背伸びしていた若かりし頃を思い出す……レヴィ・ストロース氏死去
朝は、冷え込みましたが、日中は天気も良く、暖かくなりました。最近、習慣になりつつありますが、昼食後、13時過ぎから、プチ散歩に出かけてきました。研究室は、何となく冷えている感じが夕方まで続いていたのですが、外の方が暖かくて、心地よい感じでした。
今日のプチ散歩は、勤務先の大学からは、西南の方へ出かけてみました。「市大病院南」の交差点を渡り、市立大学の滝子のキャンパスへ向かう方角です。天むすの多香野などの前から、しばらく西に向かい、駒場町あたりをブラブラして帰ってきました。ほぼ1㎞、30分弱です。散歩というよりも、気分転換のためにぶらついてきたという程度です。このあたりは、以前とあまり変わりない光景でした。あまり変わりがないと、何となく安心します。
さて、仕事中、ネットのニュースを見ていましたら、フランスの思想家で、文化人類学者のレヴィ・ストロース氏が、100歳で亡くなったということが報道されていました。ここに、アサヒ・コムの記事へのリンクを張りました。新聞などでは、「レビストロース」と表記されていますが、私自身は、やはり「レヴィ・ストロース」と書いてあった方がしっくり来ます。原語では、Lévi-Straussですから。以下に、アサヒ・コムの記事の一部を引用させてもらいます:
20世紀を代表する思想家で文化人類学者のクロード・レビストロース氏が死去したと、AFP通信が3日、出版社の情報として伝えた。100歳。今月28日には101歳の誕生日を迎えるはずだった。
<中略>
レビストロース氏は構造主義の父といわれ、55年に発表した「悲しき熱帯」が人文社会科学全般に大きな影響を与えた。日本文化の愛好者としても知られる。
レビストロースさんは1908年、ベルギー生まれ。パリ大学で法学と哲学を学ぶ。35年、サンパウロ大学の社会学教授として赴任したブラジルで現地のイ ンディオ社会を調査する。その後アメリカでも教えるが、戦後フランスに戻り、59年、コレージュ・ド・フランス社会人類学講座の初代教授となった。
ソシュールの言語学などの影響を受けながら、世界各地の民族誌データや神話などの分析を踏まえ「親族の基本構造」(49年)、「構造人類 学」(58年)、「野生の思考」(62年)などの著作を次々と発表。未開社会の婚姻形態の比較などをもとに、人類の社会、文化には共通する不変の基本構造 があるとする「構造主義」は、学界に大きな衝撃を与えた。
私も、学生時代に「野生の思考」などを読んだ記憶があります。野生や未開の中に現代文明の原型を求めるという立場でしたので、進歩主義的で、人間の理性を重視する立場にあった、実存主義の重鎮であったサルトルとは、対立していました。
また、ボーヴォ・ワールや、メルロ・ポンティとは、哲学教授試験の同期だったといいます。ちなみに、サルトルは、この試験を1回落第したそうで、1期あとになるようです。
内田樹さんのブログでも、「追悼・レヴィ=ストロース」というエントリーが書かれています。内田さんは、構造主義には造詣の深い方ですので、是非ご一読ください。
それにしても、まったく手垢の付いた表現しか思いつかない自分の知性がイヤになりますが、“巨星落つ”という感じです。これで、サルトルをはじめ、ボーヴォ・ワール、メルロ・ポンティ、ジャック・ラカン、ミッシェル・フーコーなど、20世紀のフランスを代表する知性といわれた人たちは、すべていなくなってしまいました。
学生時代、よく分からないまま、これら知的巨人の書いた書物を買い(もちろん、みすず書房から出ていた翻訳です)、ページをめくっていた日々を思い出します。今から思えば、理解できていた部分は、ほとんどないと思うのですが、当時の同世代の人文系の学生達は、皆こうした本を読んでいたような気がします。徐々に思い出してきましたが、仲間内で、これまた今の世の中からは絶滅してしまっていますが、これらの著者の本をテクストにして、「読書会」を続けていました。
アタマの中身自体は、今の学生達と変わらないと思いますが、甘く見られないようにというか、舐められないようにというか、そういうために、かなり無理して、背伸びして、大人というよりも、一人前に見られるように精一杯振る舞っていたような気がします。こういうところは、今の学生達と異なっている点であるように思います。
それにしても、今も研究室の書棚の下の奥の方に、メルロ・ポンティ他の著作があるはずですが、今なら、読みこなせるでしょうか?何となく、あの頃からすると、ずいぶん遠くへ来てしまったような気がします。
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