り見ていないが、“私をスキーに連れて行って”“病院へ行こう”など、そのタイトルは、知っているものが多かった。キャッチコピーには、“爆笑と感涙のうつ病体験記”とあるが、私には、壮絶としか思えない。小学生時代から、頭痛薬でラリっていたり、長じては、ハルシオンを乱用したりしている。その業界の人たちでは、珍しくもないのかも知れないが、読みながら、こちらの気分が沈んでいくのが分かったくらいである。うつ病というよりも、躁うつ病(双極性障害)ではないかと思える。さすがに人気のある脚本家らしく、読み手を飽きさせない文章であるが、うつ病初心者には、余りお薦めしない。刺激が強すぎるからである。ある程度、うつ病の状態に慣れた人にはよいかも知れない。 (★★★)
  • 片山洋次郎: 骨盤にきく(文藝春秋)
    このところ、肩が凝ったり、歯をかみしめたりと、身体のあちこちが緊張しすぎていることを実感するようになっています。うつの症状と関連するものと思いますが、この緊張をゆるめることで、心身ともに楽にならないかと考えていたところに、見つけた本です。太極拳とか、気功とか、整体とか、いろいろと考えたのですが、この片山さんの方法が、自分で調べた中ではもっとも理にかなっているように思えました。野口整体をベースにしているというのも気に入った点です。また、身体の歪みを修整するのではなく、それを活かして、呼吸を深めるメソッドというのも良いのではないかと思うのです。続きとして、「身体にきく」も読もうと考えています。 (★★★★★)
  • 三浦朱門: うつを文学的に解きほぐす-鬱は知性の影-(青萠社)
    専門医の手による、うつの解説も、もちろん役に立つのですが、文学者の見るうつにも、鋭いものがあり、蒙を啓かれたと思わされました。この本では、三浦さんの奥さんの曾野綾子さんをはじめ、北杜夫、遠藤周作のうつ、渡辺淳一、阿川弘之など著名な作家を見つめて、“鬱は知性の影”であると喝破しています。  私自身は、知性ある人間だとうぬぼれているわけではありませんが、先日読んだ、五木寛之さんの言説と同等か、それ以上に頷ける結論でした。「21世紀の鬱は、未来に明るい状態が見えないが故に、前世紀のそれに較べて閉ざされたものである」、「未来に明るさがない状態では、スポーツ、趣味、進行などに入ることで鬱を解決するのは、困難であろう」という点です。また、「鬱の原因は、素朴なものでは、幼年期からの成長の過程で受けた心の傷、いわゆるトラウマである。それから成長してからの人間関係、社会に出てからの職業や社会生活に同調しようとする際の心の負担」というのも、これまでの自分の人生を振り返ると、十分に納得できます。  「現在、うつの人は自分のうつを外界の愚かしさと自分の『賢明さ』を対比させることで、自分のうつを解放できればよいが、と私はいささかの希望を持ってはいる」とも書かれています。 (★★★★★)
  • 河原仁志(編著): 改訂第2版 筋ジストロフィーってなあに?(診断と治療社)
    一般向け、患者さんやご家族向けに書かれた筋ジストロフィーについての解説本。病気についての説明の他、日常生活における注意点、現時点での治療法、学校生活の送り方など、分かりやすく、ポイントを抑えてまとめられている。 ただ、知能や心理の特徴について言及された部分では、日本で、私たちがまとめた知見にまったく触れられておらず、外国文献のみに頼っており、その点は、きわめて残念であり、大いに不満である。これに関係した部分の著者が、旧・厚生省の筋ジス研究班で議論をしあった方であったり、国立病院の筋ジス専門病棟で診療・研究をしている方であったりするので、個人的には、余計にそういう思いが残る。 (★★★★)
  • 千頭一郎: 筋ジストロフィーの高校生、宇宙を学ぶ(岩波ジュニア新書#425)
    もともとは、岩波書店発行の“科学”誌に6回シリーズとして掲載されたもの(72巻、2002年)をまとめた本である。国立療養所に勤務していたとき、筋ジストロフィーの子どもたちの生活指導や、心理研究に携わっていたので、興味を持って読んだものである。以前、障害のある子どもたちにIT技術を適用して自己実現を図ろうという共同研究をしたときに、報告書に引用したり、難病の子どもたちが喪失体験を乗り越えるのにどう援助するかという“小児看護”誌の特集号の論文で、言及したりしたものである。南九州病院に入院していた筋ジスの高校生たちが、インターネットを利用した教育プロジェクトに参加し、流星群などの観測を行い、また、他校生や研究者と交流することによって世界を大きく広げたという実践記録。ITやインターネットの利用は、身体や運動の障害というハンディを補って余りあることを実感させてくれ、感動的である。 (★★★★)
  • 北見けんいち: はらっぱの元気くん(東京新聞出版局)
    北見けんいち氏は、ご存じの通り、“釣りバカ日誌”の作者です。その北見氏が、中日新聞&東京新聞の日曜版に連載しているマンガが、この“元気くん”です。当節流行の昭和30年代がどうなっていたかを、タイムトリップして見に行くという設定なのです。ちょうど、自分の子ども時代と重なりますので、毎週楽しみにしているものです。単行本にならないかなと思っていたのですが、2007年3月に26話をセレクトした、この本が出ていたのでした。一気に読み終えてしまいました。懐かしい光景にたくさん出会い、ちょっと元気を取り戻せた本です。 (★★★★★)
  • 森永卓郎・柴田玲: 痩せりゃいい、ってもんじゃない!-脂肪の科学-(文春新書#638)
    タイトルからして、私のようにメタボ体型のものには、援軍のような本かと思ったのですが、どうやらこれはキャッチコピーという意味がメインのようでした。むしろ、サブタイトルの“脂肪の科学”の方が、内容には合致しています。本は、森永さんと柴田さんの対談と、柴田さんの解説から構成されています。森永さんは、獨協大学教授・経済評論家として知られていますが、私と同様メタボです。柴田さんは、名古屋大学循環器内科の助教で、メタボリック・シンドロームと心臓血管病の関連の研究が専門です。 ダイエットの具体的方法も書かれています。劇的に痩せる方法はなく、むしろ急激なダイエットは、良くないということです。結局のところ、わずかなことを、毎日、地道に継続するということが大切だとありました。具体的方法は、ネタバラしになりますので、割愛します。ポイントは、ウェスト・コントロールで、ベルトの穴を1サイズ縮めることに尽きるようです。 (★★★★★)
  • 五木寛之・香山リカ(対談): 鬱の力(幻冬舎新書、088)
    6月16日のブログにも書いたように、オビには“鬱は力なり”とあり、さらに、“これから50年続くであろう“鬱の時代”に生きる日本人の行く道を照らす、まったく新しい“鬱の思想””というのは、通読して、まさにその通りと思えた。「鬱」の字義は、しげる、さかんなさま、熱気がこもるなど、エネルギーや生命力が秘められていることが第一であり、ふさぐ、気がはればれしないというのは、第二の意味である。鬱に秘められたエネルギーや生命力を、明日へのエネルギーに変えるという生き方、あるいは、鬱こそ人間のやさしさや、内面的な豊かさの証であるという考え方は、一考の価値が十分にあると思う。私と同様に鬱で苦しむ方には、一読をお薦めしたい。 (★★★★★)
  • 長山靖生: 天下の副将軍-水戸藩から見た江戸三百年-(新潮選書)
     徳川御三家の一つでありながら、尾張や紀伊とは、かなり異なった思想、立場にあった水戸藩の立場から見た徳川幕府のありようをまとめている。水戸というのは、高校の日本史でも学ぶように、光圀の大日本史編纂や、幕末の天狗党など争乱への関与、水戸学の確立など、今ひとつわかりにくい存在でした。この本を読んでも、それらが氷解したとはいえないものの、名誉を尊び、清貧な文化を育み、天皇と幕府という二つの中心をいただくという独自の思想を生み出した背景についての理解は、多少とも深まったと思う。 (★★★★)
  • 甲野善紀・田中 聡: 身体から革命を起こす(新潮文庫#こ-43-1)
    武術家甲野善紀の術理と哲学について、田中聡が聞き書きをしたもの。甲野善紀は、元巨人の桑田真澄投手などにアドバイスをしたことから世に知られるようになった。西洋的な、合理的、力学的な身体感では説明できない、日本人古来の身体の使い方を追求している。しかし、それは、身体の使い方だけでなく、認知や思考のパターンにも及ぶ、革命的なものといってよい。内田樹さんのブログで、私は名前を知った記憶があるが、自分の現在のうつから抜けるには、メンタルな面だけではなく、身体から何かを変える必要があると思って、読んでみた。ただ、文章と写真では、理解はもちろん、実践は難しい。 (★★★★★)
  • 築山 節: フリーズする脳-思考が止まる、言葉に詰まる-(NHK出版生活人白書#163)
    うつ病は、脳の機能不全から生じるというのが、現在、主流の仮説になっている。この本は、パソコン、インターネット、強度ストレス、多忙すぎる仕事によって、脳がフリーズし、認知能力の低下、思考停止状態、言葉に詰まる等の症状が現れることや、その防止法について書かれている。うつが先か、フリーズが先か、自分でも判断に迷うが、現象的には、自分も脳のフリーズ状態が見られると思う。脳の使い方を改める、つまり、ライフスタイルを変化させることが重要であることを再認識させられる本である。ただ、心理学の立場からは、“マジック7”とか、それが“5±2”であるとか、基本的な事実を誤認して書いているのは、残念で仕方ない(正しくは、マジカルナンバー7±2である。そのため、評価はマイナス1ポイントとした)。 (★★★)
  • 綾 野(著) 富坂 聡(編): 中国が予測する“北朝鮮崩壊の日”(文春新書#637)
    中国と北朝鮮は、友好関係にあると思っていたが、どうもそうではなく、ある時点から、中国は北朝鮮をもてあますようになり、北朝鮮は例のしたたかさによって中国を手玉に取っているようだ。この本は、中国の現役軍人が、豊富な情報を元に、“脱・北朝鮮”を図り、普通の隣国としてのつきあいに変革すべきだということと、金正日体制の存続は困難であることを予測したものである。 (★★★★)
  • 上野 玲: 日本人だからうつになる(中公新書ラクレ#277)
    日本一過激なうつ本というキャッチコピー。たしかに、患者には甘えの構造もあり、ある意味での自助努力が必要という主張があるのは、類書には見られない。自分にも身に覚えがあるが、「約束を簡単に破る」という点は反省すべきで社会性を損なわないよう、症状に応じた努力が必要と主張している。キツイが、確かに1つの本質を突いている。また、薬と休養は必要だが、最終的には自分で治すしかないという点も、確かにその通りだと思う。それは、1つの共通概念としていえば、スロー・ライフということになるが、そのあり方は、個別性、個人差があり、個々人に固有のものを追求する必要があるという主張には、十分首肯できる。 (★★★★)
  • 横尾忠則: 隠居宣言(平凡社新書#411)
    これまでに読んだ“隠居本”、“定年本”の中でも、もっとも面白いと思った。オビには、“隠居とは、肩の力を抜いた生き方”とある。duty freeとなり、ストレスからも解放され、真に創造的に過ごすことができるのが、隠居生活であることがよく分かる。こういう隠居生活には、憧れる。休職を機会に、退職してしまって、自由気ままに生きるのも良いかなと、ちょっとまじめに考えさせられた本。 (★★★★★)
  • 加藤 仁: たった一人の再挑戦-50代早期退職者の行動ファイル-(文春文庫#か-10-5)
    この著者の本は、何冊も読んできた。定年後の過ごし方に興味があるからである。今の自分の生活も定年後の過ごし方の予行演習のようなものかも知れないと思っている。この本は、50代で、停年前に早期退職をした人たちが、その後どのような人生を送ったかについてのレポートである。一度取材した後、“その後”についてもフォローしてある。退職後の生き方にもさまざまあり、決して単線レールではなく、しかも、失敗しても別の生き方もあるということ、また、何らかの形で人とのつながりが重要であることがよく分かった。 (★★★★)
  • 櫻井よしこ: 異形の大国 中国-彼らに心を許してはならない-(新潮社)
    週刊新潮に連載されたエッセイを集めたもの。「詫びず、認めず、改めず。」とオビにあるが、おそらくかなり正しいと思う。中国も、北朝鮮も、韓国も“反日”で成り立っている国家であり、かなり狡猾であることを、とくに政治家達には認識してもらわなければ、日本の安全は保障されない。靖国問題など、表面的な事象にとらわれず、本質を見ることが必要であることを実感させる。高山正之の本や、高島俊男の“中国の大盗賊・完全版(講談社現代新書#1746)”等とあわせて読むとよい。とくに“中国の大盗賊・完全版”は、劉邦から毛沢東まで、中国とは、盗賊王朝であると喝破しており、その本質は変わっていないと思う。 (★★★)
  • 望月昭・細川貂々(画): こんなツレでゴメンナサイ。(文藝春秋)
    “ツレうつ”シリーズの、ツレさんご本人のエッセイ集。章立ての順序は、異なるが、内容は、ツレさんと相棒の貂々さんの出会いから、ツレさんのうつ病を経て、現在に至るまでの自伝をエッセイ風に綴ったもの。ツレさんの文章は、人柄がよく表れているし、貂々さんのほのぼのとした絵もよい。 (★★★★★)